JP4826312B2 - 二方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、二方向性電磁鋼板の製造方法に関し、特に磁気特性に優れた二方向性電磁鋼板を簡便かつ安定して得ようとするものである。
近年、地球温暖化防止、省エネルギー化への要求の高まりに伴い、鉄心の材料である方向性電磁鋼板に対しても、商用周波数での低鉄損および低励磁場での高磁束密度といった高い磁気特性が求められている。
このような磁気特性を実現するためには、鉄の磁化容易軸である<001>軸を使用磁界方向に集積させることが有効とされている。
一般的な方向性電磁鋼板は、{110}<001>方位(ゴス方位)、すなわち{110}面が鋼板に平行で、かつ<001>軸が圧延方向に集束した集合組織を有している。これにより、方向性電磁鋼板は、圧延方向に対して極めて高い磁気特性を示すことができる。このため、方向性電磁鋼板は、巻き鉄心のような圧延方向にのみ磁束が流れる用途に適しており、有用な磁性材料として使用されている。
しかしながら、EI型コアのような形状を有する小型トランスでは、80%程度は圧延方向に磁束が流れるように設計可能であるが、20%程度は圧延直角方向に磁束が流れることになる。
EI型コアのように、一方向だけでなく、それと直交する方向の磁気特性にも優れることが要求される用途に適した{100}<001>(いわゆるキューブ方位)集合組織を有する鋼板は、二方向性電磁鋼板と称されている。この二方向性電磁鋼板は、<001>軸が鋼板面内の圧延方向と圧延直角方向の両方に向いており、鋼板面内の直交する2つの方向で優れた磁気特性を示す電磁鋼板である。
二方向性電磁鋼板の製造方法としては、クロス圧延による方法が知られている(例えば特許文献1、特許文献2)。この方法は、珪素鋼素材を、一方向に冷間圧延した後、さらにこの冷延方向と交差方向に冷間圧延を加え、その後、短時間焼鈍と900〜1300℃程度の高温焼鈍を行う方法である。
また、最近では、新たな手法としては、脱Cもしくは脱Cと脱Mnを生じさせる高温焼鈍を利用した製造方法(例えば特許文献3)や、SiとMnの含有量が特定の関係式を満足する鋼に、熱間圧延を施し、急速加熱を必要とする中間焼鈍と2回以上の冷間圧延を行った後に、減圧下での焼鈍を行う製造方法(特許文献4)、さらにはキューブ方位を得るものではないが、二次再結晶後の鋼板を再度圧延し、再結晶させることで、若干C方向磁気特性の高い{210}〜{310}を得る製造方法(特許文献5)などが提案されている。
特公昭35−2657号公報 特公昭38−8213号公報 特開平7−173452号公報 WO98/20179号公報 特開2000−309858号公報
現在、ゴス方位を有する方向性電磁鋼板の実用化には著しいものであり、電力用変圧器の主材料となっている。
一方、二方向性電磁鋼板は、鋼板面内の二方向に優れた磁気特性を示すという優れた特長を有するものの、未だ実用化には到っていない。
その原因として、二方向に集積した集合組織を形成するためには、特殊な設備の導入が必要なこと、さらにその製法自体が極めて難しいことが挙げられる。
また、二次再結晶現象を利用して直径が10mm以上の粗大な結晶を得る方向性電磁鋼板では、EI型コアを作製する過程において、打ち抜き加工時にダレ等の形状変化が大きいという問題がある。
従って、二方向性電磁鋼板を、EI型コアのような打ち抜き加工が必要な用途に用いる場合を考えると、ダレ等の問題が生じる粗大粒ではなく、一次再結晶のみの小径粒でキューブ方位を得ることが必要となる。
なお、前掲特許文献5に開示の技術は、そもそもキューブ方位を得る技術ではないため、C方向のB50が1.7T未満と十分な磁気特性を得ることができていなかった。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、二方向性電磁鋼板専用の特殊な設備を必要とせず、キューブ方位を通常の一次再結晶で形成することができる、磁気特性に優れた二方向性電磁鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、キューブ方位を形成させる素材として、フォルステライト等の被膜を有しない方向性電磁鋼板について検討を行った。
ゴス方位の単結晶は、圧下率:70%程度の圧延を行ったのち、再結晶焼鈍を行うと、初期方位であるゴス方位に再び高度に集積する特異的な方位である。そこで、ここに、外乱を加えることで他方位の形成ができないかと、繰り返し実験を行った。
以下、本発明を由来するに至った実験結果について説明する。
通常の二次再結晶法によって得た方向性電磁鋼板を、酸洗して、フォルステライト被膜を除去した素材に対して、10%CO-4.2%H2O-H2(balance)の混合雰囲気中にて700℃,48時間の浸炭処理を施し、鋼中に100ppmの炭素を含有させた。また、比較のため、N2雰囲気中で700℃,48時間の焼鈍を行った素材(C量:10ppm)も用意した。これらの素材に対し、炭化物析出のために900℃,60sの均熱を施し、その冷却過程を10℃/s,30℃/s,50℃/sの3条件で冷却する焼鈍を施した。さらに、50℃/sで冷却を施したものには、400℃,30sの時効処理を施した。これらの処理により、浸炭処理を施した素材の結晶中に種々の炭化物を析出させた。
これに、圧下率:10%、30%、50%、70%、80%となる圧延を行った。圧延は、ロール温度を室温,50℃,100℃,150℃,200℃として実施したのち、650℃,2minの再結晶焼鈍を湿潤雰囲気で行った。焼鈍後の鋼中C量はいずれも50ppm未満であった。
得られた再結晶焼鈍板の粒径はいずれも、異常粒成長によるような粗大粒の生成はなく、板厚1/2以下の十分に小さな結晶となっていた。
また、各焼鈍板の集合組織を、X線による正極点シュルツ法(100)極点図として示し、これをADC(Arbitrarily Difined Cells)法を用いたソフトウェア(Textool)により解析し、キューブ方位の集積度について調査した。
表1に、キューブ方位への集積度に及ぼす、浸炭処理の有無、炭化物の析出形態、時効処理の有無、ロール温度および圧下率の影響について調べた結果を、表1に示す。
なお、キューブ方位の集積度は、ランダム強化に対するキューブ強度の比(以下、ランダム強度比という)で示すものとし、特にこのランダム強度比が4以上の場合を集積度が良好と判断し、表中に○で示した。
この実験により、キューブ方位へ集積した集合組織を得るには、浸炭処理を行い、かつ50%以上の圧下率による圧延を実施した場合のみに限られることが判明した。
また、特に時効処理によって炭化物を粗大化した場合と、ロール温度が100℃以上の温間圧延とした場合に、高い集積度が得られることが判明した。
これらは以下のようなメカニズムによるものと推定される。
前述したとおり、通常、ゴス方位を、圧延して再結晶させた場合、再びゴス方位に集積することが知られている。実際に、浸炭処理を行わなかった素材は、ゴス方位に集積していた(図1;条件1等)。
上述した実験において、浸炭処理を行い、炭化物を粗大に析出させた場合に、キューブ方位の集積度が高まったことから、外乱因子として炭化物が極めて有用であったものと考えられる。つまり、圧延を行った際に、母相と硬度の全く違う炭化物が存在することによって、炭化物周辺に応力が集中し、異なった結晶回転が生じたものと考えられる。そして、これを実現するためには、ある程度の圧下率(上述の実験での50%)が必要不可欠であったものと推定される。
また、ロール温度を高温とし、いわゆる温間圧延を施した素材でも、キューブ方位の集積度が高くなっていたが、この効果は粗大な炭化物が存在しなくとも得られた。従って、この場合は、炭化物による応力集中の効果に加えて、固溶炭素によるコットレル雰囲気の形成の効果が重なったことによって、異なった結晶回転が生じ、粗大炭化物の場合と同様の効果が得られたものと考えられる。
さらに、図1に、表1の条件1,条件10,条件16で得られた焼鈍板の集合組織(X線による正極点シュルツ法(100)極点図)を示す。
同図に示したとおり、従来法に従った場合(条件1)には、従来のようなゴス方位しか得られなかったのに対し、浸炭処理を行った場合(条件10)、さらに浸炭処理に加えて、時効処理および温間圧延を行った場合(条件16)には、高いランダム強度比を得ることができた。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨とするところは、次のとおりである。
)質量%で、C:0.005%以上 0.030%以下およびSi:2.0%以上 4.5%以下を含有し、フォルステライト膜を有しない二次再結晶後の方向性電磁鋼板を、100〜400℃の温度域で焼鈍し、ついで50%以上の圧下率で圧延したのち、再結晶焼鈍を行い、再結晶後の結晶粒径を最終板厚の1/2以下としたことを特徴とする二方向性電磁鋼板の製造方法。
)質量%で、C:0.005%以上 0.030%以下およびSi:2.0%以上 4.5%以下を含有し、フォルステライト膜を有しない二次再結晶後の方向性電磁鋼板を、ロール温度を100℃ 以上としたワークロールを用いて50%以上の圧下率で圧延したのち、再結晶焼鈍を行い、再結晶後の結晶粒径を最終板厚の1/2以下としたことを特徴とする二方向性電磁鋼板の製 造方法。
本発明によれば、異常粒成長を用いた粗大な結晶ではなく、比較的小さな結晶でキューブ方位を有する電磁鋼板を、特殊な設備を使用することなしに製造することができる。
すなわち、本発明によれば、二方向に対して磁気特性が良好な二方向性電磁鋼板を、工業的に安定して製造することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
本発明は、フォルステライト被膜を有しない方向性電磁鋼板を素材とする。なお、ゴス方位に高度に集積したものであれば、必ずしも方向性電磁鋼板に限らなくてもよいと考えられるが、最も簡単に得ることができる素材は方向性電磁鋼板であり、これに代わるものは、現在存在しないと考えられる。
かような素材としての方向性電磁鋼板については、市場に存在する方向性電磁鋼板を酸洗するなどして、フォルステライト被膜を除去してもよいし、機械的な研磨により除去してもよい。また、方向性電磁鋼板の製造工程において、焼鈍分離剤にアルミナを用いたり、マグネシアに塩化物を添加した粉末を用いたりして、表面にフォルステライト被膜を形成させないようにした素材を用いてもよく、特に限定されるものではない。
かかる方向性電磁鋼板の成分中、Cは、本発明において、結晶中に炭化物を形成し、圧延、再結晶時の外乱因子とするために、最も重要な元素である。しかしながら、含有量が0.005%未満では、形成される炭化物の量が十分ではなく、一方0.030%を超えるとフェライト単相の組織とならないために二次再結晶組織が破壊されてしまう。それ故、素材中におけるC量は0.005%以上 0.030%以下の範囲に限定した。より好ましくは 0.008〜0.025%の範囲である。
通常、素材である二次再結晶後の方向性電磁鋼板中には、Cが残留していないため、浸炭処理を行うこと等によって、最低でも0.005%のC濃度とする必要がある。浸炭処理方法については、特に限定されるものではないが、COガスによる浸炭焼鈍や、鋼板表面にグラファイトをつけるなどしたのち焼鈍する方法が考えられる。
Siは、電気抵抗を高めることによって鉄損を改善する有用元素であり、電磁鋼板の最終的な用途が良好な磁気特性を必要とするものであるため、少なくとも2.0%のSiを含有してないと、鉄損特性が十分なものとはならない。とはいえ、Si含有量が4.5%を超えると圧延が著しく困難になる。そのため、素材中におけるSi量はSi:2.0%以上 4.5%以下の範囲に限定した。
なお、鋼中には、上記したCおよびSiの他、通常の方向性電磁鋼板に分有されるMnや、Sb,Sn,Ni,Cu,CrおよびP等のインヒビター形成元素が残留している。
これらの成分の含有量については、以下に示すように、従来から一般的な量とするのが好ましい。
Mn:0.01〜0.5%,Sb:0.2%以下,Sn:0.2%以下,Ni:0.5%以下,Cu:0.5%以下, Cr:0.5%以下,P:0.3%以下。
上記の範囲でCを含有する方向性電磁鋼板に、炭化物を析出させる。特に析出制御のための焼鈍は必要ではないが、粗大な炭化物ほど効果が大きいので、100〜400℃程度の時効処理を行うことによって、炭化物を粗大化させることは有効に作用する。100℃未満では炭素の移動速度が遅く、一方400℃を超えてしまうと、炭素の移動速度が早くなりすぎ、より優先的な析出サイトである粒界に析出してしまい、結晶粒内に粗大な炭化物として析出させることができなくなる。
次工程では、粒内に炭化物が析出した二次再結晶粒に圧延を施すが、この際、圧下率は50%以上とする必要がある。というのは、圧下率が50%以下では炭化物周辺での応力集中が十分になされず、通常の結晶回転しか起こらないため、キューブ方位を発生させることができないからである。
ついで、再結晶焼鈍を施す。この際の焼鈍温度は650〜950℃程度とするのが好適である。また、この再結晶焼鈍は脱炭焼鈍を兼ねて、焼鈍後にCを0.005%未満に低減することが好ましい。
すなわち、この再結晶焼鈍では、再結晶とそれに引き続く正常粒成長を生じさせることにより、得られた結晶組織が{100}<001>に強く集積し、圧延方向と圧延直角方向の二方向に対して良好な磁気特性を示す電磁鋼板が得られる。ここで、再結晶焼鈍を過度に行うと異常粒成長を生じて集合組織が劣化するので、再結晶焼鈍は、結晶粒径が少なくとも板厚の1/2以下の再結晶組織が得られる条件で行う必要がある。
圧延後の鋼板は、絶縁被膜を有していないので、再結晶焼鈍前に種々の絶縁被膜を塗布し、再結晶焼鈍で焼き付けも兼ねるようにしてもよいし、再結晶焼鈍後、別工程で絶縁被膜被覆処理を施してもよい。
なお、絶縁被膜の種類については、絶縁効果を有するものであれば特に限定されない。つまり、従来公知の絶縁被膜のいずれもが適合する。例えば、方向性電磁鋼板に対して一般的に使用される、特開昭50-79442号公報や特開昭48-39338号公報に開示の、リン酸塩−クロム酸−コロイダルシリカを含有する塗布液を鋼板に塗布し、800℃程度で焼き付ける方法でもよいし、無方向性電磁鋼板に使用される特公昭55-1348号公報に開示の、リン酸、クロム酸、硼酸、チオ結合を有する水溶性有機化合物、およびミョウバンを混合した処理液を塗布する方法など、従来から公知のどのような絶縁被膜も使用可能である。
さらに、平坦化焼鈍により、鋼板の形状を整えることも可能であり、この際には絶縁被膜の焼き付けを兼ねた平坦化焼鈍として行うこともできる。
実施例1
Si:3.3%を含有する二次再結晶後の方向性電磁鋼板に酸洗を施し、フォルステライト被膜を除去した素材に対して、CO,H2Oの濃度バランスを5条件で変化させ、残部はH2からなる混合雰囲気中にて700℃,48時間の浸炭処理を施し、鋼中に10ppm,30ppm,50ppm,60ppm,100ppm,105ppmのCを含有させた。ついで、炭化物析出制御のために200℃,30sの時効処理を施し、結晶中に炭化物を析出させた。その後、圧下率:10%、50%、80%の圧延を行い、最終板厚を0.20mmとした。この圧延に際し、ロール温度は室温で行った。また、再結晶焼鈍は湿潤雰囲気で800℃,1minの条件で行った。再結晶焼鈍後の鋼板中のC量はいずれも50ppm未満であり、結晶粒径はいずれも最終板厚の1/2以下であった。
かくして得られた電磁鋼板の組織を、正極点シュルツ法で測定し、得られた結果をADC法によりODF(crystallite Orientation Distribution Function)解析した。
得られた鋼板のキューブ方位の集積度ならびに圧延方向(L方向)および圧延直角方向(C方向)のB50(L)およびB50(C)について調べた結果を表2に示す。
なお、キューブ方位の集積度は、ランダム強度比で示すと共に、このランダム強度比が4以上の場合を集積度が良好と判断し、表中に○で示した。
同表から明らかなように、本発明の要件を満足する条件下で製造された発明例はいずれも、キューブ方位への強い集積が見られた。
これに対し、本発明の要件を満足しなかったものは、本発明ほど強いキューブ方位への集積は見られず、図1の条件1に示したような、非常に先鋭なゴス組織({110}<001>)を呈していた。
実施例2
焼鈍分離剤としてアルミナを用い、フォルステライト被膜を形成させなかったSi含有量:2.5%の方向性電磁鋼板に対して、CO:5.0%,H2O:3.7%、残部はH2からなる混合雰囲気中にて700℃,48時間の浸炭処理を施し、鋼中に80ppmの炭素を含有させた。ついで、炭化物析出制御のための250℃,30sの時効処理の有無によって、結晶中における炭化物析出状態を変化させた。その後、圧下率:30%、80%の圧延を行い、最終板厚を0.10mmとした。この圧延は、ロール温度が室温と150℃の2条件で行った。また、再結晶焼鈍は750℃,2minの条件で行い、湿潤雰囲気で700℃,1minの脱炭焼鈍を行った。脱炭焼鈍後の鋼中C量はいずれも50ppm未満であり、結晶粒径はいずれも最終板厚の1/2以下であった。
かくして得られた電磁鋼板の組織を、正極点シュルツ法で測定し、得られた結果をADC法によりODF解析した。
得られた鋼板のキューブ方位の集積度ならびに圧延方向(L方向)および圧延直角方向(C方向)のB50(L)およびB50(C)について調べた結果を表2に示す。
なお、キューブ方位の集積度は、ランダム強度比で示すと共に、このランダム強度比が4以上の場合を集積度が良好と判断し、表中に○で示した。
同表に示したとおり、本発明に従い得られた鋼板はいずれも、キューブ方位への強い集積が見られた。また、特に炭化物析出を促進した場合および温間圧延を施した場合には、より一層の効果が得られた。
表1の条件1,条件10,条件16で得られた焼鈍板の集合組織の、X線による正極点シュルツ法で求めた(100)極点図である。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.005%以上 0.030%以下およびSi:2.0%以上 4.5%以下を含有し、フォルステライト膜を有しない二次再結晶後の方向性電磁鋼板を、100〜400℃の温度域で焼鈍し、ついで50%以上の圧下率で圧延したのち、再結晶焼鈍を行い、再結晶後の結晶粒径を最終板厚の1/2以下としたことを特徴とする二方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 質量%で、C:0.005%以上 0.030%以下およびSi:2.0%以上 4.5%以下を含有し、フォルステライト膜を有しない二次再結晶後の方向性電磁鋼板を、ロール温度を100℃以上 としたワークロールを用いて50%以上の圧下率で圧延したのち、再結晶焼鈍を行い、再結晶後の結晶粒径を最終板厚の1/2以下としたことを特徴とする二方向性電磁鋼板の製造方 法。
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