JP2008195868A - 樹脂、ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

樹脂、ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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祐士 金子
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聡 上村
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Abstract

【課題】LER、パターン倒れ、現像欠陥が改良されたポジ型レジスト組成物の提供。
【解決手段】一般式(I)で表される繰り返し単位を含有し、リビングラジカル重合で製造されたことを特徴とする、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂、該樹脂を含有するレジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法。式中、Xa1は水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表す。Rは単環の脂環基を含有する酸分解性基を表す。

Figure 2008195868

【選択図】なし

Description

本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程に使用される、重合体の製造方法、その製造方法によって製造された重合体を含有するポジ型レジスト組成物、それを用いたパターン形成方法及びその重合体の製造に使用される化合物に関するものである。さらに詳しくは250nm以下、好ましくは220nm以下の遠紫外線などの露光光源、および電子線などによる照射源とする場合に好適に使用される、重合体の製造方法、その製造方法によって製造された重合体を含有するポジ型レジスト組成物、それを用いたパターン形成方法及びその重合体の製造に使用される化合物に関するものである。
化学増幅系感光性組成物は、遠紫外光等の放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分に使用するため、高感度、高解像度で、且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
一方、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため、上記化学増幅系でも十分ではなかった。
このため、脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。これらの樹脂は、一般的に重合開始剤とモノマーを含む溶液を加熱して重合する溶液重合で製造されている。
しかしながら、パターンの微細化が進むにつれて、レジスト諸性能(パターン倒れ、ラインエッジラフネス、現像欠陥等)に対する樹脂の分子量のばらつき(分散度)の影響が無視できなくなってきた。レジスト樹脂の分散度を制御する方法としてリビングラジカル重合を用いた例が報告されている(例えば特許文献3〜特許文献5参照)。しかし、特許文献3〜5で用いられている酸分解性保護基を有する樹脂では十分なLER(ラインエッジラフネス)、耐パターン倒れ性能を得ることはできなかった。
特開平9−73173号公報 米国特許第6388101B号明細書 特開2004−220009号公報 特開2005−156726号公報 国際公開第2004/114,022号パンフレット
本発明の目的は、LER(ラインエッジラフネス)、パターン倒れが改良しうる狭分散性樹脂、該樹脂の製造方法、該樹脂を含有するポジ型レジスト組成物、それを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、狭分散でかつ特定の酸の作用により分解して脱離する基を含有する樹脂及びそれを含有するポジ型レジスト組成物が、LER(ラインエッジラフネス)、パターン倒れ等のレジスト性能を向上させることを見出した。さらに、現像欠陥の低減を見出すことができ、本発明に至った。
本発明は、以下の構成よりなる。
<1>
一般式(I)で表される繰り返し単位(a)を含有し、リビングラジカル重合で製造されたことを特徴とする、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂(B)。
Figure 2008195868
一般式(I)中、
a1は水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表す。
Rは単環の脂環基を含有する酸の作用により分解して脱離する基を表す。
<2>
樹脂(B)において一般式(I)で表される繰り返し単位が一般式(Ia)で表されるで繰り返し単位であることを特徴とする上記<1>に記載の樹脂。
Figure 2008195868
一般式(Ia)中、
a1は水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表す。
、R及びRはそれぞれ独立してアルキル基、単環の脂環基を表す。ただし、R、R及びRの少なくとも一つは単環の脂環基である。
<3>
樹脂(B)がさらに一般式(I’)で表され、繰り返し単位(a)とは異なる構造を有する繰り返し単位(b)を含有することを特徴とする上記<1>または<2>に記載の樹脂。
Figure 2008195868
一般式(I’)中、
a2は水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表す。
R’は酸の作用により分解して脱離する基を表す。
ただし、Xa2が一般式(I)におけるXa1と同じ場合、R’は一般式(I)におけるRと同じではなく、また、R’が一般式(I)におけるRと同じ場合の場合、Xa2は一般式(I)におけるXa1と同じではない。
<4>
樹脂(B)がさらにラクトン構造を有する繰り返し単位(c)を含有することを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれかに記載の樹脂。
<5>
樹脂(B)がさらに極性基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれかに記載の樹脂。
<6>
樹脂(B)がさらに非酸分解性脂環構造を含有する繰り返し単位を有することを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載の樹脂。
<7>
樹脂(B)を製造するリビングラジカル重合が、一般式(II)で表される連鎖移動剤の存在下で重合されたことを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれかに記載の樹脂。
Figure 2008195868
一般式(II)中、
Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
Yはアリール基を含有しないラジカルを放出できる基を表す。
<8>
前記一般式(II)で表される連鎖移動剤が一般式(II’)で表されることを特徴とする上記<7>に記載の樹脂。
Figure 2008195868
一般式(II’)中、
及びAは各々独立してアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
<9>
前記樹脂(B)の製造工程が、
一般式(III)で表される末端構造をラジカル発生剤で置換する際、ラジカル発生剤を逐次添加する工程を含むことを特徴とする上記<1>〜<8>のいずれかに記載の樹脂。
Figure 2008195868
一般式(III)中、
Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
<10>
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、および(B)上記<1>〜<9>のいずれかに記載の樹脂、を含有するポジ型レジスト組成物
<11>
さらに塩基性化合物を含有することを特徴とする上記<10>に記載のポジ型レジスト組成物。
<12>
上記<10>または<11>に記載のポジ型レジスト組成物により、膜を形成し、該膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明の重合体を用いることにより、100nm以下の微細パターンの形成に於いてもLER(ラインエッジラフネス)、パターン倒れ、現像欠陥が改良されたポジ型レジスト組成物とそれを用いたパターン形成方法、及びそれに用いる重合体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。また、「ある官能基の炭素数」とは、置換基の炭素数除いた官能基の全炭素数を表す。
(B)樹脂
本発明の樹脂(B)は、一般式(I)で表される繰り返し単位(a)を含有し、リビングラジカル重合で製造されたことを特徴とする、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂である。
Figure 2008195868
一般式(I)中、
a1は水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表す。
Rは単環の脂環基を含有する酸の作用により分解して脱離する基を表す。
繰り返し単位(a)について詳細に説明する。
Xa1のアルキル基としては、直鎖状アルキル基及び分岐状アルキル基を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。Xa1のアルキル基は、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよい。
Rは単環の脂環基を含有する酸の作用により分解して脱離する基を表す。
酸の作用により分解して脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、等を挙げることができる。式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
繰り返し単位(a)は、一般式(Ia)及び一般式(Ib)で表される繰り返し単位であるが好ましい。
Figure 2008195868
一般式(Ia)中、Xa1は一般式(I)中のXa1と同義である。
、R及びRはそれぞれ独立してアルキル基または単環の脂環基を表す。ただし、R、R及びRの少なくとも一つは単環の脂環基である。
Figure 2008195868
一般式(Ib)中、
a1は一般式(I)中のXa1と同義である。
はアルキル基及びシクロアルキル基を表す。
は、炭素原子とともに単環の脂環基を形成するのに必要な原子団を表す。
1〜R4のアルキル基としては、直鎖状アルキル基及び分岐状アルキル基を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
1〜R3の単環の脂環基としては炭素数3〜15のシクロアルキル基、炭素数3〜15のシクロアルケニル基やこれらのメチレン基を他のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子など)で置換した基が挙げられる。特に、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数4〜10のシクロアルキル基が好ましい。
4のシクロアルキル基としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられ、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。R5は、炭素数2〜15のアルキレン基やこれらのメチレン基を他のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子など)で置換した基が挙げられ、特に−(CH−、−(CH−等の炭素数3〜10のアルキレン基が好ましい。
1〜R5は、さらにアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基などの置換基を有しても良い。
一般式(Ia)及び(Ib)で表される酸分解性基を有することにより、LERが向上するが、特に(Ia)で表される酸分解性基を有することにより、パターン倒れ性能が向上する。
一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008195868
繰り返し単位(a)の含有量は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
本発明の樹脂(B)は、さらに一般式(I’)で表される繰り返し単位(a)とは異なる構造を有する繰り返し単位(b)を含有することが好ましい。
Figure 2008195868
一般式(I’)中、
a2は水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表す。
R’は酸の作用により分解して脱離する基を表す。
ただし、Xa1=Xa2の場合、R≠R’であり、R=R’の場合、Xa1≠Xa2である。
R’は、(pI)〜(pV)から選ばれる構造であることが好ましい。
Figure 2008195868
一般式(pI)〜(pV)中、
11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表す。
Zは、炭素原子とともに脂環基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環基を表す。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環基をを表す。但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環基を表す。
22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環基を表す。但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
11〜R25における脂環基或いはZと炭素原子が形成する脂環基は、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらのシクロアルキル基は置換基を有していてもよい。
好ましい脂環基としては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、テトラシクロドデカニル基、トリシクロデカニル基を挙げることができる。
これらのアルキル基、脂環基の更なる置換基としては、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)が挙げられる。上記のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が、更に有していてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
繰り返し単位(b)の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008195868
特に、繰り返し単位(b)は多環の脂環基を含有する酸分解性繰り返し単位であることが好ましい。これにより、パターン倒れ性能がさらに向上する。
繰り返し単位(b)の含有量は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、1〜60mol%が好ましく、より好ましくは3〜50mol%、更に好ましくは5〜40mol%である。
本発明の酸分解性樹脂は、さらにラクトン基を有する繰り返し単位(c)を有することが好ましい。ラクトン基としては、ラクトン構造を有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造を有する基であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)であり、特定のラクトン構造を用いることでラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。
Figure 2008195868
ラクトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。n2は、0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在する(Rb2)は同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2008195868
一般式(AI)中、
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は、水素原子及びメチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される連結基である。Ab1は、直鎖若しくは分岐状アルキレン基又は単環若しくは多環のシクロアルキレン基を表し、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のうちのいずれかで表される構造を有する基を表す。
ラクトン構造を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
ラクトン構造を有する繰り返し単位(C)の含有量は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008195868
Figure 2008195868
Figure 2008195868
特に好ましいラクトン基を有する繰り返し単位としては、下記の繰り返し単位が挙げられる。最適なラクトン構造を選択することにより、パターンプロファイル、粗密依存性が良好となる。
Figure 2008195868
本発明の樹脂(B)は、さらに、極性基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
極性基を有する繰り返し単位としては、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位が好ましい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。
極性基で置換された脂環炭化水素構造の脂環炭化水素構造としてはアダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。極性基としては水酸基、シアノ基が好ましい。好ましい極性基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
Figure 2008195868
一般式(VIIa)〜(VIIc)中、
2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cのうち1つまたは2つが水酸基で残りが水素原子である。一般式(VIIa)において、更に好ましくはR2c〜R4cのうち2つが水酸基で残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
Figure 2008195868
一般式(AIIa)〜(AIId)中、
1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキメチル基を表す。
2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基又はシアノ基を表す。R2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於けるR2c〜R4cと同義である。、
極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
一般式(AIIa)〜(AIIb)で表される構造を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008195868
本発明の樹脂(B)は、さらに実質的に酸により分解しない脂環構造を含有する繰り返し単位を有することができる。これにより、パターン倒れ性能、パターン形状、ドライエッチング耐性が向上する。ここでいう「実質的に酸により分解しない」とは、後述するパターン形成時における分解率が1%未満であることをいう。実質的に酸により分解しない脂環構造には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロドデシル等の単環の脂環構造や、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[4.4.0.12,6.17,10]ドデカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]デカン、デカヒドロナフタレン等の多環の脂環構造が挙げられる。これらの脂環構造は、置換基を有しても良く、例えば炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
本発明の樹脂(B)は、さらに非酸分解性脂環基を含有する繰り返し単位を有することができる。これにより、パターン倒れ性能、パターン形状、ドライエッチング耐性が向上する。非酸分解性脂環基には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロドデシル等の単環の脂環基や、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[4.4.0.12,6.17,10]ドデカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]デカン、デカヒドロナフタレン等の多環の脂環基が挙げられる。これらの脂環基は、置換基を有しても良く、例えば炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
非酸分解性脂環基を含有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜40mol%が好ましく、より好ましくは3〜30mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
非酸分解性脂環基を含有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2008195868
本発明の酸分解性樹脂は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有することができる。アルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコールが挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環または多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2008195868
酸分解性樹脂は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、酸分解性樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
酸分解性樹脂において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明の組成物がArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から樹脂は芳香族基を有さないことが好ましい。
酸分解性樹脂として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位、メタクリレート系繰り返し単位/アクリレート系繰り返し単位混合のいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。
酸分解性樹脂としてより好ましくは、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位5〜30モル%有する共重合ポリマー、または更にその他の繰り返し単位を0〜20モル%有する共重合ポリマーである。
本発明のポジ型レジスト組成物において、本発明に係わる全ての酸分解性樹脂の組成物全体中の配合量は、全固形分中50〜99.99質量%が好ましく、より好ましくは60〜99.0質量%である。
また、本発明において、酸分解性樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
本発明の樹脂(B)は、リビングラジカル重合により製造される。リビングラジカル重合とは、重合中、成長末端部がラジカルの放出・再結合の状態にあり、見かけ上、停止反応が進行しないラジカル重合のことである。この条件下では、分散度(重量平均分子量と数平均分子量の比)が通常のラジカル重合と比較して非常に小さくなる。リビングラジカル重合の例としては、連鎖移動剤を用いる方法、金属錯体触媒(中心金属がFe、Ru、Cu、Ni等の遷移金属触媒)とハロゲン原子を含有する化合物の存在下で重合する方法が挙げられる。これらのうち、特に連鎖移動剤を用いる方法が好ましい。
連鎖移動剤を用いるリビングラジカル重合における連鎖移動剤として、硫黄含有化合物、窒素含有化合物(ニロキシル系化合物など)、ヨウ素含有アルキル(例えば2−ヨードペルフルオロプロパン)などが挙げられる。これらのうち、特に硫黄含有化合物を連鎖移動剤に用いることにより、樹脂の分散度を効果的に低下させることができ、かつ樹脂中の金属含有量を低減させることができる。
連鎖移動剤としての硫黄含有化合物は、一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。この化合物を用いることにより、さらに効果的に本発明の樹脂の分散度を低下させることが可能となり、かつ、樹脂の193nmにおける透過率が向上する。
Figure 2008195868
一般式(II)中、
Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
Yはアリール基を含有しないラジカルを放出できる基を表す。
Aにおけるアルキル基は、置換基の炭素数を除いた炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−オクチル基等)が好ましく、特に置換基の炭素数を除いた炭素数1〜10のアルキル基が最も好ましい。Aにおけるシクロアルキル基は、単環又は多環の置換基の炭素数を除いた炭素数3〜20のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル、アダマンチル等)が好ましく、単環又は多環の置換基の炭素数を除いた炭素数3〜15のシクロアルキル基が最も好ましい。
Aにおけるアリール基は置換基を除いた炭素数6〜30のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、アントラニル等)が好ましく、炭素数6〜18のアリール基が最も好ましい。
Aにおけるヘテロ環基としては、炭素数3〜30の、5〜7員の、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基が挙げられ、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基が挙げられる。ヘテロ環基の例には、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、ピロール−1−イル、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−4−イル、インドール−1−イルなどが含まれる。
Aの各置換基はさらに置換基を有していてもよく、さらに有しても良い置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基等が挙げられる。
Yはアリール基を含有しないラジカルを放出できる基を表す。ラジカルを放出できる基とは、下記のように遊離ラジカル(R)と一般式(II)で表される化合物が反応した後、Yがラジカルとなって一般式(II)から遊離できる基であることを意味する。Yは、硫黄と結合している原子が三級炭素原子又は硫黄原子であることが好ましい。Yとして、硫黄原子と結合している原子が三級炭素原子及び硫黄原子である基が好ましい。
Figure 2008195868
一般式(II)で表される連鎖移動剤は、特に一般式(II’)で表されるビス(チオカルボニル)スルフィドが最も好ましい。
Figure 2008195868
一般式(II’)中、A及びAはそれぞれ独立して前記一般式(II)中のAから選ばれる基を表す。
一般式(II’)で表される化合物を用いることによって、樹脂の分散度を最も効率よく低下させることが可能となる。それにより、LERのさらなる低減が可能となる。また、一般式(II’)で表される化合物は、他の連鎖移動剤(例えばジチオエステル等)と比較して、合成が非常に簡単であり、また、一般的に固体であるため取り扱いやすいといった利点がある。
以下に一般式(II)で表される化合物の具体的な例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008195868
ジチオエステル及びビス(チオカルボニル)ジスルフィドなどの一般式(II)で表される化合物の合成法は、公知の方法を用いることができる。つまり、求核剤と二硫化炭素を反応させてジチオカルボン酸を合成した後、アルキル化剤と反応させてジチオエステルを合成する方法(方法1)、ジチオカルボン酸を酸化剤と反応させてビス(チオカルボニル)ジスルフィドを合成し、それを重合開始剤と反応させてジチオエステルを合成する方法(方法2)等が挙げられる。
一般式(II)の連鎖移動剤を用いるリビングラジカル重合について説明する。重合法としては、モノマー、重合開始剤、一般式(II)の連鎖移動剤を含む溶液を加熱して重合する方法(一括重合)及び、モノマーを含む溶液を加熱した溶液に添加しながら重合する方法(滴下重合)があるが、滴下重合法が製造安定性の観点から好ましい。モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤は、反応系に別々に添加しても良く、混合して添加しても良い。反応系に別々に添加する場合、それぞれの添加時間は、同じであっても良く、異なっていても良い。さらに、添加開始時間をずらして添加することも可能である。本発明に於いて、反応系は、反応溶媒自体であってもよいし、反応溶媒にモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤から選ばれる一部をあらかじめ加えたものであってもよい。即ち、本発明に於いては、反応溶媒自体を反応系とし、そこにモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤を添加しながらモノマーを重合させてもよいし、反応溶媒にモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤から選ばれる一部をあらかじめ加えて反応系とし、そこに残りのモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤を添加しながらモノマーを重合させてもよい。特に、連鎖移動剤の全使用量、場合によってはモノマー、重合開始剤の一部を添加した反応系に、残りのモノマー、重合開始剤を添加していくことが好ましい。モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤を添加する際には、反応溶媒に溶解させて溶液として添加することが好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても良く、混合して用いても良い。より好ましくは本発明のレジスト組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
重合開始剤としては、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いることができる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。重合開始剤は単独で用いても良く、混合して用いても良い。
モノマーは、製造しようとする重合体の繰り返し単位に相当するモノマーを使用する。例えば、製造しようとする重合体が、前記の酸分解性樹脂である場合には、製造しようとする酸分解性樹脂の繰り返し単位に相当するモノマーを使用する。
反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望の重合体を回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は用いるラジカル開始剤の分解効率によるため一義的に決めることは難しいが、低すぎるとモノマー転化率が低くなり反応時間が長くなってしまうため効率が悪くなり、高すぎると重合制御が不能になることから、用いる開始剤の10時間半減期温度以上かつ10分半期温度以下であることが好ましく、9時間半減期温度以上20分半減期温度以下であることがさらに好ましい。例えばアゾビスイソブチロニトリルを開始剤として用いた場合、反応温度は50℃以上100℃以下が好ましく、60℃以上90℃以下が最も好ましい。用いる重合開始剤の使用量は、連鎖移動剤に対して低すぎると反応速度が極端に遅くなり、高すぎると重合反応のコントロールが難しくなることから、連鎖移動剤に対して0.01モル当量以上10.0モル当量以下用いることが好ましく、0.20モル当量以上5.0モル当量以下が最も好ましい。連鎖移動剤は単独で用いても良く、混合して用いても良い。用いる連鎖移動剤の使用量は、重合体の数平均分子量の目標によって異なるため一義的に決めることはできないが、おおよそ全モノマーのモル数に対して0.01モル当量以上50.0モル当量以下が好ましく、0.1モル当量以上20.0モル当量以下が特に好ましい。
本発明に係る重合体の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000、最も好ましくは5,000〜15,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
本発明の重合法で得られる重合体の分散度(分子量分布)は通常のラジカル重合品よりも低い。これにより、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。本発明の重合体の分散度は、1.0〜1.50未満であるが、1.0〜1.30未満が好ましく、1.0〜1.20未満がさらに好ましい。分子量分布の小さいものほど、レジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の重合法で得られる重合体は、末端に一般式(III)で表される連鎖移動剤由来の置換基(ジチオエステル基)が残存する場合がある。
Figure 2008195868
一般式(III)中、Aは一般式(II)中のAと同義である。
この重合体をそのままレジスト材料として用いると透過率が悪く、パターン形状が悪化する恐れがあるため、連鎖移動剤由来のジチオエステル基を除去することが好ましい。
除去方法としては、重合終了後にラジカル発生剤、必要に応じて連鎖移動剤(チオール、ジスルフィド等)を添加して置換する方法がある。このとき、重合終了時の反応溶液にラジカル発生剤を添加して置換する方法、及び重合終了後に重合体を単離し、再び重合体を溶媒に溶解させてからラジカル発生剤を加える方法が挙げられるが、重合終了時の反応溶液にラジカル発生剤を添加して置換する方法が効率の点から好ましい。ラジカル発生剤としては前記ラジカル開始剤として挙げたものを用いることができる。ラジカル発生剤は重合時に用いたラジカル開始剤と同じであっても良く、異なっていても良い。ラジカル発生剤の使用量は重合で使用した一般式(I)の連鎖移動剤に対し、1.0モル当量以上20.0モル当量以下用いることが好ましく、2.0モル当量以上10.0モル当量以下用いることが特に好ましい。反応温度は前期重合温度で挙げた範囲の温度が好ましい。ラジカル発生剤の添加方法は一括に添加する方法、分割添加する方法、溶液にして滴下して添加する方法が挙げられるが、分割添加及び滴下して添加する方法が安全上好ましい。
本発明の樹脂を含有するポジ型レジスト組成物について以下詳細に述べる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、前記リビングラジカル重合で製造された樹脂(B)を含有する。(B)成分の樹脂の組成物全体中の配合量は、全固形分中50〜99.99質量%が好ましく、より好ましくは60〜99.0質量%である。
また、本発明において、(B)成分の樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
(A)酸発生剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(A)(以下、「光酸発生剤」ともいう)を含有する。
そのような光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)又は(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008195868
一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 、PF6 、SbF6 などが挙げられ、好ましくは炭素原子を有する有機アニオンである。
好ましい有機アニオンとしては下記一般式(AN1)〜(AN4)に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2008195868
一般式(AN1)及び(AN2)に於いて、
Rc1は、有機基を表す。
一般式(AN1)〜(AN2)、Rc1における有機基としては、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは置換していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。Rd1は、水素原子又はアルキル基を表し、結合しているアルキル基、シクロアルキル基、アリール基と環構造を形成してもよい。
Rc1の有機基としてより好ましくは、1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。Rc1において炭素原子を5個以上有する時、少なくとも1つの炭素原子は水素原子が全てフッ素原子で置換されているのではなく、水素原子を有していることが好ましく、水素原子の数がフッ素原子より多いことがより好ましい。炭素数5以上のパーフロロアルキル基を有さないことにより生態への毒性が軽減する。
Rc1の特に好ましい様態として、下記一般式で表される基を挙げることができる。
Figure 2008195868
上記一般式に於いて、
Rc6は、炭素数4以下、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2〜3のパーフロロアルキレン基、1〜4個のフッ素原子及び/または1〜3個のフロロアルキル基で置換されたフェニレン基を表す。
Axは、単結合又は2価の連結基(好ましくは、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−)を表す。Rd1は、水素原子又はアルキル基を表し、Rc7と結合して環構造を形成してもよい。
Rc7は、水素原子、フッソ原子、置換していてもよい、直鎖若しくは分岐状、単環若しくは多環のシクロアルキル基又はアリール基を表す。置換していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基は、置換基としてフッソ原子を有しないことが好ましい。
前記一般式(AN3)及び(AN4)に於いて、
Rc3、Rc4及びRc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
一般式(AN3)及び(AN4)に於ける、Rc3、Rc4及びRc5の有機基として、好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができる。
Rc3とRc4が結合して環を形成する場合に、Rc3とRc4が結合して形成される基としては、アルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2−4のパーフロロアルキレン基である。Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
前記一般式(ZI)に於ける、R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
201〜R203のうちの2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)及び(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(Z1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(Z1)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)、(ZI−2)及び(ZI−3)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、一般式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖、分岐のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのアルキル基は、直鎖若しくは分岐状2−オキソアルキル基、アルコキシメチル基であることがより好ましい。
201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
201〜R203としての2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2008195868
一般式(ZI−3)に於いて、
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於ける、X-と同様のものである。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
1c〜R7cとしてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
Rx及びRyとしてのアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基と同様のものを挙げることができる。Rx及びRyとしてのアルキル基は、直鎖若しくは分岐状2−オキソアルキル基、アルコキシメチル基であることがより好ましい。
Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基であることがより好ましい。
直鎖状、分岐状、環状2−オキソアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基である。
前記一般式(ZII)、(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207は、置換基を有していてもよい。R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008195868
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子求引性基を表す。R207として、好ましくは、アリール基である。R208として、好ましくは、電子求引性基であり、より好ましくは、シアノ基又はフロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物であり、更に好ましくは(ZI)で表される化合物であり、更により好ましくは(ZI−1)〜(ZI−3)で表される化合物である。
更に、活性光線又は放射線の照射により、下記一般式(AC1)〜(AC3)で表される酸を発生する化合物が好ましい。
Figure 2008195868
すなわち、特に好ましい光酸発生剤の様態として、一般式(ZI)で表される構造に於いて、X-が、前記一般式(AN1)、(AN3)、(AN4)から選ばれるアニオンである化合物を挙げることができる。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
Figure 2008195868
Figure 2008195868
Figure 2008195868
光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせて使用する際には、水素原子を除く全原子数が2以上異なる2種の有機酸を発生する化合物を組み合わせることが好ましい。
光酸発生剤の組成物中の含量は、ポジ型レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
酸の作用により分解する基を有さない樹脂
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用により分解する基を有さない樹脂を含有してもよい。
「酸の作用により分解する基を有さない」とは、本発明のポジ型レジスト組成物が通常用いられる画像形成プロセスにおいて酸の作用による分解性が無いかまたは極めて小さく、実質的に酸分解による画像形成に寄与する基を有さないことである。このような樹脂としてアルカリ可溶性基を有する樹脂、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液への溶解性が向上する基を有する樹脂があげられる。
酸の作用により分解する基を有さない樹脂としては、(メタ)アクリル酸誘導体および/又は脂環オレフィン誘導体から導かれる繰り返し単位を少なくとも1種有する樹脂が好ましい。
酸の作用により分解する基を有さない樹脂に含有されるアルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、1位または2位が電子求引性基で置換された脂肪族水酸基、電子求引性基で置換されたアミノ基(例えばスルホンアミド基、スルホンイミド基、ビススルホニルイミド基)、電子求引性基で置換されたメチレン基またはメチン基(例えばケトン基、エステル基から選ばれる少なくとも2つで置換されたメチレン基、メチン基)が好ましい。
酸の作用により分解する基を有さない樹脂に含有されるアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、ラクトン基、酸無水物基が好ましく、より好ましくはラクトン基である。
酸の作用により分解する基を有さない樹脂には、上記以外の他の官能基を有する繰り返し単位を有してもよい。他の官能基を有する繰り返し単位としては、ドライエッチング耐性、親疎水性、相互作用性などを考慮し、適当な官能基を導入することができる。他の繰り返し単位としては、水酸基、シアノ基、カルボニル基、エステル基などの極性官能基を有する構成単位、単環または、多環環状炭化水素構造を有する繰り返し単位、シリコン原子、ハロゲン原子、フロロアルキル基を有する繰り返し単位またはこれらの複数の官能基を有する繰り返し単位である。
好ましい酸の作用により分解する基を有さない樹脂の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008195868
酸の作用により分解する基を有さない樹脂の添加量は、酸分解性樹脂に対し0〜30質量%であり、好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%である。
アルカリ可溶性基、親水基、酸分解性基から選ばれるすくなくとも1つを有する、分子量3000以下の溶解制御化合物
本発明のポジ型レジスト組成物には、アルカリ可溶性基、親水基、酸分解性基から選ばれるすくなくとも1つを有する、分子量3000以下の溶解制御化合物(以下、「溶解制御化合物」ともいう)を加えてもよい。
溶解制御化合物としては、カルボキシル基、スルホニルイミド基、α位がフロロアルキル基で置換された水酸基などのようなアルカリ可溶性基を有する化合物、水酸基やラクトン基、シアノ基、アミド基、ピロリドン基、スルホンアミド基、などの親水性基を有する化合物、または酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基または親水性基を放出する基を含有する化合物が好ましい。酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基または親水性基を放出する基としてはカルボキシル基あるいは水酸基を酸分解性基で保護した基が好ましい。溶解制御化合物としては220nm以下の透過性を低下させないため、芳香環を含有しない化合物を用いるか、芳香環を有する化合物を組成物の固形分に対し20wt%以下の添加量で用いることが好ましい。
好ましい溶解制御化合物としてはアダマンタン(ジ)カルボン酸、ノルボルナンカルボン酸、コール酸などの脂環炭化水素構造を有するカルボン酸化合物、またはそのカルボン酸を酸分解性基で保護した化合物、糖類などのポリオール、またはその水酸基を酸分解性基で保護した化合物が好ましい。
本発明における溶解制御化合物の分子量は、3000以下であり、好ましくは300〜3000、更に好ましくは500〜2500である。
溶解制御化合物の添加量は、ポジ型レジスト組成物の固形分に対し、好ましくは3〜40質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。
以下に溶解制御化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008195868
塩基性化合物
本発明のポジ型レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減あるいは、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては含窒素塩基性化合物、オニウム塩化合物を挙げることができる。好ましい含窒素塩基性化合物構造として、下記一般式(A)〜(E)で示される部分構造を有する化合物を挙げることができる。
Figure 2008195868
一般式(A)に於いて、
250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、ここでR250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。これらは置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基又は炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
一般式(E)に於いて、
253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジンを挙げることができ、置換基を有していてもよい。更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等があげられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。塩基性化合物の使用量は、ポジ型レジスト組成物の固形分を基準として、通常0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。十分な添加効果を得る上で0.001質量%以上が好ましく、感度や非露光部の現像性の点で10質量%以下が好ましい。
フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物がフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布していても、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
有機溶剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
本発明において、有機溶剤としては、単独で用いても混合して用いても良いが、異なる官能基を有する2種以上の溶剤を含有する混合溶剤を用いることが好ましい。これにより素材の溶解性が高まり、経時におけるパーティクルの発生が抑制できるだけでなく、良好なパターンプロファイルが得られる。溶剤が含有する好ましい官能基としては、エステル基、ラクトン基、水酸基、ケトン基、カーボネート基が挙げられる。異なる官能基を有する混合溶剤としては以下の(S1)〜(S5)の混合溶剤が好ましい。
(S1)水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤、
(S2)エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S3)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S4)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S5)エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を有する溶剤とを含有する混合溶剤。
これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減でき、また、塗布時の欠陥の発生を抑制することができる。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルがより好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンが特に好ましい。
ケトン構造を有する溶剤としてはシクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどが挙げられ、好ましくはシクロヘキサノンである。
エステル構造を有する溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、酢酸ブチルなどが挙げられ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
ラクトン構造を有する溶剤としてはγ−ブチロラクトンが挙げられる。
カーボネート構造を有する溶剤としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが挙げられ、好ましくはプロピレンカーボネートである。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは40/60〜80/20である。エステル構造を有する溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、70/30〜99/1、好ましくは80/20〜99/1、更に好ましくは90/10〜99/1である。エステル構造を有する溶剤を70質量%以上含有する混合溶剤が経時安定性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、ラクトン構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、カーボネート構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
これら溶剤の好ましい様態としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート(好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を含有する溶剤であり、より好ましくはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと他の溶剤の混合溶剤であり、他の溶剤が水酸基、ケトン基、ラクトン基、エステル基、エーテル基、カーボネート基から選ばれる官能基、あるいはこれらのうちの複数の官能基を併せ持つ溶剤から選ばれる少なくとも1種である。特に好ましい混合溶剤は、乳酸エチル、γブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、シクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの混合溶剤である。
最適な溶剤を選択することにより現像欠陥性能を改良することができる。
<その他の添加剤>
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、前記フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明で使用できる現像液に対する溶解促進性化合物は、フェノール性OH基を2個以上、又はカルボキシ基を1個以上有する分子量1,000以下の低分子化合物である。カルボキシ基を有する場合は脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。
これら溶解促進性化合物の好ましい添加量は、高分子化合物に対して2〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。現像残渣抑制、現像時パターン変形防止の点で50質量%以下が好ましい。
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4916210号、欧州特許第219294号等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明においては、前記フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪族エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル類等のノニオン系界面活性剤を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
(パターン形成方法)
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
例えば、ポジ型レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、レジスト膜を形成する。
当該レジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線の照射時にレジスト膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。また、液浸露光を行なう際に液浸媒体とレジスト膜が直接触れ合わないようにするためにレジスト膜の上にさらにオーバーコート層を設けても良い。これによりレジスト膜から液浸媒体への組成物の溶出が抑えられ、現像欠陥が低減する。
レジスト膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
活性光線又は放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等を挙げることができるが、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等であり、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(13nm)、電子ビームが好ましい。
現像工程では、アルカリ現像液を次のように用いる。レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
合成例1(酸分解性樹脂(RA−1)の合成)
Figure 2008195868
窒素気流下、シクロヘキサノン5.9g、連鎖移動剤(II−1)0.78g(2.56mmol)を3つ口フラスコに入れ、80℃に加熱した。これに、モノマー(1−1)11.4g(51.2mmol)、モノマー(1−2)6.0g(25.6mmol)、モノマー(1−3)10.8g(51.2mmol)、重合開始剤V−60(アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬製)0.42g(2.56mmol)、連鎖移動剤(II−1)0.78g(2.56mmol)をシクロヘキサノン106gを溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。この溶液に、重合開始剤V−60(和光純薬製)3.36g(10.2mmol)をシクロヘキサノン20mLに溶解させた溶液を80℃で4時間かけて滴下し、さらに2時間加熱した。反応液を放冷後ヘキサン700m/酢酸エチル300mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、酸分解性樹脂(RA−1)が21.4g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で6,450、分散度(Mw/Mn)は1.15であった。
酸分解性樹脂(RA−2)〜(RA−36)を、表1の条件に従い、合成例1と同様の手法を用いて合成した。なお、ポリマーが含有する連鎖移動剤の残基は、重合時に用いた開始剤を用いて除去操作を行った。
比較合成例1(酸分解性樹脂(RA−1')の合成)
窒素気流下、シクロヘキサノン11.8gを3つ口フラスコに入れ、80℃に加熱した。これに、モノマー(1−1)11.4g(51.2mmol)、モノマー(1−2)6.0g(25.6mmol)、モノマー(1−3)10.8g(51.2mmol)、重合開始剤V−60(アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬製)1.9g(11.6mmol)をシクロヘキサノン106gを溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン1400m/酢酸エチル600mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、酸分解性樹脂(RA−1')が26.2g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で6,800、分散度(Mw/Mn)は1.82であった。
比較合成例2(酸分解性樹脂(RA−1'')の合成)
連鎖移動剤を一般式(II’)で表される化合物を用いた以外は表1の条件に従い、合成例1と同様の手法を持ちいて、酸分解性樹脂(RA−1’’)を24.2g得た。得られた樹脂の重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で6,700、分散度(Mw/Mn)は1.26であった。
Figure 2008195868
以下、得られた酸分解性樹脂の構造を示す。
Figure 2008195868
Figure 2008195868
Figure 2008195868
Figure 2008195868
Figure 2008195868
Figure 2008195868
下記表1に、得られた酸分解性樹脂について、使用した開始剤、連載移動剤、重量平均分子量、分散度及び透過率を示す。透過率は、プロピレングリコールモノアセテート:プロピレングリコール=6:4の樹脂溶液(樹脂の含率:10重量%)を石英ガラス基板上にスピンコートにより塗布し、120℃でプリベークを行って膜圧160nmのレジスト膜を形成し、その膜の波長193nmの吸光度から算出した。
Figure 2008195868
表中のmol%は全モノマーモル数に対するmol%である。
V-60:アゾイソブチロニトリル
V−601:ジメチル(2,2’−2−メチルプロピオネート)
V−40:1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)
実施例1〜34及び比較例1〜4
<レジスト調製>
下記表2に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度8質量%の溶液を調製し、これを0.03 mのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果も表2に示した。
<レジスト評価>
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−42を600オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各ポジ型レジスト溶液をスピンコーターで塗布し120℃で60秒乾燥を行い150nmのレジスト膜を形成させた。 このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 NA=0.75、2/3輪帯)で露光し、露光後直ぐに120℃で60秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。
<感度>
80nmのラインアンドスペース1/1のマスクパターンを再現する露光量を最適露光量(Eopt)とした。この値が小さいほど、感度が高い。
<パターン倒れ>
130nmのラインアンドスペース1:1のマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、ラインアンドスペース1:1の密集パターン及びラインアンドスペース1:10の孤立パターンについて、最適露光量で露光した際により微細なマスクサイズにおいてパターンが倒れずに解像する線幅を限界パターン倒れ線幅とした。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生しにくいことを示す。
<ラインエッジラフネス>
ラインエッジラフネス(LER)の測定は、測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して120nmの孤立パターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所S−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
<パターン形状>
得られたパターンの形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所S−9260)にて観察して、評価した。
<現像欠陥評価>
130nmのラインアンドスペース1:1のマスクパターンが再現する露光量で8inchウエハー全面を露光しレジストパターンを得た。これをKLA Tencor社製 インテリジェント ラインモニタ 2360を使用しウエハ全面における現像欠陥測定した。
Figure 2008195868
Figure 2008195868
以下、表2中の略号を示す。
〔光酸発生剤〕
Figure 2008195868
〔塩基性化合物〕
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
TEA:トリエタノールアミン
DBA:N,N−ジブチルアニリン
PBI:2−フェニルベンズイミダゾール
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W‐4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
S2:2−ヘプタノン
S3:シクロヘキサノン
S4:γ−ブチロラクトン
S5:プロピレングリコールメチルエーテル
S6:乳酸エチル
S7:プロピレンカーボネート
表から、本発明の樹脂を含有するポジ型レジスト組成物は、LER、パターン倒れ、パターン形状、現像欠陥の全てにおいて優れていることが明らかである。

Claims (12)

  1. 一般式(I)で表される繰り返し単位(a)を含有し、リビングラジカル重合で製造されたことを特徴とする、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂(B)。
    Figure 2008195868
    一般式(I)中、
    a1は水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表す。
    Rは単環の脂環基を含有する酸の作用により分解して脱離する基を表す。
  2. 樹脂(B)において一般式(I)で表される繰り返し単位が一般式(Ia)で表されるで繰り返し単位であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂。
    Figure 2008195868
    一般式(Ia)中、
    a1は水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表す。
    、R及びRはそれぞれ独立してアルキル基、単環の脂環基を表す。ただし、R、R及びRの少なくとも一つは単環の脂環基である。
  3. 樹脂(B)がさらに一般式(I’)で表され、繰り返し単位(a)とは異なる構造を有する繰り返し単位(b)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂。
    Figure 2008195868
    一般式(I’)中、
    a2は水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表す。
    R’は酸の作用により分解して脱離する基を表す。
    ただし、Xa2が一般式(I)におけるXa1と同じ場合、R’は一般式(I)におけるRと同じではなく、また、R’が一般式(I)におけるRと同じ場合の場合、Xa2は一般式(I)におけるXa1と同じではない。
  4. 樹脂(B)がさらにラクトン構造を有する繰り返し単位(c)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂。
  5. 樹脂(B)がさらに極性基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂。
  6. 樹脂(B)がさらに非酸分解性脂環構造を含有する繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂。
  7. 樹脂(B)を製造するリビングラジカル重合が、一般式(II)で表される連鎖移動剤の存在下で重合されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂。
    Figure 2008195868
    一般式(II)中、
    Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
    Yはアリール基を含有しないラジカルを放出できる基を表す。
  8. 前記一般式(II)で表される連鎖移動剤が一般式(II’)で表されることを特徴とする請求項7に記載の樹脂。
    Figure 2008195868
    一般式(II’)中、
    及びAは各々独立してアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
  9. 前記樹脂(B)の製造工程が、
    重合後の重合溶液にラジカル発生剤を添加しながら、一般式(III)で表される末端構造をラジカル発生剤で置換する工程を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂。
    Figure 2008195868
    一般式(III)中、
    Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
  10. (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、および(B)請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂、を含有するポジ型レジスト組成物。
  11. さらに塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項10に記載のポジ型レジスト組成物。
  12. 請求項10または11に記載のポジ型レジスト組成物により、膜を形成し、該膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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