JP4786968B2 - 歯付ベルト最適形状予測装置及び歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラム - Google Patents

歯付ベルト最適形状予測装置及び歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラム Download PDF

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本発明は、歯付ベルトの最適形状を予測する歯付ベルト最適形状予測装置及び歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラムに関するものである。
従来、歯付ベルトは自動車用エンジンに用いられ、歯付ベルトの性能や耐久性の向上が求められている。歯付ベルト8は、図4に示すように、長手方向に沿って所定間隔で配置したゴムを基材とした複数の歯部9と、歯部9と連続する背部6と、背部6に埋設された心線5と、歯部9の表面に被覆された歯布4と、から構成される。そして、歯付ベルトの性能や耐久性を向上するにあたり、予測した歯付ベルトの性能や寿命に基づいて、歯付ベルトの最適形状を予測することが行われている。ここで、歯付ベルトの性能や寿命を予測するにあたり、歯元のクラック、歯元の歯布磨耗、心線の破断、背ゴムのクラック等の損傷モード毎に分析を行うことが有効であることが従来から知られている。このような各損傷モードの原因となる歯付ベルトのパラメータは物性データを固定して寸法パラメータのみを考慮するとしても、寸法パラメータは歯高さ、歯幅、歯部圧力面の張出しあるいはその曲率半径、歯元曲率半径等、多岐に及ぶため、実際の歯付ベルトを作成してそのような寸法パラメータの最適値を実験的に検討することは多大な労力とコストを伴うものとなる。
そこで、歯付ベルト、Vベルト等の伝動ベルトの性能や寿命を予測するために、従来、有限要素法解析(以下、「FEM解析」と称する。)を用いた技術が提案されている。即ち、入力としてのベルトやプーリの形状、材料、使用条件等をFEM解析プログラムで処理し、出力としての応力、ひずみ、変位、摩擦仕事等の計算結果を得て、それに基づいて性能又は寿命を判断する。例えば、特許文献1には、歯付ベルトの伝動解析モデルの幾何データ、材料データ及び外力データを入力し、FEM解析によりベルトの歯部における駆動側歯側面に発生する摩擦滑り仕事を、予め摩擦滑り仕事に応じて設定されている寿命特性と比較して、ベルトの歯部の寿命を予測する歯付ベルトの寿命予測方法及び寿命予測装置が開示されている。
特開平9−133592号公報
しかしながら、FEM解析を行うにあたり、データ入力、要素分割、条件設定等の一連の作業のために十分な時間を要する上、ベルトやプーリ形状・材料の最適化を行う場合には、それらの形状・材料データを数多く組み合わせて多数の案を検討する必要があり、そのために必要なFEM解析の時間は膨大なものとなる。従って、ベルトやプーリ形状・材料データを組み合わせた案が膨大になれば、従来技術のFEM解析により、歯付ベルトの最適形状を予測することが現実的に困難である。また、少ない数のベルトやプーリ形状・材料データを組み合わせた案に基づいてFEM解析により歯付ベルトの最適形状を予測したとしても、データ数が少ないために精度良く歯付ベルトの最適形状を予測することができない。
本発明は、短時間かつ高精度に歯付ベルトの最適形状を予測することができる歯付ベルト最適形状予測装置及び歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラムを提供するものである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明に係る歯付ベルト最適形状予測装置は、歯高さ、半歯幅、歯先R歯元R、圧力面張出、圧力角、圧力面曲率半径等の歯付ベルトを構成する寸法パラメータの中から、複数の寸法パラメータを選択する寸法パラメータ選択手段と、歯付ベルト最適形状予測前の既存の歯付ベルトについて、前記各寸法パラメータの現実の値及び任意のその近傍値を前記各寸法パラメータの複数(6以下)の水準値として設定する寸法パラメータ水準値設定手段と、前記各寸法パラメータの前記各水準値を全て或いは一部のみ組み合わせて、複数の寸法パラメータ群を作成する寸法パラメータ群生成手段と、前記各寸法パラメータの前記各水準値の最大値と最小値の間を等分割して前記各寸法パラメータの値を10前後設定し、前記各寸法パラメータの各値を全て組み合わせて認識用データを作成する認識用データ生成手段と、前記寸法パラメータ群を入力として、予め設定した前記歯付ベルトの心線及び歯布の弾性率或いは引張り剛性、ゴムの非線形的な挙動を考慮したパラメータ等の物性データと前記歯付ベルトの両端にかかる張力或いは歯付ベルトの両端にかかる張力の差である歯荷重、歯付プーリとの間の摩擦係数等の力学的条件に基づいて、有限要素法解析により前記歯付ベルトの性能を示す出力を前記寸法パラメータ群に対応して得る有限要素法解析手段と、前記有限要素法解析の入力である前記寸法パラメータ群と、前記有限要素法解析の出力である歯付ベルトの性能の組み合わせを学習し、前記認識用データを入力として前記歯付ベルトの性能を示す出力である認識出力を得るニューラルネットワークと、前記ニューラルネットワークで得られた前記認識出力の内、前記既存の歯付ベルトについて得られた出力と比較した所定の制約条件を満たし、且つ、前記歯付ベルトの性能に関する特定の目的に対して最良の出力を与えた入力である認識用データを歯付ベルトの最適形状と決定する歯付ベルト最適形状決定手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る歯付ベルト最適形状予測方法は、歯高さ、半歯幅、歯先R歯元R、圧力面張出、圧力角、圧力面曲率半径等の歯付ベルトを構成する寸法パラメータの中から、複数の寸法パラメータを選択する寸法パラメータ選択ステップと、歯付ベルト最適形状予測前の既存の歯付ベルトについて、前記各寸法パラメータの現実の値及び任意のその近傍値を前記各寸法パラメータの複数(6以下)の水準値として設定する寸法パラメータ水準値設定ステップと、前記各寸法パラメータの前記各水準値を全て或いは一部のみ組み合わせて、複数の寸法パラメータ群を作成する寸法パラメータ群生成ステップと、前記歯付ベルトの心線及び歯布の弾性率或いは引張り剛性、ゴムの非線形的な挙動を考慮したパラメータ等の物性データと前記歯付ベルトの両端にかかる張力或いは歯付ベルトの両端にかかる張力の差である歯荷重、歯付プーリとの間の摩擦係数等の力学的条件を設定し、前記寸法パラメータ群を入力として、有限要素法解析により前記歯付ベルトの性能を示す出力を前記寸法パラメータ群に対応して得る有限要素法解析ステップと、前記有限要素法解析の入力である前記寸法パラメータ群と、前記有限要素法解析の出力である歯付ベルトの性能の組み合わせをニューラルネットワークに学習させるニューラルネットワーク学習ステップと、前記各寸法パラメータの複数の水準値の最大値と最小値の間を等分割して前記各寸法パラメータの値を10前後設定し、前記各寸法パラメータの各値を全て組み合わせて認識用データを作成する認識用データ生成ステップと、前記認識用データを入力として前記ニューラルネットワークにより前記歯付ベルトの性能を示す出力である認識出力を得るニューラルネットワーク算出ステップと、前記ニューラルネットワークで得られた前記認識出力の内、前記既存の歯付ベルトについて得られた出力と比較した所定の制約条件を満たし、且つ、前記歯付ベルトの性能に関する特定の目的に対して最良の出力を与えた入力である認識用データを歯付ベルトの最適形状と決定する歯付ベルト最適形状決定ステップと、を有することを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、歯高さ、半歯幅、歯先R歯元R、圧力面張出、圧力角、圧力面曲率半径等の歯付ベルトを構成する寸法パラメータの中から、複数の寸法パラメータを選択する寸法パラメータ選択ステップ、歯付ベルト最適形状予測前の既存の歯付ベルトについて、前記各寸法パラメータの現実の値及び任意のその近傍値を前記各寸法パラメータの複数(6以下)の水準値として設定する寸法パラメータ水準値設定ステップ、前記各寸法パラメータの前記各水準値を全て或いは一部のみ組み合わせて、複数の寸法パラメータ群を作成する寸法パラメータ群生成ステップ、前記歯付ベルトの心線及び歯布の弾性率或いは引張り剛性、ゴムの非線形的な挙動を考慮したパラメータ等の物性データと前記歯付ベルトの両端にかかる張力或いは歯付ベルトの両端にかかる張力の差である歯荷重、歯付プーリとの間の摩擦係数等の力学的条件を設定し、前記寸法パラメータ群を入力として、有限要素法解析により前記歯付ベルトの性能を示す出力を前記寸法パラメータ群に対応して得る有限要素法解析ステップ、前記有限要素法解析の入力である前記寸法パラメータ群と、前記有限要素法解析の出力である歯付ベルトの性能の組み合わせをニューラルネットワークに学習させるニューラルネットワーク学習ステップ、前記各寸法パラメータの複数の水準値の最大値と最小値の間を等分割して前記各寸法パラメータの値を10前後設定し、前記各寸法パラメータの各値を全て組み合わせて認識用データを作成する認識用データ生成ステップ、前記認識用データを入力として前記ニューラルネットワークにより前記歯付ベルトの性能を示す出力である認識出力を得るニューラルネットワーク算出ステップ、前記ニューラルネットワークで得られた前記認識出力の内、前記既存の歯付ベルトについて得られた出力と比較した所定の制約条件を満たし、且つ、前記歯付ベルトの性能に関する特定の目的に対して最良の出力を与えた入力である認識用データを歯付ベルトの最適形状と決定する歯付ベルト最適形状決定ステップ、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
これにより、歯高さ、半歯幅、歯先R歯元R、圧力面張出、圧力角、圧力面曲率半径等のから任意に選択された歯付ベルトを構成する寸法パラメータの少数の案(寸法パラメータ群)を入力として有限要素法解析で得た歯付ベルトの性能を示す出力(歯付ベルトの歯元の最大せん断応力等)に基づいて学習されたニューラルネットワークを用いて、歯付ベルトを構成する寸法パラメータの多数の案(認識用データ)を入力とし、歯付ベルトの性能を出力として解析を行うことにより、従来の有限要素法解析では困難であった歯付ベルトを構成する寸法パラメータの多数の案を検討することができ、目的に応じた歯付ベルトの最適形状をより短時間かつ高精度に予測することができる。ここで、所定の制約条件とは、例えば、歯付ベルト最適形状予測前の既存の歯付ベルトについて得られた出力をすべての箇所において下回ることである。その他、特定の箇所において応力増加を許容するような制約条件を任意に設定しても良い。尚、所定の制約条件を満たす出力が複数存在する場合は、それらを歯付ベルトの性能に関する特定の目的に対して良い順に並べ、最良の出力を与えた入力である認識用データを有する歯付ベルトを最適形状として決定する。
ここで、本発明に係る歯付ベルト最適形状予測装置は、前記有限要素法解析手段が、有限要素法解析条件として、前記歯付ベルトの歯部を要素分割し、歯布層、ゴム層共にその表層部に厚さ約0.1mmの要素からなる層を形成し、張力の大きい張り側歯布層と張り側ゴム層、張力の小さいゆるみ側歯布層とゆるみ側ゴム層の4箇所について、それぞれ歯元部を含む複数の要素を抽出し、前記歯付ベルトの性能を示す出力として前記歯付ベルトの歯元の最大せん断応力を選択し、前記各要素における最大せん断応力値を有限要素法解析により求めて良い。また、本発明に係る歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラムは、前記有限要素法解析ステップは、有限要素法解析条件として、前記歯付ベルトの歯部を要素分割し、歯布層、ゴム層共にその表層部に厚さ約0.1mmの要素からなる層を形成し、張力の大きい張り側歯布層と張り側ゴム層、張力の小さいゆるみ側歯布層とゆるみ側ゴム層の4箇所について、それぞれ歯元部を含む複数の要素を抽出し、前記歯付ベルトの性能を示す出力として前記歯付ベルトの歯元の最大せん断応力を選択し、前記各要素における最大せん断応力値を有限要素法解析により求めて良い。
これにより、歯付ベルトの性能を示す出力として、歯付ベルトの歯元(前記4箇所)の最大せん断応力に基づいた歯付ベルトの最適形状を予測することができる。
尚、本発明に係るプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)などのリムーバブル型記録媒体やハードディスクなどの固定型記録媒体に記録して配布可能である他、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る歯付ベルト最適形状予測装置及び歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラムを実施するための最良の形態について具体的な一例に即して説明する。
まず、本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測装置及び歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラムを適用する対象とする歯付ベルトについて図3及び図4に基づいて説明する。図3は、歯付ベルト伝動装置を示す概略図である。図4は、歯付ベルトを示す断面斜視図である。
図3に示すように、歯付ベルト伝動装置は、外周に複数の歯部3を有する歯付プーリからなる駆動プーリ1及び従動プーリ2と、駆動プーリ1及び従動プーリ2に噛合されて巻き掛けられ、内周に複数の歯部9を有する歯付ベルト8とから構成される。この歯付ベルト8は、図4に示すように、長手方向に沿って所定間隔で配置したゴムを基材とした複数の歯部9と、歯部9と連続する背部6と、背部6に埋設された心線5と、歯部9の表面に被覆された歯布4と、から構成される。
次に、本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測装置を図1に基づいて以下に説明する。図1は、本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測装置を示す概略図である。
本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測装置40は、寸法パラメータ選択部10と、寸法パラメータ水準値設定部11と、寸法パラメータ群生成部12と、認識用データ生成部13と、有限要素法解析部20と、物性データ及び力学的条件設定部21と、ニューラルネットワーク30と、最適形状出力部31と、制約条件入力部32と、から構成されている。
寸法パラメータ選択部10は、歯付ベルトを構成する複数の寸法パラメータを選択するためのものである。ここで、歯付ベルトを構成する複数の寸法パラメータとしては、図5に示す歯高さ(h)、半歯幅(a)、歯先R(R1)、歯元R(R2)、圧力面張出(c)、圧力角(β)の他、圧力面曲率半径等が挙げられ、この中から任意に選択される。
寸法パラメータ水準値設定部11は、現行の歯付ベルトについて、寸法パラメータ選択部10で選択した各寸法パラメータの現実の値を抽出し、それらの値及びその近傍の値を複数の水準値として設定するためのものである。ここで、現行の歯付ベルトとは、本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測装置を適用する対象とする既存の歯付ベルトであって、歯部の形状及びサイズによって規定される。具体的には、S4.5M、S8M、S14M等が挙げられる。そして、複数の水準値は、例えば、寸法パラメータとして歯高さを選択した場合、S8Mの歯付きベルトの現実の値は2.92mmであり、これを一つの水準値(第1水準)として設定する。そして、現実の値の近傍の値、例えば、2.32mm、3.02mmを他の水準値(第2水準、第3水準)として設定する。尚、水準値は、寸法パラメータ選択部10で選択した各寸法パラメータについて同数設定する。また、水準値の数は、6以下であることが望ましい。
寸法パラメータ群生成部12は、寸法パラメータ水準値設定部11で設定した各寸法パラメータの各水準値を任意に組み合わせて、複数の寸法パラメータ群を作成するためのものである。ここで、寸法パラメータ群生成部12で作成される寸法パラメータ群は、後述するニューラルネットワーク30の学習用データを得るためのものである。尚、寸法パラメータ群は、寸法パラメータ水準値設定部11で設定した各寸法パラメータの各水準値を全て組み合わせるのではなく、一部のみ組み合わせることが望ましい。
認識用データ生成部13は、各寸法パラメータの値を寸法パラメータ水準値設定部11で設定した各寸法パラメータの水準値の最大値と最小値の間の範囲で任意に設定して、複数の認識用データを作成するためのものである。尚、各寸法パラメータの値は、寸法パラメータ水準値設定部11で設定した各寸法パラメータの水準値の最大値と最小値の間で10前後設定すると良い。また、各寸法パラメータの値は、寸法パラメータ水準値設定部11で設定した各寸法パラメータの水準値の最大値と最小値の間を等分割して設定することが好ましい。そして、認識用データ生成部13で作成される複数の認識用データは後述する学習されたニューラルネットワーク30に入力される。
有限要素法解析部20は、物性データ及び力学的条件設定部21で予め設定した歯付ベルトの物性データ及び力学的条件と、寸法パラメータ群生成部12で作成した複数の寸法パラメータ群を入力として、FEM解析によって歯付ベルトの性能を示す出力を得るためのものである。ここで、歯付ベルトの性能を示す出力は、歯付ベルトの歯元の最大せん断応力等がある。また、物性データ及び力学的条件設定部21で設定する歯付ベルトの物性データとしては、心線及び歯布の弾性率或いは引張り剛性、ゴムの非線形的な挙動を考慮したパラメータ等がある。そして、物性データ及び力学的条件設定部21で設定する力学的条件としては、歯付ベルトの両端にかかる張力或いは歯付ベルトの両端にかかる張力の差である歯荷重、歯付プーリとの間の摩擦係数等がある。即ち、有限要素法解析部20では、歯付ベルトの物性データ及び力学的条件を固定した上で、寸法パラメータ群生成部12で作成した複数の寸法パラメータ群に対応する出力を得る。そして、有限要素法解析部20で得た出力は、後述するニューラルネットワーク30に学習用データとして入力される。
ニューラルネットワーク30は、生物の神経細胞の信号伝達と記憶保持機能をモデルとするコンピュータ上でソフトウェア的に実現されるシステムであって、複数の入力と出力の組み合わせを学習し、続いて任意の多数の入力を認識して短時間に多数の出力を提供するためのものである。即ち、まず、ニューラルネットワーク30は有限要素法解析部20の入力(寸法パラメータ群生成部12で作成した複数の寸法パラメータ群)と有限要素法解析部20で得た出力(寸法パラメータ群生成部12で作成した複数の寸法パラメータ群に対応する出力)との組み合わせを学習用データとして学習する。続いて、学習済みのニューラルネットワーク30において、認識用データ生成部13で作成した複数の認識用データを入力として歯付ベルトの性能を示す出力である認識出力を得る。そして、ニューラルネットワーク30で得た認識出力は、最適形状出力部31に入力される。
最適形状出力部31は、ニューラルネットワーク30で得られた認識出力の中から、制約条件入力部32で入力した所定の制約条件を満たし、且つ、最良の出力を与えた入力である認識用データを有する歯付ベルトを最適形状として決定するためのものである。ここで、制約条件入力部32で入力する所定の制約条件とは、例えば、現行の歯付ベルトについて得られた出力をすべての箇所において下回ることである。その他、特定の箇所において応力増加を許容するような制約条件を任意に設定しても良い。尚、所定の制約条件を満たす出力が複数存在する場合は、それらを特定の目的に対して良い順に並べ、最良の出力を与えた入力である認識用データを有する歯付ベルトを最適形状として決定する。
次に、本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測方法を図2に基づいて以下に説明する。図2は、本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測方法の処理の手順を示すフローチャート図である。尚、以下で説明する本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測方法の処理は、コンピュータにおいても同様に、プログラムとしてCPUにより読み出して実行することができる。また、このプログラムは、CD−ROMやFD、DVDなどのリムーバブルな記憶媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータの記憶装置にインストールすることが可能である。
まず、歯付ベルトを構成する複数の寸法パラメータを選択する(ステップS1:寸法パラメータ選択ステップ)。ここで、歯付ベルトを構成する複数の寸法パラメータとしては、図5に示す歯高さ(h)、半歯幅(a)、歯先R(R1)、歯元R(R2)、圧力面張出(c)、圧力角(β)の他、圧力面曲率半径等が挙げられ、この中から任意に選択される。
次に、現行の歯付ベルトについて、ステップS1で選択した各寸法パラメータの現実の値を抽出し、それらの値及びその近傍の値を複数の水準値として設定する(ステップS2:寸法パラメータ水準値設定ステップ)。ここで、現行の歯付ベルトとは、本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測装置を適用する対象とする既存の歯付ベルトであって、歯部の形状及びサイズによって規定される。具体的には、S4.5M、S8M、S14M等が挙げられる。そして、複数の水準値は、例えば、寸法パラメータとして歯高さを選択した場合、S8Mの歯付きベルトの現実の値は2.92mmであり、これを一つの水準値(第1水準)として設定する。そして、現実の値の近傍の値、例えば、2.32mm、3.02mmを他の水準値(第2水準、第3水準)として設定する。尚、水準値は、ステップS1で選択した各寸法パラメータについて同数設定する。また、水準値の数は、6以下であることが望ましい。
そして、ステップS2で設定した各寸法パラメータの各水準値を任意に組み合わせて、複数の寸法パラメータ群を作成する(ステップS3:寸法パラメータ群生成ステップ)。ここで、作成される寸法パラメータ群は、後述するニューラルネットワークの学習用データを得るためのものである。尚、寸法パラメータ群は、ステップS2で設定した各寸法パラメータの各水準値を全て組み合わせるのではなく、一部のみ組み合わせることが望ましい。
次に、歯付ベルトの物性データ及び力学的条件を設定し、ステップS3で作成した複数の寸法パラメータ群を入力として、有限要素法解析によって歯付ベルトの性能を示す出力を得る(ステップS4:有限要素法解析ステップ)。ここで、歯付ベルトの性能を示す出力は、歯付ベルトの歯元の最大せん断応力等がある。また、設定する歯付ベルトの物性データとしては、心線及び歯布の弾性率或いは引張り剛性、ゴムの非線形的な挙動を考慮したパラメータ等がある。そして、設定する力学的条件としては、歯付ベルトの両端にかかる張力或いは歯付ベルトの両端にかかる張力の差である歯荷重、歯付プーリとの間の摩擦係数等がある。即ち、有限要素法解析では、歯付ベルトの物性データ及び力学的条件を固定した上で、ステップS3で作成した複数の寸法パラメータ群に対応する出力を得る。そして、有限要素法解析で得た出力は、後述するニューラルネットワークに学習用データとして入力される。
そして、ニューラルネットワークにおいて、ステップS4における有限要素法解析の入力(ステップS3で作成した複数の寸法パラメータ群)とステップS4における有限要素法解析で得た出力(ステップS3で作成した複数の寸法パラメータ群に対応する出力)との組み合わせを学習用データとして学習させる(ステップS5:ニューラルネットワーク学習ステップ)。尚、ニューラルネットワークは、生物の神経細胞の信号伝達と記憶保持機能をモデルとするコンピュータ上でソフトウェア的に実現されるシステムであって、複数の入力と出力の組み合わせを学習し、続いて任意の多数の入力を認識して短時間に多数の出力を提供するためのものである。
次に、各寸法パラメータの値をステップS2で設定した各寸法パラメータの水準値の最大値と最小値の間の範囲で任意に設定して、複数の認識用データを作成する(ステップS6:認識用データ生成ステップ)。尚、各寸法パラメータの値は、ステップS2で設定した各寸法パラメータの水準値の最大値と最小値の間で10前後設定すると良い。また、各寸法パラメータの値は、ステップS2で設定した各寸法パラメータの水準値の最大値と最小値の間を等分割して設定することが好ましい。そして、作成される複数の認識用データはステップS5で学習されたニューラルネットワークに入力される。
続いて、ステップS5で学習済みのニューラルネットワークにおいて、ステップS6で作成した複数の認識用データを入力として歯付ベルトの性能を示す出力である認識出力を得る(ステップS7:ニューラルネットワーク算出ステップ)。
そして、ステップS7で得られた認識出力の中から、所定の制約条件を満たし、且つ、最良の出力を与えた入力である認識用データを有する歯付ベルトを最適形状として決定する(ステップS8:最適形状出力ステップ)。ここで、所定の制約条件とは、例えば、現行の歯付ベルトについて得られた出力をすべての箇所において下回ることである。その他、特定の箇所において応力増加を許容するような制約条件を任意に設定しても良い。尚、所定の制約条件を満たす出力が複数存在する場合は、それらを特定の目的に対して良い順に並べ、最良の出力を与えた入力である認識用データを有する歯付ベルトを最適形状として決定する。
このように、本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測装置及び歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラムによると、歯付ベルトを構成する寸法パラメータの少数の案を入力として有限要素法解析で得た歯付ベルトの性能を示す出力に基づいて学習されたニューラルネットワークを用いて、歯付ベルトを構成する寸法パラメータの多数の案を入力とし、歯付ベルトの性能を出力として解析を行うことにより、従来の有限要素法解析では困難であった歯付ベルトを構成する寸法パラメータの多数の案を検討することができ、目的に応じた歯付ベルトの最適形状をより短時間かつ高精度に予測することができる。
以上、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされる。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。また、具体例は、本発明の構成を例示したものであり、本発明を限定するものではない。
次に、上述した実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測装置及び歯付ベルト最適形状予測方法、並びにプログラムを用いて行った実施例について図1及び図2に基づいて説明する。
まず、寸法パラメータ選択部10において、歯付ベルトを構成する複数の寸法パラメータを選択する(ステップS1:寸法パラメータ選択ステップ)。本実施例では、半歯幅a(mm)、歯高さh(mm)、圧力角β(mm)、圧力面張出c(mm)、歯元半径R1(mm)、歯先半径R2(mm)を選択した。
次に、寸法パラメータ水準値設定部11において、現行の歯付ベルトについて、寸法パラメータ選択部10で選択した各寸法パラメータの現実の値を抽出し、それらの値及びその近傍の値を複数の水準値として設定する(ステップS2:寸法パラメータ水準値設定ステップ)。本実施例では、S8Mの歯付ベルト(a=2.5546、h=2.92、β=25.74、c=0.2591、R1=0.8、R2=0.8)を現行の歯付ベルトとして採用し、水準値を以下の表1のように設定した。
Figure 0004786968
そして、寸法パラメータ群生成部12において、寸法パラメータ水準値設定部11で設定した各寸法パラメータの各水準値を任意に組み合わせて、複数の寸法パラメータ群を作成する(ステップS3:寸法パラメータ群生成ステップ)。本実施例では、以下の表2のように18個の寸法パラメータ群(No.1〜18)を設定した。
Figure 0004786968
次に、有限要素法解析部20において、物性データ及び力学的条件設定部21で設定した歯付ベルトの物性データ及び力学的条件と、寸法パラメータ群生成部12で作成した複数の寸法パラメータ群を入力として、FEM解析によって歯付ベルトの性能を示す出力を得る(ステップS4:有限要素法解析ステップ)。本実施例では、歯付ベルトの物性データとして、心線の引張り剛性1,450kgf、心線層(心線径をその厚みとする仮想の層)の弾性率=4.0kgf/mm2、歯布の弾性率=4.0kgf/mm2、ムーニーリプリンの材料モデルのパラメータ(ゴムの非線形性を表すパラメータ)C10=0.0417,C01=0.0882とした。また、歯付ベルトの力学的条件として、歯付ベルトの一歯の両端を鉄(弾性率=21,000kgf/mm2)で挟み、両端にかかる張力を以下の表3のように設定して、歯荷重を3通りに変化させた。これは、歯付ベルトの一歯のみをモデル化する場合、その両端面を平坦なまま固定する必要があるため、ゴムに比較して硬い材料である鉄で挟み込む形式とした。
Figure 0004786968
更に、FEM解析条件として、図6に示すように、歯部を要素分割し、歯布層、ゴム層共にその表層部に厚さ約0.1mmの要素からなる層を形成し、張り側ゴム層、ゆるみ側ゴム層、張り側歯布層、ゆるみ側歯布層の4箇所について、それぞれ歯元部を含む複数の要素(図5に示す黒塗り部分)を抽出し、歯付ベルトの性能を示す出力としてせん断応力を選択し、各要素における最大せん断応力値をFEM解析によって求めた。尚、張り側とは張力の大きい側、ゆるみ側とは張力の小さい側を言う。FEM解析は、パーソナルコンピュータにインストールしたソフトウェア(MSC製 Marc2000)を用いて行った。そして、FEM解析により得られた出力、即ち各箇所において最大値を示した要素の最大せん断応力値を以下の表4に示す。
Figure 0004786968
尚、表4において、各Noは、表2の寸法パラメータ群に対応するものである。また、歯荷重は表3の3通りで計算し、最大値を与えたものを示している。
そして、ニューラルネットワーク30において、有限要素法解析部20の入力と有限要素法解析部20で得た出力との組み合わせを学習用データとして学習させる(ステップS5:ニューラルネットワーク学習ステップ)。本実施例では、パーソナルコンピュータにインストールしたソフトウェア(シー・エー・イー社製 ニューラルアシスタント)を用いて、表2に示す有限要素法解析部20の入力と表4に示す有限要素法解析部20で得た出力との組み合わせをニューラルネットワークに学習させた。
次に、認識用データ生成部13において、各寸法パラメータの値を寸法パラメータ水準値設定部11で設定した各寸法パラメータの水準値の最大値と最小値の間の範囲で任意に設定して、複数の認識用データを作成する(ステップS6:認識用データ生成ステップ)。本実施例では、以下の表5に示すように、表1に示す各寸法パラメータの最大値と最小値との間を10分割し、11水準の認識用データを作成した。
Figure 0004786968
続いて、ステップS5で学習済みのニューラルネットワーク30において、認識用データ生成部13で作成した複数の認識用データを入力として歯付ベルトの性能を示す出力である認識出力を得る(ステップS7:ニューラルネットワーク算出ステップ)。本実施例では、表5に示す全ての寸法パラメータの組み合わせは11の6乗(約177万)通りとなる。これらが全てステップS5で学習済みのニューラルネットワーク30で処理され、前記4箇所における最大せん断応力が求められる。
そして、最適形状出力部31において、制約条件入力部32で入力した所定の制約条件を満たした認識出力の中から、最良の出力を与えた入力である認識用データを有する歯付ベルトを最適形状として決定する(ステップS8:最適形状出力ステップ)。本実施例では、所定の制約条件として、以下の表6に示すように、現行値に対する2種類の制約条件A(現行値と同じ)、制約条件B(すべての箇所において3%の応力増加を許容する)を設定した。
Figure 0004786968
約177万通りの寸法パラメータの組み合わせとニューラルネットワーク30により得られた認識出力で、表6に示す制約条件A,Bに基づいた制約条件を満足する出力の中から、今回の目的である「歯布ゆるみ側応力の低減」に基づいて、最小の歯布ゆるみ側歯布層の最大せん断応力を与える寸法パラメータの組み合わせを特定し、それによって表される歯付ベルトの形状を歯付ベルトの最適形状と決定した。以下の表7に結果を示す。尚、表7中の「処理時間」は、制約条件A,Bに基づいた制約条件を満足し最小の歯布ゆるみ側歯布層の最大せん断応力を与える出力のそれぞれについて、ニューラルネットワーク30で処理にかかった時間を示す。
Figure 0004786968
表7に示すように、制約条件A,Bに基づいて、歯布ゆるみ側応力が15〜20%程度低減された歯付ベルトの最適形状を短時間に予測することができた。
本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測装置を示す概略図である。 本実施形態に係る歯付ベルト最適形状予測方法の処理の手順を示すフローチャート図である。 歯付ベルト伝動装置を示す概略図である。 歯付ベルトを示す断面斜視図である。 歯付ベルトを構成する複数の寸法パラメータの一例を示す図である。 本実施例に係るFEM解析において要素分割した歯部を示す図である。
符号の説明
10 寸法パラメータ選択部
11 寸法パラメータ水準値設定部
12 寸法パラメータ群生成部
13 認識用データ生成部
20 有限要素法解析部
21 物性データ及び力学的条件設定部
30 ニューラルネットワーク
31 最適形状出力部
32 制約条件入力部
40 歯付ベルト最適形状予測装置
S1 寸法パラメータ選択ステップ
S2 寸法パラメータ水準値設定ステップ
S3 寸法パラメータ群生成ステップ
S4 有限要素法解析ステップ
S5 ニューラルネットワーク学習ステップ
S6 認識用データ生成ステップ
S7 ニューラルネットワーク算出ステップ
S8 最適形状出力ステップ

Claims (6)

  1. 歯高さ、半歯幅、歯先R歯元R、圧力面張出、圧力角、圧力面曲率半径等の歯付ベルトを構成する寸法パラメータの中から、複数の寸法パラメータを選択する寸法パラメータ選択手段と、
    歯付ベルト最適形状予測前の既存の歯付ベルトについて、前記各寸法パラメータの現実の値及び任意のその近傍値を前記各寸法パラメータの複数(6以下)の水準値として設定する寸法パラメータ水準値設定手段と、
    前記各寸法パラメータの前記各水準値を全て或いは一部のみ組み合わせて、複数の寸法パラメータ群を作成する寸法パラメータ群生成手段と、
    前記各寸法パラメータの前記各水準値の最大値と最小値の間を等分割して前記各寸法パラメータの値を10前後設定し、前記各寸法パラメータの各値を全て組み合わせて認識用データを作成する認識用データ生成手段と、
    前記寸法パラメータ群を入力として、予め設定した前記歯付ベルトの心線及び歯布の弾性率或いは引張り剛性、ゴムの非線形的な挙動を考慮したパラメータ等の物性データと前記歯付ベルトの両端にかかる張力或いは歯付ベルトの両端にかかる張力の差である歯荷重、歯付プーリとの間の摩擦係数等の力学的条件に基づいて、有限要素法解析により前記歯付ベルトの性能を示す出力を前記寸法パラメータ群に対応して得る有限要素法解析手段と、
    前記有限要素法解析の入力である前記寸法パラメータ群と、前記有限要素法解析の出力である歯付ベルトの性能の組み合わせを学習し、前記認識用データを入力として前記歯付ベルトの性能を示す出力である認識出力を得るニューラルネットワークと、
    前記ニューラルネットワークで得られた前記認識出力の内、前記既存の歯付ベルトについて得られた出力と比較した所定の制約条件を満たし、且つ、前記歯付ベルトの性能に関する特定の目的に対して最良の出力を与えた入力である認識用データを歯付ベルトの最適形状と決定する歯付ベルト最適形状決定手段と、
    を有することを特徴とする歯付ベルト最適形状予測装置。
  2. 前記有限要素法解析手段は、有限要素法解析条件として、前記歯付ベルトの歯部を要素分割し、歯布層、ゴム層共にその表層部に厚さ約0.1mmの要素からなる層を形成し、張力の大きい張り側歯布層と張り側ゴム層、張力の小さいゆるみ側歯布層とゆるみ側ゴム層の4箇所について、それぞれ歯元部を含む複数の要素を抽出し、前記歯付ベルトの性能を示す出力として前記歯付ベルトの歯元の最大せん断応力を選択し、前記各要素における最大せん断応力値を有限要素法解析により求めることを特徴とする請求項1に記載の歯付ベルト最適形状予測装置。
  3. 歯高さ、半歯幅、歯先R歯元R、圧力面張出、圧力角、圧力面曲率半径等の歯付ベルトを構成する寸法パラメータの中から、複数の寸法パラメータを選択する寸法パラメータ選択ステップと、
    歯付ベルト最適形状予測前の既存の歯付ベルトについて、前記各寸法パラメータの現実の値及び任意のその近傍値を前記各寸法パラメータの複数(6以下)の水準値として設定する寸法パラメータ水準値設定ステップと、
    前記各寸法パラメータの前記各水準値を全て或いは一部のみ組み合わせて、複数の寸法パラメータ群を作成する寸法パラメータ群生成ステップと、
    前記歯付ベルトの心線及び歯布の弾性率或いは引張り剛性、ゴムの非線形的な挙動を考慮したパラメータ等の物性データと前記歯付ベルトの両端にかかる張力或いは歯付ベルトの両端にかかる張力の差である歯荷重、歯付プーリとの間の摩擦係数等の力学的条件を設定し、前記寸法パラメータ群を入力として、有限要素法解析により前記歯付ベルトの性能を示す出力を前記寸法パラメータ群に対応して得る有限要素法解析ステップと、
    前記有限要素法解析の入力である前記寸法パラメータ群と、前記有限要素法解析の出力である歯付ベルトの性能の組み合わせをニューラルネットワークに学習させるニューラルネットワーク学習ステップと、
    前記各寸法パラメータの複数の水準値の最大値と最小値の間を等分割して前記各寸法パラメータの値を10前後設定し、前記各寸法パラメータの各値を全て組み合わせて認識用データを作成する認識用データ生成ステップと、
    前記認識用データを入力として前記ニューラルネットワークにより前記歯付ベルトの性能を示す出力である認識出力を得るニューラルネットワーク算出ステップと、
    前記ニューラルネットワークで得られた前記認識出力の内、前記既存の歯付ベルトについて得られた出力と比較した所定の制約条件を満たし、且つ、前記歯付ベルトの性能に関する特定の目的に対して最良の出力を与えた入力である認識用データを歯付ベルトの最適形状と決定する歯付ベルト最適形状決定ステップと、
    を有することを特徴とする歯付ベルト最適形状予測方法。
  4. 前記有限要素法解析ステップは、有限要素法解析条件として、前記歯付ベルトの歯部を要素分割し、歯布層、ゴム層共にその表層部に厚さ約0.1mmの要素からなる層を形成し、張力の大きい張り側歯布層と張り側ゴム層、張力の小さいゆるみ側歯布層とゆるみ側ゴム層の4箇所について、それぞれ歯元部を含む複数の要素を抽出し、前記歯付ベルトの性能を示す出力として前記歯付ベルトの歯元の最大せん断応力を選択し、前記各要素における最大せん断応力値を有限要素法解析により求めることを特徴とする請求項3に記載の歯付ベルト最適形状予測方法。
  5. 歯高さ、半歯幅、歯先R歯元R、圧力面張出、圧力角、圧力面曲率半径等の歯付ベルトを構成する寸法パラメータの中から、複数の寸法パラメータを選択する寸法パラメータ選択ステップ、
    歯付ベルト最適形状予測前の既存の歯付ベルトについて、前記各寸法パラメータの現実の値及び任意のその近傍値を前記各寸法パラメータの複数(6以下)の水準値として設定する寸法パラメータ水準値設定ステップ、
    前記各寸法パラメータの前記各水準値を全て或いは一部のみ組み合わせて、複数の寸法パラメータ群を作成する寸法パラメータ群生成ステップ、
    前記歯付ベルトの心線及び歯布の弾性率或いは引張り剛性、ゴムの非線形的な挙動を考慮したパラメータ等の物性データと前記歯付ベルトの両端にかかる張力或いは歯付ベルトの両端にかかる張力の差である歯荷重、歯付プーリとの間の摩擦係数等の力学的条件を設定し、前記寸法パラメータ群を入力として、有限要素法解析により前記歯付ベルトの性能を示す出力を前記寸法パラメータ群に対応して得る有限要素法解析ステップ、
    前記有限要素法解析の入力である前記寸法パラメータ群と、前記有限要素法解析の出力である歯付ベルトの性能の組み合わせをニューラルネットワークに学習させるニューラルネットワーク学習ステップ、
    前記各寸法パラメータの複数の水準値の最大値と最小値の間を等分割して前記各寸法パラメータの値を10前後設定し、前記各寸法パラメータの各値を全て組み合わせて認識用データを作成する認識用データ生成ステップ、
    前記認識用データを入力として前記ニューラルネットワークにより前記歯付ベルトの性能を示す出力である認識出力を得るニューラルネットワーク算出ステップ、
    前記ニューラルネットワークで得られた前記認識出力の内、前記既存の歯付ベルトについて得られた出力と比較した所定の制約条件を満たし、且つ、前記歯付ベルトの性能に関する特定の目的に対して最良の出力を与えた入力である認識用データを歯付ベルトの最適形状と決定する歯付ベルト最適形状決定ステップ、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  6. 前記有限要素法解析ステップは、有限要素法解析条件として、前記歯付ベルトの歯部を要素分割し、歯布層、ゴム層共にその表層部に厚さ約0.1mmの要素からなる層を形成し、張力の大きい張り側歯布層と張り側ゴム層、張力の小さいゆるみ側歯布層とゆるみ側ゴム層の4箇所について、それぞれ歯元部を含む複数の要素を抽出し、前記歯付ベルトの性能を示す出力として前記歯付ベルトの歯元の最大せん断応力を選択し、前記各要素における最大せん断応力値を有限要素法解析により求めることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
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