JP4810178B2 - 化粧シートの製造方法及び化粧シート - Google Patents
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Description
このような仕上げに用いる材料として、化粧シートが使用されるケースがある。この化粧シートは、各種着色材と合成樹脂等の結合剤とを含む組成物をシート状に成形した建材であり、着色材の種類や比率、表面の凹凸形状等を調整することによって種々の意匠性が表出できるものである。
例えば、特許文献1では、堆積岩割り肌状凹凸反転レリーフ模様を有する鋳型に、第1の塗布材を塗布し、凹凸反転レリーフ模様も凸部の上に塗布されている第1の塗布材の少なくとも一部又は全部を除去し、ついで前記第1の塗布材と異なる色調を有する第2の塗布材を塗布し、鋳型を取り外すことにより、堆積岩割り肌状凹凸模様を有する装飾材を製造する方法が記載されている。
このような方法では、天然堆積岩の割り肌面と同様のまたはそれに類似した深みや重厚性をかもしだすことのできる堆積岩割り肌状凹凸模様を有する装飾材を製造することができる。(段落0008記載。)
しかし、特許文献1の方法では、第1の塗布材を除去する工程が必須であり、簡便に製造できるとはいえない。また、より深みのある自然感・意匠感を表出するためには、さらなる改善の余地がある。
1.凹凸模様を有する型枠に、
合成樹脂を結合材とし、形成塗膜の隠蔽率が10%未満であるクリヤー塗料を、使用量50g/m2〜500g/m2で流し込む第一の工程、
該クリヤー塗料が硬化する前に、合成樹脂、着色顔料を含み、該着色顔料の顔料容積濃度が0.01%〜40%であるベース塗料を、使用量500g/m2以上で流し込む第二の工程、
クリヤー塗料及びベース塗料が硬化した後、脱型する第三の工程、
を含むことを特徴とする化粧シートの製造方法。
2.クリヤー塗料の粘度が、5.0Pa・s以下であることを特徴とする1.に記載の化粧シートの製造方法。
3.1.または2.に記載の製造方法により得られる化粧シート。
凹凸模様を有する型枠に、
合成樹脂を結合材とし、形成塗膜の隠蔽率が10%未満であるクリヤー塗料を、使用量50g/m2〜500g/m2で流し込む第一の工程、
該クリヤー塗料が硬化する前に、合成樹脂、着色顔料を含み、該着色顔料の顔料容積濃度が0.01%〜40%であるベース塗料を、使用量500g/m2以上で流し込む第二の工程、
クリヤー塗料及びベース塗料が硬化した後、脱型する第三の工程、
を含むことを特徴とするものである。
着色顔料の浸透の程度は、クリヤー塗料の硬化速度、着色顔料の粒子径、着色顔料の量等により決定され、それら調整することで、奥深い様々な美観性を表出することができる。
例えば、シリコンゴム、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
本発明で使用する型枠は、凹凸模様を有するものであり、最終的に化粧シートの凹凸模様を形成させるものである。凹凸の程度としては、特に限定されないが、その高さが0.5〜30mm程度(好ましくは、1〜20mm程度)であることが好ましい。またその間隔は、0.5〜30mm程度(好ましくは、1〜20mm程度)であることが好ましい。
例えば、シリコンゴムを用いた場合、凹凸模様を有する化粧建材を使用して、該化粧建材の表面にシリコンゴムを流し込み、シリコンゴムが硬化した後、該化粧建材の表面からシリコンゴムを剥離することにより、凹凸模様を有する型枠を簡便に作製することができる。
本発明では、特に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂等が好適に用いられる。
このような粘度であることにより、型枠の凹凸模様部に、該クリヤー塗料を流し込みやすく、該クリヤー塗料を流し込んだ際に、凹部ではその膜厚が極大、凸部ではその膜厚が極小となるように、膜厚が連続的に変化した状態で、塗膜を形成させることができる。
よって、最終的に脱型して得られる表面は、クリヤー塗膜の膜厚の連続した変化による色相の変化や、ベース塗膜の連続した色相の変化や、クリヤー塗膜中に浸透した着色顔料量による色相の変化などにより、奥深い美観性を表出することができる。
粘度が5.0Pa・sより大きい場合は、膜厚が連続的に変化した状態で形成されず、また着色顔料がクリヤー塗料中に浸透しにくく、単調な意匠となる可能性が高い。
また、クリヤー塗料は、使用量が、50g/m2〜500g/m2(好ましくは60g/m2〜300g/m2、さらに好ましくは80g/m2〜200g/m2)となるように流し込めばよい。
使用量が500g/m2より多いと、凹部、凸部とのクリヤー塗料から形成されるクリヤー塗膜の膜厚差が小さくなり、深みのある色彩が得られにくい。
本発明では、特に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂等が好適に用いられる。
ベース塗料の顔料容積濃度が、40%より大きい場合、クリヤー塗料へ着色顔料が浸透しすぎて、深みのある意匠感を表出すことが困難であり、化粧シートの強度等にも悪影響を与える可能性がある。0.01%より小さい場合、クリヤー塗料へと浸透していく着色顔料量が少なく、上記効果が得られにくい。
このようなベース塗料を流し込む方法としては、特に限定されず、通常行う方法を用いることができる。例えば、圧送式スプレーガン等を用いて流し込むこともできるし、フローコーター等を用いて流し込むこともできるし、刷毛、ローラー、スプレー、こて等の塗装器具を用いて塗装することもできる。
また、ベース塗料を流し込む前に、骨材等をクリヤー塗料の上に散布した後に、ベール塗料を流し込むこともできる。
ベース塗料の使用量は、500g/m2以上、好ましくは500g/m2〜10000g/m2、さらに好ましくは1000g/m2〜6000g/m2程度となるように流し込めばよい。
このような型枠を用いた製造方法では、クリヤー塗膜が最表面となる化粧シートが得られる。本発明の製造方法によれば、湿式工法等に比べて、塗料の垂れやピンホール等の問題が起こりにくく、また、熟練した技術を要しなくても、優れた美観性を簡便に得ることができる。また、型枠の凹凸模様は、凹凸による意匠感を表出するものであるが、クリヤー塗膜の艶消し効果等にも作用し、よりいっそう深みのある美観性を得ることができる。
また、本発明の化粧シートのベース塗膜側には、補強、平滑化等を目的として、補強層を設けることもできる。
砂岩調模様を有するシリコン型枠に、温度23℃の条件下で、表1に示すクリヤー塗料1を150g/m2流し込み、1分後、表1に示すベース塗料1を2000g/m2流し込み、24時間後、脱型して、砂岩調模様の化粧シートを得た。
得られた化粧シートは、凹凸感のある奥深い色調を有する深みのある美観性をかもし出していた。
砂岩調模様を有するシリコン型枠に、温度23℃の条件下で、表1に示すクリヤー塗料2を150g/m2流し込み、1分後、表1に示すベース塗料1を2000g/m2流し込み、24時間後、脱型して、砂岩調模様の化粧シートを得た。
比較例1では、クリヤー塗料の隠蔽率が本発明の規定から外れていたため、得られた化粧シートは、深みのある色調が表出できず、単調な意匠となってしまった。
また、各種クリヤー塗料の隠蔽率は、各種クリヤー塗料を試験紙の上に塗付厚(乾燥膜厚)が0.3mmとなるように塗付し、黒地上塗膜と白地上塗膜の視感反射率を色彩色差計「CR−300」(ミノルタ株式会社製)を用いて測定し算出した。結果は表1に示す。
また、ベース塗料の隠蔽率は、ベース塗料を試験紙の上に塗付厚(乾燥膜厚)が0.5mmとなるように塗付し、黒地上塗膜と白地上塗膜の視感反射率を色彩色差計「CR−300」(ミノルタ株式会社製)を用いて測定し算出した。結果は表1に示す。
Claims (3)
- 凹凸模様を有する型枠に、
合成樹脂を結合材とし、形成塗膜の隠蔽率が10%未満であるクリヤー塗料を、使用量50g/m2〜500g/m2で流し込む第一の工程、
該クリヤー塗料が硬化する前に、合成樹脂、着色顔料を含み、該着色顔料の顔料容積濃度が0.01%〜40%であるベース塗料を、使用量500g/m2以上で流し込む第二の工程、
クリヤー塗料及びベース塗料が硬化した後、脱型する第三の工程、
を含むことを特徴とする化粧シートの製造方法。 - クリヤー塗料の粘度が、5.0Pa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シートの製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載の製造方法により得られる化粧シート。
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JP2005293763A JP4810178B2 (ja) | 2005-10-06 | 2005-10-06 | 化粧シートの製造方法及び化粧シート |
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