JP4806551B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子、発泡成形品及び食品包装体 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子、発泡成形品及び食品包装体 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて製造される予備発泡粒子、発泡成形品及び該発泡成形品からなる容器に食品を包装した食品包装体に関する。
従来から、スチレン系樹脂粒子中に発泡剤を含浸させてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて予備発泡粒子を製造し、この予備発泡粒子を成形機の成形型内に充填した上で加熱、発泡させて互いに融着一体化させて所望形状を有する発泡成形容器を製造していた。
上述のように、発泡成形容器は、予備発泡粒子自身の発泡圧力によって、予備発泡粒子が発泡してなる発泡粒子同士を熱融着一体化してなるものであるが、発泡粒子同士は、これら発泡粒子同士の接触部分において全面的に熱融着しているものではなく、部分的にしか熱融着一体化していない。
従って、発泡成形容器は、たとえ発泡粒子同士が良好な状態、即ち、発泡成形容器の断面において発泡粒子の表面同士が目視にて完全に熱融着一体化した状態であっても、発泡粒子同士の接触部分における非熱融着部分に起因する隙間が内外方向に連続することによって、目視では確認できないような微細な毛細管が発泡成形容器の内外面間に亘って貫通した状態に形成されている。
このことは、発泡成形容器内に界面活性剤を含有する染料水を入れて所定時間に亘って放置すると、発泡成形容器内の染料水が発泡粒子間にできた毛細管を通じて外部に滲み出てくる現象が生じることから確認することができる。
そして、このような発泡成形容器をコーヒーのような飲料用カップとして用いる場合には実用上において何ら支障は生じないものの、発泡成形容器内に油性食品類、例えば、ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキン、マーガリンなどのサラダ油、油脂などを含有する食品を長期間に亘って保存しておくと、これら油性食品類に含有されていた油分が発泡成形容器に形成された毛細管を通じて外部に滲み出してくるといった問題点があった。
同様に、発泡成形容器内に、即席麺と共にカレー粉を含有するかやく類を収納して保存しておくと、カレー粉の黄色色素が発泡成形容器の毛細管を通じて発泡成形容器外面に滲み出し、商品価値が損なわれるといった問題点があった。
そこで、特許文献1には、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面が表皮層で被覆されており、この表皮層は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、ステアリン酸亜鉛0.3〜0.6質量部と、重量平均分子量が100〜600であるポリエチレングリコールを20〜50質量%含有するポリエチレングリコール水溶液0.1〜0.4質量部とからなることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が提案されている。
しかしながら、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形して得られた発泡成形品は、ある程度の油分滲み出し防止効果は見られるものの、成形体に油分の耐性が不足しているために、長期間の保管においては油分の滲み出し防止には不十分であった。
ポリスチレン系樹脂粒子において、ある程度の耐油性を付与するには、ポリスチレン系樹脂に架橋構造を持たせる方法が挙げられる。成形品からの油分の滲み出し防止を直接的な目的で行ってはいないが、従来よりポリスチレン系樹脂粒子に架橋構造を持たせる試みは行われている。
特許文献2には、ポリエチレン系樹脂と混合成形できる発泡性ポリスチレン系樹脂の製造を目的として、ジビニルベンゼン0.05〜1.0質量%とスチレンモノマー99.95〜99.0質量%からなる重合性モノマー混合物を、発泡性ポリスチレン粒子を懸濁させた水性媒体中に、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が90〜50質量%、前記重合性モノマー混合物が10〜50質量%となるように徐々に添加し、重合触媒の存在下にて重合せしめることにより、発泡性ポリスチレンの表面にスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を形成する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法が提案されている。
この方法は、表層部分に架橋構造を持たせることはできるが、発泡剤によりポリスチレン系樹脂が膨潤されており、ここに架橋性単量体を含むスチレンモノマーを含ませる際に、比較的粒子中心部までスチレンモノマーが浸透してしまい、粒子表層部より架橋度合は低いものの、粒子内部も架橋構造となる。
カップ麺の包装容器として通常用いているような粒子径が小さい樹脂粒子であると、より顕著に粒子内部まで架橋が進行する。このような粒子の発泡能力を維持するには、未反応分のスチレンモノマーなど溶剤となり得る成分がなければ、良好な発泡能力を有しない。しかしながら、溶剤成分を多く含んだものは、食品を内包する容器としては不向きである。
また、特許文献3には、カップ成形品の強度を向上させる目的で、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体で変性されたスチレン系重合体ビーズが提案されている。しかしながら、この方法では成形品の強度は向上するものの、粒子全体が比較的均一に架橋構造により変性されているため、発泡能力に乏しく、良好な外観の成形品を得るのに余分な加熱が必要となり、生産性を損なうものであった。
また、特許文献4では、スチレン系重合体種粒子を含む水性懸濁液にスチレン系単量体と重合開始剤とを連続的にまたは断続的に添加することにより、該スチレン系重合体種粒子に該スチレン系単量体を重合させて、スチレン系重合体粒子を得、該スチレン系重合体粒子に易揮発性発泡剤を含浸させる発泡性ポリスチレン系重合体粒子の製造方法であって、前記スチレン系重合体種粒子の量と目的とするスチレン系重合体粒子を得るために必要なスチレン系単量体の量との合計量を100質量部とするとき、該スチレン系重合体種粒子の量と添加したスチレン系単量体との合計が90質量部になったときから該スチレン系単量体の添加が終了し、重合反応が完結するまでの間に、該合計量100質量部に対して0.005〜0.02質量部の架橋性単量体を添加する発泡性ポリスチレン系重合体粒子の製法(シード重合法)が開示されている。
しかしながら、前記製造方法によって製造された発泡性ポリスチレン系重合体粒子は、該発泡性ポリスチレン系重合体粒子を用いて得られた発泡成形品の予備発泡粒子同士の間隙を塞ぐのには効果があるものの、上述したような、油分や黄色色素が発泡成形容器に形成された毛細管を通じて外部に滲み出してくるという問題点に対しては、油分への耐性が不足しているために十分な解決をもたらすものではなかった。
特開2005−8797号公報 特公昭48−44656号公報 特開昭62−181344号公報 特開平9−221563号公報
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、発泡成形容器において油分や黄色色素の滲み出しが発生した場所では、発泡粒子の熱融着部分が波打って皺になっており、油分や黄色色素によって変質されている一方、油分や黄色色素の滲み出しが発生していない部分では、発泡粒子の熱融着部に波打ち現象は発生しておらず、ゆがみのない状態であり、油分や黄色色素によって変質されていないことを知見した。さらに、発泡成形容器において油分や黄色色素の滲み出しを防止するには、発泡成形品の耐油性、特に、発泡成形品の発泡粒子同士の熱融着部分の耐油性を向上させることが必要であることを見出した。
本発明は、食品などに含まれた油分やカレー粉などの色素を長期間に亘って内部に保存し、或いは界面活性剤などを含む液体を所定時間に亘って内部に収容した場合であっても外部に滲み出すことがない発泡成形品を得ることができ、且つ発泡性に優れた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、並びに該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて製造される発泡成形品、及び該発泡成形品からなる容器に食品を包装した食品包装体を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、架橋性単量体とスチレン系単量体を重合させて形成された表層が設けられ、これらに易揮発性発泡剤が含浸されてなる発泡成形用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
該樹脂粒子をテトラヒドロフランに飽和膨潤させた時の表層厚みが3〜100μmの範囲であり、且つテトラヒドロフラン不溶ゲル分が該樹脂粒子全体量に対して10〜40質量%の範囲であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子を提供する。
また本発明は、スチレン系樹脂からなる種粒子100質量部を水性媒体中に分散させた後、この分散液中に前記種粒子100質量部に対し15〜25質量部のスチレン系単量体、および0.03〜1.0質量部の架橋性単量体を添加して、前記種粒子に吸収、重合させてスチレン系樹脂粒子を得た後に、易揮発性発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法であって、重合途中での成長粒子中におけるスチレン系樹脂の割合を80〜96質量%の範囲として請求項1に記載された発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
また本発明は、前記本発明に係る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子を提供する。
また本発明は、前記本発明に係る予備発泡粒子を発泡成形させて得られたことを特徴とする発泡成形品を提供する。
また本発明は、前記本発明に係る発泡成形品からなる容器内に、油性食品又は食用油脂と色素とを含む食品が包装されてなる食品包装体を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、予備発泡させて得られた予備発泡粒子を発泡成形して得られる発泡成形品内に油分を含んだ食品を長期間に亘って収納したりあるいは界面活性剤を含んだ液体を収納した場合であっても、発泡粒子同士の熱融着界面が油分、色素あるいは界面活性剤などによって侵されるようなことがない。よって、発泡粒子同士の熱融着界面を通じて油分や色素、界面活性剤を含んだ液体などが発泡成形品の外面に滲み出るという問題を防ぐことができる。
更に本発明の発泡成形品は外観に優れ、表面の発泡粒子間の空隙が少ない為に表面印刷性に優れている。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、架橋性単量体とスチレン系単量体を重合させて形成された表層が設けられ、これらに易揮発性発泡剤が含浸されてなる発泡成形用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、該樹脂粒子を25℃、常圧下でテトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)に飽和膨潤させた時の表層厚みが3〜100μmの範囲であり、且つTHF不溶ゲル分が該樹脂粒子全体量に対して10〜50質量%の範囲であることを特徴としている。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表層以外の部分を構成するポリスチレン系樹脂は、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレンなどのスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体などが挙げられる。また、種粒子部分を構成するポリスチレン系樹脂は、前記スチレン系単量体とこのスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体との共重合体であってもよく、このようなビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートなどが挙げられる。
また、前記表層を構成するポリスチレン系樹脂は、架橋性単量体を含むスチレン系単量体を重合させて形成される。前記架橋性単量体としては、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に架橋構造を付与することができるものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ポリエチレングルコールジメタクリレートなどのアルキレングリコールジメタクリレートなどの多官能性単量体などが挙げられ、その中でもジビニルベンゼンが好ましい。また、樹脂表層を構成するポリスチレン系樹脂は、前記架橋性単量体と前記スチレン系単量体とこのスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体との共重合体であってもよく、このようなビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートなどが挙げられる。すなわち、前記ビニル単量体を、スチレン系単量体、架橋性単量体及び重合開始剤を含む単量体溶液に供給してもよい。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子において、前記表層厚みは、3〜100μmの範囲とされ、5〜80μmの範囲が好ましく、更に好ましくは5〜70μmの範囲であり、最も好ましくは10〜50μmの範囲である。この表層厚みが3μm未満である場合は、発泡成形品の耐油性が低下して、油分や色素或いは界面活性剤などを含む液体が発泡成形品を通じて外部に滲出しやすくなる。一方、表層厚みが100μmを超える場合には、2次発泡性が低下して発泡粒子間の融着率が低下し、油分等の滲出しや成形品強度が低下するという問題が生じる。
前記の表層厚みの測定方法の工程としては、図1に示すように、
(1)樹脂粒子1を25℃、常圧下でTHFに浸漬して飽和膨潤化し(図1(a)参照)、
(2)次いで、飽和膨潤化した樹脂粒子2をTHFから分離し(図1(b)参照)、
(3)次いで、分離した樹脂粒子2をメチルメタクリレート(以下、MMAと記す。)中に浸漬し(図1(c)参照)、飽和膨潤化した樹脂粒子2内部のTHFをMMAで置換し(図1(d)参照)、
(4)次いで、MMAを重合せしめてポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと記す。)固化体3とし、樹脂粒子を膨潤状態で該PMMA固化体3中に固定し(図1(e)参照)、
(5)次いで、樹脂粒子の中心を通る面に沿って前記PMMA固化体3を切断し(図1(f)参照)、
(6)次いで、該切断面4を観察して樹脂粒子の表層厚さを計測すること(図1(g)参照)、によって実施することが望ましい。
図2は、前記測定方法によって作製したPMMA固化体3の切断面の要部拡大図であり、この図中符号5は固定された樹脂粒子の表層、6は粒子外部のPMMA相、7は粒子内部のPMMA相をそれぞれ示している。
図2に示す通り、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、前記(1)〜(6)の工程を順次行って処理することで、表層5がPMMA固化体3の切断面に残り、それを拡大観察して厚みを測定することが可能である。
更に本発明では、該発泡性スチレン系樹脂粒子のTHF不溶ゲル分が、該樹脂粒子全体量に対して10〜50質量%の範囲であり、好ましくは15〜50質量%の範囲、更に好ましくは15〜40質量%の範囲である。このTHF不溶ゲル分が10質量%未満の場合、得られる発泡成形品の耐油性が低下して、油分や色素或いは界面活性剤などを含む液体が発泡成形品を通じて外部に滲出しやすくなる。また、THF不溶ゲル分が50質量%を超える場合は、発泡成形時に予備発泡粒子同士の融着が悪くなり、強度が低下するばかりか、予備発泡粒子間の空隙が多くなり、成形品の内容物が染出しやすくなるという問題が発生する。
次に、本発明に係る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法について説明する。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子を製造するためには、公知の核重合法(シード重合法)を使用する。本発明で使用する種粒子としては、従来から知られているスチレン系樹脂粒子の製造方法より得られたものが使用できる。例えば、前記スチレン系単量体に架橋性単量体を加えた上で、水中にて懸濁重合させてスチレン系樹脂種粒子を製造する方法、又はスチレン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し、押出機からストランド状、又は略球状に押出して所定長さ毎に切断し、スチレン系樹脂種粒子を製造する方法などが挙げられる。尚、前記スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は発泡成形性、物性の問題から、15万〜40万が好ましく、25万〜35万がより好ましい。
本発明の解決課題である、食品などに含まれた油分やカレー粉などの色素が外部に滲出すことを防ぐには、発泡成形品表面の耐油性を向上させることが望ましい。本発明のようなビーズ法と呼ばれる発泡成形方法で得られる発泡成形品の耐油性を向上させるには、発泡性スチレン系樹脂粒子の表層が発泡成形品の表面に露出する場合が多い為に、該樹脂粒子表面の架橋密度を高めることが必要である。更に、該発泡性スチレン系樹脂粒子に優れた発泡成形性を持たせるためは、樹脂粒子の中心部は架橋密度ができるだけ低いスチレン系樹脂からなることが好ましい。
そして、前記種粒子100質量部を水性媒体中に分散させた後、この分散液中に15〜100質量部のスチレン系単量体、および0.03〜1.0質量部の架橋性単量体を添加して、前記種粒子に吸収、重合させてスチレン系樹脂粒子を得た後に、易揮発性発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する。本発明の製造方法では、重合途中での成長粒子中におけるスチレン系樹脂の割合を80〜100質量%の範囲として発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする。以下、成長途上にある種粒子を「成長種粒子」と記す。
本発明では前記重合工程で、架橋性単量体を添加するわけであるが、架橋性単量体はスチレン系単量体の一部もしくは全部に溶解して添加する事が望ましい。架橋性単量体とスチレン系単量体を個別に添加すると架橋構造にむらができ、均一な発泡性スチレン系樹脂粒子が得られない恐れがある。
スチレン系単量体の添加量は、種粒子100質量部に対して、15〜100質量部の範囲とする。スチレン系単量体が15質量部未満であると、出来上がった発泡性スチレン系樹脂粒子の表層厚みが薄く、充分な耐油性が発揮されない問題を生じる。また、スチレン系単量体が100質量部を超えると、必要以上に種粒子内に浸透してしまい、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の表層厚みが厚くなりすぎ、これにより発泡能力を損ない、粒子同士の密着が弱く、粒子間から内容物の油分の滲出しが多くなるばかりか、成形品の強度も低下するという問題を生じる。
架橋性単量体の添加量は、種粒子100質量部に対して、0.03〜1.0質量部の範囲とする。架橋性単量体が0.03質量部未満であると、出来上がった発泡性スチレン系樹脂粒子の表層の架橋構造が足りず充分な耐油性が発揮されない問題を生じる。一方、架橋性単量体が1.0質量部を超えると、架橋しすぎてしまい、発泡能力を損ない、成形体の発泡粒子間隙が広くなり、油分の滲出しが増加する問題がある。
前記スチレン系単量体を種粒子中に吸収させて重合させる際に用いられる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートなどの有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられ、これらを単独で、或いは複数併用することができる。
前記重合開始剤としては、10時間の半減期を得るための分解温度が50℃以上で且つ80℃未満の重合開始剤と、10時間の半減期を得るための分解温度が80℃以上で且つ120℃以下の重合開始剤とを併用することが好ましい。なお、重合開始剤の添加量としては、スチレン系単量体100質量部に対して、0.01〜3質量部が好ましい
また、前記分散液には、スチレン系種粒子および、種粒子の分散安定性を向上させるために、懸濁安定剤や安定助剤を添加してもよい。
前記懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウムなどの難溶性無機化合物が挙げられる。難溶性無機化合物を用いる場合には、アニオン界面異活性剤が通常、併用される。
このようなアニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩、β−テトラヒドロキシナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。
本発明では、重合開始から終了までの間で、重合途中の成長種粒子中のスチレン系樹脂の含有量を80〜100質量%、好ましくは85〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%の範囲に維持する。前記範囲を維持する手段としては、反応系の温度、スチレン系単量体の供給速度、重合開始剤の量等で調整することができる。例えば、反応温度は重合開始剤の種類にもよるが、80〜110℃が好ましい。80℃未満では、重合の速度が遅くなり、スチレン系単量体が種粒子の内部までしみ込みやすくなり、効率よく表層で架橋が行われないためである。また、110℃を超えると、添加したスチレン系単量体が、種粒子へ吸収される前に重合が進み、種粒子への吸収効率が悪くなり、使用できない粉末状となって生産の効率が悪くなるので好ましくない。
成長種粒子中のスチレン系樹脂の含有量は、次の方法で測定される。
重合反応中の成長種粒子を少量、重合容器内から取出して水性媒体と分離した後、成長種粒子表面の水分をガーゼ等で除去して測定試料とする。
そして、測定試料から0.08gを精秤し、トルエン24mL中に溶解する。
この溶解液にウイス試薬10mL、5質量%ヨウ化カリウム水溶液30mL、および1質量%でんぷん水溶液約30mLを入れ、N/40チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して試料滴定数(mL)を求める。なお、ウイス試薬は氷酢酸2Lにヨウ素8.7gおよび三塩化ヨウ素7.9gを溶解することで作製する。
一方、試料を溶解することなく前記と同様にして滴定を行い、ブランク滴定数(mL)を求める。
そして成長種粒子中のスチレン系単量体の含有量を次式により算出する。
スチレン系単量体含有量(質量%)=0.1322×(ブランク滴定数−試料滴定数)/測定試料質量(g)
この作業を重合開始から重合終了まで10分間隔で採取した試料について行い、スチレン系単量体含有量を求める。
続いて、スチレン系単量体量を成長粒子質量より差引いた量を成長種粒子中のスチレン系樹脂の量とし、成長粒子中の含有量(質量%)を次式により算出する。
スチレン系樹脂含有量(質量%)=100×(測定試料質量−スチレン系単量体量)/測定試料質量
次に、前記核重合によって得られたスチレン系樹脂粒子に易揮発性発泡剤を含浸させて、発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する。
前記易揮発性発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、プロパン、ブタン、ペンタンなどの脂肪族炭化水素;1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1,クロロー1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、2−クロロ−1,1,1,2テトラフルオロエタン(HCFC−124)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)などのフロン系発泡剤が挙げられ、脂肪族炭化水素が好ましい。なお、易揮発性発泡剤は単独で使用されても併用されてもよい。更に、前記発泡性スチレン系樹脂粒子には、チオジプロピオン酸エステル、チオジブチル酸エステル、エチレンビスステアリン酸アミドなどの気泡調整剤、紫外線吸収剤、増量剤、着色剤などの汎用の添加剤が添加されていてもよい。
発泡性スチレン系樹脂粒子の平均粒子径は、得られる発泡成形品の用途によって調整されるが、発泡成形品が発泡成形容器であって厚みが薄い場合には、0.2〜1mmの範囲とし、好ましくは0.2〜0.8mm、更に好ましくは0.3〜0.7mmとするが、これに限定されない。
このようにして得られた発泡性スチレン系樹脂粒子は、予備発泡機で予備発泡されて予備発泡粒子とされ、得られた予備発泡粒子は発泡成形機の金型内に充填された上で加熱蒸気などの加熱媒体により発泡させられて発泡圧によって互いに熱融着一体化して所望形状を有する発泡成形品とされる。なお、予備発泡粒子の嵩密度は、0.015〜0.20g/cmが好ましいが、これに限定されない。
また、前記発泡成形品としては種々の形態のものが挙げられるが、コップ状、どんぶり状、トレー状、箱状などの発泡成形容器が本発明の作用、効果を効果的に奏する点で好ましい。
この発泡成形容器内には、牛脂、大豆油、菜種油、しそ油、オリーブ油、ごま油、紅花油、コーン油などの植物油、ラード、即席麺、シチュー、マヨネーズ、ドレッシングソース、カレールー、バター、マーガリン、ホワイトソース、ヨーグルト類、アイスクリーム、ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキンなどの油性食品や脂肪食品、界面活性剤を含む水溶液などを収納することができる。
前記発泡成形品は、上述のように、所定の発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られたものであるので、発泡粒子同士がそれらの界面において強固に熱融着一体化しているとともに、発泡粒子同士が熱融着している界面部分は架橋密度が高くて耐油性に優れている。
従って、油分を含んだ食品やカレー粉などの色素を含むものを長期間に亘って発泡成形品内に収納し、あるいは、界面活性剤を含む液体などを発泡成形品内に収納した場合にあっても、発泡粒子同士の熱融着界面が油分、色素あるいは界面活性剤などによって侵されるようなことはなく、よって、発泡粒子同士の熱融着界面を通じて油分や色素、界面活性剤を含んだ液体などが発泡成形品の外面に滲出るという問題は解決できる。更には、外観も美麗で印刷性にも優れ、強度等にも優れた発泡成形体が得られる。
本発明に係る食品包装体は、前記発泡成形品からなる発泡成形容器内に、油性食品又は食用油脂と色素とを含む食品が包装されてなるものである。発泡成形容器内に充填される食品の種類は、油脂を含むものであれば特に限定されないが、前述したような油脂を含んだ即席麺(かやくを含む)、シチュー、マヨネーズ、ドレッシングソース、カレールー、バター、マーガリン、ホワイトソース、ヨーグルト類、アイスクリーム、ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキンなどの油性食品、又は食用油脂と色素とを含む食品が本発明の作用、効果を効果的に奏する点で好ましい。この食品包装体の包装形態は、特に限定されず、発泡成形品の形状に応じて適宜な包装形態を選択し得る。例えば、カップ状、どんぶり状、トレー状などの発泡成形容器を用いる場合には、その容器内に食品を充填し、開口部に蓋材をシールして密封し、さらに必要に応じて全体を合成樹脂フィルム等で包装する形態とすることができる。
本発明に係る食品包装体は、前記発泡成形品からなる発泡成形容器内に、油性食品又は食用油脂と色素とを含む食品が包装されてなるものなので、油分を含んだ食品やカレー粉などの色素を含む食品を長期間に亘って発泡成形容器内に収納しても、発泡粒子同士の熱融着界面を通じて油分や色素、界面活性剤を含んだ液体などが発泡成形容器の外面に滲み出るという問題を防ぐことができる。
以下、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
攪拌装置を備えた5Lのオートクレーブ内に、イオン交換水2.0L、平均粒子径が0.3mmで且つ重量平均分子量が28万のポリスチレン種粒子を1600g、ピロリン酸マグネシウムを20g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1g供給して攪拌し、分散液を作製した。
架橋性単量体としてジビニルベンゼンを1.4g、ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期が74℃)2.0g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート(10時間半減期が104℃)1.0gを400gのスチレン単量体に溶解した物を加えて、ホモミキサーで攪拌して乳濁させ、スチレン溶液を作製した。
そして、前記分散液を90℃に保持し、該分散液中に、前記スチレン溶液を1.5時間で連続的に供給した。その後90℃でさらに1時間保持した後に、125℃まで昇温して1時間保持し重合を完結させた。
この重合途中で成長種粒子中のスチレン系樹脂の割合を測定した。その結果、成長粒子中の樹脂の最少割合は88%であった。
その後、125℃に保持したまま、ノルマルペンタン110g、イソペンタン30gを供給して3時間に亘って保持した。その後、2時間かけて30℃まで冷却を行い、分散媒を除去、洗浄、乾燥を行い発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子に対し、(1)表層厚み測定、及び(2)THF不溶ゲル分の測定を実施した。
(1)表層厚み測定
(a)得られた発泡性スチレン系樹脂粒子より、直径0.3〜0.4mmのものを選別し、1.00g精秤してTHF100mlに浸漬させる。
(b)浸漬後、25℃、大気圧条件下で24時間放置し、THFに飽和膨潤させた。
(c)24時間後、80メッシュの金網を用いて濾過し、膨潤樹脂粒子を得た。
(d)密閉可能な外径17mm、長さ105mm、容量10mlの市販の試験管中に上記の膨潤樹脂粒子を膨潤した状態で、該膨潤樹脂粒子2g、MMA3g、2,2アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.003gを加え、膨潤樹脂粒子をMMAに浸漬させた。
(e)上記のMMA浸漬物を密閉状態で40℃の恒温槽にて20時間加熱した。
(f)加熱後、冷水にて冷却し、試験管から重合途中のPMMAを変形しないように取出した。
(g)得られた重合途中のPMMAをカッターナイフにて、内部に固定された樹脂粒子の中心を通る面に沿ってスライスした。
(h)スライスしたものを70℃のオーブンにて2時間再加熱した。
(i)再加熱後、PMMA固化体内の樹脂粒子の表層厚みを電子顕微鏡にて測定した。
(j)10箇所測定した数値の平均値を表層厚み(μm)とした。
この測定の結果、実施例1の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表層厚みは15μmであった。
(2)THF不溶ゲル分の測定
THF不溶ゲル分は、以下の条件で測定される値とする。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の測定試料W(1.00g±0.02gで精秤する)をTHF100ml中、25℃、常圧下で24時間浸漬させる。浸漬後80メッシュの金網を用いて濾過し、残渣を80℃、−60cmHgで2時間減圧乾燥する。乾燥後デシケータ内で室温まで自然冷却し、乾燥残渣の質量Wを測定する。
前記の測定値から下記式より、THF不溶ゲル分を算出する。
THF不溶ゲル分(質量%)=100×W/W
この測定の結果、実施例1の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のTHF不溶ゲル分は32質量%であった。
更に、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形し、得られた発泡成形品に対して、(3)成形品融着率の測定、及び(4)油分滲出し防止性の評価を実施した。
まず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を次の条件で発泡成形し、発泡成形容器を作製した。
発泡性スチレン系樹脂粒子1.0kgにステアリン酸亜鉛(粉砕品 平均最大長20μm)3gを高速流動型混合機内で2分間攪拌した。次にポリエチレングリコール1gを供給して、さらに2分間攪拌しステアリン酸亜鉛で被覆した。その後冷暗所で3日間保管した。
しかる後、前記発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡機に供給して水蒸気を用いて嵩密度0.1g/cmに予備発泡させて、予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子を常温にて1日保管し乾燥させた。
次に、前記予備発泡粒子を発泡成形機内の成形型内に供給、充填し、予備発泡粒子を0.20MPaの水蒸気を用いて6秒間に亘って加熱、発泡させて、内容積が450cmで且つ肉厚が2mmのカップ状の発泡成形容器を得た。なおカップ状の発泡成形容器は、平面円形状の底面部の外周縁から一定高さの周壁部を上方における斜め外方に向かって突設してなるものであった。
(3)成形品融着率の測定
得られた発泡成形容器の発泡粒子間の融着率(成形品融着率)は、次の方法で測定した。
前記発泡成形容器の側壁を手で二分割し、その破断面における発泡粒子について、粒子内で破断している粒子の数(a)と粒子どうしの界面で破断している粒子の数(b)とを数え、式[(a)/((a)+(b))]×100に代入して得られた値を融着率(%)とした。下記の評価方法で評価した。
◎・・・融着率80%以上であり、成形品融着率が極めて良好である。
○・・・融着率50%以上、80%未満であり、成形品融着率が良好である。
×・・・融着率50%未満であり、成形品融着率が不良である。
この測定の結果、実施例1の発泡成形容器における成形品融着率は90%であり、評価は◎であった。
(4)油分滲出し防止性の評価
得られた発泡成形容器(内容積450cm)内に、市販の即席麺(カレー味)に用いられている、カレー粉を含む調味料及びかやくを容器の8分目(容積360cm)まで入れ、市販されている食品用ラップフィルムで容器全体を包装し、この包装容器を60℃に保たれたオーブンに入れて、包装容器外面にカレー油脂分が滲み出した時間を測定した。
油分滲出し防止性を下記の評価方法で評価した。
◎・・・48時間経過後、カレー油脂分の滲み出しがなく、油分滲出し防止性は極めて良好である。
○・・・24時間以上48時間未満にカレー油脂分の滲み出しがあり、油分滲出し防止性は良好である。
×・・・24時間未満でカレー油脂分の滲み出しがあり、油分滲出し防止性は不良である。
この測定の結果、実施例1の発泡成形容器における油分滲出し防止性の評価は◎であった。
これらの結果を表1に記す。
[実施例2]
スチレン単量体溶液を2.0時間で連続的に供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[実施例3]
スチレン単量体溶液を0.5時間で連続的に供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[実施例4]
ポリスチレン種粒子を1720g、ジビニルベンゼンを1.0gベンゾイルパーオキサイド1.3g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.3gを280gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事、スチレン溶液を1.5時間で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[実施例5]
ポリスチレン種粒子を1200g、ジビニルベンゼンを2.8gベンゾイルパーオキサイド3.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.8gを800gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事、スチレン溶液を2.0時間で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[実施例6]
ポリスチレン種粒子を1050g、ジビニルベンゼンを3.3gベンゾイルパーオキサイド4.4g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.95gを950gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事、スチレン溶液を3.0時間で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例1]
ジビニルベンゼンを用いない事以外は、実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例2]
スチレン溶液を4時間で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例3]
ポリスチレン種粒子を1800g、ジビニルベンゼンを0.7g、ベンゾイルパーオキサイド1.0g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.2gを200gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事、スチレン溶液を1.5時間で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例4]
ポリスチレン種粒子を1050g、ジビニルベンゼンを3.3gベンゾイルパーオキサイド4.6g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.0gを950gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事、スチレン溶液を1.0時間で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
Figure 0004806551
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜6の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びそれを用いて製造した発泡成形容器は、優れた成形品融着率及び油分滲出し防止性を有していることがわかる。
一方、架橋性単量体を用いなかった比較例1は、得られた発泡成形容器の油分滲出し防止性が不良であった。
また、表層厚みが1μmと本発明における表層厚みの範囲未満となった比較例2と3は、やはり発泡成形容器の油分滲出し防止性が不良であった。
さらに、表層厚みが110μmと本発明における表層厚みの範囲より厚くなった比較例4は、成形品融着率及び油分滲出し防止性ともに不良であった。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表層厚さ測定の手順を示す概略構成図である。 PMMA固化体に固定された樹脂粒子の表層を示す拡大図である。
符号の説明
1,2…樹脂粒子、3…PMMA固化体、4…切断面、5…表層、6…粒子外部のPMMA相、7…粒子内部のPMMA相。

Claims (5)

  1. ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、架橋性単量体とスチレン系単量体を重合させて形成された表層が設けられ、これらに易揮発性発泡剤が含浸されてなる発泡成形用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
    該樹脂粒子をテトラヒドロフランに飽和膨潤させた時の表層厚みが3〜100μmの範囲であり、且つテトラヒドロフラン不溶ゲル分が該樹脂粒子全体量に対して10〜40質量%の範囲であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. スチレン系樹脂からなる種粒子100質量部を水性媒体中に分散させた後、この分散液中に前記種粒子100質量部に対し15〜25質量部のスチレン系単量体、および0.03〜1.0質量部の架橋性単量体を添加して、前記種粒子に吸収、重合させてスチレン系樹脂粒子を得た後に、易揮発性発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法であって、重合途中での成長粒子中におけるスチレン系樹脂の割合を80〜96質量%の範囲として請求項1に記載された発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  3. 請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られたことを特徴とする予備発泡粒子。
  4. 請求項に記載の予備発泡粒子を発泡成形させて得られたことを特徴とする発泡成形品。
  5. 請求項に記載された発泡成形品からなる容器内に、油性食品又は食用油脂と色素とを含む食品が包装されてなる食品包装体。
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