JP4793043B2 - エンジンの吸入空気量制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主として吸気弁の作動特性によってシリンダ吸入空気量を制御する構成のエンジンの吸入空気量制御装置に関し、詳しくは、トルクリニアリティを確保しつつ高負荷領域における出力性能を保証するための技術に関する。
エンジンにおける吸入空気量の制御として、スロットル弁の制御によらず、主に吸気弁の作動特性を可変制御することで、目標トルクとなるような吸入空気量(シリンダ吸入空気量)を実現しようとするものがある(特許文献1)。
特開2002−256905号公報
ところで、吸気弁の作動特性を可変制御することによって(シリンダ)吸入空気量を制御する場合には、通常、目標とする吸入空気量から吸気弁の作動特性を算出するように構成されることになる。
しかし、かかる算出過程には、吸気脈動や温度の影響を強く受けてしまう部分があるため、高負荷領域、特に全負荷運転時の出力がばらついて(不足して)しまい、出力性能の保証という観点からは改善の余地がある。その一方で、単に出力性能を保証するだけではなく、運転性や制御性の観点からトルクリニアリティを確保する必要もある。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、吸気弁の作動特性を可変制御することによって(シリンダ)吸入空気量を制御する構成において、全負荷運転時を含む所定の高負荷領域における出力のバラツキを抑制して出力性能を保証するとともに、トルクリニアリティを十分に確保することを目的とする。
このため、本発明は、吸気通路にスロットル弁が配設されるとともに、吸気弁の作動特性を可変する可変動弁機構を備えたエンジンの吸入空気量制御装置であって、前記エンジンの目標トルク相当のシリンダ吸入空気量である目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、算出された目標吸入空気量に基づいて前記吸気弁の作動特性を制御する吸気弁作動特性制御手段と、前記吸気弁の作動特性に基づいて実際のシリンダ吸入空気量である実吸入空気量を算出し、算出した実吸入空気量と前記目標吸入空気量とに基づいて前記スロットル弁を開閉制御するスロットル制御手段と、を含んで構成され、前記吸気弁作動特性制御手段は、所定の高負荷領域においては、前記目標吸入空気量にかかわらず、前記吸気弁の作動特性を、前記所定の高負荷領域で設定されるべき作動特性としてあらかじめ設定された高負荷用作動特性へと制御し、全負荷運転が要求されたときに、前記スロットル制御手段は、前記吸気弁の作動特性が前記高負荷用作動特性となってから前記スロットル弁を全開とする制御を開始することを特徴とする。
本発明によれば、吸気弁の作動特性による吸入空気量制御を基本としつつ、その誤差分についてはスロットル弁の制御によって補うことができるので、高精度な吸入空気量制御が実現できる。特に、吸気弁作動特性手段は、高負荷領域においては、目標吸入空気量にかかわらず、該高負荷領域で設定されるべき高負荷用作動特性(例えば、全負荷運転時に設定されるべき作動特性、すなわち、(最高)出力性能を確保するための作動特性が該当する)へと制御するので、吸気脈動や温度の影響によって生じる目標作動特性の算出誤差(作動特性制御の誤差)を回避して、高負荷領域において所期の出力を確保することができる。また、スロットル弁は、目標吸入空気量と実吸入空気量とに基づいて、例えばその偏差をなくすように制御されるので、吸気弁作動特性制御を切り換えた場合であっても、トルク段差の発生を抑制しトルクリニアリティを確保できる。
ここで、全負荷運転が要求されると、通常はスロットル弁が直ちに全開に制御されることになるが、本発明では、吸気弁の作動特性が高負荷用作動特性(全負荷用作動特性)になるのを待ってからスロットル弁を全開とするように構成する。このようにすると、吸気弁の作動特性は、全負荷運転の要求とともに高負荷用作動特性への制御が開始されることになるが、該高負荷用作動特性となるまでの間は、実吸入空気量と目標吸入空気量とに基づいてスロットル弁が制御されることとなり、吸気弁の作動特性の過渡的な変化(すなわち、吸気弁作動特性制御の切り換え)に対するトルク精度やトルクリニアリティをスロットル制御で補償しつつ、容易かつ確実に全負荷出力を得ることができる(出力性能を保証できる)。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関(エンジン)1の概略構成を示している。
図1において、エンジン1の吸気通路101には、吸気上流側から電子制御式のスロットル弁102、燃料噴射弁103及び吸気弁104が配設されている。
スロットル弁102は、その開度(スロットル開度)に応じて吸入空気量を制御することが可能である。但し、本実施形態では、主として吸気弁104の作動特性を可変(制御)することで吸入空気量を制御することとし、スロットル弁102は補助的に用いるようにしている。燃料噴射弁103は、入力される噴射信号によって開弁駆動され、制御された吸入空気量のもとで所定の当量比を達成するのに必要な量の燃料を噴射する。そして、吸気弁104が開駆動されることにより、吸入空気及び燃料の混合気が筒内(シリンダ内)に導入される。吸気弁104は、その上方に設けられた動弁機構105によって開閉駆動される。
この動弁機構105は、図2に示すように、吸気弁104のリフト量及び作動角を連続的に変更できるVEL機構105aと、吸気弁104の作動角の中心位相を連続的に変更できるVTC機構105bと、を含んで構成されている。
VEL機構105aは、図2、3に示すように、クランクシャフトの回転に連動して回転し、気筒列方向に延びる駆動軸151と、この駆動軸151の外周に相対回転可能に取り付けられ、バルブリフタ141を介して吸気弁104を開閉駆動する揺動カム152と、駆動軸151の外周に固定された偏心カム153と、この偏心カム153に相対回転可能に外嵌するリング状リンク154と、駆動軸151と略平行に設けられた制御軸155と、この制御軸の外周に偏心して固定された制御カム156と、この制御カム156に相対回転可能に外嵌し、その一端でリング状リンク154と連携(連結)されたロッカアーム157と、このロッカアーム157の他端と揺動カム152とを連携(連結)するロッド状リンク158とを含んで構成される。そして、電磁アクチュエータ161によってギヤ列162を介して制御軸155を回転させることにより、ロッカアーム157の揺動中心が変化して、吸気弁104のリフト量及び作動角を連続的に変化させるものである。
VTC機構105bは、クランクシャフトに対する駆動軸151の回転位相を変化させるものであり、公知の、いわゆるバルブタイミング制御機構を用いることができる。詳細な説明は省略するが、ここでは、クランクシャフトと同期して回転するカムスプロケット163と駆動軸151との間に中間ギヤを介装してヘリカルギヤ列を形成し、中間ギヤを前後方向(軸方向)に移動させることにより、駆動軸151のカムスプロケット163(クランクシャフト)に対する回転位相を変化させるようにしている。
再び図1に戻って、シリンダヘッドHには、燃焼室109の上部中央に臨ませて点火プラグ106が設けられており、この点火プラグ106によって、筒内に導入された混合気への点火が行われる。
燃焼排気は、燃焼室109から排気弁108を介して排気通路107に排出され、図示しない排気浄化触媒等によって浄化された後、大気中に放出される。なお、排気弁108は、排気側カム軸110に設けられた駆動カム111によって、その作動角(リフト量)及び作動角の中心位相が一定のまま開閉駆動される。もちろん、吸気弁104側と同様の動弁機構(異なる構成のものであってもよい)を設けて、その作動角、リフト及び/又は作動角の中心位相を変更可能としてもよい。
マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントローラ(ECU)201には、アクセル開度(アクセル操作量)APOを検出するアクセルセンサ211、クランクシャフトの回転位置を検出するクランク角センサ212、吸気通路101内の圧力(ここでは、吸気コレクタ内圧力であり、以下「吸気圧力」という)Pmを検出する吸気圧力センサ213、吸気通路101内の温度(すなわち、吸気弁104の吸気上流側の空気温度のことであり、以下「吸気温度」という)Tmを検出する吸気温度センサ214、及び排気通路107内の圧力(以下「排気圧力」という)Peを検出する排気圧力センサ215等の各種センサから検出信号が入力される。なお、エンジン回転速度Neはクランク角センサ212の検出結果に基づいて算出される。
そして、ECU201は、アクセル開度APOやエンジン回転速度Ne等のエンジン運転条件に基づいて、吸入空気量制御、燃料噴射制御、点火時期制御等のエンジン制御を実行する。
ここで、本実施形態に係る吸入空気量制御の概要を説明する。
本実施形態に係る吸入空気量制御は、アクセル開度APO及びエンジン回転速度Ne等のエンジン運転条件に基づいて、エンジン1が発生すべきトルク(以下「目標トルクtTe」という)を演算し、この目標トルクtTeに基づいて動弁機構105及びスロットル弁102を作動させるものである。
より具体的には、目標トルクtTeを達成するのに必要なシリンダ吸入空気量(目標トルク相当のシリンダ吸入空気量)として目標新気量tQcylを算出し、この目標新気量tQcylに基づいて吸気弁104の目標作動特性を設定して動弁機構105を作動させるとともに(以下、これを「吸気弁作動特性制御」という)、吸気弁104の作動特性に基づいて実際のシリンダ吸入空気量rQcylを算出(予測)し、この実シリンダ吸入空気量(実新気量)rQcylの目標新気量tQcylに対する偏差ΔQcyl(=tQcyl−rQcyl)を減少させる方向(0となるように)にスロットル弁102を作動させる(吸気圧力Pmを調整する)ものである(以下、これを「スロットル制御」という)。なお、スロットル弁102は、吸気通路内に所定の負圧を発生させる場合にもその開度が制御されるようになっている。
そして、吸気弁作動特性制御においては、上述したように、目標トルクtTe(目標新気量tQcyl)から算出される目標作動特性へと吸気弁104の(実際の)作動特性を制御する「通常時作動特性制御」を基本としつつ、例えば図4のハッチングで示すような所定の高負荷領域(での運転が要求された場合)においては、目標新気量tQcylにかかわらず、当該所定の高負荷領域で設定されるべき作動特性としてあらかじめ設定された作動特性(以下、これを「高負荷用作動特性」という)へと吸気弁104の(実際の)作動特性を制御する「高負荷時作動特性制御」に切り換えるようにしている。なお、ここでいう「目標新気量tQcylにかかわらず」とは、目標新気量tQcylを算出することなく又は目標新気量tQcylを算出してもその算出結果とは無関係にという程度の意味であり、該目標新気量tQcylに基づく「通常時作動特性制御」と区別するための表現である。また、「所定の高負荷領域」とは、基本的には、全負荷運転(全開運転又はWOT運転という場合もある)領域及びその近傍の運転領域(その範囲は任意に設定される)のことをいう。
このように、(要求される)運転領域に応じて吸気弁作動特性制御を切り換えるようにしたのは、次のような理由による。すなわち、上記通常時作動特性制御において、目標トルクtTe(目標新気量tQcyl)から算出される目標作動特性は、その算出過程で吸気脈動や熱(温度)等の影響を受けて演算誤差が生じ易い場合があり、その結果、吸気弁104の作動特性を算出された目標作動特性へと制御したとしても、高負荷領域において所期の出力(トルク)を実現できない(不足する)可能性がある(すなわち、全負荷出力を発生できず、出力性能を保証できなくなる可能性がある)。一方、所期の出力(特に全負荷出力)を確保するための作動特性はあらかじめ求めることができる(又は、あらかじめ決定されている)ことから、高負荷領域で設定されるべき作動特性をあらかじめ「高負荷用作動特性」として記憶しておき、高負荷領域では(高負荷領域における運転が要求されたときには)、この「高負荷用作動特性」を吸気弁104の目標作動特性とすることで、容易かつ確実に高負荷領域での出力を確保(出力性能を保証)できることになる。そのため、本実施形態では、吸気弁作動特性制御を運転領域に応じて切り換えるようにしたのである。
なお、本実施形態では、「高負荷用作動特性」として全負荷運転時に設定されるべき作動特性(すなわち、全負荷出力を発生するための作動特性であり「全負荷用作動特性」ともいう)を用いている。これは、エンジンに要求される出力を確保する(最高出力を発生させる)ために決定されている値であることから、出力性能を確実に保証できるとともに、その設定が容易だからである。このため、本実施形態においては、「高負荷用作動特性」というときは「全負荷用作動特性」を意味することになるが、「高負荷用作動特性」と「全負荷用作動特性」とを別々に設定してもよいことから便宜上2つの表現を用いるようにしている。
ところで、所定の高負荷領域の中でも、特に全負荷運転が要求されたときには、一般にスロットル弁102は全開(最大開度)に制御されることになる。
しかし、全負荷運転の要求があると同時に、吸気弁104を高負荷用作動特性にする制御と、スロットル弁102を全開にする制御との両方が行われてしまうと、移行中の過渡的なトルク精度やトルククリニアリティを確保することができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、そのような事態を回避するために次のような制御を行う。すなわち、スロットル制御に関し、全負荷運転が要求されたときでも、直ちにスロットル弁102を全開に制御するのではなく、それまでと同様のスロットル制御を継続し、まずは吸気弁104の作動特性を高負荷用作動特性(本実施形態では、全負荷用作動特性のことである。以下同じ)へと制御する。そして、吸気弁104の作動特性が高負荷用作動特性となってから、スロットル弁102を全開に制御するようにしている(すなわち、まず吸気弁作動特性制御の切り換えを行って、その切り換えが完了してからスロットル全開制御を行うようにする)。これにより、吸気弁104の作動特性が高負荷用作動特性へと変化している間のトルク精度やトルクリニアリティをスロットル制御によって補償しつつ、全負荷出力を確保するようにしている。
以下、本実施形態に係る吸入空気量制御(すなわち、「吸気弁作動特性制御」及び「スロットル制御」)を詳細に説明していくが、これに先立って後述する演算処理(目標作動特性の設定)で用いる値について、図5を参照して説明しておく。
図5は、(a)吸気弁104及び排気弁108の作動特性(リフト量をそれぞれVLIFTi、VLIFTeと記す)、(b)シリンダ内圧力Pc(吸気圧力Pm、排気圧力Pe)、及び(c)単位クランク角(CA)当たりのシリンダ吸入空気量DLTQの関係を示している。
図5に示すように、本実施形態においては、シリンダ内圧力Pcが低下して吸気圧力Pmに一致する点(つまり、実際の吸気行程開始時期)を「実効上死点TDCR」と、シリンダ内において吸入空気の圧縮が実質的に開始される点(つまり、実際の吸気行程終了点)を「実効閉時期IVCR」と、吸気弁104のリフト量と排気弁108のリフト量とが一致する点(つまり、オーバーラップ中心)におけるクランク角を「オーバーラップ中心角OVLCTR」と、上記「実効上死点TDCR」の「オーバーラップ中心角OVLCNT」からのオフセット量を「上死点オフセット量TDCOFS」と、上記「実効閉時期IVCR」の(設定上の)吸気弁閉時期IVCからのオフセット量を「IVCオフセット量IVCOFS」としている。
まず、吸気弁作動特性制御について説明する。
図6は、本実施形態に係る吸気弁作動特性制御のフローを示している。
図6において、S11では、アクセル開度APOやエンジン回転速度Ne等のエンジン運転条件を読込む。
S12では、読み込んだアクセル開度APO及びエンジン回転速度Neに基づいて目標トルクtTeを算出する。
S13では、算出した目標トルクtTe及びエンジン回転速度Neに基づいて、図7に示すようなマップを参照して(目標トルク相当の)目標新気量tQcylを算出する。
S14では、所定の高負荷領域であるか(所定の高負荷領域での運転が要求されているか)否かを判定する。かかる判定は、例えば図4に示すようなテーブルを用いて行ってもよいが、本実施形態では、検出したアクセル開度APOとあらかじめ設定した高開度側の所定開度APOsと比較することにより行うようにしている。そして、アクセル開度APOが所定開度APOsを超えていれば(APO>APOs)所定の高負荷領域(すなわち、全負荷運転領域又はこれに近い領域)にあると判断してS15に進む。一方、アクセル開度APOが上記所定開度APOs以下であれば(APO≦APOs)、所定の高負荷領域にないと判断してS16に進む。
S15では、「高負荷時作動特性制御」を実行する。すなわち、あらかじめ設定された(記憶した)高負荷用作動特性(作動角θwot、開時期IVOwot)を目標作動特性(tθevent、tIVO)として動弁機構105に出力する。これにより、動弁機構105は、高負荷用作動特性となるように、吸気弁104の作動特性を制御することになる(通常時作動特性制御から高負荷時作動特性制御に切り換わる)。
S16では、「通常時作動特性制御」を実行する。すなわち、目標新気量tQcylに基づいて算出した作動特性(目標作動角tθevent0、目標開時期tIVO0)を目標作動特性(tθevent、tIVO)として動弁機構105に出力する。これにより、動弁機構105は、目標新気量tQcyl等に基づいて算出された目標作動特性となるように、吸気弁104の作動特性を制御することになる。なお、目標作動特性(目標作動角θevent、目標開時期tIVO)の算出については後述する(図8参照)。
図8は、通常時作動特性制御における目標作動特性(tθevent、tIVO)の演算処理を示すブロック図であり、図16のS16で実行される。
まず、設定した目標新気量tQcylから吸気脈動分を排除して静的な成分tQcyl1とする。具体的には、除算部B101、B102は、次式(1)に示すように、目標新気量tQcylを吸気脈動に伴う吸気温度の変動分の補正係数TRATE、及び吸気脈動に伴う吸気圧力の変動分の補正係数PRATEで除算する。
Figure 0004793043
ここで、上記2つの補正係数TRATE(温度補正係数)、PRATE(圧力補正係数)について説明する。
吸気弁104を通過する単位時間Δt当たりの流量ΔQcylは、次式(2)のように表すことができる。
Figure 0004793043
但し、Aは所定クランク角Δθ毎に検出(算出)される吸気弁開口面積であり、Raは空気のガス定数、κは空気の比熱比、Pcはシリンダ内圧力である。
シリンダ吸入空気量Qcylは、吸気行程期間中、上記ΔQcylを積分してΣΔQcylとして算出される。ΔQcylがソニック流のときには、上記式(2)において、吸気脈動による吸気圧力の変動の影響を受けることなく、吸気弁104の前後圧力比(すなわち、シリンダ内圧力Pc/吸気圧力Pm)が臨界圧力比で固定されるので(後述する固定値qSONIC)、次式(3)に示すように、シリンダ吸入空気量Qcylは、吸気圧力Pmに比例し、吸気温度Tmの平方根の逆数に比例する特性を有する。
Figure 0004793043
一方、ΔQcylが0に近い状態で、準静的にシリンダ容積が変化した場合のシリンダ吸入空気量Qcylは、吸気弁閉時期IVCにシリンダ内に吸気通路101内の空気が充填されたものとした場合の気体の状態方程式より、吸気脈動による吸気圧力変動分ΔPmivcと吸気温度変動分ΔTmivcとを考慮して、次式(4)のように表すことができる。すなわち、シリンダ吸入空気量Qcylは、吸気脈動による変動分を考慮した吸気圧力(Pm+ΔPmivc)に比例し、吸気温度(Tm+ΔTmivc)の逆数に比例する特性を有する。
Figure 0004793043
なお、上記吸気圧力変動分ΔPmivc及び上記吸気温度変動分ΔTmivcは、図9に示すブロック図により算出される。
図9において、吸気圧力変動分基本値算出部B201は、吸気弁閉時期IVCと吸気弁開時期IVOとの偏差(IVC−IVO)、及びエンジン回転速度Neに基づいて、図に示すようなマップを参照して吸気圧力変動分基本値ΔPmivc0を算出する。そして、乗算部B202において、吸気圧力変動分基本値ΔPmivc0に、吸気圧力Pmを大気圧Patmで除算した圧力比(Pm/Patm)を乗算することで吸気圧力変動分ΔPmivcとする。また、吸気温度変動分基本値算出部B203は、同じく上記偏差(IVC−IVO)及びエンジン回転速度Neに基づいて、図に示すようなマップを参照して吸気温度変動分基本値ΔTmivc0を算出する。そして、乗算部B204において、吸気温度変動分基本値ΔTmivc0に、上記圧力比(Pm/Patm)を乗算することで吸気温度変動分ΔTmivcとする。
ここで、式(3)で表されるソニック流状態から式(4)で表される準静的変化状態に移行するにつれて、吸気脈動による変動分が大きくなることを反映させるための第1の補正係数K1と、式(3)で表されるソニック流状態と式(4)で表される準静的変化状態とを滑らかに繋ぐための第2の補正係数K2を設定して、全領域に対応したQcylの一般式を次式(5)のように設定する。
Figure 0004793043
一方、吸気脈動を考慮しない場合のシリンダ吸入空気量(すなわち、吸気脈動分を排除した静的な成分)Qcyl1の一般式は次式(6)と表すことができるから、
Figure 0004793043
上記式(5)及び(6)より、次式(7)を得る。
Figure 0004793043

ここで、(Pm+K1・ΔPmivc)/(Pm+ΔPmivc)を吸気圧力変動分に伴う補正分(圧力補正係数)PRATEに設定し、
(Tm+K1・ΔTmivc)−1/(2−K2)/(Tm+ΔTmivc)−1/(2−K2)を吸気温度変動分に伴う補正分(温度補正係数)TRATEに設定すれば、上記式(7)は次式(8)のように表すことができ、これにより目標新気量tQcylに関する上記式(1)を得ることができる。
Figure 0004793043
図8に戻って、加算部B103は、次式(9)に示すように、上記静的な成分tQcyl1に対して、目標吹き返しガス量(目標残留ガス量)tQIFBを加算して、実際にシリンダ内に吸い込まれるガス量に相当する目標シリンダ吸入空気量tQcyl0とする。なお、ここで加算される目標吹き返しガス量tQIFBは、例えばエンジン運転条件に応じて設定されるものである。
Figure 0004793043
次に、除算部B104は、上記目標シリンダ吸入空気量tQcyl0を最大吸入空気量QMAXで除算し、次の変換部B105では、図に示すようなテーブルを用いて、除算部B104の算出結果、すなわち(tQcyl0/QMAX)を(ソニック吸入空気量Q/QMAX)に変換する。
ここで、ソニック吸入空気量Q、最大吸入空気量QMAX、及び(Q/QMAX)と(Qcyl/QMAX)との関係について説明する。
ソニック吸入空気量Qは、吸気弁104の作動特性に応じた開口面積でソニック流として吸入した場合のシリンダ吸入空気量であり、次式(10)、(11)で算出される。
Figure 0004793043
但し、(ΣA)は所定クランク角Δθ毎に検出(算出)される吸気弁開口面積の積分値(総開口面積)である。また、Δtは所定クランク角Δθを時間換算した値であり、ここではΔt=Δθ/(6・Ne)の演算式によって算出される。
また、吸気弁104を通過する吸入空気がソニック流の場合、吸気弁104の前後圧力比(Pc/Pm)は、常に臨界圧力比(={2/(κ+1)}(κ/κ−1))を示すことになるので固定値(定数)qSONICとなる。よって、上記式(10)は、次式(11)で表すことができ、本実施形態ではこれを用いる。
Figure 0004793043
かかるソニック吸入空気量Qは、具体的には、図10に示すブロック図により算出される。図10において、総開口面積算出部B211は、吸気弁開時期IVO及び吸気弁閉時期IVCから吸気弁104の作動特性(開閉時期及びリフト量)を把握するとともに、オーバーラップ中心角OVLCNT及び上死点オフセット量TDCOFSから実効上死点TDCRを算出し、この実効上死点TDCRから吸気弁閉時期IVCまでの吸気弁104開期間中における単位クランク角(Δθ)毎の吸気弁開口面積Aを上記把握した作動特性から算出し、各算出値を積算して総開口面積(ΣA)とする。
ここで、上死点オフセット量TDCOFSは、エンジン回転速度Ne及びオーバーラップ中心OVLCTRに対するオーバーラップ開口面積OVLA(=吸気弁開口面積=排気弁開口面積)に基づいて、図11に示すようなマップを参照して算出する。上死点オフセット量TDCOFSは、エンジン回転速度Neが高く、オーバーラップ開口面積OVLAが小さいほど大きくなる特性を有しており、また、図12に示すように、オーバーラップ開口面積OVLAは、オーバーラップ中心角OVLCTRが小さいほど(進角側にあるほど)大きくなる特性を有している。
乗算部B212は、吸気温度Tmと空気のガス定数Raとを乗算し、変換部B213は、図に示すようなテーブルを検索して乗算部B212の算出結果(Ra・Tm)をその平方根{√(Ra・Tm)}に変換する。さらに、除算部B214は、吸気圧力Pmを前記平方根{√(Ra・Tm)}で除算し、乗算部B215は、除算部B214の算出結果に定数qSONICを乗算する({Pm・qSONIC/(√(Ra・Tm)})。
そして、乗算部B216は、総開口面積演算部B211の算出結果(ΣA)に乗算部B215の算出結果({Pm・qSONIC/√(Ra・Tm)}を乗算し、乗算部B217は、さらに積分間隔時間Δt1{=Δθ/(6・Ne)}を乗算する。これにより、上記(11)式に示すソニック吸入空気量Qが算出される。
一方、最大吸入空気量QMAXは、吸気行程開始から終了までのシリンダ行程容積を吸気弁104上流側の(吸気)状態で充填した場合のシリンダ吸入空気量であり、次式(12)で算出される。
Figure 0004793043
但し、VIVCは吸気弁閉弁時におけるシリンダ容積であり、VTDCは上死点におけるシリンダ容積である。ところで、静的に見れば、上記式(12)に示すように、吸気弁閉時期におけるシリンダ容積から上死点におけるシリンダ容積を減算した値が(シリンダ)行程容積になるのであるが、上述したように、実際には、実効上死点TDCRが吸気行程開始時期(点)であり、実効閉時期IVCRが吸気行程終了時期(点)となっている。そのため、本実施形態では、次式(13)に示すように、上記式(12)における吸気弁閉弁時シリンダ容積VIVCに代えて実効閉時期IVCRにおけるシリンダ容積(以下「実効閉時期シリンダ容積」という)VIVCRを、上死点シリンダ容積VTDCに代えて実効上死点TDCRにおけるシリンダ容積(以下「実効上死点シリンダ容積」という)VTDCRを採用するようにしている。
Figure 0004793043
かかる最大吸入空気量QMAXは、具体的には、図13に示すブロック図により算出される。図13において、実効閉時期演算部B221は、吸気弁閉時期IVCからIVCオフセット量IVCOFSを減算して実効閉時期IVCRを算出する。ここで、IVCオフセット量IVCOFSは、エンジン回転速度Ne及び吸気弁104のリフト量VLIFTi(例えば、最大リフト量)に基づいて、図14に示すようなマップを参照して算出する。IVCオフセット量IVCOFSは、エンジン回転速度Neが高く、リフト量VLIFTiが小さいほど大きくなる特性を有している。
実効閉時期シリンダ容積演算部B222は、実効閉時期IVCRに基づいて、図に示すようなテーブルを検索して実効閉時期シリンダ容積VIVCRを算出する。ここでは、(設定上の)吸気弁閉時期IVCからIVCオフセット量IVCOFSを減算することで実効閉時期IVCRを求めているが、これは一例であり、実際の吸気行程終了時期を実効閉時期IVCRとして求めることができれば、他の方法で求めてもよい。
一方、実効上死点演算部B223は、オーバーラップ中心角OVLCNTに上死点オフセット量TDCOFS(図11参照)を加算して実効上死点TDCRを算出し、実効上死点シリンダ容積演算部B224は、実効上死点IVCRに基づき図に示すようなテーブルを検索して実効上死点シリンダ容積VTDCRを算出する。ここでは、オーバーラップ中心角OVLCTRに上死点オフセット量TDCOFSを加算することで実効上死点TDCRを求めているが、実効閉時期IVCRと同様にこれは一例であり、実際の吸気行程開始時期を実効上死点TDCRとして求めることができれば、他の方法で求めてもよい。
そして、有効行程容積演算部B225は、実効閉時期シリンダ容積VIVCRから実効上死点シリンダ容積VTDCRを減算して実効行程容積(VIVCR−VTDCR)を算出し、乗算部B226は、吸気圧力Pmを空気のガス定数Raと吸気温度Tmとの積で除算した{Pm/(Ra・Tm)}を、実効行程容積(VIVCR−VTDCR)に乗算する。これにより、上記(13)式に示す最大吸入空気量QMAXが算出される。
ここにおいて、吸気弁104の作動特性に応じた実際のシリンダ吸入空気量をQcylとすると、(ソニック吸入空気量Q/最大吸入空気量QMAX)と(シリンダ吸入空気量Qcyl/最大吸入空気量QMAX)との間に一義的な関係があることが確認されており、この関係をあらかじめ記憶しておけば、一方の値(例えば、Qcyl/QMAX)に基づいて、これに対応する他方の値(Q/QMAX)を直ちに求めることができる(すなわち、変換することができる)。かかる関係を示したものが、図8の変換部B105におけるテーブルであり、これにより、図8の除算部B104の算出結果である{(目標)シリンダ吸入空気量tQcyl0/最大吸入空気量QMAX}を{(目標)ソニック吸入空気量tQ/最大吸入空気量QMAX}へと変換できる。
再び図8に戻って、乗算部B106では、変換部B105からの出力値(tQ/QMAX)に最大吸入空気量QMAXを乗算して目標ソニック吸入空気量tQとする。
ソニック吸入空気量Qは上記式(11)で表されるから、除算部B107にて、上記目標ソニック吸入空気量tQを{Pm・qSONIC/√(Ra・Tm)}で除算し、除算部B108にて、Δt{=Δθ/(6/Ne)}で除算することで、吸気弁104の目標総開口面積(tΣA)とすることができる。この目標総開口面積(tΣA)は、目標ソニックtQを得るための開口面積に相当する。
目標作動角設定部B109では、算出した目標総開口面積(tΣA)をクランク角単位に換算し、図に示すようなテーブルを検索することで基本目標作動角tθevent0とする(すなわち、開口面積を作動角に変換する)。なお、基本目標作動角tθevent0は、目標総開口面積tΣAが大きいほど、大きな値として設定される。
ところで、上記加算部B103で加算される目標吹き返しガス量tQIFBは、エンジン運転条件に応じて設定されるものであるが、吹き返しガス量QIFBは、オーバーラップ中の開口面積を吸気弁開時期IVCからオーバーラップ中心角OVLCTRまでの吸気弁開口面積(前半開口面積)の積算値(ΣAIV)とし、シリンダ内圧力を排気圧力Peとして次式(14)のように表すことができるものである。なお、K3は係数であり、図15に示すように、エンジン回転速度Neに比例する1以上の値として設定される。
Figure 0004793043
したがって、上記式(14)より、設定された目標吹き返しガス量tQIFBを得る(実現する)ためのオーバーラップ中の目標開口面積{吸気弁開時期IVCからオーバーラップ中心角OVLCTRまでの吸気弁前半開口面積の積算値(ΣAIV)のことであり、以下「目標OVL前半開口面積(tΣAIV)」という}を求めることができる。
そして、本実施形態において、排気弁108の作動特性は一定であるから、上記目標OVL前半開口面積(tΣAIV)及び上記基本目標作動角tθevent0が求まれば、吸気弁104の開時期も決定される。そこで、目標開時期設定部B110において、基本目標作動角tθevent0及び目標OVL前半開口面積(tΣAIV)に基づいて、図に示すようなマップを参照して基本目標開時期tIVO0を設定する。
以上により、通常時作動特性制御における目標作動特性(tθevent、tIVO)が設定される(但し、これは一例であり、通常時作動特性制御は、目標新気量tQcylに基づいて目標作動特性を設定する構成であればよい)。
次に、スロットル制御について説明する。
本実施形態に係るスロットル制御は、エンジン運転条件等により所定の負圧が要求された場合には、当該負圧を発生させるようスロットル弁102を動作させるとともに(この場合、上記吸気弁作動特性制御は、当該負圧が発生している状態での基本目標作動特性を算出することになる)、吸気弁104の作動特性に基づいて(換言すると、吸気弁104によって制御される)実際のシリンダ吸入空気量rQcylを算出(予測)し、この実シリンダ吸入空気量(実新気量)rQcylの目標新気量tQcylに対する偏差ΔQcyl(=tQcyl−rQcyl)を減少させる方向に(0とするように)スロットル弁102を作動させて吸気圧力Pmを調整するものである。また、特に、全負荷運転が要求されたときであっても、吸気弁104の作動特性が高負荷用作動特性に制御されるのを待ってから、スロットル弁102を全開とすること(すなわち、直ちに全開としないこと)をその特徴としている。
図16は、本実施形態に係るスロットル制御のフローを示している。
図16において、S21では、目標新気量tQcylを読込む。
S22では、吸気弁104の作動特性に基づいて実新気量rQcylを算出する。かかる算出は後述する(図17参照)。
S23では、上記目標新気量tQcylと上記実新気量rQcylとの偏差ΔQcylを算出する(ΔQcyl=tQcyl−rQcyl)。
S24では、全負荷運転が要求されているか否かを判定する。かかる判定は、例えばアクセル開度APOが全開(最大開度)となっているか否かにより行う。全負荷運転が要求されていれば(すなわち、アクセル開度APOが全開であれば)S25に進み、全負荷運転が要求されていなければS27に進む。
S25では、吸気弁104の作動特性が高負荷用作動特性(全負荷用作動特性)となったか否かを判定する。吸気弁104の作動特性が高負荷用作動特性(全負荷用作動特性)となっていれば、S26に進み、スロットル弁102を全開に制御する(スロットル弁102の目標開度として「全開(最大開度)」を設定して「スロットル全開制御」を実行する)。一方、まだ高負荷用作動特性となっていなければS27に進む。
S27では、前記偏差ΔQcylに応じて、該偏差ΔQcylを減少させる方向にスロットル弁102を作動させる「通常時スロットル制御」を実行する。
図17は、実新気量rQcylの演算処理を示すブロック図であり、図16のS22で実行される。実新気量rQcylの算出は、基本的には、上記基本目標作動特性(tθevent、tIVO)の設定の逆方向の演算により行う。
図17において、Q演算部B301は、吸気弁104の作動特性や吸気の状態等に基づいて、ソニック吸入空気量Qを算出する(式(11)、図10等参照)。
MAX演算部B302は、同じく吸気弁104の作動特性や吸気の状態等に基づいて、最大吸入空気量QMAXを算出する(式(13)、図13等参照)。
除算部B303は、Q演算部B301で算出したソニック吸入空気量QをQMAX演算部B302で算出した最大吸入空気量QMAXで除算して(Q/QMAX)を求める。
変換部B304は、図に示すようなテーブルを用いて(Q/QMAX)に対応する(Qcyl/QMAX)を検索する。なお、かかるテーブルは、図8における変換部B105で用いるテーブルと基本的には同じである(X、Y軸の値を逆にしたものである)。
乗算部B305は、検索した(Qcyl/QMAX)に上記最大吸入空気量QMAXを乗算して基本吸入空気量Qcyl0とする。この基本吸入空気量Qcyl0は、現在の吸気弁104の作動特性及び吸気の状態で実際にシリンダ内に吸い込まれるガス量に相当する。但し、このガス量には、オーバーラップ期間中に吸気ポートに吹き返された排気が再吸入される分(以下単に「吹き返しガス量」という)QIFBも含まれている。
そこで、減算部B306は、上記基本吸入空気量Qcyl0から吹き返しガス量QIFBを減算して新気量(シリンダ吸入空気量)Qcyl1とする。なお、吹き返しガス量QIFBは、現在の吸気弁104の作動特性に基づいて前半開口面積の積算値(ΣAIV)を求めるとともに排気圧力Peを検出し、上記式(9)によって算出される。
以上により、基本的には、現在の吸気弁104の作動特性及び吸気の状態での新気量(シリンダ吸入空気量)を求めることができるのであるが、以上の演算では、吸気圧力Pmとして、複数回の検出値を平均して吸気脈動による変動を平滑化した値を用いている。ところが、実際には、吸気脈動によって吸気圧Pmが変動すると吸気温度Tmも変動し、これらの変動に伴ってシリンダに吸入される新気量も変動する。また、シリンダに吸入される際に吸気弁104を通過することになるが、この吸気弁104からの熱を受けて温度上昇し、この(吸気弁104の熱に起因する)温度上昇によってもシリンダに吸入される新気量は変動する。
そのため、本実施形態では、上記シリンダ吸入空気量Qcyl1に対して吸気脈動に対する補正を行って新気量(シリンダ吸入空気量)の算出精度を高めるようにしている。
図17に戻って、圧力補正部B307は、シリンダ吸入空気量Qcyl1に、圧力補正係数算出部b307(破線)で算出された圧力補正係数PRATEを乗算することで吸気脈動による吸気圧力変動分を補正する。なお、圧力補正係数PRATEは、上記式(7)、(8)に示すように、(Pm+K1・ΔPmivc)/(Pm+ΔPmivc)で算出されるものであり、具体的には、変換部B304で算出した(Qcyl/Qmax)に基づいて、図に示すようなマップを参照して第1の補正係数K1を算出し、この第1の補正係数K1を吸気圧力変動分ΔPmivcに乗算し、さらに吸気圧力Pmを加算して(Pm+k1・ΔPmivc)とし、この値を吸気圧力Pmで除算することで算出する(b307参照)。
次の温度補正部B308は、吸気脈動による吸気圧力変動分を補正したシリンダ吸入空気量(Qcyl1・PRATE)に、温度補正係数算出部b308(破線)で算出された温度補正係数TRATEを乗算して吸気脈動による吸気温度変動分を補正する。なお、温度補正係数TRATEは、上記式(7)、(8)に示すように、(Tm+K1・ΔTmivc)−1/(2−K2)/(ΔTm+ΔTmivc)−1/(2−K2)で算出されるものであり、具体的には、第1の補正係数K1を吸気温度変動分ΔTmivcに乗算し、さらに吸気温度Tmを加算して(Tm+K1・ΔTmivc)とし、これを吸気温度Tmで除算して基本温度補正係数TRATE0とする。また、(Qcyl/Qmax)に基づいて、図に示すようなマップを参照して第2の補正係数K2を算出する。そして、基本温度補正係数TRATE0及び第2の補正係数K2に基づいて、マップを参照して温度補正係数TRATEを算出する(b308参照)。
以上のようにして算出されたシリンダ吸入空気量(Qcyl1・PRATE・TRATE)が上記実新気量rQcylに相当する。
図18は、全負荷運転が要求されたときの吸気弁104の作動特性及びスロットル弁102(の開度)の様子を示している。
吸気弁104の作動特性は、(a)に示すように、所定の高負荷領域以外の通常運転時においては、エンジン運転条件に基づいて算出される目標トルクtTe相当のシリンダ吸入空気量(目標新気量)tQcylに基づいて制御されている。また、スロットル弁102の開度は、(b)に示すように、吸気弁104の作動特性によって制御される実際のシリンダ吸入空気量(実新気量)rQcylと目標新気量tQcylとの偏差ΔQcylを0にするように制御されている。
ここで、全負荷運転の要求があると(例えばアクセル開度APOが所定開度APOsを超えたり、目標トルクtTeが所定の判定トルクTe1を超えたりすると)、吸気弁104の目標作動特性として直ちに高負荷用作動特性が設定され((a)の破線参照)、吸気弁作動特性制御が通常時作動特性制御から高負荷時作動特性制御へと切り換わる(時刻t1)。
一方、スロットル弁102は、全負荷運転の要求があった場合であっても、吸気弁104の作動特性が高負荷用作動特性になるまでの間は、引き続き実新気量rQcylと目標新気量tQcylとの偏差ΔQcylに基づいて制御される(すなわち、通常時スロットル制御のままである)。
そして、吸気弁104の作動特性が高負荷用作動特性に到達すると、スロットル弁102の目標開度が全開に設定されて((b)の破線参照)、スロットル全開制御が実行される(時刻t2)。
以上のような制御により、(c)に示すように、吸気弁作動特性制御の切り換えに伴うトルク段差等は発生せずに、また、トルクリニアリティを確保しつつ全負荷出力(WOTトルク)を得ることができる(時刻t3)。なお、吸気通路内の負圧(Boost)は、(d)に示すように、吸気弁104が高負荷用作動特性となるまでは(すなわち、時刻t2までは)所定値(例えば−50mmHg)のまま維持され、その後にスロットル弁102が全開となることによって負圧も0となる。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、吸気弁の作動特性による吸入空気量制御を基本としつつ、その誤差分についてはスロットル弁の(開閉)制御によって補うことができるので、高精度な吸入空気量制御が実現できる。そして、吸気弁作動特性制御においては、基本的に、目標新気量tQcylに基づく通常時作動特性制御を行う一方、高負荷領域では、目標新気量tQcylにかかわらず、吸気弁の作動特性を、該高負荷領域で設定されるべき高負荷用作動特性(例えば、全負荷運転時に設定される作動特性が該当する)へと制御するようにしたので、吸気脈動や温度の影響によって生じる目標作動特性の算出誤差(作動特性制御の誤差)を回避して、高負荷領域において所期の出力を確保することができる。そして、スロットル制御においては、吸気弁の作動特性によって制御される実吸入空気量と目標吸入空気量とに基づいて、その偏差をなくすようにスロットル弁が開閉制御されるので、目標吸入空気量に高精度に制御できる(すなわち、吸気弁作動特性の変化(更に言えば制御の切り換え)に対するトルク精度とトルクリニアリティをスロットル弁で補償することができる)。
ここで、高負荷領域であるか否かは、例えば目標エンジントルクtTeやアクセル開度APO等を用いることで、新たな構成を必要とせずに、容易に判定することができる。
ここで、特にスロットル制御においては、全負荷運転が要求されたときであっても、スロットル弁を直ちに全開とするのではなく、吸気弁の作動特性が高負荷用作動特性(全負荷時に設定される作動特性)になるのを待ってからスロットル弁を全開とするようにしている。このため、吸気弁の作動特性は、全負荷運転の要求とともに高負荷用作動特性への制御が開始されることになるが、吸気弁の作動特性は高負荷用作動特性となるまでの間は、実吸入空気量と目標吸入空気量とに基づいてスロットル弁が制御されることになる。したがって、全負荷運転要求時においても、吸気弁の作動特性の過渡的な変化(吸気弁作動特性制御の切り換え)に対するトルク精度及びトルクリニアリティをスロットル制御で補償しつつ、容易かつ確実に全負荷出力を得ることができる(出力性能を保証できる)。
また、本実施形態では、吸気弁作動特性制御において、ソニック吸入空気量Q、最大吸入空気量QMAX及び実際のシリンダ吸入空気量Qcylとしたときに、(Q/QMAX)と(Qcyl/QMAX)との間の一義的な関係を変換テーブル(図8のB105)として作成しておき、この変換テーブルと目標シリンダ吸入空気量tQcyl0に基づいて目標ソニック吸入空気量tQを算出し(図8のB105、B106)、この目標ソニック吸入空気量tQに基づいて吸気弁104の目標作動特性(作動角、開時期)を設定している。より具体的には、目標ソニック吸入空気量tQから、該目標ソニック吸入空気量tQをソニック流として吸入するための開口面積(tΣA)を算出し、この開口面積(tΣA)を目標作動角に変換するとともに、目標開時期を算出している(図8のB109、B110)。このため、運転領域全体において、マップを多用することなく、上記変換テーブルにより吸気弁104の目標作動特性を設定することが可能となり、演算負荷を軽減しつつ、目標トルク相当のシリンダ吸入空気量(目標新気量)tQcylを達成することができる。但し、これは一例であり、目標トルク相当のシリンダ吸入空気量(目標新気量)に基づいて吸気弁104の目標作動特性を設定する構成であれば他の方法であってもよいことはもちろんである。
本発明の一実施形態に係るエンジンの概略構成を示す図である。 同上吸気弁の動弁機構(VEL機構+VTC機構)の構成を示す図である。 同上VEL機構の構成を示す図である。 高負荷領域の概要を示す図である。 弁作動特性、シリンダ内圧力及び単位クランク角当たりのシリンダ吸入空気量の関係を示す図である。 吸気弁作動特性制御を示すフローチャートである。 目標新気量tQcylを算出するマップの一例である。 (通常制御用の目標作動特性を設定する)目標作動特性設定手段における処理を示すブロック図である。 吸気脈動による変動分(吸気圧力変動分、吸気温度変動分)を算出するブロック図である。 ソニック吸入空気量Qを算出する構成(ブロック図)である。 上死点オフセット量TDCOFSを算出するマップである。 オーバーラップ開口面積OVLA算出するマップである。 最大吸入空気量QMAXを算出する構成(ブロック図)である。 吸気弁閉時期のオフセット量IVCOFSを算出するマップである。 係数K3を設定するテーブルの一例である。 スロットル制御を示すフローチャートである。 実新気量rQcylを算出する構成(ブロック図)である。 全負荷要求時の吸気弁、スロットル弁の変化を示す図である。
符号の説明
1…エンジン、101…吸気通路、102…スロットル弁、103…インジェクタ、104…吸気弁、105…動弁機構、105a…VEL機構、105b…VTC機構、106…点火プラグ、107…排気通路、108…排気弁、151…駆動軸、152…揺動カム、153…偏心駆動カム、154…リング状リンク、155…制御軸、156…偏心制御カム、157…ロッカアーム、158…ロッド状リンク、161…電磁アクチュエータ、201…エンジンコントローラ、211…アクセルセンサ、212…クランク角センサ、213…吸気圧力センサ、214…吸気温度センサ、215…排気圧力センサ

Claims (7)

  1. 吸気通路にスロットル弁が配設されるとともに、吸気弁の作動特性を可変する可変動弁機構を備えたエンジンの吸入空気量制御装置であって、
    前記エンジンの目標トルク相当のシリンダ吸入空気量である目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、
    算出された目標吸入空気量に基づいて、前記吸気弁の作動特性を制御する吸気弁作動特性制御手段と、
    前記吸気弁の作動特性に基づいて、実際のシリンダ吸入空気量である実吸入空気量を算出し、算出した実吸入空気量と前記目標吸入空気量とに基づいて前記スロットル弁を制御するスロットル制御手段と、を含んで構成され、
    前記吸気弁作動特性制御手段は、所定の高負荷領域においては、前記目標吸入空気量にかかわらず、前記吸気弁の作動特性を、前記所定の高負荷領域で設定されるべき作動特性としてあらかじめ設定された高負荷用作動特性へと制御し、
    全負荷運転が要求されたときに、前記スロットル制御手段は、前記吸気弁の作動特性が前記高負荷用作動特性となってから前記スロットル弁を全開とする制御を開始する、
    ことを特徴とするエンジンの吸入空気量制御装置。
  2. 前記吸気弁作動特性制御手段は、アクセル開度が所定開度を超えるときに、前記吸気弁の作動特性を前記高負荷用作動特性へと制御する
    ことを特徴とする請求項1記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  3. 前記高負荷用作動特性は、全負荷運転時に設定されるべき作動特性である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  4. 前記吸気弁作動特性制御手段は、算出された目標吸入空気量を、吸気脈動に伴う吸気温度の変動分及び吸気脈動に伴う吸気圧力の変動分で補正した目標吸入空気量に基づいて
    吸気弁の作動特性を制御する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  5. 前記吸気弁作動特性設定手段は、前記吸気弁の作動特性に応じた開口面積でソニック流として吸入した場合のシリンダ吸入空気量をソニック吸入空気量QD、吸気行程の開始から終了までのシリンダ行程容積を吸気弁上流側の状態で充填した場合のシリンダ吸入空気量を最大吸入空気量QMAX、及び実際のシリンダ吸入空気量をQcylとしたときの(QD/QMAX)と(Qcyl/QMAX)と間に設定される関係と、前記目標吸入空気量とに基づいて、該目標吸入空気量に対応する目標ソニック吸入空気量を算出し、
    算出した目標ソニック吸入空気量に基づいて前記目標作動特性を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  6. 前記目標ソニック吸入空気量から、該目標ソニック吸入空気量を得るための開口面積を算出し、算出した開口面積に基づいて前記目標作動特性を設定する
    ことを特徴とする請求項5記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  7. 吸気通路にスロットル弁が配設されるとともに、吸気弁の作動特性を可変する可変動弁機構を備えたエンジンの吸入空気量制御装置であって、
    前記エンジンの目標トルク相当のシリンダ吸入空気量である目標吸入空気量を算出し、算出した目標吸入空気量に基づいて前記吸気弁の作動特性を制御する一方、
    前記吸気弁の作動特性に基づいて実際のシリンダ吸入空気量である実吸入空気量を算出し、算出した実吸入空気量と前記目標吸入空気量とに基づいて前記スロットル弁を制御するように構成し、
    全負荷運転が要求されたときは、前記目標吸入空気量にかかわらず、前記吸気弁の作動特性を全負荷運転時に設定されるべき作動特性としてあらかじめ設定された全負荷用作動特性へと制御するとともに、前記吸気弁の作動特性が前記高負荷用作動特性となってから前記スロットル弁を全開とする制御を開始する、
    ことを特徴とするエンジンの吸入空気量制御装置。
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