JP4777919B2 - 内燃機関の燃料制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4777919B2
JP4777919B2 JP2007036133A JP2007036133A JP4777919B2 JP 4777919 B2 JP4777919 B2 JP 4777919B2 JP 2007036133 A JP2007036133 A JP 2007036133A JP 2007036133 A JP2007036133 A JP 2007036133A JP 4777919 B2 JP4777919 B2 JP 4777919B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
fluctuation amount
rotational fluctuation
amount
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007036133A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008202413A (ja
Inventor
隆信 市原
和彦 兼利
工三 加藤木
広行 高村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2007036133A priority Critical patent/JP4777919B2/ja
Publication of JP2008202413A publication Critical patent/JP2008202413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4777919B2 publication Critical patent/JP4777919B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、内燃機関の燃料制御装置に関する。
内燃機関の燃料の蒸発特性にはばらつきがあり、冷機始動時に蒸発しにくい重質ガソリンで始動すると、吸気ポート壁面や吸気バルブに燃料が多く付着するためにシリンダ内の混合気がリーン化し燃焼状態が悪化して未燃ガスの排出量が増加したり、回転変動が発生しやすい。また、燃料噴射弁や、空気量を計測するエアフローメータ、または吸気管圧力センサ等の部品の特性ばらつきによってもシリンダ内の混合気がリーン化して前述と同様に回転変動を生ずる場合がある。
ところで、冷機始動後の十数秒間は酸素濃度センサが活性化せず、空燃比を検出して燃料噴射量を制御することができない。
このため、燃料性状ばらつきや部品の特性ばらつきに起因した空燃比のリーン状態を、始動後の回転変動により検出して、回転変動量に応じて燃料噴射量を制御することでオーバーリーン化を防止するようにした技術が特許文献1で開示されている。前記特許文献1のものは気筒間の回転角速度の変化量を所定サイクルだけ積算したものを燃焼の安定度指標として、この安定度指標に応じて燃料噴射量を増減するように制御している。
特許第3591001号
しかし、上記特許文献1に示される技術では、回転変動量(気筒間の回転角速度の変化量)を所定の爆発回数について積算した安定度指標に応じて燃料噴射量を調整するが、重質ガソリンでの冷機始動等で始動後に空燃比が急速にリーン化した場合には回転変動量が増加しても、それ以前の爆発行程で計算された回転変動量を含んで積算された安定度指標は直ちには増加しないために、リーン状態の検出が遅れ、燃料の増量補正が遅れることでオーバーリーンとなり、燃焼状態が悪化して未燃ガスを多量に排出したり回転変動が発生する場合があった。
そこで、本発明者らは、空燃比に対する爆発毎の回転変動量(気筒間のクランク角速度の変化量)について実験を行い考察した。図11に空燃比に対する爆発毎の回転変動量(気筒間のクランク角速度の変化量)を示す。空燃比が同一でも回転変動量は爆発毎にばらつきを生じる。このため前記特許文献1等の従来技術では、回転変動量を所定の爆発数で積算した値もしくは平均化した値により空燃比のリーン状態を検出し、燃料噴射量を増量するようにしていた。
ここで一般に始動性向上のため、始動中(クランキング時)には燃料を多く噴射するようにしており、このとき吸気ポート壁面に付着した燃料の内の軽質分が始動直後(回転上昇後)に吸気管圧力の減少とともに蒸発してシリンダに流入し一時的に空燃比リッチとなるが、その後付着燃料が減少するにしたがって空燃比はリーンに変化する。とくに重質度の高いガソリンでは蒸発し易い軽質成分の割合が少ないため、始動直後に蒸発してシリンダに流入する燃料が減少し、シリンダの空燃比は急速にリーン方向に変化する。したがって、空燃比のリーン状態を速やかに検出して燃料噴射量を増量することが要求される。
しかし、特許文献1等の従来技術では、前述したように爆発毎の回転変動量のばらつきに対し空燃比の検出精度を確保するために回転変動量を所定の爆発回数で積算した値または回転変動量を爆発回数で平均化した値に応じて燃料噴射量を増量するようにしている。このため前述した重質度の高いガソリンで始動したときのように空燃比がリーンに急変する場合は、回転変動量が増加しても回転変動量の積算値(または平均値)は直ちには増加せず、リーン状態の検出が遅れるために、燃料の増量補正が遅れてオーバーリーンとなり、未燃ガス(HC)を多く排出したり回転落ちを引き起こす場合があった。
図12に空燃比がストイキ時(空燃比14.5)およびリーン時(空燃比16)における回転変動量の発生頻度分布を示す。空燃比ストイキ時に対してリーン時では回転変動量の大きいものの割合が増加する。このことから回転変動量が大きい場合は、空燃比がリーンである確率が高いと考えられる。例として本頻度分布において回転変動量が所定のしきい値SLDN以上である場合、空燃比がストイキ以下である頻度(確率)は低く、空燃比が16以上にリーンである確率が高く、また、回転変動量が前記所定のしきい値SLDN未満である場合には、リーン状態である場合と、ストイキ〜リッチ状態である場合の確率に大きな差はないことが分かる。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであり、内燃機関の燃料制御装置において、冷機時に重質度の高いガソリンで始動した場合等に、空燃比が急速にリーン化したときにおいてもリーン状態を速やかに検出して燃料噴射量を高応答に制御することで空燃比が安定燃焼限界を超えてリーン化することを防止し、未燃ガス排出量の増加や回転変動の増加を防止することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の燃料制御装置は、前記目的を達成するために、各気筒の吸気ポートまたは各気筒内に設けられる燃料噴射弁と、各気筒内に設けられる点火プラグと、を備えた内燃機関の燃料制御装置であって、点火サイクルの各気筒ごとの前記点火プラグの点火による各気筒間の回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、該回転変動量の積算回数を設定する積算回数設定手段と、前記燃料噴射弁の燃料噴射量を補正する燃料補正手段と、を備え、前記内燃機関の制御装置は、始動後に、前記算出された回転変動量と前記設定された積算回数とから求まる前記回転変動量の積算値及び/又は平均値を算出し、該回転変動量の積算値及び/又は平均値の大きさに応じて、前記燃料噴射弁の燃料噴射量を補正するものであり、前記積算回数設定手段は、前記回転変動量に応じて前記設定する積算回数を1回以上の範囲で変更することを特徴としている。
本発明に係る内燃機関の燃料制御装置の前記積算回数設定手段は、前記回転変動量が所定のしきい値より大きくなると前記設定する積算回数を少なくすることを特徴としている。
本発明は、燃料性状ばらつきや部品の特性ばらつきに起因した始動後の空燃比のリーン状態を、点火サイクルごとの回転変動量を設定回数だけ積算した積算値によって検知し、回転変動量の積算値に応じて燃料噴射量を制御することで冷機始動時の空燃比制御を行うことができる。また、本発明は、点火サイクルごとの回転変動量が大きくなったときには積算手段で積算する回転変動量の設定回数を少なくして直ちに回転変動量の積算値を算出し、速やかに空燃比のリーン状態を検出し、その積算値に応じて燃料噴射量を増量補正してオーバーリーン化を防止することができる。
また、本発明に係る内燃機関の燃料制御装置は、前記設定した積算回数の前記回転変動量を積算する積算手段と、前記回転変動量の積算値から前記回転変動量の平均値を算出するノーマルライズ手段と、を備えていることを特徴とし、前記設定回数の前記回転変動量の平均値を加重平均で算出する加重平均計算手段を備えていることを特徴としている。
更に、本発明に係る内燃機関の燃料制御装置は、前記回転変動量の積算値を積算する積算手段を備えていることを特徴としている。
本発明は、燃料性状ばらつきや部品の特性ばらつきに起因した始動後の空燃比のリーン状態を、設定回数における回転変動量の平均値によって検知し、回転変動量の平均値に応じて燃料噴射量を制御することで冷機始動時の空燃比制御を行うことができる。また、本発明は、点火サイクルごとの回転変動量が大きくなったときには平均値算出手段で平均値を算出する回転変動量の設定回数を少なくして平均値を大きくし、速やかにリーン状態を検知し、その平均値に応じて燃料噴射量を増量補正してオーバーリーン化を防止することができる。
本発明は、燃料性状ばらつきや部品の特性ばらつきに起因した始動後の空燃比のリーン状態を、点火サイクルごとの回転変動量に所定の重み係数をかけて積算した積算値によって検知し、前記積算値に応じて燃料噴射量を制御することで冷機始動時の空燃比制御を行うことができる。また、本発明は、点火サイクルごとの回転変動量が大きくなったときには回転変動量にかける所定の重み係数を大きくして積算値を大きくし、速やかに空燃比のリーン状態を検知し、その積算値に応じて燃料噴射量を増量補正してオーバーリーン化を防止することができる。
本発明によれば、冷機始動後に、重質ガソリンの使用等で空燃比が急速にリーン化した場合でも、リーン状態を速やかに検出し、燃料噴射量を高応答に制御することにより、未燃ガス(HC)排出量の増加や回転変動の増加を防止できる。
以下、図1〜図7により本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置の一実施形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置を備えたエンジン制御システムの全体構成を示している。
エンジンには、エンジンの冷却水の温度を検出する冷却水温センサ21が設けられており、クランク軸11にはクランク角度検出用プレート29が取り付けられ、クランク角度センサ12が設けられる。エンジンの吸気系を構成する吸気管7には、吸入空気の圧力を検出する吸気管圧力センサ13、エンジンの吸入空気量を制御するためのスロットル弁6が設けられており、吸気ポート10には燃料噴射弁8が設けられている。
吸入空気はインテークマニホールド22、吸気ポート10を経て燃料との混合気として吸気弁9を通過してシリンダ19内の燃焼室18に吸入され、点火コイル14からの電流により点火プラグ15から火花スパークが発生して燃焼される。燃焼された混合気は、排気ガスとなってエンジンの排気弁が開いた時に燃焼室18から排出される。エンジンの排気系には、排気管16の触媒前に酸素濃度センサ20が設けられている。
コントローラ24は、CPU25、制御プログラムと制御用データが記憶される読み出し専用メモリ(ROM)26、制御用変数等が記憶される書き込み可能なメモリ(RAM)27、および入出力回路28が備えられている。クランク角度センサ12、吸気管圧力センサ13、酸素濃度センサ20、冷却水温センサ21等からの信号はコントローラ(制御装置)24に入力され、コントローラ24はこれらの入力信号より燃料噴射量、点火時期、スロットル開度等を演算し、それぞれ燃料噴射弁8、点火コイル14、スロットル弁6等に制御信号を出力する。
図2は本発明に係る内燃機関の燃料制御装置の制御構成ブロックを示す。回転変動算出手段1は、気筒間の回転変動量(前回爆発気筒のクランク角速度に対する今回爆発気筒のクランク角速度の変化量)を算出するものであり、クランク角度センサ12の信号より爆発後の所定のクランク角度間を変位する時間T(クランク角速度の逆数に相当)を気筒ごとに計測して、今回の爆発での前記変位時間Tと前回の爆発での変位時間Tn−1の差分を回転変動量DNとしており、この回転変動量DNの算出は各気筒の爆発の周期と同期して実施される。
積算回数設定手段2は回転変動算出手段1で算出された回転変動量DNに応じて積算手段3で積算する回転変動量の積算回数NADDを設定するものであり、本実施形態では、図3に示すように回転変動量DNが所定のしきい値SLDN以下の場合は20回の積算回数とし、回転変動量DNが所定のしきい値SLDNを超えた場合は1回の積算回数としている。本実施形態では、積算回数設定手段2で設定する積算回数NADDを20回と1回に設定しているが、この回数はこれに限定されず適宜回数に設定してよい。
積算手段3は、過去20回の回転変動量を記憶するメモリを備えており、回転変動算出手段1で算出された回転変動量DNを、前記積算回数設定手段2で設定された積算回数NADDだけ積算して積算値IDNを算出しノーマライズ手段4に出力する。
ノーマライズ手段4は、積算手段3により算出された回転変動量の積算値IDNを爆発回数で除算し爆発回数あたりの回転変動量の平均値IXDNを求める。
燃料補正手段5は、図4に示すような回転変動量の平均値IXDNに対する増量補正ステップFSTPAが予め設定されたテーブルをメモリに記憶しており、ノーマライズ手段4で算出された回転変動量の平均値IXDNを判定レベルSLIXDNと比較し、回転変動量の平均値IXDNが判定レベルSLIXDN以上のときには、その平均値IXDNの大きさに応じた増量補正ステップFSTPAをテーブルから求め、その増量補正ステップFSTPAで燃料噴射量を増量補正し、回転変動量の平均値IXDNが判定レベルSLIXDN未満であれば、空燃比がストイキ〜リッチの状態であるとみなし、燃料補正係数FTRMから所定値の減量補正ステップFSTPDで燃料噴射量を減量補正する。
次に本実施形態の内燃機関の燃料制御装置における燃料制御の動作について図5のフローチャートにより詳細に説明する。
ステップ100で、エンジンの温度(冷却水温度など)が所定値TWSL以下の冷機状態であるかを判定し、ステップ110で、始動後の酸素濃度センサ20が活性化していない状態であるかを判定する。エンジンの温度(冷却水温度など)が所定値TWSLより高い状態、または酸素濃度センサ20が活性化して検出可能な状態となっていれば、回転変動による空燃比制御は不要となる。ステップ100及びステップ110が共に成立していればステップ120に進んで、回転変動量DN(前回爆発気筒のクランク角速度に対する今回爆発気筒のクランク角速度の変化量)を計算する。
ステップ130、140、150は回転変動量の積算回数NADDを設定する処理である。ステップ130では、前述の回転変動量DNが所定のしきい値SLDN以上となったかを判定し、回転変動量DNが所定のしきい値SLDN未満であればステップ140に進み、積算回数NADDを20回に設定し、回転変動量DNが所定のしきい値SLDN以上であればステップ150に進み、積算回数NADDを1回に設定する。
次にステップ160で、燃料噴射量の制御を行うための回転変動量の平均値IXDNを算出する。積算は前ステップで設定された積算回数NADDに応じて今回の爆発を含む過去NADD回の回転変動量を積算し、積算回数NADDで除算して回転変動量の平均値IXDNを算出する。
ステップ170で回転変動量の平均値IXDNを所定の判定レベルSLIXDNと比較し、平均値IXDNが判定レベルSLIXDN以上であれば、空燃比がリーンであるとみなし、ステップ180で、回転変動量の平均値IXDNの大きさに応じた増量補正ステップFSTPAを図4のテーブルから求め、回転変動量による燃料補正係数FTRMに増量補正ステップFSTPAを加算する。ステップ170で、積算値IXDNが判定レベルSLIXDN未満であれば、空燃比がストイキ〜リッチの状態であるとみなしステップ190で燃料補正係数FTRMから所定値の減量補正ステップFSTPDを減算し、これにより蒸発しやすい軽質ガソリン使用時等で空燃比がリッチ化して未燃ガスが多く排出されることを防止できる。
次にステップ200で、燃料噴射弁への出力パルス幅を算出する。吸気管圧力センサ信号等から算出される吸入空気量より求めた基本噴射パルス幅TPに対し、回転変動量DNによる燃料補正係数FTRMによる補正のほか、従来の冷却水温度による補正係数FTW等による補正を実施したものを出力パルス幅TIとする。
図6には、本実施形態の内燃機関の燃料制御装置によるエンジン始動時におけるエンジン回転数、空燃比、回転変動量の平均値、燃料噴射量を示している。ここで、実線が本実施形態の燃料制御装置における空燃比、燃料噴射量を示し、点線が従来の積算回数を数十回などに固定した燃料制御装置における空燃比、燃料噴射量を示している。
始動後に空燃比が急激にリーン方向に変化し、回転変動量DNが所定のしきい値SLDN以上となると爆発回数1回の平均値IXDNが算出され、回転変動量DNが所定のしきい値SLDN以上となるものが1回発生すれば、直ちにリーン状態が検出され、燃料補正手段5により増量補正ステップFSTPAで示される燃料の増量が速やかに実施される。
また、積算回数20回の回転変動量の平均値IXDNが所定レベルSLIXDN以上の場合もその回転変動量の平均値IXDNの大きさに応じた増量補正ステップFSTPAで燃料噴射量が増量補正される。回転変動量の平均値IXDNが所定レベルSLIXDN未満のときには空燃比がストイキ〜リッチの状態であるとして所定値の減量補正ステップFSTPDだけ燃料噴射量を減量補正する。
本実施形態では、回転変動量DNが所定のしきい値SLDN以上となるものが1回発生すれば、直ちにリーン状態が検出されて噴射燃料が増量されるので、オーバーリーン化を防止でき、燃焼悪化や回転落ちなどの不具合を生じることがない。
図7は、内燃機関の燃料制御装置における制御構成ブロックの他の実施形態を示し、図2で説明した実施形態における積算手段3及びノーマライズ手段4を、加重平均計算手段6に変更しているが、回転変動算出手段1、積算回数設定手段2及び燃料補正手段5は前記実施形態のものと同じである。
加重平均計算手段6は、次の式(1)により回転変動量平均値IXDNを算出する。
IXDN=KW *(DN−IXDNn−1)+IXDNn−1 ………………………(1)
KW=1/NADD
IXDN :回転変動量平均値
IXDNn−1:前回の回転変動量平均値
KW :平均化重み係数
NADD :積算回数
ここで、積算回数設定手段2は、図8に示すように回転変動量DNが所定のしきい値SLDN以下の場合は20回の積算回数(KW=1/20)とし、回転変動量DNが所定のしきい値SLDNを超えた場合は1回の積算回数(KW=1)としている。積算回数NADDを1回に設定したときは回転変動量平均値IXDNは回転変動量DNに一致する。
回転変動量平均値IXDNを上記加重平均計算により求める場合には、各積算回数について上記加重平均計算をそれぞれ実施しておき、算出された積算回数に応じて、該積算回数に対応する加重平均計算結果を選択するようにする。
本実施形態では、回転変動量DNが所定のしきい値SLDN以上となるものが1回発生すれば、平均化重み係数KWが1とされて回転変動量平均値IXDNが所定のしきい値SLIXDN以上となって直ちにリーン状態が検出され、燃料補正手段8により回転変動量平均値IXDNに応じた増量補正ステップFSTPAで燃料の増量が速やかに実施されるので、オーバーリーン化を防止でき、燃焼悪化や回転落ちなどの不具合を生じることがない。
本実施形態では、回転変動量の積算と平均化とを同時に実施できるので、メモリを節約することができる。
図9は、内燃機関の燃料制御装置における制御構成ブロックの他の実施形態を示し、図2で説明した実施形態における積算手段3とはその積算方法が異なり、ノーマライズ手段4を備えていないが、回転変動算出手段1及び積算回数設定手段2は図2で説明した実施形態のものと同じである。
積算手段7は、過去20回の回転変動量を記憶するメモリを備えており、回転変動算出手段1で算出された回転変動量を前記積算回数設定手段2で設定された積算回数だけ積算してその積算値を燃料補正手段8に出力する。積算手段7は、積算回数設定手段2によって積算回数が20回と設定されたときには、メモリに回転変動量DNn―20〜DNn―1の回転変動量を記憶して積算し、燃料補正手段8に出力し、その後は再度、メモリに回転変動量DN〜DNn+19の回転変動量を記憶して積算し、燃料補正手段8に出力する。積算回数設定手段2によって回転変動量を20回積算している途中で回転変動量DNが所定のしきい値SLDNを超え、積算回数が1回に設定されたときは20回積算するのを中止し、回転変動量を1回積算して燃料補正手段8に出力する。
燃料補正手段8は、図10に示すような、回転変動量DNを1回積算したときの積算値IDNに対する増量補正ステップFSTPAを予め設定された1回積算用テーブルと、回転変動量DNを20回積算したときの積算値IDNに対する増量補正ステップFSTPAが予め設定された20回積算用テーブルをメモリに記憶している。燃料補正手段8は、回転変動量DNが判定レベルSLDN以上の場合は、回転変動量を1回積算した積算値IDN(回転変動量DNと同じ)と判定レベルSLIDNと比較し、回転変動量の積算値IDNが判定レベルSLIDN以上のときには、1回積算用テーブルを用いて積算値IDNの大きさに応じた増量補正ステップFSTPAを求め、その増量補正ステップFSTPAで燃料噴射量を増量補正する。また、燃料補正手段8は、回転変動量DNが判定レベルSLDN未満の場合は、回転変動量を20回積算した積算値IDNと判定レベルSLIDNと比較し、回転変動量を20回積算した積算値IDNが判定レベルSLIDN以上のときには、20回積算用テーブルを用いて回転変動量を20回積算した積算値IDNの大きさに応じた増量補正ステップFSTPAを求め、その増量補正ステップFSTPAで燃料噴射量を増量補正する。
回転変動量を20回積算した積算値IDNが判定レベルSLIDN未満であれば、空燃比がストイキ〜リッチの状態であるとし、所定値の減量補正ステップFSTPDにより燃料噴射量を減量補正する。
本実施形態では、回転変動量が所定のしきい値SLDN以上となるものが1回発生すれば、直ちにリーン状態が検出され、燃料補正手段5により回転変動量に応じた増量補正ステップFSTPAで燃料の増量が速やかに実施されるので、オーバーリーン化を防止でき、燃焼悪化や回転落ちなどの不具合を生じることがない。
上記のように、本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置では冷機始動後に回転変動量の積算値に基づいて燃料噴射量の補正を実施するものにおいて、リッチ状態とリーン状態の回転変動量の発生頻度分布の違いを考慮し、回転変動量に応じて回転変動量を積算する積算回数を変更することにより、リーン状態を速やかに検出して燃料噴射量を増量するのでオーバーリーン化による燃焼悪化、およびこれによるHC排出量の増加、回転変動を防止できる。また、本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置では回転変動量DNが所定のしきい値SLDN未満である場合には、リーン状態である場合と、ストイキ〜リッチ状態である場合の確率に大きな差がないため、今回の爆発を含む過去数十回の爆発で回転変動量を平均化した値よりリーン状態を高い確率で検出して燃料噴射量を増量するようにしている。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。また、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。上述の実施形態では、ポート噴射エンジンであるが、筒内噴射式のエンジンにおいても重質ガソリン使用時では、シリンダ壁面に付着する燃料の割合が増加して、点火プラグ周辺の混合気がリーン化することでポート噴射エンジンと同様に燃焼が悪化する場合があるので、本発明の制御方式は、吸気ポートにインジェクタを備えたポート噴射エンジンのみでなく、各シリンダ内に燃料噴射弁を備えた筒内噴射式のエンジンに適用しても良い。
本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置を備えたエンジン制御システムの全体構成図。 本発明に係る内燃機関の燃料制御装置における制御構成ブロックの一実施形態を示す図。 本実施形態の積算回数設定手段2における回転変動量と積算回数の関係を示す図。 本実施形態の燃料補正手段5における回転変動量の平均値と燃料増量ステップの関係を示す図。 本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置の実施形態における燃料制御の動作のフローチャート。 本実施形態の内燃機関の燃料制御装置によるエンジン始動時におけるエンジン回転数、空燃比、回転変動量の平均値、燃料噴射量を示す図。 本発明に係る内燃機関の燃料制御装置における制御構成ブロックの他の実施形態を示す図。 本発明に係る内燃機関の燃料制御装置における制御構成ブロックの他の実施形態を示す図。 本発明に係る内燃機関の燃料制御装置における制御構成ブロックの他の実施形態を示す図。 本実施形態の燃料補正手段8における回転変動量の平均値と燃料増量ステップの関係を示す図。 内燃機関における空燃比と回転変動量の関係を示す図。 内燃機関における空燃比と回転変動量の発生頻度分布の関係を示す図。
符号の説明
7 吸気管
8 燃料噴射弁
12 クランク角度センサ
20 酸素濃度センサ
21 冷却水温センサ
24 コントローラ(制御装置)
29 クランク角度検出プレート

Claims (5)

  1. 各気筒の吸気ポートまたは各気筒内に設けられる燃料噴射弁と、各気筒内に設けられる点火プラグと、を備えた内燃機関の燃料制御装置であって、
    点火サイクルの各気筒ごとの前記点火プラグの点火による各気筒間の回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、該回転変動量の積算回数を設定する積算回数設定手段と、前記燃料噴射弁の燃料噴射量を補正する燃料補正手段と、を備え、
    前記内燃機関の制御装置は、始動後に、前記算出された回転変動量と前記設定された積算回数とから求まる前記回転変動量の積算値及び/又は平均値を算出し、該回転変動量の積算値及び/又は平均値の大きさに応じて、前記燃料噴射弁の燃料噴射量を補正するものであり、
    前記積算回数設定手段は、前記回転変動量に応じて前記設定する積算回数を1回以上の範囲で変更することを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  2. 前記積算回数設定手段は、前記回転変動量が所定のしきい値より大きくなると前記設定する積算回数を少なくすることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  3. 前記燃料制御装置は、前記設定した積算回数の前記回転変動量を積算する積算手段と、前記回転変動量の積算値から前記回転変動量の平均値を算出するノーマルライズ手段と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  4. 前記燃料制御装置は、前記設定した積算回数の前記回転変動量の平均値を加重平均で算出する加重平均計算手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  5. 前記燃料制御装置は、前記回転変動量の積算値を積算する積算手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料制御装置。
JP2007036133A 2007-02-16 2007-02-16 内燃機関の燃料制御装置 Expired - Fee Related JP4777919B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007036133A JP4777919B2 (ja) 2007-02-16 2007-02-16 内燃機関の燃料制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007036133A JP4777919B2 (ja) 2007-02-16 2007-02-16 内燃機関の燃料制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008202413A JP2008202413A (ja) 2008-09-04
JP4777919B2 true JP4777919B2 (ja) 2011-09-21

Family

ID=39780191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007036133A Expired - Fee Related JP4777919B2 (ja) 2007-02-16 2007-02-16 内燃機関の燃料制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4777919B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010156248A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の制御装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02308945A (ja) * 1989-05-23 1990-12-21 Mazda Motor Corp エンジンの燃料成分検出装置
JPH0814080A (ja) * 1994-06-24 1996-01-16 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JP3591001B2 (ja) * 1994-09-19 2004-11-17 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JPH08284708A (ja) * 1995-04-14 1996-10-29 Nissan Motor Co Ltd エンジンの燃料噴射装置
JPH1089139A (ja) * 1996-09-20 1998-04-07 Hitachi Ltd エンジンの回転変動検出装置及び制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008202413A (ja) 2008-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0810362B1 (en) Method for controlling an internal combustion engine
JP5026337B2 (ja) 多気筒内燃機関の制御装置
JP2884472B2 (ja) 内燃機関の燃料性状検出装置
US20080319632A1 (en) Combustion Control Apparatus and Method for Internal Combustion Engine
JP5031784B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JPWO2004018869A1 (ja) 内燃機関の始動制御装置および始動制御方法
JP4784467B2 (ja) 予混合圧縮着火内燃機関
JP4168273B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007127007A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4475207B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006312919A (ja) エンジン制御装置
JP4777919B2 (ja) 内燃機関の燃料制御装置
JP2008038732A (ja) 内燃機関の燃料制御装置
JP2021017862A (ja) 潤滑油劣化判定装置
JP2010156248A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2011157852A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007138802A (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP2009138620A (ja) 内燃機関の制御装置
JP3533888B2 (ja) 直噴火花点火式内燃機関の制御装置
JP7307760B2 (ja) 推定装置
JP6077371B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2000073927A (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP2011001848A (ja) 内燃機関の制御装置
JP3968902B2 (ja) 点火時期制御装置
JP3046465B2 (ja) イオン電流によるmbt制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081017

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100520

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110628

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4777919

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140708

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees