JP4790396B2 - 透明膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明膜の製造方法に関し、特に、アルミニウム及び窒素を含有し反射防止膜として使用可能な透明膜の製造方法に関する。
従来より、太陽電池のフロントパネル、ディスプレイのロントパネル、光ディスク、レンズ及びプリズム等の光が入射される透明部材の表面に、光の反射を抑え透過率を高めるために、反射防止膜を設ける技術が知られている。このような反射防止膜としては、屈折率が相互に異なる複数の層を積層し、光の干渉効果を利用して反射を抑制するものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような積層膜からなる反射防止膜は、入射する光の波長によって透過率が大きく異なるという問題点がある。このため、幅広い波長の光について効果的に反射を防止することが困難であると共に、反射防止膜の反射光が着色されてしまう。
そこで、透明部材の表面にモスアイ構造を形成することにより、光の反射を抑制する技術が開発されている。「モスアイ構造」とは、透明部材の表面に光の波長よりも短い周期で突起が形成された構造である。このような突起構造があると、光は個々の突起を識別することができないため、光学的には、透明部材の表面に突起と空気の中間的な光学的特性を持ちその膜厚が突起の高さに等しい薄膜が存在する場合と等価となる。このようなモスアイ構造を形成することにより、波長依存性が小さい反射防止構造を実現することができる(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照。)。
特開2005−099757号公報 特開2003−344855号公報 NTTATホームページ"ナノテクノロジ・MEMS"[online][平成17年10月20日検索]インターネット<URL:http://www.keytech.ntt-at.co.jp/nano/prd_0016.html>
しかしながら、上述の従来の技術には以下に示すような問題点がある。
すなわち、特許文献2には、上述のモスアイ構造を形成する方法として、スタンパーによる転写成型、微粒子の吹き付けによるブラスト加工、化学薬品によるエッチング、微粒子の貼り付けが例示されている。しかしながら、特許文献2には、これらの方法の具体的な実施方法については開示されておらず、具体的にどのようにしてモスアイ構造を形成すればよいかは不明である。例えば、ブラスト加工及び微粒子の貼り付けによる場合は、被加工物が太陽電池及びディスプレイのフラットパネルのように大面積の板状部材の場合は、全体に均一に加工を施すことが難しく、レンズ及びプリズムのような立体的な形状を持つ部材の場合も、任意の表面に所望の加工を施すことが難しい。また、転写成型による場合も、立体的な部材の任意の表面に所望の加工を施すことが難しい。更に、エッチングによる場合は、被加工物の材料によってその加工性が大きく左右され、例えば被加工物がセラミックスからなる場合は、加工が困難である。一方、非特許文献1には、金型を使用してモスアイ構造を形成することが記載されている。しかしながら、この場合は、被加工物の形状に合わせて専用の金型を作製しなくてはならず、加工コストが高くなる。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、波長依存性が小さく幅広い波長の光の反射を抑制することができ、製造が容易な透明膜、この透明膜を備えた光学部材、及び透明膜の製造方法を提供することにある。
本発明に係る透明膜の製造方法は、
アルミニウムを含有するターゲットを使用し、窒素を含有するガス中でスパッタリングを行うことにより基体上にアルミニウムの一部が窒化された黒色の窒素含有アルミニウム膜を形成する工程と、
前記窒素含有アルミニウム膜を水中で加熱する工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、前記ガスは、窒素ガス及び希ガスの混合ガスであってもよい。
更に、前記水中で加熱する工程は、前記窒素含有アルミニウム膜を水中で煮沸する工程を含むことが好ましい。これにより、加熱温度を均一に保つことが容易になる。
本発明によれば、波長依存性が小さく幅広い波長の光の反射を抑制することができ、製造が容易な透明膜を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本実施形態に係る光学部材を示す断面図である。
本実施形態に係る光学部材1においては、透明または不透明な基体2が設けられており、この基体2の表面上に、透明膜3が設けられている。透明膜3は、例えば、近紫外光領域から赤外光領域に亘り高い光透過率を有する。透明膜3においては、連続膜である基部4と、この基部4上に形成されたモスアイ構造部5とが設けられている。モスアイ構造部5においては、複数の突起6が基体2の表面に垂直な方向(以下、上方という)に向かって起立しており、突起6間は空気層となっている。突起6の高さは例えば0.1〜1.0μmであり、突起6間の平均間隔は例えば1.0μm以下であり、例えば0.1〜1.0μmである。また、突起6間の平均間隔に対する高さの比率は例えば0.3以上である。この比率が大きいほど、光学部材1の反射率は低下する。
光学部材1は、例えば、太陽電池のフロントパネル、ディスプレイのプロントパネル、光ディスク、レンズ又はプリズム等の光が入射される部材である。従って、基体2は、例えば、太陽電池セル、ガラス若しくは透明樹脂等の透明材料により形成された板材、レンズ本体、又はプリズム本体などである。また、透明膜3は、アルミニウム(Al)及び窒素(N)を含有している。更に、突起6の形状は、例えば丸みを帯びた円錐形である。即ち、突起6における基体2の表面に平行な断面の面積は、突起の根元部から先端部に向かって連続的に小さくなっている。
次に、本実施形態に係る透明膜の製造方法について説明する。
図2は、本実施形態に係る透明膜の製造方法を示すフローチャート図である。
先ず、図2のステップS1に示すように、スパッタリング装置のチャンバー内に、ターゲットとしてアルミニウム板を装着する。また、このターゲットに対向する位置に、基板として基体2を装着する。次に、チャンバー内を排気した後、チャンバー内に窒素とアルゴンの混合ガスを導入する。そして、ターゲットと基体2との間に電圧を印加して、イオン化したアルゴン原子をターゲットに衝突させる。これにより、ターゲットを形成するアルミニウム原子を基体2に向けて飛来させ、基体2上に堆積させる。このとき、アルミニウムと窒素とが反応して、アルミニウムの一部が窒化される。
このようにして、基体2の表面上に、反応性スパッタリングにより、アルミニウムの一部が窒化された窒素含有アルミニウム膜(以下、Al−N膜ともいう)が形成される。Al−N膜の膜厚は、例えば、0.1〜1.0μmとする。その後、チャンバーから、表面上にAl−N膜が形成された基体2を取り出す。このとき、Al−N膜は不透明な黒色の膜となっている。
次に、ステップS2に示すように、この基体2及びAl−N膜を水中に浸漬し、煮沸する。煮沸時間はAl−N膜の膜厚によって調整し、例えば、Al−N膜の膜厚が100nmのときは、煮沸時間を32分間以上とする。これにより、Al−N膜は透明化し、透明膜3となる。そして、基体2及び透明膜3を水中から取り出し、冷却及び乾燥させる。このようにして、基体2上に透明膜3が形成され、光学部材1が製造される。
次に、本実施形態の動作について説明する。
スパッタリングにより、基体2上にAl−N膜を成膜すると、このAl−N膜の表面に、微細な突起が複数形成される。そして、このAl−N膜を煮沸すると、Al−N膜の表面に形成されている微細な突起が、より大きな突起6に変形する。これにより、突起6がモスアイ構造部5を構成する。このとき、Al−N膜においては、下記化学式(1)〜(3)の少なくとも1つに示す反応が生じているものと推測される。

AlN+3HO→Al(OH)+NH (1)
2Al+3HO→Al+3H (2)
2Al+6HO→2Al(OH)+3H (3)
このようにして製造された光学部材1における透明膜3が形成されている表面に、可視光などの光を入射させると、この光は個々の突起6を識別できず、膜厚が突起6の高さと等しく、光学的特性が突起6と空気との中間である仮想的な薄膜が存在する場合と等価な光学的挙動を示す。この結果、光学部材1の表面においては、光の反射が抑制され、その分、光学部材1の透過率が向上する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、透明膜3の表面にモスアイ構造部5が形成されているため、光学部材1の表面における反射率が低下し、光学部材1の透過率が向上する。また、突起6の平均間隔が0.1〜1.0μmであるため、可視光から近赤外光の反射をより効率的に抑制することができる。更に、突起6においては、基体2の表面に平行な断面の面積が、突起6の根元部から先端部に向かって連続的に小さくなっている。このため、透明膜3の膜厚方向の任意の位置における平均屈折率は、透明膜3の下面から上面に向かって、基部4の屈折率から空気の屈折率まで連続的に減少する。これにより、幅広い波長の光に対して、反射を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、スパッタリング及び煮沸により、モスアイ構造を備えた透明膜を形成することができるため、基体の形状によらず、容易に透明膜を形成することができる。これにより、大面積の基体及び立体的な形状を持つ基体の表面にも透明膜3を均一に形成することができる。更に、Al−N膜を煮沸しているため、加熱温度を均一に保つことが容易であり、温度調節器等を設ける必要がない。なお、この加熱温度は水の沸点であり、水が純水であり気圧が1気圧である場合には100℃となる。このように、本実施形態によれば、波長依存性が小さく幅広い波長の光の反射を抑制することができ、製造が容易な透明膜を得ることができる。
なお、スパッタリングを行うためのスパッタリング装置は、DCスパッタリング装置であってもよく、RFスパッタリング装置であってもよい。また、本実施形態においては、Al−N膜を水中で煮沸する例を示したが、水は必ずしも沸騰させなくてもよく、水中において上述の反応が発生するような温度及び時間で加熱処理を行えばよい。例えば、アルミニウムの水和反応は80℃以上であれば進行するため、加熱温度は80℃以上とすることが好ましい。
以下、本発明に関連して本発明者が実施した試験例について説明する。
(試験例1)
試験例1では、スパッタリング時にチャンバー内に導入するAr−Nガス(以下、スパッタガスという)における窒素濃度(CN2)がAl−N膜の外観及び表面形態に及ぼす影響を調査した。
図3は、本試験例において使用したスパッタリング装置を示すブロック図である。
図4(a)〜(d)は、成膜後のAl−N膜及びAl膜の外観を示す写真であり、(a)は窒素濃度CN2を0.0体積%とした場合、即ち、スパッタガスとして純アルゴンガスを使用した場合を示し、(b)は窒素濃度CN2を6.0体積%とした場合を示し、(c)は窒素濃度CN2を10体積%とした場合を示し、(d)は窒素濃度CN2を13体積%とした場合を示す。なお、図4は、方眼紙の上に試料を載置して撮影したものであり、膜が透明である場合は、背後の方眼紙が透けて見える。方眼紙の最小目盛りは1mmである。
図5(a)〜(d)は、成膜後のAl−N膜及びAl膜のAFM測定結果を示す図であり、(a)は窒素濃度CN2を0.0体積%とした場合を示し、(b)は窒素濃度CN2を6.0体積%とした場合を示し、(c)は窒素濃度CN2を10体積%とした場合を示し、(d)は窒素濃度CN2を13体積%とした場合を示す。なお、スケールは図5(a)にしか示していないが、図5(b)〜(d)のスケールも、図5(a)のスケールと同様である。
図6は、CN2が6%であるAl−N膜の基板の表面に平行な各断面における空気(Air)とAl−N膜との割合を示す図である。
図7は、横軸に光の消衰係数及び屈折率をとり、縦軸に基板表面からの高さをとって、光の消衰係数及び屈折率の変化を示すグラフ図である。消衰係数及び屈折率は、各断面における平均値である。
図3に示すように、このスパッタリング装置11においては、真空チャンバー12が設けられており、この真空チャンバー12には、スパッタガス導入管13及び排気管14が接続されている。スパッタガス導入管13は、その上流側が2本の支管13a及び13bに分岐しており、支管13aの途中にニードルバルブ15aが介在しており、支管13bの途中にニードルバルブ15bが介在している。そして、支管13aには純度が99.999%の窒素ガス(Nガス)が供給され、支管13bには純度が99.9995%のアルゴンガス(Arガス)が供給されるようになっている。
また、スパッタリング装置11にはロータリーポンプ(RP)16及びターボ分子ポンプ(TMP)17が設けられており、それぞれ排気管14を介して真空チャンバー12に接続されている。RP16と真空チャンバー12との間には粗引バルブ18が設けられており、TMP17と真空チャンバー12との間にはメインバルブ19が設けられている。更に、RP16とTMP17ともフォアバルブ20を介して接続されている。更に、真空チャンバー12内には、基板21及びターゲット22が相互に対向するように装着されるようになっている。
本試験例においては、基板21として、コーニング(Corning)社製コード7059のバリウム・ホウケイ酸ガラス板を、真空チャンバー12内に装着した。なお、このガラス板における波長が589.3ナノメートル(nm)の光に対する屈折率は1.5333である。また、ターゲット22として、純アルミニウムからなるターゲットを真空チャンバー12内に装着した。
次に、真空チャンバー12を閉じ、RP16及びTMP17を順次作動させて、真空チャンバー12内の圧力を5.3×10−5〜1.1×10−4Pa(4.0〜8.0×10−7Torr)とした後、ニードルバルブ15a及び15bを調節することにより、スパッタガスとして真空チャンバー12内にAr−N混合ガスを導入した。また、rf(Radio Frequency)出力は200Wとし、基板温度は373Kとした。なお、基板温度を室温よりも高くすることにより、膜厚を薄くしても、膜の表面に適度な凹凸を形成することができる。そして、スパッタガスの圧力を1.33Pa(10mTorr)で一定として、スパッタガス中の窒素濃度(CN2)が相互に異なる条件でスパッタリングを行い、厚さが300nmのAl−N膜又はAl膜を成膜した。成膜条件を表1に示す。
成膜後に真空チャンバー12を開けて基板21を取り出し、Al−N膜又はAl膜の外観を観察した。観察結果を表1及び図4に示す。また、成膜後のAl−N膜又はAl膜の表面形態をAFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)によって測定した。測定結果を表1及び図5に示す。更に、成膜後のAl−N膜又はAl膜の結晶構造をX線回折法により同定した。測定結果を表1に示す。
表1並びに図4及び図5に示すように、スパッタガスとして窒素濃度CN2が0体積%のガス、即ち、純アルゴンガスを使用すると、Al膜が形成されるが、このAl膜は表面に凹凸があり、白色に見えている。また、スパッタガスとして窒素濃度CN2が13体積%のガスを使用すると、アルミニウムがほぼ完全に窒化され、アルミニウムと窒素の原子組成比が1:1のAlN膜が形成される。このAlN膜の表面形態は平坦であり、透明に見える。これに対して、スパッタガスとして窒素濃度CN2が6体積%及び10体積%のガスを使用すると、アルミニウムが不完全に窒化された窒素含有アルミニウム膜(Al−N膜)が形成される。このAl−N膜は不透明である。そして、このAl−N膜を基板21側から見ると金属光沢を呈しており、露出面側から見ると光沢のない黒色である。このことから、Al−N膜には金属アルミニウムが存在しており、このAl−N膜の基板21側の表面は基板21の表面にならって平坦になるため金属光沢が認められ、露出面側の表面は凹凸が形成されているため金属光沢が失われているものと考えられる。また、窒素濃度CN2が6体積%の場合は表面の凹凸が大きく、窒素濃度CN2が10体積%の場合は表面の凹凸が小さい。
また、図6に示すように、Al−N膜においては、各突起の基板表面に平行な断面の面積が、突起の根元部から先端部に向かって連続的に小さくなっているため、基板表面に平行な断面におけるAl−N膜が占める面積の割合は、下方から上方に向かって連続的に小さくなっている。逆に、基板表面に平行な断面における空気層が占める割合は、下方から上方に向かって連続的に大きくなっている。
このため、図7に示すように、Al−N膜の平均屈折率及び平均消衰係数は、Al−N膜の上面から下面に向かって連続的に増加している。この結果、Al−N膜の外観は黒色を呈している。
このように、本試験例においては、スパッタガス中の窒素濃度CN2を6体積%とすることにより、表面の凹凸が大きいAl−N膜を形成することができた。しかしながら、この窒素濃度CN2の値は絶対的なものではなく、例えば基板温度等の他の条件が変われば、変化する。
(試験例2)
試験例2では、Al−N膜の膜厚が、Al−N膜の表面形態及び光学的特性に及ぼす影響を調査した。即ち、試験例1と同じ条件で、膜厚が相互に異なる複数種類のAl−N膜を形成し、その表面形態、並びに光の吸収率及び鏡面反射率を測定した。スパッタガス中の窒素濃度CN2は6.0体積%とした。
図8(a)〜(c)は、試験例2において形成したAl−N膜のAFM測定結果を示す図であり、(a)は膜厚dを55nmとした場合を示し、(b)は膜厚dを200nmとした場合を示し、(c)は膜厚dを300nmとした場合を示す。なお、スケールは図8(c)にしか示していないが、図8(a)及び(b)のスケールも、図8(c)のスケールと同様である。
また、図9は、横軸に入射光の波長をとり、縦軸にこの入射光の吸収率及び鏡面反射率をとって、Al−N膜の光学的特性の膜厚依存性を示すグラフ図である。
図8(a)に示すように、膜厚dが55nmであると、Al−N膜の表面はほぼ平坦であったが、図8(b)に示すように、膜厚dが200nmになると、表面にサブミクロンオーダーの凹凸が形成された。そして、膜厚dが300nmになると、表面の凹凸はより大きくなった。即ち、Al−N膜の膜厚が増大するにつれて、表面の凹凸が増大した。
また、図9に示すように、膜厚dが増大するにつれて、可視領域の鏡面反射率が減少し、それを補償するように、吸収率が増加した。
(試験例3)
試験例3では、スパッタリングにより形成されたAl−N膜を純水中で煮沸して、煮沸前後の膜の表面形態及び光学的特性を調査した。
図10は、各光学特性値の定義を示す図であり、
図11は、本試験例において使用した煮沸装置を示す断面図であり、
図12は、横軸に入射光の周波数をとり、縦軸に膜の全透過率をとって、煮沸中における全透過率の経時変化を示すグラフ図であり、
図13は、横軸に入射光の周波数をとり、縦軸に膜の全透過率をとって、煮沸による膜の全透過率の変化を示すグラフ図であり、
図14は、横軸に入射光の周波数をとり、縦軸に膜の鏡面反射率をとって、煮沸による膜の鏡面反射率の変化を示すグラフ図であり、
図15は、横軸に入射光の周波数をとり、縦軸に膜の拡散反射率をとって、煮沸による膜の拡散反射率の変化を示すグラフ図であり、
図16は、煮沸前後の膜の外観を示す写真であり、
図17(a)及び(b)は煮沸前後の膜のAFM測定結果を示す図であり、(a)は煮沸前を示し、(b)は煮沸後を示す。
図10に示すように、ガラス基板32上に膜33が形成された試料31を想定する。そして、試料31に膜33側から入射光Iを入射させたときに、試料31内で拡散されることなく試料31を透過して、試料31から入射光Iの入射方向と同じ方向に出射する光を前方透過光といい、入射光Iの強度に対する前方透過光の強度の比率を前方透過率Tとする。また、試料31内で拡散されながら透過して、試料31から入射光Iの入射方向とは異なる方向に出射する光を拡散透過光といい、入射光Iの強度に対する拡散透過光の強度の比率を拡散透過率Tとする。そして、前方透過率T及び拡散透過率Tの合計を全透過率Tとする。更に、試料31の表面で拡散されずに反射した光を鏡面反射光といい、入射光Iの強度に対する鏡面反射光の強度の比率を鏡面反射率Rとする。更にまた、試料31の表面で拡散されて反射した光を拡散反射光といい、入射光Iの強度に対する拡散反射光の強度の比率をRとする。
本試験例においては、試験例1において説明した方法により、ガラス基板(コーニング社製コード7059)上にスパッタリングによりAl−N膜を形成した。このとき、スパッタガス中の窒素濃度CN2は6体積%とし、膜厚dは100nmとした。これにより、試料31(図10参照)を作製した。そして、この試料31の全透過率を測定し、外観写真を撮影し、AFMにより表面形態を測定した。AFMによる測定は縦が10μm、横が10μmの正方形の領域について行った。
次に、図11に示すように、ヒーター41上にビーカー42を載せ、このビーカー42内に台43を置き、ビーカー42内に、純水44を注入した。そして、ヒーター41を作動させて純水44を加熱し、純水44を沸騰させた。純水44が沸騰している状態で、ビーカー42内の台43上に、上述の試料31を載置し、試料31が純水44中に没するようにした。そして、ビーカー42に蓋45をかぶせた。このようにして、試料31を純水中で煮沸した。
そして、試料31の合計の煮沸時間が1分、2分、4分、8分、16分及び32分に達したときにそれぞれ、ビーカー42から試料31を取り出し、全透過率を測定した後、試料31をビーカー42内に戻し、煮沸を再開した。そして、試料31の合計の煮沸時間が48分に達したときに、ビーカー42から試料31を取り出し、全透過率、鏡面反射率及び拡散反射率を測定した。また、試料31の外観の写真を撮影し、AFMにより表面形態を測定した。AFMの測定結果を表2に示す。なお、表2に示す「RMS」とは「root-mean-aquare粗さ」を示し、「頂点の数」とは測定領域内に含まれる頂点の総数を示し、「頂点間距離」とは、頂点間の平均距離を示す。
図12に示すように、煮沸開始時点(t=0分)から合計の煮沸時間tが32分に達するまでの期間においては、煮沸時間tの増加に伴い、全透過率Tも増加した。これに対して、図12において、t=32分の全透過率を示す線とt=48分の全透過率を示す線とは相互に重なっており、煮沸時間tが32分から48分になっても、全透過率Tはほとんど変化しなかった。即ち、膜33の変化は、煮沸時間tが32分の時点で既に飽和していた。なお、図12に示すt=0分の測定結果は、煮沸前(as depo.)の測定結果である。
そして、図13に示すように、合計で48分間煮沸した後の試料31の全透過率は、ガラス基板32単独の全透過率よりも高くなった。
また、図14に示すように、煮沸前(t=0分、as depo.)の試料31の鏡面反射率は、可視領域で低かった。このため、この膜は黒色に見えた。そして、近赤外領域では波長が長くなるほど、鏡面反射率は高くなっていた。この試料31を間欠的に48分間煮沸することより、試料31の鏡面反射率が全波長領域で煮沸前よりも減少し、波長が0.55μm以上の領域においては、ガラス基板の鏡面反射率よりも低くなった。
更に、図15に示すように、煮沸前の試料31の拡散反射率は、可視領域でやや高く、近赤外領域で低くなっていた。近赤外領域で拡散反射率が低いのは、近赤外線は、膜33の表面の凹凸(図17(a)参照)を個々に認識することができず、平坦とみなしてしまうことに起因している。そして、この試料31を間欠的に48分間煮沸することより、試料31の拡散反射率が煮沸前よりも減少した。但し、煮沸後も試料31の拡散反射率はガラス基板32の拡散反射率よりは高かった。
更にまた、図16に示すように、煮沸前の試料31の外観は不透明で黒色であるのに対して、48分間煮沸した後の試料31は透明になっていた。これは、図13に示す結果と整合している。更にまた、上述の如くAl−N膜を煮沸することにより、図11に示す純水44はややアルカリ性になった。これは、上述の化学式(1)に示すように、水がAlNと反応してアンモニアが生成したためと推定される。
更にまた、表2並びに図17(a)及び(b)に示すように、煮沸することにより、試料31の表面の凹凸は大きくなった。即ち、煮沸することにより、RMS粗さは約2倍になり、頂点の数は約(1/3)倍になり、頂点間距離は約2倍になった。このように、煮沸により、試料31の表面の凹凸の形は変化したが、メゾスコピック凹凸が存在するという点は変わらなかった。試験例1で説明したように、煮沸前のAl−N膜は金属光沢を呈することから、金属アルミニウムが存在していると考えられる。これに対して、煮沸後の膜33は透明化していることから、煮沸前のAl−N膜に存在していた単体のアルミニウムが酸化、窒化、酸窒化及び/又は水酸化され、自由電子が失われたものと考えられる。
一方、比較のために、スパッタガスとして純アルゴンガスを使用してスパッタリングを行ってガラス基板上にAl膜を形成し、このAl膜を48分間煮沸した。しかしながら、Al膜は透明化しなかった。また、スパッタガスとして窒素濃度CN2が13体積%のガスを使用してスパッタリングを行い、ガラス基板上にAlN膜、即ち、アルミニウムがほぼ完全に窒化され、アルミニウムと窒素の原子組成比が1:1である膜を形成した。この膜の外観は透明であるが、その透過率は試料31の透過率よりも低かった。また、このAlN膜を煮沸したが、やはりその透過率は試料31の透過率よりも低かった。
なお、膜を透明化するために必要な煮沸時間は、煮沸条件及びAl−N膜の膜厚により異なっていた。例えば、本試験例においては、全透過率の煮沸時間依存性を調べるために、煮沸の途中で試料を水中から取り出して、全透過率を測定した。このため、試料31を間欠的に煮沸することになった。そして、この場合には、全透過率の変化が飽和するまでに32分間の煮沸時間を要した。しかしながら、途中で中断せずに連続的に煮沸すれば、より短い時間で飽和状態(透明状態)にすることができた。また、Al−N膜が厚くなるほど、必要な煮沸時間が長くなった。例えば、本試験例においては、Al−N膜の膜厚を100nmとしたが、Al−N膜の膜厚が200nmである場合には、間欠的に煮沸する場合で512分よりも長い煮沸時間が必要であり、連続的に煮沸する場合でも180分よりも長い煮沸時間が必要であった。
本発明の実施形態に係る光学部材を示す断面図である。 本実施形態に係る透明膜の製造方法を示すフローチャート図である。 試験例1において使用したスパッタリング装置を示すブロック図である。 (a)〜(d)は、成膜後のAl−N膜及びAl膜の外観を示す写真であり、(a)は窒素濃度CN2を0.0体積%とした場合を示し、(b)は窒素濃度CN2を6.0体積%とした場合を示し、(c)は窒素濃度CN2を10体積%とした場合を示し、(d)は窒素濃度CN2を13体積%とした場合を示す。 (a)〜(d)は、成膜後のAl−N膜及びAl膜のAFM測定結果を示す図であり、(a)は窒素濃度CN2を0.0体積%とした場合を示し、(b)は窒素濃度CN2を6.0体積%とした場合を示し、(c)は窒素濃度CN2を10体積%とした場合を示し、(d)は窒素濃度CN2を13体積%とした場合を示す。 N2が6%であるAl−N膜の基板の表面に平行な各断面における空気(Air)とAl−N膜との割合を示す図である。 横軸に光の消衰係数及び屈折率をとり、縦軸に基板表面からの高さをとって、光の消衰係数及び屈折率の変化を示すグラフ図である。 (a)〜(c)は、試験例2において形成したAl−N膜のAFM測定結果を示す図であり、(a)は膜厚dを55nmとした場合を示し、(b)は膜厚dを200nmとした場合を示し、(c)は膜厚dを300nmとした場合を示す。 横軸に入射光の波長をとり、縦軸にこの入射光の吸収率及び鏡面反射率をとって、Al−N膜の光学的特性の膜厚依存性を示すグラフ図である。 各光学特性値の定義を示す図である。 試験例3において使用した煮沸装置を示す断面図である。 横軸に入射光の周波数をとり、縦軸に膜の全透過率をとって、煮沸中における全透過率の経時変化を示すグラフ図である。 横軸に入射光の周波数をとり、縦軸に膜の全透過率をとって、煮沸による膜の全透過率の変化を示すグラフ図である。 横軸に入射光の周波数をとり、縦軸に膜の鏡面反射率をとって、煮沸による膜の鏡面反射率の変化を示すグラフ図である。 横軸に入射光の周波数をとり、縦軸に膜の拡散反射率をとって、煮沸による膜の拡散反射率の変化を示すグラフ図である。 煮沸前後の膜の外観を示す写真である。 (a)及び(b)は煮沸前後の膜のAFM測定結果を示す図であり、(a)は煮沸前を示し、(b)は煮沸後を示す。
符号の説明
1 光学部材
2 基体
3 透明膜
4 基部
5 モスアイ構造部
6 突起
11 スパッタリング装置
12 真空チャンバー
13 スパッタガス導入管
13a、13b 支管
14 排気管
15a、15b ニードルバルブ
16 ロータリーポンプ(RP)
17 ターボ分子ポンプ(TMP)
18 粗引バルブ
19 メインバルブ
20 フォアバルブ
21 基板
22 ターゲット
31 試料
32 ガラス基板
33 膜
41 ヒーター
42 ビーカー
43 台
44 純水
45 蓋

Claims (3)

  1. アルミニウムを含有するターゲットを使用し、窒素を含有するガス中でスパッタリングを行うことにより基体上にアルミニウムの一部が窒化された黒色の窒素含有アルミニウム膜を形成する工程と、
    前記窒素含有アルミニウム膜を水中で加熱する工程と、
    を備えたことを特徴とする透明膜の製造方法。
  2. 前記ガスは、窒素ガス及び希ガスの混合ガスであることを特徴とする請求項記載の透明膜の製造方法。
  3. 前記水中で加熱する工程は、前記窒素含有アルミニウム膜を水中で煮沸する工程を含むことを特徴とする請求項またはに記載の透明膜の製造方法。
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