JP4811335B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に搭載される自動変速機、特にその変速機構の構造に関し、自動車用変速機の技術分野に属する。
自動車に搭載される自動変速機は、トルクコンバータを介してエンジン出力回転が入力される変速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選択的締結によって切り換えることにより、減速比の異なる複数の変速段を達成するように構成されたものであるが、近年、自動車の走行性能の向上や燃費性能の向上等を目的として変速段を多段化する傾向にあり、例えば特許文献1及び特許文献2には前進6速を達成する自動変速機が開示されている。
このうち、特許文献1に開示されたものは、1つのシングルピニオン型プラネタリギヤセットと、1つのラビニョ型プラネタリギヤセットとを用いて変速機構が構成されており、特許文献2に開示されたものは、2つのシングルピニオン型プラネタリギヤセットと、1つのダブルピニン型プラネタリギヤセットを用いて変速機構が構成されている。そして、いずれも、5つの摩擦要素を備え、これらの選択的締結によって前進6速と後退速とが実現されるようになっている。
特開2000−199549号公報 特開2006−177554号公報
前記特許文献1の自動変速機で用いられているラビニョ型プラネタリギヤセットは、径の異なる2つのサンギヤと2種類のピニオンとを必要とし、そのため、シングルピニオン型プラネタリギヤセットに比べて構造が複雑となって、コストが高くつくと共に、ギヤノイズが生じ易いなどの難点がある。
また、前記特許文献2の自動変速機で用いられているダブルピニオン型プラネタリギヤセットも2種類のピニオンを有し、構造が複雑となってコストが高くつくと共に、径が大きくなるなどの難点がある。そして、いずれのプラネタリギヤセットも、歯車の数が多いので、シングルピニオン型プラネタリギヤセットに比べて動力損失が大きくなる。
そこで、本発明は、構造が簡素なシングルピニオン型プラネタリギヤセットのみを用い、少なくとも前進6速を実現できる変速機構を備えた自動変速機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、ケース内に入力軸と同軸上に出力部材が配置され、少なくとも前進6速を達成する自動変速機であって、サンギヤ、ピニオン、キャリヤ及びリングギヤで構成されるシングルピニオン型プラネタリギヤセットでなる第1、第2、第3ギヤセットを備え、第1ギヤセットのリングギヤと第2ギヤセットのキャリヤ、第2ギヤセットのリングギヤと第3ギヤセットのキャリヤ、第3ギヤセットのリングギヤと第1ギヤセットのキャリヤをそれぞれ連結し、該第3ギヤセットのリングギヤと第1ギヤセットのキャリヤとを前記出力部材に連結すると共に、前記第1ギヤセットのサンギヤを固定し、かつ、前記入力軸と第2ギヤセットのサンギヤとを断接する第1クラッチと、前記入力軸と第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第2クラッチと、前記入力軸と第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第3クラッチと、前記ケースと第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第1ブレーキと、前記ケースと第3ギヤセットのキャリヤ及び第2ギヤセットのリングギヤとを断接する第2ブレーキとを備え、前記第1クラッチ及び第2ブレーキを締結することにより1速を形成し、前記第1クラッチ及び第1ブレーキを締結することにより2速を形成し、前記第1クラッチ及び第3クラッチを締結することにより3速を形成し、前記第1クラッチ及び第2クラッチを締結することにより4速を形成し、前記第2クラッチ及び第3クラッチを締結することにより5速を形成し、前記第2クラッチ及び第1ブレーキを締結することにより6速を形成することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記入力軸は、当該自動車の車幅方向に配置されて一方の端部が駆動源に連結されていると共に、前記第1、第2、第3ギヤセットは、該入力軸上に駆動源側からこの順序で配置されており、かつ、第1ギヤセットの駆動源側に前記出力部材が配置されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記入力軸の最も駆動源側に第1、第2クラッチが配置されていると共に、前記ケースは、該第1、第2クラッチと出力部材との間に位置する中間壁を有し、前記第1ギヤセットのサンギヤが該中間壁に固定されていると共に、前記出力部材が該中間壁に回転自在に支持されていることを特徴とする。
さらに、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記第3ギヤセットのピニオンは、同一軸心上に大径部と小径部とを有する段付きピニオンとされ、サンギヤとリングギヤの一方が該段付きピニオンの大径部に、他方が該段付きピニオンの小径部にそれぞれ噛み合わされていることを特徴とする。
そして、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記第3ギヤセットは、前記サンギヤが段付きピニオンの大径部に、前記リングギヤが段付きピニオンの小径部にそれぞれ噛み合わされていると共に、該段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤと、該第2のサンギヤと前記ケースとを断接する第3ブレーキとが備えられ、前記第2クラッチ及び第3ブレーキを締結することにより7速を形成することを特徴とする。
以上のように構成したことにより、本願各請求の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、少なくとも前進6速の自動変速機が構造の簡素なシングルピニオン型プラネタリギヤセットのみを用いて構成されることになり、ラビニョ型プラネタリギヤセットや、ダブルピニオン型プラネタリギヤセットを用いたものに比べて、変速機全体としてのコンパクト化やコストの低減が図られると共に、動力伝達効率や静粛性に優れた自動変速機が実現される。
また、請求項2に記載の発明によれば、第1、第2、第3ギヤセットのうち、最も駆動源に近い位置に配置された第1ギヤセットのさらに駆動源側に出力部材が配置されることにより、該出力部材が駆動源に近接することになる。これにより、当該自動変速機を含むパワーユニットがコンパクト化され、車載時のレイアウト性が向上する。
つまり、入力軸が当該自動車の車幅方向に配置される横置き式の自動変速機の場合、出力部材によりカウンタドライブ機構を介して駆動される差動装置が該変速機の駆動源側、即ちトルクコンバータの近傍に配置されるのが通例であるが、請求項2に記載の発明によれば、出力部材が駆動源に近接することにより、該出力部材と差動装置との間も近くなる。したがって、前記カウンタドライブ機構がコンパクト化され、該機構を介して連結される自動変速機と差動装置とを一体化してパワーユニットを構成する場合に、これをコンパクトに構成することができ、車載時のレイアウト性が向上することになる。
また、請求項3に記載の発明によれば、ケースに設けられた中間壁に第1ギヤセットのサンギヤを固定すると共に、この中間壁を利用して出力部材を回転自在に支持させるようにしたから、該出力部材を支持するための部材を別途設けることなく、大きな動力を伝える出力部材を強固に支持することが可能となり、円滑な動力伝達が図られる。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、第3ギヤセットのピニオンとして段付きピニオンを用い、その大径部と小径部の一方にサンギヤを、他方にリングギヤを噛み合せるように構成したから、例えばサンギヤとキャリヤとを共通化しながらリングギヤの径を変更し、或いはリングギヤとキャリヤとを共通化しながらサンギヤの径を変更することが可能となる。
これにより、第2クラッチ及び第1ブレーキを締結して、第3ギヤセットのサンギヤを固定した状態で、入力軸の回転を該第3ギヤセットのキャリヤから入力し、これを増速してリングギヤから出力部材に出力するオーバードライブの6速について、最小限の部品の交換で、減速比を所定範囲内で自由に設定することが可能となる。
特に、部品の共通化等のために、第1〜第3ギヤセットのサンギヤ、ピニオン及びリングギヤの歯数をそれぞれ統一した場合、6速のオーバードライブ量が大きくなって、減速比が1の5速との間の減速比差が大きくなる傾向があるが、請求項4に記載の発明によれば、第3ギヤセットの段付きピニオンの小径部の径を他のギヤセットと等しくし、これにリングギヤを噛み合わせると共に、大径部にサンギヤを噛み合わせて、該サンギヤの径を他のギヤセットよりも小さくすることにより、6速のオーバードライブ量を小さくすることが可能となり、5速との間の減速比差が適切な6速が実現されることになる。
そして、請求項5に記載の発明によれば、前記請求項4に記載の発明において、第3ギヤセットの段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤと、該第2のサンギヤを固定する第3ブレーキとを追加したので、第2のサンギヤを固定した状態で、入力軸の回転をキャリヤに入力し、これを増速してリングギヤから出力部材に出力する新たな変速段を設定することが可能となる。
その場合に、段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤは、大径部に噛み合って6速で固定されるサンギヤに比べて径が大きくなるので、新たな変速段では、第3ギヤセットのキャリヤからリングギヤへの回転の増速比が6速よりも大きくなる。これにより、6速よりもオーバードライブ量が大きい(減速比が小さい)7速が設定されることになる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る自動変速機の構成を示す骨子図であって、この自動変速機1は、フロントエンジンフロントドライブ車等のエンジン横置き式自動車に適用されるもので、主たる構成要素として、エンジン出力軸2に取り付けられたトルクコンバータ3と、該トルクコンバータ3の出力回転が入力軸4を介して入力される変速機構5とを有し、該変速機構5が入力軸4の軸心上に配置された状態で、変速機ケース6に収納されている。
そして、該変速機構5の出力回転が、同じく入力軸4の軸心上に配置された出力ギヤ7からカウンタドライブ機構8を介して差動装置9に伝達され、左右の車軸9a、9bが駆動されるようになっている。
前記トルクコンバータ3は、エンジン出力軸2に連結されたケース3aと、該ケース3a内に固設されたポンプ3bと、該ポンプ3bに対向配置されて該ポンプ3bにより作動油を介して駆動されるタービン3cと、該ポンプ3bとタービン3cとの間に介設され、かつ、前記変速機ケース6にワンウェイクラッチ3dを介して支持されてトルク増大作用を行うステータ3eと、前記ケース3aとタービン3cとの間に設けられ、該ケース3aを介してエンジン出力軸2とタービン3cとを直結するロックアップクラッチ3fとで構成されている。そして、タービン3cの回転が前記入力軸4を介して変速機構5に伝達されるようになっている。
一方、前記変速機構5は、第1、第2、第3プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3ギヤセット」という)10、20、30を有し、これらが前記変速機ケース6に設けられた中間壁6aの反トルクコンバータ側において、該中間壁6a側から順に配置されていると共に、該中間壁6aと第1ギヤセット10との間に前記出力ギヤ7が配置されている。
また、変速機構5を構成する摩擦要素として、前記中間壁6aのトルクコンバータ側に、第1クラッチ41と第2クラッチ42とが配置されていると共に、変速ケース6内の反トルクコンバータ側の端部には、第3クラッチ43と第1ブレーキ51とが配置されており、さらに、これらと第3ギヤセット30との間には、第2ブレーキ52とワンウェイクラッチ61とが並列に配置されている。
前記第1〜第3ギヤセット10、20、30は、いずれもシングルピニオン型のプラネタリギヤセットであって、サンギヤ11、21、31と、これらのサンギヤ11、21、31にそれぞれ噛み合った各複数のピニオン12、22、32と、これらのピニオン12、22、32をそれぞれ支持するキャリヤ13、23、33と、ピニオン12、22、32にそれぞれ噛み合ったリングギヤ14、24、34とで構成されている。
そして、第1ギヤセット10のサンギヤ11は、前記変速機ケース6の中間壁6aに設けられたボス部6bに固定されていると共に、第1ギヤセット10のリングギヤ14は第2ギヤセット20のキャリヤ23に、第2ギヤセット20のリングギヤ24は第3ギヤセット30のキャリヤ33に、第3ギヤセット30のリングギヤ34は第1ギヤセット10のキャリヤ13に、それぞれ連結されている。
また、第2ギヤセット20のサンギヤ21は、前記第1クラッチ41を介して入力軸4に断接可能に連結されていると共に、該第2ギヤセット20のリングギヤ24及び第3ギヤセット30のキャリヤ33は、前記第2クラッチ42を介して入力軸4に断接可能に連結されており、また、第3ギヤセット30のサンギヤ31は、前記第3クラッチ43を介して入力軸4に断接可能に連結されている。
さらに、第3ギヤセット30のサンギヤ31は、第1ブレーキ51を介して変速機ケース6に断接可能に連結されていると共に、第2ギヤセット20のリングギヤ24及びこれに連結された第3ギヤセット30のキャリヤ33は、並列に配置された第2ブレーキ52及びワンウエィクラッチ61を介して変速機ケース6に断接可能に連結されている。
以上の構成により、この変速機構5によれば、第1〜第3クラッチ41〜43、及び第1、第2ブレーキ51、52の締結状態の組み合わせにより、前進6速と後退速とが得られるようになっており、その組み合わせと変速段の関係を表1に示す。なお、第2ブレーキ52はエンジンブレーキを作動させる1速でのみ締結され、エンジンブレーキを作動させない1速では、ワンウェイクラッチ61がロックすることにより1速を形成する。
Figure 0004811335
次に、各変速段における変速機構5の動力伝達状態を説明する。
まず、1速では、図2に示すように、第1クラッチ41が締結し、ワンウェイクラッチ61がロックした状態にある。また、エンジンブレーキが作動する1速では、第2ブレーキ52も締結される。
このとき、入力軸4の回転は第1クラッチ41を介して第2ギヤセット20のサンギヤ21に入力されるが、該第2ギヤセット20のリングギヤ24は第2ブレーキ52及びワンウェイクラッチ61を介して変速機ケース6に固定されているので、入力回転は減速された上で正方向(入力回転と同一方向)の回転としてキャリヤ23から出力され、第1ギヤセット10のリングギヤ14に入力される。
また、第1ギヤセット10においては、サンギヤ11が固定されているので、前記リングギヤ14への入力回転がさらに減速され、キャリヤ13から正方向の回転として出力ギヤ7に出力される。これにより、減速比の大きな1速が得られる。
次に、2速では、図3に示すように、第1クラッチ41と第1ブレーキ51とが締結され、入力軸4の回転は、1速の場合と同様に、第2ギヤセット20のサンギヤ21に入力され、該第2ギヤセット20のキャリヤ23から第1ギヤセット10のリングギヤ14に出力される。そして、該第1ギヤセット10で減速された上で、キャリヤ13から正方向の回転として出力ギヤ7に出力される。
その場合に、この第1ギヤセット10のキャリヤ13からの出力回転は、第1ブレーキ51によりサンギヤ31が固定された第3ギヤセット30のリングギヤ34に伝達され、該第3ギヤセット30で減速された上でキャリヤ33から第2ギヤセット20のリングギヤ24に伝達され、該リングギヤ24が比較的低速で正方向に回転する。
したがって、第2ギヤセット20のリングギヤ24が固定される1速に比較して、該第2ギヤセット20におけるサンギヤ21からキャリヤ23への回転の減速比が小さくなる。これにより、1速より減速比の小さな2速が得られる。
次に、3速では、図4に示すように、第1クラッチ41と第3クラッチ43とが締結され、入力軸4の回転は、1速及び2速の場合と同様に、第2ギヤセット20のサンギヤ21に入力され、該第2ギヤセット20のキャリヤ23から第1ギヤセット10のリングギヤ14に出力される。そして、該第1ギヤセット10により減速された上で、キャリヤ13から正方向の回転として出力ギヤ7に出力される。
その場合に、この第1ギヤセット10のキャリヤ13からの出力回転は、2速の場合と同様に、第3ギヤセット30のリングギヤ34に伝達された後、該第3ギヤセット30のキャリヤ33から第2ギヤセット20のリングギヤ24に伝達され、該リングギヤ24が正方向に回転することになるが、3速では、第3ギヤセット30のサンギヤ31に、第3クラッチ43を介して入力軸4の回転が入力されており、したがって、該第3ギヤセット30におけるキャリヤ33の回転が、サンギヤ31が固定される2速の場合に比べて増速され、これに伴って、第2ギヤセット20のリングギヤ24の回転も2速の場合に比べて増速される。
その結果、第2ギヤセット20のサンギヤ21からキャリヤ23への回転の減速比が2速よりも小さくなり、これにより、2速より減速比の小さな3速が得られる。
次に、4速では、図5に示すように、第1クラッチ41と第2クラッチ42とが締結され、入力軸4の回転は、第1クラッチ41を介して第2ギヤセット20のサンギヤ21に入力されると同時に、第2クラッチ42を介して該第2ギヤセット20のリングギヤ24にも入力される。そのため、第2ギヤセット20は全体が入力軸4と一体的に回転し、キャリヤ23から第1ギヤセット10のリングギヤ14に入力回転と同一速度の正方向の回転が伝達される。
そして、この回転は、1〜3速の場合と同様に、第1ギヤセット10で減速された上で、キャリヤ13から正方向の回転として出力ギヤ7に出力されるが、その場合に、入力軸4の回転は第2ギヤセット20では減速されていないので、3速の減速比よりも小さな減速比の4速が得られる。
次に、5速では、図6に示すように、第2クラッチ42と第3クラッチ43とが締結され、入力軸4の回転は、第2クラッチ42を介して第3ギヤセット30のキャリヤ33に入力されると同時に、第3クラッチ43を介して該第3ギヤセット30のサンギヤ31にも入力される。そのため、第3ギヤセット30は全体が入力軸4と一体的に回転し、リングギヤ34から出力ギヤ7に入力回転と同一速度の正方向の回転が伝達される。これにより、減速比が1の5速が得られる。
さらに、6速では、図7に示すように、第2クラッチ42と第1ブレーキ41とが締結され、入力軸4の回転は、第2クラッチ42を介して第3ギヤセット30のキャリヤ33に入力される。この第3ギヤセット30のサンギヤ31は、第1ブレーキ51により固定されているから、キャリヤ33に入力された入力回転は増速された上でリングギヤ34から出力され、出力ギヤ7に入力回転より増速された正方向の回転が伝達される。これにより、減速比が1より小さなオーバードライブの6速が得られる。
また、後退速では、図8に示すように、第3クラッチ43と第2ブレーキ52とが締結され、入力軸4の回転は、第3クラッチ43を介して第3ギヤセット30のサンギヤ31に入力される。この第3ギヤセット30のキャリヤ33は、第2ブレーキ52により固定されているから、サンギヤ31に入力された入力回転は、減速された上でリングギヤ34から逆方向の回転として出力され、出力ギヤ7に伝達される。これにより、減速比が大きな後退速が得られる。
以上のように、この実施の形態によれば、変速機構5が、構成が簡素で、駆動損失や騒音の少ない3つのシングルピニオン型プラネタリギヤセット10、20、30を用いて構成されることになる。これにより、前進6速の自動変速機として、各変速段の減速比が適正に設定され、しかもコンパクトで、動力伝達効率及び静粛性に優れた自動変速機が実現される。また、この実施の形態では、第1〜第3ギヤセット10、20、30を構成する各歯車の径が統一化され、部品の共通化が図られている。
さらに、前記変速機構5は、入力軸4の第3クラッチ43及び第1ブレーキ51側の端部をトルクコンバータ3に連結することも可能であるが、以上の実施の形態では、入力軸4の第1、第2クラッチ41、42側をトルクコンバータ3に連結したから、これらのクラッチ41、42と第1ギヤセット10との間に配置された出力ギヤ7がトルクコンバータ3に近接することになる。
そのため、図1に示すように、トルクコンバータ3の近傍に配置された差動装置9と出力ギヤ7とが軸方向に接近し、カウンタドライブ機構8を構成するカウンタドライブシャフト8aの長さが短くなる。これにより、該カウンタドライブ機構8を介して連結される自動変速機1と差動装置9とを一体化してパワーユニットを構成する場合に、これをコンパクトに構成することができ、車載時のレイアウト性が向上する。
また、以上の実施の形態では、変速機ケース6に、第1、第2クラッチ41、42と出力ギヤ7との間に位置する中間壁6aを設け、該中間壁6aに設けたボス部6bに第1ギヤセット10のサンギヤ11を固定すると共に、前記出力ギヤ7を該ボス部6bに回転自在に支持させる構成としたから、出力ギヤ7を支持するための部材を別途設けることなく、大きな動力を伝える出力ギヤ7を強固に支持することが可能となる。
次に、図9に示す本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態は、本願の請求項4の発明に対応するものであり、以下の説明では、第1の実施の形態と同一構成要素については同一の符号を用いる。
この実施の形態では、第3ギヤセット30′のピニオンが、同一軸心上に大径部32a′と小径部32b′とを一体的に設けた段付きピニオンとされ、大径部32b′にサンギヤ31′が、小径部32b′にリングギヤ34′がそれぞれ噛み合わされている。なお、その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
この実施の形態においても、6速では、第2クラッチ42と第1ブレーキ41とが締結され、サンギヤ31′が固定された状態で、入力軸4の回転が第3ギヤセット30′のキャリヤ33′に入力される。したがって、キャリヤ33′への入力回転は増速された上でリングギヤ34′から出力され、減速比が1より小さなオーバードライブの6速が得られる。
その場合に、サンギヤ31′がピニオンの大径部32a′に、リングギヤ34′がピニオンの小径部32b′にそれぞれ噛み合わされているから、例えば、リングギヤ34′の径を第1の実施の形態と等しくし、サンギヤ31′の径を第1の実施の形態よりも小さくすることができ、これにより、第3ギヤセット30′におけるキャリヤ33′からリングギヤ34′への回転の増速比、即ち6速におけるオーバードライブ量を第1の実施の形態よりも小さくすることが可能となる。
つまり、第3ギヤセット30、30′のように、サンギヤが固定された状態でキャリヤに回転が入力され、リングギヤから回転が出力される場合、入力回転速度をNc、出力回転速度をNr、サンギヤの径(歯数)をS、リングギヤの径(歯数)をRとすれば、
Nr=(1+S/R)・Nc
となるから、前記のように、サンギヤ31′の径を小さくすることにより、増速比(1+S/R)を小さくすることができるのである。
これにより、6速として、第1の実施の形態よりもオーバードライブ量の少ない(減速比が大きい)6速が得られることになり、減速比が1の5速との間の減速比差が小さくなる。
また、以上の例の他、ピニオン32′の大径部32a′の径を第1、第2ギヤセット10、20のピニオン12、22と等しくし、小径部32b′の径をそれよりも小径とすれば、サンギヤ31′の径を第1の実施の形態と等しくして、リングギヤ34′の径を第1の実施の形態よりも小さくすることができ、この場合、第3ギヤセット30による増速比が第1の実施の形態よりも大きくなって、オーバードライブ量の大きな(減速比の小さな)6速が得られる。
また、ピニオン32′の大径部32aにリングギヤ34′を、小径部32b′にサンギヤ31′をそれぞれ噛み合わせることも可能であり、このように、この実施の形態によれば、キャリヤ33′を変更することなく、ピニオンと、サンギヤ又はリングギヤの少なくとも一方とを交換するだけで、6速の減速比を一定範囲内で自由に設定、変更することが可能となる。
次に、図10に示す第3の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態は、本願の請求項5の発明に対応するものであり、この実施の形態は前記第2の実施の形態の構成を前提とするもので、同一の構成要素は同一の符号を用いて説明する。
この実施の形態における第3ギヤセット30″は、ピニオンとして、同一軸心上に大径部32a″と小径部32b″とを一体的に設けた段付きピニオンが用いられていると共に、大径部32a"に第1サンギヤ31a″が、小径部32b″に第2サンギヤ31b″とリングギヤ34″とがそれぞれ噛み合わされている。そして、第2サンギヤ31b″と変速機ケース6との間に第3ブレーキ53″が設けられている。なお、その他の構成は第1、第2の実施の形態と同じである。
この実施の形態においても、表2に示すように、6速では、第2クラッチ42と第1ブレーキ51とが締結され、第1サンギヤ31a″が固定された状態で、入力軸4の回転が第3ギヤセット30″のキャリヤ33″に入力される。したがって、キャリヤ33″への入力回転は増速された上でリングギヤ34″から出力ギヤ7に出力され、減速比が1より小さなオーバードライブの6速が形成される。
また、前記第1ブレーキ51を解放し、第3ブレーキ53″を締結すれば、第2サンギヤ31b″が固定された状態で、入力軸4の回転が第3ギヤセット30″のキャリヤ33″に入力され、前記の場合と同様に、増速された上でリングギヤ34″から出力ギヤ7に出力される。
この状態を前記6速の場合と比較すると、前記第2サンギヤ31b″は、段付きピニオンの小径部32b″に噛み合わされているから、6速で固定される第1サンギヤ31a″よりも径が大きく、したがって、キャリヤ33″からリングギヤ34″への回転の増速比が6遠の場合より大きくなる。これにより、減速比が6速よりも小さなオーバードライブの7速が形成されることになる。
その場合に、段付きピニオンの小径部32b″の径を第1、第2ギヤセット10、20のピニオン12、22の径と等しくすれば、これに噛み合う第2サンギヤ31b″及びリングギヤ34″の径も第1、第2ギヤセット10、20と同じになり、第1の実施の形態における6速がこの実施の形態の7速になる。そして、この7速と5速との間に前記の6速が新たに形成された形となって、部品の共通化を図りながら、変速段の追加が可能となる。
Figure 0004811335
以上のように、本発明に係る自動変速機は、変速機構が簡素な構造のシングルピニオン型プラネタリギヤセットのみで構成されるので、自動変速機のコンパクト化やコストの低減に寄与することになり、したがって、自動車産業もしくは自動車用変速機の製造産業の分野において好適に利用される可能性がある。
本発明の第1の実施の形態に係る自動変速機の骨子図である。 同自動変速機の1速の状態を示す要部骨子図である。 同じく2速の状態を示す要部骨子図である。 同じく3速の状態を示す要部骨子図である。 同じく4速の状態を示す要部骨子図である。 同じく5速の状態を示す要部骨子図である。 同じく6遠の状態を示す要部骨子図である。 同じく後退速の状態を示す要部骨子図である。 第2の実施の形態に係る自動変速機の6速の状態を示す要部骨子である。 第3の実施の形態に係る自動変速機の6速の状態を示す要部骨子図である。 同じく7速の状態を示す要部骨子図である。
符号の説明
1 自動変速機
4 入力軸
6 ケース
7 出力部材(出力ギヤ)
10 第1ギヤセット
20 第2ギヤセット
30、30′、30″ 第3ギヤセット
41 第1クラッチ
42 第2クラッチ
43 第3クラッチ
51 第1ブレーキ
52 第2ブレーキ
53″ 第3ブレーキ

Claims (5)

  1. ケース内に入力軸と同軸上に出力部材が配置され、少なくとも前進6速を達成する自動変速機であって、
    サンギヤ、ピニオン、キャリヤ及びリングギヤで構成されるシングルピニオン型プラネタリギヤセットでなる第1、第2、第3ギヤセットを備え、
    第1ギヤセットのリングギヤと第2ギヤセットのキャリヤ、第2ギヤセットのリングギヤと第3ギヤセットのキャリヤ、第3ギヤセットのリングギヤと第1ギヤセットのキャリヤをそれぞれ連結し、
    該第3ギヤセットのリングギヤ及び第1ギヤセットのキャリヤを前記出力部材に連結すると共に、
    前記第1ギヤセットのサンギヤを固定し、かつ、
    前記入力軸と第2ギヤセットのサンギヤとを断接する第1クラッチと、
    前記入力軸と第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第2クラッチと、
    前記入力軸と第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第3クラッチと、
    前記ケースと第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第1ブレーキと、
    前記ケースと第3ギヤセットのキャリヤ及び第2ギヤセットのリングギヤとを断接する第2ブレーキとを備え、
    前記第1クラッチ及び第2ブレーキを締結することにより1速を形成し、
    前記第1クラッチ及び第1ブレーキを締結することにより2速を形成し、
    前記第1クラッチ及び第3クラッチを締結することにより3速を形成し、
    前記第1クラッチ及び第2クラッチを締結することにより4速を形成し、
    前記第2クラッチ及び第3クラッチを締結することにより5速を形成し、
    前記第2クラッチ及び第1ブレーキを締結することにより6速を形成することを特徴とする自動変速機。
  2. 前記請求項1に記載の発明において、
    前記入力軸は、当該自動車の車幅方向に配置されて一方の端部が駆動源に連結されていると共に、
    前記第1、第2、第3ギヤセットは、駆動源側からこの順序で配置されており、かつ、
    第1ギヤセットの駆動源側に前記出力部材が配置されていることを特徴とする自動変速機。
  3. 前記請求項2に記載の発明において、
    前記入力軸の最も駆動源側に第1、第2クラッチが配置されていると共に、
    前記ケースは、該第1、第2クラッチと出力部材との間に位置する中間壁を有し、
    前記第1ギヤセットのサンギヤが該中間壁に固定されていると共に、
    前記出力部材が該中間壁に回転自在に支持されていることを特徴とする自動変速機。
  4. 前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、
    前記第3ギヤセットのピニオンは、同一軸心上に大径部と小径部とを有する段付きピニオンとされ、
    サンギヤとリングギヤの一方が該段付きピニオンの大径部に、他方が該段付きピニオンの小径部にそれぞれ噛み合わされていることを特徴とする自動変速機。
  5. 前記請求項4に記載の発明において、
    前記第3ギヤセットは、前記サンギヤが段付きピニオンの大径部に、前記リングギヤが段付きピニオンの小径部にそれぞれ噛み合わされていると共に、
    該段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤと、
    該第2のサンギヤと前記ケースとを断接する第3ブレーキとが備えられ、
    前記第2クラッチ及び第3ブレーキを締結することにより7速を形成することを特徴とする自動変速機。
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