JP3968902B2 - 点火時期制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関においては、各シリンダ内の混合気への点火時期を制御する点火時期制御が行われるのが一般的となっている。点火時期制御における点火時期の補正には、触媒暖機遅角補正、アイドル安定化補正やその他のものがある。触媒暖機遅角補正は、点火時期を遅角させることによって排気ガスの温度を上昇させ、排気浄化触媒の温度をより早期に活性温度などに昇温させるためのものである。
【0003】
アイドル安定化補正は、点火時期を進角又は遅角させてエンジンの出力を調整し、アイドル時のエンジン回転数を安定化させるためのものである。点火時期補正を行うことによってエンジンのアイドル回転数を安定化させるものとしては、特開昭57-83665号公報、特開昭58-59371号公報、特開昭62-294771号公報や特開平2-259279号公報に記載のものなどが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
触媒の暖機を行うために上述した触媒暖機補正を行って点火時期に対して遅角補正を行っている状態で、アイドル回転を安定させるために上述したアイドル安定化補正をさらに行う場合がある。このとき、様々な条件が重なると、両者の補正によって点火時期の補正が過補償されてしまい、かえってアイドル回転が安定しないという場合があった。これについて以下、簡単に説明する
【0005】
点火時期制御によるアイドル回転の安定化は、上述したように、点火時期をある範囲内で進角又は遅角させることによって出力を調整してアイドル回転数を目標回転数に一致させる制御である。ここで、図7に示されるように、エンジンが通常の運転状態にある場合、その点火時期はMBT(Minimum spark advance for Best Torque:エンジンが最大トルクを出す点火時期)に近い位置にあり、アイドル安定化補正による点火時期の補正範囲Aに対応するエンジンの出力の変動幅はaである。
【0006】
しかし、触媒暖機遅角補正を行っている遅角側で同様のアイドル安定化制御を行うと、補正範囲Aに対してエンジンの出力の変動幅はbとなる。即ち、暖機遅角補正が行われている状態では、アイドル安定化補正による出力の変動幅bが大きくなるので、かえって出力を変動させ過ぎてアイドル回転が安定しなくなる場合がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、触媒暖機遅角補正とアイドル回転安定化補正とを両立させ、アイドル回転を確実に安定化させることのできる点火時期制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の点火時期制御装置は、点火時期を遅角させて排気浄化触媒を昇温させるための補正遅角量を決定する触媒暖機遅角手段と、アイドル回転数を目標回転数に一致させるように点火時期を進角又は遅角させてアイドル回転数を安定化させるための補正進遅角量を決定するアイドル安定化進遅角手段とを備えており、アイドル安定化進遅角手段が、触媒暖機遅角手段による点火時期の補正遅角量に応じて、その補正進遅角量を変更することを特徴としている。
【0009】
本発明の点火時期制御装置によれば、触媒暖機補正遅角量に応じて、アイドル安定化補正による補正進遅角量を変更するようにしてあるため、触媒暖機遅角補正によって点火時期が遅角側とされても、アイドル安定化補正の補正進遅角量の範囲を変更でき、アイドル回転の安定化に際して過補償することがない。この結果、触媒暖機遅角補正とアイドル安定化進遅角補正とを高次元に両立することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の点火時期制御装置の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
本実施形態の点火時期制御装置は、図1に示されるように、内燃機関であるエンジン1の点火プラグ2の点火時期を制御するものであり、点火プラグ2は各シリンダ3に一つずつ取り付けられている。外部から吸入した空気は吸気通路4を通り、インジェクター5から噴射された燃料と混合され、混合気としてシリンダ3内に吸気される。シリンダ3の内部と吸気通路4との間は、吸気バルブ6によって開閉される。シリンダ3の内部で燃焼された混合気は、排気ガスとして排気通路7に排気される。シリンダ3の内部と排気通路7との間は、排気バルブ8によって開閉される。
【0012】
吸気通路4上には、シリンダ3内に吸入される吸入空気量を調節するスロットルバルブ9が配設されている。このスロットルバルブ9には、その開度を検出するスロットルポジションセンサ10が接続されている。また、吸気通路4上には、アイドル時(スロットルバルブ9の全閉時)にバイパス通路11を介してシリンダ3に供給される吸入空気量を調節するエアバイパスバルブ12も配されている。さらに、吸気通路4上には、吸気管負圧を検出するバキュームセンサ13も取り付けられている。
【0013】
エンジン1のクランクシャフト近傍には、クランクシャフトの位置を検出するクランクポジションセンサ14が取り付けられている。クランクポジションセンサ14の出力結果からは、シリンダ3内のピストン15の位置や、エンジン1の回転数を知ることができる。エンジン1には、エンジン1のノッキングを検出するノックセンサ16や冷却水温度を検出する水温センサ17も取り付けられている。
【0014】
これらの点火プラグ2、インジェクター5、スロットルポジションセンサ10、エアバイパスバルブ12、バキュームセンサ13、クランクポジションセンサ14、ノックセンサ16、水温センサ17やその他のセンサ類は、電子制御ユニット(ECU)18と接続されており、ECU18からの信号に基づいて制御され、あるいは、検出結果をECU18に対して送出している。ECU18には、アクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ19や、排気浄化触媒20の温度を測定する触媒温度センサ21も接続されている。
【0015】
なお、正確には、点火プラグ2はイグナイタ及びイグニッションコイル(図示せず)と接続されており、イグナイタ及びイグニッションコイルがECU18に接続されている。そして、イグナイタ及びイグニッションコイルがECU18からの点火信号に基づいて点火プラグ2を点火させる。
【0016】
ECU18は、触媒温度センサ21の検出結果に基づいて排気浄化触媒20がその浄化機能を発揮する活性温度に達しているか否かを判断し、触媒温度が活性温度に達していないときは点火時期を遅角させる。点火時期が遅角されることによって排気ガス温度が上昇されて排気浄化触媒20が昇温される。即ち、ECU18は、触媒温度センサ21などと共に触媒暖機遅角手段として機能する。
【0017】
また、ECU18は、スロットルポジションセンサ10、バキュームセンサ13、クランクポジションセンサ14、アクセルポジションセンサ19などと共に、アイドル安定化進遅角手段としても機能する。即ち、ECU18は、スロットルポジションセンサ10やアクセルポジションセンサ19の検出結果からエンジン1がアイドル状態であると判定した場合は、バキュームセンサ13によって検出した吸気管負圧などから目標エンジン回転数を算出する(バキュームセンサではなくエアフロメータを吸気通路4上に配設し、この出力などから算出する場合もある)。
【0018】
これと並行して、ECU18は、クランクポジションセンサ14によって実際のエンジン回転数(実エンジン回転数)も検出し、実エンジン回転数が目標エンジン回転数となるように、点火時期をある一定の範囲で進角又は遅角させる。点火時期を進角又は遅角させることによって、エンジンの出力が調整され、アイドル回転が安定する。実エンジン回転数が目標エンジン回転数より低い場合は進角を行い、実エンジン回転数が目標エンジン回転数より高い場合は遅角を行う。
【0019】
なお、上述したアイドル回転数を安定化させる制御は、特に点火時期に注目したものであるが、これと並行してアイドル時の吸入空気量を制御することによってアイドル回転を安定させる制御も並行して行われる。このとき制御されるのは、吸入空気量でありエアバイパスバルブ12の開度を調節する。また、アイドル時にインジェクター5から噴射される燃料量を制御することによってアイドル回転を安定させる制御も並行して行われる。このとき制御されるのは、燃料噴射量でありインジェクター5の開弁時間を調節する。
【0020】
次に、上述した点火時期制御装置によってアイドル安定化補正の補正遅角量K1を決定する制御について説明する。
【0021】
まず、ECU18などによってエンジン1の点火時期が決定されるときの基本的行程を簡単に説明する。
【0022】
点火時期は、以下の式(I)に基づいて決定される。
点火時期=初期セット点火時期+基本進(遅)角度+補正進(遅)角度…(I)
ここで、初期セット点火時期は、エンジン始動時にはBTDC5°(ピストン15の位置が上死点前5°)に固定され、冷却水温度が設定値以上の場合にはATDC5°(ピストン15の位置が上死点後5°)に固定されている。この初期セット点火時期を、エンジン1の負荷状態を考慮した基本進(遅)角度や各種補正のための補正進(遅)角度によって補正して、最終的な点火時期を決定する。
【0023】
基本進角度は、バキュームセンサ13(エアフロメータ)などの検出結果に基づいて、そのときのエンジン負荷に応じてマップから決定される。一方、補正進角度は、種々の補正を合わせたもので、これらの種々な補正のうち主なものとしては、上述した触媒暖機補正やアイドル安定化補正のほか、暖機進角補正や過渡遅角補正、フューエルカット復帰時遅角補正、加速時遅角補正、ノッキング抑制補正などがある。
【0024】
暖機進角補正は、冷間始動時のエンジンの暖機運転を安定して行うための補正である。エンジン1が冷えた状態であると、混合気に着火しにくかったりシリンダ3内での火炎伝播が遅くなる傾向があり、エンジン1の回転が安定しない。そこで、点火時期を進角させて混合気への点火や火炎伝播が遅れないようにし、エンジン1を暖機する暖機運転が安定的に行われるようにする。
【0025】
過渡遅角補正は、冷却水温が所定値以上の急加速時に、点火時期を遅角させてノッキングを防止するものである。フューエルカット復帰時遅角補正は、フューエルカット復帰時に、点火時期を遅角させてショックを軽減するものである。加速時遅角補正は、加速時に一時的に点火時期を遅角させて運転性の向上を図るものである。
【0026】
ノッキング抑制補正は、ノッキングが発生するとノッキングが発生しなくなるまで点火時期を遅角させ、ノッキングが発生していないときはノッキングが発生する直前まで点火時期を進角させるものである。ノッキングが発生していないときに点火時期をノッキングが発生する直前まで進角させるのは、ノッキングが発生するノッキング領域の直前に上述した出力トルクが最大となる点火時期MBTがあるからである。
【0027】
上述したように式(I)に基づいて、最終的な点火時期を決定すのであるが、以下には、説明を簡単にするために触媒暖機遅角補正及びアイドル安定化進遅角補正のみに着目して、本実施形態の点火時期制御装置による点火時期の制御について以下に説明する。なお、以下の説明中、(I)式の最後の項の補正進角度については、触媒暖機遅角補正とアイドル安定化進遅角補正とについてのみ説明するが、上述した他の補正も同時に適用可能であることは言うまでもない。
【0028】
ECU18には、触媒温度センサ21によって検出された排気浄化触媒20の温度が一定時間毎に取り込まれており、ECU18は触媒温度センサ21の検出結果及びその他の車輌状態量から排気浄化触媒20の昇温が必要であるか否かを判定する。ECU18は、排気浄化触媒20の昇温が必要であると判定すると、排気浄化触媒20の現在の温度と目標とする温度との差などから、上述した触媒暖機補正のための触媒暖機遅角量を決定する。これらの判定及び決定は、ECU18内のROMに格納されたプログラムによって一定時間毎に繰り返し行われる。
【0029】
一方、上述した触媒暖機遅角量の決定に続いて、アイドル安定化補正のための点火時期補正量(以下、補正遅角量K1とも言う、補正遅角量K1が負の値をとれば、実際の補正は進角となる)を決定する。この補正遅角量K1を決定するプログラムもECU18内のROMに格納されており、エンジン1がアイドル運転を行っている間は、一定時間毎に繰り返し行われる。補正遅角量K1を決定するためのフローチャートを図2に示す。
【0030】
まず、決定された触媒暖機遅角量を読み取る(ステップ100)。触媒温度センサ21によって検出された排気浄化触媒20の温度が低いほど、触媒暖機遅角量は大きくなる。次に、バキュームセンサ13などの検出結果を基に算出された目標エンジン回転数と、クランクポジションセンサ14の検出結果から算出された実エンジン回転数との差Δneを計算する(ステップ110)。
【0031】
読み取った触媒暖機遅角量と計算したΔneとに基づいて、ECU18のROM内に格納された図3に示されるマップを検索し、補正遅角量K1を求め(ステップ120)、アイドル安定化補正の点火時期補正量として補正遅角量K1をセットする(ステップ130)。ECU18は、セットされた補正遅角量K1に基づいて、最終的な点火時期を式(I)に基づいて算出し、イグナイタに対して点火信号を送出する。
【0032】
図3に示されるように、例えば、触媒暖機遅角量が5°CAであり、実エンジン回転数が目標回転数よりも50rpm高い(Δne=-50)場合、アイドル安定化補正のための補正遅角量K1は、4.0°CAとなる。即ち、このときは、アイドル安定化補正のために4.0°CAの遅角補正が行われ、触媒暖機遅角補正の触媒暖機遅角量が5°CAであるから、アイドル安定化補正と触媒暖機遅角補正とで合計9.0°CAの遅角補正が行われる。なお、触媒暖機遅角量が0°CAとは、触媒暖機遅角補正が行われていないということである。
【0033】
また、図3から分かるように、触媒暖機遅角量が大きくなるにつれて、アイドル安定化補正の補正遅角量K1の制御幅は小さくなる。このようにすることによって、図4に示されるように、触媒暖機遅角補正の実行時にアイドル安定化補正によるエンジン1の出力の変動幅a’が、触媒暖機遅角補正の非実行時の変動幅aとほぼ等しくなる。
【0034】
この結果、触媒暖機遅角量がどのような値をとっているかに関わらず、アイドル安定化補正によるエンジン1の出力の変動範囲はほぼ等しくなり、触媒暖機遅角補正とアイドル安定化補正とによって点火時期の補正が過補償されることが無くなる。これによって、触媒暖機補正によって排気浄化触媒20を昇温させつつ、アイドル回転数を安定させることができる。
【0035】
次に、本発明の点火時期制御装置の第二実施形態について説明する。
【0036】
本発明の点火時期制御装置の構成は、上述した第一実施形態のものと同様であるため、その説明を省略する。
【0037】
上述したように点火時期は式(I)によって決定されるが、式(I)の最後の項の補正進角度には触媒暖機遅角補正やアイドル安定化補正以外の補正も含まれる。即ち、冷間始動直後のアイドル時などには、エンジン1の暖機運転を安定化させるための暖機進角補正も行われ得る(上で述べた他の補正は冷間始動直後のアイドル時には実施されないものである)。第一実施形態では、触媒暖機遅角量がどのような値であってもアイドル安定化補正によるエンジン1の出力の変動幅がほぼ同じ幅となるように、アイドル安定化補正による点火時期の制御幅を可変制御した。
【0038】
しかし、上述した暖機進角補正による点火時期の進角が行われると、アイドル安定化補正による点火時期の制御幅を可変制御したとしても、暖機進角補正によってアイドル安定化補正によるエンジン1の出力の変動幅が大きくなってしまう。そこで、暖機進角補正が行われている場合は、暖機進角補正を相殺するような成分をアイドル安定補正の補正遅角量Kに持たせたのが本実施形態である。
【0039】
本実施形態においては、アイドル安定化補正による点火時期の補正値は、補正遅角量K=補正遅角量K1+補正遅角量K2として得られる。補正遅角量K1は、上述した第一実施形態における補正遅角量K1と同一のものであり、補正遅角量K2が、暖機進角補正を相殺するための成分である。暖機進角補正量は、エンジン1の冷却水温に基づいてその進角量が決定されるので、補正遅角量K2は、これを相殺するようにエンジン1の冷却水温に基づいて決定される。補正遅角量Kを決定するためのフローチャートを図5に示す。
【0040】
図5に基づいて、本実施形態の点火時期制御装置によるアイドル安定化補正の補正遅角量Kを決定する制御について説明するが、その前半部分は上述した第一実施形態の制御と同一であるため、同一のステップ番号を伏してその詳しい説明を省略する。
【0041】
第一実施形態のステップ120までが行われて補正遅角量K1が決定された後、水温センサ17で検出された冷却水温がECU18によって読み取られる(ステップ140)。ECU18においては、ROM内に格納された図6に示されるマップを検索し、検出された冷却水温に応じて補正遅角量K2が決定される(ステップ150)。補正遅角量K2は、水温が低いほど大きく、即ち、暖機進角補正によって大きく進角される補正量を相殺するようにされている。冷却水温が十分暖まっていれば(50℃以上)暖機進角補正は行われていないので、補正遅角量K2も当然0(ゼロ)となる。
【0042】
次いで、K=K1+K2から補正遅角量Kを計算し(ステップ160)、アイドル安定化補正の点火時期補正量として補正遅角量Kをセットする(ステップ170)。ECU18は、セットされた補正遅角量Kに基づいて、最終的な点火時期を式(I)に基づいて算出し、イグナイタに対して点火信号を送出する。
【0043】
このように、アイドル安定化補正による点火時期の補正量を、触媒暖機補正の補正遅角量にのみ応じて可変制御させずに、触媒暖機補正の補正遅角量と他の制御量との双方に基づいて可変制御しても良い。本実施形態の場合は、エンジン1の暖機運転安定化のために暖機進角補正が行われた場合であっても、アイドル安定化補正によって変動するエンジン出力の範囲はほぼ等しくなり、触媒暖機遅角補正とアイドル安定化補正とによって点火時期の補正が過補償されることが無くなる。これによって、触媒暖機補正によって排気浄化触媒20を昇温させつつ、アイドル回転数を安定させることができる。
【0044】
なお、本発明の点火時期制御装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態においては、図3に示されるように、触媒暖機遅角量を四段階、Δneを五段階としているが、これらの段階をより多くしても良いし、マップではなく演算式によって補正遅角量K1を求めるようにしても良い。
【0045】
また、上述した実施形態では、排気浄化触媒20の温度が低く、この排気浄化触媒20をより早期に活性温度にまで昇温させる場合で説明したが、触媒暖機遅角補正手段は、他の理由により排気浄化触媒20を昇温させる場合にも用いられ得る。例えば、排気浄化触媒20が窒素酸化物NOxや硫黄酸化物SOxによって被毒した場合に、こららの被毒から回復させる場合に排気浄化触媒20を昇温させる場合などである。
【0046】
【発明の効果】
本発明の点火時期制御装置においては、触媒暖機補正遅角量に応じて、アイドル安定化補正による補正進遅角量を変更するようにしてあるため、触媒暖機遅角補正によって点火時期が遅角側とされても、アイドル安定化補正の補正進遅角量の範囲を変更でき、アイドル回転の安定化に際して過補償することがない。この結果、触媒暖機遅角補正とアイドル安定化進遅角補正とを高次元に両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の点火時期制御装置の構成を示す断面図である。
【図2】第一実施形態の装置によるアイドル安定化の補正遅角量K1を決定する制御のフローチャートである。
【図3】第一実施形態の装置における補正遅角量K1のマップである。
【図4】第一実施形態の装置における点火時期とエンジン出力との関係を示すグラフである。
【図5】第二実施形態の装置によるアイドル安定化の補正遅角量Kを決定する制御のフローチャートである。
【図6】第二実施形態の装置における冷却水温-補正遅角量K2のマップである。
【図7】従来の装置における点火時期とエンジン出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…エンジン、2…点火プラグ、3…シリンダ、4…吸気通路、5…インジェクタ、6…吸気バルブ、7…排気通路、8…排気バルブ、9…スロットルバルブ、10…スロットルポジションセンサ、13…バキュームセンサ、14…クランクポジションセンサ、15…ピストン、16…ノックセンサ、17…水温センサ、18…ECU、19…アクセルポジションセンサ、20…排気浄化触媒、21…触媒温度センサ。
Claims (4)
- 点火時期を遅角させて排気浄化触媒を昇温させるための補正遅角量を決定する触媒暖機遅角手段と、
アイドル回転数を目標回転数に一致させるように点火時期を進角又は遅角させてアイドル回転数を安定化させるための補正進遅角量を決定するアイドル安定化進遅角手段とを備えており、
前記アイドル安定化進遅角手段が、前記触媒暖機遅角手段による点火時期の補正遅角量に応じて、その補正進遅角量を変更し、
前記触媒暖機遅角手段による補正遅角量が大きいほど、前記アイドル安定化進遅角手段による補正進遅角量の補正範囲が狭くなることを特徴とする点火時期制御装置。 - 点火時期を遅角させて排気浄化触媒を昇温させるための補正遅角量を決定する触媒暖機遅角手段と、
アイドル回転数を目標回転数に一致させるように点火時期を進角又は遅角させてアイドル回転数を安定化させるための補正進遅角量を決定するアイドル安定化進遅角手段とを備えており、
前記アイドル安定化進遅角手段は、前記触媒暖機遅角手段により決定された前記補正遅角量、および、前記目標回転数と実エンジン回転数との偏差に基づいて、前記補正進遅角量を決定し、
前記触媒暖機遅角手段による補正遅角量が大きいほど、前記アイドル安定化進遅角手段による補正進遅角量の補正範囲が狭くなることを特徴とする点火時期制御装置。 - 冷間始動直後のアイドル時にエンジンの暖機運転を安定化させるためのエンジン暖機補正進角量を決定するエンジン暖機進角手段と、
エンジンの冷却水温を検出する冷却水温検出手段と、
点火時期を遅角させて前記エンジン暖機補正進角量を相殺するための相殺補正遅角量を決定する相殺遅角手段とをさらに備えており、
前記相殺遅角手段が、前記冷却水温検出手段によって検出された冷却水温に応じて、前記相殺補正遅角量を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の点火時期制御装置。 - 前記相殺遅角手段が、前記冷却水温検出手段によって検出された冷却水温が低いほど、前記相殺補正遅角量を大きく決定することを特徴とする請求項3に記載の点火時期制御装置。
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