JP4783703B2 - ユニット式建物 - Google Patents
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Description
すなわち、図面も参照して説明すると、本発明のユニット式建物は、柱11,21、上梁13,23および下梁15,25からなる略直方体状の骨組み16,26を有した建物ユニット10,20を複数配置して構成される建物本体3と、この建物本体の上階部分の側面に片持ち状に取り付けられるバルコニユニット30とを備えたユニット式建物であって、前記バルコニユニットおよびこれに隣接する隣接上階建物ユニット20Aは、互いに近接配置される柱同士が略同一の高さ寸法を有し、かつ互いに近接する位置の上梁が省略されて形成されるとともに、近接配置された柱の頭部12、22および脚部14,24同士が連結部材5を介して連結され、これらのバルコニユニットおよび前記隣接上階建物ユニットの内部には、当該内部を仕切る中間床29,39が設けられ、これらの中間床の下側には、互いに連通した収納空間S2が形成されていることを特徴とする。
また、バルコニユニットおよび隣接上階建物ユニットにおいて、近接配置された柱の頭部および脚部同士が連結部材で連結されているので、バルコニユニットの基端部が、前記上階建物ユニットの柱の中間部分にボルト接合によって固定されることに比べ、バルコニユニットの建物本体への取付強度を向上させることができる。これにより、バルコニユニットの大型化を図ることができ、バルコニユニットにおける収納空間を拡げることができる。
この構成によれば、バルコニユニットおよび隣接上階建物ユニットにおいて、近接配置された柱の頭部同士が、高い剛性を備える補強梁で連結されるので、バルコニユニットの建物本体への取付強度をさらに向上することができ、一層大型のバルコニユニットを取り付けることができる。
この構成によれば、隣接上階建物ユニットおよびバルコニユニットの連結位置に沿って集水部が設けられている。ここで、集水部をバルコニユニットの突出方向先端側に設けた場合には、防水のために、隣接上階建物ユニットおよびバルコニユニットの連結位置に沿って防水シートを敷設しなければならないが、本発明では、隣接上階建物ユニットおよびバルコニユニットの連結位置に沿って集水部が設けられているので、防水性を向上できるうえ、連結部分に防水シートを敷設する必要がないので、バルコニ空間の集水構造を簡単にでき、施工性を向上できる。
しかも、隣接上階建物ユニットの中間床、およびバルコニユニットの中間床を支持するそれぞれの受け梁は、柱の断面範囲内で互いに離れる側にずれて設けられ、これにより受け梁間に設けられた空間に、集水部と接続する縦樋が挿通されている。このため、容易に縦樋を設置することができ、より集水構造を簡単にできて一層施工性を向上できる。
この構成によれば、集水部6は、隣接上階建物ユニットの中間床29Bと、バルコニユニットの中間床39との間に設けられ、これらの中間床に、集水部に向かって下がり勾配となる傾斜面290,390が形成されているので、集水部をバルコニユニットの突出方向先端側に設け、隣接上階建物ユニットおよびバルコニユニットの中間床に、集水部に向かって下がり勾配となる傾斜面を形成した場合に比べ、傾斜面の水上側における中間床の高さ寸法を小さくすることができる。これにより、バルコニ空間と隣接する室内側の空間の床面に対してバルコニ空間の床面が高くなり過ぎてバルコニ空間と隣接する室内側の空間に雨水が入りやすくなることを防ぐことができる。また、バルコニ空間と隣接する室内側の空間と、バルコニ空間との段差が大きくなることを防止でき、バルコニ空間と隣接する室内側の空間からバルコニ空間への出入りを容易にできる。
この構成によれば、屋根梁がバルコニユニットの先端側の上梁または柱で支持されているので、屋根の支持構造を強固にすることができ、屋根を軒側に適宜に延設できる。これにより、インナーバルコニを容易に形成できるとともに、屋根の意匠のバリエーションを増やすことができる。
この構成によれば、バルコニユニットおよび隣接上階建物ユニットとの接続に、通常の建物ユニット同士の接続に用いられるシアープレートが用いられるので、連結部材や連結作業の共通化を図ることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るユニット式建物1を示す斜視図、図2は、ユニット式建物1の一部を示す断面図である。
そして、下階建物ユニット10で構成される1階の内部空間には、図2に示すように、リビングルーム等の居室空間S1が形成され、上階建物ユニット20で構成される内部空間には、寝室等の図示しない2階居室空間が形成されている。
図3は、建物本体3を構成する一部の建物ユニット10,20,20A,20Bおよびバルコニユニット30の骨組み構造を示す斜視図である。
図2および図3に示すように、下階建物ユニット10は、それぞれ四隅に立設された4本の柱11と、これらの柱11の頭部12(仕口)間同士を結合する4本の上梁13と、柱11の脚部14(仕口)間同士を結合する4本の下梁15と、から略直方体状に形成された骨組み16を有し、各柱11の下方において、アンカーボルト(図示せず)を介して基礎2に締結されている。
上階建物ユニット10のうち、中間床用建物ユニット20Bは、図2および図3に示すように、この骨組み26からバルコニ用建物ユニット20Aに隣接する1本の上梁23が省略されて形成された骨組み26Bを有しており、柱21の中間位置には短辺中間梁27(図3参照)および長辺中間梁28が連結され、これらの中間梁27,28に中間床29が支持されている。
建物本体3の内部側に配置される一方の補強梁51Aは、バルコニユニット30の突出方向先端側に配置される柱31から、中間床用建物ユニット20Bのバルコニユニット30側に配置される柱21までの長さを有する補強梁本体52と、この補強梁本体52の上縁に溶接されて水平面内に延びる3個の板状の接合片53A,53B,53Cとから構成されている。
補強梁本体52は、バルコニ用建物ユニット20Aと、バルコニ用建物ユニット20Aに隣接する建物ユニット10との間で挟持される。
これらのシアープレート54を、建物本体3の内部側に配置されるシアープレート54を例に図2および図3を参照して説明すると、建物本体3の内部側に配置されるシアープレート54は、バルコニ用建物ユニット20A、バルコニ用建物ユニット20Aに隣接する上階建物ユニット20、およびバルコニユニット30と、これらの建物ユニット20,20A,30の下側に配置される下階建物ユニット10との間に挟まれている。そして、前記シアープレート54は、これらの建物ユニット20,20A,30の柱21,31の脚部24,34、および建物ユニット10の柱11の頭部12に跨り、ボルトナット接合されることで、これらの建物ユニット20,20A,30の柱21,31の脚部24,34、および建物ユニット10の柱11の頭部12同士を連結している。
図4は、バルコニ空間S4の集水構造を拡大して示す斜視図、図5は、バルコニ空間S4の集水構造を示す平面図である。
図2、図3、図4、および図5に示すように、バルコニ空間S4の床を構成するバルコニ用建物ユニット20Aの中間床29Bと、バルコニユニット30の中間床39との間には、中間床同士29B,39の連結位置に沿って集水部6が設けられており、それぞれの中間床29B,39の上面には、集水部6に向かって下がり勾配となる傾斜面290,390(図2および図4参照)が形成されている。
これにより、バルコニ空間S4の中間床29B,39に落水した雨水は、中間床29B,39に形成された傾斜面290,390に沿って集水部6に集められ、縦樋61によって外部に排出される。
(1)バルコニ用建物ユニット20Aとバルコニユニット30の隣接配置された柱21,31同士が同一高さ寸法に設けられ、これらの柱21,31の頭部22、32および脚部24,34同士が連結部材5で連結されているので、バルコニ用建物ユニット20Aの柱21を補強したり、柱21の中間部分に接合部材を固定したり等の特別な加工が不要になり、特殊なバルコニ用建物ユニットを用いることなくバルコニを設置することができ、製造コストの増加を抑制することができる。
しかも、バルコニ用建物ユニット20Aの中間床29B、およびバルコニユニット30の中間床39を支持するそれぞれの長辺中間梁28,38は、柱21,31の断面範囲内で互いに離れる側にずれて設けられ、これにより長辺中間梁28,38間に設けられた空間に、集水部6と接続する縦樋61が挿通されている。このため、バルコニユニット30の側面側に縦樋61用の穴を設けるだけで縦樋61を容易に設置でき、より集水構造を簡単にできて一層施工性を向上できる。
図6は、第2実施形態に係るユニット式建物1Aを示す斜視図である。
第2実施形態では、バルコニ用建物ユニット20Aおよび中間床用建物ユニット20Bの上側に設けられた屋根41の幅方向両側に設けられた屋根梁43の軒側が、それぞれバルコニユニット30の突出方向先端側の柱31の頭部32に設けられた図示しないブラケットによって支持されている点が前記第1実施形態と相違する。また、前述のように、屋根41の軒側が支持されているので、屋根41の屋根梁43に挟まれた軒側端部42を適宜に軒側に延出でき、屋根4の意匠を多様化できる点も前記第1実施形態と相違する。本第2実施形態では、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
このような構成でも、前記第1実施形態と同様の効果(1)〜(5)を得ることができるうえ、以下の効果を得ることができる。
例えば、前記各実施形態では、バルコニユニット30は、四隅に立設された4本の柱31と、これらの柱31の頭部32間同士を結合する3本の上梁33と、柱31の脚部34間同士を結合する4本の下梁35と、から略直方体状に形成された骨組み36を有したものとしたが、このような構成に限定されない。すなわち、バルコニユニット30としては、隣接する建物ユニットの柱に近接配置されかつその柱と略同一高さ寸法を有した柱31を備えて形成されていればよく、バルコニユニット30の突出方向先端側に位置する柱31は、隣接する建物ユニットの前記柱よりも短く形成されていてもよいし、長く形成されていてもよい。
3 建物本体
4,41屋根
6 集水部
10,20 建物ユニット
11,21 柱
12,22 頭部
13,23 上梁
14,24 脚部
15,25 下梁
16,26 骨組み
28,38 受け梁(長辺中間梁)
29,29A,29B,39 中間床
30 バルコニユニット
42 軒側端部
43 屋根梁
51A,51B補強梁(連結部材)
53A,53B補強片(シアープレート)
54 シアープレート(連結部材)
61 縦樋
290,390 傾斜面
S2 収納空間
S4 バルコニ空間。
Claims (6)
- 柱、上梁および下梁からなる略直方体状の骨組みを有した建物ユニットを複数配置して構成される建物本体と、この建物本体の上階部分の側面に片持ち状に取り付けられるバルコニユニットとを備えたユニット式建物であって、
前記バルコニユニットおよびこれに隣接する隣接上階建物ユニットは、互いに近接配置される柱同士が略同一の高さ寸法を有し、かつ互いに近接する位置の上梁が省略されて形成されるとともに、近接配置された柱の頭部および脚部同士が連結部材を介して連結され、これらのバルコニユニットおよび前記隣接上階建物ユニットの内部には、当該内部を仕切る中間床が設けられ、これらの中間床の下側には、互いに連通した収納空間が形成されていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1に記載のユニット式建物において、
前記バルコニユニットおよび前記隣接上階建物ユニットに跨り、これらの上梁に沿った補強梁が設けられていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1または請求項2に記載のユニット式建物において、
前記隣接上階建物ユニットの前記中間床の上側空間の一部がバルコニ空間とされ、前記隣接上階建物ユニットおよび前記バルコニユニットの前記中間床同士の連結位置に沿って集水部が設けられ、互いに近接配置される前記中間床のそれぞれの受け梁同士は、前記柱の断面範囲内で互いに離れる側にずれて設けられ、これらの受け梁間に、前記集水部に接続する縦樋が挿通されていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項3に記載のユニット式建物において、
前記集水部を形成する前記中間床のそれぞれの上面には、前記集水部に向かって下がり勾配となる傾斜面が形成されていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のユニット式建物において、
前記隣接上階建物ユニットおよび前記バルコニユニットの上側に設置された屋根を構成する屋根梁は、前記バルコニユニットの先端側の上梁または柱で支持されていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のユニット式建物において、
前記連結部材はシアープレートであることを特徴とするユニット式建物。
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