JP5604664B2 - ハーフミラー基板の製造方法およびハーフミラー基板 - Google Patents

ハーフミラー基板の製造方法およびハーフミラー基板 Download PDF

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本発明は、光の透過性および反射性を有するハーフミラー基板の製造方法およびハーフミラー基板に関する。
ハーフミラー基板は入射光を反射するミラーとしての機能を有するとともに、表面側から裏面側を透視することができる透過性を有しており、各種電子機器のディスプレイパネルなどに用いられている。
一般的に、ハーフミラー基板の作製は、スパッタリングや蒸着等によりベース基板に金属薄膜を形成することによってなされる。また、形成した金属薄膜を酸化させることで金属薄膜の連続性を高める技術も提案されている(特許文献1参照)。
なお、ハーフミラーとは、光の透過性と反射性を有するものを広く指しており、反射光と透過光の強さが1:1のものに限定していない。
特開昭64−47845号公報
ハーフミラー基板の金属薄膜としてSn膜を形成した場合、その酸化が進行すると透過率が上昇して反射率が低下し、ミラーとしての機能が損なわれてしまう。よって、Snの酸化の進行を防止する必要がある。
Sn膜を保護するためにSn膜を覆う保護膜として、高い水蒸気バリア性(以降、単にバリア性ともいう)を有する材質を用いることで、Sn膜に水や酸素が接触することを抑制でき、酸化の進行を抑制できる。しかしながら、ハーフミラー基板のベースとなるベース基板に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などの吸湿性の高い樹脂を用いると、ベース基板に反りが発生することがある。
この理由を、図8(A)を用いて説明する。図8(A)には、PMMA基板101にSn膜(粒子状金属)102が形成されており、それを覆うように高バリア性TEOS膜(SiO膜)103が形成されている。高湿度環境下でPMMA基板101に吸収された水分子104は、周囲の湿度が低下すればPMMA基板101から排出されるが、高バリア性TEOS膜103を水分子が通過できないためその面には水分子が残ってしまう。その結果、ベース基板における水分子が排出される面側が収縮し、反りが発生してしまう。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光の反射率を低下させることなく反りの発生を抑制できるハーフミラー基板の製造方法、およびハーフミラー基板を提供することである。
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、ポリメチルメタクリレートまたはポリカーボネートからなるベース基板表面に島状成長してなるSn膜を形成する第1工程と、前記第1工程において形成された前記Sn膜の表面に、原子状酸素(atomic oxygen)を含む化学種(chemical species)を照射することにより酸化Sn層を形成する第2工程と、前記酸化Sn層を覆うように、水蒸気透過率が前記ベース基板の水蒸気透過率以上であるSiO膜を形成する第3工程と、を備えることを特徴とするハーフミラー基板の製造方法である。
ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル,PMMA)やポリカーボネートなどの吸湿性の高い樹脂基板は、上述したように高水蒸気バリア性の保護膜を用いると反りが発生してしまう。そこで、保護膜として低水蒸気バリア性のSiO膜を用いると、図8(B)に示すように、SiO膜(低バリア性TEOS膜105)を水分子が透過するため、ベース基板の反りの発生が抑制される。
しかしながら、その場合にはSn膜の酸化が進行してしまう。そこで、Sn膜の表面に、原子状酸素を含む化学種を照射することによって酸化Sn層を形成しておけば(図3(C))、その酸化Sn層の有するバリア性(耐湿性)によって、酸化Sn層の内部においてSn膜の酸化の進行が抑制される。
即ち、本発明のハーフミラー基板の製造方法であれば、Sn膜の酸化による反射率の低下を起こすことなく、ベース基板の反り(即ち、ハーフミラー基板の反り)の発生を抑制することができる。
酸化Sn層は、原子状酸素を含む化学種の照射によって不動態皮膜となることで、高い水蒸気バリア性を発揮する。原子状酸素を含む化学種の照射とは、例えば請求項2に記載のように、酸素プラズマ照射工程、またはO2,O3,CO,NO,NO2,N2Oからなる群から選ばれる1種以上の気体雰囲気における真空紫外光照射を行う工程とすることができる。
このようなハーフミラー基板の製造方法であれば、酸化Sn層を不動態皮膜とすることができるため、Sn膜の酸化を適切に抑制することができる。
原子状酸素の照射によって、請求項3に記載のハーフミラー基板の製造方法のように、酸化Sn層を主たる成分がSnO2であるように製造するとよい。金属Snの安定な酸化物としてはSnOとSnO2があり、結晶状態ではそれぞれの酸化物の緻密性に違いがある。SnO2は、SnOと比較して緻密でバリア性が高いことから、酸化Sn層の主たる成分がSnO2であることによって、耐湿性能を向上させることができる。
ところで、SiO膜はベース基板の反り抑制のために低水蒸気バリア性であることが望まれるが、本発明では上述したように、水蒸気透過率が基板材料以上の値であるように製造される。このような値であれば、SiO膜が水分子を充分に透過させることができるため、ハーフミラー基板の反りが抑制される。なお、PMMA基板の水蒸気透過率は41[g/m・24h]であるため、SiO膜の水蒸気透過率がその値よりも大きければ反りを充分に抑制できる。
なお、SiO膜を低水蒸気バリア性とするためには、請求項4に記載のハーフミラー基板の製造方法のように、前記第3工程を、膜材料ガスとしてのTEOSガスに、希ガスを添加して、またはいずれのガスも添加しないでプラズマCVDにより前記SiO膜を形成する工程としてもよい。
このようなハーフミラー基板の製造方法であれば、TEOS(テトラエトキシシラン)を膜材料として、SiO膜の水蒸気バリア性を低くしたハーフミラー基板を製造することができる。
ところで、SiO膜とは、主にSi−O結合によって形成される膜であって、その膜構造を模式的に示すと図6のようになる。図のように、Si−Cを含むSiOC膜であってもよいし、Si−Cを含まないものであってもよい。
SiO膜は、例えばプラズマCVDによって製膜することができる。その際の膜材料としては、図7(A)〜(G)に示すように、TEOSの他、TMMOS,DMDS,HMDSO又はHMDS,OMTSO又はOMTS,TMCTS,OMCTSなどを用いることができるが、Si−Oの結合を形成できる誘起シリコーン系であればこれらに限らない。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハーフミラー基板の製造方法において、前記第1工程が、真空蒸着により前記ベース基板に前記Sn膜を形成する工程であることを特徴とする。
このようなハーフミラー基板の製造方法であれば、Sn膜の透過性および反射性によって良好なハーフミラー基板を製造することができる。また島状成長したSn膜を形成できるため、ベース基板からの水分透過が可能となり、ハーフミラー基板の反りを抑制できるようになる。
請求項6に記載の発明は、ポリメチルメタクリレートまたはポリカーボネートからなるベース基板と、前記ベース基板表面に形成される島状成長してなるSn膜と、前記Sn膜を覆うように形成される、水蒸気透過率が前記ベース基板の水蒸気透過率以上であるSiO膜と、前記Sn膜と前記SiO膜との界面に形成される主たる成分がSnOである酸化Sn層と、を有することを特徴とするハーフミラー基板である。
このように構成されたハーフミラー基板では、ベース基板に吸収された水分子は低水蒸気バリア性のSiO膜を透過して外部に排出されるため、ベース基板の反りの発生が抑制される。また、SnO2である酸化Sn層によってSn膜の酸化の進行が抑制されるため、Sn膜の酸化による反射率の低下を抑制することができる。
SnOである酸化Sn層を作製するには、請求項7に記載のように、酸化Sn層を、
前記Sn膜に原子状酸素を含む化学種を照射するプロセスによって形成されたものとしてもよい。
このように構成されたハーフミラー基板であれば、Sn膜に原子状酸素を照射することによってSnOである酸化Sn層が形成されているため、Sn膜の酸化が抑制される。
なお、原子状酸素を含む化学種を照射するプロセスとは、例えば、請求項8に記載のように、酸素プラズマ照射、またはO,O,CO,NO,NO,NOからなる群から選ばれる1種以上の気体雰囲気における真空紫外光照射を行うプロセスであってもよい。
上述したように請求項6に記載のハーフミラー基板は、前記SiO膜の水蒸気透過率が基板の水蒸気透過率以上であることを特徴とする。
このように構成されたハーフミラー基板では、SiO膜が水分子を充分に透過させることができるため、ハーフミラー基板の反りを充分に抑制することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のハーフミラー基板において、前記SiO膜が、膜材料ガスとしてのTEOSガスに、希ガスを添加して、またはいずれのガスも添加しないでプラズマCVDにより前記SiO膜を形成したものであることを特徴とする。
このように構成されたハーフミラー基板では、TEOSを膜材料として、SiO膜の水蒸気バリア性を低くすることができ、それによってベース基板の反りを抑制することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のハーフミラー基板において、前記Sn膜が、真空蒸着により形成されたものであることを特徴とする。
このように構成されたハーフミラー基板であれば、透過性および反射性を有するSn膜によってハーフミラーの機能を付与することができる。また島状成長したSn膜を形成できるため、PMMA基板またはポリカーボネート基板からの水分透過が可能となり、基板の反りを抑制できる。
ハーフミラー基板の概略構成を示す側面断面図 Sn膜表面のSEM写真 PMMA基板上のSn膜の断面をモデル化した図であって、第1工程後(A)、第2工程後(B)、および第3行程後(C) 製膜装置の概略図 耐湿性能評価試験の結果を示すグラフ SiO膜の膜構造を示す模式図 SiO膜の膜材料の一例を示す構造図 従来のPMMA基板上のSn膜の断面をモデル化した図
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示にすぎず、本発明が、下記の事例以外にも様々な形態で実施できるのはもちろんである。
<1.ハーフミラー基板の構成>
本実施例のハーフミラー基板の概略構成を示す側面断面図を図1に示す。ハーフミラー基板1は、ポリメチルメタクリレート(以降、PMMAと称する)からなるPMMA基板10と、PMMA基板10の表側面に形成される防汚膜(Anti−Fingerprint機能膜)20と、PMMA基板10の裏面に形成される反射膜層30と、からなる。
PMMA基板10は、その表面がアクリル系樹脂をUV硬化させたハードコートがなされている。
反射膜層30は、PMMA基板10表面に形成されてなる金属反射膜(Sn膜31)と、Sn膜31を覆うように形成される保護膜(SiO膜32)と、からなる。Sn膜31は光の透過性および反射性を有しており、それによってハーフミラーとしての機能を実現している。Sn膜31の表面には、SnO2を主たる成分とする酸化Sn層33が形成されている。また、SiO膜32は、低い水蒸気バリア性を有する。
なお、図1は各膜の配置についてその概要を示すものであり、各膜の大きさの比率や形状は正確ではない場合がある。
以下の実施例では、反射膜層30の作製について説明する。防汚膜20の作製については後述する。
<2.反射膜層の作製>
[実施例1]
(1)第1工程:Sn膜の形成
PMMA基板に、真空蒸着によりSn膜を形成した。蒸発材料として金属スズワイヤーを用いた。また、蒸発電力は0.5KVAとし、蒸発時真空度は5×10-3Pa(3.75×10-5Torr)とした。
形成したSn膜表面のSEM写真を図2に示す。また、PMMA基板上のSn膜の断面をモデル化した図を図3(A)に示す。
形成されたSn膜の膜厚は直接測定できていないが、反射率に基づいて20nm〜30nmと推定できる。この程度の膜厚において、Sn蒸着膜は、膜が粒子状構造を保ったまま成長(島状成長)する。粒子状金属の大きさは、SEM写真のスケールから判断すると100nm程度である。
Sn膜におけるSnが粒子状であるため、Sn蒸着膜は絶縁体に近い表面抵抗値(1013〜1015Ω/sq.)を持つ。そのことから、各粒子状金属は互いに接触していないと考えられる。
(2)第2工程:酸化Sn層の形成
第1工程にて形成したSn膜の表面に、酸素プラズマ照射処理によって酸化膜(酸化Sn層)を形成した。処理条件は、酸素ガス圧力を5Pa(0.0375Torr)、RF出力を100W、酸素プラズマ照射時間を180秒とした。
このように形成された酸化Sn層の断面をモデル化した図を図3(B)に示す。Sn膜31の表面には酸化Sn層33が形成される。このように酸素プラズマ照射によって形成された酸化Sn層は、その主たる成分がSnO2となっており、高い緻密性によって高バリア性、高耐湿性を得ることができる。
(3)第3工程:保護膜の形成
保護膜の形成に用いる製膜装置50を図4に示す。
この製膜装置50は、プラズマCVDによって基板60にSiO膜を形成するものである。製膜装置50のチャンバ51にはSiO膜材料ガスとしてTEOS(テトラエトキシシラン)ガスが供給される。また、チャンバ51にはArガスまたはO2ガスが供給可能に接続されている。そして、チャンバ51内の電極52,53に、13.56MHzの高周波電力を印加して高周プラズマを発生させ、基板にSiO膜を形成することができる。
本実施例では、基板60の位置に上記第2工程にて酸化Sn層を形成したPMMA基板を配置し、Sn膜を覆うようにSiO膜を形成した(図3(C))。なお、これにより酸化Sn層はSn膜とSiO膜との界面に位置することとなった。
製膜操作において、チャンバ51内の全圧は10Pa(0.075Torr)とした。内訳は、Ar分圧が3.4Pa(0.0255Torr)、TEOS分圧が6.6Pa(0.0495Torr)である。また、RF電力は80W、製膜時間(プラズマ照射時間)は10分とした。
なお、RF電力が小さすぎると放電ができず、大きすぎると放電が不安定になるため、10W〜80Wの範囲に設定するとよい。
また、Arの分圧が低すぎると放電ができず、高すぎると放電が不安定になるため、Ar分圧は、0.4〜10Paの範囲とするとよい。
また、TEOSの分圧が低すぎると成膜が確認できない。分圧が高いと成膜速度が上昇するが、高すぎると大量の粉が発生する。そのため、TEOS分圧は0.6〜10Paの範囲とするとよい。
以上の工程により、PMMA基板に反射膜層を作製した。
[実施例2]
第2工程における酸素プラズマの照射時間を60秒とした点以外は、実施例1と同様の工程により反射膜層を作製した。
[比較例1]
上記実施例1と同様の第1工程および第3工程により反射膜層を作製した。即ち、この比較例1の反射膜層には酸化Sn層が形成されていない。
[比較例2]
実施例1と同様の第1工程,第2工程を行い、その後、第3工程に変えて、保護膜としてカーテンフローコーターによりウレタン樹脂系透明塗料を、乾燥後膜厚が約15μmとなるように塗布し、70℃で1時間乾燥させた。
[比較例3]
第3工程において、チャンバ内にO2ガスを供給した点以外は実施例1と同様の手法により反射膜層を形成した。なお、チャンバ内の全圧は10Paとなるように調整した。内訳は、Ar分圧が3.4Pa、TEOS分圧が5.6Pa、O2分圧が1.0Paである。なお、このように構成されたSiO膜(TEOS膜)は、高い水蒸気バリア性を有するものとなる。
<3.反射膜層の評価>
実施例1,2にて反射膜層を作製したハーフミラー基板(防汚膜なし)に対し、以下の各評価試験を行った。
(1)耐湿性能評価試験
作製したハーフミラー基板を、60℃90%RH環境の恒温恒湿槽に48時間入れ、加湿前後の透過率変化率(波長550nmにおける加湿前後の透過率の変化量(%))を測定した。なお、変化率は10%を基準値として、10%以内のものを可、10%を超えるものを不可とした。
実施例1のハーフミラー基板について、加湿前後の透過率と波長との関係を示すグラフを図5(A)に示す。
波長550nmにおいて、加湿前の透過率は10.85%、加湿後の透過率は11.26%であったので、変化率は(11.26−10.85)/10.85=3.8%となり、10%を下回ることができた。
なお、実施例2のハーフミラー基板についても、ほぼ同様の結果を得た。即ち、実施例1,2の酸素プラズマ照射条件では、60秒間照射した時点では、既に良好な酸化Sn膜が形成されているといえる。
また、比較例1,2のハーフミラー基板について、上記試験を行った結果を図5(B),(C)を示す。比較例1では変化率が12.3%となり、また、比較例2では変化率が27.4%となった。このように、比較例1,2はいずれも10%を超える変化率となった。
(2)基板の反りの耐性評価試験
まず、作製したハーフミラー基板(50mm×50mm)を、60℃90%RH環境の恒温恒湿槽に48時間入れ、その後、室内(室温20℃、湿度40%)にて24時間放置し、基板の端面の浮き上がりを測定した。なお、0.2mmを基準値として、0.2mm以下のものを可、0.2mmを超えるものを不可とした。浮き上がりの測定は、加湿乾燥後のハーフミラー基板をガラス板の上に置き、0.2mm厚のシックネスゲージと端面の隙間を比較することで測定した。
上記試験の結果、実施例1,2は反りが0.2mm以下となった。一方、比較例3について同様の試験を行ったところ、反りが0.2mmを超えた。
<4.防汚膜の作製>
PMMA基板における上述した反射膜層を作製した面の反対側の面に、Anti-Fingerprint機能膜(防汚膜)を、プラズマCVDによるフッ化炭素膜,または、FASによる自己組織化単分子膜(SAM)によって形成した。
<5.発明の効果>
本実施例のハーフミラー基板では、Sn膜を酸素プラズマ照射によって酸化し、低バリア性(水蒸気透過率が基板の水蒸気透過率以上)のSiO膜にてSn膜を覆ってなる反射膜層を有することにより、Sn膜の酸化による反射率の低下を起こすことなく、ハーフミラー基板の反りの発生を抑制することができた。
また、プラズマCVDによるフッ化炭素膜,および,自己組織化単分子膜からなる防汚膜によって、高度な指紋汚れ拭き取り性能を実現することができた。
<6.変形例>
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施例1では、第2工程において、Sn膜表面に酸素プラズマ照射を行うことによって酸化Sn層を形成する構成を例示したが、それ以外の方法で酸化Sn層を形成してもよい。その場合には、酸素プラズマ照射と同様に、原子状酸素を含む化学種を照射することにより酸化Sn層を形成すると、SnO2が主たる成分となる酸化Sn層が形成されるため高い耐湿性能を得ることができる。具体的には、O2,O3,CO,NO,NO2,N2Oからなる群から選ばれる1種以上の気体雰囲気において、Sn膜に真空紫外光照射を行うことで酸化Sn層を形成することが考えられる。
また、上記実施例1では、第3工程において、膜材料としてのTEOSガスにArガスを添加してSiO膜を形成する構成を例示したが、Ar以外の希ガス(He,Ne,Kr,Xeなど)を添加してSiO膜を形成しても良いし、添加ガスを加えず、TEOSガスのみでSiO膜を形成してもよい。
また、SiO膜の膜材料はTEOS以外にも、図7に示すような材料をはじめさまざまなものを用いることができる。なお、低水蒸気バリア性のSiO膜を形成するためには、膜材料に応じて、プラズマCVDにおける添加ガスの種類を適宜変更するとよい。
また、上記実施例1では、第1工程において、Sn膜を真空蒸着によって形成する構成を例示したが、Snが島状成長可能であれば真空蒸着以外の手法であってもよい。例えば、プラズマCVD,スパッタリング,イオンプレーティング,クラスターイオンビームデポジションなどの手法によってSn膜を形成してもよい。
また、上記実施例においては、PMMAをベース基板とする構成を例示したが、ポリカーボネートをベース基板としてもよい。
1…ハーフミラー基板、10…PMMA基板、20…防汚膜、30…反射膜層、31…Sn膜、32…SiO膜、33…酸化Sn層、50…製膜装置、51…チャンバ、52,53…電極、60…基板、101…PMMA基板、103…高バリア性TEOS膜、104…水分子、105…低バリア性TEOS膜

Claims (10)

  1. ポリメチルメタクリレートまたはポリカーボネートからなるベース基板表面に島状成長してなるSn膜を形成する第1工程と、
    前記第1工程において形成された前記Sn膜の表面に、原子状酸素を含む化学種を照射することにより酸化Sn層を形成する第2工程と、
    前記酸化Sn層を覆うように、水蒸気透過率が前記ベース基板の水蒸気透過率以上であるSiO膜を形成する第3工程と、を備える
    ことを特徴とするハーフミラー基板の製造方法。
  2. 前記第2工程は、前記Sn膜の表面に、酸素プラズマ照射、またはO,O,CO,NO,NO,NOからなる群から選ばれる1種以上の気体雰囲気における真空紫外光照射を行う工程である
    ことを特徴とする請求項1に記載のハーフミラー基板の製造方法。
  3. 前記酸化Sn層は、主たる成分がSnOである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハーフミラー基板の製造方法。
  4. 前記第3工程は、膜材料ガスとしてのTEOSガスに、希ガスを添加して、またはいずれのガスも添加しないでプラズマCVDにより前記SiO膜を形成する工程である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のハーフミラー基板の製造方法。
  5. 前記第1工程は、真空蒸着により前記ベース基板に前記Sn膜を形成する工程である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハーフミラー基板の製造方法。
  6. ポリメチルメタクリレートまたはポリカーボネートからなるベース基板と、
    前記ベース基板表面に形成される島状成長してなるSn膜と、
    前記Sn膜を覆うように形成される、水蒸気透過率が前記ベース基板の水蒸気透過率以上であるSiO膜と、
    前記Sn膜と前記SiO膜との界面に形成される主たる成分がSnOである酸化Sn層と、を有する
    ことを特徴とするハーフミラー基板。
  7. 前記酸化Sn層は、前記Sn膜に原子状酸素を含む化学種を照射するプロセスによって形成されたものである
    ことを特徴とする請求項6に記載のハーフミラー基板。
  8. 前記原子状酸素を含む化学種を照射するプロセスとは、酸素プラズマ照射、またはO,O,CO,NO,NO,NOからなる群から選ばれる1種以上の気体雰囲気におけ
    る真空紫外光照射を行うプロセスである
    ことを特徴とする請求項7に記載のハーフミラー基板。
  9. 前記SiO膜は、膜材料ガスとしてのTEOSガスに、希ガスを添加して、またはいずれのガスも添加しないでプラズマCVDにより前記SiO膜を形成したものである
    ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のハーフミラー基板。
  10. 前記Sn膜は、真空蒸着により形成されたものである
    ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のハーフミラー基板。
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