JP4810390B2 - ストローク特性可変エンジンのアクチュエータ構造 - Google Patents

ストローク特性可変エンジンのアクチュエータ構造 Download PDF

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Description

本発明は、ピストンとクランク軸とを、ストローク可変リンク機構を介してコントロール軸に連結し、該コントロール軸にベーン式油圧アクチュエータを設け、このアクチュエータによりコントロール軸を駆動し前記ストローク可変リンク機構を作動してピストンの移動ストロークを可変とするストローク特性可変エンジンのアクチュエータ構造の改良に関する。
従来、ピストンのピストンピンに一端を連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端に連結され、かつクランク軸のクランクピンに連結されたロアリンクと、そのロアリンクに一端が連結され、他端がコントロール軸に揺動可能に連結されたコントロールリンクよりなる、ストローク可変リンク機構を備え、コントロール軸に設けたベーン式アクチュエータの駆動により、ピストンの移動ストロークを可変とするストローク特性可変エンジンは公知(後記特許文献1参照)である。
特開2006−177192号公報
ところで、かかるエンジンの運転時に、コントロール軸には、ストローク可変リンク機構の、ロアリンクとコントロールリンクとの連結点の方向にコントロールリンクを通して最大荷重(低圧縮比状態で運転されるときの荷重)が発生することになるので、そのコントロール軸と同軸上にベーン式アクチュエータを設けた場合に、その最大荷重がそのアクチュエータのベーン軸とコントロール軸に作用してベーン軸とコントロール軸に軸受面のフリクションが増加し、その分、駆動力が大きくなるという問題があり、またベーン軸とコントロール軸の軸受面に油膜切れが発生して金属接触する可能性があるという問題もある。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成によりベーン式油圧アクチュエータのベーン軸とコントロールの軸受面にかかる最大荷重を低減できるようにして前記問題を解決した、新規なストローク特性可変エンジンのアクチュエータ構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ピストンとクランク軸とを、ストローク可変リンク機構を介してコントロール軸に連結し、このコントロール軸をベーン式油圧アクチュエータにより駆動してストローク可変リンク機構を作動しピストンの移動ストロークを可変とするストローク特性可変エンジンのアクチュエータ構造であって、前記ベーン式油圧アクチュエータは、そのベーン軸に作用する最大荷重の方向と反対方向の付勢力を、ベーン軸に付与する付勢力付与手段を備え、前記ベーン式油圧アクチュエータには、そのベーン軸を所定角度範囲で回転駆動するための制御油室がベーン軸の径方向に対向して設けられると共にベーン軸内には、前記対向する制御油室に連通し得る連通油路が径方向に設けられ、ベーン軸の回転方向の限界位置の手前で、制御油室と連通油路との連通状態が制限されることを特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項2記載の発明は、前記請求項1のものにおいて、前記対向する制御油室の一方側と前記連通油路との連通状態が制限されているときに、制御油室の他方側と前記連通油路との連通状態が維持されると共に、制御油室の他方側に油圧回路の油路が連通されていることを特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項3記載の発明は、前記請求項2のものにおいて、前記連通油路の、前記対向する制御油室の一方側に連通する一方側連通通路半部と、前記連通油路の、前記対向する制御油室の他方側に連通する他方側連通通路半部とを、各々直線状に形成すると共に一方側連通通路半部に対して、他方側連通通路半部が、ベーン軸の中心部にて所定の角度で屈曲形成されていることを特徴としている。
前記請求項1記載の発明によれば、最大荷重方向でのベーン軸の軸受面のフリクションを低減できるので、アクチュエータの応答性が向上し、また、駆動力の増加を抑えることができ、その上、前記軸受面に油膜切れが発生する可能性を抑制できる。
また、クチュエータのベーン軸の回転方向の限界位置の手前で、ベーン油室とベーン軸に設けた連通油路との連通状態が制限されるので、油路構成に構造上の変更を加えることなく、ベーン軸に作用する最大荷重と反対方向の付勢力を発生させることができる。
記請求項の発明によれば、アクチュエータの作動時に、ベーン軸が回転しなくても、ベーン軸に設けた連通油路には作動油が供給されるので、ベーン軸の応答性を一層向上させることができる。
記請求項の発明によれば、対向する制御油室の一方側に連通する一方側連通通路半部と、対向する制御油室の他方側に連通する他方側連通通路半部とを、各々直線状に形成すると共に一方側連通通路半部に対して、他方側連通通路半部が、ベーン軸の中心部にて所定に角度で屈曲形成されるので、連通油路を精度よく容易に形成できると共に、ベーン軸の剛性低下を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
まず、図1〜12を参照して本発明の第1実施例について説明する。
図1は、ストローク特性可変エンジンの概略全体斜視図、図2は、図1の2矢視図、図3は、図1の3−3線に沿う断面図(高圧縮比状態)、図4は、図1の4−4線に沿う断面図(低圧縮比状態)、図5は、図2の5−5線に沿う断面図、図6は、図5の6−6線に沿う横断面図、図7は、図5の7−7線に沿う拡大縦面図、図8は、図3の8−8線に沿う断面図、図9は、図5の9矢視斜視図、図10はベーン式油圧アクチュエータの分解斜視図、図11は、ベーン式油圧アクチュエータの制御系の油圧回路図、図12は、ベーン式油圧アクチュエータの作用説明図である。
図1〜4において、ストローク特性可変エンジンEは、自動車用であって、図示しない、自動車のエンジンルーム内に横置き(そのクランク軸30が自動車の進行方向に対して横方向配置)に搭載される。このエンジンEが自動車に搭載されるとき、図2に示すように、若干後傾状態、すなわち、そのシリンダ軸線L−Lが鉛直線に対して若干後方に傾斜している。
また、このストローク特性可変エンジンEは、直列4気筒のOHC型4サイクルエンジンであって、そのエンジン本体1は、4つのシリンダ5が横方向に並列して設けられるシリンダブロック2と、このシリンダブロック2のデッキ面上にガスケット6を介して一体に結合されるシリンダヘッド3と、前記シリンダブロック2の下部に一体に形成したアッパブロック40(上部クランクケース)と、その下面に一体に結合されるロアブロック41(下部クランクケース)とを備えており、アッパブロック40とロアブロック41とでクランクケース4が形成される。前記シリンダブヘッド3の上面には、シール材8を介してヘッドカバー9が一体に被冠され、また、前記ロアブロック41(下部クランクケース)の下面には、オイルパン10が一体に結合されている。
シリンダブロック2の4つのシリンダ5には、それぞれピストン11が摺動可能に嵌合されており、それらのピストン11の頂面に対面するシリンダヘッド3の下面には、4つの燃焼室12と、それらの燃焼室12に連通する吸気ポート14と排気ポート15とが形成されており、吸気ポート14には吸気弁16が、また排気ポート15には排気弁17がそれぞれ開閉可能に設けられる。また、シリンダヘッド3上には、前記吸気弁16と排気弁17とを開閉する動弁機構18が設けられる。この動弁機構18は、シリンダヘッド3に回転自在に支持される吸気側カム軸20および排気側カム軸21と、シリンダヘッド3に設けた吸気側および排気側ロッカ軸22,23にそれぞれ揺動可能に軸支されて前記吸気側および排気側カム軸20,21と吸気弁16および排気弁17間を連接する吸気側および排気側ロッカアーム24,25とを備えており、吸気側および排気側カム軸20,21の回転によれば、弁バネ26,27の閉弁力に抗して吸気側および排気側ロッカアーム24,25を揺動して吸気弁16および排気弁17を所定のタイミングをもって開閉作動することができる。
図2に示すように、吸気側および排気側カム軸20,21は、従来公知の調時伝動機構28を介して後述するクランク軸30に連動されており、クランク軸30の回転によれば、その1/2の回転速度で駆動されるようになっている。そして、前記動弁機構28は、シリンダヘッド3上に一体に被冠されるヘッドカバー9により被覆される。また、シリンダヘッド3には、4つのシリンダに対応して円筒状のプラグ挿通筒31が設けられ、このプラグ挿通筒31内に点火プラグ32が挿着される。
4つのシリンダ5に対応する複数の吸気ポート14は、エンジン本体1の前面、すなわち車両の前方側に向けて開口されており、そこに吸気系INの吸気マニホールド34が接続されている。この吸気系INは従来公知の構造を備えるので、その詳細な説明を省略する。
また、4つのシリンダ5に対応する複数の排気ポート15は、エンジン本体1の後面、すなわち車両の後方側に向けて開口されており、そこに排気系EXの排気マニホールド35が接続されている。この排気系EXは従来公知の構造を備えるので、その詳細な説明を省略する。
図3,4に示すように、シリンダブロック2下部のアッパブロック40(上部クランクケース)と、ロアブロック41(下部クランクケース)よりなるクランクケース4は、シリンダブロック2のシリンダ5の部分よりも前方(車両前方)側に張出しており、この張出し部36のクランク室CC内には、ピストン11の移動ストロークを可変とする、ストローク可変リンク機構LV(後述)と、それを駆動するベーン式油圧アクチュエータAC(後述)が設けられる。
図2〜6に示すように、シリンダブロック2の下部に一体に形成されるアッパブロック40下面には、ロアブロック41が複数の連結ボルト42をもって固定され、さらにベアリングキャップとしての中央軸受部材54(後述)が、ベアリングキャップ締め付けボルト57もって固定されている。アッパブロック40と、ロアブロック41との合わせ面に形成される複数のジャーナル軸受部43にはクランク軸30のジャーナル軸30Jが回転自在に支承される(図8参照)。
図5に示すように、前記ロアブロック41は、平面視四角な閉断面構造に鋳造成形されており、その左、右端部には端部軸受部材50,51が、またその中間部には、左、右中間軸受部材52,53が、さらにその中央には、ベアリングキャップとしての中央軸受部材54(後述のハウジングHUが一体成形される)が設けられており、これらの軸受部材50〜54によってクランク軸30のジャーナル軸30Jが支承される。
図5,6,9に示すように、前記ベアリングキャップとしての中央軸受部材54は、ロアブロック41とは別体に鋳造成形されており、複数のベアリングキャップ締め付けボルト56によりそのロアブロック41に堅固に固定され、また、この中央軸受部材54は、アッパブロック40の下面にも他のベアリングキャップ締め付けボルト連結ボルト57により堅固に固定される。ベアリングキャップ54のクランク軸30の軸受部分54Aから一方(エンジン本体1の前方)側に偏った一側部は、上下幅を拡張し、かつ肉厚とした膨大部58とされており、この膨大部58に後に詳述するベーン式油圧アクチュエータACのハウジングHUが成形されている。
つぎに、図3,4に戻って、ピストン11の移動ストロークを可変とするストローク可変リンク機構LVの構造について説明すると、アッパブロック40とロアブロック41との合わせ面に回転自在に支承されるクランク軸30の複数のクランクピン30Pには、三角形状のロアリンク60の中間部がそれぞれ揺動自在に枢支連結される。それらのロアリンク60の一端(上端)には、ピストン11のピストンピン13に枢支連結されるアッパリンク( コンロッド) 61の下端(大端部)が第1連結ピン62を介して枢支連結され、各ロアリンク60の他端(下端)に第2連結ピン64を介してコントロールリンク63の上端が枢支連結される。このコントロールリンク63は下方に延びて、その下端には、クランク形状をなす、コントロール軸65(後に詳述)の偏心ピン65Pが枢支連結されている。コントロール軸65には、これと同軸上にベーン式油圧アクチュエータAC(後に詳述)が設けられ、コントロール軸65は、このベーン式油圧アクチュエータの駆動により、所定角度の範囲(約90度)で正、逆回転され、これによる偏心ピン65Pの位相変移により、コントロールリンク63が揺動駆動される。具体的には、コントロール軸65は、図3に示す第1の位置(偏心ピン65Pが下方位置)と、図4に示す第2の位置(偏心ピン65Pが左方位置)との間で回転可能である。図3に示す第1の位置では、コントロール軸65の偏心ピン65Pが下方に位置しているため、コントロールリンク63は引き下げられてロアリンク60はクランク軸30のクランクピン30P回りに時計方向に揺動し、アッパリンク61が押し上げられてピストン11の位置がシリンダ5に対して高い位置となり、エンジンEは高圧縮比状態となる。逆に、図4に示す第2位置では、コントロール軸65の偏心ピン65Pが左方に位置(前記第1の位置よりも高位置)しているため、コントロールリンク63は押し上げられてロアリンク60はクランク軸30のクランクピン30P回りに反時計方向に揺動し、アッパリンク61が押し下げられてピストン11の位置がシリンダ5に対して低い高い位置となり、エンジンEは低圧縮比状態となる。
以上のように、コントロール軸65の回転制御により、コントロールリンク63が揺動し、ロアーリンク60の運動拘束条件が変化してピストン11の上死点位置を含むストローク特性が変化することで、エンジンEの圧縮比を任意に制御することが可能になる。
しかして、アッパリンク61、第1連結ピン62、ロアリンク60、第2連結ピン64およびコントロールリンク63は、本発明にかかるストローク可変リンク機構LVを構成している。
図6,7,9,10に示すように、前記コントロールリンク63に連結されてストローク可変リンク機構LVを作動するコントロール軸65は、クランク軸30と同じく、複数のジャーナル軸65Jと偏心ピン65Pとがアーム65Aを介して交互に連結されてクランク状に形成されており、その軸方向の中央に、ベーン式油圧アクチュエータACの円筒状ベーン軸66が同軸上に一体に設けられており、ベーン軸66の両側面の偏心位置にコントロール軸65の偏心ピン65が直接固定されている。コントロール軸65は、ロアブロック41の一側(エンジン本体1の前方側)に偏らせて設けられており、そのジャーナル軸65Jがロアブロック41と、その下面に複数の連結ボルト68で固定される軸受ブロック70との間に回転自在に支承される。軸受ブロック70は、コントロール軸65の軸方向に延長される連結部材71と、この連結部材71より一体に起立される複数の軸受壁72と、中央ハウジング受部73を有してブロック状に形成されており、前記複数の軸受壁72の上面と、ロアブロック40の前記軸受部材50,51,52,53より延長される軸受壁50a,51a,52a,53aの下面との合わせ面に形成される軸受部により、コントロール軸65のジャーナル軸65Jを回転自在に支承する。
軸受ブロック70に形成される中央ハウジング受部73には、後に述べるように、ベアリングキャップ54に設けたハウジングHUの下部が複数のボルト74により固定支持される(図6参照)。
図6,7に示すように、コントロール軸65と同軸上に設けられるベーン式油圧アクチュエータACは、エンジン本体1のクランク室CC内に設けられており、そのハウジングHUは、前記ベアリングキャップ54(アッパブロック40およびロアブロック41に一体に固定)の一側部の前記膨大部58に設けられる。このハウジングHUの軸方向の中央部には、両端面の開放される短円筒状のベーン室80が形成されている。このベーン室80内には、前記コントロール軸65と一体の前記ベーン軸66が収容され、このベーン軸66の外周面の軸方向中央部には、約180°の位相差を存して一対のベーン87が一体に形成されている。またこのベーン軸66の軸方向の左右両側部(その中央部より若干小径)は、ハウジングHUの両側に複数ボルト83で固定した、カバー部材となる左右ベーン軸受部81,82に面軸受77,78を介して回転自在に支持されている。そして、ハウジングHUの開口側面は、ベーン軸受部81,82(カバー部材となる)により閉じられる。ベーン室80の内周面とベーン軸66の外周面との間には、約180°の位相差を存して一対の扇形状ベーン油室86が画成され、これらのベーン油室86内に、ベーン軸66の外周面より一体に突設した一対のベーン87がそれぞれ収容され、その外周面がベーン油室86の内周面に摺接される。各ベーン87は、扇形状のベーン油室86内を2つの制御油室86a,86bにそれぞれ油密に区画している。
また、図6に示すように、ベーン軸66には、軸方向に間隔をあけて径方向に2本の連通油路98,99が交叉状に穿設され、一方の連通油路98は、一対の制御油室86b同士を相互に連通し、また他方の連通油路99は一対の制御油室86a同士を相互に連通する。そして、後述する油圧回路からの作動油が制御油室86a、86bに選択的に供給されることにより、ベーン軸66は、所定角度で正逆回転駆動される。
図5,7,9 に示すように、ベアリングキャップ54に形成される、ハウジングHUの上面には、クランク軸30の軸受部54Aから該ハウジングHU側の端部に向かって鳩尾状に広がる平坦な取付面90が形成されており、図7に示すように、この取付面90のコントロール軸65方向の幅D1は、ハウジングHUの幅D2よりも広くしてあり、その取付面90には、前記ベーン式油圧アクチュエータACに作動油を供給制御する電磁弁V(図11参照)を備えたバルブユニット92が複数のボルト91をもって固定支持されており、このバルブユニット92は、シリンダブロック2の壁面を貫通してその上面に露出状態に配置される(図1参照)。
ハウジングHUの取付面上には、バルブユニット92堅固に固定され、そのバルブユニット92はシリンダブロック2の取付壁面上にあって、その四方が開放されているので、メンテナンスなどがし易くなる。
つぎに、前記ストローク可変リンク機構LVを駆動制御するベーン式油圧アクチュエータACの油圧回路を、図11を参照して説明する。
前述したように、コントロール軸65のベーン軸66とハウジングHUとで形成される一対の扇形状ベーン油室86内は、ベーン87によって2つの制御油室86a,86bにそれぞれ仕切られており、これらの制御油室86a,86bは、油圧回路を介してオイルタンクTに接続される。油圧回路には、モータMで駆動されるオイルポンプPと、チェック弁Cと、アキュムレータAと、電磁切換弁Vとが接続される。オイルタンクT、モータM、オイルポンプP、チェック弁CおよびアキュムレータAは油圧供給装置Sを構成して、エンジン本体1の適所に設けられ、また電磁切換弁Vは、バルブユニット92の内部に設けられる。油圧供給装置Sと電磁切換弁Vとは、2本の油路P1,P2で接続され、また電磁切換弁Vとベーン式油圧アクチュエータACの制御油室86a,86bとは2本の油路P3,P4で接続される。したがって、図11において、電磁切換弁Vを右位置に切り換えると、オイルポンプPで発生した作動油は、制御油室86bに供給され、その油圧でベーン87が押されてコントロール軸65が時計方向に回転し、逆に電磁切換弁Vを左位置に切り換える、オイルポンプPで発生した作動油は、制御油室86aに供給され、その油圧でベーン87が押されてコントロール軸65が反時計方向に回転することで、コントロール軸65の偏心ピン65Pの位相が変化する。コントロール軸65の偏心ピン65Pには、前述したようにストローク可変リンク機構LVのコントロールリンク63が揺動可能に枢支連結され、コントロール軸65の駆動(約90°)によれば、コントロール軸65の偏心ピン65Pの位相変化により、ストローク可変リンク機構LVを作動する。
ところで、エンジンEの運転時に、前記ストローク可変リンク機構LVが作動するのに伴い、ベーン軸66には、ロアリンク60とコントロールリンク63との連結点の方向、すなわち第2連結ピン64の方向(図12矢印a方向)にコントロールリンク63を通して最大荷重F′(エンジンが低圧縮比状態で運転されるときが最大)が作用することになり、この最大荷重F′は、ベーン軸66とベーン室80の軸受面間のフリクションを増大させることになるが、この第1実施例では、ベーン軸66に形成した連通油路99とベーン室80の内周面とよりなる付勢力付与手段BIにより、ベーン軸66に最大荷重F′(図12矢印a方向)と反対方向の付勢力F(図12矢印b方向)を付与して、前記フリクションを低減することを可能とするものであって、以下、図12を参照して、ベーン軸66に作用する最大荷重の方向と反対方向の付勢力をベーン軸66に付与する付勢力付与手段BIとしてのクッション機構の作用について説明する。
いま、ベーン式油圧アクチュエータACが油圧回路からの作動油により駆動され、ストローク可変リンク機構LVを作動する過程において、図12(A)に示すように、電磁弁Vが右位置に切り換えられ、油圧ポンプPからの作動油は制御油室86b、連通油路98へと供給され、一方、制御油室86a、連通油路99内の作動油は、オイルタンクTへと還流されるので、ベーン軸66は時計方向に回転され、アクチュエータACが駆動され、ストローク可変リンク機構LVが駆動される。ベーン軸66が時計方向の回転を継続してベーン87が限界位置(低圧縮比変更終了位置)の手前に達すると、図12(B)に示すように、連通油路99が、ベーン室80の内周面により閉鎖されるに至り、対向するベーン油室86a,86aの連通が遮断され、一方のベーン油室86aが密封状態に、他方のベーン油室86aが大気開放状態(オイルタンクTに連通)になるので、一方のベーン油室86a内の油圧p1′は高圧に、他方のベーン油室86aの油圧p1は低圧(大気圧)となり、一方のベーン油室86a内の油圧p1′が作用する、ベーン軸66の外周面の受圧面積をA′とすれば、ベーン軸66には、前記最大荷重F′と反対方向の付勢力F〔F=(p1′−p1)×A′〕(図12矢印b方向)が発生することになり、この付勢力Fは、前記最大荷重F′に対抗して、ベーン軸66にクッション作用を発生させることができるので、ベーン軸66とコントロール軸65の軸受面に作用するフリクションを低減することができる。
しかして、前記第1実施例によれば、最大荷重方向でのベーン軸66とコントロール軸65の軸受面のフリクションを低減できるので、ベーン式油圧アクチュエータACの応答性を向上させることができ、またそのアクチュエータACの駆動力の増加を抑えることができ、さらにベーン軸66とコントロール軸65の軸受面に油膜切れが発生する可能性を抑制できる。
また、前記アクチュエータACのベーン軸66の回転方向の限界位置(低圧縮比位置)の手前で、ベーン油室86とベーン軸66に設けた連通油路99との連通状態が制限されるので、油路構成に構造上の変更を加えることなく、ベーン軸66に作用する最大荷重と反対方向の付勢力を発生させることができる。
さらに、付勢力付与手段BIを構成する連通油路99は、ベーン軸66の径方向に直線状に形成されるので、その加工時間を短縮でき、しかもベーン軸66の剛性低下を抑制することができ、また、連通油路99を複数の油路を交叉状に連通して形成するものに比べて盲栓が不要である。
つぎに、図13を参照して本発明の第2実施例について説明する。
図13は、前記第1実施例の図12に対応する図であり、図中、第1実施例と同じ要素には同じ符号がされる。
この第2実施例は、ベーン軸66に形成される連通油路99の構造が前記第1実施例と若干相違している。
前記連通油路99の、前記対向する制御油室86aの一方側に連通する一方側連通通路半部99Aと、前記連通油路99の、前記対向する制御油室86aの他方側に連通する他方側連通通路半部99Bとを、各々直線状に形成すると共に一方側連通通路半部99Aに対して、他方側連通通路半部99Bが、ベーン軸66の中心部にて所定の角度で屈曲形成されており、この連通路99の屈曲角は160〜170°に設定される。
前記第1実施例と同じく、ベーン軸66が、図13(A)に示すように時計方向に回転され、アクチュエータACは駆動される。ベーン軸66が時計方向の回転を継続してベーン87が限界位置(低圧縮比変更終了位置)の手前に達すれば、図13(B)に示すように、連通油路99は、その一方の開口端が、ベーン室80の内周面により閉鎖されるのに対しその他方の開口端が他方のベーン油室86aに連通する。これにより、第1実施例と同じくベーン軸66には、最大荷重F′と反対方向の付勢力Fを発生させることができる。
また 対向する制御油室86aの一方側に連通する一方側連通通路半部99Aと、対向する制御油室86aの他方側に連通する他方側連通通路半部99Bとを、各々直線状に形成すると共に一方側連通通路半部99Aに対して、他方側連通通路半部99Bが、ベーン軸66の中心部にて所定に角度で屈曲形成されるので、連通油路99を加工精度よく容易に形成できると共に、ベーン軸66の剛性低下を抑制できる。
さらに、ベーン87が限界位置に達してベーン軸66が回転しなくても、連通油路99は、油圧回路と連通状態を維持してそこには油が供給されるので、アクチュエータACの応答性を一層向上させることができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
たとえば、前記実施例では、本発明を、コントロール軸の偏心ピンの位相変化により、ピストンの上死位置を変更する圧縮比可変式エンジンとした場合について説明したが、これを他ストローク特性可変エンジンにも適用可能である。
ストローク特性可変エンジンの概略全体斜視図 図1の2矢視図 図1の3−3線に沿う断面図(高圧縮比状態) 図1の4−4線に沿う断面図(低圧縮比状態) 図2の5−5線に沿う断面図 図5の6−6線に沿う横断面図 図5の7−7線に沿う拡大縦面図 図3の8−8線に沿う断面図 図5の9矢視斜視図 ベーン式油圧アクチュエータの分解斜視図 油圧アクチュエータの制御系の油圧回路図 ベーン式油圧アクチュエータの作用説明図 第2実施例にかかる図12対応図
11・・・・・・・ピストン
30・・・・・・・クランク軸
65・・・・・・・コントロール軸
66・・・・・・・ベーン軸
86a・・・・・・制御油室
99・・・・・・・連通油路
99A・・・・・・一方側連通通路半部
99B・・・・・・他方側連通通路半部
AC・・・・・・・ベーン式油圧アクチュエータ
BI・・・・・・・付勢力付与手段
LV・・・・・・・ストローク可変リンク機構

Claims (3)

  1. ピストン(11)とクランク軸(30)とを、ストローク可変リンク機構(LV)を介してコントロール軸(65)に連結し、このコントロール軸(65)をベーン式油圧アクチュエータ(AC)により駆動してストローク可変リンク機構(LV)を作動しピストン(11)の移動ストロークを可変とするストローク特性可変エンジンのアクチュエータ構造であって、
    前記ベーン式油圧アクチュエータ(AC)は、そのベーン軸(66)に作用する最大荷重の方向と反対方向の付勢力を、ベーン軸(66)に付与する付勢力付与手段(BI)を備え、
    前記ベーン式油圧アクチュエータ(AC)には、そのベーン軸(66)を所定角度範囲で回転駆動するための制御油室(86a)がベーン軸(66)の径方向に対向して設けられると共にベーン軸(66)内には、前記対向する制御油室(86a)に連通し得る連通油路(99)が径方向に設けられ、ベーン軸(66)の回転方向の限界位置の手前で、制御油室(86a)と連通油路(99)との連通状態が制限されることを特徴とする、ストローク特性可変エンジンのアクチュエータ構造。
  2. 前記対向する制御油室(86a)の一方側と前記連通油路(99)との連通状態が制限されているときに、制御油室(86a)の他方側と前記連通油路(99)との連通状態が維持されると共に、制御油室(86a)の他方側に油圧回路の油路が連通されていることを特徴とする、前記請求項1記載のストローク特性可変エンジンのアクチュエータ構造。
  3. 前記連通油路(99)の、前記対向する制御油室(86a)の一方側に連通する一方側連通通路半部(99A)と、前記連通油路(99)の、前記対向する制御油室(86a)の他方側に連通する他方側連通通路半部(99B)とを、各々直線状に形成すると共に一方側連通通路半部(99A)に対して、他方側連通通路半部(99B)が、ベーン軸(66)の中心部にて所定の角度で屈曲形成されていることを特徴とする、前記請求項2記載のストローク特性可変エンジンのアクチュエータ構造。
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