JP4825639B2 - 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4825639B2
JP4825639B2 JP2006301946A JP2006301946A JP4825639B2 JP 4825639 B2 JP4825639 B2 JP 4825639B2 JP 2006301946 A JP2006301946 A JP 2006301946A JP 2006301946 A JP2006301946 A JP 2006301946A JP 4825639 B2 JP4825639 B2 JP 4825639B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
shaft
output
generator
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006301946A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008114802A (ja
Inventor
浩一郎 牟田
誠和 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2006301946A priority Critical patent/JP4825639B2/ja
Publication of JP2008114802A publication Critical patent/JP2008114802A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4825639B2 publication Critical patent/JP4825639B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンと、エンジンに接続された動力分配機構と、動力分配機構に接続された第1電動機と、動力分配機構に接続された伝達部材と一体になって回転する第2電動機と、第1電動機および第2電動機と電力をやりとりする蓄電装置と、伝達部材と駆動輪に連結された出力軸とに接続された自動変速部とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、車速と出力軸に出力するトルクとに応じた自動変速部の変速を伴って出力軸に動力を出力している。
特開2006−29439号公報
こうした動力出力装置では、自動変速部の変速をする際に、蓄電装置に過大な電力が入出力されるのを抑制することが望まれる。例えば、発電機から出力された動力の一部を用いて電動機により電力を発電してこれを発電機に供給するという動力−電力−動力の循環(動力循環)を生じている状態からエンジンの運転ポイントを保持しながら変速機のアップシフトを行なうとき、即ち、動力循環を生じている状態から伝達部材および電動機の回転数を低下させると共にこれに伴って発電機の回転数が増加するときに、蓄電装置に過大な電力が入力されるのを抑制することが望まれる。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法は、内燃機関と、内燃機関の出力軸とその出力軸に対して独立に回転可能な動力軸とに接続され電力の入出力と出力軸および動力軸への駆動力の入出力とを伴って動力軸に対する出力軸の回転数を調整可能な回転調整装置と、動力軸に動力を入出力する電動機と、動力軸と駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速機と、回転調整装置および電動機と電力をやりとりする蓄電装置と、を備える車両において、変速機をアップシフトする際に蓄電装置に過大な電力が入力されるのを抑制することを目的とする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
前記内燃機関の出力軸に接続されると共に該出力軸とは異なる動力軸に該動力軸が該出力軸に対して独立に回転可能に接続され、電力の入出力と前記出力軸および前記動力軸への駆動力の入出力とを伴って前記動力軸に対する前記出力軸の回転数を調整可能な回転調整手段と、
前記動力軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記動力軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、
前記回転調整手段および前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記回転調整手段による電力の消費と前記電動機による電力の発電とを伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する力行回生制御を実行している最中に前記動力軸の回転数が小さくなるよう前記変速手段のアップシフトが指示されたとき、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されると共に前記回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって前記変速手段がアップシフトされるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する変速時制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、回転調整手段による電力の消費と電動機による電力の発電とを伴って駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と回転調整手段と電動機と変速手段とを制御する力行回生制御を実行している最中に動力軸の回転数が小さくなるよう変速手段のアップシフトが指示されたときには、要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されると共に回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって変速手段がアップシフトされるよう内燃機関と回転調整手段と電動機と変速手段とを制御する。したがって、力行回生制御を実行している最中に変速手段のアップシフトが指示されたときには、回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって変速手段をアップシフトするから、変速手段をアップシフトする際に回転調整手段により比較的大きな電力が発電されるのを抑制することができ、蓄電手段に過大な電力が入力されるのを抑制することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記回転調整手段は、前記内燃機関の出力軸と前記動力軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできる。
この回転調整手段が3軸式動力入出力手段と発電機とを備える態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記発電機の回転方向が前記内燃機関および前記電動機の回転方向とは異なる状態のときに前記力行回生制御を実行し、該力行回生制御を実行している状態から前記発電機の回転方向の変更を伴って前記変速手段をアップシフトする際、前記発電機による電力の発電が制限される変化速度をもって前記変速手段がアップシフトされるよう制御する手段であるものとすることもできる。
この発電機の回転方向が内燃機関および電動機の回転方向とは異なる状態のときに力行回生制御を実行する態様の本発明の動力出力装置において、前記変速時制御手段は、前記変速手段をアップシフトする際、前記発電機の回転方向が変更されるまでは第1の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされるよう制御し、前記発電機の回転方向が変更された以降は前記第1の変化速度より大きい第2の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされるよう制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記変速時制御手段は、前記変速手段をアップシフトする際、前記設定された要求駆動力に基づく目標運転ポイントで前記内燃機関が運転されると共に前記内燃機関から出力される駆動力と前記発電機を含む回転系のイナーシャとに基づく目標駆動力が前記発電機から出力されるよう制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記変速時制御手段は、前記変速手段をアップシフトする際、前記内燃機関から出力されて前記第3の軸に作用する駆動力に対して釣り合いを取るための駆動力と、前記内燃機関が前記目標運転ポイントにおける回転数で回転するようにするための駆動力と、前記回転系のイナーシャに基づいて前記第3の軸に作用する駆動力を打ち消すための駆動力と、に基づく目標駆動力が前記発電機から出力されるよう制御する手段であるものとすることもできる。内燃機関を目標運転ポイントで運転しながら変速手段をアップシフトする際には、電動機の回転数の変化に応じて発電機の回転数が変化するから、電動機の回転数の変化速度が大きいほど、発電機の回転数の変化速度が大きくなり、回転系のイナーシャに基づいて第3の軸に作用するトルクを打ち消すためのトルク即ち発電機の回転数が変更する方向(変更方向)のトルクが大きくなり、発電機から変更方向のトルクが出力されやすくなる。したがって、発電機の回転方向が変更されるまでは、比較的小さい第1の変化速度をもって動力軸の回転数を変化させることにより、発電機から変更方向のトルク(回生トルク)が出力されやすくなるのを抑制することができ、発電機と電動機とによる発電電力の和が大きくなることによる蓄電手段への過大な電力の入力を抑制することができる。また、発電機の回転方向が変更された以降は、比較的大きい第2の変化速度をもって動力軸の回転数を変化させることにより、発電機から変更方向のトルク(力行トルク)が出力されやすくなり、発電機により比較的大きな電力が発電されるのを抑制することができる。
本発明の動力出力措置において、前記変速手段は、複数のクラッチを有し、作動流体の圧力を用いて該複数のクラッチの係合状態を変更することにより前記動力軸と前記駆動軸との間の変速段の変更を伴う動力の伝達を行なう手段であるものとすることもできる。ここで、「クラッチ」には、二つの回転系を接続する通常のクラッチが含まれる他、一つの回転系をケースなどの非回転系に固定するブレーキも含まれる。また、変速時制御手段は、変速手段のアップシフトが指示されたときには、回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって変速手段がアップシフトされるよう作動流体の圧力を調節する手段であるものとすることもできる。
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に接続されると共に該出力軸とは異なる動力軸に該動力軸が該出力軸に対して独立に回転可能に接続され、電力の入出力と前記出力軸および前記動力軸への駆動力の入出力とを伴って前記動力軸に対する前記出力軸の回転数を調整可能な回転調整手段と、前記動力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記動力軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、前記回転調整手段および前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記回転調整手段による電力の消費と前記電動機による電力の発電とを伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する力行回生制御を実行している最中に前記動力軸の回転数が小さくなるよう前記変速手段のアップシフトが指示されたとき、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されると共に前記回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって前記変速手段がアップシフトされるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する変速時制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、力行回生制御を実行している状態から変速手段をアップシフトする際に蓄電手段に過大な電力が入力されるのを抑制することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の駆動装置は、
内燃機関および蓄電手段と共に駆動軸に動力を出力する動力出力装置に組み込まれる駆動装置であって、
前記蓄電手段と電力のやりとりが可能に接続され、前記内燃機関の出力軸に接続されると共に該出力軸とは異なる動力軸に該動力軸が該出力軸に対して独立に回転可能に接続され、電力の入出力と前記出力軸および前記動力軸への駆動力の入出力とを伴って前記動力軸に対する前記出力軸の回転数を調整可能な回転調整手段と、
前記蓄電手段と電力のやりとりが可能に接続され、前記動力軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記動力軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記回転調整手段による電力の消費と前記電動機による電力の発電とを伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する力行回生制御を実行している最中に前記動力軸の回転数が小さくなるよう前記変速手段のアップシフトが指示されたとき、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されると共に前記回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって前記変速手段がアップシフトされるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する変速時制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、回転調整手段による電力の消費と電動機による電力の発電とを伴って駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と回転調整手段と電動機と変速手段とを制御する力行回生制御を実行している最中に動力軸の回転数が小さくなるよう変速手段のアップシフトが指示されたときには、要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されると共に回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって変速手段がアップシフトされるよう内燃機関と回転調整手段と電動機と変速手段とを制御する。したがって、力行回生制御を実行している最中に変速手段のアップシフトが指示されたときには、回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって変速手段をアップシフトするから、変速手段をアップシフトする際に回転調整手段により比較的大きな電力が発電されるのを抑制することができ、蓄電手段に過大な電力が入力されるのを抑制することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に接続されると共に該出力軸とは異なる動力軸に該動力軸が該出力軸に対して独立に回転可能に接続され、電力の入出力と前記出力軸および前記動力軸への駆動力の入出力とを伴って前記動力軸に対する前記出力軸の回転数を調整可能な回転調整手段と、前記動力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記動力軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、前記回転調整手段および前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記回転調整手段による電力の消費と前記電動機による電力の発電とを伴って前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する力行回生制御を実行している最中に前記動力軸の回転数が小さくなるよう前記変速手段のアップシフトが指示されたとき、前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されると共に前記回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって前記変速手段がアップシフトされるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法では、回転調整手段による電力の消費と電動機による電力の発電とを伴って駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と回転調整手段と電動機と変速手段とを制御する力行回生制御を実行している最中に動力軸の回転数が小さくなるよう変速手段のアップシフトが指示されたときには、要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されると共に回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって変速手段がアップシフトされるよう内燃機関と回転調整手段と電動機と変速手段とを制御する。したがって、力行回生制御を実行している最中に変速手段のアップシフトが指示されたときには、回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって変速手段をアップシフトするから、変速手段をアップシフトする際に回転調整手段により比較的大きな電力が発電されるのを抑制することができ、蓄電手段に過大な電力が入力されるのを抑制することができる。
本発明の駆動装置の制御方法は、
内燃機関および蓄電手段と共に駆動軸に動力を出力する動力出力装置に組み込まれ、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能に接続され前記内燃機関の出力軸に接続されると共に該出力軸とは異なる動力軸に該動力軸が該出力軸に対して独立に回転可能に接続され電力の入出力と前記出力軸および前記動力軸への駆動力の入出力とを伴って前記動力軸に対する前記出力軸の回転数を調整可能な回転調整手段と、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能に接続され前記動力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記動力軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、を備える駆動装置の制御方法であって、
前記回転調整手段による電力の消費と前記電動機による電力の発電とを伴って前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する力行回生制御を実行している最中に前記動力軸の回転数が小さくなるよう前記変速手段のアップシフトが指示されたとき、前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されると共に前記回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって前記変速手段がアップシフトされるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機と前記変速手段とを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の駆動装置の制御方法では、回転調整手段による電力の消費と電動機による電力の発電とを伴って駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と回転調整手段と電動機と変速手段とを制御する力行回生制御を実行している最中に動力軸の回転数が小さくなるよう変速手段のアップシフトが指示されたときには、要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されると共に回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって変速手段がアップシフトされるよう内燃機関と回転調整手段と電動機と変速手段とを制御する。したがって、力行回生制御を実行している最中に変速手段のアップシフトが指示されたときには、回転調整手段による電力の発電が制限される変化速度をもって変速手段をアップシフトするから、変速手段をアップシフトする際に回転調整手段により比較的大きな電力が発電されるのを抑制することができ、蓄電手段に過大な電力が入力されるのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された動力軸としてのリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、リングギヤ軸32aの動力を変速して駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36に出力する変速機60と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には回転軸としてのリングギヤ軸32aがそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aから変速機60,駆動軸36,デファレンシャルギヤ38を介して、最終的には車両の駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、動力軸としてのリングギヤ軸32aと駆動軸36との間の変速段の変更を伴う動力の伝達およびリングギヤ軸32aと駆動軸36との接続の解除を行なうことができるように構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。図示するように、変速機60は、シングルピニオンの遊星歯車機構62,64,66と二つのクラッチC1,C2と三つのブレーキB1,B2,B3とにより構成されている。遊星歯車機構62は、外歯歯車のサンギヤ62sと、このサンギヤ62sと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62rと、サンギヤ62sに噛合すると共にリングギヤ62rに噛合する複数のピニオンギヤ62pと、複数のピニオンギヤ62pを自転かつ公転自在に保持するキャリア62cとを備えており、サンギヤ62sはクラッチC2のオンオフによりリングギヤ軸32aに接続または接続の解除ができるようになっていると共にブレーキB1のオンオフによりその回転を停止または自由にできるようになっており、キャリア62cはブレーキB2のオンオフによりその回転を停止または自由にできるようになっている。遊星歯車機構64は、外歯歯車のサンギヤ64sと、このサンギヤ64sと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ64rと、サンギヤ64sに噛合すると共にリングギヤ64rに噛合する複数のピニオンギヤ64pと、複数のピニオンギヤ64pを自転かつ公転自在に保持するキャリア64cとを備えており、サンギヤ64sは遊星歯車機構62のサンギヤ62sに接続され、リングギヤ64rはクラッチC1のオンオフによりリングギヤ軸32aに接続またはその解除ができるようになっており、キャリア64cは遊星歯車機構62のリングギヤ62rに接続されている。遊星歯車機構66は、外歯歯車のサンギヤ66sと、このサンギヤ66sと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66rと、サンギヤ66sに噛合すると共にリングギヤ66rに噛合する複数のピニオンギヤ66pと、複数のピニオンギヤ66pを自転かつ公転自在に保持するキャリア66cとを備えており、サンギヤ66sは遊星歯車機構64のリングギヤ64rに接続され、リングギヤ66rはブレーキB3のオンオフによりその回転を停止または自由にできるようになっており、キャリア66cは遊星歯車機構62のリングギヤ62rと遊星歯車機構64のキャリア64cと駆動軸36とに接続されている。変速機60は、クラッチC1,C2とブレーキB1,B2,B3とを全てオフにすることによりリングギヤ軸32aと駆動軸36とを切り離すことができ、クラッチC1とブレーキB3とをオンとすると共にクラッチC2とブレーキB1,B2とをオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転を比較的大きな減速比で減速して駆動軸36に伝達し(以下、この状態を1速の状態という)、クラッチC1とブレーキB2とをオンとすると共にクラッチC2とブレーキB1,B3とをオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転を1速より小さな減速比で減速して駆動軸36に伝達し(以下、この状態を2速の状態という)、クラッチC1とクラッチB1とをオンとすると共にクラッチC2とブレーキB2,B3とをオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転を2速より小さな減速比で減速して駆動軸36に伝達し(以下、この状態を3速の状態という)、クラッチC1,C2をオンとすると共にクラッチB1,B2,B3をオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転をそのまま駆動軸36に伝達する(以下、この状態を4速の状態という)。また、この変速機60は、クラッチC2とブレーキB3とをオンとすると共にクラッチC1とブレーキB1,B2とをオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転を反転かつ減速して駆動軸36に伝達する(以下、この状態をリバースの状態という)。
クラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3のオンオフは、図1に示すように、油圧式のアクチュエータ100の駆動によりクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3に対して作用させる油圧を調節することより行なわれる。この油圧式のアクチュエータ100は、オイルを圧送するオイルポンプ102と、オイルポンプ102から圧送されたオイルの圧力(ライン圧)をクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3側に調整可能な圧力をもって個別に供給可能な油圧供給部104と、を備える。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3のアクチュエータ100への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
なお、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションセンサ82により検出するシフトレバー81のポジションとしては、駐車ポジション(Pポジション)や中立ポジション(Nポジション),ドライブポジション(Dポジション),リバースポジション(Rポジション)などがある。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクを計算し、要求トルクと車速Vとに応じた変速段となるよう変速機60が制御され、要求トルクと変速機60の変速段とに応じたトルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、変速機60の変速段をアップシフトする際の動作について説明する。図3は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、変速機60の変速段を変速している最中を除いて、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸36に出力すべき要求トルクTd*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTd*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTd*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTd*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTd*に駆動軸36の回転数Ndを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、駆動軸36の回転数Ndは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS120)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図5に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(モータMG2の回転数Nm2)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS130)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。変速機60が1速の状態のときの動力分配統合機構30および変速機60の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係の一例を示す共線図を図6に示す。図中左側は動力分配統合機構30の共線図であり、左の31軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、34軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、32軸はモータMG2の回転数Nm2であるリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数を示す。図中右側は変速機60の共線図であり、64r,66s軸は遊星歯車機構64のリングギヤ64rおよび遊星歯車機構66のサンギヤ66sの回転数を示し、62r,64c,66c軸は駆動軸36の回転数Noである遊星歯車機構62のリングギヤ62rおよび遊星歯車機構64のキャリア64cおよび遊星歯車機構66のキャリア66cの回転数を示し、62c軸は遊星歯車機構62のキャリア62cの回転数を示し、66r軸は遊星歯車機構66のリングギヤ66rの回転数を示し、62s,64s軸は遊星歯車機構62のサンギヤ62sおよび遊星歯車機構64のサンギヤ64sの回転数を示す。図中点線は、シフトポジションSPがDポジションのときに接続される回転要素(32軸と64r,66s軸)を示す。なお、32軸上の2つの太線矢印はモータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクとモータMG2から出力されるトルクTm2とを示し、62r,64c,66c軸の2つの太線矢印は、R軸に出力されるこれらのトルクが変速機60を介して駆動軸36に出力されるトルクを示す。以下、説明の都合上、図6中、上向きのトルクを正のトルクとすると共に下向きのトルクを負のトルクとし、値0より上側の回転数を正の回転数とする共に値0より下側の回転数を負の回転数とする。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。式(2)は、エンジン22から出力されてサンギヤ31に作用するトルクに対して釣り合いを取るためのトルクと、モータMG1の目標回転数Nm1*と回転数Nm1との差を打ち消すためのトルクと、エンジン22やモータMG1からなる系のイナーシャトルクを打ち消すためのトルクTiと、の和としてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する式である。式(2)中、右辺第1項は図6の共線図から容易に導き出すことができる。また、右辺第2項および第3項はモータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御の項であり、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。さらに、右辺第4項はエンジン22やモータMG1からなる系の慣性モーメントやモータMG1の回転数Nm1の時間微分を用いて計算することができる。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1*=-ρ/(1+ρ)・Te*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt+Ti (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS140)、車速Vに換算係数kを乗じて得られる駆動軸36の回転数NdでモータMG2の回転数Nm2(リングギヤ軸32aの回転数Nr)を除することにより変速機60のギヤ比Grを計算し(ステップS150)、要求トルクTd*と変速機60のギヤ比Grとトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS160)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS170)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、リングギヤ軸32aに出力するトルク(Td*/Gr)を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図6の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=Td*/Gr+Tm1*/ρ (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS180)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。なお、このとき、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、変速機60の複数のクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3のうち現在の変速段に対応するクラッチやブレーキ(例えば、変速機60が1速の状態のときにはクラッチC1およびブレーキB3)がオンされるよう油圧式のアクチュエータ100を駆動制御する。
次に、変速機60のアップシフトが要求されたときの動作について説明する。図7は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるアップシフト処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、変速機60のアップシフトが要求されたときに、前述の駆動制御ルーチンと並行して実行される。アップシフトの要求は、実施例では、モータMG1がエンジン22やモータMG2とは逆回転しているとき、即ちモータMG1が負の回転数で回転しているときに行なわれるものとした。なお、このときには、モータMG1の逆回転による力行制御とモータMG2の正回転による回生制御とが行なわれてモータMG1から出力した動力の一部をモータMG2により電力として回生してモータMG1に供給する動力−電力−動力の循環(動力循環)が生じている。また、シフトポジションSPがDポジションのときに変速機60をアップシフトする際には、クラッチC1を係合を保持しながらクラッチC2とブレーキB1,B2,B3とのうちいずれかの係合状態を変更することになるため、以下、アップシフトに伴って係合されるクラッチやブレーキをアップシフト係合クラッチといい、アップシフトに伴って開放されるクラッチやブレーキをアップシフト開放クラッチということとする。例えば、変速機60を1速の状態から2速の状態にアップシフトする際を考えると、ブレーキB2がアップシフト係合クラッチに相当し、ブレーキB3がアップシフト開放クラッチに相当する。
アップシフト処理ルーチンでは、まず、アップシフト係合クラッチ側のファストフィルを実行すると共にアップシフト開放クラッチ側に作用しているオイルを抜く処理を実行する(ステップS200)。ここで、ファストフィルは、アップシフト係合クラッチに係合力が作用するまでにシリンダにオイルを詰め込む処理である。例えば、変速機60を1速の状態から2速の状態にアップシフトするときには、アップシフト係合クラッチとしてのブレーキB2側へのファストフィルを行なうと共にアップシフト開放クラッチとしてのブレーキB3側のオイルを抜く処理を行なうことになる。そして、アップシフト係合クラッチ側へのファストフィルを終了すると共にアップシフト開放クラッチがオフされるのを待って(ステップS210)、モータMG2の回転数Nm2の変化速度の目標値としての目標回転数変化ΔNm2*に絶対値が比較的小さい負の所定値N1を設定すると共に(ステップS220)、モータMG2の回転数Nm2を入力し(ステップS230)、入力したモータMG2の今回の回転数Nm2から前回の回転数(前回Nm2)を減じることによりモータMG2の回転数Nm2の変化速度としての回転数変化ΔNm2を計算し(ステップS240)、計算した回転数変化ΔNm2が目標回転数変化ΔNm2*(N1)となるようアップシフト係合クラッチ側の油圧指令を設定すると共に設定した油圧指令に応じた油圧がアップシフト係合クラッチ側に作用するようアクチュエータ100を駆動し(ステップS250)、モータMG1の回転数Nm1を入力すると共に(ステップS260)、入力したモータMG1の回転数Nm1を調べ(ステップS270)、モータMG1の回転数Nm1が値0より小さいときにはステップS230に戻る。ここで、所定値N1は、モータMG1,MG2やバッテリ50の定格などにより定められる。
そして、ステップS230〜S270の処理を繰り返し実行してモータMG1の回転数Nm1が値0以上になったときには、モータMG2の目標回転数変化ΔNm2*に絶対値が所定値N1より大きい負の所定値N2を設定し(ステップS280)、ステップS230〜S250の処理と同様に、モータMG2の回転数Nm2を入力すると共にこれを用いて回転数変化ΔNm2を計算し回転数変化ΔNm2が目標回転数変化ΔNm2*となるようアップシフト係合クラッチ側の油圧指令を設定すると共にこの油圧指令に応じた油圧がアップシフト係合クラッチ側に作用するようアクチュエータ100を駆動する(ステップS290〜S310)。続いて、車速Vを入力すると共に(ステップS320)、車速Vに換算係数kを乗じて得られる駆動軸36の回転数Ndに目標変速段n*(アップシフト後の変速段)のギヤ比Gr*を乗じることによりアップシフト後のモータMG2の目標回転数Nm2*を計算し(ステップS330)、モータMG2の回転数Nm2と目標回転数Nm2*とを比較し(ステップS340)、モータMG2の回転数Nm2が目標回転数Nm2*近傍でないときにはステップS290に戻り、ステップS290〜S340の処理を繰り返し実行してモータMG2の回転数Nm2が目標回転数Nm2*近傍に至ったときにアップシフト係合クラッチをオンとして(ステップS350)、変速処理ルーチンを終了する。ここで、所定値N2は、所定値N1と同様に、モータMG1,MG2やバッテリ50の定格などにより定められる。
このように、変速機60のアップシフトを行なう際には、モータMG1の回転数Nm1が値0になるまでは比較的小さい変化速度をもってモータMG2の回転数Nm2が変化するようアクチュエータ100を駆動し、モータMG1の回転数Nm1が値0以上になった以降は比較的大きい変化速度をもってモータMG2の回転数Nm2が変化するようアクチュエータ100を駆動するのである。以下、この理由について説明する。いま、変速機60のアップシフトを行なうときを考えている。このとき、エンジン22がある一定の回転数で回転しているとすると、モータMG2の回転数Nm2の低下に伴ってモータMG1の回転数Nm1が上昇するため、モータMG2の回転数Nm2の変化速度が比較的大きいときにはモータMG1の回転数Nm1も比較的大きい変化速度をもって上昇する。モータMG1のトルク指令Tm1*は、前述の図3の駆動制御ルーチンの式(2)で説明したように、モータMG1の回転数Nm1の変化に伴うイナーシャを打ち消すためのトルクTiを用いて設定されるから、モータMG1の回転数Nm1の上昇速度が大きいほどトルクTiが大きくなり、モータMG1のトルク指令Tm1*に正側(図6中上向き)のトルクが設定されやすくなる。動力循環を生じているとき即ちモータMG1により電力が消費されると共にモータMG2により電力が回生される状態で変速機60のアップシフトが開始されることを考えると、モータMG1の回転数Nm1が負の回転数のとき(エンジン22やモータMG2に対してモータMG1が逆回転しているとき)にモータMG1の回転数Nm1の変化速度(上昇速度)を大きくすると、瞬間的にモータMG1,MG2の両方によって電力が発電される場合が生じ、この場合、モータMG1,MG2によって発電される電力の和がバッテリ50の入力制限Winを超えてしまい、バッテリ50に過大な電力が入力されることがあり得る。こうした不都合を抑制するために、実施例では、モータMG1の回転数Nm1が値0になるまでは比較的小さい変化速度をもってモータMG2の回転数Nm2を変化させることによってモータMG1の回転数Nm1の変化を緩やかにし、モータMG1の回転数Nm1が値0以上になった以降は比較的大きい変化速度をもってモータMG2の回転数Nm2を変化させることによりモータMG1の回転数Nm1の変化を大きくするものとした。これにより、変速機60のアップシフトを行なう際にモータMG1により比較的大きな電力が発電されるのを抑制することができ、バッテリ50に過大な電力が入力されるのを抑制することができる。なお、モータMG1の回転数Nm1が値0以上になった以降は、モータMG1の回転数Nm1の変化を大きくするとモータMG1は力行駆動されやすくなるため、バッテリ50に過大な電力が入力されるとは考えにくい。
図8は、変速機60を1速の状態(クラッチC1およびブレーキB3がオン,クラッチC2およびブレーキB1,B2がオフ)から2速の状態(クラッチC1およびブレーキB2がオン,クラッチC2およびブレーキB1,B3がオフ)にアップシフトする際の動力分配統合機構30や変速機60の共線図であり、図9は、このアップシフトを行なう際の動力軸としてのリングギヤ軸32aの回転数Nr(モータMG2の回転数Nm2)とブレーキB2側の油圧とモータMG1の回転数Nm1およびトルクおよび消費電力Pm1とバッテリ50に入出力される電力Pbとの時間変化の様子を示す説明図である。図9中、実線は、モータMG1の回転数Nm1が値0になるまでと値0以上になった以降とでリングギヤ軸32aの回転数Nrの変化速度を変更する場合の時間変化の様子を示し、破線は、比較のために、モータMG1の回転数Nm1が値0以上か否かに拘わらずリングギヤ軸32aの回転数Nrを一定速度で変化させるときの時間変化の様子を示す。変速機60のアップシフトが要求されて(時刻t1)、ブレーキB2側のファストフィルを実行した以降に、図中破線に示すように、モータMG1の回転数Nm1に拘わらずリングギヤ軸32aの回転数Nrが一定の変化速度で低下するようブレーキB2側に油圧を作用させると、モータMG1,MG2の両方により発電が行なわれてバッテリ50の入力制限Winを超える過大な電力がバッテリ50に入力される場合がある。一方、実施例では、図中実線に示すように、モータMG1の回転数Nm1が値0以上になるまではリングギヤ軸32aの回転数Nrが比較的緩やかに低下するようブレーキB2側に油圧を作用させる(時刻t2〜t3)。これにより、モータMG1の回転数Nm1は緩やかに増加することになるから、モータMG1から正のトルク(図8中上向きのトルク)が出力されるのを抑制することができる。この結果、モータMG1,MG2の両方により発電が行なわれることにより、バッテリ50の入力制限Winを超える過大な電力がバッテリ50に入力されるのを抑制することができる。そして、モータMG1の回転数Nm1が値0以上になった以降はリングギヤ軸32aの回転数Nrが迅速に変化するようブレーキb2側に油圧を作用させ(時刻t3〜t4)、リングギヤ軸32aの回転数Nr(モータMG2の回転数Nm2)が目標回転数Nm2*近傍に至ったときにブレーキB2を完全に係合して(時刻t4)、アップシフト処理を終了する。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG1の逆回転による力行制御とモータMG2の正回転による回生制御とが行なわれる動力循環を生じている最中に変速機60のアップシフトが指示されたときには、モータMG1の回転数Nm1が値0になるまではリングギヤ軸32aの回転数Nr(モータMG2回転数Nm2)を比較的緩やかに変化させ、モータMG1の回転数Nm1が値0以上になったときにはリングギヤ軸32aの回転数Nrを比較的急激に変化させるから、モータMG1により大きな電力が発電されるのを抑制することができる。この結果、バッテリ50に過大な電力が入力されるのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、変速機60のアップシフト処理が行なわれているか否かに拘わらず、式(1)に示したように、モータMG2の回転数Nm2とエンジン22の目標回転数Ne*とを用いてモータMG1の目標回転数Nm1*を設定するものとしたが、変速機60のアップシフト処理が行なわれているときには、前述したように、モータMG2の回転数Nm2が急激に変化するため、モータMG2の回転数Nm2に代えて、図7のアップシフト処理ルーチンのステップS220,S280で設定されるモータMG2の目標回転数変化ΔNm2*などを用いてモータMG2の回転数Nm2を補正したものとエンジン22の目標回転数Ne*とを用いてモータMG1の目標回転数Nm1*を設定するものとしてもよい。即ち、モータMG2の回転数変化(回転数Nm2の変化速度)に伴うモータMG1の回転数変化(回転数Nm1の変化速度)を考慮してモータMG1の目標回転数Ne*を設定するものとしてもよい。この場合、モータMG1の回転数変化が考慮された目標回転数Nm1*に応じて前述の式(2)における第2項や第3項が変化するため、実施例と同様に、モータMG1の回転数変化に応じたトルクがモータMG1から出力されることになる。
実施例のハイブリッド自動車20では、4段の変速段をもって変速可能な変速機60を用いるものとしたが、変速段は4段に限られるものではなく、2段以上の変速段をもって変速可能な変速機であればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36に変速機60を介して接続された動力軸としてのリングギヤ軸32aにエンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ132と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸36に変速機60を介して接続された動力軸32bに接続されたアウターロータ134とを有し、エンジン22の動力の一部を動力軸32b,変速機60,駆動軸36を介して駆動輪39a,39bに伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機130を備えるものとしてもよい。
ここで、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、エンジン22のクランクシャフト26と動力軸としてのリングギヤ軸32aとに接続された動力分配統合機構30と動力分配統合機構30に接続されたモータMG1とが「回転調整手段」に相当し、動力分配統合機構30に接続されたモータMG2が「電動機」に相当し、油圧を用いてクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3をオンオフすることにより動力軸としてのリングギヤ軸32aと駆動軸36との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速機60やアクチュエータ100が「変速手段」に相当し、モータMG1およびモータMG2と電力のやりとりを行なうバッテリ50が「蓄電手段」に相当し、駆動軸36に要求される要求トルクを設定するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、モータMG1の逆回転による力行制御とモータMG2の正回転による回生制御とを伴って要求トルクTr*に応じたトルクが出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御している最中に変速機60のアップシフトが指示されたときに、要求トルクTr*に基づくトルクが駆動軸36に出力されると共にモータMG1の回転数Nm1が値0になるまではモータMG2の回転数変化ΔNm2が所定値N1となるよう変速機60のアップシフトに伴って係合されるクラッチやブレーキ(アップシフト係合クラッチ)に油圧を作用させモータMG1の回転数Nm1が値0以上になったときにはモータMG2の回転数変化ΔNm2が所定値N1よりも絶対値が大きい所定値N2となるようアップシフト係合クラッチに油圧を作用させるハイブリッド用電子制御ユニット70やエンジンECU24,モータECU40が「変速時制御手段」に相当する。なお、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置や駆動装置,車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例である動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 変速機60が1速の状態のときの動力分配統合機構30および変速機60の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるアップシフト処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変速機60を1速の状態から2速の状態にアップシフトする際の動力分配統合機構30および変速機60の回転数の関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 変速機60を1速の状態から2速の状態にアップシフトする際の動力軸としてのリングギヤ軸32aの回転数Nr(モータMG2の回転数Nm2)とブレーキB2側の油圧とモータMG1の回転数Nm1およびトルクTm1および消費電力Pm1とバッテリ50に入出力される電力Pbとの時間変化の様子を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、32b 動力軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、36 駆動軸、37 回転数センサ、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、62,64,66 遊星歯車機構、62s,64s,66s サンギヤ、62c,64c,66c キャリア、62r,64r,66r リングギヤ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、100 アクチュエータ、102 オイルポンプ、104 油圧供給部、MG1,MG2 モータ、C1,C2 クラッチ、B1,B2,B3 ブレーキ。

Claims (8)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の出力軸と該出力軸とは異なる動力軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える回転調整手段と、
    前記動力軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記動力軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、
    前記発電機および前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記発電機の回転方向が前記内燃機関および前記電動機の回転方向とは異なる状態のときには、前記発電機による電力の消費と前記電動機による電力の発電とを伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機と前記変速手段とを制御する力行回生制御を実行し、該力行回生制御を実行している状態から前記発電機の回転方向の変更を伴って前記動力軸の回転数が小さくなるよう前記変速手段をアップシフトする際には、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されると共に、前記発電機の回転方向が変更されるまでは第1の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされ、前記発電機の回転方向が変更された以降は前記第1の変化速度より大きい第2の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機と前記変速手段とを制御する変速時制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記変速時制御手段は、前記変速手段をアップシフトする際、前記設定された要求駆動力に基づく目標運転ポイントで前記内燃機関が運転されると共に前記内燃機関から出力される駆動力と前記発電機を含む回転系のイナーシャとに基づく目標駆動力が前記発電機から出力されるよう制御する手段である請求項記載の動力出力装置。
  3. 前記変速時制御手段は、前記変速手段をアップシフトする際、前記内燃機関から出力されて前記第3の軸に作用する駆動力に対して釣り合いを取るための駆動力と、前記内燃機関が前記目標運転ポイントにおける回転数で回転するようにするための駆動力と、前記回転系のイナーシャに基づいて前記第3の軸に作用する駆動力を打ち消すための駆動力と、に基づく目標駆動力が前記発電機から出力されるよう制御する手段である請求項記載の動力出力装置。
  4. 前記変速手段は、複数のクラッチを有し、作動流体の圧力を用いて該複数のクラッチの係合状態を変更することにより前記動力軸と前記駆動軸との間の変速段の変更を伴う動力の伝達を行なう手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
  6. 内燃機関および蓄電手段と共に駆動軸に動力を出力する動力出力装置に組み込まれる駆動装置であって、
    前記内燃機関の出力軸と該出力軸とは異なる動力軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能に接続され前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える回転調整手段と、
    前記蓄電手段と電力のやりとりが可能に接続され、前記動力軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記動力軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記発電機の回転方向が前記内燃機関および前記電動機の回転方向とは異なる状態のときには、前記発電機による電力の消費と前記電動機による電力の発電とを伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機と前記変速手段とを制御する力行回生制御を実行し、該力行回生制御を実行している状態から前記発電機の回転方向の変更を伴って前記動力軸の回転数が小さくなるよう前記変速手段をアップシフトする際には、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されると共に、前記発電機の回転方向が変更されるまでは第1の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされ、前記発電機の回転方向が変更された以降は前記第1の変化速度より大きい第2の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機と前記変速手段とを制御する変速時制御手段と、
    を備える駆動装置。
  7. 内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と該出力軸とは異なる動力軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機とを備える回転調整手段と、前記動力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記動力軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、前記発電機および前記電動機と電力をやりとり可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記発電機の回転方向が前記内燃機関および前記電動機の回転方向とは異なる状態のときには、前記発電機による電力の消費と前記電動機による電力の発電とを伴って前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機と前記変速手段とを制御する力行回生制御を実行し、該力行回生制御を実行している状態から前記発電機の回転方向の変更を伴って前記動力軸の回転数が小さくなるよう前記変速手段をアップシフトする際には、前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されると共に、前記発電機の回転方向が変更されるまでは第1の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされ、前記発電機の回転方向が変更された以降は前記第1の変化速度より大きい第2の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機と前記変速手段とを制御する、
    動力出力装置の制御方法。
  8. 内燃機関および蓄電手段と共に駆動軸に動力を出力する動力出力装置に組み込まれ、前記内燃機関の出力軸と該出力軸とは異なる動力軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段,前記蓄電手段と電力のやりとりが可能に接続され前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機を備える回転調整手段と、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能に接続され前記動力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記動力軸と前記駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を伝達する変速手段と、を備える駆動装置の制御方法であって、
    前記発電機の回転方向が前記内燃機関および前記電動機の回転方向とは異なる状態のときには、前記発電機による電力の消費と前記電動機による電力の発電とを伴って前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機と前記変速手段とを制御する力行回生制御を実行し、該力行回生制御を実行している状態から前記発電機の回転方向の変更を伴って前記動力軸の回転数が小さくなるよう前記変速手段をアップシフトする際には、前記要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されると共に、前記発電機の回転方向が変更されるまでは第1の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされ、前記発電機の回転方向が変更された以降は前記第1の変化速度より大きい第2の変化速度をもって前記動力軸の回転数を変化させることにより前記変速手段がアップシフトされるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機と前記変速手段とを制御する、
    駆動装置の制御方法。
JP2006301946A 2006-11-07 2006-11-07 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法 Expired - Fee Related JP4825639B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006301946A JP4825639B2 (ja) 2006-11-07 2006-11-07 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006301946A JP4825639B2 (ja) 2006-11-07 2006-11-07 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008114802A JP2008114802A (ja) 2008-05-22
JP4825639B2 true JP4825639B2 (ja) 2011-11-30

Family

ID=39501102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006301946A Expired - Fee Related JP4825639B2 (ja) 2006-11-07 2006-11-07 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4825639B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100999234B1 (ko) 2008-12-02 2010-12-07 현대자동차주식회사 하이브리드 차량의 제어방법
US8485930B2 (en) * 2010-12-08 2013-07-16 GM Global Technology Operations LLC Variable ratio power-split hybrid transmission
KR101518949B1 (ko) * 2013-12-17 2015-05-18 현대자동차 주식회사 하이브리드 차량용 변속장치
CN108215761A (zh) * 2016-12-12 2018-06-29 郑州宇通客车股份有限公司 车辆、混联式混合动力***及混合动力***控制方法
KR102601810B1 (ko) * 2022-06-08 2023-11-14 현대트랜시스 주식회사 차량용 액슬장치

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4301224B2 (ja) * 2005-02-16 2009-07-22 トヨタ自動車株式会社 自動車およびその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008114802A (ja) 2008-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4229165B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP4680075B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御装置、動力出力装置の制御方法
JP4265570B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置、動力出力装置の制御方法
JP4038214B2 (ja) 駆動装置およびこれを搭載する動力出力装置並びにこれを搭載する自動車,駆動装置の制御方法
JP4276660B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御装置、動力出力装置の制御方法
JP2008087684A (ja) 車両および駆動装置並びにこれらの制御方法
JP4220961B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御装置、動力出力装置の制御方法
JP2006161778A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御装置,動力出力装置の制御方法
JP4299288B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法
JP4825639B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法
JP2008149742A (ja) 車両および駆動装置並びにこれらの制御方法
JP4217234B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法
JP4063285B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに状態検出装置,動力出力装置の制御方法
JP2008213632A (ja) 車両およびその制御方法
JP4597043B2 (ja) 車両および駆動装置並びに車両の制御方法
JP2006316848A (ja) 電動車両およびその制御方法
JP4176102B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両,駆動装置
JP4277823B2 (ja) 電動車両およびその制御方法
JP5026808B2 (ja) 動力出力装置及びその制御方法並びに車両、駆動装置
JP2007131047A (ja) ハイブリッド車および駆動装置,ハイブリッドの制御方法
JP4864744B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両および駆動装置
JP2010012902A (ja) ハイブリッド車および動力出力装置の制御方法
JP2008179290A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP4277867B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP4842846B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両、駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080806

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110830

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110912

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4825639

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees