JP4796751B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット方式によってスペーサを基板上に配置して得られる液晶表示装置の製造方法に関する。
液晶表示装置は、現在、パソコン、携帯電子機器等に広く用いられている。この液晶表示装置は一般に、図1に示されるように、内側に透明電極3、配向膜9、カラーフィルタ4、ブラックマトリックス5等が形成され、外側に偏光板2が配置された2枚の透明基板1がこれらの周囲に配設されたシール剤10を介して対向配置され、できた空隙に液晶7が封入されて構成されている。この液晶表示装置においてスペーサ8は2枚の透明基板1の間隔を規制し適正な液晶層の厚み(セルギャップ)を維持する。
従来の液晶表示装置の製造方法においては、画素電極が形成された基板上にスペーサをランダムかつ均一に散布するため、図1に示されるように、画素電極上すなわち液晶表示装置の表示部(画素領域)にもスペーサが配置されてしまう。スペーサは一般的に合成樹脂やガラス等から形成されており、画素電極上にスペーサが配置されると消偏作用によりスペーサ部分が光り漏れを起こす。またスペーサ表面での液晶の配向が乱れる事により光抜けが起こり、コントラストや色調が低下し表示品質が悪化する。またTFT液晶表示装置においては基板上にTFT素子が配置されているが、スペーサがこの素子上に配置された場合は基板に圧力がかかった時に素子を破損させてしまうという重大な問題もあった。
このようなスペーサのランダム散布に伴う問題点を解決するために、スペーサを遮光層(画素領域を画する部分)下に配置することが提案されている。このようにスペーサを特定の位置にのみ配置する方法として、例えば、開口部を有するマスクを配置させたい位置と合わせた上でスペーサをマスクを通して散布する方法(特許文献1参照)、感光体に静電的にスペーサを吸着させたあと透明基板に転写する方法(特許文献2参照)等が開示されている。
しかし、これらの方法は、基板上にマスクや感光体が直接接触するために、基板上の配向膜を損傷して、液晶表示の画質を低下させる原因になるという問題点があった。
また、基板上の画素電極に電圧を印加し、帯電させたスペーサを散布することで、静電的斥力によって特定の位置に配置させる液晶表示装置の製造方法が開示されている(特許文献3参照。)。
しかし、この方法は、配置させるパターンに従った電極を必要とするため、完全に任意の位置に配置することが不可能であった。
一方、インクジェット法によってスペーサを配置する方法が開示されている(特許文献4参照)。この方法は、上記のように基板そのものに接触することがなく、また任意の位置に任意のパターンでスペーサを配置できるので有効な方法である。
しかし、吐出するスペーサ粒子分散液中には、1〜10μm程度のスペーサ粒子が含まれているため、真っ直ぐに吐出するためには、インクジェットヘッドのノズル径を大きくせざるを得ず、その結果、基板上に吐出された液滴の大きさが大きくなって、遮光領域を狙って吐出しても、液滴が遮光領域から画素領域にはみ出し、スペーサが透過領域にまで配置されてしまい、コントラストとの液晶品質を十分に向上させることができないといった問題があった。
特開平4−198919号公報 特開平6−258647号公報 特開平10−339878号公報 特開昭57−58124号公報
本発明の目的は、スペーサをインクジェット法によって液晶表示装置基板の非表示部分に精度よく配置して、スペーサによる光抜けなどがなく高い表示品質の液晶表示装置を製造するための製造方法を提供する事である。
請求項1記載の発明は、一定のパターンに従って配列された画素領域と画素領域を画する遮光領域とからなる液晶表示装置において、インクジェット装置を用いて、スペーサ粒子を分散させたスペーサ粒子分散液を吐出し、画素が形成されている方の基板の遮光領域または画素が形成されていない方の基板の遮光領域に相当する領域にスペーサ粒子を配置した基板とスペーサ粒子を配置していない基板とを、上記遮光領域または遮光領域に相当する領域に配置されたスペーサ粒子を介して対向させた液晶表示装置の製造方法であって、スペーサ分散液中のスペーサに帯電処理が施されているインクジェット方式による液晶表示装置の製造方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1において、該画素領域を画する領域に対応する特定の位置に隣接して帯電させることが可能な材料からなる配線材料が存在するインクジェット方式による液晶表示装置の製造方法である。
請求項3記載の発明は、請求項2において、帯電させることが可能な材料からなる配線材料を、帯電処理されたスペーサと反対電荷に帯電させるインクジェット方式による液晶表示装置の製造方法である。
本発明に使用されるスペーサ粒子は、特に限定されず、シリカ粒子等の無機系粒子であっても、有機高分子系の粒子であってもよい。なかでも有機高分子系の粒子は液晶表示装置の基板上に形成された配向膜を傷つけない適度の硬度を有し、熱膨張や熱収縮による厚みの変化に追随しやすく、さらにセル内部でのスペーサの移動が比較的少ないという長所を持つために好ましく使用される。
上記有機高分子の組成は特に限定されず、通常は強度等からビニル基を1個有する単官能単量体とビニル基を2個以上有する多官能単量体とが併用される。この際単官能単量体と多官能単量体の比率は、特に限定されるものではなく、得られる有機高分子系粒子に要求される強度や硬度により適宜調整される。
上記単官能単量体としては、例えば、スチレン、αーメチルスチレン、p-メチルスチレン、pークロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等があげられる。これら単官能単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
上記多官能単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びその誘導体、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4-(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等の2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシポリプロポキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート等があげられる。これら多官能単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
また、上記単官能あるいは多官能単量体として、親水性基を有する単量体が用いられてもよい。
上記親水性基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホフォニル基、アミノ基、アミド基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基があげられる。親水性基を有する系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル等の水酸基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸、及びそれらのα−、またはβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル誘導体等のカルボキシル基を有する単量体;t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の、スルホニル基を有する単量体;ビニルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のホスフォニル基を有する単量体;ジメチルアミノエチルメタクリレートやジエチルアミノエチルメタクリレート等のアクリロイル基を有するアミン類等のアミノ基を有する化合物;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基とエーテル基をともに有する単量体;(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートの末端アルキルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する単量体;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等のアミド基を有する単量体等があげられる。
上記単量体を重合して粒子を製造する方法としては、特に限定されず、例えば懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等が挙げられ、いずれの方法が採られてもよい。
上記懸濁重合法は、得られる粒子の粒子径分布が比較的広く多分散の粒子が得られるため、スペーサとして利用する場合には分級操作を行って、所望の粒子径や粒子径分布を有する多品種の粒子を得る際に好適に用いられる。一方、シード重合、分散重合は、分級工程を経ることなく単分散粒子が得られるので、特定の粒子径の粒子を大量に製造する際に好適に用いられる。
上記懸濁重合法とは、単量体及び重合開始剤よりなる単量体組成物を、目的とする粒子径となるよう分散媒中に分散し重合する方法である。懸濁重合に使用する分散媒は、通常、水に分散安定剤を加えたものが使用される。分散安定剤としては媒体中に可溶の高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等があげられる。またノニオン性あるいはイオン性の界面活性剤も適宜使用される。
重合条件は上記重合開始剤や単量体の種類により異なるが、通常、重合温度は50〜80℃、重合時間は3〜24時間である。
上記シード重合法とは、ソープフリー重合や乳化重合にて合成された単分散の種粒子に、さらに重合性単量体を吸収させる事により、狙いの粒子径にまで膨らませる重合方法である。種粒子に用いられる有機単量体は特に限定されず、上述の単量体が用いられるが、種粒子の組成は、シード重合時の相分離を抑えるために、シード重合時の単量体成分と親和性のある単量体であることが好ましく、粒子系分布の単分散性の点等からスチレン及びその誘導体等が好ましい。種粒子の粒子径分布は、シード重合後の粒子径分布にも反映されるのでできるだけ単分散である事が望ましく、Cv値として5%以下である事が望ましい。前述したようにシード重合時には種粒子との相分離が起きやすいため、シード重合時に吸収させる単量体は、できるだけ種粒子組成と近い組成が好ましく、種粒子がスチレン系であれば芳香族系ジビニル単量体、アクリル系であればアクリル系多官能ビニル単量体を吸収させて重合させるのが好ましい。
またシード重合法においては、必要に応じて分散安定剤を用いる事もできる。分散安定剤としては、媒体中に可溶の高分子で、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等があげられる。また、ノニオン性あるいはイオン性の界面活性剤も適宜使用される。
上記シード重合法においては、種粒子1重量部に対して、単量体を20〜100重量部加えるのが望ましい。単量体が20重量部未満の場合は、得られた粒子の破壊強度が不足する場合があり、単量体が100重量部を超えるとシード重合時に粒子の合一等により粒子径分布が広くなり易く好ましくない。
分散重合法とは、単量体は溶解するが、生成したポリマーは溶解しない貧溶媒系で重合を行い、この系に高分子系分散安定剤を添加する事により生成ポリマーを粒子形状で析出させる方法である。一般に架橋成分を分散重合により重合すると、粒子の凝集が起こりやすく、安定的に単分散架橋粒子を得る事が難しいが、条件を選定する事により、架橋成分を含んだ単量体を重合する事が可能となる。
上記シード重合に使用する媒体は、使用する重合性単量体によって適宜決定されるべきであるが、一般的に好適な有機溶媒として、アルコール類、セロソルブ類、ケトン類または炭化水素をあげる事ができ、さらにこれらを単独あるいはこれらと互いに相溶しあう他の有機溶剤、水等との混合溶媒として用いる事ができるが、これに限定はされない。例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、シメチルスルホキシド、酢酸エチル、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、2−ブタノン等のケトン類等をあげる事ができる。
上記重合に際しては、重合開始剤が用いられ、特に限定されないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が好適に用いられる。なお重合開始剤の使用量は通常、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。
本発明で使用されるスペーサ粒子は、表示素子のギャップ材として用いられるため、一定の強度が必要とされる。粒子の圧縮強度を示す指標として、粒子の直径が10%変位した時の圧縮弾性率(10%K値)で表した場合、表示素子のギャップ材としては、2000〜15000MPaが好適である。2000MPaより小さければ、表示素子を組立てる際のプレス圧により、スペーサが変形して適切なギャップが出にくい。15000MPaより大きいと表示素子に組み込んだ際に、基板上の配向膜を傷つけて表示異常が発生する事がある。
上記粒子の圧縮弾性率(10%K値)は、下記の方法により求められた値である。
すなわち、特表平6−503180号公報に準拠して測定され、微小圧縮試験器(PCT−200、島津製作所社製)を用い、ダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑端面で、粒子を10%歪ませるための荷重から求められる。
上記の方法により得られたスペーサ粒子は、表示素子のコントラスト向上のために着色されて用いられても良い。着色された粒子としては、例えば、カーボンブラック、分散染料、酸性染料、塩基性染料、金属酸化物等により処理された粒子、また、粒子の表面に有機物の膜が形成され高温で分解または炭化されて着色された粒子等が挙げられる。なお、粒子を形成する材質自体が色を有している場合には着色せずにそのまま用いられてもよい。
本発明においては、スペーサ粒子には帯電可能な処理が施される。
帯電可能な処理とは、スペーサ粒子が、スペーサ分散液中でも何らかの電位を持つように処理することであり、この電位(電荷)は、ゼータ電位測定器等既存の方法によって測定できる。
帯電可能な処理を施す方法としては、例えば、スペーサ粒子中に荷電制御剤を含有させる方法、帯電しやすい単量体を含む単量体からスペーサ粒子を製造する方法、スペーサ粒子に帯電可能な表面処理をする方法等が挙げられる。
なお、このようにスペーサ粒子が帯電可能であることにより、スペーサ分散液中でのスペーサ粒子の分散性や分散安定性が高められ、散布時に電気泳動効果で配線部(段差)部近傍にスペーサが寄り集まりやすくなる。
上記荷電制御剤を含有せしめる方法としては、スペーサ粒子を重合させる際に荷電制御剤を共存させて重合を行いスペーサ粒子中に含有させる方法、スペーサ粒子を重合する際に、スペーサ粒子を構成するモノマーと共重合可能な官能基を有する荷電制御剤をスペーサ粒子を構成するモノマーと共重合させてスペーサ粒子中に含有させる方法、後述するスペーサ粒子の表面修飾の際に、表面修飾に用いられるモノマ−と共重合可能な官能基を有する荷電制御剤を共重合させて表面修飾層に含有させる方法、表面修飾層或いはスペーサ粒子の表面官能基と反する官能基を有する荷電粒子を反応させて表面に含有させる方法等が挙げられる。
上記荷電制御剤としては、特開2002−148865号方法にあるような化合物が使用できる。具体的には、例えば、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ヒドロキシルカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類等が挙げられる。これら荷電制御剤は単独で用いられてもよいし、2種類以上が組合せて用いられてもよい。
上記荷電制御剤を含有するスペーサ粒子の荷電は、上記耐電制御剤の中から適切な荷電制御剤を適宜選択することにより、スペーサ粒子を周りの環境に対して正に帯電させたり、負に帯電させたりすることができる。
スペーサ粒子を製造する際、帯電し易い単量体を含む単量体から適宜単量体を選択する方法としては、スペーサ粒子を製造する箇所で述べた単量体として、親水性官能基を有するものを組み合わせて用いる方法があげられる。これらの親水性官能基を有する単量体の中から適切な単量体を適宜選択することにより、スペーサ粒子を周りの環境に対して正に帯電させたり、負に帯電させたりすることができる。
スペーサ粒子の表面修飾をする方法としては、特開平1−247154号公報に開示されているようにスペーサ表面に樹脂を析出させて修飾する方法、特開平9−113915号公報に開示されているようにスペーサ表面の官能基と反応する化合物を作用させて修飾する方法、特開平11−223821号公報、特願2002−102848号公報に記載のようにスペーサ表面でグラフト重合を行って表面修飾を行う方法等が挙げられるが、これらを行う際、スペーサ粒子が帯電処理されるような方法が適宜選択される。
表面修飾方法としては、粒子表面に化学的に結合した表面層を形成する方法が、液晶表示装置のセル中で表面層の剥離や液晶への溶出という問題が少ないので好ましい。なかでも特開平9−113915号公報に記載の、表面に還元性基を有する粒子に酸化剤を反応させ、粒子表面にラジカルを発生させて表面にグラフト重合を行う方法が、表面層の密度が高くでき、十分な厚みの表面層を形成できるために好ましい。この方法において帯電処理するには、グラフト重合を行う際、単量体として親水性官能基を有する単量体が組み合わせて用いられる。
またこのように表面処理を施すことにより、スペーサ粒子の基板に対する接着性が高まったり、使用する単量体を適宜選択すれば、液晶表示体での液晶の配向が乱されなくなるという効果もある。
本発明に用いられるスペーサ分散液としては、スペーサ粒子を分散させうる媒体中に、上述のスペーサ粒子が分散されていれば、特に限定されるものではない。
スペーサ分散液の媒体としては、例えば、ヘッドから吐出される温度で液体である各種溶媒が用いられる。なかでも好ましくは水溶性もしくは親水性の溶媒が好ましい。なお、一部のインクジェット装置のヘッドは水系媒体用にできているため、これらのヘッドを使用する際は、疎水性の強い溶媒は、ヘッドを構成する部材を溶媒が侵したり、部材を接着する接着剤の一部を溶かしたりするので好ましくない。
上記水溶性もしくは親水性の溶媒としては、水の他、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のモノアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコールの多量体;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコールなどのプロピレングリコールの多量体;グリコール類のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノイソプロピルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等の低級モノアルキルエーテル類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、等の低級ジアルキルエーテル類;モノアセテート、ジアセテート等のアルキルエステル類、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類、ジオール類のエーテル誘導体、ジオール類のアセテート誘導体、グリセリン、1,2,4、−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5,−ペンタントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類もしくはそのエーテル誘導体、アセテート誘導体、ジメチルスルホキシド、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、r−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、スルフォラン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、α-テルピネオール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビス−β−ヒドロキシエチルスルフォン、ビス−β−ヒドロキシエチルウレア、N,N−ジエチルエタノールアミン、アビエチノール、ジアセトンアルコール、尿素等があげられる。
上記スペーサ分散液としては、吐出される基板に対する後退接触角(θr)が5度以上になるようなスペーサ分散液が好ましく用いられる。
後退接触角が5度以上あれば、基板に着弾したスペーサ分散液の液滴が乾燥しその中心に向かって縮小していくとともに、その液滴中に1個以上含まれるスペーサがその液滴中心に寄り集まってくる事が可能となる。その結果、後述する様にペーサの移動がより起こりやすくなりスペーサの配置精度がより向上する。
後退接触角(θr)が5度未満であると、基板上で液滴の着弾した箇所の中心(着弾中心)を中心として液滴が乾燥し、その液滴径が縮小すると共に、スペーサがその中心に集まるという事は起こりにくくなる。
なお、ここで後退接触角とは、基板上におかれたスペーサ分散液の液滴が、基板上におかれてから乾燥するまでの過程で、基板上に最初におかれた際の着弾径より小さくなりだした時(液滴が縮みだした時)に示す接触角、あるいは液滴の揮発成分の内80〜95重量%が揮発した際に示す接触角を言う。
後退接触角が5度以上となるようにする方法としては、上述したスペーサ分散液の分散媒の組成を調整する方法、あるいは、基板の表面を調整する方法がある。
スペーサ分散液の分散媒の組成を調整するには、後退接触角が5度以上の媒体を単独で用いてもよいし、或いは2種以上の媒体を混合して用いてもよいが、2種以上を混合して用いる方がスペーサの分散性、スペーサ分散液の作業性、乾燥速度等の調整が容易なので好ましい。
スペーサ分散液として2種以上の溶媒が混合して用いられる場合には、混合される溶媒の中で最も沸点の高い溶媒の後退接触角(θr)が5度以上となるように混合する事が好ましい。 最も沸点の高い溶媒の後退接触角(θr)が5度未満であると、乾燥後期で液滴径が大きくなってしまい(基板上で液滴が濡れ拡がってしまい)、スペーサが基板上で着弾中心に集まり難くなってしまう。
本発明においては、スペーサ分散液の媒体は沸点が100℃未満の溶媒を含む事が好ましい。さらに好ましくは沸点が70℃以上100℃未満の有機溶媒である。
なお、本発明中でいう沸点とは1気圧の条件下での沸点をいう
上記沸点が100℃未満の溶媒としては、例えば、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール等の低級モノアルコール類、アセトンなどが好ましく使用される。
スペーサ分散液を散布して溶媒を乾燥させる際に、配向膜に媒体が高温で接触すると配向膜を汚染して液晶表示装置の表示画質を損なうため乾燥温度をあまり高くできないが、上記のような100℃未満の溶剤を使用することにより、乾燥温度を低くできるので配向膜を汚染することがない。沸点が100℃未満の溶媒の媒体中での比率は5〜80重量%が好ましい。10重量%未満では本発明で適用される比較的低い乾燥温度における分散液としての乾燥速度が遅くなり、生産効率が低下するので好ましくない。また80重量%を越えるとインクジェット装置のノズル付近のスペーサ分散液が乾燥しやすくインクジェット吐出性を損なったり、スペーサ分散液の製造時やタンクで乾燥しやすくその結果凝集粒子の発生する可能性が高くなる。
なお、上記沸点が100℃未満の溶媒に混合される溶媒は、沸点が100℃以上の溶媒であるが、水や沸点が150℃以上の溶媒が好ましく、更に好ましくは沸点が150℃以上200℃以下の溶媒が加えられる。
上記沸点が150℃以上の溶媒としては、例えば、具体的にはエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ジメチルエーテル等の低級アルコールエーテル類があげられる。このような溶媒はスペーサ分散液がインクジェット装置のノズル付近で過剰に乾燥し吐出精度が低下するのを防いだりスペーサ分散液の製造時やタンクで乾燥して凝集粒子が発生するのを抑制する。沸点が150℃以上の溶媒の媒体中での比率は0.1〜95重量%が好ましく、より好ましくは、0.2〜90重量%である。0.1重量%未満では上記のような分散液の乾燥による吐出精度低下や凝集粒子の発生が起こりやすくなるため好ましくない。95重量%を越えたり、沸点が200℃を超えると、乾燥時間が著しくかかり効率が低下するばかりでなく、配向膜の汚染による液晶表示装置の表示画質の低下が起こりやすくなる。
また、上記沸点が100℃未満の溶媒は、20℃における表面張力が25mN/m以下であるのが好ましく、沸点が100℃未満の溶媒に配合される沸点が100℃以上の溶媒の20℃における表面張力は30mN/m以上である事が好ましい。
一般のインクジェット装置は吐出する液体の表面張力が30〜50mN/mであると良好な吐出精度を示す。また、基板上に吐出された分散液滴の表面張力は高い方がスペーサを乾燥過程で移動させるのに適している。
沸点100℃未満で表面張力が25mN/m以下の溶媒が混合されていることにより、吐出時はスペーサ分散液の表面張力を比較的低くできるので良好な吐出精度が得られる。沸点が150℃以上で表面張力が30mN/m以上の溶媒が混合されることにより、後退接触角を5度以上とすることが容易になる。すなわち、スペーサ分散液の液滴が基板上に着弾後は、沸点100℃未満の表面張力の低い溶媒が先に揮散し、残された分散液の表面張力が高くなり、着弾地点中心に向かってのスペーサの移動が起こりやすくなるので好ましい。
なお、本発明に至る過程において、後退接触角は、いわゆる接触角(液滴を基板においた際の初期接触角で通常はこれを接触角と呼ぶ事がほとんどである)に比べ小さくなる傾向がある事がわかった。これは、初期の接触角は、スペーサ分散液を構成する溶剤に接触していない基板表面上での液滴の基板に対する接触角であるのに対し、後退接触角はスペーサ分散液を構成する溶剤に接触した後の基板表面上での液滴の基板に対する接触角であるからと考えられる。すなわち、後退接触角が初期接触角に対して著しく低い場合は、それらの溶剤によって配向膜が損傷を受けているという事を示しており、これらの溶剤を使用する事が、配向膜汚染に対して、好ましい事ではない事もわかった。
本発明におけるスペーサ分散液は、その表面張力が、[基板の表面エネルギー−5]〜50(mN/m)なるように配合される事が好ましい。例えば、基板の表面エネルギーが30mN/mとすると、25〜50mN/mが好ましい。表面張力が[基板の表面エネルギー−5]mN/mの場合、基板上に吐出されたスペーサ分散液液滴の基板に対する接触角(初期接触角)が、疎水性の強い(表面張力の低い)配向膜等を使用した基板上でも、大きくできず、スペーサ分散液が基板上に、濡れ拡がった状態となりスペーサの配置間隔を狭くする事ができなかったり、50mN/mより大きいと、インクジェットヘッドのノズル内に気泡が残り吐出できなくなったりする問題が発生する場合がある。
また、スペーサ分散液は、スペーサ分散液と基板面との初期接触角θが、10〜110度になるように調整されるのが好ましい。スペーサ分散液と基板面との初期接触角が10度未満の場合、基板上に吐出されたスペーサ分散液液滴が、基板上に濡れ拡がった状態となりスペーサの配置間隔を狭くする事ができなかったり、110度より大きいと、少しの振動で液滴が基板上を動き回り易く、結果として配置精度が悪化したり、スペーサと基板との密着性が悪くなったりする問題が発生する。
本発明におけるスペーサ分散液の吐出時の粘度は、高すぎるとインクジェット装置で吐出できず、低すぎると吐出できても吐出量をコントロールする事が困難になるなど安定的に吐出できなくなるので、好ましくは、0.5〜15mPa・sであり、さらに好ましくは5〜10mPa・sである。なお、スペーサ分散液を吐出する際に、インクジェット装置のヘッド温度をペルチェ素子や冷媒等により冷却したり、ヒーター等で加温したりして、スペーサ分散液の吐出時の液温を−5℃から50℃の間に調整してもよい。
スペーサ分散液中のスペーサ粒子の固形分濃度は、0.01〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2重量%である。0.01重量%未満では吐出された液滴中にスペーサを含まなくなる確率が高くなるため好ましくない。また、5重量%を越えるとインクジェット装置のノズルが閉塞しやすくなったり、着弾した分散液滴中に含まれるスペーサの数が多くなりすぎて乾燥過程でスペーサの移動が起こりにくくなるので好ましくない。
またスペーサ分散液はスペーサ粒子が単粒子状に分散されていることが好ましい。分散液中に凝集物が存在すると吐出精度が低下するばかりでなく、著しい場合はインクジェット装置のノズルに閉塞を起こしたりする場合があるので好ましくない。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、スペーサ分散液中に接着性を付与するための接着成分、スペーサの分散を改良したり、表面張力や粘度などの物理特性を制御して吐出精度を改良したりスペーサの移動性を改良する目的で各種の界面活性剤、粘性調整剤などが添加されていてもよい。
本発明におけるインクジェット装置は、特に限定されるものではなく、ピエゾ素子の振動によって液体を吐出するピエゾ方式、急激な加熱による液体の膨張を利用して液体を吐出させるサーマル方式等の通常の吐出方法によるインクジェット装置が用いられる。
インクジェット装置のノズル口径は粒子径に対して7倍以上が好ましい。7倍未満であると粒子径に比較しノズル径が小さすぎて吐出精度が低下したり著しい場合はノズルが閉塞し吐出ができなくなるので好ましくない。
吐出精度が低下する理由は、以下のように考えられる。ピエゾ方式ではピエゾ素子の振動によりピエゾ素子に近接したインク室にインクを吸引またはインク室からインクをノズル先端を通過して吐出させている。液滴の吐出法として、吐出の直前にノズル先端のメニスカス(インクと気体との界面)を引き込んでから、液を押し出す引き打ち法とメニスカスが待機停止している位置から直接液を押し出す押し打ち法があるが、一般のインクジェット装置においては前者の引き打ち法が主流であり、これの特徴として小さな液滴が吐出できる。本発明のスペーサ吐出においてはノズルの径がある程度大きくかつ、小液滴の吐出が要求されるため、この引き打ち法が有効である。しかし、引き打ち法の場合吐出直前にメニスカスを引き込むため、ノズル径が小さい(ノズル口径が粒子径の7倍未満である)場合(図2(a)参照)、引き込んだメニスカス近傍にスペーサが有るとメニスカスが軸対称に引き込まれないため、引き込みの後の押し出しの際、液滴は直進せず曲がってしまい、吐出精度が低下すると考えられる。ノズル径が大きい(ノズル口径が粒子径の7倍以上である)場合(図2(b)参照)、引き込んだメニスカス近傍にスペーサがあっても、スペーサの影響を受けないので、メニスカスは軸対称に引き込まれ、引き込みの後の押し出しの際、液滴は直進し、吐出精度が良くなると考えられる。しかしながら、吐出の際の液滴の曲がりをなくすために、不必要にノズル径を大きくすると、吐出される液滴が大きくなり着弾径も大きくなるので荷電インクやスペーサを配置する精度が粗くなり好ましくない。
ノズルから吐出されるスペーサ分散液の液滴量としては、10〜80plが好ましい。液滴量を制御する方法としては、ノズルの口径を最適化する方法やインクジェットヘッドを制御する電気信号を最適化する方法がある。後者はピエゾ方式のインクジェット装置を用いた時に得に重要である。
インクジェット装置において、インクジェットヘッドには、上述した様なノズルが、複数個、一定の配置方式(ヘッドの移動方向に対して直交する方向に等間隔で複数個(例えば64個や128個等)設けられている。これらが2列等複数列設けられている場合もある)で配置されている。ノズルの間隔は、ピエゾ素子等の構造やノズル径等の制約を受ける。従って、スペーサ分散液を上記のノズルが配置されている間隔以外の間隔で基板に吐出する場合には、その吐出間隔それぞれにヘッドを準備するのは難しいので、ヘッドの間隔より小さい場合は、通常はヘッドのスキャン方向に直角に配置されているヘッドを(基板と平行を保ったまま基板と平行な面内で)傾け(回転させ)て吐出し、ヘッドの間隔より大きい場合は、全てのノズルで吐出するのではなく一定のノズルのみで吐出したり、加えてヘッドを傾けたりして吐出する。
また、生産性を上げる等のために、この様なヘッドを複数個、インクジェット装置に取り付ける事も可能であるが、取り付ける数を増やすと制御の点で複雑になるので注意を要する。
スペーサ分散液を吐出する基板はガラスや樹脂板など通常液晶表示装置のパネル基板として使用されるものが使用できる。これらの基板は2枚1組で構成されているが、その内一方は、一定のパターンに従って配列された画素領域と画素領域を画する領域からなる。例えば、カラーフィルタ基板では、画素領域がカラーフィルタであり、これら画素領域が、実質的にほとんど光を通さないクロム等の金属やカーボンブラック等が分散された樹脂等のブラックマトリックス(画素領域を画する領域)で画されている。
本発明においてはそのうち一方の表面に吐出する事が好ましい。
この際、基板上、特に、スペーサ分散液の液滴が吐出され着弾する箇所は、スペーサ分散液の後退接触角(θr)が5度以上となるように調整されるか、あるいは、スペーサ分散液が1種以上の溶剤からなる混合物である場合、その溶剤の中で最も沸点の高い溶剤の後退接触角(θr)が5度以上となるように調整されるのが好ましい。
後退接触角を5度以上する方法としては、前述したスペーサ分散液の溶媒を選ぶ方法、基板の表面を低エネルギー表面とする方法があげられる。
上記基板の表面を低エネルギー表面とする方法としては、フッ素膜やシリコーン膜等の低エネルギー表面を有する樹脂を塗設する方法でもよいが、該基板の表面には液晶分子の配向を規制する必要があるため配向膜と呼ばれる樹脂薄膜(通常は0.1μm以下)を設ける方法が一般に行われる。これらの配向膜には通常ポリイミド樹脂膜が用いられる。ポリイミド樹脂膜は、溶剤に可溶なポリアミック酸を塗設後熱重合させたり、可溶性ポリイミド樹脂を塗設後乾燥させたりすることにより得られる。これらのポリイミド樹脂としては、長鎖の側鎖、主鎖を有するものが、低エネルギー表面を得るのにより好ましい。上記配向膜は、液晶の配向が制御するため、塗設後、表面がラビング処理される。
なお、前述のスペーサ分散液の媒体はこの配向膜中に浸透したり溶解したりして配向膜汚染性が無いようなものを選ぶ必要がある。
なお、本発明においては、荷電インクやスペーサ分散液が吐出される基板には、画素領域を画する領域に対応する領域中で、低エネルギー表面を有する箇所があり、着弾後の液滴が、低エネルギー表面を有する箇所に存在することになるように、スペーサ分散液の液滴を着弾させる。ここで、画素領域を画する領域に対応する領域とは、画素領域を画する領域(カラーフィルタ基板であれば前述のブラックマトリックス)、あるいは、もう一方の基板(TFT液晶パネルであればTFTアレイ基板)上で、その基板を画素領域を画する領域を有する基板と重ね合わせた際、その画素領域を有する領域に対応する領域(TFTアレイ基板であれば配線部等)のいずれかを指す。
低エネルギー表面を有する箇所の表面エネルギーは45mN/m以下である事が好ましく、より好ましくは40mN/m以下である。45mN/mを超えると、インクジェット装置で吐出できる程度の表面張力を有するスペーサ分散液を使用する限り、その液滴が基板上で濡れ拡がってしまいスペーサが画素領域を画する領域からはみ出してしまう事になる。
配向膜を塗るなどして得られる低エネルギー表面はスペーサが着弾する箇所だけでも良いし基板全面でも良い。パターニングなどの工程を考えると通常は全面が低エネルギー表面とされる。
また、本発明において、スペーサ分散液が吐出される基板には、画素領域を画する領域に対応する領域中に、着弾後の液滴が存在するようにスペーサ分散液の液滴を着弾させているが、着弾点に隣接して、帯電させることが可能な材料からなる配線材料が存在することが好ましく、さらには、その配線材料を帯電処理された粒子と反対荷電に帯電させることがより一層好ましい。
尚、ここで隣接してというのは、必ずしも着弾した液滴が直接その配線材料に接する必要はなく、例えば配線材料の上に、上述した様な配向膜等の低エネルギー表面材料が介在しており、その膜を介して着弾した液滴と配線材料が近接している場合をも含んでいる(もちろん直接接触していてもよい)。
このような配線材料は、具体的には、TFTやTFD等の液晶パネルのアレイ基板における、ゲート電極線やソース電極線やアレイのようなその部分のみ他の部分と異なる電荷に帯電させることが可能な、導電性を有するクロム、モリブデン、タンタル、アルミニウムのような金属材料である。ここに他の部分とその配線材料との間に電位差が生じるように電圧をかけ帯電させる。この際、その電位が、帯電処理されたスペーサと反対の電位になるようにすることが好ましい。
尚、元々着弾したスペーサ分散液中の帯電処理されたスペーサとそのような配線材料の電位が異なる場合も多く、表面処理されたスペーサの電位やこのような配線材料の電位は、それぞれの材料の表面の官能基や原子のイオン化傾向によって決まるので、このようにわざわざ電圧を印可をして帯電させる必要が無い場合もある。
また、作用に関しては、静電的相互作用(いわゆる静電的な電気泳動効果)により液滴中で粒子がその部分に移動、吸着されていくことが考えられる。従って、配線等の金属種や、表面処理に使用される化合物の官能基等を変え(例えば、イオン性の官能基を使用するなど)たり、或いは(ソース配線やゲート配線等の)配線や基板全面に回路が破損しない程度の正或いは負の電圧を、(スペーサの分散液が着弾し乾燥するまでの間)印可したりすることで、スペーサの寄り集まりを制御することができる。
また、本発明において、スペーサ分散液が吐出される基板には、画素領域を画する領域に対応する領域中で、低エネルギー表面を有する箇所があり、着弾後の液滴が、低エネルギー表面を有する箇所に存在するようにスペーサ分散液の液滴を着弾させているが、そこには、周囲と段差を有する箇所が含まれていてもよい。また、段差を有する箇所のみに荷電インクが吐出乾燥させられていればなお好ましい。
なお、ここでいう段差とは、基板上に設けられた配線等によって生じる非意図的な凹凸(周囲との高低差)、あるいは、本発明の様にスペーサを集めるために意図的に設けられた凹凸を言い、凸凹表面下の構造は問わない。従ってここで言う段差は、表面凹凸形状における凹部または凸部と平坦部(基準面)との段差を言う。
具体的には、例えば、TFT液晶パネルでのアレイ基板では、ゲート電極やソース電極による段差(0.2μm程度、図3(a)〜(c))やアレイによる段差(1.0μm程度、図3(g))、カラーフィルタ基板ではブラックマトリックス上での画色カラーフィルタ間の凹部段差(1.0μm程度、図3(d)〜(f)、(h))等があげられる。
本発明では、スペーサ粒子径をD(μm)、段差をB(μm)とすると、段差は0.01μm<|B|<0.95Dの関係があるような段差である事が好ましい。
0.01μmより小さいと段差周辺にスペーサを集める事が困難になったり、0.95Dを越えるとスペーサ粒子による基板のギャップ調整効果が得にくくなったりするなどの問題が発生する。
なお、段差の作用については、段差が有る場合、乾燥の最終段階で液滴乾燥中心が段差部に擬似的に固定されるので、着弾したスペーサ分散液液滴が乾燥した後、スペーサを画素領域を画する領域に対応する領域中にある段差周辺のごく限られた位置に集める事ができると説明される。
この場合、スペーサが乾燥後、最終的に残留する位置は、図6の様に、凸部ならば角で、凹部であればそのくぼみの中である事が多い。
本発明では、スペーサ分散液をインクジェット方式で上述した基板の該画素領域を画する領域に対応する特定の位置に吐出し乾燥させる。この際、スペーサは帯電可能な処理が施されているので、上述したように、媒体の乾燥による効果以外に静電的相互作用によりスペーサが集まり、配置精度が向上する。
すなわち、静電的相互作用によりスペーサが集まる部位がない場合は(図4(a)参照)、画素領域を画する領域(またはそれに対応する領域)上に、一定の間隔(s1=s2)でスペーサ分散液を吐出しても、乾燥の過程で液滴端部のいずれかの箇所が何らかの理由で固定されてしまえば(図4(a)(2)参照)では中央の液滴以外は左端が乾燥中に固定されている)、乾燥後のスペーサはそれぞれの場所で1カ所に集まったとしてもその間隔は一定でなくなり(L1≠L2)、スペーサが画素領域中にはみ出してしまう。それに対して、静電的相互作用によりスペーサが集まる部位がある場合は(図4(b)参照)、たとえ、乾燥の過程で液滴端部のいずれかの箇所が何らかの理由で固定されてしまったとしても(図4(b)(2)参照)、さらに乾燥が進むにつれ今度は静電的相互作用によりスペーサが集まる部位で液滴端部が固定され(図4(b)(3)参照)、そこにスペーサが固定される。静電的相互作用によりスペーサが集まる部位での固定力が強いため先ほどの液滴端部の固定は解除され、最終的に静電的相互作用によりスペーサが集まる部位に向かって乾燥していくので、乾燥後のスペーサはそれぞれの箇所で1カ所に集まり、かつ、その間隔はほぼ一定(L1≒L2)となり、画素領域にはみ出すことはない。
また、図5は、一定の間隔(s1=s2)でスペーサ分散液を吐出した際の、配線部分を静電的相互作用によりスペーサが集まる部位14として利用した場合(b)と、静電的相互作用によりスペーサが集合する部位が無い場合(a)を模式的に示した図である。すなわち、図5(b)は、配線部分を静電的相互作用によりスペーサが集まる部位14として利用した場合における、スペーサ分散液が吐出された後の、乾燥過程におけるスペーサの集合状態を模式的に示した図であり、配線部分にスペーサが集合(L1≒L2)し画素領域にはみ出すことはない。図5(a)は静電的相互作用によりスペーサが集合する部位が無い場合であり、スペーサの集合位置が左右にずれる(L1≠L2)ために画素領域中にはみ出してしまう。
本発明において、スペーサ分散液は式(1)以上の間隔をもって基板に対して吐出する事が好ましい。なお、この間隔は、着弾したスペーサ分散液の液滴が乾燥しない間に次の液滴が吐出される場合の、それら液滴間の最低間隔である。
Figure 0004796751
上記より小さな間隔で吐出しようとすると、液滴径が大きいままなので着弾径も大きくなり液滴の合着が起き、乾燥過程で粒子の凝集方向が一カ所に向かって起こらなくなり、結果として乾燥後のスペーサの配置精度が悪くなったりする問題が発生する。また、吐出液滴量を小さくしようとしてノズル径を小さくすると、相対的にスペーサ粒子径がノズル径に対して大きくなってしまうので先述したようにインクジェットヘッドノズルより安定的(常に同一方向に直線的)にスペーサ粒子を吐出できず、飛行曲がりにより着弾位置精度が低下する。また、粒子によってノズルが閉塞する場合がある。
上記のようにして吐出されて基板上に配置されるスペーサの配置個数(散布密度)は通常50〜350個/mm2であることが好ましい。この粒子密度を満たす範囲であればブラックマットリックス等の画素領域を画する領域や配線等の画素領域を画する領域に対応する領域のどのような部分にどのようなパターンで配置しても構わないが、表示部(画素領域)へのはみ出しを防止するため、格子状の遮光領域(画素領域を画する領域)からなるカラーフィルタに対しては、一方の基板上のその格子状の遮光領域の格子点に対応する箇所を狙って配置する事が、より好ましい。
なお、1カ所の配置位置におけるスペーサの個数は、配置箇所毎に違うが、一般的には0〜12個程度であって、平均個数として、2〜6個程度である。その平均個数は、スペーサの粒子径とスペーサ分散液の濃度によって調整される。
また、この様に、スペーサ分散液を吐出し液滴を基板上に着弾させるには、インクジェットヘッドのスキャンを1回で行う事も、複数回に分けて行う事もできる。特に、スペーサを配置しようとする間隔が((1)式より)狭い場合は、その間隔の整数倍の間隔で吐出し、いったん乾燥させてから、その間隔分だけずらして、再度吐出するなどする事もできる。移動(スキャン)方向に関しても、1回毎に交互に変えて(往復吐出)吐出する事もできるし、片方向に移動時のみ吐出(単方向吐出)する事もできる。
さらに、この様な配置方法として、特願2000−194956号にあるように、ヘッドを基板面に対する垂線と角度を持つように傾け、液滴の吐出方向を変え(通常は基板面に対する垂線と平行)、さらにヘッドと基板との相対速度をコントロールする事で、着弾する液滴径を小さくし、よりいっそう画素領域を画する領域あるいはそれに対応する領域中にスペーサをおさめやすくする事も可能である。
次にスペーサ分散液が基板上に着弾してから、分散液中の媒体(溶剤、溶媒)を乾燥させる工程について説明する。
本発明で乾燥する条件としては、基板を加熱したり、熱風を吹き付けたりする事があげられ、特に限定されないが、スペーサを乾燥過程で着弾液滴の中央付近に寄せ集めるために、媒体の沸点、乾燥温度、乾燥時間、媒体の表面張力、媒体の配向膜に対する接触角、スペーサの濃度などを適当な条件に設定する事が好ましい。
スペーサを乾燥過程で着弾液滴の中で寄せ集めるためには、スペーサが基板上を移動する間に液体がなくなってしまわないようにある程度の時間幅をもって乾燥する。このため媒体が急激に乾燥してしまう条件は好ましくない。また、媒体は高温で長時間配向膜と接触すると、配向膜を汚染して液晶表示装置としての表示画質を損なう事があるので好ましくない。
媒体として室温で著しく揮発しやすいものや激しく揮発するような条件下でそれらの媒体を使用すると、インクジェット装置のノズル付近のスペーサ分散液が乾燥しやすくインクジェット吐出性を損なうので好ましくない。また分散液の製造時やタンクで乾燥によって凝集粒子が生成する可能性があるので好ましくない。
基板温度が比較的低い条件であっても乾燥時間が著しく長くなると液晶表示装置の生産効率が低下するので好ましくない。
本発明においては、スペーサ分散液が基板上に着弾した時の基板表面温度は、分散液に含まれる最も低沸点の溶媒の沸点より20℃以上低い温度である事が好ましい。最も低沸点の溶媒の沸点より20℃低い温度より高くなると、最も低沸点の溶媒が急激に揮散し、スペーサが移動できないばかりでなく、著しい場合は溶媒の急激な沸騰で液滴ごと基板上を動き回り、スペーサの配置精度が著しく低下するので好ましくない。
また、スペーサ分散液が基板上に着弾した後に、基板温度を徐々に上昇させながら媒体を乾燥させる際には、乾燥が完了するまでの間の基板表面温度は90℃以下が好ましく、さらに好ましくは70℃以下である。乾燥が完了するまでの間の基板温度が90℃を越えると、配向膜を汚染して液晶表示装置の表示画質を損なうので好ましくない。
なお、本発明中でいう乾燥完了とは基板上の液滴が消失した時点をいう。
(液晶表示装置の組立)
本発明の製造方法に従ってスペーサを配置した基板は、対向する基板と周辺シール剤を用いて加熱圧着され、形成された基板間の空隙に液晶が充填されて液晶表示装置が作成される。
(作用)
本発明による液晶表示装置の製造方法では、一定のパターンに従って配列された画素領域と画素領域を画する遮光領域とからなる液晶表示装置において、インクジェット装置を用いて、スペーサ粒子を分散させたスペーサ粒子分散液を吐出し、画素が形成されている方の基板の遮光領域または画素が形成されていない方の基板の遮光領域に相当する領域にスペーサ粒子を配置した基板とスペーサ粒子を配置していない基板とを、上記遮光領域または遮光領域に相当する領域に配置されたスペーサ粒子を介して対向させた液晶表示装置の製造方法において、スペーサ分散液中のスペーサに帯電処理を施すようにすれば、また、加えて、該画素領域を画する領域に対応する特定位置に隣接して帯電させることが可能な材料からなる配線材料からなる配線材料を存在させたり、更に、その帯電させることが可能な材料からなる材料から配線材料を、帯電処理されたスペーサと反対荷電に帯電させれば、該画素領域を画する領域に対応する特定の位置にスペーサが配置されるので、その結果基板を液晶表示装置とした時、狭い幅の非表示部分に精度良くスペーサを配置することができ、スペーサの周囲から光り抜けが起こるという表示画質低下がない優れた液晶表示装置を効率よく製造することができる。
この作用については、静電的相互作用(いわゆる静電的な電気泳動効果)により液滴中で粒子がその部分に移動、吸着されていくことが考えられる。
本発明においては、上述したようなインクジェット法によってスペーサを配置する製造方法によって液晶表示装置が製造されるため、スペーサによる光抜けのない表示画質の優れた液晶表示装置を効率よく製造する事が可能になる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例1〜11及び比較例1〜2〕
表1に示したスペーサ分散液、基板を用いて下記の方法で液晶表示素子を作成した。
(スペーサ粒子の調製)
セパラブルフラスコにて、ジビニルベンゼン15重量部、イソオクチルアクリレート5重量部、重合開始剤として過酸化ベンゾイル1.3重量部を均一に混合し、次にポリビニルアルコール(GL−03、クラレ社製)の3%水溶液20重量部、ドデシル硫酸ナトリウム0.5重量部を投入しよく攪拌した後、イオン交換水140重量部を添加した。この溶液を攪拌しながら窒素気流下80℃で15時間反応を行った。得られた粒子を熱水及びアセトンにて洗浄後、分級操作を行い、アセトンを揮スペーサ粒子(S)を得た。得られた粒子の平均粒子径は4.0μm、CV値は3.0%であった。
(スペーサ粒子の表面修飾)
上記で得られたスペーサ粒子5重量部をジメチルスルホキシド(DMSO)20重量部、ヒドロキシメチルメタクリレート2重量部、N−エチルアクリルアミド18重量部中に投入し、ソニケータによって均一に分散させた後に、反応系に窒素ガスを導入し30℃にて2時間撹拌を続けた。次に1Nの硝酸水溶液で調製した0.1mol/lの硝酸第2セリウムアンモニウム溶液10重量部を添加し5時間反応を続けた。反応終了後、2μmのメンブランフィルタにて粒子と反応液とを濾別した。この粒子をエタノール及びアセトンにて充分洗浄し、真空乾燥器にて減圧乾燥を行いスペーサSAを得た。
また、上記で得られたスペーサ粒子5重量部、ジメチルスルホキシド(DMSO)20重量部、ヒドロキシメチルメタクリレート2重量部、メタクリル酸16重量部、ラウリルアクリレート2重量部からスペーサSBを、ジメチルスルホキシド(DMSO)20重量部、ヒドロキシメチルメタクリレート2重量部、ポリエチレングリコールメタクリレート(分子量800)18重量部を用いて上記と同様にしてスペーサSCを得た。
(スペーサ分散液の調製)
上記で得られたスペーサを所定の粒子濃度になるように必要量をとり、表1に記載した組成の溶媒にゆっくり添加し、ソニケータを使用しながら充分撹拌する事によって分散させた後に10μmの目開きのステンレスメッシュで濾過して凝集物を除去してスペーサ分散液S1〜S8を得た。得られたスペーサ分散液のゼータ電位を、「コロイド化学 IV.
コロイド化学実験法(日本化学会編 東京化学同人(1996))p217」の方法で測定した。結果を表1に示した。尚、使用した溶媒の性質を表2に示した。
(基板の作成)
液晶テストパネル用の基板として、カラーフィルタ基板並びにTFTアレイ基板を模した基板(TFTアレイモデル基板)を用いた。
カラーフィルタ基板はガラス基板の上に通常の方法により、金属クロムからなるブラックマトリックス(幅が25μm、縦間隔150μm、横間隔75μm、厚み0.2μm)を設け、RGBの3色からなるカラーフィルタ画素(厚み1.5μm)をその間に形成した。さらに、その上にオーバーコート層並びにITO透明電極を設け、さらにその上に、スピンコート法によってポリイミドを含有する溶液(日産化学社製、サンエバーSE1211、表面張力(γ):26mN/m)を均一に塗布し、80℃で乾燥した後に190℃で1時間焼成して硬化させて配向膜を形成させた。
この際、各色画素カラーフィルタの間の間隔の差により、表面が平滑な基板(図7(b)15(I)参照)並びに凹部(段差(深さ)1.3μm)を有する基板(図7(b)1
5(II)参照)の2種類の基板を作製した。
TFTアレイ基板は、ガラス基板上にカラーフィルタ基板のブラックマトリックスに相対する位置に銅からなるよる配線(幅8μm、厚み0.2μm)を従来公知の方法で設け、その上に前述した方法で配向膜を形成させた(図7(b)16(I)参照)。この際、段差が0.005(μm)、1.0(μm)の基板も作製した。
(インクジェット法によるスペーサの配置)
取り付けられたヒーターで45℃に加熱されたステージ上に、前述のTFTアレイモデル基板を載せ、ピエゾ方式の口径50μmのヘッドを搭載したインクジェット装置にて、このカラーフィルターのブラックマトリックスに対応する段差を狙って、縦のライン1列おきに、縦のライン上に、110μm間隔でスペーサ分散液を吐出し(縦110μm×横150μmピッチで配置した)乾燥させた。尚、吐出の際のノズル(ヘッド面)と基板の間隔は0.5mmとし、ダブるパス方式を用い、また、乾燥させるまでの間、TFTアレイモデル基板の銅線に−3Vの電位(アースに対してその電位を印可した、その他の装置は全てアースをとっている)を印可した。ステージ上の基板に吐出されたスペーサ分散液が、目視で完全に乾燥したのを確認した後に、更に残留溶媒を除去し、スペーサを基板に固着するために、150℃に加熱されたホットプレート上に移して加熱し、15分間放置した。このようにして、配置したスペーサの散布密度は180個/mm2、平均スペーサ数は3.0個/dotであった。
(評価用液晶表示セルの作製)
上記のようにしてスペーサを配置したTFTアレイモデル基板と対向基板となるカラーフィルタ基板を周辺シール材を用いて貼り合わせてシール材を150℃で1時間加熱し、シール剤を硬化させてセルギャップがスペーサの粒子径となるような空セルを作成し、次に真空法で液晶を充填し、封口剤で注入口封止して液晶表示セルを作成した。
〔評価〕
下記の項目について評価を行い、表1に示した。
(スペーサ散布密度)
基板にスペーサを固着させた後に、1mm2あたりに散布されているスペーサの個数を観測し散布密度とした。
(平均スペーサ数)
上記1mm2の範囲で1配置あたりに凝集しているスペーサの個数の平均値を平均スペーサ数とした。尚、−印は凝集が認められなかった。
(スペーサ配置精度)
液滴が乾燥した後のスペーサの配置状態を下記の基準で判定した。
○:殆どすべてのスペーサが遮光領域にあった。
△:一部のスペーサが遮光領域からはみだした位置にあった。
−:多くの粒子が遮光領域からはみだした位置にあった。
(スペーサ配置精度)
ブラックマトリックス、或いはこれに対応する部分の中心から両側に等間隔で平行線を引き、この2本の平行線間に個数で95%以上のスペーサが存在する平行線間の距離をスペーサ存在範囲とした。
(表示画質)
スペーサの位置を観察し、下記の基準で判定した。
○:表示領域中にスペーサが殆ど認められず、スペーサ起因の光抜けがなかった。
△:表示領域中に若干のスペーサが認められスペーサ起因の光抜けがあった。
−:スペーサが認められスペーサ起因の光抜けがあった。
Figure 0004796751
Figure 0004796751
表1に示されたように、実施例では、スペーサは精度良くほとんど非表示領域に配置され、表示画質に優れていた。それに対して、比較例では、寄り集まりはしているが配置精度が悪く非表示領域にまで配置され、表示画質に劣っていた。
液晶表示装置(従来例)の断面を表す模式図 インクジェットノズルからの液滴吐出状態を表す模式図 (a)メニスカスが軸対象でない場合 (b)メニスカスが軸対象の場合 段差部分の例を表す模式図 乾燥過程を横から見た場合を表す模式図 (a)静電的相互作用によりスペーサが集まる部位がない場合 (b)静電的相互作用によりスペーサが集まる部位がある場合 乾燥過程を上から見た場合を表す模式図 (a)静電的相互作用によりスペーサが集まる部位がない場合 (b)静電的相互作用によりスペーサが集まる部位がある場合 スペーサの残留する位置を表す模式図 実施例で使用する基板の模式図 (a)上から見た図 (b)横から見た図 スペーサ粒子の存在範囲の評価方法を示す模式図
符号の説明
1:透明(ガラス)基板
2:偏光板
3:透明電極
4:カラーフィルタ
5:ブラックマトリックス
6:オーバーコート
7:液晶
8:スペーサ
9:配向膜
10:シール剤
11:メニスカス
12:スペーサ分散液
13:着弾したスペーサ分散液液滴
14:静電的相互作用によりスペーサが集まる部位
15、15(I)、15(II):カラーフィルタ基板
16、16(I):TFTアレイモデル基板
B:段差部分の高さ
d:個数で95%以上のスペーサ粒子が存在する平行線間の距離

Claims (3)

  1. 一定のパターンに従って配列された画素領域と画素領域を画する遮光領域とからなる液晶表示装置において、インクジェット装置を用いて、スペーサ粒子を分散させたスペーサ粒子分散液を吐出し、画素が形成されている方の基板の遮光領域または画素が形成されていない方の基板の遮光領域に相当する領域にスペーサ粒子を配置した基板とスペーサ粒子を配置していない基板とを、上記遮光領域または遮光領域に相当する領域に配置されたスペーサ粒子を介して対向させた液晶表示装置の製造方法であって、スペーサ分散液中のスペーサ粒子に帯電処理が施されており、スペーサ分散液は、20℃における表面張力が25mN/m以下である沸点が100℃未満の溶媒及び/又は水と、20℃における表面張力が30mN/m以上である沸点が150℃以上の溶媒とを含有することを特徴とするインクジェット方式による液晶表示装置の製造方法。
  2. 請求項1において、該画素領域を画する領域に対応する特定の位置に隣接して帯電させることが可能な材料からなる配線材料が存在することを特徴とするインクジェット方式による液晶表示装置の製造方法。
  3. 請求項2において、帯電させることが可能な材料からなる配線材料を、帯電処理されたスペーサと反対電荷に帯電させることを特徴とするインクジェット方式による液晶表示装置の製造方法。
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