JP4811129B2 - エアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法 - Google Patents

エアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はエアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法に係り、特に、自動車等の車両に搭載されるエアバッグ装置のエアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法に関する。
従来から、自動車等の車両に搭載されるエアバッグ装置のエアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、エアバッグドアを有する基材に表皮を接着剤により貼り付けており、エアバッグドアの開放剥離領域における接着剤の接着強度を、開放剥離領域以外の貼着固定領域における接着剤の接着強度より小さくすることで、エアバッグドアを円滑に開放させている。
特開2000−326812号公報
しかしながら、特許文献1では開放剥離領域における接着剤の接着強度と、貼着固定領域における接着剤の接着強度とを変えるために、接着面に凹凸模様を形成したり、表面処理を施している。このため、凹凸模様や表面処理の仕様の選定が煩雑となり、接着強度の管理が困難である。また、特許文献1では接着強度を変えるために、接着力の小さな接着剤と接着力の大きな接着剤とを使い分けており、この場合においても、2種類の接着剤の選定が煩雑となり、接着強度の管理が困難である。
本発明は上記事実を考慮し、基材から表皮が剥離する部位の接着強度の管理が容易なエアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法を提供することが目的である。
請求項1記載の本発明のエアバッグカバーを有する表皮接着成形品は、エアバッグ展開時に展開するエアバッグドアを備えた基材と、前記基材に接着された表皮と、前記エアバッグドアの外周縁部から外側へ所定幅で形成された表皮剥離領域においては前記基材に所定の間隔で線状に塗布され、前記表皮剥離領域以外の表皮固着領域においては前記基材に全面塗布された基材側接着剤と、前記表皮剥離領域においては前記表皮に前記基材側接着剤の線状長手方向に対して交差した状態で所定の間隔で線状に塗布され、前記表皮固着領域においては前記表皮に全面塗布された表皮側接着剤と、を有し、前記表皮剥離領域においては前記基材側接着剤と表皮側接着剤とが互いに交差した状態で接着されていることを特徴とする。
表皮剥離領域では基材に所定の間隔で線状に塗布された基材側接着剤と、表皮に基材側接着剤の線状長手方向に対して交差した状態で所定の間隔で線状に塗布された表皮側接着剤と、によって基材と表皮とが接着されており、表皮剥離領域以外の表皮固着領域では基材に全面塗布された基材側接着剤と、表皮に全面塗布された表皮側接着剤とによって基材と表皮とが接着されている。このため、表皮固着領域における基材と表皮との接着面積が、表皮剥離領域における基材と表皮との接着面積に比べて広くなり、表皮固着領域における基材と表皮との接着強度が、表皮剥離領域における基材と表皮との接着強度に比べて大きくなっている。この結果、基材のエアバッグドアが展開する際に、表皮剥離領域において表皮が基材から剥離することにより、エアバッグドアの展開力が、表皮剥離領域と表皮固着領域との境界線(接着強度の境界線)に集中する。このため、表皮が表皮剥離領域と表皮固着領域との境界線に沿って迅速に破断され、エアバッグドアが円滑に開放する。また、表皮剥離領域においては、基材側接着剤の線状長手方向と表皮側接着剤の線状長手方向とを互いに交差した状態で接着させることで接着強度を小さくしている。この結果、交差部における基材側接着剤と表皮側接着剤との接着面積を管理することによって、表皮剥離領域の接着強度を容易に管理できる。
請求項2記載の本発明のエアバッグカバーを有する表皮接着成形品の製造方法は、エアバッグ展開時に展開するエアバッグドアを備えた基材における前記エアバッグドアの外周縁部から外側へ所定幅で形成された表皮剥離領域に、基材側接着剤を所定の間隔で線状に塗布し、前記表皮剥離領域以外の表皮固着領域では基材側接着剤を前記基材に全面塗布する基材側接着剤塗布工程と、前記表皮剥離領域においては前記基材に接着される表皮に、表皮側接着剤を前記基材側接着剤の線状長手方向に対して交差する状態に所定の間隔で線状に塗布し、前記表皮固着領域では表皮側接着剤を前記表皮に全面塗布する表皮側接着剤塗布工程と、前記表皮側接着剤が塗布された前記表皮と前記基材側接着剤が塗布された前記基材とを接合させる接合工程と、を有し、前記表皮剥離領域における前記基材側接着剤及び前記表皮側接着剤の塗布は非塗装部にマスキング処理を施した状態で塗布されると共に、前記表皮剥離領域においては前記基材側接着剤と表皮側接着剤とが互いに交差した状態で接着されることを特徴とする。
基材側接着剤塗布工程では、エアバッグ展開時に展開するエアバッグドアの外周縁部から外側へ所定幅で形成された表皮剥離領域において、基材側接着剤を基材に所定の間隔で線状に塗布し、表皮剥離領域以外の表皮固着領域では基材側接着剤を基材に全面塗布する。また、表皮側接着剤塗布工程では、表皮剥離領域において、表皮側接着剤を表皮に基材側接着剤の線状長手方向に対して交差する状態で所定の間隔で線状に塗布し、表皮固着領域では表皮側接着剤を表皮に全面塗布する。また、接合工程では、表皮側接着剤が塗布された表皮と基材側接着剤が塗布された基材とを接合させる。このため、表皮固着領域における基材と表皮との接着面積が、表皮剥離領域における基材と表皮との接着面積に比べて広くなり、表皮固着領域における基材と表皮との接着強度が、表皮剥離領域における基材と表皮との接着強度に比べて大きくなる。また、表皮剥離領域においては、基材側接着剤の線状長手方向と表皮側接着剤の線状長手方向とを互いに交差した状態で接着させることで接着強度を小さくしている。この結果、交差部における基材側接着剤と表皮側接着剤との接着面積を管理することによって、表皮剥離領域の接着強度を容易に管理できる。また、表皮剥離領域における基材側接着剤及び表皮側接着剤の塗布を非塗装部にマスキング処理を施した状態で塗布するため、基材側接着剤及び表皮側接着剤の塗布作業が容易になる。
請求項1記載の本発明のエアバッグカバーを有する表皮接着成形品は、基材から表皮が剥離する部位の接着強度の管理が容易である。
請求項2記載の本発明のエアバッグカバーを有する表皮接着成形品の製造方法は、基材から表皮が剥離する部位の接着強度の管理が容易であると共に接着剤の塗布作業が容易になる。
本発明の一実施形態に係るエアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法について、図1〜図6に基づいて説明する。
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印INは車幅内側方向を、矢印UPは車両上方方向を示す。
図1には本実施形態におけるエアバッグカバーを有する表皮接着成形品としてのインストルメントパネル10の一部が斜視図によって示されている。
図1に示される如く、本実施形態のインストルメントパネル10では、助手席側の上面部10Aに助手席用エアバッグ装置12用のエアバッグドア14が形成されており、インストルメントパネル10は、エアバッグドア14とエアバッグドア以外の部分(以下、一般部という)16とによって構成されている。
なお、インストルメントパネル10は自動車車体において周知の部材であるため、詳細な説明は省略する。また、図1の符号15はグローブボックスを示しており、符号17はグローブボックスの上部に配置された木目の化粧版を示している。
図3には、図1の3−3断面線に沿った拡大断面図が示されている。図3に示される如く、助手席用エアバッグ装置12は、箱体形状のエアバッグケース18を備えている。なお、エアバッグケース18は、図示を省略した円管状のインパネリインフォースメント等の高強度の車体側構成部材に固定されている。
エアバッグケース18の内部には、機械着火式又は電気着火式の略円柱形状のインフレータ22が収容されており、インフレータ22の内部には、着火剤、伝火剤、ガス発生剤、フィルタ、クーラント等が収容されている。また、インフレータ22の周囲には、車両急減速時に膨張するエアバッグ24が折り畳み状態で配設されている。
エアバッグケース18の上端部側は、エアバッグ24の膨張展開のために開口されており、この開口は通常時、上ドア26のドア部26Aと下ドア28のドア部28Aとによって閉塞されている。上ドア26のドア部26Aは、非開放時には断面形状が略U字形とされたヒンジ部26Bを介して、略矩形枠状の連結支持部29の車両前側壁29Aに連結されており、下ドア28のドア部28Aは、非開放時には断面形状が略U字形とされたヒンジ部28Bを介して、連結支持部29の車両後側壁29Bに連結されている。また、連結支持部29の車両前側壁部29Aと車両後側壁部29Bには車幅方向に沿って所定の間隔で係合孔31が形成されている。一方、エアバッグケース18の前壁部18Aと後壁部18Bには、フック33が車幅方向に所定の間隔を開けて設けられており、これらのフック33を連結支持部29の車両前側壁29Aと車両後側壁29Bに形成した係合孔31に係合することで、上ドア26及び下ドア28とエアバッグケース18とを連結している。
従って、エアバッグ24がインフレータ22から噴出するガスによって膨張展開すると、エアバッグ24に押圧されて上ドア26のドア部26Aはヒンジ26B回りにウインドシールドガラス側(図3の矢印A方向)へ展開すると共に、下ドア28のドア部28Aはヒンジ28B回りに車室後方側(図3の矢印B方向)へ展開するようになっている。
インストルメントパネル10のエアバッグドア14と一般部16は、表皮34と表皮34の裏面側に配置された基材36とで構成されている。表皮34は車両室内側(ウインドシールドガラス側)に配置された皮製のカバー30と、このカバー30の裏面側に接着されたクッション層(例えば、織物)32とで構成されている。一方、基材36は樹脂製〔PP(ポリプロピレン)、PPO(ポリフェニレンオキサイド)、PA(ポリアミド)等の硬質樹脂製〕で構成されている。また、表皮34と基材36とは、表皮34の接着面に塗布された表皮側接着剤35と、基材36の接着面に塗布された基材側接着剤37とによって接着されている。
基材36におけるエアバッグドア40は、上ドア26の車室側に位置する上ドア部40Aと下ドア28の車室側に位置する下ドア部40Bとに上下2分割されており(上下2分割構造)、上ドア部40A及び下ドア部40Bは所定のピッチで形成された切込み44によって基材36のエアバッグドア以外の部分(一般部)41から分離可能とされている。なお、切込み44の車室側から見た平面視形状は日字状となっており、上ドア26のヒンジ26Bは切込み44の上辺44Aを跨いで配置されており、下ドア28のヒンジ部28Bは切込み44の下辺44Bを跨いで配置されている。
なお、表皮34は上ドア26のヒンジ部26B又は下ドア28のヒンジ部28Bの車室側となる部位においては連続しているが、上ドア26と下ドア28との境の車室側となる部位は表皮34の縫合部52と一致している。表皮34の縫合部52においては、分割された皮製のカバー30が縫合糸50によって互いに縫合されており、縫合糸50は上ドア26と下ドア28との展開力によって容易に破断するようになっている。
図1に示される如く、表皮34の縫合部52は車室後方側から見て下方に開口部を向けたコ字状に形成されている。より具体的に説明すると、縫合部52の中間部52Aはインストルメントパネル10のエアバッグドア14の展開中央部14Aに沿って車幅方向に延びており、車幅方向両端部52B、52Cは、車両後方下側に向って延設されている。
図2には上ドア26と下ドア28とが展開した状態の斜視図が示されている。なお、図2では、展開したエアバッグを省略している。
図2に示される如く、エアバッグの展開膨張力によって、エアバッグケース18の上ドア26のドア部26A及び下ドア28のドア部28Aとともに基材36におけるエアバッグドア40の上ドア部40A及び下ドア部40Bが展開するようになっている。また、上ドア部40A及び下ドア部40Bの展開力によって、表皮34の縫合部52の縫合糸50が破断するようになっている。
図1に示される如く、インストルメントパネル10の基材36におけるエアバッグドア40の上ドア部40A及び下ドア部40Bの車幅方向両端の外周縁部40Cから車幅方向外側へ所定幅H1の部位(図1の斜線の領域)は表皮剥離領域60となっている。
なお、表皮剥離領域60の接着強度は、エアバッグドア40が展開する際に、エアバッグドア40の展開力によって容易に剥離するが、通常の経時変化等においては剥離せず、表皮34が基材36から浮き上がらないように設定されている。
一方、表皮剥離領域60以外の部位となる表皮固着領域62(図1の斜線の無い領域)の接着面積は表皮剥離領域60の接着面積に比べて広くなっている。これにより、表皮固着領域62の接着強度は、エアバッグドア40が展開する際に、エアバッグドア40の展開力によって剥離しないように、表皮剥離領域60の接着強度に比べて大きく設定されていると共に、通常の経時変化等においても剥離せず、表皮34が基材36から浮き上がらないようになっている。
即ち、表皮剥離領域60の接着強度は表皮固着領域62の接着強度に比べて小さくなっている。
なお、表皮剥離領域60は、表皮34の縫合部52における車幅方向両端部52B、52Cの上部を含む領域となっており、表皮34の縫合部52における車幅方向両端部52B、52Cの車幅方向外側に表皮剥離領域60と表皮固着領域62との境界線64が形成されている。
図3に示される如く、インストルメントパネル10の基材36の接着面(表皮側の面)には基材側接着剤37が塗布されており、表皮34の接着面(基材側の面)には表皮側接着剤35が塗布されている。
図4には、図1の4−4断面線に沿った拡大断面図が示されている。図4に示される如く、表皮剥離領域60においては、インストルメントパネル10の基材36の接着面に基材側接着剤37が車幅方向に所定の間隔で線状に塗布されている。一方、表皮剥離領域60においては、表皮34の接着面に表皮側接着剤35が車両上下方向に所定の間隔で線状に塗布されている。
次に、表皮側接着剤35と基材側接着剤37との塗布について図5に基づいてより具体的に説明する。
図5(A)に示される如く、表皮剥離領域60においては、基材36の接着面に基材側接着剤37が車幅方向(図5の矢印W方向)に所定の間隔K1で、所定の幅W1で車両上下方向に沿って直線状に塗布されている。
図5(B)に示される如く、表皮剥離領域60においては、表皮34の接着面に表皮側接着剤35が車両上下方向(図5の矢印H方向)に所定の間隔K2で、所定の幅W2で車幅方向に沿って直線状に塗布されている。
図5(C)に示される如く、表皮剥離領域60の接着面においては、基材側接着剤37の線状長手方向と表皮側接着剤35の線状長手方向とが互いに交差した状態で接着されており、互いに直交している。互いの交差角度α1が90度(α1=90度)になっている。
従って、表皮剥離領域60の接着面において、基材側接着剤37と表皮側接着剤35とがそれぞれ直線状に塗布されており、互いに直交している。このため、基材側接着剤37の幅W1と表皮側接着剤35の幅W2とによって、交差部38における基材側接着剤37と表皮側接着剤35との接着強度(接合面積)を容易に管理できるようになっている。また、基材側接着剤37と表皮側接着剤35とが連続して塗布されているため、基材側接着剤37の位置と表皮側接着剤35の位置とが接着面方向にずれた場合でも、交差部38の接着強度(接合面積)が変化し難い。
一方、表皮剥離領域60以外の表皮固着領域62では基材36の接着面の全面に基材側接着剤37が全面塗布され、表皮34の接着面の全面に表皮側接着剤35が全面塗布されており、基材36と表皮34とが全面で接着されている。
なお、全面塗布とは全面全てに接着剤が塗布されている場合と、全面全てに接着剤が塗布されておらず、部分的に接着剤が塗布されていない領域が存在する場合も含む。
従って、図2に示される如く、エアバッグドア40の上ドア部40Aが展開する際には、接着強度の境界となる表皮剥離領域60と表皮固着領域62との境界線64に応力が集中し、表皮34が境界線64に沿って容易に破断するようになっている。
一方、エアバッグドア40の下ドア部40Bが展開する際には、表皮剥離領域60と表皮固着領域62との境界線64に比べ下ドア部40Bに接近している縫合部52の車幅方向両端部52B、52Cに応力が集中し、縫合糸50が容易に破断するようになっている。
次に、本実施形態におけるインストルメントパネル10の製造方法を説明する。
本実施形態では、図5(A)に示される如く、基材側接着剤塗布工程において、インストルメントパネル10の基材36の接着面に基材側接着剤37を塗布する。この際、表皮剥離領域60以外の表皮固着領域62においては、基材側接着剤37をノズルから噴霧することで基材36の接着面に全面塗布する(接着面の全面に塗布する)。また、表皮剥離領域60においては、基材36の接着面に基材側接着剤37を車幅方向(図5の矢印W方向)に所定の間隔K1で、所定の幅W1で直線状に塗布する。この際、基材36の接着面の非塗装部にマスキングテープ、マスキング板等によってマスキング処理を施した状態で、基材側接着剤37をノズルから基材36の接着面の全面に連続的に噴霧塗布し、その後、マスキングテープ、マスキング板等を取り除く。
また、図5(B)に示される如く、表皮側接着剤塗布工程において、インストルメントパネル10の表皮34の接着面に表皮側接着剤35を塗布する。この際、表皮剥離領域60以外の表皮固着領域62においては、表皮側接着剤35をノズルから噴霧することで表皮34の接着面に全面塗布する。また、表皮剥離領域60においては、表皮34の接着面に表皮側接着剤35を車両上下方向(図5の矢印H方向)に所定の間隔K2で、所定の幅W2で直線状に塗布する。この際、表皮34の接着面の非塗装部にマスキングテープ、マスキング板等によってマスキング処理を施した状態で、表皮側接着剤35をノズルから表皮34の接着面の全面に連続的に噴霧塗布し、その後、マスキングテープ、マスキング板等を取り除く。
次に、図6に示される如く、接合工程において、基材36の接着面と表皮34の接着面とを接合させる。この結果、図5(C)に示される如く、表皮剥離領域60の接着面においては、基材側接着剤37の線状長手方向と表皮側接着剤35の線状長手方向とが互いに交差した状態で接着され、互いに直交する。一方、表皮剥離領域60以外では基材36と表皮34とが全面で接着される。
従って、表皮剥離領域60の接着面の接着強度が、表皮剥離領域60以外の表皮固着領域62の接着強度に比べて小さくなる。また、基材側接着剤37と表皮側接着剤35とを互いに交差させるため、基材側接着剤37の幅W1と表皮側接着剤35の幅W2とによって、交差部38における基材側接着剤37と表皮側接着剤35との接着強度(接合面積)を容易に管理できる。また、基材側接着剤37と表皮側接着剤35とが連続して塗布されているため、基材側接着剤37と表皮側接着剤35とが接着面方向にずれた場合でも、交差部38の接着強度(接合面積)が変化し難い。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、図2に示される如く、助手席用エアバッグ装置12が作動し、インフレータ22から噴出したガスによってエアバッグ24が車室内側に膨張展開する際に、エアバッグ24の膨張展開力によって、上ドア26のドア部26Aが図1の矢印A方向に展開すると共に、下ドア28のドア部28Aが図1の矢印B方向に展開する。
この時、ドア部26Aとともに、インストルメントパネル10のエアバッグドア40の上ドア部40Aが展開する。その際、接着強度が表皮固着領域62に比べて小さく設定された表皮剥離領域60においては、表皮34が基材36から剥離して、上ドア部40Aとともに展開する。一方、接着強度が表皮剥離領域60に比べて大きく設定された表皮固着領域62においては、表皮34が基材36から剥離しない。このため、表皮34と基材36との接着強度の境界となる表皮剥離領域60と表皮固着領域62との境界線64に応力が集中する。この結果、表皮34が境界線64に沿って容易に破断し、上ドア部40Aが迅速に展開する。
一方、下ドア28のドア部28Aとともに、インストルメントパネル10のエアバッグドア40の下ドア部40Bが展開する。その際、接着強度が表皮固着領域62に比べて小さく設定された表皮剥離領域60においては、表皮34が基材36から剥離して、下ドア部40B上とともに展開する。一方、接着強度が表皮剥離領域60に比べて大きく設定された表皮固着領域62においては、表皮34が基材36から剥離しない。また、表皮34における縫合部52の車幅方向両端部52B、52Cが境界線64に比べ下ドア部40Bに接近していると共に表皮固着領域62の接着強度が縫合部52の車幅方向両端部52B、52Cの縫合強度に比べて大きくなっているため、縫合部52の車幅方向両端部52B、52Cに応力が集中する。この結果、縫合部52の車幅方向両端部52B、52Cの縫合糸50が容易に破断し、下ドア部40Bが迅速に展開する。
従って、本実施形態では、表皮34を迅速に破断し、インストルメントパネル10のエアバッグドア14を円滑に開放することができる。
また、本実施形態では、皮剥離領域60の接着面において、基材側接着剤37の線状長手方向と表皮側接着剤35の線状長手方向とを互いに交差した状態で接着させることで接着強度を小さくしている。この結果、交差部38における基材側接着剤37と表皮側接着剤35との接着面積を管理することによって、表皮剥離領域60の接着強度を容易に管理できる。
また、本実施形態では、表皮剥離領域60の接着面における基材側接着剤37と表皮側接着剤35とがそれぞれ直線状に塗布されており、互いの交差角度が90度となっている。このため、基材側接着剤37の幅W1と表皮側接着剤35の幅W2とによって、交差部38における基材側接着剤37と表皮側接着剤35との接着強度(接合面積)を更に容易に管理できる。また、基材側接着剤37と表皮側接着剤35とが連続して塗布されているため、基材側接着剤37と表皮側接着剤35とが接着面方向にずれた場合でも、交差部38の接着強度(接合面積)が変化し難い。
更に、本実施形態では、接着強度を変えるために接着面に凹凸模様を形成したり表面処理をする必要が無いと共に、接着力の小さな接着剤と接着力の大きな接着剤とを使い分ける必要も無い。
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、図5(A)、図5(B)に示される如く、表皮剥離領域60においては、基材36の接着面に基材側接着剤37を車幅方向(図5の矢印W方向)に所定の間隔K1で、所定の幅W1で車両上下方向に沿って直線状に塗布し、表皮34の接着面に表皮側接着剤35を車両上下方向(図5の矢印H方向)に所定の間隔K2で、所定の幅W2で車幅方向に沿って直線状に塗布したが、これに代えて、表皮剥離領域60においては、表皮34の接着面に表皮側接着剤35を車幅方向(図5の矢印W方向)に所定の間隔で、所定の幅で車両上下方向に沿って直線状に塗布し、基材36の接着面に基材側接着剤37を車両上下方向(図5の矢印H方向)に所定の間隔で、所定の幅で車幅方向に沿って直線状に塗布しても良い。
また、上記実施形態では、図5(C)に示される如く、表皮剥離領域60の接着面において、基材側接着剤37の線状長手方向と表皮側接着剤35の線状長手方向との交差角度を90度にしたが、これに代えて、図7(A)に示される如く、基材36においては表皮剥離領域60の接着面に基材側接着剤37を車幅方向(図7の矢印W方向)に対して傾斜した状態で直線状に塗布し、図7(B)に示される如く、表皮34においては表皮剥離領域60の接着面に表皮側接着剤35を車幅方向に沿って直線状に塗布することで、図7(C)に示される如く、表皮剥離領域60の接着面において、基材側接着剤37の線状長手方向と表皮側接着剤35の線状長手方向とが交差角度(α2≠90度)で接着される構成としても良い。即ち、表皮剥離領域60の接着面における基材側接着剤37の線状長手方向と表皮側接着剤35の線状長手方向との交差角度は90度に限定されず他の交差角度としても良い。
また、上記実施形態では、図5(A)又は図5(B)に示される如く、表皮剥離領域60の接着面において、基材側接着剤37又は表皮側接着剤35を所定の幅で直線状に塗布したが、これに代えて、表皮剥離領域60の接着面において、基材側接着剤37又は表皮側接着剤35を所定の幅で、波形等の曲線形状や屈曲線形状に塗布した構成としても良い。
また、上記実施形態では、インストルメントパネル10の基材36におけるエアバッグドア40が上ドア部40Aと下ドア部40Bとに上下2分割されている構成について説明したが、本発明は、インストルメントパネル10の基材36におけるエアバッグドア40が一枚構造である場合や、車幅方向に2分割された構成等の他の構成にも適用可能である。
また、上記実施形態では、表皮34の表面に皮製のカバー30を使用したが、表皮34の表面は皮製のカバー30に限定されず、樹脂製〔例えば、PVC(塩ビ)、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマ)、ウレタン等の軟質樹脂製〕等の他のカバーを使用しても良い。
また、表皮34はカバー30とクッション層32との2層構造に限定されず、1層構造等の他の構造としても良い。
また、上記実施形態では、本発明のエアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法をインストルメントパネル10に適用したが、本発明のエアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法は、エアバッグ装置を覆うドアトリム、ピラーガーニッシュ等の他のエアバッグカバーを有する表皮接着成形品にも適用可能である。
本発明の一実施形態に係るエアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法のインストルメントパネルの一部を示す車両斜め外側後方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るエアバッグカバーを有する表皮接着成形品及びその製造方法のインストルメントパネルの一部におけるエアバッグドア展開状態を示す車両斜め外側後方から見た斜視図である。 図1の3−3断面線に沿った拡大断面図である。 図1の4−4断面線に沿った拡大断面図である。 (A)は本発明の一実施形態に係るエアバッグカバーを有する表皮接着成形品の製造方法の基材側接着剤塗布工程を示す概略図であり、(B)は表皮側接着剤塗布工程を示す概略図であり、(C)は接合工程を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るエアバッグカバーを有する表皮接着成形品の製造方法の接合工程を示す図4に対応する断面図である。 (A)は本発明の他の実施形態に係るエアバッグカバーを有する表皮接着成形品の製造方法の基材側接着剤塗布工程を示す概略図であり、(B)は表皮側接着剤塗布工程を示す概略図であり、(C)は接合工程を示す概略図である。
符号の説明
10 インストルメントパネル(表皮接着成形品)
12 助手席用エアバッグ装置
14 インストルメントパネルのエアバッグドア
16 インストルメントパネルのエアバッグドア以外の部分(一般部)
24 エアバッグ
26 上ドア
28 下ドア
30 表皮のカバー
32 表皮のクッション層
34 インストルメントパネルの表皮
35 表皮側接着剤
36 インストルメントパネルの基材
37 基材側接着剤
38 表皮側接着剤と基材側接着剤との交差部
40 基材のエアバッグドア
40A 基材のエアバッグドアの上ドア部
40B 基材のエアバッグドアの下ドア部
40C 基材のエアバッグドアの外周縁部
41 基材のエアバッグドア以外の部分(一般部)
50 縫合糸
52 表皮の縫合部
60 表皮剥離領域
62 表皮固着領域
64 表皮剥離領域と表皮固着領域との境界線

Claims (2)

  1. エアバッグ展開時に展開するエアバッグドアを備えた基材と、
    前記基材に接着された表皮と、
    前記エアバッグドアの外周縁部から外側へ所定幅で形成された表皮剥離領域においては前記基材に所定の間隔で線状に塗布され、前記表皮剥離領域以外の表皮固着領域においては前記基材に全面塗布された基材側接着剤と、
    前記表皮剥離領域においては前記表皮に前記基材側接着剤の線状長手方向に対して交差した状態で所定の間隔で線状に塗布され、前記表皮固着領域においては前記表皮に全面塗布された表皮側接着剤と、
    を有し、前記表皮剥離領域においては前記基材側接着剤と表皮側接着剤とが互いに交差した状態で接着されていることを特徴とするエアバッグカバーを有する表皮接着成形品。
  2. エアバッグ展開時に展開するエアバッグドアを備えた基材における前記エアバッグドアの外周縁部から外側へ所定幅で形成された表皮剥離領域に、基材側接着剤を所定の間隔で線状に塗布し、前記表皮剥離領域以外の表皮固着領域では基材側接着剤を前記基材に全面塗布する基材側接着剤塗布工程と、
    前記表皮剥離領域においては前記基材に接着される表皮に、表皮側接着剤を前記基材側接着剤の線状長手方向に対して交差する状態に所定の間隔で線状に塗布し、前記表皮固着領域では表皮側接着剤を前記表皮に全面塗布する表皮側接着剤塗布工程と、
    前記表皮側接着剤が塗布された前記表皮と前記基材側接着剤が塗布された前記基材とを接合させる接合工程と、
    を有し、前記表皮剥離領域における前記基材側接着剤及び前記表皮側接着剤の塗布は非塗装部にマスキング処理を施した状態で塗布されると共に、前記表皮剥離領域においては前記基材側接着剤と表皮側接着剤とが互いに交差した状態で接着されることを特徴とするエアバッグカバーを有する表皮接着成形品の製造方法。
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