[実施例1]
外箱1は、図1に示すように、底板2と左方の側板3と右方の側板3と前板4と天板5と後板6を相互に組合せることから構成されたものであり、中空な箱状をなしている。この外箱1の底板2には複数のダンパ7が固定されており、複数のダンパ7のそれぞれの上端部には共通の水受槽8が固定されている。これら複数のダンパ7のそれぞれはコイルスプリングおよび油圧シリンダの双方を有するものであり、水受槽8はダンパ7のバネ力および油圧力の双方で制振状態および緩衝状態のそれぞれに支持されている。この水受槽8は後面が閉鎖された有底な円筒状をなすものであり、軸心線CLが前から後へ向って下降する傾斜状態となるように配置されている。この水受槽8の後板には水受槽8の外部に位置してドラムモータ9が装着されている。このドラムモータ9は速度制御可能なDCブラシレスモータからなるものであり、ドラムモータ9の回転軸は水受槽8の軸心線CL上に位置するように水受槽8の内部に突出している。
ドラムモータ9の回転軸には、図1に示すように、ドラム10が回転不能に固定されている。このドラム10は洗濯物が投入される洗濯槽に相当するものであり、ドラムモータ9の運転状態ではドラムモータ9の回転軸と一体的に回転する。このドラム10は後面が閉鎖された有底な円筒状をなすものであり、水受槽8の内部に水受槽8に対して同心状に収納されている。このドラム10には複数の貫通孔11が形成されており、ドラム10の内部空間は複数の貫通孔11のそれぞれを介して水受槽8の内部空間に接続されている。このドラム10にはドラム10の内部に突出する複数のバッフル12が固定されている。これら複数のバッフル12のそれぞれはドラム10が回転することに基づいて軸心線CLを中心に円周方向へ移動するものであり、ドラム10内に投入された洗濯物は複数のバッフル12のそれぞれに引掛かりながら円周方向へ移動した後に重力で落下することに基づいて撹拌される。
ドラム10の前端部には、図1に示すように、ドラム前板13が固定され、水受槽8の前端部には槽前板14が固定されている。これらドラム前板13および槽前板14のそれぞれは水受槽8に対して同心な円環状をなすものであり、外箱1の前板4にはドラム前板13および槽前板14のそれぞれの内部空間に前方から対向する貫通孔状の出入口15が形成されている。この外箱1の前板4には扉16が装着されている。この扉16は出入口15を閉鎖する閉鎖状態および出入口15を開放する開放状態相互間で移動可能にされたものであり、洗濯物は扉16の開放状態でドラム10の内部に出入口15と槽前板14の内部空間とドラム前板13の内部空間のそれぞれを順に通して投入され、ドラム10の内部からドラム前板13の内部空間と槽前板14の内部空間と出入口15のそれぞれを順に通して取出される。この扉16は透明なガラス製の窓および窓を取囲む窓枠を有するものであり、窓枠の後方には窓枠を取囲む筒状のベローズ17が配置されている。このベローズ17は槽前板14に固定されたものであり、扉16の閉鎖状態ではベローズ17が扉16の窓枠に接触することに基づいて水受槽8および扉16相互間を気密状態に閉塞する。
外箱1の内部には、図1に示すように、給水弁18が収納されている。この給水弁18は入口および出口を有するものであり、給水弁18の入口は水道の蛇口に接続されている。この給水弁18は注水用ソレノイド19(図2参照)を駆動源として有するものであり、給水弁18の出口は注水用ソレノイド19が通断電されることに基づいて開放状態および閉鎖状態相互間で切換えられる。この給水弁18の出口は、図1に示すように、注水ケース20に接続されており、給水弁18の出口が開放された開放状態では水道水が給水弁18の出口を通して注水ケース20内に注入される。この注水ケース20は外箱1の内部に水受槽8より高所に位置して収納されたものであり、ホースからなる注水口を備えている。この注水口は水受槽8の内部空間に接続されており、給水弁18の出口から注水ケース20内に注入された水道水は注水口から水受槽8内に注入される。この注水ケース20の内部には水道水の流通経路の途中に位置して洗剤ケース21が収納されている。この洗剤ケース21は洗剤が投入されるものであり、洗剤ケース21内の洗剤は注水ケース20内を流通する水道水と共に注水ケース20の注水口から水受槽8内に注入される。この洗剤ケース21は使用者が前方から注水ケース20内に対して出し入れすることが可能なものであり、洗剤は洗剤ケース21の取出し状態で洗剤ケース21内に投入される。
水受槽8には、図1に示すように、最底部に位置して排水管22の上端部が接続されており、排水管22には排水弁23が介在されている。この排水弁23は排水弁モータ24(図2参照)を駆動源とするものであり、排水弁モータ24の回転量に応じて排水管22を開放する開放状態および排水管22を閉鎖する閉鎖状態相互間で切換えられる。この排水弁23の閉鎖状態では注水ケース20内から水受槽8内に注入された水道水が水受槽8内に貯留され、排水弁23の開放状態では水受槽8内に貯留された水道水が排水管22を通して水受槽8の外部に排出される。
外箱1の底板2には、図1に示すように、ユニットケース25が固定されている。このユニットケース25は上面が開口するものであり、底板26と前板27と後板28と左方の側板29と右方の側板29を有している。このユニットケース25には水平なユニットカバー30が固定されている。このユニットカバー30はユニットケース25の上面を塞ぐものであり、ユニットケース25の底板26と前板27と後板28と左方の側板29と右方の側板29とユニットカバー30から前後方向へ延びる水平な四角筒状のメインダクト31が構成されている。このユニットケース25には後板28に位置して貫通孔状の出口32が形成され、前板27に位置して貫通孔状の入口33が形成されている。
ユニットケース25には、図1に示すように、前板27の入口33に位置して前ダクト34の後端部が接続されている。この前ダクト34は前後方向へ延びる水平な横通路部35および上下方向へ延びる垂直な縦通路部36を相互に連結してなるL字状をなすものであり、前ダクト34には横通路部35および縦通路部36相互間の連結部分に位置して前後方向へ延びる筒状の接続口37が形成されている。この前ダクト34の縦通路部36には上下方向へ延びる前ホース38の下端部が接続されており、前ホース38の上端部は水受槽8の内部空間に接続されている。この前ダクト34の縦通路部36には水平な板状のリントフィルタ39が装着されている。このリントフィルタ39は空気が通過可能であって糸屑等の異物が通過不能なものであり、前ダクト34の縦通路部36内を流れる風から糸屑等の異物を補足する。この前ダクト34は入口側ダクトに相当するものである。
前ダクト34には、図1に示すように、ダンパ40が左右方向へ延びる水平な軸41を中心に回動可能に装着されている。このダンパ40は板状をなすものであり、ステッピングモータからなるダンパモータ42(図2参照)の回転軸に連結されている。このダンパモータ42はダンパ40の駆動源に相当するものであり、ダンパ40はダンパモータ42の回転量に応じて閉鎖位置と開放位置と半開位置相互間で回動操作される。このダンパ40は、図1に二点差線で示すように、開放位置で前ダクト34の内部空間に水平に介在されるものであり、ダンパ40が開放位置に操作された状態では前ダクト34の出口に相当する後端面および前ダクト34の入口に相当する上端面が相互に遮断され、接続口37がメインダクト31に接続される。このダンパ40は、図1に実線で示すように、閉鎖位置で接続口37を閉鎖するものであり、ダンパ40が閉鎖位置に操作された状態ではダンパ40が前ダクト34の内部空間から退避し、前ダクト34の後端面および前ダクト34の上端面が相互に接続される。このダンパ40の半開位置は閉鎖位置および開放位置相互間に設定されており、ダンパ40の半開位置では前ダクト34の後端面および前ダクト34の上端面相互間が遮断されることなく接続口37がメインダクト31に接続される。
ユニットケース25の後板28には、図1に示すように、ファンケーシング43が固定されている。このファンケーシング43には貫通孔状の吸気口が形成されており、ファンケーシング43の吸気口は後板28の出口32に接続されている。このファンケーシング43には乾燥ファンモータ44が固定されている。この乾燥ファンモータ44は速度制御可能なDCブラシレスモータからなるものであり、ファンケーシング43の内部に突出する回転軸を有している。この乾燥ファンモータ44の回転軸にはファンケーシング43の内部に位置して乾燥ファン45が回転不能に固定されている。この乾燥ファン45は軸方向から空気を吸込んで径方向に吐出する遠心式のものであり、ファンケーシング43の吸気口は乾燥ファン45に軸方向から対向している。
ファンケーシング43には、図1に示すように、乾燥ファン45に径方向から対向する筒状の排気口46が固定されており、排気口46には後ダクト47の下端部が接続されている。この後ダクト47は出口側ダクトに相当するものであり、上下方向へ延びている。この後ダクト47の上端部は水受槽8の後板を介して水受槽8の内部空間に接続されており、ダンパ40が閉鎖位置または半開位置に操作された状態で乾燥ファンモータ44が運転されたときには乾燥ファン45が一定方向へ回転することに基づいて水受槽8内の空気が前ホース38および前ダクト34のそれぞれを順に通して入口33からメインダクト31内に吸引され、メインダクト31に沿って前から後へ直線的に流れる。この空気はメインダクト31の出口32から吸気口を通してファンケーシング43内に吸引され、ファンケーシング43の排気口46から後ダクト47内を通して水受槽8内に戻される。即ち、前ホース38と前ダクト34とメインダクト31とファンケーシング43と後ダクト47は水受槽8の内部空間を始点および終点のそれぞれとする循環風路を構成するものであり、ファンケーシング43と乾燥ファンモータ44と乾燥ファン45は水受槽8内の空気を循環風路に沿って循環させる乾燥用送風機を構成するものである。
前ダクト34には、図1に示すように、縦通風部36に位置して貫通孔状のバイパス出口48が形成されている。このバイパス出口48はダンパ40が閉鎖位置と開放位置と半開位置のいずれに操作されているときであっても開放される常開形のものであり、ダンパ40が閉鎖位置に操作された状態ではバイパス出口48の下流側で循環風路の通風抵抗が小となるので、乾燥ファンモータ44が運転されることに基づいて循環風路に沿って循環する風がバイパス出口48を通して少量だけ前ダクト34の外部に流出する。このダンパ40が半開位置に操作された状態ではバイパス出口48の下流側で循環風路の通風抵抗が大となるので、乾燥ファンモータ44が運転されることに基づいて循環風路に沿って循環する風がバイパス出口48を通して多量に前ダクト34の外部に流出する。
ユニットカバー30には、図1に示すように、上面が開口する凹状のヒータ収納室49が形成されており、ヒータ収納室49の底板には貫通孔状のバイパス入口50が形成されている。このバイパス入口50はバイパス口に相当するものであり、ダンパ40が閉鎖位置に操作された状態で乾燥ファンモータ44が運転されたときには循環風路に沿って循環する風の少量がバイパス出口48を通して循環風路の外部に流出するので、メインダクト31の外部からバイパス入口50を通してメインダクト31の内部に流出量に応じた少量の空気が流入する。このダンパ40が半開位置に操作された状態で乾燥ファンモータ44が運転されたときには循環風路に沿って循環する風の多量がバイパス出口48を通して循環風路の外部に流出するので、メインダクト31の外部からバイパス入口50を通してメインダクト31の内部に流出量に応じた多量の空気が流入する。即ち、バイパス出口48およびバイパス入口50は乾燥ファンモータ44の運転時に循環風路の一部を迂回して流れる迂回流を生成するものであり、ダンパモータ42はダンパ40を閉鎖位置および半開位置相互間で操作することに基づいて迂回流の流量を調節する。
外箱1の内部には、図1に示すように、ファンケーシング51が収納されている。このファンケーシング51は左右方向へ延びる円筒状をなすものであり、ファンケーシング51には後方へ開口する吸気口および上方へ開口する排気口のそれぞれが形成されている。このファンケーシング51の吸気口は前ダクト34の接続口37に接続されており、ダンパ40が開放位置および半開位置のそれぞれに操作された状態ではファンケーシング51およびメインダクト31相互間が接続口37を介して接続され、ダンパ40が閉鎖位置に操作された状態ではファンケーシング51およびメインダクト31相互間が遮断される。
ファンケーシング51の内部には、図1に示すように、左右方向へ延びる空調ファン52が収納されている。この空調ファン52は羽根車を貫流して空気を吸込む横流ファンからなるものであり、空調ファンモータ53(図2参照)の回転軸に連結されている。この空調ファンモータ53は速度制御可能なDCブラシレスモータからなるものであり、ダンパ40が開放位置に操作された状態で空調ファンモータ53が運転されたときには空調ファン52が一定方向へ回転することに基づいて水受槽8の外部の空気がヒータ収納室49のバイパス入口50からメインダクト31内に吸引される。この外気はメインダクト31に沿って後から前へ流れ、前ダクト34の接続口37およびファンケーシング51の吸気口のそれぞれを順に通してファンケーシング51の排気口から排出される。この空調ファン52の風量は乾燥ファン45に比べて小さく設定されており、空調ファン52は速度Rで回転することに基づいて小流量の風を吐出し、乾燥ファン45は空調ファン52と同一の速度Rで回転することに基づいて空調ファン52に比べて大流量の風を吐出する。
外箱1の内部には、図1に示すように、ルーバーケース54が固定されている。このルーバーケース54はファンケーシング51の上方に配置されたものであり、下面に入口55を有している。このルーバーケース54の入口55はファンケーシング51の排気口に接続されており、ファンケーシング51の排気口から排出された空気はルーバーケース54の入口55からルーバーケース54内に進入する。このルーバーケース54は垂直な平面に沿う断面が円弧状の壁部を有するものであり、ルーバーケース54の円弧状の壁部には貫通孔状の窓部56が形成され、外箱1の前板4にはルーバーケース54の窓部56に前方から対向する放出口57が形成されている。即ち、ファンケーシング51と空調ファン52と空調ファンモータ53とルーバーケース54は水受槽8の外部の空気をバイパス入口50からメインダクト31の内部に吸引して接続口37から放出口57を通して放出する空調用送風機を構成するものである。
ルーバーケース54の内部には、図1に示すように、シャッタ部材に相当するルーバー58が収納されている。このルーバー58は半円筒状をなすものであり、ルーバーケース54の円弧状の壁部に対して同心な左右方向へ延びる軸59を中心に回動可能にされている。このルーバー58には出口部60および蓋部61が形成されている。出口部60はルーバーケース54の入口55からルーバーケース54内に進入した空気を放出するものであり、ルーバー58の軸59を中心に径方向へ放射状に延びる複数の板を備えた格子状の部分を称している。この出口部60の円周方向に沿う長さ寸法はルーバーケース54の窓部56の同方向の長さ寸法に比べて小さく設定されており、空気の放出方向は出口部60の位置を窓部56の範囲内で変化させることに基づいて調整可能にされている。
ルーバー58の蓋部61は出口部60の時計周り方向に位置する孔の非形成部分を称するものである。この蓋部61はルーバーケース54の窓部56を閉鎖するものであり、蓋部61の円周方向に沿う長さ寸法は窓部56の同方向の長さ寸法に比べて大きく設定されている。このルーバー58は駆動源に相当するルーバーモータ62(図2参照)の回転軸に連結されている。このルーバーモータ62はステッピングモータからなるものであり、ルーバー58の出口部60がルーバーケース54の窓部56に径方向から対向する範囲内でルーバー58を回動操作することに基づいて空気の放出方向を調整する。このルーバー58の出口部60が窓部56に径方向から対向する状態は開放状態に相当するものであり、ルーバーモータ62はルーバー58の蓋部61がルーバーケース54の窓部56に径方向から対向するようにルーバー58を回動操作することに基づいて窓部56を閉鎖する。このルーバー58の蓋部61が窓部56を閉鎖する状態は閉鎖状態に相当する。
メインダクト31のヒータ収納室49内には、図1に示すように、ヒータに相当する前ヒータ63および後ヒータ64が前後方向に相互に並べて収納されている。このヒータ収納室49の上方にはヒータカバー65が配置されており、ヒータカバー65は前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれに上方から水がかかることを防止している。このヒータカバー65はユニットカバー30に固定されたものであり、乾燥ファンモータ44および空調ファンモータ53のそれぞれの運転時には水受槽8の外部の空気がヒータカバー65およびユニットカバー30相互間の隙間から水平にヒータ収納室49内に吸引される。
前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれは発熱温度が相互に同一なPTCヒータからなるものであり、ダンパ40が開放位置に操作された状態で空調ファンモータ53が運転されたときには水受槽8の外部の空気が前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれによって加熱されることに基づいて温風化される。この温風はヒータ収納室49のバイパス入口50からメインダクト31内に吸引され、メインダクト31に沿って後から前へ流れた後に接続口37およびファンケーシング51のそれぞれを順に通してルーバーケース54内に進入し、ルーバーケース54の窓部56が閉鎖されていないときにはルーバー58の出口部60から外箱1の放出口57を通して出口部60の向きに応じた角度で室内に放出される。
メインダクト31の内部には、図1に示すように、エバポレータ66およびコンデンサ67が前後方向に相互に間隔を置いて収納されている。これらエバポレータ66およびコンデンサ67相互間にはヒータ収納室49のバイパス入口50が配置されており、ダンパ40が閉鎖位置または半開位置に操作された状態で乾燥ファンモータ44が運転されたときには迂回流としてエバポレータ66を迂回する流れが生成される。これらエバポレータ66およびコンデンサ67のそれぞれは蛇行状に曲折された冷媒管および冷媒管の外周面に接合された複数のフィンを有するものであり、エバポレータ66の冷媒管およびコンデンサ67の冷媒管は相互に接続されている。このエバポレータ66は蒸発器に相当するものであり、コンデンサ67は凝縮器に相当するものであり、エバポレータ66はコンデンサ67に比べて乾燥ファン45が生成する風の流れの上流側に配置されている。
外箱1の内部には、図1に示すように、圧縮機に相当するコンプレッサ68が固定されている。このコンプレッサ68はコンプモータ69(図2参照)を駆動源とするものであり、冷媒を吐出する吐出口および冷媒を吸込む吸込口を有している。このコンプレッサ68の吐出口にはコンデンサ67の冷媒管が接続され、コンプレッサ68の吸込口にはエバポレータ66の冷媒管が接続されており、コンプモータ69の運転状態ではコンプレッサ68の吐出口から吐出された冷媒がコンデンサ67の冷媒管およびエバポレータ66の冷媒管のそれぞれを順に通してコンプレッサ68の吸込口に戻される。
エバポレータ66は空気を冷却することに基づいて冷風を生成するものであり、ダンパ40が開放位置に操作された状態で空調ファンモータ53およびコンプモータ69のそれぞれが運転されたときには水受槽8の外部の空気がヒータ収納室49のバイパス入口50からメインダクト31内に吸引され、メインダクト31に沿って後から前へ流れる途中でエバポレータ66に接触することに基づいて冷風化される。この冷風は接続口37およびファンケーシング51のそれぞれを順に通してルーバーケース54内に進入し、ルーバーケース54の窓部56が閉鎖されていないときにはルーバー58の出口部60から出口部60の向きに応じた角度で室内に放出される。
エバポレータ66とコンデンサ67とコンプレッサ68は循環風路に沿って循環する空気を低湿度で高温度な乾燥風に変換するヒートポンプを構成するものであり、ドラム10内に水分を含んだ未乾燥の洗濯物が存在しているときにはヒートポンプから未乾燥の洗濯物に乾燥風が吹き付けられることに基づいて未乾燥の洗濯物が乾かされる。即ち、ダンパ40が閉鎖位置または半開位置に操作された状態で乾燥ファンモータ44およびコンプモータ69のそれぞれが運転されたときには水受槽8内から高湿度の空気が前ダクト34を通してメインダクト31内に吸引される。この高湿度の空気はエバポレータ66の複数のフィンのそれぞれに接触することに基づいて冷却され、水分が除去される。この低温度の空気はコンデンサ67の複数のフィンのそれぞれに接触することに基づいて加熱され、水受槽8内に低湿度な温風として注入される。
外箱1の前板4には、図1に示すように、上端部に位置して操作パネル70が固定されており、操作パネル70には運転コーススイッチ71(図2参照)およびスタート/停止スイッチ72(図2参照)のそれぞれが前方から操作可能に装着されている。これら運転コーススイッチ71およびスタート/停止スイッチ72のそれぞれは自己復帰形のプッシュスイッチからなるものであり、図2に示すように、制御回路73に接続されている。この制御回路73は外箱1の内部に収納されたものであり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。この制御回路73はCPUとROMとRAMを有するものであり、ROMには運転制御プログラムおよび運転制御データのそれぞれが予め記録されている。
制御回路73には、図2に示すように、モータ駆動回路74とソレノイド駆動回路75とモータ駆動回路76が接続されている。モータ駆動回路74はドラムモータ9に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはモータ駆動回路74を制御することに基づいてドラムモータ9を正方向および逆方向のそれぞれに可変的な速度で回転操作する。ソレノイド駆動回路75は注水用ソレノイド19に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはソレノイド駆動回路75を制御することに基づいて給水弁18の出口を開閉操作する。モータ駆動回路76は排水弁モータ24に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはモータ駆動回路76を制御することに基づいて排水弁23を開閉操作する。
制御回路73には、図2に示すように、モータ駆動回路77とモータ駆動回路78とモータ駆動回路79が接続されている。モータ駆動回路77はダンパモータ42に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはモータ駆動回路77を制御することに基づいてダンパ40を閉鎖位置と開放位置と半開位置相互間で位置制御する。モータ駆動回路78は乾燥ファンモータ44に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはモータ駆動回路78を制御することに基づいて乾燥ファンモータ44を一定方向へ可変的な速度で回転操作する。モータ駆動回路79は空調ファンモータ53に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはモータ駆動回路79を制御することに基づいて空調ファンモータ53を一定方向へ可変的な速度で回転操作する。
制御回路73には、図2に示すように、モータ駆動回路80とヒータ駆動回路81とヒータ駆動回路82とモータ駆動回路83が接続されている。モータ駆動回路80はルーバーモータ62に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはモータ駆動回路80を制御することに基づいてルーバー58を位置制御する。ヒータ駆動回路81は前ヒータ63に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはヒータ駆動回路81を制御することに基づいて前ヒータ63をオンオフ制御する。ヒータ駆動回路82は後ヒータ64に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはヒータ駆動回路82を制御することに基づいて後ヒータ64をオンオフ制御する。モータ駆動回路83はコンプモータ69に駆動電源を印加するものであり、制御回路73のCPUはモータ駆動回路83を制御することに基づいてコンプモータ69を一定方向へ一定速度で回転操作する。
制御回路73には、図2に示すように、速度センサ84と速度センサ85と速度センサ86が接続されている。速度センサ84はドラムモータ9のロータマグネットを検出して検出信号を出力するホール素子からなるものであり、制御回路73のCPUは速度センサ84から出力される検出信号に基づいてドラムモータ9の回転速度を検出する。速度センサ85は乾燥ファンモータ44のロータマグネットを検出して検出信号を出力するホール素子からなるものであり、制御回路73のCPUは速度センサ85から出力される検出信号に基づいて乾燥ファンモータ44の回転速度を検出する。速度センサ86は空調ファンモータ53のロータマグネットを検出して検出信号を出力するホール素子からなるものであり、制御回路73のCPUは速度センサ86から出力される検出信号に基づいて空調ファンモータ53の回転速度を検出する。
制御回路73には、図2に示すように、圧力センサ87と温風温度センサ88と室温センサ89のそれぞれが接続されている。圧力センサ87は水受槽8内の圧力に応じた圧力信号を出力するものであり、制御回路73のCPUは圧力センサ87から出力される圧力信号に基づいて水受槽8内に貯留された水道水の水位を検出する。温風温度センサ88は、図1に示すように、前ダクト34の横通路部35内に収納されたサーミスタからなるものであり、制御回路73のCPUは水受槽8の内部から前ダクト34内に吸引される温風の温度であるドラム出口温度tdを温風温度センサ88から出力される温風温度信号に基づいて検出する。室温センサ89は外箱1の前板4に固定されたサーミスタからなるものであり、制御回路73のCPUは室温センサ89から出力される室温信号に基づいて外箱1が設置された室内の温度である室温tiを検出する。
制御回路73のCPUは運転コーススイッチ71が操作されたことを判断すると、運転コーススイッチ71の操作内容に応じて運転コースを設定する。この運転コーススイッチ71は操作子に相当するものであり、CPUは運転コースの設定状態でスタート/停止スイッチ72が操作されたことを判断したときには運転コースの設定結果に応じた運転制御プログラムを設定し、運転制御プログラムの設定結果を実行する。この制御回路73のROMには運転制御データとして乾燥付き標準コースと除菌乾燥付き標準コースと冷房コースと暖房コースのそれぞれを含む複数の運転コースが予め記録されており、CPUは複数の運転コースのうちから運転コーススイッチ71の操作内容に応じたものを選択することで運転コースを設定する。これら乾燥付き標準コースおよび除菌乾燥付き標準コースのそれぞれは特定の運転コースに相当するものである。
1.乾燥付き標準コースの説明
乾燥付き標準コースは重量判定処理と水位設定処理と給水処理1と洗い処理と排水処理1と給水処理2とすすぎ処理と排水処理2と脱水処理と乾燥処理を有している。重量判定処理はドラムモータ9が静止状態から正方向へ加速するようにドラムモータ9に電力を供給し、電力の供給を開始してから一定時間が経過したときのドラムモータ9の回転速度を速度センサ84から出力される検出信号に基づいて実測することで行われるものであり、ドラム10内の洗濯物の重量は回転速度の検出結果に基づいて高重量と中重量と低重量の3段階で判定される。
水位設定処理は給水処理1および給水処理2のそれぞれで水受槽8内に貯留する水道水の水位を設定するものであり、洗濯物の重量の判定結果に応じて設定される。給水処理1は排水弁23の閉鎖状態で給水弁18の出口を開放することに基づいて水道の蛇口から注水ケース20および洗剤ケース21のそれぞれを通して水受槽8内に水道水を注入するものであり、洗剤ケース21内の洗剤は給水処理1で水道水と共に水受槽8内に投入され、給水弁18の出口は圧力センサ87から出力される圧力信号が水位の設定結果に到達することに基づいて閉鎖される。
洗い処理はドラムモータ9を回転操作するものであり、ドラム10内の衣類はバッフル12によって掻揚げられた後に水受槽8内の貯留水中に落下することで叩き洗いされる。排水処理1は排水弁23を開放し、洗い処理で使用した水受槽8内の水道水を排水管22から排出するものである。給水処理2は排水弁23の閉鎖状態で給水弁18の出口を開放することに基づいて水道の蛇口から水受槽8内に水道水を注入するものであり、給水弁18の出口は圧力センサ87から出力される圧力信号が水位の設定結果に到達することに基づいて閉鎖される。すすぎ処理はドラムモータ9を回転操作するものであり、ドラム10内の洗濯物はバッフル12によって掻揚げられた後に水受槽8内の貯留水中に落下することで洗剤分が除去される。排水処理2は排水弁23を開放し、すすぎ処理で使用した水受槽8内の水道水を排水管22から排出するものである。脱水処理は排水弁23の開放状態でドラムモータ9を回転操作するものであり、ドラム10内の洗濯物からは水分が遠心力で放出され、洗濯物から放出された水分は排水管22を通して排出される。
図3は乾燥処理の処理内容を説明するためのフローチャートであり、CPUはステップS1でコンプモータ69の運転を開始することに基づいてコンデンサ67およびエバポレータ66のそれぞれに冷媒を流し、ステップS2で乾燥ファンモータ44の運転を開始する。この乾燥ファンモータ44の運転状態では水受槽8内から高湿度の空気が前ダクト34を通してメインダクト31内に吸引され、エバポレータ66に接触することに基づいて除湿される。この除湿風はコンデンサ67に接触することに基づいて温風化され、ドラム10内の未乾燥の洗濯物に吹き付けられる。この乾燥ファンモータ44の運転状態ではダンパ40が初期の閉鎖位置に操作されており、水受槽8の内部の空気の少量が前ダクト34のバイパス出口48から循環風路の外部に排出され、水受槽8の外部の空気がバイパス入口50からメインダクト31の内部に吸引され、エバポレータ66を迂回する小流量の迂回流が生成される。
CPUはステップS2で乾燥ファンモータ44を運転開始すると、ステップS3で前ヒータ63を運転開始し、ステップS4で後ヒータ64を運転開始する。これら前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれの運転状態では小流量の迂回流が前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれによって加熱されることに基づいて温風化され、コンデンサ67に小流量の温風が供給される。この小流量の温風はコンデンサ67を加熱するためのものであり、コンデンサ67の凝縮能力は小流量の温風によって加熱されることに基づいて高められる。
CPUはステップS4で後ヒータ64を運転開始すると、ステップS5で温風温度センサ88から出力される温風温度信号に基づいてドラム出口温度tdを検出し、ステップS6でドラム出口温度tdの検出結果を乾燥終了温度teと比較する。この乾燥終了温度teは制御回路73のROMに予め記録されたものであり、CPUはステップS6で「td≧te」を判断したときにはステップS7へ移行する。このステップS7で前ヒータ63を運転停止し、ステップS8で後ヒータ64を運転停止し、ステップS9でコンプモータ69を運転停止し、ステップS10で乾燥ファンモータ44を運転停止し、乾燥処理を終える。即ち、ドラム10内の洗濯物から湿気が除去されたときにはドラム出口温度tdの検出結果が乾燥終了温度teに上昇し、乾燥処理が終了する。
2.除菌乾燥付き標準コースの説明
除菌乾燥付き標準コースは重量判定処理と水位設定処理と給水処理1と洗い処理と排水処理1と給水処理2とすすぎ処理と排水処理2と脱水処理と除菌乾燥処理を当該順序で実行するものであり、乾燥処理に換えて除菌乾燥処理が実行される点で乾燥付き標準コースと相違する。図4は除菌乾燥処理の処理内容を説明するためのフローチャートであり、CPUはステップ1でコンプモータ69を運転開始したときにはステップS11へ移行し、ダンパモータ42を運転することに基づいてダンパ40を初期の閉鎖位置から半開位置に回動操作する。そして、ステップS2へ移行し、乾燥ファンモータ44を運転開始する。この乾燥ファンモータ44の運転状態ではダンパ40が半開位置に操作されており、図3の乾燥処理に比べて多量の空気が前ダクト34のバイパス出口48から循環風路の外部に排出され、図3の乾燥処理に比べて多量の空気がバイパス入口50からメインダクト31の内部に吸引され、エバポレータ66を迂回する大流量の迂回流が生成される。
CPUは図4のステップS2で乾燥ファンモータ44を運転開始すると、ステップS3で前ヒータ63を運転開始し、ステップS4で後ヒータ64を運転開始する。これら前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれの運転状態では大流量の迂回流が前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれによって加熱され、大流量の温風がコンデンサ67の上流側で生成される。この大流量の温風はメインダクト31内の風の温度を図3の乾燥処理に比べて高めるものであり、除菌乾燥処理では図3の乾燥処理に比べて高温な除菌用の乾燥風が水受槽8内に注入される。
CPUは図4のステップS4で後ヒータ64を運転開始すると、ステップS5で温風温度センサ88から出力される温風温度信号に基づいてドラム出口温度tdを検出し、ステップS12でドラム出口温度tdの検出結果をROMに予め記録された除菌乾燥終了温度tzと比較する。この除菌乾燥終了温度tzは乾燥終了温度teに比べて高く設定されたものであり、CPUはステップS12で「td≧tz」を判断したときにはステップS7〜ステップS10のそれぞれを順に実行する。そして、ステップS13でダンパモータ42を運転することに基づいてダンパ40を半開位置から初期の閉鎖位置に戻し、除菌乾燥処理を終える。
3.暖房コースの説明
図5は暖房コースが設定されたときの制御回路73の処理内容を示すものであり、CPUはステップS21でダンパモータ42を運転することに基づいてダンパ40を初期の閉鎖位置から開放位置に回動操作し、ステップS22でルーバーモータ62の運転を開始する。このルーバーモータ62の運転は制御回路73のROMに予め記録された自動風向パターンで行われるものである。この自動風向パターンはルーバー58の出口部60がルーバーケース54の窓部56に径方向から対向する範囲内でルーバー58を時計回り方向および反時計回り方向に往復操作するものであり、ルーバーモータ62が自動風向パターンで運転されているときにはルーバーケース54の窓部56が常に開放されている。
CPUはステップS22でルーバーモータ62を運転開始すると、ステップS23で前ヒータ63を運転開始し、ステップS24で後ヒータ64を運転開始し、ステップS25で空調ファンモータ53を運転開始する。この空調ファンモータ53の運転はROMに予め記録された初期速度Ra1で開始されるものであり、空調ファンモータ53が初期速度Ra1で運転開始されたときには水受槽8の外部の空気が前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれによって加熱されることに基づいて温風化される。この温風はヒータ収納室49のバイパス入口50からメインダクト31内に吸引され、ファンケーシング51およびルーバーケース54のそれぞれを順に通してルーバー58の出口部60から出口部60の現在の向きに応じた角度で室内に放出される。
CPUはステップS25で空調ファンモータ53を運転開始すると、ステップS26で乾燥ファンモータ44を運転開始する。この乾燥ファンモータ44の運転はROMに予め記録された初期速度Rd1(<Ra1)で行われるものであり、乾燥ファンモータ44が初期速度Rd1で運転開始されたときには水受槽8の外部の空気が前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれを通してバイパス入口50からメインダクト31内に吸引され、メインダクト31内を前から後に流れる。この温風はファンケーシング43内から後ダクト47内を通して水受槽8内に送風され、前ホース38内から前ダクト34内に流入した後にバイパス出口48から排出される。
CPUはステップS26で乾燥ファンモータ44を運転開始すると、ステップS27で室温センサ89から出力される室温信号に基づいて室温tiを検出する。そして、ステップS28へ移行し、空調ファンモータ53を室温tiの検出結果に基づいて速度制御する。図6は制御回路73のROMに予め記録された暖房コース用の速度制御データである。この速度制御データは室温tiと乾燥ファンモータ44の回転速度と空調ファンモータ53の回転速度の3者の相関関係を特定するものであり、CPUは図5のステップS28で室温tiの検出結果に応じた空調ファンモータ53の回転速度を図6の速度制御データから選択し、空調ファンモータ53を回転速度の検出結果に応じた速度で運転する。例えば室温tiの検出結果が「t(例えば20℃)−Δt(例えば5℃)≦ti<t+Δt」であるときには回転速度「2700rpm」が選択され、空調ファンモータ53が回転速度「2700rpm」で運転される。
CPUは図5のステップS28で空調ファンモータ53を速度制御すると、ステップS29で乾燥ファンモータ44を速度制御する。この乾燥ファンモータ44の速度制御は空調ファンモータ53の現在速度に応じた回転速度を図6の速度制御データから選択し、乾燥ファンモータ44を回転速度の選択結果で運転するものであり、例えば空調ファンモータ53の現在速度が「2700rpm」に設定されているときには回転速度「300rpm」が選択され、乾燥ファンモータ44が回転速度「300rpm」で運転される。この乾燥ファンモータ44は空調ファン52の送風方向とは逆向きの流れをメインダクト31内および後ダクト47内のそれぞれに生成するために運転されるものであり、ドラム10内の臭気が空調用の温風と共にルーバー58の出口部60から室内に送風されることは乾燥ファンモータ44が空調ファンモータ53と共に運転されることに基づいて防止されている。
CPUは図5のステップS29で乾燥ファンモータ44を速度制御すると、ステップS30でスタート/停止スイッチ72がオンされているか否かを判断する。例えば使用者がスタート/停止スイッチ72を操作したときにはCPUはステップS30でスタート/停止スイッチ72がオンされていることを判断し、ステップS31で乾燥ファンモータ44を運転停止する。そして、ステップS32でルーバーモータ62の運転状態を自動風向パターンから切換えることに基づいてルーバー58の蓋部61をルーバーケース54の窓部56に径方向から対向させ、ルーバーケース54の窓部56を閉鎖する。この窓部56の閉鎖状態では温風がルーバーケース54の窓部56から室内に僅かしか放出されず、メインダクト31内とファンケーシング51内とルーバーケース54内のそれぞれに温風の大半が滞留するので、メインダクト31内〜ルーバーケース54内のそれぞれの温度が上昇する。このメインダクト31内に温風の大半を滞留させるルーバー58の閉鎖状態をほぼ閉鎖と称する。
CPUはステップS32でルーバーケース54の窓部56を閉鎖すると、ステップS33で温風温度センサ88から出力される温風温度信号に基づいてドラム出口温度tdを検出し、ステップS34でドラム出口温度tdの検出結果をROMに予め記録された殺菌温度tk(例えば70℃)と比較する。この殺菌温度tkは大腸菌および黄色ブドウ球菌等の臭い成分の原因となる菌を滅菌することが可能な温度であり、CPUはステップS34で「td≧tk」を判断したときにはステップS35へ移行し、タイマTを「0」にリセットする。このタイマTはCPUが一定の時間間隔でタイマ割込み処理を起動し、タイマ割込み処理を起動する毎にROMに予め記録された単位値(例えば1)だけ加算するものであり、ドラム出口温度tdの検出結果が殺菌温度tkに到達したことを基準とする経過時間を示している。
CPUはステップS35でタイマTをリセットすると、ステップS36で温風温度センサ88から出力される温風温度信号に基づいてドラム出口温度tdを検出し、前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれをドラム出口温度tdの検出結果に基づいてオンオフ制御する。これら前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれのオンオフはドラム出口温度tdの検出結果が殺菌温度tkを基準とする予め決められた範囲内(例えばtk≦td≦tk+5℃)に収束するように行われるものであり、CPUは前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれをオンオフ制御することに基づいてメインダクト31内を殺菌することが可能な温度帯域(tk〜tk+5℃)にコントロールし、エバポレータ66を殺菌温度で加熱する。
CPUはステップS36で前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれを温度コントロールすると、ステップS37でタイマTの加算結果をROMに予め記録された殺菌時間Tk(例えば10分)と比較する。ここで「T=Tk」を判断したときにはステップS38で前ヒータ63を運転停止し、ステップS39で後ヒータ64を運転停止する。そして、ステップS40で空調ファンモータ53を運転停止し、ステップS41でダンパモータ42を運転することに基づいてダンパ40を閉鎖位置に戻し、暖房コースを終える。
4.冷房コースの説明
図7は冷房コースが設定されたときの制御回路73の処理内容を示すものであり、CPUはステップS51でダンパモータ42を運転することに基づいてダンパ40を初期の閉鎖位置から開放位置に回動操作し、ステップS52でルーバーモータ62を自動風向パターンで運転開始する。そして、ステップS53でコンプモータ69を運転開始し、ステップS54で空調ファンモータ53を初期速度Ra1で運転開始する。この空調ファンモータ53が運転開始されたときには水受槽8の外部の空気がヒータ収納室49のバイパス入口50からメインダクト31内に吸引され、エバポレータ66に接触することに基づいて冷風化される。この冷風はファンケーシング51およびルーバーケース54のそれぞれを順に通してルーバー58の出口部60から出口部60の現在の向きに応じた角度で室内に放出される。
CPUはステップS54で空調ファンモータ53を運転開始すると、ステップS55で乾燥ファンモータ44を初期速度Rd1(<Ra1)で運転開始する。この乾燥ファンモータ44が運転開始されたときには水受槽8の外部の空気がバイパス入口50からメインダクト31内に吸引され、メインダクト31内を前から後に流れる。この常温風はファンケーシング43内から後ダクト47内を通して水受槽8内に送風され、前ホース38内から前ダクト34内に流入した後にバイパス出口48から排出される。
CPUはステップS55で乾燥ファンモータ44を運転開始すると、ステップS56で室温センサ89から出力される室温信号に基づいて室温tiを検出する。そして、ステップS57へ移行し、空調ファンモータ53を室温tiの検出結果に基づいて速度制御する。図8は制御回路73のROMに予め記録された冷房コース用の速度制御データである。この速度制御データは室温tiと乾燥ファンモータ44の回転速度と空調ファンモータ53の回転速度の3者の相関関係を特定するものであり、CPUは図7のステップS57で室温tiの検出結果に応じた空調ファンモータ53の回転速度を図8の速度制御データから選択し、空調ファンモータ53を回転速度の検出結果に応じた速度で運転する。例えば室温tiの検出結果が「t+Δt≦ti<t+2Δt」であるときには回転速度「3000rpm」が選択され、空調ファンモータ53が回転速度「3000rpm」で運転される。
CPUは図7のステップS57で空調ファンモータ53を速度制御すると、ステップS58で乾燥ファンモータ44を速度制御する。この乾燥ファンモータ44の速度制御は空調ファンモータ53の現在速度に応じた回転速度を図8の速度制御データから選択し、乾燥ファンモータ44を回転速度の選択結果で運転するものであり、例えば空調ファンモータ53の現在速度が「3000rpm」に設定されているときには回転速度「400rpm」が選択され、乾燥ファンモータ44が回転速度「400rpm」で運転される。この乾燥ファンモータ44は空調ファン52の送風方向とは逆向きの流れをメインダクト31内および後ダクト47内のそれぞれに生成するために運転されるものであり、ドラム10内の臭気が空調用の冷風と共にルーバー58の出口部60から室内に送風されることは乾燥ファンモータ44が空調ファンモータ53と共に運転されることに基づいて防止されている。
CPUは図7のステップS58で乾燥ファンモータ44を速度制御すると、ステップS59でスタート/停止スイッチ72がオンされているか否かを判断する。例えば使用者がスタート/停止スイッチ72を操作したときにはCPUはステップS59でスタート/停止スイッチ72がオンされていることを判断し、ステップS60で乾燥ファンモータ44を運転停止する。そして、ステップS61でコンプモータ69を運転停止し、ステップS62で空調ファンモータ53を運転停止し、ステップS63でダンパモータ42を運転することに基づいてダンパ40を初期の閉鎖位置に戻し、冷房コースを終える。
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
暖房コースが設定されたときには乾燥ファンモータ44を空調ファンモータ53の運転状態で運転したので、メインダクト31の外部の空気がバイパス入口50を通してメインダクト31の内部に吸引され、メインダクト31および後ダクト47のそれぞれを順に通して水受槽8の内部に送風される。このため、空調ファン52の送風方向とは逆向きの流れがメインダクト31内および後ダクト47内のそれぞれに形成されるので、ドラム10内の臭気が後ダクト47およびメインダクト31のそれぞれを順に通して空調用の温風と共に外箱1の放出口57から室内に放出されることが防止される。この効果は冷房コースの設定時についても同様である。
暖房コースで乾燥ファンモータ44の回転速度を空調ファンモータ53の現在の回転速度に応じて設定した。このため、空調ファンモータ53の回転速度が室温tiの検出結果に応じて段階的に変化することに連動して乾燥ファンモータ44の回転速度が段階的に変化するようになるので、乾燥ファン45の送風圧および空調ファン52の送風圧相互間を常にバランスさせることができる。従って、温風の一部が水受槽8内に逆流することに基づいて外箱1の放出口57から放出される温風の流量が減少することが防止されるので、温風を外箱1の放出口57から室内に効率良く放出することができる。この効果は冷房コースについても同様である。
暖房コースが終了したときにはルーバー58を閉鎖状態に操作した状態で空調ファンモータ53と前ヒータ63と後ヒータ64のそれぞれを運転したので、温風がルーバーケース54の窓部56から室内に僅かしか放出されずに温風の大半がメインダクト31内に滞留するようになる。このため、メインダクト31内のエバポレータ66が殺菌温度tkで加熱さるので、エバポレータ66に付着した菌を滅菌することができる。このエバポレータ66は乾燥ファン45が生成する循環風の上流側に配置されたものであり、エバポレータ66には乾燥ファンモータ44が運転されることに基づいて糸屑が付着することがある。この糸屑がエバポレータ66に付着したまま長期間が経過したときには菌が発生し、臭気の原因となり得る。この臭気の原因となる菌を滅菌することができるので、この点からも暖房コースおよび冷房コースのそれぞれで外箱1の放出口57から室内に臭気が放出されることを防止することができる。
暖房コースでドラム出口温度tdの検出結果が殺菌温度tkに上昇したことを基準に殺菌時間Tkが経過することに基づいて暖房コースを終えたので、殺菌時間TkをタイマTによって計測する簡単な制御でエバポレータ66を除菌することができる。温風温度センサ88から出力される温風温度信号に基づいてドラム出口温度tdを検出し、前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれをドラム出口温度tdの検出結果に基づいてオンオフ制御した。このため、エバポレータ66が室温の高低に拘らず除菌可能な温度帯域に収束するので、エバポレータ66の除菌性能が高まる。
上記実施例1においては、制御回路73が図5のステップS34で「ドラム出口温度td≧殺菌温度tk」を判断することに基づいてステップS38へ移行し、暖房コースを終える構成としても良い。
上記実施例1においては、図5のステップS36で温風温度センサ88から出力される温風温度信号が除菌可能な温度帯域(70℃〜75℃)に収束するように空調ファンモータ53の回転速度を制御しても良い。この構成の場合、エバポレータ66が室温の高低に拘らず除菌可能な温度帯域に収束するので、エバポレータ66の除菌性能が高まる。
上記実施例1においては、制御回路73が運転コーススイッチ71の操作内容に応じて除菌コースを設定し、除菌コースの設定状態でスタート/停止スイッチ72の操作を判断することに基づいて除菌コースを開始する構成としても良い。この除菌コースはダンパ40を開放位置に操作し且つルーバーケース54の窓部56を閉鎖した状態で空調ファンモータ53と前ヒータ63と後ヒータ64のそれぞれを運転し、エバポレータ66を殺菌可能な温度帯域(例えば70℃〜75℃)に加熱するものであり、除菌コースはドラム出口温度tdの検出結果が殺菌温度(例えば70℃)に上昇したことを基準に殺菌時間(例えば10分)が経過することに基づいて自動的に停止すると良い。
上記実施例1においては、図7の冷房コースのステップS61でコンプモータ69を運転停止したときにはルーバーケース54の窓部56を閉鎖し、前ヒータ63および後ヒータ64のそれぞれを運転開始することに基づいてエバポレータ66を殺菌可能な温度帯域(例えば70℃〜75℃)に加熱しても良い。即ち、冷房コースが終了したときには除菌コースを自動的に開始する構成としても良い。
上記実施例1においては、メインダクト31のヒータ収納室49内に前ヒータ63および後ヒータ64の両者に換えて1個のヒータを収納しても良い。
上記実施例1においては、ルーバー58の閉鎖状態で空調ファンモータ53と前ヒータ64と後ヒータ64のそれぞれを運転することに基づいてエバポレータ66を殺菌する除菌時に乾燥ファンモータ44を空調ファンモータ53と同時に運転し、後ダクト47および水受槽8のそれぞれを順に流れる風を生成しても良い。
上記実施例1においては、冷房コースが設定されたときには乾燥ファンモータ44を空調ファンモータ53の運転状態で運転せず、空調ファン52とは逆向きの流れを形成しない構成としても良い。
1は外箱、8は水受槽、10はドラム(洗濯槽)、31はメインダクト、32は出口、33は入口、34は前ダクト(入口側ダクト)、37は接続口、40はダンパ、42はダンパモータ(駆動源)、47は後ダクト(出口側ダクト)、50はバイパス入口(バイパス口)、57は放出口、58はルーバー(シャッタ部材)、62はルーバーモータ(駆動源)、63は前ヒータ(ヒータ)、64は後ヒータ(ヒータ)、66はエバポレータ(蒸発器)、67はコンデンサ(凝縮器)、68はコンプレッサ(圧縮機)、71は運転コーススイッチ(操作子)、73は制御回路を示している。