JP4828163B2 - ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とから低次縮合物を製造し、ついで重縮合触媒の存在下で重縮合させることにより製造されるポリエチレンテレフタレートに関し、さらに詳しくは、成形後の透明性が良好なボトル成形を可能とするポリエチレンテレフタレートに関する。
ポリエチレンテレフタレートは、機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリア性に優れており、ジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填容器の素材をはじめとしてフィルム、シート、繊維などの素材として好適に使用されている。
このようなポリエチレンテレフタレートは、通常、テレフタル酸などのジカルボン酸と、エチレングリコールなどの脂肪族ジオール類とを原料として製造される。具体的には、まず、芳香族ジカルボン酸類と脂肪族ジオール類とのエステル化反応により低次縮合物(エステル低重合体)を形成し、次いで重縮合触媒の存在下にこの低次縮合物を脱グリコール反応(液相重縮合)させて、高分子量化している。また、場合によっては固相重縮合を行い、さらに分子量を高めている。
このようなポリエチレンテレフタレートの製造方法では、重縮合触媒として、従来アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物などが使用されている。
しかしながら、アンチモン化合物を触媒として製造したポリエチレンテレフタレートは透明性の点でゲルマニウム化合物、チタン化合物を触媒として製造したポリエチレンテレフタレートに劣っている。
アンチモン化合物はリン化合物と反応し、透明性を阻害する析出物を生成する。これを抑制する為に特許文献1ではアンチモン化合物とリン化合物をできるだけ接触させないようにしたり、リン化合物をEGで希釈したりする方法が提案されている。
特許文献2および3には、ポリエステルを不活性ガス雰囲気または減圧下で、180℃から融点までの温度範囲で加熱する方法が提案されており、不活性ガスにグリコール成分を含有させることも記載されている。しかしながら同技術では、結晶化速度の変動を抑制するために加熱前後での極限粘度変化が±0.05(dl/g)内に抑えられており、分子量の低い(すなわち極限粘度の低い)重合体を固相重合により高分子量化するプロセスには適用できない。
特許文献4には、グリコール成分を500ppm以上含有する不活性ガス流通下で、ポリエステルを180℃から融点までの温度範囲で加熱する方法が提案されている。しかしながら同技術は色相(b値)の改善を目的としており、加圧操作を必須とするため設備負担が大きかった。また特許文献4の方法では、加熱処理により粘度が低下するか粘度上昇が小さいため、固相重合により高分子量化するプロセスには適用できない。
米国特許5962625号 特開2003-160657号公報 特開2002-173528号公報 特許3470304号公報
本発明は、Sbを含むポリエチレンテレフタレートであって成形後の高い透明性を特徴とする、ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法を提供することを課題としている。 さらには、重合時の高い生産性と成形後の高い透明性を両立したポリエチレンテレフタレート樹脂を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記のような従来技術に鑑みてポリエチレンテレフタレートの製造方法について鋭意研究した結果、重縮合触媒ないし添加剤としてアンチモン化合物を用いて製造したポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールを含む雰囲気中で固相重合する方法を見出して本発明を完成した。
すなわち本発明の要旨は、
[1]Sb原子を100〜300ppmの範囲で含有するポリエチレンテレフタレートを、エチレングリコールを含む気体中において固相重合し、極限粘度を0.10[dl/g]以上増大させることを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法、である。
さらに、気体とエチレングリコールのモル比が特定の範囲にあると、重合活性とポリエチレンテレフタレートの透明性のバランスが良好となるため好ましい。また、雰囲気気体は不活性ガスであることが好ましく、その中でもコストやハンドリングの面から窒素がより好ましい。
[2]前記エチレングリコールを含む気体が、モル比で0.2×10−3〜2.5×10−3 mol/molの範囲でエチレングリコールを含むことを特徴とする[1]に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
[3]前記エチレングリコールを含む気体が窒素であることを特徴とする[1]に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
は本発明の好ましい態様である。
なお、モル比はエチレングリコール/気体分子で表す。分子量はエチレングリコール=62、窒素=28であり、その比は(62/28)=約2.2であるから、エチレングリコール/窒素を用いる場合、0.2×10−3〜2.5×10−3 mol/molは重量比で0.4×10−3〜5.5×10−3 wt/wtとなる。
[4]固相重合の温度を190〜240℃の範囲において行う[1]記載の方法、および同方法で製造したポリエチレンテレフタレート。
により透明性の優れたポリエチレンテレフタレートが高い生産性で得られる。
固相重合の温度は190〜240℃の範囲で実施すると、重合活性と得られるポリエチレンテレフタレートの透明性のバランスが良好となるため好ましい。
なお、以下エチレングリコールをEGと略記することがある。
本発明の方法により得られるポリエチレンテレフタレートは、生産性が高く、かつ透明性が良好なボトル成形が可能となる。
(ポリエチレンテレフタレートの製造方法)
本発明のポリエチレンテレフタレートの製造方法は、上記アンチモン系触媒を含むポリエチレンテレフタレート製造用触媒の存在下に、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造する。以下、その一例について説明する。
(使用原料)
本発明に係るポリエチレンテレフタレートの製造方法は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体を原料として用いる。
本発明では、テレフタル酸とともに、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを原料として使用することができる。使用する量はテレフタル酸に対して10mol%以下が望ましい。
また、エチレングリコールとともに、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール;ビスフェノール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類などの芳香族ジオールなどを原料として使用することができる。
さらに本発明では、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物を原料として使用することができる。
(エステル化工程)
まず、ポリエチレンテレフタレートを製造するに際して、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とをエステル化させる。
具体的には、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを含むスラリーを調製する。
このようなスラリーにはテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体1モルに対して、通常1.005〜1.4モル、好ましくは1.01〜1.3モルのエチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体が含まれる。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供給される。
エステル化反応は好ましくは2個以上のエステル化反応基を直列に連結した装置を用いてエチレングリコールが還流する条件下で、反応によって生成した水を精留塔で系外に除去しながら行う。
エステル化反応工程は通常多段で実施され、第1段目のエステル化反応は、通常、反応温度が240〜270℃、好ましくは245〜265℃であり、圧力が0.02〜0.3MPaG(0.2〜3kg/cm2 G)、好ましくは0.05〜0.2MPaG(0.5〜2kg/cm2 G)の条件下で行われ、また最終段目のエステル化反応は、通常、反応温度が250〜280℃、好ましくは255〜275℃であり、圧力が0〜0.15MPaG(0〜1.5kg/cm2 G)、好ましくは0〜0.13MPaG(0〜1.3kg/cm2 G)の条件下で行われる。
エステル化反応を2段階で実施する場合には、第1段目および第2段目のエステル化反応条件がそれぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終段の1段前までエステル化反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応条件の間の条件であればよい。
例えば、エステル化反応が3段階で実施される場合には、第2段目のエステル化反応の反応温度は通常245〜275℃、好ましくは250〜270℃であり、圧力は通常0〜0.2MPaG(0〜2kg/cm2 G)、好ましくは0.02〜0.15MPaG(0.2〜1.5kg/cm2 G)であればよい。
これらの各段におけるエステル化反応率は、特に制限はされないが、各段階におけるエステル化反応率の上昇の度合いが滑らかに分配されることが好ましく、さらに最終段目のエステル化反応生成物においては通常90%以上、好ましくは93%以上に達することが望ましい。
このエステル化工程により、テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応物である低次縮合物(エステル低重合体)が得られ、この低次縮合物の数平均分子量が500〜5,000程度である。
上記のようなエステル化工程で得られた低次縮合物は、次いで重縮合(液相重縮合)工程に供給される。
(液相重縮合工程)
液相重縮合工程においては、上記した触媒の存在下に、エステル化工程で得られた低次縮合物を、減圧下で、かつポリエチレンテレフタレートの融点以上の温度(通常250〜280℃)に加熱することにより重縮合させる。
この重縮合反応では、未反応のエチレングリコールを反応系外に留去させながら行われることが望ましい。
重縮合反応は、1段階で行ってもよく、複数段階に分けて行ってもよい。例えば、重縮合反応が複数段階で行われる場合には、第1段目の重縮合反応は、反応温度が250〜290℃、好ましくは260〜280℃、圧力が0.07〜0.003MPa(500〜20Torr)、好ましくは0.03〜0.004MPa(200〜30Torr)の条件下で行われ、最終段の重縮合反応は、反応温度が265〜300℃、好ましくは270〜295℃、圧力が1〜0.01kPaG(10〜0.1Torr)、好ましくは0.7〜0.07kPa(5〜0.5Torr)の条件下で行われる。
重縮合反応を3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終段目の1段前間での重縮合反応は、上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間の条件で行われる。例えば、重縮合工程が3段階で行われる場合には、第2段目の重縮合反応は通常、反応温度が260〜295℃、好ましくは270〜285℃で、圧力が7〜0.3kPa(50〜2Torr)、好ましくは5〜0.7kPa(40〜5Torr)の条件下で行われる。
アンチモン触媒としては三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコラートなどの少なくとも1種のアンチモン系触媒を用いて重縮合することができる。これを低次縮合物中の芳香族ジカルボン酸単位に対して、Sb金属原子換算で、0.023〜0.050モル%、使用することが望ましい。得られるポリエチレンテレフタレートに含有されるSb原子量は100〜300ppmの範囲とする。Sb原子量が100ppmを下回ると、十分な重合活性が得られないことがあり、300ppmを上回ると充分な透明性が得られないことがある。
安定剤としてリン化合物を用いても良く、具体的には
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;
トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;
メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート等のリン酸エステル;
およびリン酸、ポリリン酸などのリン化合物が挙げられる。
このようなリン化合物の添加量は、芳香族ジカルボン酸に対して、該リン化合物中のリン原子換算で、0.003〜0.030モル%、好ましくは0.006〜0.015モル%の量であることが望ましい。
必要に応じてコバルト化合物および染料、顔料を添加しても良い。これは重縮合反応時に存在していればよい。このため添加は、原料スラリー調製工程、エステル化工程、液相重縮合工程等のいずれの工程で行ってもよい。
以上のような液相重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートの極限粘度[IV]は0.40〜1.0dl/g、好ましくは0.50〜0.90dl/gであることが望ましい。なお、この液相重縮合工程の最終段目を除く各段階において達成される極限粘度は特に制限されないが、各段階における極限粘度の上昇の度合いが滑らか分配されることが好ましい。
また、このときの末端COOH濃度は20〜70eq/ton、好ましくは30〜60eq/tonであることが望ましい。
DEG(ジエチレングリコール)量は0.8〜2.5wt%、好ましくは1.0〜2.0wt%であることが望ましい。
この重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートは、通常、溶融押し出し成形されて粒状(チップ状)に成形される。
(固相重縮合工程)
本発明の方法はこのような液重工程が完了して時点で得られた粒状ポリエチレンテレフタレートをEG/窒素混合気体中で固相重合することにより行われる。
固相重縮合工程に供給される粒状ポリエチレンテレフタレートは、予め、固相重縮合を行う場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重縮合工程に供給してもよい。
このような予備結晶化工程は、粒状ポリエチレンテレフタレートを乾燥状態で通常、120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度に1分から4時間加熱することによって行うことができる。またこのような予備結晶化は、粒状ポリエチレンテレフタレートを水蒸気雰囲気、水蒸気含有不活性ガス雰囲気下、または水蒸気含有空気雰囲気下で、120〜200℃の温度で1分間以上加熱することによって行うこともできる。
予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートは、結晶化度が20〜50%であることが望ましい。
なお、この予備結晶化処理によっては、いわゆるポリエチレンテレフタレートの固相重縮合反応は進行せず、予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートの極限粘度は、液相重縮合後のポリエチレンテレフタレートの極限粘度とほぼ同じであり、予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートの極限粘度と予備結晶化される前のポリエチレンテレフタレートの極限粘度との差は、通常0.06dl/g以下である。
固相重縮合工程は、少なくとも1段からなり、温度が190〜240℃、好ましくは200〜235℃であり、圧力が0.2〜0.001MPa(1kg/cm2 G〜10Torr)、好ましくは常圧から0.01MPa(100Torr)の条件下で、EGと気体、好ましくはEGと窒素との混合気体雰囲気下で行われる。温度が200〜235℃であると、EGの蒸気圧が本発明の範囲として適当となるため好ましい。
固相重縮合の雰囲気ガスはモル比でEG/気体分子=0.2×10−3〜2.5×10−3 mol/molの範囲でエチレングリコールを含むことが好ましい。雰囲気ガスに窒素を用いる場合EG/窒素は重量比で0.4×10−3〜5.5×10−3 wt/wtとなる。
EGは固重工程に供給する前の窒素中もしくは固重工程に直接供給しても良い。また、固相重縮合に供給する窒素流量を調整して固重塔内で生成するEGと窒素の重量比を調節してEG/窒素重量比を調節しても良い。連続固相重合の場合は固相重合反応器内のEG/窒素重量比の平均値が上記の範囲に入っていれば良い。
以上のような固相重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートの極限粘度[IV]は0.6〜1.2dl/g、好ましくは0.7〜1.0dl/gであることが望ましい。固相重縮合工程によるポリエチレンテレフタレートの極限粘度増加量は、通常0.1dl/g以上、好ましくは0.2〜0.5dl/gであることが望ましい。
上記のようなエステル化工程と重縮合工程とを含むポリエチレンテレフタレートの製造工程はバッチ式、半連続式、連続式のいずれでも行うことができる。
このようにして製造されたポリエチレンテレフタレートは、従来から公知の添加剤、例えば、安定剤、離型剤、帯電防止剤、分散剤、染顔料等の着色剤などが添加されていてもよく、これらの添加剤はポリエチレンテレフタレート製造時のいずれかの段階で添加してもよく、成形加工前、マスターバッチにより添加したものであってもよい。
本発明によって得られるポリエチレンテレフタレートは各種成形体の素材として使用することができ、例えば、溶融成形してボトルなどの中空成形体、シート、フィルム、繊維等に使用されるが、ボトルに使用することが好ましい。
本発明によって得られるポリエチレンテレフタレートからボトル、シート、フィルム、繊維などを成型する方法としては、従来公知の方法を採用することができる。
例えば、ボトルを成形する場合には、
上記ポリエチレンテレフタレートを溶融状態でダイより押出してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着装することにより中空成形体を製造する方法、
上記ポリエチレンテレフタレートから射出成形によりプリフォームを製造し、該プリフォームを延伸適性温度まで加熱し、次いでプリフォームを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着装することにより中空成形体を製造する方法などがある。
(実施例)
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。各分析と成形方法を以下に示す。
(IVの測定)
0.09〜0.095gの試料をフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=1/1重量比の混合溶媒に0.5g/dlの濃度になるように調整する。この溶液に試料を入れて135℃、40分かけて溶解した後、冷却して25℃で測定した溶液粘度ηspから算出した。
(Sb、P、Coの分析)
フィリップス(PHILIPS)社製の蛍光X線分析装置(PW−2400)を使用して溶融成形したプレスシートの元素特有の蛍光X線の強度を測定し濃度を求めた。
(段付角板の成形)
真空乾燥機を用いて、ポリエチレンテレフタレートのペレットを140℃、16時間以上、1mmHgで乾燥した。これを射出成形機(名機製作所 M−70B)にて、275℃で成形し、段付角板を得た。段付角板状成形体は、図1に示すような形状をして有しており、A部の厚さは約6mm、B部の厚さは約4mm、C部の厚さは約2mm、D部の厚さは約7mm、E部の厚さは約5mm、F部の厚さは3mmである。
(ヘイズの測定)
上記の段付角板の厚さ5mmと6mmの部分をスガ試験器のヘイズメーターHGM−2DPを使用して測定した。
(末端COOH基の定量)
試料をo−クレゾールで加熱溶解し、クロロホルムを加え、電位差滴定装置を使用して1/50NのNaOH標準溶液で滴定し、末端COOH基(eq/ton)を定量した。
(製造例)
テレフタル酸とイソフタル酸の比率が98/2mol%であってIVが0.59dl/g、Sbが230ppm、Pが12ppm、Coが8ppm、末端COOH基が50eq/tonのポリエチレンテレフタレートを170℃の窒素気流下で2h結晶化した。
その後、215℃に加熱したEGと窒素の混合気体中で、9〜12h固相重合した。このときの窒素の流速は静置したペレットに対して315mm/secになるようにした。
製造例のEG/窒素重量比を0.0011に調整し得られたポリエチレンテレフタレートのヘイズ結果を表1に記した。
製造例のEG/窒素重量比を0.0023に調整し得られたポリエチレンテレフタレートのヘイズ結果を表1に記した。
製造例のEG/窒素重量比を0.0036に調整し得られたポリエチレンテレフタレートのヘイズ結果を表1に記した。
製造例のEG/窒素重量比を0.0050に調整し得られたポリエチレンテレフタレートのヘイズ結果を表1に記した。
(比較例1)
製造例のEG/窒素重量比を0に調整し得られたポリエチレンテレフタレートのヘイズ結果を表1に記した。
(比較例2)
製造例のEG/窒素重量比を0.0002に調整し得られたポリエチレンテレフタレートのヘイズ結果を表1に記した。
(比較例3)
製造例のEG/窒素重量比を0.0072に調整し固相重合したが、固相重合速度が大きく低下し、固相重合後のIVが低く、良好なヘイズが得られなかった。
Figure 0004828163
ヘイズの測定に用いられる段付き角板状成形体の斜視図である。

Claims (3)

  1. Sb原子を100〜300ppmの範囲で含有するポリエチレンテレフタレートを、エチレングリコールをモル比で0.2×10 -3 〜2.5×10 -3 mol/molの範囲で含む気体中において固相重合し、極限粘度を0.10[dl/g]以上増大させることを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  2. 前記エチレングリコールを含む気体が窒素であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  3. 固相重合の温度が190〜240℃の範囲である請求項1または2に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
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