JP2011001848A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルコールを含む燃料を使用する内燃機関において、吸気ポート、吸気弁及び燃焼室等の温度がアルコールの沸点温度を超えると、付着している燃料中のアルコール成分が急激に蒸発し混合気がオーバーリッチになってしまう。これによって、エミッションが悪化する。
【解決手段】アルコールを含む燃料を使用する内燃機関であって、吸気弁傘部温度tinを演算する温度演算手段と、吸気弁傘部温度tinを参照し燃料噴射量の増量係数である吸気弁傘部温度増量補正係数kinを変更する制御パラメータ変更手段と、を有し、空燃比相関値検出手段によって検出された空燃比相関値の変動量ΔA/Fに基づいた吸気弁傘部温度tinがアルコールの沸点温度以上であると診断された場合には、吸気弁傘部温度増量補正係数kinを小さく設定し燃料噴射量TAUの増量量を減量させる。
【選択図】図2
【解決手段】アルコールを含む燃料を使用する内燃機関であって、吸気弁傘部温度tinを演算する温度演算手段と、吸気弁傘部温度tinを参照し燃料噴射量の増量係数である吸気弁傘部温度増量補正係数kinを変更する制御パラメータ変更手段と、を有し、空燃比相関値検出手段によって検出された空燃比相関値の変動量ΔA/Fに基づいた吸気弁傘部温度tinがアルコールの沸点温度以上であると診断された場合には、吸気弁傘部温度増量補正係数kinを小さく設定し燃料噴射量TAUの増量量を減量させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、アルコールを含む燃料を使用する内燃機関の制御装置に関する。
石油資源を節減するためにメタノールやエタノール等のアルコールをある一定の割合でガソリンに混合した混合燃料が自動車用内燃機関の燃料として使用されている。
アルコールは、ガソリンに比べ低温域の蒸発特性は非常に悪いが沸点温度を超えると急激に蒸発する特性を有している。アルコールを含む混合燃料において燃料噴射弁から噴射されたアルコールの一部が、気化せずにピストンとシリンダとの間隙からクランクケース側に漏れてエンジンオイル中に混入する。このような場合、オイル温度上昇に伴いエンジンオイル中のアルコールが蒸発することによってブローバイガスと共に吸気系へ還流させる。一方、オイル温度が上昇するとアルコールの沸点温度に近付くにつれエンジンオイル中のアルコールの蒸発率は急激に高くなる。これによって、混合気の空燃比がリッチになることによって排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からはずれ、排気ガス中の有害成分が増加する可能性がある。これに対して、フィードバック補正範囲の下限値を引き下げる事によって空燃比のずれの拡大分を吸収するように、従来のフィードバック制御を応用して空燃比を制御している(例えば、特許文献1〜3を参照)。
特許第2860719号(特許文献1)
特開昭61−53429号広報(特許文献2)
特開平7−27004号広報(特許文献3)
上記の従来技術はエンジンオイル中のアルコールの蒸発に関するものであるが、一方でアルコールを含む燃料が燃料噴射弁から噴射された際に、ポート壁面、吸気弁及び燃焼室等に付着している燃料に含まれるアルコール成分の蒸発や吸気と混合されたアルコール成分自体の混合の度合いによる空燃比の荒れ(変動)による燃焼の変化または排気エミッションの悪化が問題となる。一般に、燃料としてガソリンを使用する内燃機関に関する技術として機関低温時の低温増量補正や、過渡時の過渡増量補正などにより空燃比の荒れを抑制するような技術がある。しかし、内燃機関の運転が継続されアルコールを含む燃料が吸気系の温度上昇と共にアルコールの沸点温度以上となると、吸気系に付着している混合燃料のアルコール成分や、混合燃料のアルコール成分と吸気とが混合されミキシングしているアルコール成分が急激に蒸発する。これによって、アルコールを含む混合燃料を利用するにも関らずガソリンエンジンと同じように機関温度の上昇とともに徐々に(ゆるやかに)前記低温増量補正や過渡増量補正を行う制御では、前記各増量補正を応答よく行われないことから燃料の混合気がオーバーリッチとなりやすい。ガソリンのように成分として多種の燃料を含む多種燃料の場合には、含まれている燃料の成分が多いために燃料の蒸発しやすい温度ウィンドウが低温域から高温域へと幅広く分布している。これによって、広い温度幅にて前記各増量補正等の変更または学習補正等を徐々に行ったとしても応答遅れ等は生じにくい。一方、アルコール等の単一燃料の比率が高い燃料においては温度ウィンドウは比較的狭く、またその蒸発特性はピーク値が急峻に立ち上がる。これによって、アルコール等の単一燃料の比率が高い燃料を使用する場合、ガソリン等の多種燃料と同様の前記各増量補正を行うと制御タイミングが実際にアルコールが蒸発する機関温度からはずれやすくなる。この結果、前記各増量補正が応答よく出来ない場合にはアルコールの蒸発によって空燃比がオーバーリッチとなってしまう。その結果、排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からはずれやすくなる。その結果、排気ガス中の有害成分が増加する可能性があるため、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める工夫が必要となる。
特開昭61−53429号広報(特許文献2)
特開平7−27004号広報(特許文献3)
上記の従来技術はエンジンオイル中のアルコールの蒸発に関するものであるが、一方でアルコールを含む燃料が燃料噴射弁から噴射された際に、ポート壁面、吸気弁及び燃焼室等に付着している燃料に含まれるアルコール成分の蒸発や吸気と混合されたアルコール成分自体の混合の度合いによる空燃比の荒れ(変動)による燃焼の変化または排気エミッションの悪化が問題となる。一般に、燃料としてガソリンを使用する内燃機関に関する技術として機関低温時の低温増量補正や、過渡時の過渡増量補正などにより空燃比の荒れを抑制するような技術がある。しかし、内燃機関の運転が継続されアルコールを含む燃料が吸気系の温度上昇と共にアルコールの沸点温度以上となると、吸気系に付着している混合燃料のアルコール成分や、混合燃料のアルコール成分と吸気とが混合されミキシングしているアルコール成分が急激に蒸発する。これによって、アルコールを含む混合燃料を利用するにも関らずガソリンエンジンと同じように機関温度の上昇とともに徐々に(ゆるやかに)前記低温増量補正や過渡増量補正を行う制御では、前記各増量補正を応答よく行われないことから燃料の混合気がオーバーリッチとなりやすい。ガソリンのように成分として多種の燃料を含む多種燃料の場合には、含まれている燃料の成分が多いために燃料の蒸発しやすい温度ウィンドウが低温域から高温域へと幅広く分布している。これによって、広い温度幅にて前記各増量補正等の変更または学習補正等を徐々に行ったとしても応答遅れ等は生じにくい。一方、アルコール等の単一燃料の比率が高い燃料においては温度ウィンドウは比較的狭く、またその蒸発特性はピーク値が急峻に立ち上がる。これによって、アルコール等の単一燃料の比率が高い燃料を使用する場合、ガソリン等の多種燃料と同様の前記各増量補正を行うと制御タイミングが実際にアルコールが蒸発する機関温度からはずれやすくなる。この結果、前記各増量補正が応答よく出来ない場合にはアルコールの蒸発によって空燃比がオーバーリッチとなってしまう。その結果、排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からはずれやすくなる。その結果、排気ガス中の有害成分が増加する可能性があるため、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める工夫が必要となる。
また、特許文献3において開示されている技術のようにフィードバック補正範囲の下限値を引き下げる事により空燃比ずれの拡大分を吸収しようとすると、フィードバック補正を完了するのに要する時間が長くなり、フィードバック補正完了までの間に排気ガス中の有害成分が増加する可能性があることから排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める等の工夫が必要となる。また、フィードバック補正範囲の下限値を引き下げると補正値が収束しにくくなりフィードバック補正が完了しない可能性がある。
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、単一燃料の比率が高い燃料を使用する際には温度による空燃比ずれの補正を応答性良く行う事ができる内燃機関の制御装置を提供する事にある。
本発明は上記課題に対処するためになされたものである。具体的には、所定の燃料成分を含む燃料を使用する内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射手段と、前記内燃機関の機関運転温度相関値を前記空燃比とは無関係に演算により求める温度演算手段と、前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値を参照し前記内燃機関の制御パラメータの指令値を制御する制御手段と、前記内燃機関より排出された排気の空燃比相関値を検出する空燃比相関値検出手段と、前記空燃比相関値検出手段によって検出された前記空燃比相関値に基づいて前記機関運転温度相関値が前記所定の燃料成分の沸点近傍の温度となる所定の温度以上であるか否かを診断する診断手段と、該診断手段によって前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上であると診断された場合には、前記温度演算手段によって演算された前記機関運転温度相関値に関らず、前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上である場合の前記制御パラメータの指令値に変更する制御パラメータ変更手段と、を備える。
これによれば、診断手段によって、温度演算手段から取得される機関運転温度相関値とは別に、空燃比相関値検出手段によって検出された空燃比相関値に基づいた機関運転温度相関値が所定の燃料成分の沸点近傍の温度となる所定の温度以上であるかを診断する。ここで、温度演算手段によって取得される機関運転温度相関値とは、たとえば吸気ポート、吸気弁又は燃焼室等の内燃機関の吸気系における温度やこれらの温度に対して相関を有する冷却水温等である。空燃比相関値の基づいた機関運転温度相関値が所定の温度以上であるか否かの診断を行う事によって、所定の燃料成分が沸点温度となったか否かを所定の燃料成分の蒸発に起因する空燃比の変動からより正確に診断する事ができる。さらに、機関運転温度相関値が所定の温度以上であると診断された場合には、温度演算手段によって演算された機関運転温度相関値に関らず機関運転温度相関値が所定の温度未満である場合の前記制御手段における制御パラメータの指令値から所定温度以上である場合の前記制御手段の制御パラメータに変更される。これによって、内燃機関の機関運転温度が上昇していく過程で吸気ポート、吸気弁及び燃焼室等に付着している所定の燃料成分や、吸気と混合されミキシングしている所定の燃料成分の急激な蒸発特性変化に起因して空燃比がオーバーリッチになるのを抑制する。また、所定の燃料成分の蒸発に合った制御パラメータによって内燃機関が制御される事から、フィードバック補正範囲の下限値を引き下げる事により空燃比ずれの拡大分を吸収しようとする場合等に比べて空燃比を収束されるのに要する時間が短縮され、またフィードバック補正係数が収束しにくくなることもない。この結果、排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からずれることによる排気ガス中の有害成分の増加が抑制され、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める等の工夫が必要なくなる。
好適には、前記制御パラメータ変更手段は、前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値が所定の温度以上であると前記診断手段によって診断された場合には、前記制御手段にて制御する際に参照する前記機関運転温度相関値に代えて、前記機関運転温度相関値を前記所定の温度に補正した補正後の前記機関運転温度相関値に応じた前記制御パラメータの指令値に変更するものであってもよい。
これによれば、温度演算手段から取得される機関運転温度相関値とは別に、空燃比相関値検出手段によって検出された空燃比相関値に基づいて機関運転温度又はその相関値が所定の温度以上であると診断手段によって診断された場合には、関運転温度又はその相関値は所定の温度に補正され、補正後の機関運転温度又はその相関値に基づいて制御手段によって制御が行われる。これによって、所定の燃料成分の蒸発に合った制御パラメータの指令値によって制御が行われる事から、内燃機関の機関運転温度が上昇していく過程で燃料の急激な蒸発特性の変化に起因して空燃比がオーバーリッチになるのが抑制される。この結果、排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からずれることによる排気ガス中の有害成分の増加が抑制され、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める等の工夫が必要なくなる。
好適には、前記温度演算手段によって演算される前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上となった場合には、前記制御パラメータ変更手段は前記診断手段の診断結果に関らず前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値を参照し前記内燃機関の制御パラメータの指令値を制御するものであってもよい。
これによれば、温度演算手段によって演算される機関運転温度相関値が所定の温度以上となった場合には、機関運転温度相関値を所定の温度に補正した補正後の機関運転温度相関値に代わって、温度演算手段によって演算される機関運転温度相関値に応じた前記制御パラメータの指令値に変更される。これによって、機関運転温度が所定の燃料成分の沸点温度近傍からさらに上昇した場合においては、温度演算手段によって演算される関運転温度またはその相関値に応じた前記制御パラメータの指令値によって制御が行われる。この結果、機関運転温度が所定の燃料成分の沸点温度近傍からさらに上昇した場合においても、排気浄化可能空燃比からはずれることなく制御が行われる事から排気ガス中の有害成分の増加が抑制され、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める等の工夫が必要なくなる。
好適には、前記温度演算手段は、前記内燃機関の冷却水温を取得する冷却水温取得手段と、前記内燃機関の吸気通路から吸気される吸入空気量を取得する吸入空気量取得手段と、を含み、前記温度演算手段は、前記冷却水温取得手段よって前記内燃機関の始動時の冷却水温である始動時冷却水温を取得し、前記吸入空気量取得手段によって取得される前記吸入空気量を前記内燃機関の始動時から積算することによって積算吸入空気量を取得し、前記積算吸入空気量及び前記始動時冷却水温に基づいて前記内燃機関の温度またはその相関値を演算により求めるものであってもよい。
これによれば、内燃機関の機関運転温度相関値は始動時の冷却水温と始動時からの積算吸入空気量によって推定される。始動時の内燃機関の温度は始動時の冷却水温として推定され、これに対して始動後からの積算吸入空気量から推定される内燃機関の温度の上昇分を加えることによって現在の内燃機関の機関運転温度相関値が推定される。
好適には、前記制御手段は、前記内燃機関の始動時及び/又は暖気時に前記燃料噴射手段により噴射される燃料噴射量を前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値に応じて増量する燃料噴射量増量手段により構成されるものであってもよい。
これによれば、内燃機関の始動時及び/又は暖気時において内燃機関の機関運転温度が低いことによって、始動時の始動性向上及び暖気時の回転数安定のために燃料噴射量の増量が行われる。このように燃料噴射量の増量が行われている状況において、内燃機関の温度が所定の燃料成分の沸点温度以上となると、内燃機関の機関運転温度が上昇していく過程で吸気ポート、吸気弁及び燃焼室等に付着している所定の燃料成分や、燃料の所定の燃料成分と吸気とが混合されミキシングしている所定の燃料成分が急激な蒸発特性の変化に起因して空燃比がオーバーリッチになる。これによって、排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からはずれ排気ガス中の有害成分が増加する可能性があるため、内燃機関の機関運転温度が所定の燃料成分の沸点温度以上である場合には増量された燃料噴射量を減量させることによって同様の条件で第一燃料と同じ燃料の増量を行う制御を行った場合に比べてオーバーリッチになるのを抑制する。その結果、排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からずれることによる排気ガス中の有害成分の増加が抑制され、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める等の工夫が必要なくなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る第一の内燃機関の制御装置(以下、「第一装置」とも称呼する。)を火花点火式・多気筒・ポート噴射・所定の燃料成分を用いた燃料(ここではエタノールとガソリンを用いた燃料)・内燃機関に適用したシステムの概略構成を示している。
内燃機関11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14(吸入空気量取得手段)が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ後述する燃料を噴射する燃料噴射弁21(燃料噴射手段)が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)(空燃比相関値検出手段)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26(冷却水温取得手段)や、エンジン11のクランク軸27が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ28が取り付けられている。このクランク角センサ28の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。また、吸気温度センサ42によって吸気温度が検出される。
エンジン11の燃料としては、エタノールやメタノール等のアルコール、或いはアルコールとガソリンを混合した燃料等を使用可能であり、これらのアルコールを含んだ燃料をエンジン11に供給する。燃料ポンプ31から吐出される燃料は、燃料配管32を通してデリバリパイプ33に送られこのデリバリパイプ33から各気筒の燃料噴射弁21に分配される。燃料配管32のうちの燃料ポンプ31付近には、フィルタ34とプレッシャレギュレータ35が接続され、このプレッシャレギュレータ35によって燃料ポンプ31の吐出圧が所定圧力に調圧され、その圧力を越える燃料の余剰分が燃料戻し管36により燃料タンク30内に戻されるようになっている。
また、デリバリパイプ33には、燃料のアルコール濃度(ここではエタノール濃度)を検出するアルコール濃度センサ37が設けられている。
上述した各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)29に入力される。このECU29は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や噴射ノズル19の補助燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
<第一装置による制御の概要>
次に、上記のように構成された第一装置の作動について場合を分けて説明する。
<第一装置による制御の概要>
次に、上記のように構成された第一装置の作動について場合を分けて説明する。
ECU29は、所定時間の経過毎に図2に示した燃料噴射制御ルーチンを繰り返し実行するようになっている。
まず、ECU29はステップ205において、冷却水温センサ26から始動時冷却水温THWSを取得する。始動時冷却水温THWSは内燃機関の始動時に予め取得しておく。
次いで、ECU29は、ステップ210に進み冷却水温センサ26から冷却水温THWを取得する。
次いで、ECU29は、ステップ215に進み筒内吸入空気量Mcを取得する。筒内吸入空気量Mcは、燃料噴射気筒の今回の吸気行程において燃料噴射気筒に流入した空気量(重量)である。筒内吸入空気量Mcは、エアフローメータ14から取得される質量流量GAと機関回転速度NEとに基づいて決定される。
次いで、ECU29は、ステップ220に進みステップ215にて求めた筒内吸入空気量Mcを目標空燃比Abfrefにより除することによって基本燃料噴射量Fbaseを取得する。目標空燃比Abfrefは、始動時や定常運転時等の運転状態に応じて個別に設定されており、この実施例においてはたとえば理論空燃比に設定されている。従って、基本燃料噴射量Fbaseは、燃料噴射気筒に供給される混合気の空燃比を理論空燃比に一致させるための燃料噴射量となる。
次いで、ECU29はステップ225に進みアルコール濃度センサ37からエタノール濃度Eを取得する。
次いで、ECU29はステップ230に進みECU29はステップ230に進みエタノール濃度Eに応じた基本燃料噴射量Fbaseのエタノール補正係数keを求める。一般に、エタノール濃度Eが高くなるほど混合気の理論空燃比はリッチとなるため、アルコール濃度が高くなるほど燃料噴射量TAUを減少させる必要がある。従って、図4に示す基本燃料噴射量Fbaseのエタノール補正係数keのマップは、エタノール濃度Eが高くなるほどエタノール補正係数keを大きくし燃料噴射量TAUが大きくなるように設定されている。
次いで、ECU29はステップ235に進み冷却水温THWに応じた燃料増量量fwlを求める。また、燃料増量量fwlは、図3に示す燃料増量量fwlのマップを参照して冷却水温THWと燃料のエタノール濃度Eとに応じて算出される。一般に、エタノールの沸点温度(約78℃)以上では、アルコール冷却水温THWが高くなるほど、エタノールを含む燃料はガソリンのみからなる燃料に比べ揮発しやすくなるため燃料噴射量TAUは減少させられる。一方、エタノールの沸点温度(約78℃)以上では、燃料のアルコール濃度Eが高くなるほど、エタノールを含む燃料はガソリンのみからなる燃料に比べ揮発しやすくなるため燃料噴射量TAUは減少させられる。従って、図3に示す燃料噴射の燃料増量量fwlのマップは、冷却水温THWが低いほど、またエタノール濃度Eが高くなるほど燃料増量量fwlが小さな値となり燃料噴射量TAUが減少されように設定されている。
次いで、ECU29はステップ240に進み冷却水温THWに応じて加速増量補正係数fmwを求める。加速増量補正係数fmwは、図5に示す加速増量補正係数fmwのマップを用いて冷却水温THWに応じて算出される。一般に、加速時には要求トルクを得るために基本燃料噴射量Fbaseは増加させられるが冷却水温THWが低い(即ち、燃料の温度が低い)ほどポート壁面等に付着する燃料量が多くなってしまい混合気の空燃比がリーンになってしまう。従って、加速時においては冷却水温THWが低いほど燃料噴射量TAUを増加させる必要がある。一方、減速時には基本燃料噴射量Fbaseは減少させられるが、加速時または定常運転時に噴射された燃料がポート壁面等に依然付着しており、減速時のポート吸気圧の減圧によって急激にポート壁面等から燃料が蒸発することによって空燃比がリッチとなる。一般に、冷却水温THWが低ければ低いほどポート壁面等に付着している燃料量は多いことから、減速時においては冷却水温THWが低いほど燃料噴射量TAUを減少させる必要がある。従って、図5に示す加速増量補正係数fmwのマップは、ECU29は加速時には冷却水温THWが低くなるほど加速増量補正係数fmwが大きくし燃料噴射量TAUを増加させる。一方、ECU29は減速時には冷却水温THWが低くなるほど加速増量補正係数fmw(減速時には負の値)を小さくし燃料噴射量TAUを減少させるように設定されている。
次いで、ECU29はステップ245に進み加速度Δkl(即ち、機関の負荷(正確には充填率である負荷率、図示トルクと相関する。)の単位時間当りの変化)に応じた燃料噴射量TAUの加速度増量補正係数kfmwを取得する。加速度増量補正係数kfmwは、図4のステップ240にて算出された加速増量補正係数fmwに乗じられ燃料噴射量TAUを補正する係数である。加速時または減速時には、スロットル開度が変更される事によって吸気圧が変化する。燃料の気化速度は吸気圧によって変化することから、加速時には加速度が大きいほど吸気圧は高くなり燃料の気化速度は遅くなる。これによって、燃料の気化量は減少することから空燃比はリーンとなる。一方、減速時には減速度が大きいほど吸気圧は低くなり燃料の気化速度は早くなる事から、燃料の気化量は増加し空燃比はリッチとなる。従って、図6に示す加速度Δklに応じた加速度増量補正係数kfmwのマップに示すように、ECU29は加速時(Δklが正の値)には、加速度が大きくなるほど加速度増量補正係数kfmwを大きくし燃料噴射量TAUを増加させ混合気の空燃比がリーンとなるのを抑制する。一方、ECU29は減速時(Δklが負の値)においては、減速度が大きくなるほど加速度増量補正係数kfmwを大きく設定する。これによって、図2のステップ245で取得された加速増量補正係数fmw(減速時には負の値)に、減速度が大きくなるほど大きな値の加速度増量補正係数kfmwが加速増量補正係数fmwに乗じられ燃料噴射量TAUは減少させられる。
次いで、ECU29はステップ250において内燃機関11が始動した後の積算吸入空気量TGaを取り込む。積算吸入空気量TGaは、エアフローメータ14が検出する吸気経路を通過する吸入空気量Gaを積算することにより取得される。
次いで、ECU29はステップ255において吸気弁傘部温度tin(機関運転温度相関値)を求める。吸気弁傘部温度tinは、吸気弁傘部温度tinは、図7に示す吸気弁傘部温度tinのマップを用いて始動時冷却水温THWSと始動後積算吸入空気量TGaとに応じて推定(演算)される。始動時の吸気弁傘部温度tinは、始動時冷却水温THWSと等価として推定される。さらに、積算吸入空気量TGaが大きいほど燃焼室において発生した熱量によって吸気弁傘部温度tinは上昇したとして吸気弁傘部温度tinが推定される。従って、図7に示す吸気弁傘部温度tinのマップに示すように、ECU29は始動時冷却水温THWSが高いほど吸気弁傘部温度tinは高くなり、積算吸入空気量TGaが大きいほど吸気弁傘部温度tinは高くなるように推定される。
次いで、ECU29は、ステップ260に進み吸気弁傘部温度tinが78℃(所定の燃料成分の沸点、所定の温度)以上であるか否かを判定する。ECU29が、ステップ260にて「Yes」と判定した場合には、ECU29はステップ265に進む。これによって、吸気弁傘部温度tinが78℃近傍の温度からさらに上昇した場合においては、吸気弁傘部温度tinを参照して後述する吸気弁傘部温度増量補正係数kinが求められる。この結果、吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度近傍からさらに上昇した場合においても、排気浄化可能空燃比からはずれることなく制御が行われる事から排気ガス中の有害成分の増加を抑制する事ができる。一方、ECU29が、ステップ260にて「No」と判定した場合はステップ280に進む。
次いで、ECU29はステップ265において吸気弁傘部温度増量補正係数kinを求める。吸気弁傘部温度増量補正係数kinは、図8(a)に示す吸気弁傘部温度増量補正係数kinのマップを用いて吸気弁傘部温度tinとエタノール濃度Eに応じて算出される。エタノールは約78℃(エタノールの沸点温度)を境にほぼ100%が蒸発する特性を有している。これによって、吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度(78℃)を超えると吸気ポート、吸気弁及び燃焼室等に付着している燃料や付着している混合燃料のエタノール成分や、吸気と混合されミキシングしている燃料のエタノール成分はほぼ全て蒸発する。これによって、混合気がオーバーリッチになってしまう。従って、吸気弁傘部温度がエタノールの沸点温度未満である場合とエタノールの沸点以上である場合には、異なった吸気弁傘部温度増量補正係数kinが設定されることによって燃料噴射量TAUが変更される必要がある。図8(b)の吸気弁傘部温度増量補正係数kinと吸気弁傘部温度増量補正係数kinの時間変化に示すように、ECU29は吸気弁傘部温度が78℃近傍のある温度において吸気弁傘部温度増量補正係数kinを変更する。具体的には、吸気弁傘部温度tinが78℃近傍のある温度未満である場合には、ECU29は吸気弁傘部温度増量補正係数kinを1.0のまま変更しない。一方で、吸気弁傘部温度tinが78℃近傍のある温度以上である場合には、ECU29はエタノール濃度Eが高いほど吸気弁傘部温度増量補正係数kinを小さく設定する。これによって、燃料噴射量TAUの増量量を減少させることによって同様の条件でガソリンエンジンと同じ燃料の各燃料増量補正を行う制御を行った場合に比べて混合気がオーバーリッチになるのを抑制することができる。また、エタノールの蒸発に合った制御パラメータによって制御される事から、フィードバック補正範囲の下限値を引き下げる事により空燃比ずれの拡大分を吸収しようとする場合等に比べて空燃比を収束されるのに要する時間が短縮される。この結果、排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からずれることによる排気ガス中の有害成分の増加が抑制され、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める等の工夫が必要なくなる。
ECU29が、ステップ265において「Yes」と判定した場合、ECU29はステップ265に進み燃料噴射量TAUを算出する。燃料噴射量TAUは以下の式に基づいて算出される。
TAU=(Fbase*ke+fwl*kefwl*kin)*(1+fmw*kfmw*kin)
次いで、ECU29はステップ275に進み、燃料噴射気筒に対して設けられている燃料噴射弁21から燃料噴射量TAUだけ燃料の噴射が行われるように、燃料噴射弁21に開弁指示を行う。ついで、ECU29はステップ295に進み本ルーチンを一旦終了する。
TAU=(Fbase*ke+fwl*kefwl*kin)*(1+fmw*kfmw*kin)
次いで、ECU29はステップ275に進み、燃料噴射気筒に対して設けられている燃料噴射弁21から燃料噴射量TAUだけ燃料の噴射が行われるように、燃料噴射弁21に開弁指示を行う。ついで、ECU29はステップ295に進み本ルーチンを一旦終了する。
一方、ECU29が、ステップ260において「No」と判定した場合、ECU29はステップ280に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinが「1」である否かを判定する。吸気弁傘部温度判定フラグXtinが「1」である場合には、ECU29は吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度未満であると判定する。ステップ280にて、ECU29が吸気弁傘部温度判定フラグXtinは「1」であると判定した場合には、図2のステップ255にて推定された吸気弁傘部温度tinは変更されない状態のままECU29はステップ265に進む。一方、ECU29が吸気弁傘部温度判定フラグXtinは「1」でないと判定した場合(即ち吸気弁傘部温度判定フラグXtinが「O」である)には、吸気弁傘部温度tinは78℃に設定されECU29はステップ265に進み、吸気弁傘部温度増量補正係数kinを求める。次いで、ECU29は、ステップ270に進み、最終燃料噴射量TAUを算出する。次いで、ECU29はステップ275に進み、燃料噴射気筒に対して設けられている燃料噴射弁21から燃料噴射量TAUだけ燃料の噴射が行われるように、その燃料噴射弁21に開弁指示を行う。ついで、ECU29はステップ295に進み本ルーチンを一旦終了する。
更に、ECU29は、図9に示したフラグ設定ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになるとECU29はステップ900から処理を開始し、ステップ910に進む。
ECU29は、ステップ910において内燃機関が定常運転状態であるか否かを判定する。定常運転状態とは、エンジン11の始動時や暖気時である場合も含む。ステップ910にて、ECU29が「Yes」と判定した場合、ECU29はステップ911に進み定常運転時の空燃比相関値の変動量ΔA/F(空燃比相関値)を取込む。空燃比の時間推移を表す図10に示すように、空燃比相関値の変動量ΔA/Fは排出ガスセンサから出力される空燃比と目標空燃比abfrefとの差として算出される。
次いで、ECU20は、ステップ912に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinが「1」であるか否か(即ち、吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度未満であるか否か)を判定する。ECU29がステップ912において、「Yes」と判定した場合、ECU29はステップ913に進む。
ECU29はステップ913に進み、空燃比相関値の変動量ΔA/Fが第1所定値αより大きいか否かを判定する。ECU29が、ステップ913において「Yes」と判断した場合、ECU29はステップ914に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinを「0」に設定する。即ち、ECU29は吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度(78℃)であると判定する。次いで、ECU29はステップ995に進み本ルーチンを一旦終了する。
ECU29はステップ913に進み、空燃比相関値の変動量ΔA/Fが第1所定値αより大きいか否かを判定する。ECU29が、ステップ913において「Yes」と判断した場合、ECU29はステップ914に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinを「0」に設定する。即ち、ECU29は吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度(78℃)であると判定する。次いで、ECU29はステップ995に進み本ルーチンを一旦終了する。
一方、ECU29が、ステップ913において「No」と判断した場合、ECU29はステップ915に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinを「1」に設定する。即ち、ECU29は吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度未満であると判定する。次いで、ECU29はステップ995に進み本ルーチンを一旦終了する。
これによれば、図8(b)に示すように、始動時冷却水温THWSと積算吸入空気量TGaとに基づいて吸気弁傘部温度tinを推定した場合、高回転域での運転が多用される等の実際の吸気弁傘部温度tinの上昇が早い状況においては(図8(b)における点線)、吸気弁傘部温度増量補正係数kinの変更が遅れることにより空燃比がずれる可能性がある。一方、アイドル放置される等の実際の吸気弁傘部温度tinの上昇が遅い状況においては(図8(b)における一点鎖線)、吸気弁傘部温度増量補正係数kinの変更が早まることにより空燃比がずれる可能性がある。これに対して、定常運転時において、空燃比相関値の変動量ΔA/Fが第1所定値αよりも大きい場合には、ECU29は吸気弁傘部温度tinをエタノールの沸点温度(78℃)に設定する。これによって、図8(b)の矢印で示すように、吸気弁傘部温度増量補正係数kinはより正確な値に設定される。この結果、同様の条件でガソリンエンジンと同じ燃料の各増量補正を行う制御を行った場合に比べて混合気がオーバーリッチになるのを抑制することができる。この結果、排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からずれることによる排気ガス中の有害成分の増加を抑制する事ができる。
次に、加速時における空燃比相関値の変動量ΔA/Fに基づく吸気弁傘部温度判定について述べる。
ECU29が、ステップ910において「No」と判定した場合、ステップ920に進み加速運転中であるか否かが判定される。
ECU29が、ステップ920において「Yes」と判定した場合、ステップ921に進み加速時の空燃比相関値の変動量ΔA/Fを取得する。図13に示すように、加速度がΔklだけ変化した時に吸気弁傘部温度が78℃に達した場合には、燃料中のエタノール成分の蒸発率が急激に高まることによって空燃比フィードバック制御が一時的に追従できず混合気の空燃比が急激にリッチになる。従って、第2所定値βよりも空燃比相関値の変動量ΔA/Fが大きい場合には吸気弁傘部温度が78℃に達したと判定して吸気弁傘部温度を78℃に設定する。
次いで、ステップ922に進みECU29は加速度Δklに応じて空燃比相関値の変動量補正係数Δkl2を取得する。加速度Δklが大きいほど加速度増量補正係数kfmwによって燃料増量の補正量が大きくされるが、この加速度補正とその他の燃料噴射量TAUの補正が行われる事によって最終燃料噴射量TAUのばらつきが大きくなってしまう。従って、加速度Δklが大きくなるほど空燃比のばらつきを考慮し、空燃比相関値の変動量ΔA/Fが大きくなるように補正した値に対して判定を行う。これによって、図12の空燃比相関値の変動量補正係数Δkl2のマップに示すように、加速度Δklが大きくなるほど空燃比相関値の変動量補正係数Δkl2を大きくする。空燃比相関値の変動量補正係数Δkl2が空燃比相関値の変動量ΔA/Fに乗じられることによって、空燃比相関値の変動量ΔA/Fを大きく補正する。これによって、加速度Δklの増加による空燃比のばらつきの増加に影響されることなく吸気弁傘部温度が78℃を超えたか否かの判定を行う事ができる。
次いで、ステップ923に進みECU29は空燃比相関値の変動量ΔA/Fに空燃比相関値の変動量補正係数Δkl2を乗じることによって空燃比相関値の変動量ΔA/Fを補正する。
次いで、ECU29は、ステップ924に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinが「1」である否か(即ち吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度未満であるか否か)を判定する。ECU29がステップ924において、「Yes」と判定した場合、ECU29はステップ925に進む。
次いで、ECU29は、ステップ925においてステップ923における補正後の空燃比相関値の変動量ΔA/Fが第2所定値βよりも大きいか否かを判定する。ECU29が、ステップ925において「Yes」と判定した場合には、吸気弁傘部温度tinは78℃に達しているとして、ステップ926に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinを「0」に設定する。次いで、ECU29はステップ995に進み本ルーチンを一旦終了する。
一方、ECU29が、ステップ925において「No」と判定した場合には、吸気弁傘部温度tinは78℃に達していないと判定される。次いで、ECU29はステップ927に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinを「1」に設定する。次いで、ECU29はステップ995に進み本ルーチンを一旦終了する。
これによれば、図8(b)に示すように、始動時冷却水温THWSと積算吸入空気量TGaとに基づいて吸気弁傘部温度tinを推定した場合、高回転域での運転が多用される等の実際の吸気弁傘部温度tinの上昇が早い状況においては(図8(b)における点線)、吸気弁傘部温度増量補正係数kinの変更が遅れることにより空燃比がずれる可能性がある。一方、アイドル放置される等の実際の吸気弁傘部温度tinの上昇が遅い状況においては(図8(b)における一点鎖線)、吸気弁傘部温度増量補正係数kinの変更が早まることにより空燃比がずれる可能性がある。これに対して、加速時において、加速度がΔklだけ変化した際に空燃比相関値の変動量ΔA/Fが第2所定値βよりも大きい場合には吸気弁傘部温度Xtinをエタノールの沸点温度(78℃)に設定する。さらに、加速度Δklが大きいほど空燃比相関値の変動量ΔA/Fを大きな値に補正する事によって加速度Δklの増加による空燃比のばらつき増加の影響を排除する事ができる。これによって、図8(b)の矢印で示すように、図2のステップ265における吸気弁傘部温度増量補正係数kinはより正確な値に設定される。この結果、同様の条件でガソリンエンジンと同じ燃料の各増量補正を行う制御を行った場合に比べて混合気がオーバーリッチになるのを抑制することができる。この結果、エンジンの運転性の悪化を抑制すると共に燃費及びエミッションの悪化を抑制する事ができる。
次に、減速時における空燃比相関値の変動量ΔA/Fに基づく吸気弁傘部温度判定について述べる。
ECU29はステップ910において「No」と判定し、次いでステップ920に進み「No」と判定し、次いでステップ931に進む。
ECU29は、ステップ931において加速時の空燃比相関値の変動量ΔA/Fを取得する。図13に示すように、減速度がΔklだけ変化した時に吸気弁傘部温度が78℃に達した場合には、エタノール混合燃料中のエタノール成分の蒸発によるオーバーリッチ化に空燃比フィードバック制御が一時的に追従できず、ECU29は基本燃料噴射量Fbaseの減少を過剰に行ってしまい混合気の空燃比が急激に大きくなる。これによって、空燃比相関値の変動量ΔA/Fが生じる。従って、ECU29は、後述する第3所定値γよりも空燃比相関値の変動量ΔA/Fが大きい場合には吸気弁傘部温度が78℃に達したと判定して吸気弁傘部温度を78℃に設定する。
次いで、ステップ932に進みECU29は減速度Δklに応じて空燃比相関値の変動量補正係数Δkl3を取得する。減速度Δklが大きいほど加速度増量補正係数kfmwによって燃料増量の補正量が小さくされるが、この加速度補正とその他の燃料噴射量TAUの補正が行われる事によって最終燃料噴射量TAUのばらつきが大きくなってしまう。従って、減速度Δklが大きくなるほど空燃比のばらつきを考慮して空燃比相関値の変動量ΔA/Fを大きくなるように補正する必要がある。これによって、図14の空燃比相関値の変動量補正係数Δkl3のマップに示すように、減速度Δklが大きくなるほど空燃比相関値の変動量補正係数Δkl3を大きくする。空燃比相関値の変動量補正係数Δkl3が空燃比相関値の変動量ΔA/Fに乗じられることによって、空燃比相関値の変動量ΔA/Fを大きく補正する。これによって、減速度Δklの増加による空燃比のばらつきの増加に影響されることなく吸気弁傘部温度tinが78℃を超えたか否かの判定を行う事ができる。
次いで、ステップ933に進みECU29は空燃比相関値の変動量ΔA/Fに空燃比相関値の変動量補正係数Δkl3を乗じることによって空燃比相関値の変動量ΔA/Fを補正する。
次いで、ECU29は、ステップ934に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinが「1」である否か(即ち吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度未満であるか否か)を判定する。ECU29がステップ934において、「Yes」と判定した(即ち吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度未満である)場合、ECU29はステップ935に進む。
次いで、ECU29は、ステップ935にステップ933における補正後の空燃比相関値の変動量ΔA/Fが第3所定値γよりも大きいか否かを判定する。ECU29が、ステップ935において「Yes」と判定した場合には、吸気弁傘部温度tinは78℃に達しているとして、ステップ936に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinを「0」に設定する。次いで、ECU29はステップ995に進み本ルーチンを一旦終了する。
一方、ECU29が、ステップ935において「No」と判定した場合には、吸気弁傘部温度tinは78℃に達していないと判定される。次いで、ECU29はステップ937に進み吸気弁傘部温度判定フラグXtinを「1」に設定する。次いで、ECU29はステップ995に進み本ルーチンを一旦終了する。
これによれば、図8(b)に示すように、始動時冷却水温THWSと積算吸入空気量TGaとに基づいて吸気弁傘部温度tinを推定した場合、高回転域での運転が多用される等の実際の吸気弁傘部温度tinの上昇が早い状況においては(図8(b)における点線)、吸気弁傘部温度増量補正係数kinの変更が遅れることにより空燃比がずれる可能性がある。一方、アイドル放置される等の実際の吸気弁傘部温度tinの上昇が遅い状況においては(図8(b)における一点鎖線)、吸気弁傘部温度増量補正係数kinの変更が早まることにより空燃比がずれる可能性がある。これに対して、減速時において、減速度がΔklだけ変化した際に空燃比相関値の変動量ΔA/Fが第3所定値γよりも大きい場合には吸気弁傘部温度Xtinを78℃に設定する。さらに、減速度Δklが大きいほど空燃比相関値の変動量ΔA/Fを大きな値に補正する事によって減速度Δklの増加による空燃比のばらつき増加の影響を排除する事ができる。これによって、吸気弁傘部温度tinの推定がより正確に行われる。この結果、図8(b)の矢印で示すように、吸気弁傘部温度増量補正係数kinはより正確な値に設定される。この結果、同様の条件でガソリンエンジンと同じ燃料の各増量補正を行う制御を行った場合に比べて混合気がオーバーリッチになるのを抑制することができる。この結果、エンジンの運転性の悪化を抑制すると共に燃費及びエミッションの悪化を抑制する事ができる。
このように、本制御装置は、
所定の燃料成分を含む燃料を使用する内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射手段(燃料噴射弁21)と、
前記内燃機関の機関運転温度相関値(吸気弁傘部温度tin)を演算により求める温度演算手段(図2のステップ205、250及び255等)と、
前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値を参照し前記内燃機関の制御パラメータの指令値(燃料増量量fwl、吸気弁傘部増量補正係数kin及び加速増量補正係数fmw等)を制御する制御手段(図2のステップ235、240及びステップ265等)と、
前記内燃機関より排出された排気の空燃比相関値を検出する空燃比相関値検出手段(排出ガスセンサ24、図9のステップ911、921及び931)と、
前記空燃比相関値検出手段によって検出された前記空燃比相関値(空燃比相関値の変動量ΔA/F)に基づいた前記機関運転温度相関値が前記所定の燃料成分の沸点(エタノールの沸点温度:78℃)近傍の温度となる所定の温度以上であるか否かを診断する診断手段(図9のステップ913、925及び935)と、
該診断手段によって前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上であると判断された場合には、前記温度演算手段によって演算された前記機関運転温度相関値に関らず、前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上である場合の前記制御パラメータの指令値に変更する制御パラメータ変更手段(図2のステップ260、280及びステップ285、図9の914及び915等)と、
を備える。
排気ガス中の有害成分の増加が抑制され、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める等の工夫が必要なくなる。
このように、本制御装置は、
所定の燃料成分を含む燃料を使用する内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射手段(燃料噴射弁21)と、
前記内燃機関の機関運転温度相関値(吸気弁傘部温度tin)を演算により求める温度演算手段(図2のステップ205、250及び255等)と、
前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値を参照し前記内燃機関の制御パラメータの指令値(燃料増量量fwl、吸気弁傘部増量補正係数kin及び加速増量補正係数fmw等)を制御する制御手段(図2のステップ235、240及びステップ265等)と、
前記内燃機関より排出された排気の空燃比相関値を検出する空燃比相関値検出手段(排出ガスセンサ24、図9のステップ911、921及び931)と、
前記空燃比相関値検出手段によって検出された前記空燃比相関値(空燃比相関値の変動量ΔA/F)に基づいた前記機関運転温度相関値が前記所定の燃料成分の沸点(エタノールの沸点温度:78℃)近傍の温度となる所定の温度以上であるか否かを診断する診断手段(図9のステップ913、925及び935)と、
該診断手段によって前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上であると判断された場合には、前記温度演算手段によって演算された前記機関運転温度相関値に関らず、前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上である場合の前記制御パラメータの指令値に変更する制御パラメータ変更手段(図2のステップ260、280及びステップ285、図9の914及び915等)と、
を備える。
排気ガス中の有害成分の増加が抑制され、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める等の工夫が必要なくなる。
また、前記制御パラメータ変更手段は、
前記診断手段によって前記機関運転温度相関値が所定の温度以上であると診断された場合には、前記制御手段にて制御する際に参照する前記機関運転温度相関値に代わり、前記機関運転温度相関値を前記所定の温度に補正した補正後の前記機関運転温度相関値に応じた前記制御パラメータの指令値に変更する(図2のステップ260、280及びステップ285、図9の914及び915等)。
前記診断手段によって前記機関運転温度相関値が所定の温度以上であると診断された場合には、前記制御手段にて制御する際に参照する前記機関運転温度相関値に代わり、前記機関運転温度相関値を前記所定の温度に補正した補正後の前記機関運転温度相関値に応じた前記制御パラメータの指令値に変更する(図2のステップ260、280及びステップ285、図9の914及び915等)。
また、前記温度演算手段によって演算される前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上となった場合には、前記制御パラメータ変更手段は前記診断手段の診断結果に関らず前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値を参照し前記内燃機関の制御パラメータの指令値を制御する(図2のステップ260及び265等)。
また、前記温度演算手段は、
前記内燃機関の冷却水温を取得する冷却水温取得手段(冷却水温センサ26、図2のステップ205及び210)と、
前記内燃機関の吸気通路から吸入される吸入空気量を取得する吸入空気量取得手段(エアフローメータ14、図2のステップ215及びステップ250)と、を含み、
前記温度演算手段は、
前記冷却水温取得手段よって前記内燃機関の始動時の冷却水温である始動時冷却水温を取得し(冷却水温センサ26、図2のステップ205)、
前記吸入空気量取得手段によって取得される前記吸入空気量を前記内燃機関の始動時から積算することによって積算吸入空気量を取得し(エアフローメータ14、図2のステップ250等)、
前記積算吸入空気量及び前記始動時冷却水温に基づいて前記内燃機関の温度及びその相関値を演算により求める(図2のステップ255)。
また、前記温度演算手段は、
前記内燃機関の冷却水温を取得する冷却水温取得手段(冷却水温センサ26、図2のステップ205及び210)と、
前記内燃機関の吸気通路から吸入される吸入空気量を取得する吸入空気量取得手段(エアフローメータ14、図2のステップ215及びステップ250)と、を含み、
前記温度演算手段は、
前記冷却水温取得手段よって前記内燃機関の始動時の冷却水温である始動時冷却水温を取得し(冷却水温センサ26、図2のステップ205)、
前記吸入空気量取得手段によって取得される前記吸入空気量を前記内燃機関の始動時から積算することによって積算吸入空気量を取得し(エアフローメータ14、図2のステップ250等)、
前記積算吸入空気量及び前記始動時冷却水温に基づいて前記内燃機関の温度及びその相関値を演算により求める(図2のステップ255)。
前記制御手段は、
前記内燃機関の始動時及び/又は暖気時に前記燃料噴射手段により噴射される燃料噴射量を前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値に応じて増量する燃料噴射量増量手段(図2のステップ235、240及び245等)により構成される。
前記内燃機関の始動時及び/又は暖気時に前記燃料噴射手段により噴射される燃料噴射量を前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値に応じて増量する燃料噴射量増量手段(図2のステップ235、240及び245等)により構成される。
以上のように、第一装置によれば、吸気弁傘部温度がエタノールの沸点温度(78℃)を超えると吸気ポート、吸気弁及び燃焼室等に付着している燃料のエタノール成分や吸気と混合されミキシングされている燃料のエタノール成分は全て蒸発する。これに対して、図8の吸気弁傘部温度増量補正係数kinのマップに示すように、吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度近傍のある温度以上である場合には、エタノール濃度Eが高いほど吸気弁傘部温度増量補正係数kinを小さく設定するように吸気弁傘部温度増量補正係数kinの変更を行う。これによって、燃料噴射量TAUの増量量を減少させることにより、同様の条件でガソリンエンジンと同じ燃料の燃料増量補正を行う制御を行った場合に比べて混合気がオーバーリッチになるのを抑制することができる。この結果、排気系に備えた後処理装置で浄化できる排気浄化可能空燃比からずれることによる排気ガス中の有害成分の増加が抑制され、排気浄化をする後処理装置の浄化能力を高める等の工夫が必要なくなる。
さらに、図8(b)に示すように、始動時冷却水温THWSと積算吸入空気量TGaとに基づいて吸気弁傘部温度tinを推定した場合、高回転域での運転が多用される等の実際の吸気弁傘部温度tinの上昇が早い状況においては(図8(b)における点線)、吸気弁傘部温度増量補正係数kinの変更が遅れることにより空燃比がずれる可能性がある。一方、アイドル放置される等の実際の吸気弁傘部温度tinの上昇が遅い状況においては(図8(b)における一点鎖線)、吸気弁傘部温度増量補正係数kinの変更が早まることにより空燃比がずれる可能性がある。これに対して、定常運転時、加速時または減速時において空燃比相関値の変動量ΔA/Fが所定値よりも大きくなった場合には、始動後冷却水温THWSと始動後積算吸入空気量TGaとによって推定される吸気弁傘部温度tinに応じた吸気弁傘部温度増量補正係数kinの設定に変わり、吸気弁傘部温度tinがエタノールの沸点温度以上であるとして吸気弁傘部温度増量補正係数kinを設定する。これによって、吸気弁傘部温度tinが沸点温度以上となることによってエタノールの蒸発率が急激に高くなったか否かを精度良く判定する事ができる。
なお、本発明の実施形態においてはガソリンに混合する成分としてエタノールを用いているが、メタノール等の他のアルコールを使用してもよく、またアルコール以外の単一燃料を用いてもよい。さらに、アルコール濃度が100%である燃料に適用してもよい。
また、本願の実施形態においてはポート噴射式によって燃焼室に燃料を供給しているが、直噴式によって直接燃焼室に燃料を供給してもよい。
また、本願の実施形態においては、吸気系温度として吸気弁傘部温度tinを始動時冷却水温THWSと積算吸入空気量TGaに基づいて推定または演算したが、この技術に代わって吸気系温度を単に水温等の温度センサの出力値から推定または演算するものであってもよい。また、本願の実施形態においては、吸気弁傘部温度tinに基づいて吸気ポート、吸気弁及び燃焼室等に基づいて混合燃料に含まれる所定の燃料成分の蒸発率が急激に高まったか否かを判定したが、吸気ポート温度、燃焼室内温度及び圧縮端温度等に基づいて判定を行ってもよい。
また、本願の実施形態においては、空燃比の空燃比相関値の変動量ΔA/Fは排出ガスセンサから出力される空燃比と目標空燃比abfrefとの差として算出されたが、今回測定時の空燃比と前回測定時の空燃比の変動値として算出する等、別の空燃比相関値の変動量を検出する手段を採用してもよい。
また、所定の燃料成分とはエタノール等のガソリンに含まれる燃料成分であってもよく、燃焼する事によって内燃機関が仕事をするのに寄与するものであればガソリンに含まれていない燃料成分であっても良い。また、所定の燃料成分を含む燃料とは、エタノールのみを含む等の単一燃料成分から構成されるものであってもよく、また複数の燃料成分を含むものであってもよい。
11…内燃機関、12…吸気管、16…スロットルバルブ、19…噴射ノズル、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、24…排出ガスセンサ、26…冷却水温センサ、29…ECU、30…燃料タンク、37…アルコール濃度センサ、
Claims (5)
- 所定の燃料成分を含む燃料を使用する内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射手段と、
前記内燃機関より排出された排気の空燃比相関値を検出する空燃比相関値検出手段と、
前記内燃機関の機関運転温度相関値を前記空燃比とは無関係に演算により求める温度演算手段と、
前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値を参照し前記内燃機関の制御パラメータの指令値を制御する制御手段と、
前記空燃比相関値検出手段によって検出された前記空燃比相関値に基づいて前記機関運転温度相関値が前記所定の燃料成分の沸点近傍の温度となる所定の温度以上であるか否かを診断する診断手段と、
該診断手段によって前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上であると診断された場合には、前記温度演算手段によって演算された前記機関運転温度相関値に関らず、前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上である場合の前記制御パラメータの指令値に変更する制御パラメータ変更手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
前記制御パラメータ変更手段は、
前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値が所定の温度以上であると前記診断手段によって診断された場合には、前記制御手段にて制御する際に参照する前記機関運転温度相関値に代えて、前記機関運転温度相関値を前記所定の温度に補正した補正後の前記機関運転温度相関値に応じた前記制御パラメータの指令値に変更する、
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1または2記載の内燃機関の制御装置において、
前記温度演算手段によって演算される前記機関運転温度相関値が前記所定の温度以上となった場合には、前記制御パラメータ変更手段は前記診断手段の診断結果に関らず前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値に応じた前記制御パラメータの指令値に変更する、
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、
前記温度演算手段は、
前記内燃機関の冷却水温を取得する冷却水温取得手段と、
前記内燃機関の吸気通路から吸入される吸入空気量を取得する吸入空気量取得手段と、を含み、
前記温度演算手段は、
前記冷却水温取得手段よって前記内燃機関の始動時の冷却水温である始動時冷却水温を取得し、
前記吸入空気量取得手段によって取得される前記吸入空気量を前記内燃機関の始動時から積算することによって積算吸入空気量を取得し、
前記積算吸入空気量及び前記始動時冷却水温に基づいて前記内燃機関の温度またはその相関値を演算により求める、
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1から4いずれかに記載の内燃機関の制御装置において、
前記制御手段は、
前記内燃機関の始動時及び/又は暖気時に前記燃料噴射手段により噴射される燃料噴射量を前記温度演算手段により求められた前記機関運転温度相関値に応じて増量する燃料噴射量増量手段により構成される、
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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