JP4696001B2 - ポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
このため、脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている。例えば、特開平9−73173号公報(特許文献1)には脂環構造を有する酸分解性樹脂を含有するレジスト組成物が記載されている。しかしながら、線幅100nm以下のような微細なパターンを形成する際には、解像性能が優れていても、形成したラインパターンが倒れてしまい、デバイス製造時の欠陥となってしまうパターン倒れの問題や、ラインパターンのラインエッジラフネス性能の改良が求められていた。
ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストの特性に起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することをいう。このパターンを真上から観察するとエッジが凸凹(±数nm〜数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させることになる。
(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂
を含有するポジ型感光性組成物であって、
(B)成分が、下記(a1)〜(a3)の繰り返し単位を有することを特徴とするポジ型
感光性組成物。
(a1)下記一般式(I−1)で表される酸分解性繰り返し単位及び/又は下記一般式(I−2)で表される酸分解性繰り返し単位、
(a2)ラクトン基を有する繰り返し単位及び
(a3)下記一般式(VIIa)〜(VIId)のいずれかで表される部分構造を有する繰り返し単位。
一般式(I−1)及び(I−2)に於いて、
Xa 1 は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Rx 1 及びRx 2 は、それぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐状アルキル基又は単環環状アルキル基を表す。
一般式(VIIa)〜(VIIc)中、
R 2c 〜R 4c は、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R 2c 〜R 4c のうち少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。
ただし、上記ポジ型感光性組成物から、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a’)、脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位(b’)、水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位(c’)、及び、メタクリル酸繰り返し単位(d’)を含有し、メタクリル酸繰り返し単位(d’)の割合が全繰り返し単位中5〜18モル%である、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A’)、及び、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B’)を含有するポジ型レジスト組成物は除く。
<2> 一般式(I−1)又は(I−2)に於いて、Rx 1 及びRx 2 の内の少なくとも1つが、炭素数2以上の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であることを特徴とする上記<1>に記載のポジ型感光性組成物。
<3> (B)成分が、更に、一般式(I−1)又は(I−2)とは異なる酸分解性繰り返し単位を有することを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のポジ型感光性組成物。
<4> (B)成分が、更に、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有することを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
<5> 更に、(F)溶剤を含有し、該溶剤が、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと他の溶剤との混合溶剤であり、他の溶剤が、水酸基、ケトン基、ラクトン基、エステル基、エーテル基及びカーボネート基から選ばれる官能基を少なくとも1つ有する溶剤から選ばれる少なくとも1種類の溶剤であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
<6> 更に、(F)溶剤を含有し、該溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと、乳酸エチル、γブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル及びシクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種類の溶剤との混合溶剤であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
<7> 上記<1>〜<6>のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により形成された感光性膜。
<8> 上記<7>に記載の感光性膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
<9> 前記感光性膜を、液浸液を介して露光することを特徴とする上記<8>に記載のパターン形成方法。
本発明は、上記<1>〜<9>に係る発明であるが、以下、参考のため、他の事項も含めて記載している。
(1) (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物及び
(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂
を含有するポジ型感光性組成物であって、
(B)成分が、下記(a1)〜(a3)の繰り返し単位を有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
(a1)下記一般式(I−1)で表される酸分解性繰り返し単位及び/又は下記一般式(I−2)で表される酸分解性繰り返し単位、
(a2)ラクトン基を有する繰り返し単位及び
(a3)水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位。
Xa1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Rx1及びRx2は、それぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐状アルキル基又は単環環状アルキル基を表す。
ーテル、酢酸ブチル及びシクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種類の溶剤との混合溶剤であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のポジ型感光性組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(「酸発生剤」ともいう)を含有する。
そのような酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
X-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -などが挙げられ、好ましくは炭素原子を含有する有機アニオンである。
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基としては、炭素数1−30のものが挙げられ、好ましくは置換していてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。Rd1は、水素原子又はアルキル基を表し、結合しているアルキル基、アリール基と環構造を形成してもよい。
Rc1の有機基として、より好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。Rc1において炭素原子を5個以上有する時、少なくとも1つの炭素原子は水素原子が全てフッ素原子で置換されているのではなく、水素原子を有していることが好ましく、水素原子の数がフッ素原子より多いことがより好ましい。炭素数5以上のパーフロロアルキル基を有さないことにより生態への毒性が軽減する。
Rc6は、炭素数4以下、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2〜3のパーフロロアルキレン基、1〜4個のフッ素原子及び/又は1〜3個のフロロアルキル基で置換されたフェニレン基を表す。
Axは、連結基(好ましくは、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−)を表す。Rd1は、水素原子又はアルキル基を表し、Rc7と結合して環構造を形成してもよい。
Rc7は、水素原子、フッソ原子、直鎖状若しくは分岐状アルキル基、単環若しくは多環環状アルキル基又はアリール基を表す。アルキル基、環状アルキル基、アリール基は、置換していてもよいが、置換基としてフッ素原子を有さないことが好ましい。
Rc3、Rc4及びRc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5の有機基として、好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができる。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。Rc3とRc4が結合して形成される基としては、アルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2−4のパーフロロアルキレン基である。Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201
〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6−から14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基であることがより好ましい。
R201〜R203としての直鎖、分岐、環状の2−オキソアルキル基は、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(I)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基であることがより好ましい。
直鎖若しくは分岐、環状2−オキソアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基である。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R207としてのアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207は、置換基を有していてもよい。R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(I)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。R207として、好ましくは、アリール基である。R208として、好ましくは、電子吸引性基であり、より好ましくは、シアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
更に、活性光線又は放射線の照射により、下記一般式(AC1)〜(AC3)で表され
る酸を発生する化合物が好ましい。
酸発生剤の組成物中の含量は、ポジ型感光性組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明のポジ型感光性組成物に用いられる酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解
速度が増大する樹脂(「(B)成分」ともいう)は、下記(a1)〜(a3)の繰り返し単位を有する。
(a1)下記一般式(I−1)で表される酸分解性繰り返し単位及び/又は下記一般式(I−2)で表される酸分解性繰り返し単位、
(a2)ラクトン基を有する繰り返し単位及び
(a3)水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位。
Xa1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Rx1及びRx2は、それぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐状アルキル基又は単環環状アルキル基を表す。
一般式(I−1)、(I−2)において、Xa1は、水素原子、アルキル基(水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)、シアノ基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子又はメチル基である。
Rx1及びRx2は、それぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐状アルキル基又は単環環状アルキル基を表す。直鎖状アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が好ましい。分岐状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基などが挙げられる。単環環状アルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
一般式(I−1)、(I−2)において、Rx1またはRx2のうち少なくとも1つが、炭素数2以上の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であることが好ましく、より好ましくは、Rx1またはRx2のうち少なくとも1つが、エチル基、またはイソプロピル基である。好ましいRx1とRx2の組み合わせとしては、Rx1がメチル基でRx2がエチル基、Rx1がメチル基でRx2がイソプロピル基、Rx1がイソプロピル基でRx2がエチル基、Rx1、Rx2両方がエチル基、Rx1、Rx2両方がメチル基、Rx1、Rx2両方がイソプロピル基であり、よし好ましくは、Rx1がメチル基でRx2がエチル基、Rx1がメチル基でRx2がイソプロピル基、Rx1がイソプロピル基でRx2がエチル基、Rx1、Rx2両方がエチル基、Rx1、Rx2両方がイソプロピル基である。
ものではない。
一般式(I−1)、(I−2)で表される繰り返し単位以外の酸分解性繰り返し単位としては、下記一般式(I−1a)又は(I−2a)で表される繰り返し単位が好ましい。
Xa1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、一般式(I−1)、(I−2)に於けるXa1と同様のものである。
Ry1〜Ry3は、それぞれ独立に、直鎖若しくは分岐状アルキル基又は多環環状アルキル基を表す。
Zは、炭素原子とともに単環または多環環状アルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
Ry1〜Ry3における、直鎖若しくは分岐状アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
Ry1〜Ry3における、多環環状アルキル基としては、アダマンチル基、ノルボルニル基が好ましい。
Zが炭素原子とともに形成する単環または多環環状アルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基が好ましい。
他の酸分解性繰り返し単位を併用することにより、PEB温度依存性、解像力などの性能バランスが良好となる。
Rxは、H、CH3、CF3又はCH2OHを表す。
Ry1及びRy2は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Rxは、H、CH3、CF3又はCH2OHを表す。
Ry1は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ラクトン基としては、ラクトン構造を有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造を含有する基であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)であり、特に好ましくは(LC1−4)である。特定のラクトン構造を用いることでラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。
基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
Rb0は、水素原子又はメチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される2価の連結基である。Ab1は、直鎖、分岐アルキレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のうちのいずれかで示される基を表す。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造の脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cのうち1つまたは2つが水酸基で残りが水素原子である。(VIIa)において更に好ましくは
R2c〜R4cのうち2つが水酸基で残りが水素原子である。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキメチル基を表す。
R2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIId)に於ける、R2c〜R4cと同義である。
R50〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R50〜R55の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、R50〜R55の全てがフッ素原子であることが好ましい。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環または多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。最も好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
分子量分布は通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
また、本発明において、(B)成分は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
本発明のポジ型感光性組成物は、酸の作用により分解する基を有さない樹脂(以下、「(B2)成分」ともいう)を含有してもよい。
「酸の作用により分解する基を有さない」とは、本発明のポジ型感光性組成物が通常用いられる画像形成プロセスにおいて酸の作用による分解性が無いかまたは極めて小さく、実質的に酸分解による画像形成に寄与する基を有さないことである。このような樹脂として、アルカリ可溶性基を有する樹脂、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液への溶解性が向上する基を有する樹脂が挙げられる。
(B2)成分としては、(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる繰り返し単位及びは脂環オレフィン誘導体から導かれる繰り返し単位から選ばれる繰り返し単位を少なくとも1種類有する樹脂が好ましい。
(B2)成分に含有されるアルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、1位または2位が電子吸引性基で置換された脂肪族水酸基、電子吸引性基で置換されたアミノ基(例えばスルホンアミド基、スルホンイミド基、ビススルホニルイミド基)、電子吸引性基で置換されたメチレン基またはメチン基(例えばケトン基、エステル基から選ばれる少なくとも2つで置換されたメチレン基、メチン基)が好ましい。
(B2)成分に含有されるアルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、ラクトン基、酸無水物基が好ましく、より好ましくはラクトン基である。
(B2)成分には上記以外の他の繰り返し単位を有してもよい。他の繰り返し単位としては、ドライエッチング耐性、親疎水性、相互作用性などを考慮し、適当な官能基を導入することができる。
他の繰り返し単位としては、水酸基、シアノ基、カルボニル基、エステル基などの極性官能基を有する繰り返し単位、単環または多環環状炭化水素構造を有する繰り返し単位、シリコン原子、ハロゲン原子、フロロアルキル基を有する繰り返し単位またはこれらの複数の官能基を有する繰り返し単位を挙げることができる。
本発明のポジ型感光性組成物には、アルカリ可溶性基、親水基及び酸分解性基(酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基または親水性基を放出する基)から選ばれるすくなくとも1つを有する、分子量3000以下の溶解制御化合物(以下、「(C)成分」或いは「溶解制御化合物」ともいう)を加えてもよい。
溶解制御化合物としては、カルボキシル基、スルホニルイミド基、α位がフロロアルキル基で置換された水酸基などのようなアルカリ可溶性基を有する化合物、水酸基やラクトン基、シアノ基、アミド基、ピロリドン基、スルホンアミド基、などの親水性基を有する化合物、または酸分解性基を有する化合物が好ましい。酸分解性基としては、カルボキシル基あるいは水酸基を酸分解性基保護基で保護した基が好ましい。溶解制御化合物としては220nm以下の透過性を低下させないため、芳香環を含有しない化合物を用いるか、芳香環を有する化合物を組成物の固形分に対し20wt%以下の添加量で用いることが好ましい。
好ましい溶解制御化合物としてはアダマンタン(ジ)カルボン酸、ノルボルナンカルボン酸、コール酸などの脂環炭化水素構造を有するカルボン酸化合物、またはそのカルボン酸を酸分解性保護基で保護した化合物、糖類などのポリオール、またはその水酸基を酸分解性保護基で保護した化合物が好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減あるいは、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
好ましい含窒素塩基性化合物構造として、下記式(A)〜(E)で示される部分構造を有する化合物を挙げることができる。
R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、R250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。これらは置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基又は炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
一般式(E)に於いて、
R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。
ソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
本発明のポジ型感光性組成物は、更に、フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物がフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
を有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
本発明のポジ型感光性組成物は、各成分を所定の溶剤に溶解して用いる。
使用し得る溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤を挙げることができる。
(S1)水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤、
(S2)エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S3)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S4)エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤とを混合した混合溶剤、
(S5)エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を含有する混合溶剤。
これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減でき、また、塗布時の欠陥の発生を抑制することができる。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンが最も好ましい。
ケトン構造を有する溶剤としてはシクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどが挙げられ、好ましくはシクロヘキサノンである。
エステル構造を有する溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、酢酸ブチルなどが挙げられ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
ラクトン構造を有する溶剤としてはγ−ブチロラクトンが挙げられる。
カーボネート構造を有する溶剤としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが挙げられ、好ましくはプロピレンカーボネートである。
エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは40/60〜80/20である。エステル構造を有する溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、70/30〜99/1、好ましくは80/20〜99/1、更に好ましくは90/10〜99/1である。エステル構造を有する溶剤を70質量%以上含有する混合溶剤が経時安定性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、ラクトン構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を含有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、カーボネート構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を含有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
ノンから選ばれる少なくとも1種類と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの混合溶剤である。
最適な溶剤を選択することにより現像欠陥性能を改良することができる。
本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記(E)成分以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明のポジ型感光性組成物は、各成分を所定の溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
当該感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線の照射時に感光性膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのもので
も用いることができるが好ましくは純水である。また、液浸露光を行なう際に液浸媒体と感光性膜が直接触れ合わないようにするために感光性膜の上にさらにオーバーコート層を設けても良い。これにより感光性膜から液浸媒体への組成物の溶出が抑えられ、現像欠陥が低減する。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
窒素気流下3.4N−メチルマグネシウムブロミド/エーテル溶液250mlにシクロヘキサンカルボン酸メチル48.3gをTHF100mlに溶解させた溶液を1時間かけて加えた。そのまま室温で2時間攪拌し、反応液に2N塩酸水溶液100ml加えた。反応液を濃縮し、これに酢酸エチルを加えた。溶液をシリカゲルろ過し、濃縮すると粗生成物が得られた。これをカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−シクロヘキシル−2−プロパノールが32g得られた。
窒素気流下2−シクロヘキシル−2−プロパノール32gをTHF100mlに溶解させ、−78℃まで冷却した。これに1.6N−n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液144mlを1時間かけて加えた。そのまま30分攪拌した後、室温まで昇温した。これにメタクリル酸クロリド24.1gを30分かけて加えた。室温で1時間反応した後、水100ml加え、さらに30分攪拌した。これを酢酸エチルで3回抽出し、有機相を水洗、乾燥、濃縮すると、粗生成物が得られた。これをカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記モノマーAが24g得られた。
モノマーAの合成においてメチルマグネシウムブロミドをエチルマグネシウムブロミドに変えた他は同様の手法を用いて合成した。
3N−エチルマグネシウムブロミド/エーテル溶液143mlにシクロヘキソルメチル
ケトン40gをTHF100mlに溶解させた溶液を1時間かけて加えた。そのまま室温で2時間攪拌し、反応液に2N塩酸水溶液200ml加えた。これを酢酸エチルで3回抽出し、有機相を水洗、乾燥、濃縮すると、粗生成物が得られた。これをカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−シクロヘキシル−2−ブタノールが28g得られた。
これを、モノマーAの合成と同様の手法を用いてメタクリル酸エステル化することで下記モノマーEを得た。
モノマーA,C,Eの合成においてメタクリル酸クロリドをアクリル酸クロリドに変えた他は同様の手法を用いて合成した。
モノマーA〜Fの合成において、対応するシクロペンタン誘導体を原料として用いた他は同様の手法を用いることで合成を行なった。
窒素気流下シクロヘキサノン8.6gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに下記モノマーAを8.4g、3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート4.7g、ノルボルナンラクトンメタクリレート8.9g、重合開始剤V−601(和光純薬製)をモノマーに対し8mol%をシクロヘキサノン79gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン700m/酢酸エチル300mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると樹脂(RA−1)が19g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で5400、分散度(Mw/Mn)は1.60であった。
<レジスト調製>
下記表1〜2に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度9質量%の溶液を調製し、これを0.03 mのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果も表1〜2に示した。
なお、実施例7及び14は「参考例」と読み替えるものとする。
以下、表中の酸発生剤を示す。
〔塩基性化合物〕
TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
TEA:トリエタノールアミン
TPA:トリペンチルアミン
DBA:N,N−ジブチルアニリン
PBI:2−フェニルベンズイミダゾール
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)W‐4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
S2:2−ヘプタノン
S3:シクロヘキサノン
S4:γ−ブチロラクトン
S5:プロピレングリコールメチルエーテル
S6:乳酸エチル
S7:プロピレンカーボネート
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−42を600オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各ポジ型レジスト溶液をスピンコーターで塗布し110℃で90秒乾燥を行い160nmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 NA=0.75、2/3輪帯)で露光し、露光後直ぐに120℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。
80nmのラインアンドスペース1:1のマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量からさらに露光量を増大させて形成されるラインパターンの線幅を細らせた際に、パターンが倒れずに解像する線幅をもって定義した。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生しにくく、解像力が高いことを示す。
ラインエッジラフネス評価方法:
測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して80nmのラインアンドスペース1:1パターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所S−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
<レジスト調製>
実施例1〜24及び比較例1〜2の成分を溶剤に溶解させ固形分濃度7質量%の溶液を調製し、これを0.03μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価した。
<解像性評価>
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト溶液を塗布し、115℃、60秒ベークを行い150nmのレジスト膜を形成した。
こうして得られたウエハーを液浸液としては純水を使用し、2光束干渉露光を行った(ウェット露光)。尚、2光束干渉露光(ウエット)では、図1に示すように、レーザー1、絞り2、シャッター3、3枚の反射ミラー4,5、6、集光レンズ7を使用し、プリズム8、液浸液(純水)9を介して反射防止膜及びレジスト膜を有するウエハー10に露光を行った。レーザー1の波長は、193nmを用い、65nmのラインアンドスペースパターンを形成するプリズム8を使用した。露光直後に115℃、90秒加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥して得たレジストパターンについて走査型電子顕微鏡(日立製S−9260)を用い、観察した。実施例1〜24のポジ型レジスト溶液を用いたところ65nmのラインアンドスペースパターンがパターン倒れを発生せずに解像した。比較例1〜2のポジ型レジスト溶液を用いたところ65nmのラインアンドスペースパターンは解像するものの、一部のパターンでパターン倒れが観測された。
本願のポジ型感光性組成物は、液浸液を介した露光方法においても良好な画像形成能を有することが明らかである。
2 絞り
3 シャッター
4、5、6 反射ミラー
7 集光レンズ
8 プリズム
9 液浸液
10 反射防止膜及びレジスト膜を有するウエハー
11 ウエハーステージ
Claims (9)
- (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物及び
(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂
を含有するポジ型感光性組成物であって、
(B)成分が、下記(a1)〜(a3)の繰り返し単位を有することを特徴とするポジ型
感光性組成物。
(a1)下記一般式(I−1)で表される酸分解性繰り返し単位及び/又は下記一般式(I−2)で表される酸分解性繰り返し単位、
(a2)ラクトン基を有する繰り返し単位及び
(a3)下記一般式(VIIa)〜(VIId)のいずれかで表される部分構造を有する繰り返し単位。
一般式(I−1)及び(I−2)に於いて、
Xa1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Rx1及びRx2は、それぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐状アルキル基又は単環環状アルキル基を表す。
一般式(VIIa)〜(VIIc)中、
R 2c 〜R 4c は、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R 2c 〜R 4c のうち少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。
ただし、上記ポジ型感光性組成物から、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位(a’)、脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位(b’)、水酸基を置換した脂環構造をもつ繰り返し単位(c’)、及び、メタクリル酸繰り返し単位(d’)を含有し、メタクリル酸繰り返し単位(d’)の割合が全繰り返し単位中5〜18モル%である、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A’)、及び、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B’)を含有するポジ型レジスト組成物を除く。 - 一般式(I−1)又は(I−2)に於いて、Rx1及びRx2の内の少なくとも1つが、炭素数2以上の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載
のポジ型感光性組成物。 - (B)成分が、更に、一般式(I−1)又は(I−2)とは異なる酸分解性繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
- (B)成分が、更に、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
- 更に、(F)溶剤を含有し、該溶剤が、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと他の溶剤との混合溶剤であり、他の溶剤が、水酸基、ケトン基、ラクトン基、エステル基、エーテル基及びカーボネート基から選ばれる官能基を少なくとも1つ有する溶剤から選ばれる少なくとも1種類の溶剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
- 更に、(F)溶剤を含有し、該溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと、乳酸エチル、γブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル及びシクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種類の溶剤との混合溶剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により形成された感光性膜。
- 請求項7に記載の感光性膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
- 前記感光性膜を、液浸液を介して露光することを特徴とする請求項8に記載のパターン形成方法。
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JP2007240967A (ja) | 2007-09-20 |
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