JP4809076B2 - 冷凍システムおよび冷凍システムの運転方法 - Google Patents

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Description

この発明は、2つの冷凍サイクルを互いに熱交換させる二元冷凍サイクルにより冷凍機等の過冷却度を適正に制御して、能力やCOP(成績係数)を向上させる冷凍システムおよびその運転方法に関するものである。
従来から、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器が順に接続されて成る冷媒回路に過冷却熱交換器を有する過冷却装置を備えた冷凍装置が知られている。この冷凍装置の冷媒回路では、圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒が凝縮器で凝縮され、凝縮された冷媒は前記冷媒回路とは独立した冷熱源によって過冷却熱交換器で過冷却され、膨張弁で減圧され、蒸発器で蒸発した後、圧縮機に戻る冷媒循環が行われている。減圧過程はほぼ断熱変化とみなすことができるので、蒸発前の冷媒のエンタルピーは、過冷却後の冷媒のエンタルピーにほぼ等しくなる。したがって、これら冷凍サイクルを構成する蒸発器の入口側と出口側とでは、過冷却分だけ冷媒のエンタルピー差(エンタルピーの変化量)が増加する。過冷却装置を設けていない場合に比べて、室内熱交換器における冷媒の吸熱量が増加するので、冷凍装置の性能が向上する。(例えば特許文献1参照)
特開2005−233559号公報(図2、図3)
しかしながら、従来の過冷却装置では、外気条件等の冷凍装置の運転条件によっては、過冷却度を適正に制御することができず、能力やCOPを確実に向上させることができないという問題点がある。
また、冷凍装置の過冷却度を得るために温度検出手段を冷凍装置の配管に配置する必要性があるため、新設時あるいはリニューアル時の施工性が悪く、特にリモートコンデンサ型の冷凍装置の場合には、冷凍装置の凝縮器を室外に設置し過冷却熱交換器を機械室内に配置する必要があり、温度検出手段を機械室と室外間で配線しなければならないという問題点がある。
また、過冷却装置の冷却能力が過大な場合には、過冷却度が増大することで、冷凍装置の膨張弁出口の冷媒が液相になってしまい、蒸発器の伝熱性能が悪化してCOPが低下し、更に冷媒の流れがハンチングして冷凍サイクルの運転状態が不安定となってしまい、安定した運転が得られないという問題点がある。
本発明は、従来技術における上記問題を解決するためになされたものであり、冷凍装置等の過冷却度が常時適正な値になるように過冷却装置を制御するため、どのような運転条件でも安定した制御を行うことができ、省エネにすることができる冷凍システムを得ることを目的とする。
また、本発明は、冷凍装置等の過冷却度を過冷却装置の運転状態等から推測するため、温度検出手段を機械室と室外間で配線する必要が無く、過冷却装置設置時の施工が容易な冷凍システムを得ることを目的とする。
また、本発明は、冷凍装置等の膨張弁出口の冷媒が確実に二相状態になるように冷凍装置の運転状態に基づき過冷却装置の運転状態を制御することにより、冷凍装置等の運転状態を常時安定させることができるようになり、システムとして常時高効率な運転を行うことができるようにする冷凍システムの運転方法を得ることを目的とする。
本発明に係る冷凍システムは、
第一の圧縮機と第一の熱交換器と第一の絞り手段と第二の熱交換器とを有し内部に第一の冷媒を流通させる第一の冷凍サイクルと、
第二の圧縮機と第三の熱交換器と第二の絞り手段と第四の熱交換器とを有し内部に第二の冷媒を流通させる第二の冷凍サイクルと、
前記第一の冷凍サイクルの前記第一の圧縮機の低圧側の圧力を検出する第一の低圧検出手段または第一の冷凍サイクルの蒸発温度を検出する第一の蒸発温度検出手段と、
前記第一の低圧検出手段または前記第一の蒸発温度検出手段の検出値に基づき前記第一の冷凍サイクルの動作を制御する第一の制御手段と、
前記第二の冷凍サイクルの前記第二の圧縮機の低圧側の圧力を検出する第二の低圧検出手段または第二の冷凍サイクルの蒸発温度を検出する第二の蒸発温度検出手段と、
前記第二の低圧検出手段または第二の蒸発温度検出手段の検出値に基づき前記第二の冷凍サイクルの動作を制御する第二の制御手段と
を備え、
前記第四の熱交換器は、冷媒と冷媒との熱交換を行う冷媒−冷媒熱交換器であって、前記第一の冷凍サイクルの前記第一の熱交換器出口から前記第一の絞り手段入口までの流路のいずれかの位置に挿入し、前記第一の冷凍サイクルと前記第二の冷凍サイクルとが相互に熱交換可能なように構成し、
前記第一の冷凍サイクルの運転状態に基づいて、前記第二の冷凍サイクルの動作を制御するよう、前記第一の制御手段と前記第二の制御手段とを有線もしくは無線にて接続し、連携して制御できるように構成し、
前記第二の制御手段は、前記第二の冷凍サイクルの前記第二の低圧検出手段または前記第二の蒸発温度検出手段の検出値から、前記第一の冷凍サイクルの前記第四の熱交換器の出口側から前記第一の絞り手段入口までの流路のいずれかの位置の冷媒温度、または前記第一の熱交換器内を流れる二相冷媒の飽和温度と前記第一の冷凍サイクルの前記第四の熱交換器の出口側から前記第一の絞り手段入口までの流路のいずれかの位置の前記冷媒温度との温度差である過冷却度を演算する機能を備え、前記演算して求められた冷媒温度または過冷却度に基づいて前記第二の冷凍サイクルの動作を制御する。
本発明に係る冷凍システムは、第一の冷凍サイクルの運転状態に基づいて第二の冷凍サイクルの動作を制御することができるように、第一の制御手段と第二の制御手段とを有線もしくは無線にて接続し、連携して制御できるように構成しており、第一の冷凍サイクルの過冷却度が常時適正な値になるように第二の冷凍サイクルを制御することができるので、どのような運転条件でも安定した制御を行うことができ、省エネにすることができる冷凍システムを得ることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1を示す冷凍システムの冷媒回路図である。まずは、冷凍装置の動作について説明する。図において、1は冷蔵用または冷凍用圧縮機(第一圧縮機)、2は冷蔵用または冷凍用室外熱交換器(第一の熱交換器)、4は冷蔵用または冷凍用受液器、5a、5bは冷蔵用または冷凍用絞り手段(第一の絞り手段)、6a、6bは冷蔵用または冷凍用室内熱交換器(第二の熱交換器)であり、これらを冷媒配管13および14で接続して冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル(第一の冷凍サイクル)20を構成しており、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20内を流れる冷媒は、冷蔵用または冷凍用室外送風機3の作用によって冷蔵用または冷凍用室外熱交換器2にて室外空気に放熱し、冷蔵用または冷凍用室内送風機7a、7bの作用によって冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6bにて吸熱し室内に冷熱を供給している。
なお、図1においては、冷蔵用または冷凍用室外熱交換器2において冷媒が空気から吸熱する場合を示しているが、これに限るものではなく、水、冷媒、ブライン等から吸熱するように構成してもよい。また、冷蔵用または冷凍用室外送風機3はポンプ等でもよい。また、図1は室内機が2台の場合の構成例であるが3台以上の複数でもあるいは1台でもよく、それぞれの室内機の容量が大から小まで異なっていても、全てが同一容量でもよい。
42は室外の空気の温度を検出する室外空気温度検出手段、31は圧縮機1の吐出側の高圧圧力を検出する冷蔵用または冷凍用高圧圧力検出手段であり、室外空気温度検出手段42で検出される室外空気温度に基づき、冷蔵用または冷凍用高圧圧力が所望の範囲に収まるように制御装置(第一の制御手段)51は、冷蔵用または冷凍用室外送風機3の回転数を制御している。
32は圧縮機1の吸入側の低圧圧力を検出する冷蔵用または冷凍用低圧圧力検出手段(第一の低圧検出手段)であり、検出される低圧圧力に基づき、冷蔵用または冷凍用冷凍低圧圧力が所望の範囲に収まるように制御装置51は、冷蔵用または冷凍用圧縮機1の運転容量を制御している。
また、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の高圧、低圧の制御目標値は室外空気温度検出手段42、冷蔵用または冷凍用高圧圧力検出手段31、冷蔵用または冷凍用低圧圧力検出手段32の測定値に基づいて、制御装置51の演算部62にて演算され、記憶部61に記憶されている。
次に、過冷却装置の構成および動作について説明する。過冷却装置は、過冷却用圧縮機(第二の圧縮機)8と、過冷却用室外熱交換器(第三の熱交換器)9と、過冷却用絞り手段(第二の絞り手段)11と、過冷却用熱交換器(第四の熱交換器)12とが、冷媒配管で接続され、過冷却用冷凍サイクル(第二の冷凍サイクル)21を構成している。過冷却用冷凍サイクル21内を流れる冷媒は、過冷却用室外送風機10の作用によって過冷却用室外熱交換器9にて室外空気に放熱し、過冷却用熱交換器12にて冷凍用冷凍サイクル20内を流れる冷媒から吸熱し、冷凍用冷凍サイクル20内を流れる冷媒を冷却して過冷却度をつける作用をする。
なお、過冷却用冷凍サイクル21と前出の冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20とはそれぞれ独立した冷媒回路になっており、内部を流れる冷媒は同じ種類のものでもよいし、別の種類のものでも構わないが、それぞれ混ざることなく過冷却用熱交換器12にて互いに熱交換をして流れている。過冷却用絞り手段11は、毛細管等の安価な冷媒流量調節手段、あるいは電子膨張弁による緻密な流量制御手段のいずれを使用してもよい。
なお、図1においては、過冷却用室外熱交換器9において冷媒が空気から吸熱する場合を示しているが、これに限るものではなく、水、冷媒、ブライン等から吸熱するように構成してもよい。また、過冷却用室外送風機10はポンプ等でもよい。
43は室外の空気の温度を検出する室外空気温度検出手段、33は圧縮機8の吐出側の高圧圧力を検出する過冷却用高圧圧力検出手段であり、室外空気温度検出手段43で検出される室外空気温度に基づき、制御装置(第二の制御手段)52は、過冷却用高圧圧力が所望の範囲に収まるように過冷却用室外送風機10の回転数を制御している。
34は圧縮機8の吸入側の低圧圧力を検出する過冷却用低圧圧力検出手段(第二の低圧検出手段)であり、検出される低圧圧力に基づき、制御装置52は、過冷却用低圧圧力を所望の範囲に収まるように過冷却用圧縮機8の運転容量を制御している。
また、過冷却用冷凍サイクル21の高圧、低圧の制御目標値は室外空気温度検出手段43、過冷却用高圧圧力検出手段33、過冷却用低圧圧力検出手段34の測定値に基づいて、制御装置51の演算部64にて演算され、記憶部63に記憶されている。
なお、図1においては、過冷却用熱交換器12の冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20側の出口近傍には過冷却冷媒温度検出手段(冷媒温度検出手段)41が設置されている状態が図示されているが、ここでの説明においては過冷却冷媒温度検出手段(冷媒温度検出手段)41が設置されておらず、過冷却冷媒温度は後述のように演算処理等により求めるものとする。また、過冷却用熱交換器12の過冷却用冷凍サイクル21側の出口近傍には過冷却用熱交換器出口温度検出手段44が設置されている。この温度検出手段44は、冷媒配管に接するかあるいは冷媒配管内に挿入され、過冷却用冷凍サイクル21内の冷媒温度を検出しており、制御装置52は、過冷却用熱交換器12の冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20側の出口側の過冷却冷媒温度と、温度検出手段44の出力とに基づいて過冷却用絞り手段11の絞り量を調節して過冷却用熱交換器12に流入する冷媒の流量を制御することで、冷蔵用および冷凍用冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12での熱交換量を制御している。
図2は、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20と、過冷却用冷凍サイクル21の冷凍サイクルを、p−h線図中に表した図である。冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20において上記過冷却用熱交換器12での過冷却の作用がある場合のp−h線図を破線で示し、上記過冷却用熱交換器12での過冷却の作用がない場合のp−h線図を実線で示す。図2から分かるように、過冷却度が増加することによって、冷蔵用または冷凍用絞り手段5a、5b入口の冷媒の温度がTr1からTr2に低下し、冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6bの入口側と出口側ではこの温度差分だけ冷媒のエンタルピー差Δhが増加する。冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却度は、冷蔵用または冷凍用高圧圧力検出手段31から求められる凝縮温度から過冷却用熱交換器出口温度検出手段44の温度を減じて求めることができる。
この冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20では、過冷却用冷凍サイクル21が設置されていない場合に比べて、冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6bにおける冷媒の吸熱量が増加、すなわち、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の冷却能力が向上する。
また、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の冷却能力が向上する分、冷凍サイクルにおける冷媒の循環量を低減することができるので、冷媒の循環に用いられる動力が少なくて済む。このため、過冷却用冷凍サイクル21を設けると、過冷却用冷凍サイクル21を設けない場合に比べて冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20のCOPが高くなる。
また、過冷却用冷凍サイクル21を設けることで冷媒循環量が減り配管での圧損が減るため、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の配管サイズを小さくすることができ施工性が向上する。また、配管サイズが小さくなるため配管での熱損失が低減され性能が向上し、さらに充填冷媒量も減らすことができるため、製品コストが安価になる。
さらに、図2に示される冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の蒸発温度Ter0が低いほど、圧縮機吸入の冷媒の密度が小さいため、冷媒循環量が減り、また、圧縮比が増加することで圧縮機入力も増加するので、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20のCOPは低くなる。過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度Ter1はTer0よりも高いため、過冷却用冷凍サイクル21で過冷却をつけた運転の方が冷凍サイクルシステム全体のCOPが高くなる。
過冷却用冷凍サイクル21の冷凍能力は冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20に必要な能力増強分の過冷却をつけられる容量であればよいため、過冷却用冷凍サイクル21の圧縮機8の容量は冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20で使用する圧縮機1よりも小さいもので十分であり、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の圧縮機1の容量に対して、例えば20〜30%程度又はそれ以下の容量でよい。
また、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20において冷媒配管13と過冷却用熱交換器12とが、直列に設けられているので、延長配管の途中に過冷却用熱交換器を設置することができ、施工が容易である。また、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20と過冷却用冷凍サイクル21との冷媒回路が独立しているためトラブル発生時も他方の冷媒回路に影響を与えることなく、信頼性の高いシステムが実現できると共に、冷媒回路も複雑ではなく独立しているためメンテナンスが容易であり、メンテナンスコストも低減される。
また、通常の冷蔵用または冷凍用装置を構成する冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20とは別に過冷却用冷凍サイクル21を設けるだけでシステムが構成できるため、既設の冷蔵用または冷凍用装置をそのまま利用して、本発明にかかる冷凍システムを容易に構築することができる。
また、制御装置51と制御装置52とが、通信線53を介して相互の情報をやりとりすることができるので連携して制御を行うことが可能となるため、より高度な、より安定性の増した、省エネシステムが構築できる。
例えば、制御装置51から制御装置52へ冷蔵用または冷凍用圧縮機1のON/OFF状態を通信し、それに合わせて過冷却用圧縮機8のON/OFFタイミングを制御してやれば、過冷却用圧縮機8の無駄な運転がなくなるため、省エネとなる。また、冷蔵用または冷凍用圧縮機1の起動後、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の凝縮器2の出口冷媒が完全に液冷媒になるまで待ってから過冷却用圧縮機8を起動させることにより、過冷却用冷凍サイクル21の冷媒が過冷却用熱交換器12を通過する際に、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の熱を十分吸熱でき、蒸発することができるため、過冷却用冷凍サイクル21が安定して動作することができるようになり、システムの信頼性が増し、確実に省エネにすることができる。
また、過冷却用熱交換器12では、過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度と冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の液冷媒とが熱交換を行っており、過冷却用熱交換器12の性能から、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12出口の過冷却冷媒温度と過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度との温度差を、ある程度の精度で推測できることが分かっている。例えば、ある組み合わせにおいて、冷凍サイクル20が冷蔵用の場合には、冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12出口の過冷却冷媒温度は過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度に5℃を加えた値、冷凍サイクル20が冷凍用の場合は、冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12出口の過冷却冷媒温度は過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度に0℃を加えた値で推測できることがシミュレーションにより確認されている。従って、過冷却冷媒温度を一定値に制御する場合には、制御装置51と制御装置52とはON/OFF情報の伝達のみで動作させることができる。環境条件の変化その他の影響をより詳細に考慮し更に高性能化を図る場合には、制御装置51から制御装置52へ過冷却用冷凍サイクル21の低圧制御目標値または蒸発温度制御目標値(または過冷却度の目標値)を通信することで、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12出口の過冷却冷媒温度を常時最適値に制御することができるようになり、省エネ効果が高くなる。また、その過冷却冷媒温度を制御する際には、制御装置52が過冷却用冷凍サイクル21の過冷却用低圧圧力検出手段34の出力または過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度から、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12出口の過冷却冷媒温度又は冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却度を求めて、過冷却用熱交換器12出口の過冷却冷媒温度を最適値に制御することにより精度の高い制御が可能になる。
また、制御装置51から制御装置52へ、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却冷媒温度の制御目標値または過冷却度の制御目標値を通信することで、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6bの入口の冷媒が確実に二相となるように、過冷却用冷凍サイクル21の圧縮機8の運転容量を制御することができる。これにより、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の安定した運転が行えると共に、熱交換器全域で熱伝達率が高くなり、冷却能力とCOPを確実に向上できる。また、過冷却冷媒温度の測定値または過冷却冷媒温度の制御目標値の通信値をトリガーとして過冷却用圧縮機8をON/OFFさせることも可能である。
次に、適正な過冷却度の制御方法について冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル制御フローチャート図3および過冷却用冷凍サイクル制御フローチャート図4を用いて説明する。
図3は、冷蔵用または冷凍用制御装置51が行っている制御動作である。まず、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の通常運転時の目標低圧圧力Psrmを読み込む(ST101)。次に、低圧圧力検出手段32によりPsrを測定し(ST102)、低圧圧力測定値Psrが目標低圧圧力Psrmに近づくように、圧縮機1の運転容量を制御する(ST103)。
次に、過冷却冷媒温度Tr2の制御目標温度Tr2mを低圧圧力目標値Psrmより演算する(ST104)。そして、冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6b入口の冷媒が二相になるように、過冷却冷媒温度Tr2の制御目標温度Tr2mを設定、制御することにより、安定した運転が行えると共に、熱交換器全域で熱伝達率が高くなり、冷却能力とCOPを確実に向上できる。
実際には、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の絞り手段5a、5b出口から圧縮機1の吸入に至るまでに圧損があるため、これを考慮して、過冷却冷媒温度の目標値Tr2mを設定することで、確実に二相冷媒で冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6bに流入させることができ、熱交換効率が向上する。
また、冷蔵用または冷凍サイクル20の冷媒が非共沸混合冷媒の場合には、二相では同じ圧力であっても乾き度によって温度が異なるため、非共沸混合冷媒の特性の違いによる温度差を考慮して過冷却冷媒温度の目標値Tr2mを設定することで、確実に二相冷媒で冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6bに流入させることができ、熱交換効率が向上する。
冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の冷却能力に対して冷却負荷が小さい場合には、発停によるエネルギー損失が増加する。そこで、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の運転状態より冷却負荷に対する冷却能力を推測し、過冷却用冷凍サイクル21の稼動要求レベルを設定し、そのレベルに応じて、過冷却用冷凍サイクル21の過冷却冷媒温度の目標値Tr2m(過冷却度の目標値)を補正する(ST105)。稼動要求レベルとは過冷却用冷凍サイクル21の稼動の必要性を表す指標であり、冷却負荷に対して冷却能力が過剰な場合には、過冷却用冷凍サイクル21を稼動する必要性がなく、稼動要求レベルが低い状態を示す。過冷却要求レベルが小さい場合には、過冷却度の目標値を上げ、冷却能力を小さくすることで、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20のON/OFFによるエネルギー損失が低減され、冷却対象の庫内温度が安定する。稼動要求レベルは、例えば、冷蔵用または冷凍用圧縮機1の運転率や冷蔵用または冷凍用室外空気温度検出手段42もしくは過冷却用室外空気温度検出手段43より測定される外気温度などから冷却負荷を推測して決定する。なお、稼動要求レベルは段階的に変えてもよいし、リニア(直線的)に変えてもよい。
また、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20において、過冷却用熱交換器12出口から冷蔵用または冷凍用絞り手段5a、5b入口に至る配管が周囲空気と断熱されていないかあるいは断熱が十分でない場合には、過冷却冷媒温度Tr2が0℃以下になると配管が凍結する。配管の表面が凍結すると、配管の伝熱面積が増加するため熱損失が増加し性能が低下し、更に氷が溶けたときに機械室や室内に水が落ち機器信頼性上の問題が生じる。このため、過冷却冷媒温度の目標値Tr2mを0℃以上とし、配管の凍結を防止することで過冷却後の配管の熱損失による性能低下を防ぎ信頼性の高いシステムが構築できる。もちろん、過冷却用熱交換器12を冷蔵用または冷凍用絞り手段5a、5bに出来るだけ近いところに配置することで過冷却後の配管での熱損失を最小に抑えることが可能である。
次に、冷媒が過冷却されると冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6bでの冷却能力が大きくなるが、冷却負荷は変わらないため、そのままにしておくと冷蔵用または冷凍用圧縮機1のON/OFFが発生してしまい、効率が悪くなってしまう。そこで、冷蔵用または冷凍用圧縮機1の制御目標である目標低圧圧力Psrmを過冷却度に応じて変化させる(ST106)。例えば、過冷却度が5℃以下、5〜10℃、10〜15℃、15℃以上などの区分にし、それぞれの目標低圧圧力Psrmを変化させる。このようにすることで冷凍能力が増加し圧縮機1のON/OFFが増えるのを防止するとともに、低圧制御目標が高くなるため圧縮機1の周波数も低下し、より効率の高い、エネルギーの少ない運転が可能になる。なお、目標低圧圧力Psrmは段階的に変えてもよいし、低圧制御目標値の増加量を、リニアに過冷却度から直接演算してもよい。
なお、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却度は、冷蔵用または冷凍用高圧圧力検出手段31の出力から演算した凝縮温度と、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の熱交換器12の出口温度である過冷却冷媒温度との温度差で求められる。冷蔵用または冷凍用高圧圧力検出手段31の出力を演算して凝縮温度を求める代わりに、冷蔵用または冷凍用室外熱交換器2の配管に温度検出手段(図示せず)を設け、凝縮温度を直接検出できるようにしてもよい。
なお、低圧圧力と圧縮機周波数の関係や凝縮器の熱交換性能を予め記憶しておけば、精度は悪いが過冷却度をある程度推測することができ、冷蔵用または冷凍用高圧圧力検出手段31が無くても同様のシステムを構成でき、同様の効果を奏する。また、過冷却用冷凍サイクル21に関しても同様のことが言え、高圧圧力検出手段33がなくても同様のシステムを構成でき、同様の効果を奏する。
また、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の蒸発温度を検出する手段(第一の蒸発温度検出手段)は、冷蔵用または冷凍用低圧圧力検出手段32から演算して求めるものとしたが、冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6bの配管に温度検出手段(図示せず)を取り付け、直接蒸発温度を検出できるようにしてもよい。
図4は、過冷却用制御装置52が行っている制御動作である。冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル制御フローチャートで演算された過冷却冷媒温度の制御目標値Tr2m(または過冷却度の目標値)を読み込む(ST201)。この値は冷蔵用または冷凍用制御装置から通信線53を介して渡される。過冷却冷媒温度Tr2が制御目標値Tr2m(または過冷却度の目標値)に近づくように過冷却用圧縮機8の運転容量を制御する(ST202)。この過冷却冷媒温度Tr2は、上述のように、過冷却用冷凍サイクル21の過冷却用低圧圧力検出手段34の出力または過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度から得られる。
過冷却用絞り手段11は、過冷却用熱交換器12の過冷却用冷凍サイクルの出口側で過熱度がつくように絞り量を制御する(ST203)。過冷却用熱交換器12出口の過熱度は、過冷却用圧縮機8の低圧圧力検出手段34から演算して求まる蒸発温度と過冷却用熱交換器出口温度検出手段44にて測定される温度との温度差から求まる。
過熱度を適正な値、例えば3℃に制御することで、過冷却用圧縮機8の手前で確実に冷媒を蒸発させて、圧縮機8の信頼性を確保できる。また、過冷却用熱交換器12の全域に渡って冷媒が二相となるため、熱交換効率が向上しCOPが向上する。
なお、上記過熱度を制御するために、吐出温度検出手段(図示せず)を過冷却用圧縮機8から過冷却用室外熱交換器9入口に至る配管に設け、過冷却用冷凍サイクル21の高圧圧力、低圧圧力および図2のp−h線図上の圧縮過程の傾きから、上記過熱度を適性値にするような圧縮機8の吐出温度の目標値を演算し、上記吐出温度検出手段の測定値が目標値に近づくように過冷却用絞り手段11の開度を調節してもよい。
なお、過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度を検出する手段(第二の蒸発温度検出手段)は、過冷却用低圧圧力検出手段34から演算して求めるものとしたが、過冷却用熱交換器12の配管に温度検出手段を設け、直接蒸発温度を検出できるようにしてもよい。
なお、図3と図4の制御フローチャートは、それぞれ別の基板上に記憶されていると、汎用的なシステムが構成できるというメリットがあるが、1つの基板上に記憶されていても同様の動作が可能なのは言うまでもなく、その場合は基板間の通信がいらなくなり、より簡素かつ応答性の速いシステムになる。また、別基板で持っている場合、ここで挙げた通信項目は、最低限動作するのに必要な項目であり、これに限らずより多くの通信を行う方がより高度な、より安定性の増した、省エネシステムが構築できる。また、基板間の通信は接点による通信、シリアルによる通信、その他どんな方法でもよい。
また、本実施の形態では冷蔵用または冷凍用冷凍サイクルの制御装置51と過冷却用冷凍サイクルの制御装置52との間で通信線53を介して信号をやりとりしている場合を例に説明を行ったが、冷凍装置に通信線53の接続口がなく信号のやりとりが不可能な場合でも、例えば、過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度の目標値を例えば0℃に固定し、低圧圧力の低圧カット値を設けて過冷却装置を停止することで、省エネ性能は多少悪くなるが、省エネシステムが構築できる。
なお、本実施の形態では、庫内を所定の温度まで冷却する冷蔵用および冷凍用冷凍サイクルに本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、空調機等その他の冷凍装置に対しても適用可能である。冷蔵用および冷凍用冷凍サイクルに対して適用した場合には、蒸発温度が低いため(例えば−10℃)、蒸発温度の高い運転が可能な過冷却用冷凍サイクルと組み合わせた場合に、システム全体としてより省エネ効果が高くなるという効果がある。
なお、図2では、説明を分かりやすくするため、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクルの冷媒と過冷却用冷凍サイクルの冷媒とが同じ冷媒である場合を例に説明を行ったが、それぞれ利用温度帯が異なり、各温度帯に適した別々の冷媒を使用することもでき、同様の省エネ効果を得ることができる。冷媒としては、R410A、R407C、R404Aなどのフロン系の冷媒やCO2やプロパンなどの自然冷媒や、その他の冷媒が使用できるが、どれもこれに限ったものではなく、どんな冷媒の組み合わせでもよい。また、それぞれの冷凍サイクルが独立しているため、冷凍機油もそれぞれの冷凍サイクルに適した冷凍機油を使用することができ、それぞれ異なった冷凍機油を使用しても一向に構わない。
また、上記の説明においては、過冷却冷媒温度検出手段(冷媒温度検出手段)41が設置されていないものとして説明したが、仮に、リモートコンデンサ型の冷凍装置ではない場合には、過冷却冷媒温度検出手段41を機械室と室外間で配線しなければならないというような制約がないことから、そのような場合には過冷却冷媒温度検出手段41を設置してもよく、この温度検出手段41の出力により冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12出口の過冷却冷媒温度を検出することができ、上記のように過冷却用冷凍サイクル21の過冷却用低圧圧力検出手段34の出力または過冷却用冷凍サイクル21の蒸発温度から求める必要がなくなる。そして、このようにした場合には、制御装置52は本発明の第二の制御手段の他に、本発明の制御手段としても機能する。過冷却冷媒温度検出手段41を設置した場合には冷蔵用又は冷凍用冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12の出口側から冷蔵用又は冷凍用絞り手段5a,5bの入口までの間の過冷却冷媒温度が高精度に検出され、制御装置52は検出された過冷却冷媒温度が過冷却冷媒温度の目標値になるように過冷却用冷凍サイクル21を制御するので、どのような運転条件でも安定した制御を行うことができ、省エネにすることができる冷凍システムを得ることができる。なお、温度検出手段41は、温度検出手段44と同様に冷媒配管に接するかあるいは冷媒配管内に挿入される。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について図を参照して説明するが、上記の実施の形態1と同一部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5は実施の形態2を示す冷凍システムの冷媒回路図である。この冷凍システムは、図5に示されるように、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクルの圧縮機1、受液器4が機械室A等に設置されているリモートコンデンサ型の冷凍装置の場合の構成例である。冷蔵用または冷凍用室内熱交換器6a、6bは室内に設置され、冷蔵用または冷凍用絞り手段5a、5bは機械室と室内との間に設置されている。図5では過冷却用室外熱交換器9の出口温度を測定する過冷却用室外熱交換器出口温度検出手段45が設けられている。
この場合、過冷却用冷凍サイクル21は、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20に過冷却をつける作用をするため、受液器4と冷蔵用または冷凍用絞り手段5a、5bとの間の流路に設置する必要があり、配管を一旦室外側にまで引き出すのは施工面で煩雑になるため、過冷却用熱交換器12は受液器4の出口の機械室A内に設置するのが望ましい。
過冷却用熱交換器12が機械室Aにある場合に、図1のように構成すると、過冷却冷媒温度検出手段41を屋内まで引き伸ばし機械室と室外間で配線する必要が生じてしまうが、図5のように構成すれば、機械室−室外間での配線が必要なくなり、施工が容易になる。ただし、この場合、過冷却用冷凍サイクル21に具備している検出手段の検出値から、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却度を推測する必要がある。以下、その推測方法について述べる。
過冷却用熱交換器12での過冷却用冷凍サイクルの吸熱量Qe[W]は次式(1)で表せる。
[数1]
Qe=Gre×(Hs−Hco) ・・・(1)
ここで、Greは過冷却用冷媒の質量流量[kg/s]であり、過冷却用圧縮機8の運転周波数と、過冷却用高圧圧力検出手段33によって測定される高圧圧力と、過冷却用低圧圧力検出手段34によって測定される低圧圧力と、あらかじめ過冷却用制御装置記憶部63に記憶された過冷却用圧縮機8の圧縮機性能との関係から求めることができる。Hsは過冷却用冷凍サイクル21の圧縮機吸入のエンタルピー[J/kg]であり、過冷却用低圧圧力検出手段34によって測定される低圧圧力と、過冷却用熱交換器出口温度検出手段44によって測定される温度から演算し求めることができる。Hcoは過冷却用室外熱交換器9の出口のエンタルピー[J/kg]であり、過冷却用室外熱交換器出口温度検出手段45によって測定される温度から演算し求めることができる。
一方、過冷却用熱交換器12での冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の放熱量Qr[W]は次式(2)で表せる。
[数2]
Qr=Grr×(Hsci−Hsco) ・・・(2)
ここで、Grrは冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の冷媒の質量流量[kg/s]であり、冷蔵用または冷凍用圧縮機1の運転周波数と、冷蔵用または冷凍用高圧圧力検出手段31によって測定される高圧圧力と、冷蔵用または冷凍用低圧圧力検出手段32によって測定される低圧圧力と、あらかじめ冷蔵用または冷凍用制御装置記憶部61に記憶された冷蔵用または冷凍用圧縮機1の圧縮機性能との関係から求めることができる。Hsciは冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12入口のエンタルピー[J/kg]であり、冷蔵用または冷凍用高圧圧力検出手段31によて測定される高圧圧力から演算し求まる凝縮温度の飽和エンタルピーと等しいため求めることができる。Hscoは冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12出口のエンタルピー[J/kg]であり、過冷却後の冷媒の温度によって決まる値である。
定常状態では、Qe=Qrの関係が成り立つため、式(1)、式(2)よりHscoについて解くと式(3)式で表せる。ここで、式(3)の右辺の各値は冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20に具備している検出手段の測定値と、過冷却用冷凍サイクル21が具備している検出手段による測定値から演算し求まるため、Hscoを求めることができる。
[数3]
Hsco=Hsci−Gre/Grr×(Hs−Hco)・・・(3)
例えばR404A冷媒の場合には、液のエンタルピーH[J/kg]と冷媒温度T(℃)の関係は式(4)で近似できるため、Hscoを式(4)のHに代入することで、過冷却後の冷媒温度Tr2が求まる。
T=000697×H−139.97 ・・・(4)
制御装置52は、このように、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20に具備している検出手段31,32の測定値(これらの測定値は通信線53を介して制御装置51から取り込む)と、過冷却用冷凍サイクル21に具備している検出手段33,34,44,45の測定値により、冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル20の過冷却用熱交換器12出口の過冷却冷媒の温度を推測し、その過冷却冷媒温度に基づいて、上記の実施形態1の場合と同様に、冷蔵または冷凍用室内熱交換器6a,6bの入り口の冷媒が二相となるように過冷却用圧縮機8と過冷却用絞り手段11とを制御することで、実施の形態1の効果を保有しつつ、上記の実施の形態1での過冷却冷媒温度検出手段41を機械室と室外間で配線する必要がなくなり、施工が容易になる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について図を参照して説明するが、実施の形態1と同一部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図6は本発明の実施の形態3を示す冷凍システムの冷媒回路図である。この冷凍システムにおいて、過冷却用室外熱交換器9は冷蔵用または冷凍用室外熱交換器2と近接して設置され、冷蔵用または冷凍用室外送風機3は過冷却用室外熱交換器9と冷蔵用または冷凍用室外熱交換器2とに同時に空気を送り込む。そして、冷蔵用または冷凍用制御装置(制御手段)51は、過冷却冷媒温度検出手段41の検出温度に基づき、冷蔵または冷凍用室内熱交換器6a,6bの入り口の冷媒が二相となるように過冷却用圧縮機8と過冷却用絞り手段11とを制御する。
過冷却用室外熱交換器9と冷蔵用または冷凍用室外熱交換器2とは、互いに伝熱管は共有しないが、熱交換器の形態がプレートフィンチューブの場合は、フィンが互いに共有されていても良く、これにより近接設置に比べて更に冷媒配管同士の熱交換性能が向上する。
前記のような構成とすることで、冷凍サイクルのシステムをコンパクトにでき、過冷却用室外熱交換器9と冷蔵用または冷凍用室外熱交換器2の送風動力が冷蔵用または冷凍用室外送風機3の1台で済むため、送風機の動力が低減され、システムの効率向上、すなわち省エネが実現できる。なお、本発明の実施の形態3の過冷却用室外熱交換器9と冷蔵用または冷凍用室外熱交換器2の構成は上記の実施の形態1及び2にも同様に適用される。また、本実施の形態3において、上記の実施の形態2の例と同様に、過冷却冷媒温度検出手段41の設置を省略して、過冷却冷媒温度を演算して求めるようにしてよい。その場合には、上記のように、機械室−室外間での配線が必要なくなり、施工が容易になる。
本発明の実施の形態1を示す冷凍システムの冷媒回路図である。 本発明の実施の形態1を示すp−h線図である。 本発明の実施の形態1を示す冷蔵用または冷凍用冷凍サイクルの制御フローチャートである。 本発明の実施の形態1を示す過冷却用冷凍サイクルの制御フローチャートである。 本発明の実施の形態2を示す冷凍システムの冷媒回路図である。 本発明の実施の形態3を示す冷凍システムの冷媒回路図である。
符号の説明
1 冷蔵用または冷凍用圧縮機、2 冷蔵用または冷凍用室外熱交換器、3 冷蔵用または冷凍用室外送風機、4 冷蔵用または冷凍用受液器、5a、5b 冷蔵用または冷凍用絞り手段、6a、6b 冷蔵用または冷凍用室内熱交換器、7a、7b 冷蔵用または冷凍用室内送風機、8 過冷却用圧縮機、9 過冷却用室外熱交換器、10 過冷却用室外送風機、11 過冷却用絞り手段、12 過冷却用熱交換器、13 冷媒配管、14 冷媒配管、20 冷蔵用または冷凍用冷凍サイクル、21 過冷却用冷凍サイクル、31 冷蔵用または冷凍用高圧圧力検出手段、32 冷蔵用または冷凍用低圧圧力検出手段、33 過冷却用高圧圧力検出手段、34 過冷却用低圧圧力検出手段、41 過冷却冷媒温度検出手段、42 冷蔵用または冷凍用室外空気温度検出手段、43 過冷却用室外空気温度検出手段、44 過冷却用熱交換器出口温度検出手段、45 過冷却用室外熱交換器出口温度検出手段、51 冷蔵用または冷凍用制御装置、52 過冷却用制御装置、53 通信線、61 冷蔵用および冷凍用制御装置記憶部、62 冷蔵用および冷凍用制御装置演算部、63 過冷却用制御装置記憶部、64 過冷却用制御装置演算部、A 機械室。

Claims (10)

  1. 第一の圧縮機と第一の熱交換器と第一の絞り手段と第二の熱交換器とを有し、内部に第一の冷媒を流通させる第一の冷凍サイクルと、
    第二の圧縮機と第三の熱交換器と第二の絞り手段と第四の熱交換器とを有し、内部に第二の冷媒を流通させる第二の冷凍サイクルと、
    前記第一の冷凍サイクルの前記第一の圧縮機の低圧側の圧力を検出する第一の低圧検出手段または第一の冷凍サイクルの蒸発温度を検出する第一の蒸発温度検出手段と、
    前記第一の低圧検出手段または前記第一の蒸発温度検出手段の検出値に基づき前記第一の冷凍サイクルの動作を制御する第一の制御手段と、
    前記第二の冷凍サイクルの前記第二の圧縮機の低圧側の圧力を検出する第二の低圧検出手段または第二の冷凍サイクルの蒸発温度を検出する第二の蒸発温度検出手段と、
    前記第二の低圧検出手段または第二の蒸発温度検出手段の検出値に基づき前記第二の冷凍サイクルの動作を制御する第二の制御手段と、
    を備え、
    前記第四の熱交換器は、冷媒と冷媒との熱交換を行う冷媒−冷媒熱交換器であって、前記第一の冷凍サイクルの前記第一の熱交換器出口から前記第一の絞り手段入口までの流路のいずれかの位置に挿入し、前記第一の冷凍サイクルと前記第二の冷凍サイクルとが相互に熱交換可能なように構成し、
    前記第一の冷凍サイクルの運転状態に基づいて、前記第二の冷凍サイクルの動作を制御するよう、前記第一の制御手段と前記第二の制御手段とを有線もしくは無線にて接続し、連携して制御できるように構成し、
    前記第二の制御手段は、前記第二の冷凍サイクルの前記第二の低圧検出手段または前記第二の蒸発温度検出手段の検出値から、前記第一の冷凍サイクルの前記第四の熱交換器の出口側から前記第一の絞り手段入口までの流路のいずれかの位置の冷媒温度、または前記第一の熱交換器内を流れる二相冷媒の飽和温度と前記第一の冷凍サイクルの前記第四の熱交換器の出口側から前記第一の絞り手段入口までの流路のいずれかの位置の前記冷媒温度との温度差である過冷却度を演算する機能を備え、前記演算して求められた冷媒温度または過冷却度に基づいて前記第二の冷凍サイクルの動作を制御することを特徴とする冷凍システム。
  2. 前記第一の冷凍サイクルの前記第一の圧縮機のON/OFF状態に基づき、前記第二の圧縮機のON/OFFタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の冷凍システム。
  3. 前記二の制御手段は、前記第二の圧縮機を前記第一の圧縮機に対して遅延して起動させることを特徴とする請求項2に記載の冷凍システム。
  4. 前記第一の制御手段から前記第二の制御手段に対し、前記第二の冷凍サイクルの低圧制御目標値または蒸発温度制御目標値を送信することを特徴とする請求項1に記載の冷凍システム。
  5. 前記第一の制御手段から前記第二の制御手段に対し、前記第一の冷凍サイクルの前記冷媒温度検出値または演算値の制御目標値、または前記第一の熱交換器内を流れる二相冷媒の飽和温度と前記第一の冷凍サイクルの前記第四の熱交換器の出口側から前記第一の絞り手段入口までの流路のいずれかの位置の冷媒温度との温度差である過冷却度の制御目標値を送信することを特徴とする請求項2に記載の冷凍システム。
  6. 前記第一の熱交換器と前記第三の熱交換器は同一の熱源の流路に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の冷凍システム。
  7. 前記第二の冷凍サイクルの冷却能力が前記第一の冷凍サイクルの冷却能力よりも低いことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の冷凍システム。
  8. 前記第二の冷凍サイクルの蒸発温度または低圧が前記第一の冷凍サイクルの蒸発温度または低圧よりも高い状態で運転することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の冷凍システム。
  9. 前記第二の熱交換器入口の冷媒が二相となるように前記第二の冷凍サイクルを制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の冷凍システムの運転方法。
  10. 前記冷媒温度が0℃以上となるように制御することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の冷凍システムの運転方法。
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