JP4795520B2 - エマルションインキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にステンシル印刷機やデジタル印刷機で使用するためのエマルションインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
エマルションインキは、ステンシル印刷機やデジタル印刷機において広く使用されている。好ましいエマルションインキは、油相中に分散した水相からなる油中水(W/O)型エマルションインキである。広範な種類のこの種のインキが知られており、使用材料や最終的なインキに要求される特性に応じて、あるものは、連続的な油相中に着色剤を含有しており、他のものは、分散した水相中に着色剤を含有している。
【0003】
例えば、EP−A−0609076には、連続的な油相中に着色剤と、水相中に水中油(O/W)型樹脂エマルションとを含むW/O型エマルションインキが開示されている。該O/W型樹脂エマルションの最低成膜温度は、40℃以下である。得られたW/O型エマルションインキは、優れた乾燥特性、固着性、及び安定性を有していると述べられている。
【0004】
特開平6−128516号公報には、油相及び水相、並びに油相及び/または水相中の熱溶融性成分(好ましくは、40〜100℃の範囲の軟化点を有する)または熱硬化性成分を含む種々のエマルションインキが開示されている。該インキは、改良された乾燥性と結着性を有しており、それによって、セットオフ(裏移り)を防止すると言われている。該エマルションインキは、オフセットを防ぐために、所望により、油相及び/または水相中にシリコーンオイルを含有することができる。しかし、水相中に如何にしてシリコーンオイルを含有させるのかについての情報は与えられておらず、そして、実施例は、油相中へのシリコーンオイルの含有に限定されている。着色剤も油相中に含ませることができる。
【0005】
米国特許第2839412号には、乳化剤としてステアリン酸アルミニウムを用いることにより連続的な油相中に分散させた水相からなり、該水相が着色顔料を含有するステンシル印刷機で使用するためのW/O型エマルションインキが開示されている。該インキは、数ある特質の中でも、良好な保存性と流動性とを有していると言われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、W/O型エマルションインキの長年の使用にもかかわらず、未だ下記の欠点を示している。
1.インキ中における水相の比率に関して、相反する要求がある。数ある特性の中でも、連続的な油相中に分散した水相の比率は、インキの流動性を決定する。この特性を最適化することは、決定的に重要である。流動性が過剰であると、印刷工程の間にステンシルの後縁下からインキの滲出を引き起こし、印刷シート上に望ましくないインキ跡(しばしば「裾漏れ(tail flooding)」と呼ばれる欠陥)を生じさせる。
【0007】
この欠陥を防ぐために、商業的に入手可能なW/O型エマルションインキの水相は、一般に全インキ重量の50%を越え、時には70%を越えている。しかし、インキの水量が増加するにつれて、他の印刷欠陥が一層明らかになる。水成分は、印刷シートの紙繊維の膨潤を引き起こす。この膨潤により紙の表面が変形し、そして、湿った印刷領域の盛り上がった点が、印刷機の受けトレイ中で重ね合わせた印刷物の裏面にインキが移るのを促進する。セットオフ(裏移り)として知られている欠陥である。
したがって、裾漏れ問題を避けるために、セットオフ性能に関して望ましいよりも高い水濃度でインキが調合されていることが分かる。
【0008】
2.水相中に顔料を含有するインキは、顔料の含有量によって、特性に変動を示す。W/O型エマルションインキの分散相に顔料を含有させることの理解されている一つの利点は、顔料のみが変動され、その結果、多くの共通のあるいは極めて類似の特性を示す一般的な調合を有するインキの範囲を達成する能力である。
【0009】
例えば、EP−A−0848046では、この概念に基づく広範な着色インキの製造システムが述べられている。該方法は、基本的範囲の水性顔料ディスパージョン群の調製を必要とし、そして、それらを、異なる着色インキの水相成分を形成するために、異なる割合で混合する。しかし、そのようなシステムにおいては、顔料の含有量によって、特に水相中の全顔料濃度に関連して変動する幾つかの特性が存在する。
【0010】
例えば、顔料濃度が変動するにつれて、レオロジーが変化することは明らかである。したがって、顔料濃度が減少すると、得られる印刷物は、ことに大きなブロック領域を持つ印刷物では、インキ充填ムラ、典型的には、増大した印刷密度の横縞模様を示す。この欠陥は、環境温度が高くなるにつれて悪化する。このレオロジーの変化は、ブースト剪断応力の適用により粘度が測定されるクリープ試験を実施できるレオメーターを用いることにより決定することができる。不均質なインキ分布の欠陥を示すインキは、通常の条件下で測定した粘度では僅かの差しか示さないけれども、この欠陥を示さない高濃度の顔料を有するインキよりも、かなり低いクリープ粘度を有している。
【0011】
3.アゾレーキのような極性顔料を水相中に含有するインキは、低い安定性を示す。したがって、水相中に顔料を有する着色W/O型エマルションインキの調合に関するEP−A−0791639は、低いインキ安定性を理由として、レーキのようないわゆる「可溶性」顔料を明確に除外している。これらの「可溶性」顔料は、顔料分子構造内の極性官能基の存在によって区別され、それは、顔料が合成される反応媒体中で可溶性を付与する。
【0012】
4.水相中に顔料を有するW/O型エマルションインキの調合による利点にもかかわらず、油相中で使用される顔料分散剤が低コストであるため、油相着色には、しばしば経済的な利点がある。したがって、水相着色により達成される性能利点は、経済的制約によって譲歩させられる。
したがって、これらの問題点を示さないエマルションインキに対する要求がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、連続的な油相、そのうちの一つが分散油相である2つ以上の分散液体相、及び該分散油相中に分散した固形材料を含有するエマルションインキが提供される。
【0014】
驚くべきことに、このようなインキは、裾漏れや裏移りの競合的問題をこうむることなく、ステンシルもしくはデジタル印刷機で用いるのに適したレオロジー特性をもつように調合することができる。実際、本発明のインキによって、裏移りが顕著に低減される。しかも、本発明のインキは、顔料濃度の変化に伴うレオロジー変化をあまり受けることがなく、したがって、一貫して均一な印刷品質を達成することができる。さらに、極性顔料に対して安定な環境を提供するインキを調合することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、連続的な油相、そのうちの一つが分散油相である2つ以上の分散液体相、及び該分散油相中に分散した固形材料を含むエマルションインキであって、(i)少なくとも一つの分散液体相が水相であり、かつ、(ii)水相中に分散した油相を含む水中油型エマルションの液滴を、連続的な油相中に分散して含有するエマルションインキが提供される。
本発明の第一の様相によれば、少なくとも一つの分散液体相が他の分散液体相中にエマルションの形態で分散され、次には連続的な油相中に分散される。
本発明の第二の様相によれば、複数の分散液体相が連続的な油相に直接接触して、界面を形成する。
【0016】
本発明の第三の様相によれば、連続的な相と直接接触する複数の分散液体相を含有するエマルションインキが提供され、これらの分散液体相の一つ以上は、さらに他の分散液体相をその中に分散して含有している。
【0017】
下記において、本発明は、主として発明の第一の様相に関連して説明される。しかし、異なる説明がない限り、使用される材料のタイプや量などの調合要件は、本発明の他の様相に等しく適用される。
【0018】
連続的な相は、W/O型エマルションの連続的な相を形成するためにこの技術分野で知られている如何なる油をも含むことができる油相である。好適な材料としては、パラフィン油、ナフテン油などの鉱油、イソパラフィンやスピンドル油などの留出油、ポリイソブテンなどの合成炭化水素、菜種や大豆誘導体などの天然油、ポリジメチルシロキサンやポリフェニルメチルシロキサンなどのシリコーン、及び他の炭化水素溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。油は、揮発性でも非揮発性でもよく、あるいは、揮発性及び非揮発性成分の組み合わせでもよい。
【0019】
連続的な油相は、通常、W/O型エマルションを与えることができる混和性の乳化剤を含有する。好適な乳化剤としては、ソルビタンモノオレエートやソルビタンセスキオレエートなどのソルビタンエステル、大豆レクチンなどのリン脂質、高級アルコールのエチレンオキシド誘導体などの高分子界面活性剤、及びポリエステル変性ポリシロキサンなどのシリコーン誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
分散液体相の一つは、油相であり、好ましくは、普通の環境条件下(18〜22℃)で液体であり、かつ、EP−A−0609076に述べられているインキの水相中に混合せしめられた樹脂エマルションとは違って、膜形成性の固形材料ではない。分散油相は、連続的な油相に用いられる上記に列挙した材料からなることができる。好ましくは、分散油相は、連続的な油相が炭化水素油である場合、シリコーンオイルからなる。
【0021】
典型的な分散相の一つは、水相であり、そして、一成分として、典型的には主要な成分として、水を含有するようなもの、例えば、水溶液の形態であるようなものである。
【0022】
インキが、連続的な相と直接接触する1つ以上の分散液体相とからなるものである場合、該分散油相は、連続的な相及び他の分散相と不溶性かつ不混和性でなければならず、それは、好ましくは水相である。
【0023】
インキが、他の分散液体相中に分散した少なくとも一つの分散液体相を含むものである場合には、全分散相は、好ましくは、水中油(O/W)型エマルションを含み、全インキは、水中油(O/W/O)型エマルションからなる。
【0024】
他の分散液体相中に分散液体相を形成するために、通常、いずれかの分散液体相中に乳化剤を含有させることが必要である。好ましいケースにおいて、連続的な油相中にO/W型エマルションが分散している場合には、選択される乳化剤は、O/W型エマルションをもたらすことができるものでなければならない。このような材料としては、ペトローリアムスルホネート、脂肪酸エステルのナトリウム塩、コハク酸スルホネート、アニオン性アクリル樹脂などのアニオン性ポリマーの水溶性塩、及びホスフェートエステルが挙げられるが、これらに限定されない。好適な商業的に入手可能な乳化剤の一例は、チバ・スペシャリティ・ケミカルズから入手されるディスぺックス(Dispex:登録商標名)N40である。
【0025】
上述したように、インキが、連続相と直接接触する複数の分散液体相を含むものである場合、これらの分散相の各々は、それらの中に分散しているさらなる内部相を含有することができる。連続的な油相と接触する分散液体相の少なくとも一つは、該連続的な油相に不溶性かつ不混和性の油相である。好適な油としては、当該連続的な油相に不溶性かつ不混和性であることを前提に、連続的な油相として用いられるものを含んでいる。好ましくは、連続的な油相と接触する他の液体相は、水相である。分散した内部相に用いる材料は、連続的な油相と接触する相の性質に従って選択される。
【0026】
一般に、エマルションインキの全分散液体相:連続的な相の重量比は、典型的には90:10〜10:90の範囲内であり、好ましくは85:15〜15:85の範囲、より好ましくは80:20〜20:80の範囲である。
【0027】
インキが好ましいO/W/O型エマルションインキである場合、全インキ重量中、典型的には、連続的な油相は10〜80重量%で、分散水相は20〜85重量%で、分散油相は0.05(またはそれより少ない)〜50重量%であり、好ましくは、連続的な油相は15〜40重量%で、分散水相は50〜80重量%で、分散油相は0.5〜30重量%であり、より好ましくは、連続的な油相は20〜40重量%で、分散水相は45〜75重量%で、分散油相は1〜15重量%である。
【0028】
本発明のインキは、分散油相中に分散した固形材料を含有している。分散した固形材料は、分散油相中で実質的に不溶性である。分散した固形材料は、顔料もしくは他の着色剤、充填剤、樹脂、ワックス、相不溶性ゲル化剤、及びこれらの混合物などの固形粒状物からなることができる。
【0029】
好適な顔料及び着色剤について下記に述べる。好適な無機充填剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムが挙げられる。これらの材料は、分散油相中での分散を助けるために、所望により、例えばステアレート被覆炭酸カルシウムのように、表面処理を有することができる。好適な有機充填剤としては、米及びトウモロコシ澱粉が挙げられる。好適な樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレートなどの アクリル樹脂、例えばポリ酢酸ビニルやポリ塩化ビニルなどのビニル樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン及びシリコーンポリマーなどが挙げられ、これらは、ホモポリマーまたはコポリマーのいずれであってもよい。好適なワックスとしては、例えばポリエチレン及びポリプロピレンなどの合成ワックス、並びに、例えばカルナウバワックスなどの天然ワックスが含まれる。好適な相不溶性ゲル化剤としては、ベントナイトクレー、ヒュームドシリカ、及び層状ケイ酸塩が挙げられる。
【0030】
分散油相中に含まれる固形材料の量は、選択された油及び固形物の性質に依存し、特に固形物の粒径、形状及び表面積、並びに分散油相中での分散性に依存する。例えば、固形材料をO/W/O型エマルションインキの分散油相中に含有させる場合であって、該固形材料をO/W型エマルションの形成前に分散油相中に予め分散させるときには、典型的には、固形材料を該分散油相の1〜55重量%、好ましくは10〜50重量%の量で存在させる。しかし、他の水相成分を添加する前に、固形材料と油を水中に共に分散させることにより、例えば、分散油相の99重量%といった高い固形物含量とすることができる。高い固形物含有量の分散油相を有するインキは、例えば、レーキ顔料の混合、酸性及びアルカリ性顔料もしくは水相の選択されたpHで不混和性の充填剤の水相中での利用のように、油が顔料と他のインキ成分との間の好ましくない反応を防止するためのバリアとして作用することが求められる場合に有用である。
分散油相中に含まれる固形物の上記範囲の量は、O/W/O型エマルションインキ以外のインキにも等しく適用することができる。
【0031】
インキは、いずれかの相の中に、すなわち連続的な相またはいずれかの分散液体相もしくは1を越える相の中に、着色剤を含有することができる。例えば、インキがO/W/O型エマルションインキである場合、着色剤を連続的な油相及び/または分散液体相のいずれかもしくは両方に含有させることができる。好ましくは、着色剤は、分散水相または分散油相のいずれか一つの分散液体相の中に含有される。インキがO/W/O型エマルションインキであるか否かを問わず、分散油相中に着色剤を含有させることの一つの利点は、水相中への分散に通常要求されるものよりも安い分散剤を使用できることである。いずれの場合においても、着色剤は、分散固形材料を効果的に含み、そして、着色剤が分散油相中に存在していると、該インキは、該相もしくは他の液体相の少なくとも一つの中に、さらなる分散固形材料を含んでいても、あるいは含んでいなくてもよい。
【0032】
好適な着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、及びアセチレンブラックなどのカーボンブラック、二酸化チタン、アルミニウム、及び銅などの無機顔料、並びにアセトアセトアニリド、ベータナフトール、ピラゾロン等のアゾ誘導体などのアゾ顔料、アゾレーキ顔料、フタロシアニン化合物、キナクリドン、及びジオキサジン(ただし、これらに限定されない)などの有機顔料などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
また、インキは、樹脂、ゲル化剤、分散剤、水溶性塩(エマルション安定剤)、増量剤、ワックス、及び殺生物剤などの各相に慣用の添加剤の1種以上を含有することができる。
【0034】
インキが分散水相を含有する好ましい場合には、この相は、エチレングリコールやプロピレングリコール、グリセロールなどの不凍化剤;アクリル酸塩、セルロースエーテルなどのセルロース誘導体、ゼラチン、または無機クレーゲル化剤などのゲル化剤;樹脂エマルション;またはW/O型エマルションインキの水相中に慣用的に含有させる他の添加剤、特にステンシルまたはデジタル印刷機で使用されるものを含有することができる。好ましくは、分散水相は、ゲル化剤を典型的には該水相の0.1〜5重量%の量で含有する。
【0035】
の様相によれば、エマルションインキは、水相中に分散した油相を含む水中油(O/W)型エマルションの液滴をその中に分散して有する連続的な油相、並びに該水中油型エマルションの水相中に分散した固形着色剤を含んでいる。好ましくは、O/W型エマルションの油相は、他の様相についていえば、分散固形材料を含有する。この様相で使用する材料の種類と量は、前に詳述した他の様相のために用いられるものと同じである。
【0036】
本発明のインキの調製とそれらの別々の相の調製は、次の実施例中で参照されるような分散及び乳化の公知技術を包含している。分散相を形成するO/W型エマルションの調製、並びに最終的なO/W/O型エマルションの調製も、直接乳化または転化によって達成することができる。直接乳化は、連続相への分散相の添加を包含する。転化は、分散相への連続相の添加を必要とする。
【0037】
【実施例】
本発明は、下記の実施例によってさらに例を挙げて説明される。
【0038】
[比較例1及び実施例1]
インキの組成は、表1にまとめられている。異なる指摘がない限り、各成分の割合は、全インキ組成の重量部として与えられる。
2種類のナフテン油とソルビタンモノオレエートとを混合することにより、連続的な油相を調製した。
水性相のために、ポリアクリル酸を水に溶解し、そして、ゲルを形成するために、稀アンモニウム溶液で中和した。
サーフィノール(Surfynol:登録商標名)440及びディスぺックス(Dispex:登録商標名)N40アクリル樹脂を水に加えて、CIピグメントブルー1(トリアリルメタンレーキ)の分散液を調製し、次いで、練り顔料を形成するために、高速撹拌で顔料を添加した。水平ビードミルで分散液を混和して微細な分散液を得た。
比較例1では、顔料分散液をポリアクリル酸ゲル中にかき混ぜて均質な水相を形成した。次いで、水相を、急速に撹拌している油相中にゆっくりと添加して、エマルションインキを形成した。
【0039】
実施例1では、タルク(平均粒径4〜6μm)を、高速攪拌機を用いてシリコーンオイル中に分散させた。ディスペックス(Dispex:登録商標名)N40(全インキの1.9部)をポリアクリルゲル(全インキの6.4部)と混合した。次いで、混合物を高速で撹拌しながら、シリコーンオイル中のタルクをゆっくりと添加して、O/W型エマルションを形成した。混合物が均一な外観を示すまで撹拌を継続した。
CIピグメントブルー1分散液を残余のポリアクリルゲル(全インキの49.2部)と混合し、次いで、エチレングリコールとO/W型エマルションを撹拌しながら添加して、水相を形成した。油相を急速撹拌している水相に添加して、転化法によりエマルションインキを形成した。
【0040】
インキの安定性を評価するために、加速老化試験中のエマルション構造の変化を平行板プラストメーター(PPP)を用いて評価した。この装置の使用については、アメリカンインキメーカー(American Ink Maker)第28巻(1950年)でA.ボエット(A.Voet)が述べている。この試験方法では、要するに、事実上ゼロ剪断速度でインキの降伏点を測定する。エマルションインキでは、PPPの変化は、エマルション構造の変化に直接関係する。アレニウスの法則の近似的適用に基づけば、70℃で4日間のインキの老化は、常温で約6ヶ月間の老化に相当すると考えられている。
加速老化試験の作用の下で、比較例1のインキは、流動体となり、先行技術の開示に沿って、低い安定性を示した。しかし、実施例1に示されるO/W/O型エマルションインキは、構造変化が僅かであった。
【0041】
[比較例2〜3及び実施例2]
実施例1及び比較例1と同じ方法を用いて、比較例2〜3及び実施例2の各インキを調製した。この場合、CIピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン)を、顔料分散剤としてスルホン化ナフタレン−ホルムアルデヒド縮合物(デースコフィックス:Dehscofix 915/AS:登録商標名)とともに用いた。実施例2では、O/W型乳化剤としてアクリル樹脂ディスペックス(Dispex)N40を用いた。
【0042】
大きな固形印刷領域を持つ原版を用いて、リコー(Ricoh:登録商標名)モデルVT6000デジタル印刷機により、30℃において、各インキで印刷した。印刷物について、インキ適用範囲の均質性を評価した。顔料の含有量が比較的高い比較例2のインキは、均質な適用範囲を示したが、顔料の含有量が低い比較例3のインキは、ムラのある適用範囲を示した。比較例3と同じ顔料含有量である実施例2のインキは、比較例2に匹敵するムラのない印刷品質を与えた。この流動性の変化は、比較例3に比べて、実施例2のクリープ試験粘度の増大によって示される。
【0043】
[実施例3及び比較例4]
実施例1及び比較例1と同じ方法を用いて、下記の表2に示される実施例3及び比較例4に従って、各インキを調合した。先の実施例で用いたポリアクリレートゲル化剤は、中間のO/W型エマルションの調合から省略し、また、比較例4のインキには、タルクを含有させなかった。
【0044】
先の実施例と同じ方法を用いてインキを評価した。実施例3及び比較例4で得られた結果を対比すると、まったく異なった利点が、3相エマルションインキの分散油相中に固形材料(タルク)を含ませることによって達成されることが示されている。特に、実施例3のインキは、比較例4のインキに比べて改良された安定性を有しており、比較例4のインキは、70℃で4日間後に相分離を示している。実施例3のインキは、比較例4のインキに比べて、クリープ試験で高い値を達成しており、実際、比較例4のインキは、高い適用ブースト強度値で不安定になっている。しかも、クリープ試験の結果と一致して、広い固形印刷領域を印刷すると、実施例3のインキのみがインキ適用範囲の要求される均質性を達成しており、比較例4のインキは達成していなかった。
【0045】
【表1】
Figure 0004795520
【0046】
【表2】
Figure 0004795520
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、裾漏れと裏移りの競合的問題がなく、ステンシルもしくはデジタル印刷機で用いるのに適したレオロジー特性をもつように調合することができるエマルションインキが提供される。本発明のエマルションインキは、顔料濃度の変化に伴うレオロジー変化をあまり受けることがなく、したがって、一貫して均一な印刷品質を達成することができる。さらに、本発明のエマルションインキは、極性顔料に対して安定な環境を提供するように調合することができる。

Claims (9)

  1. 連続的な油相、そのうちの一つが分散油相である2つ以上の分散液体相、及び該分散油相中に分散した固形材料を含むエマルションインキであって、(i)少なくとも一つの分散液体相が水相であり、かつ、(ii)水相中に分散した油相を含む水中油型エマルションの液滴を、連続的な油相中に分散して含有するエマルションインキ。
  2. 着色剤が水中油型エマルションの水相中に存在する請求項記載のインキ。
  3. 着色剤がアゾレーキ顔料である請求項記載のインキ。
  4. 着色剤が水中油型エマルションの油相中に存在する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインキ。
  5. 水中油型エマルションの油相がシリコーンオイルからなる請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインキ。
  6. 水相がゲル化剤を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインキ。
  7. 分散した固形材料が、充填剤、樹脂、ワックス、相不溶性ゲル化剤、及びこれらの混合物から選ばれる請求項1乃至のいずれか1項に記載のインキ。
  8. 分散した固形材料が着色剤を含む請求項1乃至のいずれか1項に記載のインキ。
  9. 着色剤が連続的な油相中に存在する請求項1乃至のいずれか1項に記載のインキ。
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