JP4820810B2 - 全差動増幅装置 - Google Patents

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Description

本発明は、初期動作の安定性を向上させることができる、コモンモードフィードバック回路を備えた全差動増幅装置に関するものである。
近年、通信回路や、ミックスドシグナル回路などで、電源やグラウンド(GND)などからの高周波ノイズやデジタルノイズの除去の観点から、入出力ともに2端子を有し、回路的にまったく対称な全差動増幅装置が多く使われるようになってきている。全差動増幅装置では、出力のDC電圧(コモン電圧)が定まりにくいため、コモンモードフィードバックが必要である。
図5に従来の全差動増幅装置の一構成例を示す。差動増幅器3において、正極性入力信号Vinpは正極性入力端子1に入力され、負極性入力信号Vinnは負極性入力端子2に入力される。この差動増幅器3は、正極性出力端子21と負極性出力端子22より正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1をそれぞれ発生する。この差動増幅器3の正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1は、コモン電圧生成回路4に入力される。
コモン電圧生成回路4では、差動増幅器(オペアンプ)3の正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1をもとに、差動増幅器3の出力コモン電圧を生成する。コモン電圧生成回路4の出力である、差動増幅器3の出力コモン電圧41は、コモンモードフィードバック用比較器7の反転入力端子に入力される。このコモンモードフィードバック用比較器7の非反転入力端子には、基準電圧5が入力される。符号6はグラウンド(GND)を示している。
コモンモードフィードバック用比較器7は、差動増幅器3の出力コモン電圧41と基準電圧5とを比較し、それらの比較結果信号であるコモンモードフィードバック信号8を、差動増幅器3のコモンモードフィードバック端子44に帰還させ、差動増幅器3の出力コモン電圧41が基準電圧5と一致するように差動増幅器3を動作させる。
図6にコモンモードフィードバックを有する全差動演算増幅装置の具体回路例を示す。図6において、正極性入力信号Vinpが正極性入力端子1から入力され、負極性入力信号Vinnが負極性入力端子2に入力される。
差動増幅器3は、差動トランジスタ対を構成するMOSトランジスタM1、M2と、MOSトランジスタM1、M2に差動増幅用電流を流す共通の電流源となるMOSトランジスタM3と、MOSトランジスタM1、M2に個別に電流を流す負荷電流源を構成するMOSトランジスタM4、M5とからなる。正極性入力端子1はMOSトランジスタM1のゲートに接続され、負極性入力端子2はMOSトランジスタM2のゲートに接続されている。MOSトランジスタM1、M2は、ソースが共通接続され、MOSトランジスタM3のドレインに接続されている。MOSトランジスタM3のソースはグラウンド6に接続されている。MOSトランジスタM1、M2のドレインは、それぞれMOSトランジスタM4、M5のドレインに接続されている。MOSトランジスタM4、M5のソースは電源12に接続され、同ゲートは共通接続されている。
上記した正極性入力信号Vinpおよび負極性入力信号Vinnは、上記構成を有する差動増幅器3で増幅され、MOSトランジスタM2、M1のドレインに設けられた正極性出力端子21および負極性出力端子22から正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1がそれぞれ出力される。差動増幅器3から出力される正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1は、出力コモン電圧生成回路4に入力される。
この出力コモン電圧生成回路4は、反転増幅用のMOSトランジスタM10、M11と、電流源となるMOSトランジスタM8、M9と、電圧加算平均用の抵抗R1、R2とで構成されている。MOSトランジスタM10、M11のドレインは、MOSトランジスタM8、M9のドレインとそれぞれ接続されている。MOSトランジスタM8、M9のソースはグラウンド6に接続されている。また、MOSトランジスタM10、M11のソースは電源12に接続されている。MOSトランジスタM10、M11の両ドレイン間には、抵抗R1、R2の直列回路が接続され、抵抗R1、R2の接続点が出力コモン電圧41を出力するための出力コモン電圧生成回路4の出力端子となっている。また、MOSトランジスタM10、M11の各ドレインには、正極性出力端子42および負極性出力端子43が設けられている。そして、正極性出力信号Voutp1がMOSトランジスタM11によって反転増幅された正極性増幅出力信号Voutpが正極性出力端子42から出力される。また、負極性出力信号Voutn1がMOSトランジスタM11によって反転増幅された負極性増幅出力信号Voutnが負極性出力端子43から出力される。
以上のような構成の出力コモン電圧生成回路4に、差動増幅器3から出力される正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1が入力されると、正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1は、MOSトランジスタM10、M11で反転増幅されると同時に、抵抗R1、R2で加算平均され、それによって出力コモン電圧41が生成される。この出力コモン電圧41が、コモンモードフィードバック用比較器7に入力され、出力コモン電圧41と基準電圧5とが比較され、比較結果信号であるコモンモードフィードバック信号8が差動増幅器3にフィードバックされる。
このコモンモードフィードバック用比較器7は、比較用トランジスタ対を構成するMOSトランジスタM14、M15と、MOSトランジスタM14、M15に比較用電流を供給する電流源となるMOSトランジスタM13と、MOSトランジスタM14、M15の負荷となるMOSトランジスタM16、M17とで構成されている。MOSトランジスタM14、M15は、ソースが共通接続され、MOSトランジスタM13のドレインに接続されている。MOSトランジスタM13のソースはグラウンド6に接続されている。MOSトランジスタM14、M15のドレインは、MOSトランジスタM16、M17のドレインにそれぞれ接続されている。MOSトランジスタM16、M17のソースは、電源12に接続され、ゲートはそれぞれドレインに接続されている。そして、MOSトランジスタM16のドレイン(ゲート)がコモンモードフィードバック信号8の出力端子となっていて、差動増幅器3のMOSトランジスタM4、M5の共通のゲートに接続されている。ここで、MOSトランジスタM16とMOSトランジスタM4、M5とがカレントミラー回路を構成している。また、MOSトランジスタM14のゲートに出力コモン電圧41が入力され、MOSトランジスタM15のゲートに基準電圧5が入力される。
以上のような構成を有するコモンモードフィードバック用比較器7で、出力コモン電圧41と基準電圧5とが比較される。
出力コモン電圧41が基準電圧5よりも高い場合は、MOSトランジスタM13の電流はMOSトランジスタM14、M16を流れ、MOSトランジスタM16のドレイン電圧が下がり、MOSトランジスタM16のゲート電圧が下がる。その結果、差動増幅器3の負荷電流源であるMOSトランジスタM4、M5のゲート電圧が下がり、MOSトランジスタM4、M5のソース・ゲート間電圧を増加させる。それによってMOSトランジスタM4、M5の電流が増加し、MOSトランジスタM4、M5のドレイン電圧が上昇する。そのため、MOSトランジスタM10、M11のゲート電圧が高くなり、MOSトランジスタM10、M11の電流が減少し、MOSトランジスタM10、M11のドレイン電圧が低下する。その結果、出力コモン電圧41が低下する。
また、出力コモン電圧41が基準電圧5よりも低い場合は、MOSトランジスタM13の電流は、MOSトランジスタM15、M17を流れるため、MOSトランジスタM16のドレイン電圧が上がり、MOSトランジスタM16のゲート電圧が上がる。その結果、MOSトランジスタM4、M5のゲート電圧が上昇し、MOSトランジスタM4、M5のソース・ゲート間電圧を減少させる。それによってMOSトランジスタM4、M5の電流は減少し、MOSトランジスタM4、M5のドレイン電圧が下降する。そのため、MOSトランジスタM10、M11のゲート電圧が低下し、MOSトランジスタM10、M11のドレイン電流は増加し、MOSトランジスタM10、M11のドレイン電圧が上昇する。その結果、出力コモン電圧41は上昇する。
結局、出力コモン電圧41が基準電圧5と同じ電圧になるようフィードバックがかけられ、出力コモン電圧41は基準電圧5と同じとなる。
電流源回路10は、電流源11とMOSトランジスタM18とで構成されている。電流源11は、一端が電源12に接続され、他端がMOSトランジスタM18のドレインおよびゲートに接続され、MOSトランジスタM18のソースがグラウンド6に接続されている。そして、MOSトランジスタM18はMOSトランジスタM3、M8、M9、M13とともにカレントミラー回路を構成し、上記したように、MOSトランジスタM3はMOSトランジスタM1、M2よりなる差動増幅器3の電流源を構成し、MOSトランジスタM8、M9は反転増幅用のMOSトランジスタM10、M11の電流源を構成し、MOSトランジスタM13はコモンモードフィードバック用比較器7の電流源を構成する。
ところで、しばしば、電源の立ち上がり時や、モードの切り替わり時(例えば、入力信号のレベルの切替時)などに、差動増幅器3の出力電圧が所望の基準電圧ではなく、他の電圧、たとえば、グラウンド(GND)や電源電圧(VDD)などに固定されてしまうという問題があった。
図8にそのような動作が起こりやすい、オペアンプを利用した増幅器、あるいは高域通過フィルタの回路を示す。図8において、符号31、32はそれぞれコンデンサを示し、符号33〜36はそれぞれ抵抗を示す。図8でコンデンサ31、32の容量をC1とし、抵抗33,34の抵抗値をR3とし、抵抗35,36の抵抗値をR4とすると、入出力の伝達関数H(s)は、
H(s)=R4/R3*{s/(s+1/(C1*R3))}
(ここで、s=jωである。)
となり、通過帯域の利得R4/R3、遮断角周波数ωc=1/(C1*R3)の高域通過フィルタとなる。そのため、直流電圧は伝達されない。それ故、入力直流電圧は出力コモン電圧により与えられなければならない。
そのとき、コモン電圧の安定点が希望のコモン電圧以外の他の電圧、たとえば、グラウンド(GND)にあると、コモン電圧の安定点がその電圧で固定されてしまい、増幅動作を行うことができないという問題があった。
別の例として図9に抵抗とオペアンプで構成された反転増幅器を示す。図9において、符号33〜36はそれぞれ抵抗を示す。図9で抵抗33、34の抵抗値をR3とし、抵抗35,36の抵抗値をR4とすると、利得R4/R3の反転増幅器が構成される。入力直流電圧をVINとし、出力直流電圧をVOとすると、オペアンプの入力端子直流電圧V1は、
V1=VIN*R4/(R3+R4)+VO*R3/(R3+R4)
となる。したがって、反転増幅器の出力が所望のコモン電圧以外となり、この直流電圧V1がオペアンプの入力ダイナミックレンジを外れていると、動作点がずれてしまい、増幅動作をすることができなくなってしまうことがある。また、モードの切換時などに過渡的に入力直流電圧VINがグラウンドGNDや電源電圧VDDなどになり、抵抗分割された電圧V1が入力ダイナミックレンジを外れたとき、所望の動作点以外で演算増幅器の入出力電圧が固定されてしまい、正常な増幅動作を行えないという問題があった。
図10にオペアンプを使用した電流電圧変換回路を示す。この電流電圧変換回路の入力は電流源13、14であり、この電流原13、14の電流が抵抗35、36に流れることにより、電圧出力21,22が取り出される。基準電圧5のコモン電圧をVCOMとするとVoutn=VCOM−Iinp*R4となる。Iinp=0の時オペアンプの入出力電圧はVCOMとなり、この場合もコモン電圧が正しく与えられないと、正常な増幅動作を行うことはできない。
そのため、たとえば入力電圧が差動増幅器3のダイナミックレンジを外れた場合は、別の比較器を設け、出力電圧がダイナミックレンジ内に入るまで補助電流を流すことが行われる(特許文献1参照)。
図7にその具体例を示す。図7において、符号100は上記した、別の比較器を示す。この比較器100は、比較用のMOSトランジスタM21〜M24と、電流源となるMOSトランジスタM20とで構成されている。MOSトランジスタM21〜M24はソースが共通接続され、MOSトランジスタM20のドレインに接続されている。MOSトランジスタM20のソースはグラウンド6に接続されている。MOSトランジスタM21のゲートには負極性入力信号Vinnが印加され、MOSトランジスタM22のゲートには正極性入力信号Vinpが印加され、MOSトランジスタM23、M24のゲートには比較基準電圧200が印加されている。MOSトランジスタM21、M22のドレインは電源12に接続され、MOSトランジスタM23のドレインはMOSトランジスタM10のゲートに接続され、MOSトランジスタM24のドレインはMOSトランジスタM11のゲートに接続されている。その他の構成は、図6と同様である。
以上のような構成の全差動増幅装置においては、入力DC電圧が低く、入力ダイナミックレンジ以下である場合、MOSトランジスタM20〜M24からなる回路がないと、MOSトランジスタM1、M2はオフとなり、MOSトランジスタM4、M5のドレイン電流がMOSトランジスタM10、M11のゲートの寄生容量を通して流れている場合、MOSトランジスタM4、M5のドレイン電圧が上がり、したがってMOSトランジスタM10、M11のゲート電圧が上昇する。その結果、MOSトランジスタM10、M11がオフし、MOSトランジスタM10、M11のドレイン電圧がロー電圧まで低下し、出力コモン電圧がロー電圧に固定されてしまうことがある。
この状態は、例えば、電源投入後入力DC電圧が徐々に上がって入力ダイナミックレンジに入り、MOSトランジスタM1、M2が動作を始めるまで持続する。
つまり、MOSトランジスタM4、M5のドレイン電流がMOSトランジスタM10、M11のゲートの寄生容量に流れ、MOSトランジスタM10、M11のゲート電圧を上昇させ、やがてMOSトランジスタM10、M11がオフとなる。それゆえ、MOSトランジスタM10、M11のドレイン電圧も下がり、MOSトランジスタM14に電流は流れなくなり、MOSトランジスタM16のドレイン電圧およびゲート電圧が上昇し、MOSトランジスタM16、M4、M5もオフし、MOSトランジスタM4、M5も電流を流さなくなる。ところが、MOSトランジスタM10、M11のゲート容量に蓄えられた電荷は保持され、MOSトランジスタM10、M11はオフし続ける。そのため、MOSトランジスタM10、M11のドレイン電圧はロー電圧に維持され、したがって、出力コモン電圧がロー電圧に固定される。
そのため、MOSトランジスタM20の補助電流源とMOSトランジスタM21〜M24とからなる比較器100を付加し、比較基準電圧200より入力電圧(Vinp、Vinn)が低い場合、電流源となるMOSトランジスタM20の電流はMOSトランジスタM23、M24を流れ、MOSトランジスタM10、M11のゲート電圧を下げる。そのため、MOSトランジスタM10、M11のドレイン電圧は上がり、コモンモードフィードバック用比較器7のMOSトランジスタM13の電流はMOSトランジスタM14、M16を通って流れ、MOSトランジスタM16のドレイン電圧およびゲート電圧を下げ、MOSトランジスタM4、M5のゲート電圧を下げる。MOSトランジスタM4、M5のドレイン電流よりもMOSトランジスタM23、M24の電流のほうが大きければ、出力コモン電圧41はロー電圧に固定されることはなくなる。
電源投入後、入力DCレベルは徐々に上昇し、所定のダイナミックレンジに入れば、トランジスタM1、M2は増幅動作ができるようになる。そのため、入力電圧が所定のダイナミックレンジ内に上昇してくれば、入力電圧は比較基準電圧200より高くなるため、MOSトランジスタM20の電流はMOSトランジスタM21、M22を通って電源12に流れる。この後は通常のコモンモードフィードバック動作が行われ、正常な動作が行われる。
特開2000−323940号公報
従来、差動増幅器のコモンモードフィードバックの動作が電源の立ち上がり時や、モードの切り替え時などに、正常な動作をせず、電源や、グラウンド(GND)など所望のコモン電圧以外に安定点を持ち、所望のコモン電圧以外に収束してしまうことがあった。そのため、例えば、特許文献1に示すように、入力電圧が差動増幅器(オペアンプ)のダイナミックレンジ以外である場合には、入力電圧がダイナミックレンジ内にあるかどうかを検出する新たな比較器100を設け、その比較結果を利用してスタートアップのための補助電流を流すことなどが行われていた。
ここで、従来例の図7をもとに再度説明する。特許文献1の例では入力はPchトランジスタであるが、本発明との比較のため、入力の差動トランジスタはNchトランジスタの差動増幅器として説明する。特許文献1では、入力電圧がダイナミックレンジ外のとき、すなわちMOSトランジスタM1、M2がオフするような低い電圧のとき、MOSトランジスタM4、M5がオンしていると、MOSトランジスタM10、M11がオフしてしまい、出力コモン電圧41がローのままで固定されることがある。そのため、入力ダイナミックレンジを比較するMOSトランジスタM20〜M24からなる新たな比較器100を設ける。入力電圧が入力ダイナミックレンジを外れるような低い電圧のときは、入力電圧が比較基準電圧200より低くなっており、MOSトランジスタM20の電流をMOSトランジスタM23、M24を通して差動増幅器3の正極性出力端子21と負極性出力端子22、すなわち出力コモン電圧生成回路4における反転増幅用のMOSトランジスタM10、M11のゲートに流し、全差動演算増幅器3の出力コモン電圧41を上げるよう動作させる。入力電圧がダイナミックレンジ内に入ったときは、比較基準電圧200よりも入力電圧は高くなるため、MOSトランジスタM20の電流はMOSトランジスタM21、M22を通して電源12に流しておく。
しかしながら、入力電圧がダイナミックレンジを外れ、基準電圧200より低い電圧のとき、MOSトランジスタM20の電流はMOSトランジスタM23、M24に流れるが、そのMOSトランジスタM23、M24のドレイン電流がMOSトランジスタM10、M11をオンできるように、入力電圧が比較基準電圧200より低い状態でのMOSトランジスタM23、M24の過渡的な電流は、MOSトランジスタM4、M5の過渡的な電流より多く流しておく必要がある。そのため、スタートアップのために多くの電流を使わなければならない。また、正常に立ち上がった後も電源に、無駄な電流として流しておかなければならない。
また、入力に差動増幅用トランジスタ以外に、スタートアップ用MOSトランジスタM21、M22のゲートが接続されるため、入力にMOSトランジスタM21、M22による不要な寄生容量が付加され、周波数特性を劣化させる。
また、比較器100を正常に動作させるために、基準電圧200はMOSトランジスタM20のオーバードライブ電圧、すなわちMOSトランジスタM20のゲート・ソース間電圧Vgs20から閾値電圧Vthを減算した電圧とMOSトランジスタM23,M24のゲート・ソース間電圧とを加算した電圧よりも高くしなければならない。また、比較器100を完全に切り替えるためには、入力電圧はこの基準電圧200の電圧に加えて、MOSトランジスタM21、M22のオーバードライブ電圧の√2倍を加算した電圧以上でなければならない。そのため、たとえば、入力の下限電圧を1V(MOSトランジスタM3のオーバードライブ電圧{Vgs3−Vth}+MOSトランジスタM1,M2のゲート・ソース間電圧Vgs1)とし、MOSトランジスタM21〜M24のオーバードライブ電圧を0.2Vとすれば、比較器100が完全にスイッチするように、基準電圧200の電圧は1.3V程度にしなければならない。
このように設定すると、入力下限電圧は比較器100を完全に電流切り替える必要があるため、1.6V程度となってしまう。そのため、結果として、比較器100の追加によって、入力下限電圧は1.0Vから1.6Vへと大きくロスしてしまい、入力ダイナミックレンジが減少する。最近のプロセスの微細化に伴って、耐圧の制約からたとえば0.18ミクロンプロセスでは、電源電圧は1.8Vが標準であり、従来例のような対策では増幅器を構成することが困難となる。また、オーバードライブ電圧を小さくしようとすれば、トランジスタのサイズを大きくせねばならず、比較器のトランジスタ数の増加に加えてサイズの増加によって、チップ面積の増加を招く。
したがって、本発明の目的は、入力ダイナミックレンジを減少させることなく、小電流、小面積で寄生容量の少ないスタートアップ回路を有するコモンモードフィードバック回路を有する全差動増幅装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の全差動増幅装置は、入力直流電圧がダイナミックレンジを外れていても、必ず出力コモン電圧が所望の電圧となるようスタートアップのための必要とされる最低限の補助電流を入力の差動増幅器に流し、安定に立ち上げるものである。コモンモードフィードバック用比較器には、上記の補助電流に対応した補正電流を流しておく。この構成により、新たな比較器は不要となり、入力ダイナミックレンジの減少を招くことなく、また、不要な寄生容量が差動増幅器の入力に付加されることはない。
すなわち、この全差動増幅装置は、正極性入力信号および負極性入力信号を入力して正極性出力信号および負極性出力信号を出力する差動増幅器と、差動増幅器からそれぞれ出力される正極性出力信号および負極性出力信号をそれぞれ入力し増幅して正極性増幅信号および負極性増幅信号を生成するとともに、正極性増幅信号および負極性増幅信号から出力コモン電圧を生成する出力コモン電圧生成回路と、出力コモン電圧生成回路の出力コモン電圧と所定の基準電圧とを比較し、出力コモン電圧と所定の基準電圧との比較結果をコモンモードフィードバック信号として差動増幅器に帰還することにより、出力コモン電圧を基準電圧と一致させるコモンモードフィードバック用比較器と、出力コモン電圧生成回路における正極性出力信号および負極性出力信号の入力部に電流を常時流す電流源を有する補助電流供給回路とを備えている。
この構成によれば、起動時に最小限の電流を流す電流源を設けるだけであり、起動後に電流を流し続けることがなくなり、余分な電流を流す必要がない。先行技術のような比較器を設ける必要がないので、入力ダイナミックレンジの減少を招くこともない。また、入力DCレベルの下限をより下げることが可能となり、低電源電圧化に有利である。これは、電流源用のMOSトランジスタのドレイン電圧は高い電圧にあるため、必ず飽和領域で動作し、入力ダイナミックレンジを減少させることがないからである。また、差動増幅器の入力部の寄生容量を少なくでき、高周波特性を劣化させることもない。また、回路構成も先行技術のような比較器を設ける場合と比べてシンプルであるので、チップ面積の縮小にも有利である。
上記構成においては、差動増幅器は、例えば、差動トランジスタ対と、差動トランジスタ対に共通に接続された差動増幅用電流源と、差動トランジスタ対の各差動トランジスタに個別に各負荷電流源が接続された負荷電流源対とを有し、差動トランジスタ対の各差動トランジスタの制御極に正極性入力信号および負極性入力信号がそれぞれ与えられ、差動トランジスタ対の各差動トランジスタと負荷電流源対の各負荷電流源との接続部から正極性出力信号および負極性出力信号がそれぞれ取り出される構成を有している。
また、上記構成においては、出力コモン電圧生成回路は、例えば入力部に差動増幅器の正極性出力信号および負極性出力信号を各々反転する出力反転増幅用トランジスタ対と、出力反転増幅用トランジスタ対の各トランジスタの出力端の間に接続した第1および第2の抵抗の直列回路とを有し、第1および第2の抵抗の中点から出力コモン電圧を出力する構成を有している。
また、上記構成においては、コモンモードフィードバック用比較器は、例えば、出力コモン電圧生成回路から出力されるコモン電圧と所定の基準電圧とを比較する比較用トランジスタ対と、比較用トランジスタ対に共通に接続された比較用電流源と、比較用トランジスタ対の各比較用トランジスタにそれぞれ個別に電流帰還用トランジスタが接続されて、比較トランジスタ対による比較結果信号に基づいて負荷電流源対に流れる電流を変化させる電流帰還用トランジスタ対とを有する。
ここで、上記の負荷電流源対が負荷電流源トランジスタ対からなり、電流帰還トランジスタ対の一方の電流帰還トランジスタと負荷電流源トランジスタ対の各負荷電流源トランジスタとがカレントミラー回路を構成していることが好ましい。
上記構成においては、差動トランジスタ対がMOSトランジスタ対からなる、もしくはバイポーラトランジスタ対からなることが好ましい。また、出力コモン電圧生成回路が出力反転増幅用トランジスタ対の出力端と前記第1および第2の抵抗の直列回路との間にバイポーラトランジスタからなるバッファ対を有していてもよい。
本発明によって、差動増幅器(オペアンプ)のコモンモードフィードバックを、電源の立ち上がり時や、モードの切り替わり時などに安定に立ち上げることが可能である。また、入力ダイナミックレンジの減少を招くこともない。また、高周波特性を劣化させることなく、新たな比較器も必要ではない。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の全差動増幅装置を示すブロック図である。以下図1をもとに説明する。差動増幅器3において、正極性入力信号Vinpは正極性入力端子1に入力され、負極性入力信号Vinnは負極性入力端子2に入力される。この差動増幅器3は、正極性出力端子21と負極性出力端子22より正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1をそれぞれ発生する。この差動増幅器3の正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1は、コモン電圧生成回路4に入力される。
コモン電圧生成回路4では、差動増幅器(オペアンプ)3の正極性出力信号Voutp1および負極性出力信号Voutn1をもとに、差動増幅器3の出力コモン電圧を生成する。コモン電圧生成回路4の出力である、差動増幅器3の出力コモン電圧41は、コモンモードフィードバック用比較器7の反転入力端子に入力される。このコモンモードフィードバック用比較器7の非反転入力端子には、基準電圧5が入力される。符号6はグラウンド(GND)を示している。
コモンモードフィードバック用比較器7は、差動増幅器3の出力コモン電圧41と基準電圧5とを比較し、それらの比較結果信号であるコモンモードフィードバック信号8を、差動増幅器3のコモンモードフィードバック端子44に帰還させ、差動増幅器3の出力コモン電圧41が基準電圧5となるように差動増幅器3を動作させる。
また、スタートアップ用補助電流供給回路9が設けられ、このスタートアップ用補助電流供給回路9から差動増幅器3とコモンモードフィードバック用比較器7とに補助電流と補正電流とをそれぞれ供給するようにしている。
図2に本発明の実施の形態1の全差動増幅装置の具体回路例を示す。図6の従来例との違いは、スタートアップ用補助電流供給回路9を構成するMOSトランジスタM6、M7(補助電流源)、MOSトランジスタM12(補正電流源)を設けた点であり、その他の構成は図6と同様である。
MOSトランジスタM6は、ドレインがMOSトランジスタM10のゲート、つまりMOSトランジスタM1、M4のドレインに接続され、ソースがグラウンド6に接続されている。
また、MOSトランジスタM7は、ドレインがMOSトランジスタM11のゲート、つまりMOSトランジスタM2、M5のドレインに接続され、ソースがグラウンド6に接続されている。
さらに、MOSトランジスタM12は、ドレインがMOSトランジスタM14、M15のソースに共通に接続され、ソースがグラウンド6に接続されている。
また、MOSトランジスタM6、M7、M12のゲートは、カレントミラー回路を構成するため、MOSトランジスタM18のゲートおよびドレインに接続されている。
なお、MOSトランジスタM12は、MOSトランジスタM13が図6の従来例のMOSトランジスタM13と同じサイズであると想定して、MOSトランジスタM6、M7に流れる電流を補正するために設けたものであるが、MOSトランジスタM13のサイズをMOSトランジスタM6、M7の電流を考慮して設計すれば、MOSトランジスタM12は省くことができる。
以下、この全差動増幅装置の動作において、従来例との違いについて説明し、従来例と同様の動作については説明を省略する。
図2において、従来例と同様に、MOSトランジスタM1〜M5よりなる差動増幅器3に正極性入力信号Vinpが正極性入力端子1より入力され、負極性入力信号Vinnが負極性入力端子2より入力される。もしも入力DC電圧が入力ダイナミックレンジを外れるような低い電圧の場合、MOSトランジスタM1、M2はオフとなるが、MOSトランジスタM6、M7の電流がMOSトランジスタM10、M11のゲート電圧を引き下げる。その結果、MOSトランジスタM10、M11のドレイン電圧が上昇し、そのため、出力コモン電圧41は上昇し、MOSトランジスタM14に電流が流れ始める。これによって、MOSトランジスタM16のドレイン電圧を下げ、MOSトランジスタM16、M4、M5のゲート電圧を引き下げ、MOSトランジスタM4、M5のドレイン電流を増加させる。そして、MOSトランジスタM4、M5の電流がMOSトランジスタM6、M7の電流と釣り合う動作点に、動作が収束する。
したがって、MOSトランジスタM6、M7に流しておく電流はほんの少しの電流でよい。つまり、本発明の実施の形態の場合は、MOSトランジスタM6、M7の電流は定常電流であるため、MOSトランジスタM4、M5の電流が過渡的であるなしにかかわらず、少し流しておけば、やがてMOSトランジスタM10、M11はオンする。したがって、MOSトランジスタM4、M5のドレイン電流が、入力電圧がダイナミックレンジ以内になくMOSトランジスタM1、M2がオフのときは、MOSトランジスタM6、M7のドレイン電流と同じとなるように、コモンモードの負帰還がかかる。
その後、入力が正規のダイナミックレンジ内となれば、MOSトランジスタM1の電流とMOSトランジスタM6の電流の加算電流と同じとなるようMOSトランジスタM4の定常電流は決まる。同様に、MOSトランジスタM2の電流とMOSトランジスタM7の電流の加算電流と同じとなるようMOSトランジスタM5の定常電流は決まる。
このとき、差動増幅器3の出力コモン電圧41は所望の基準電圧5よりも少し低い電圧となる。少し低い電圧になる理由について以下に説明する。正しくバランスした場合は、MOSトランジスタM12とMOSトランジスタM13の加算電流の半分がMOSトランジスタM14に流れることによって、出力コモン電圧41は基準電圧5と同じ電圧となる。いま、MOSトランジスタM6、M7の電流が少なく、MOSトランジスタM4、M5の電流も少ない状態に収束したとすると、MOSトランジスタM14を流れる電流はMOSトランジスタM12、M13の加算電流の半分よりも少なくなる。したがって、例えば、MOSトランジスタM12とMOSトランジスタM13の加算電流をIoとし、その1/4がMOSトランジスタM14を流れるとし、β=μCox(W/L)とすると、MOSトランジスタM14のゲート・ソース間電圧Vgs14はMOSトランジスタM15のゲート・ソース間電圧Vgs15より小さくなり、その差電圧である√(2Io/β)*(√3−1)/2だけ基準電圧5より出力コモン電圧は低くなる。
ところが、入力DC電圧がダイナミックレンジ内に入り、MOSトランジスタM1、M2が差動増幅器として動作し始めれば、MOSトランジスタM3の電流がMOSトランジスタM10、M11のゲートに供給されるため、その電流と釣り合うようにMOSトランジスタM4、M5の電流は流れる。コモンモードループは負帰還であるため、例えば、MOSトランジスタM3の電流がMOSトランジスタM1を通して流れ始めると、MOSトランジスタM10、M11のゲート電圧は下がり、出力コモン電圧は上昇する。それゆえ、MOSトランジスタM14、M16のドレイン電流が増加し、MOSトランジスタM4、M5の電流も増加する。MOSトランジスタM4、M5の電流がMOSトランジスタM3の電流の半分とMOSトランジスタM6の電流の和よりも多くなれば、MOSトランジスタM10のゲート電圧は上昇し、同様にMOSトランジスタM11のゲート電圧も上昇するため、MOSトランジスタM10、M11のドレイン電流は減少し、出力コモン電圧41は低下する。すると、今度はMOSトランジスタM14、M16の電流が減少し、MOSトランジスタM4、M5の電流も減少する。結局、MOSトランジスタM4、M5の電流はMOSトランジスタM3の電流の半分とMOSトランジスタM6の電流を加算した電流となるようコモンモードループは働く。
したがって、ちょうど差動増幅器3の出力コモン電圧41が、所望の基準電圧5と同じとなるときに、MOSトランジスタM3の電流の半分と、MOSトランジスタM6、M7の加算電流とをそれぞれ加えたものと同じだけMOSトランジスタM4、M5の電流が流れるようMOSトランジスタM12、M13の電流、およびMOSトランジスタM16とMOSトランジスタM4、M5のカレントミラー比を設定しておく。そのように構成することによって安定に立ち上げることが可能となり、図7のMOSトランジスタM21、M22に流したような余分な電流を電源に流しておく必要はなくなる。またMOSトランジスタM1、M2に、図7のMOSトランジスタM23、M24のような素子が接続されることはないので、入力に不要な寄生容量が付加されることもない。
以上説明したように、この全差動増幅装置は、MOSトランジスタM6、M7、M12からなる電流源を設けたことにより、スタートアップ機能をもたせ、入力電圧や、出力電圧が増幅器のダイナミックレンジ外であっても、出力コモン電圧41を正常な所望の電圧に収束することを可能とする。
この構成によれば、起動時に最小限の電流を流す補助電流源を設けるだけであり、起動後に電流を流し続けることがなくなり、余分な電流を流す必要がない。先行技術のような比較器を設ける必要がないので、入力ダイナミックレンジの減少を招くこともない。また、入力DCレベルの加減をより下げることが可能となり、低電源電圧化に有利である。これは、補助電流源用のMOSトランジスタのドレイン電圧は高い電圧にあるため、必ず飽和領域で動作し、入力ダイナミックレンジを減少させることがないからである。また、差動増幅器の入力部の寄生容量を少なくでき、高周波特性を劣化させることもない。また、回路構成も先行技術のような比較器を設ける場合と比べてシンプルであるので、チップ面積の縮小にも有利である。
(実施の形態2)
図3に入力差動トランジスタとしてバイポーラNPNトランジスタQ1、Q2を使用した本発明の実施の形態2を示す。他の構成は図1と同じである。バイポーラNPNトランジスタはMOSトランジスタよりも同じ電流で相互コンダクタンスgmを高くすることが可能であり、またSiGeなどHBT(ヘテロジャンクショントランジスタ)を用いると高い周波数特性を得ることが可能であり、高周波回路ではしばしば使われる。
しかしながら、バイポーラNPNトランジスタはベース電流が流れるため、図9や、図10の例のように入力が高いインピーダンスで駆動されると、ベース電流により電位ドロップが発生し、しばしばバイポーラNPNトランジスタQ1、Q2がオフよりスタートすることがある。このときMOSトランジスタM6、M7がないときには、MOSトランジスタM10、M11がオフとなりMOSトランジスタM14もオフ、MOSトランジスタM4、M5もオフとなり出力コモン電圧41はグラウンド(GND)付近の低い電圧に固定されてしまう。
そのため、MOSトランジスタM6、M7の電流をMOSトランジスタM10、M11のゲートに流しておけば、MOSトランジスタM10、M11のゲート電圧を引き下げることができ、MOSトランジスタM10、M11はオンし、出力コモン電圧41は上昇する。そのためMOSトランジスタM14がオンし、MOSトランジスタM4、M5もオンしMOSトランジスタM6、M7と同じ電流となる動作点に収束する。入力電圧が所望の電圧になった後は、バイポーラNPNトランジスタQ1、Q2はオンし、ちょうどMOSトランジスタM14とMOSトランジスタM15とがバランスしたとき、MOSトランジスタM4、M5に流れる電流とバイポーラNPNトランジスタQ1、Q2、MOSトランジスタM6、M7に流れる電流とを等しくしておけば、差動増幅器(オペアンプ)の出力コモン電圧41は所望の基準電圧5と同電位となる。
この実施の形態の効果は実施の形態1と同様である。
(実施の形態3)
図4に実施の形態3を示す。図4ではバイポーラNPNトランジスタQ3、Q4はオペアンプの出力バッファを構成し、オペアンプの出力インピーダンスを下げる効果を有している。
つまり、本実施の形態の全差動増幅装置は、差動増幅器3の負極性出力信号Voutn1がMOSトランジスタM10で反転増幅された後、バイポーラNPNトランジスタQ3で増幅され、出力インピーダンスを下げた状態で正極性出力端子42から正極性出力信号Voutpとして出力されることになる。
同様に差動増幅器3の正極性出力信号Voutp1がMOSトランジスタM11で反転増幅された後、バイポーラNPNトランジスタQ4で増幅され、出力インピーダンスを下げた状態で負極性出力端子43から負極性出力信号Voutnとして出力されることになる。
しかしながら、このような出力バッファを付加した場合、バイポーラNPNトランジスタQ3、Q4のベース電流が少しでも不足すると、出力コモン電圧41が低い電位に固定される可能性が多くなる。そのため、この構成に対しては、MOSトランジスタM6、M7、M12の効果はより大きくなり、安定に差動増幅器(オペアンプ)の出力動作点を所望のコモン電圧に収束させることができる。
この実施の形態の効果は実施の形態1と同様である。
なお、MOSトランジスタおよびバイポーラトランジスタの導電形式については、全差動増幅装置の回路設計の仕方によって、どちらの形式でも使用可能である。
以上のように本発明の全差動増幅装置は、差動増幅器のコモンモードフィードバックを安定的に立ち上げることが可能である。通信システムや、ミックストシグナル処理システムなどに有用である。
本発明の実施の形態1におけるコモンモードフィードバックを有する全差動増幅装置の概要を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるコモンモードフィードバックを有する全差動増幅装置の具体回路を示す回路図である。 本発明の実施の形態2におけるコモンモードフィードバックを有する全差動増幅装置の具体回路を示す回路図である。 本発明の実施の形態3におけるコモンモードフィードバックを有する全差動増幅装置の具体回路を示す回路図である。 従来のコモンモードフィードバックを有する全差動増幅装置の概要を示すブロック図である。 従来のコモンモードフィードバックを有する全差動増幅装置の具体回路を示す回路図である。 従来のコモンモードフィードバックを有する他の全差動増幅装置の具体回路を示す回路図である。 従来のコモンモードフィードバックを有するさらに他の全差動増幅装置の具体回路を示す回路図である。 従来のコモンモードフィードバックを有するさらに他の全差動増幅装置の具体回路を示す回路図である。 従来のコモンモードフィードバックを有するさらに他の全差動増幅装置の具体回路を示す回路図である。
符号の説明
1 正極性入力
2 負極性入力
3 差動増幅器
4 出力コモン電圧生成回路
5 コモン電圧
6 グラウンド(GND)
7 コモンモードフィードバック用比較器
8 コモンモードフィードバック信号
9 スタートアップ用補助電流供給回路
10 電流源回路
11 基準電流源
12 電源
13 正極性電流入力
14 負極性電流入力
21 正極性出力
22 負極性出力
31、32 コンデンサ
41 出力コモン電圧

Claims (8)

  1. 正極性入力信号および負極性入力信号を入力して正極性出力信号および負極性出力信号を出力する差動増幅器と、
    前記差動増幅器からそれぞれ出力される正極性出力信号および負極性出力信号をそれぞれ入力し増幅して正極性増幅信号および負極性増幅信号を生成するとともに、前記正極性増幅信号および負極性増幅信号から出力コモン電圧を生成する出力コモン電圧生成回路と、
    前記出力コモン電圧生成回路の出力コモン電圧と所定の基準電圧とを比較し、前記出力コモン電圧と前記所定の基準電圧との比較結果をコモンモードフィードバック信号として前記差動増幅器に帰還することにより、前記出力コモン電圧を前記基準電圧と一致させるコモンモードフィードバック用比較器と、
    前記出力コモン電圧生成回路における前記正極性出力信号および前記負極性出力信号の入力部に電流を常時流す電流源とを備えた全差動増幅装置。
  2. 前記差動増幅器は、差動トランジスタ対と、前記差動トランジスタ対に共通に接続された差動増幅用電流源と、前記差動トランジスタ対の各差動トランジスタに個別に各負荷電流源が接続された負荷電流源対とを有し、前記差動トランジスタ対の各差動トランジスタの制御極に前記正極性入力信号および前記負極性入力信号がそれぞれ与えられ、前記差動トランジスタ対の各差動トランジスタと前記負荷電流源対の各負荷電流源との接続部から正極性出力信号および負極性出力信号がそれぞれ取り出される請求項1記載の全差動増幅装置。
  3. 前記出力コモン電圧生成回路は、入力部に前記差動増幅器の正極性出力信号および負極性出力信号を各々反転する出力反転増幅用トランジスタ対と、前記出力反転増幅用トランジスタ対の各トランジスタの出力端の間に接続した第1および第2の抵抗の直列回路とを有し、前記第1および第2の抵抗の中点から前記出力コモン電圧を出力する請求項1記載の全差動増幅装置。
  4. 前記コモンモードフィードバック用比較器は、前記出力コモン電圧生成回路から出力されるコモン電圧と所定の基準電圧とを比較する比較用トランジスタ対と、前記比較用トランジスタ対に共通に接続された比較用電流源と、前記比較用トランジスタ対の各比較用トランジスタにそれぞれ個別に電流帰還用トランジスタが接続されて、前記比較トランジスタ対による比較結果信号に基づいて前記負荷電流源対に流れる電流を変化させる電流帰還用トランジスタ対とを有する請求項2記載の全差動増幅装置。
  5. 前記負荷電流源対が負荷電流源トランジスタ対からなり、前記電流帰還トランジスタ対の一方の電流帰還トランジスタと前記負荷電流源トランジスタ対の各負荷電流源トランジスタとがカレントミラー回路を構成している請求項4記載の全差動増幅装置。
  6. 前記差動トランジスタ対がMOSトランジスタ対からなる請求項2記載の全差動増幅装置。
  7. 前記差動トランジスタ対がバイポーラトランジスタ対からなる請求項2記載の全差動増幅装置。
  8. 前記出力コモン電圧生成回路が出力反転増幅用トランジスタ対の出力端と前記第1および第2の抵抗の直列回路との間にバイポーラトランジスタからなるバッファ対を有する請求項3記載の全差動増幅装置。
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