JP4777532B2 - ラベル装着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、瓶、ボトル等の被装着体にシュリンクラベルやストレッチラベル等の筒状のラベルを装着するためのラベル装着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
瓶やボトル等の胴部外周面に筒状のストレッチラベルを装着するラベル装着装置としては、複数の装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置があり、こういったロータリ型のラベル装着装置では、例えば、図12に示すように、筒状のストレッチラベルLに導入された閉成状態の開閉爪61を開成することによって、ストレッチラベルLを所定の開口状態に保持すると共に、クランプ部材62によって開閉爪61部分でストレッチラベルLを把持することでストレッチラベルLを開閉爪61に保持した状態で、ストレッチラベルLにボトルBを挿入した後、今度は、クランプ部材62によって挿入されたボトルB部分でストレッチラベルLを把持することでストレッチラベルLをボトルBに保持した状態で、開閉爪61をストレッチラベルLから抜き取ることによって、ボトルBにストレッチラベルLが装着されるようになっている。
【0003】
ところで、こういったラベル装着装置には、筒状のストレッチラベルLが連続的につながった状態でシート状に折り畳まれた長尺帯状のラベル形成基材を順次切断することで個別のストレッチラベルLを形成しながら供給するのが一般的であるので、各装着ヘッドには、折り畳まれた状態で供給されるシート状のストレッチラベルLを、閉成状態の開閉爪61に嵌挿するために、予備的に開口するラベル開口手段が設けられている。
【0004】
ラベル開口手段は、図13に示すように、シート状に折り畳まれた筒状のストレッチラベルLを把持する、先端の把持面に吸引部72を有する一対の揺動アーム71を備えており、同図(a)、(b)に示すように、この揺動アーム71によってストレッチラベルLの中央部を把持した後、その把持したストレッチラベルLを吸引部72によってそれぞれ吸引保持した状態で、同図(c)、(d)に示すように、揺動アーム71の把持面を相互に離間させることでシート状に折り畳まれたストレッチラベルLを筒状に開口させるようになっている。
【0005】
そして、このように、ラベル開口手段によって予備的に開口されたストレッチラベルLには、上述したように、閉成状態の開閉爪61が導入されることになるが、ラベル開口手段によるストレッチラベルLの開口作業は、ストレッチラベルLを所定の開口状態に保持するための開閉爪61を導入するために行うものであることから、従来は、予備的に開口されたストレッチラベルLに閉成状態の開閉爪61が導入された時点で、揺動アーム71の吸引動作を直ちに停止し、揺動アーム71によるストレッチラベルLの保持を解除していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、予備的に開口されたストレッチラベルLに閉成状態の開閉爪61が導入された時点で、揺動アーム71によるストレッチラベルLの保持を即座に解除すると、その時点で、ストレッチラベルLがある程度フリーな状態となり、導入された閉成状態の開閉爪61を中心として周方向にストレッチラベルLが動いたり、開閉爪61の突出方向にストレッチラベルLがずり上がったりするといった位置ずれを起こす可能性がある。
【0007】
特に、上述したように、シート状に折り畳まれた筒状のストレッチラベルLは、一旦開口したとしても、その折り癖によって、常時、元のシート状に復元しようとする、所謂、スプリングバック力が作用するので、そのスプリングバック力が作用する際、即ち、揺動アーム71によるストレッチラベルLの保持を解除した瞬間にストレッチラベルLが位置ずれを起こすことが多い。
【0008】
また、ストレッチラベルLを装着しようとするボトルBが円筒状の胴部を有している場合には、上述したような周方向のラベルの位置ずれは特に問題とならないが、角筒状の胴部を有する角形のボトルに筒状のシュリンクラベルを装着する場合は、ボトルに対するラベルの装着位置がある程度定められており、周方向に位置ずれした状態でラベルが装着されたボトルは不良品として分別しなければならないので、ラベル装着時に発生するこういったラベルの位置ずれを確実に阻止することが望まれている。
【0009】
そこで、この発明の課題は、シート状に折り畳まれた状態の筒状のラベルを、ラベル開口手段によって予備的に開口した後、その開口された筒状のラベルに導入された閉成状態の開閉爪を開成することで、筒状のラベルを所定の開口状態に保持する際、筒状のラベルが位置ずれを起こすことがなく、被装着体の所定の位置に確実に筒状のラベルを装着することのできるラベル装着装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、複数の装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置であって、シート状に折り畳まれた状態で前記装着ヘッドに供給される筒状のラベルをラベル開口手段によって予備的に開口した後、その内側に導入された閉成状態の開閉爪を開成することによって、筒状のラベルを所定の開口状態に保持しながらラベルに被装着体を挿入し、前記開閉爪をラベルから抜き取ることによって、被装着体にラベルを装着するようにしたラベル装着装置において、前記ラベル開口手段は、シート状に折り畳まれた筒状のラベルを把持すると共にそのラベルの把持面をそれぞれ吸引した後、ラベルの把持を解除して相互に離間することでラベルを予備的に開口すると共に、前記開閉爪によって所定の開口状態に開口された前記ラベルを、前記開閉爪との間に挟み込むように把持する、先端に吸引部を有する一対の揺動アームを備え、一対の前記揺動アームは、シート状に折り畳まれた状態のラベルを予備的に開口した後、そのラベルに導入された前記開閉爪が開成することによって、その開閉爪との間にラベルを挟み込んで保持するまでの間、ラベルに対する吸引動作を継続し、前記開閉爪との間にラベルを挟み込んだ状態で吸引を解除するようにしたのである。
【0011】
以上のように構成されたラベル装着装置では、シート状に折り畳まれた状態のラベルを揺動アームによって予備的に開口した後、そのラベルに導入された開閉爪が開成することによって、ラベルを所定の開口状態に保持する際、その開閉爪が揺動アームとの間にラベルを挟み込んで保持するまでの間、ラベルに対する揺動アームの吸引動作を継続し、開閉爪との間にラベルを挟み込んだ状態で吸引を解除するようにしているので、シート状に折り畳まれた状態から所定の開口状態に保持されるまでの間、ラベルが全くフリーな状態になることがなく、常時、揺動アームまたは開閉爪によって保持されているので、揺動アームの吸引動作を解除することによって、ラベルが位置ずれを起こすことがなく、被装着体の所定位置にラベルが確実に装着される。また、一対の揺動アームが、開閉爪によって所定の開口状態に開口されたラベルをクランプすることでラベルを開閉爪に保持するクランプ機能を備えているので、開閉爪によって所定の開口状態に開口されたラベルを開閉爪に保持するためのクランプ部材を別途設ける必要がなく、ラベルの開口機能と保持機能とを揺動アームによって実現することができるので、ラベル装着ヘッドひいては装置全体がさらにコンパクトになる。
【0012】
また、請求項2に係る発明のラベル装着装置のように、複数の装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置であって、シート状に折り畳まれた状態で前記装着ヘッドに供給される筒状のラベルを予備的に開口した後、その内側に導入された閉成状態の開閉爪を開成することによって、筒状の前記ラベルを所定の開口状態に保持しながら前記ラベルに被装着体を挿入し、前記開閉爪を前記ラベルから抜き取ることによって、前記被装着体に前記ラベルを装着するようにしたラベル装着装置において、シート状に折り畳まれた筒状の前記ラベルを把持すると共にそのラベルの把持面をそれぞれ吸引した後、前記ラベルの把持を解除して相互に離間することで前記ラベルを予備的に開口させる、先端に吸引部を有する一対の揺動アームを備えたラベル開口手段と、前記開閉爪によって所定の開口状態に開口された前記ラベルを、前記開閉爪との間に挟み込むように把持するラベル把持手段とを設け、前記揺動アームがシート状に折り畳まれた状態の前記ラベルを予備的に開口した後、そのラベルに導入された前記開閉爪が開成し、前記開閉爪との間に挟み込むように前記ラベル把持手段が前記ラベルを把持するまでの間、前記ラベル開口手段が前記ラベルに対する吸引動作を継続し、前記開閉爪との間にラベルを挟み込んだ状態で吸引を解除するようにしたものについても、シート状に折り畳まれた状態から把持アームが把持するまでの間は、ラベルが全くフリーな状態になることがないので、請求項1に係る発明のラベル装着装置と同様に、被装着体の所定位置にラベルを確実に装着することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、PETボトル(以下、ボトルという。)Bにポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等からなる熱収縮性フィルムによって形成された筒状のシュリンクラベル(以下、ラベルという。)Lを装着するためのラベル装着システム1を示しており、このラベル装着システム1は、ベルトコンベア7、スターホイール2a、スクリューコンベア2b及びスターホイール2cからなるボトル供給装置2と、基材繰出部3aによって基材ロールから繰り出された長尺のラベル形成基材Mを順次切断しながらラベルLを形成し、そのラベルLを第1のラベル受渡位置αに順次供給するラベル供給装置3と、このラベル供給装置3によって第1のラベル受渡位置αに供給されたラベルLを受け取って第2のラベル受渡位置βに搬送するラベル受渡装置4と、ボトル供給位置γにおいて前記ボトル供給装置2から供給されたボトルBを受け取り、ボトル送出位置δまで搬送すると共に、前記ラベル受渡装置4によって搬送されてきたラベルLを第2のラベル受渡位置βにおいて受け取り、ボトルBをボトル供給位置γからボトル送出位置δまで搬送する間に、ラベルLをボトルBに装着するロータリ型のラベル装着装置5と、このラベル装着装置5によってラベルLが装着されたボトルBを搬出する、スターホイール6a、スクリューコンベア6b及びベルトコンベア7からなるボトル搬送装置6とから構成されている。
【0014】
なお、前記ラベル形成基材Mは、ボトルBに装着する筒状のラベルLが連続的に繋がったものであり、前記基材繰出部3aにおいてはシート状に折り畳んだ状態でドラムに巻回されている。また、基材繰出部3aから繰り出されたシート状のラベル形成基材Mは、ボトルBにラベルLを装着する際に再び筒状に開きやすくするために、その供給途中において折り返すことで折り畳み位置を変化させるようにしている(図1参照)。
【0015】
前記ラベル装着装置5は、図1及び図2に示すように、回転軸(図示せず)から放射状に張り出した複数の支持アーム11、12を介して、回転軸を中心とした同心円上に一定間隔で取り付けられた多数のラベル装着ヘッド10を備えており、各ラベル装着ヘッド10によって、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLがボトルBの外径より大きく拡開され、この拡開されたラベルLが、ボトル供給位置γにおいて受け取ったボトルBがボトル送出位置δまで搬送される途中で、ボトルBの胴部に装着されるようになっている。
【0016】
前記ラベル装着ヘッド10は、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLを、ラベル装着レベルでボトルBの外径より大きく拡開するラベル拡開機構20と、ボトル供給位置γにおいて前記ラベル装着レベルの下方位置にある昇降台43に載置されたボトルBを、昇降台43を上昇させることによって、ラベル装着レベルにおいて拡開されたラベルLに挿入するボトル昇降機構40とから構成されている。
【0017】
前記ラベル拡開機構20は、図2に示すように、ラベル受渡装置4によって受け渡されるシート状に折り畳まれたラベルLを、昇降台43に載置されたボトルBの直上位置で受け取って筒状に開口するラベル開口手段21と、このラベル開口手段21によって開口されたラベルLを、開閉爪27によってボトルBの外径より大きく拡開するラベル拡開手段25とから構成されており、前記ラベル開口手段21は、支持アーム11によってラベル装着レベルに固定設置され、前記ラベル拡開手段25は、その開閉爪27がラベル装着レベルに対して昇降自在に設置されている。
【0018】
前記ラベル開口手段21は、図2ないし図4に示すように、開閉可能な上下二対の揺動アーム22、23と、この揺動アーム22、23の把持部22a、23aに形成された吸引口から吸引することで揺動アーム22、23に把持されたラベルLの両面をそれぞれ把持部22a、23aに吸引保持させる図示しない吸引手段と、揺動アーム22、23を開閉させる開閉駆動手段24とから構成されており、ラベル受渡装置4によって搬送されてきたシート状に折り畳まれたラベルLを、第2のラベル受渡位置βにおいて、揺動アーム22、23がそれぞれ把持することによって受け取った後、吸引手段が作動することでラベルLの両面を把持部22a、23aにそれぞれ吸引把持した状態で、その揺動アーム22、23を開成してラベルLの両面を相互に離間させることにより、ラベルLを筒状に開口するようになっている。
【0019】
上下二対の揺動アーム22、23は、図3に示すように、シート状に折り畳まれた筒状のラベルLを、その下端開口部及び上端開口部付近の2箇所でそれぞれ把持するようになっており、長尺のラベル形成基材Mを切断することによって形成されるラベルLの両端開口部に通常発生する融着(擬似接着)部分を集中的に開口させるようになっている。
【0020】
前記開閉駆動手段24は、図2ないし図4に示すように、揺動アーム22、23を常時閉成方向に付勢するバネ241、242と、揺動アーム22、23の基端部側にそれぞれ取り付けられた一対のカムフォロア243、244と、この一対のカムフォロア243、244にそれぞれ当接する個別のカム面を有するカム部材245と、このカム部材245をカムフォロア243、244間で進退させる操作杆246とを備えており、操作杆246は、支持アーム11に取り付けられたベース部分に、カム部材245の進退方向にスライド自在に支持されている。
【0021】
支持アーム11には、軸受を介して上下に貫通する回転軸247が支持されており、この回転軸247には、その下端部に、ラベル装着ヘッド10の回転軌道に沿って配設された環状の板材31に形成されたカム溝311に嵌り込むカムフォロア248がアーム248aを介して取り付けられていると共に(図2参照)、その上端部に、操作杆246の裏面に形成された凹部に嵌合するローラ249がアーム249aを介して取り付けられている。
【0022】
以上のように構成された開閉駆動手段24では、カム溝311及びカムフォロア248からなるカム機構によってアーム248aが揺動すると、回転軸247が回転し、これに伴って、図4に実線及び一点鎖線で示すように、回転軸247の上端部に取り付けられたアーム249aが揺動する。このアーム249aの揺動によって、アーム249aに取り付けられたローラ249が操作杆246をスライドさせるので、カム部材245がカムフォロア243、244間で進退し、これに伴って、カム部材245のカム面が揺動アーム22、23に支持されたカムフォロア243、244を、バネ241、242の付勢力に抗して外側に押し広げることにより、揺動アーム22、23が開閉するようになっている。
【0023】
また、このラベル開口手段21は、ラベルLを筒状に開口する際、シート状に折り畳まれたラベルLを揺動アーム22、23によって吸引把持した後、その揺動アーム22、23を即座に開成してラベルLの両面を相互に離間させるのではなく、図9(a)に示すように、シート状に折り畳まれたラベルLを揺動アーム22、23が把持した状態で、同図(b)〜(d)に示すように、把持部22a、23aをラベルLの周方向に相対移動させることによって、ラベルLに捻りを加えることができるようになっており、このように、ラベルLの両端開口部に捻りを加えることで、長尺のラベル形成基材Mを順次切断することによって形成されたラベルLの両端開口部における融着(擬似接着)状態が解除されるので、シート状に折り畳まれたラベルLを容易かつ確実に開口させることができる。
【0024】
なお、このラベル開口手段21は、シート状に折り畳まれた状態のラベルLを筒状に開口するものであるが、揺動アーム22、23は、ラベルLの開口作業を行うだけではなく、後に詳述するように、ラベルLをボトルBに装着する際に、ラベルLを開閉爪27と共に把持することでラベルLを開閉爪27に保持したり、ラベルLをボトルBと共に把持することでラベルLをボトルBに保持したりするクランプ機能を備えており、上下二対の揺動アーム22、23は、こういったクランプ動作の際に異なる動きをすることになるので、カム部材245は、上下二対の揺動アーム22、23を開閉させるカムフォロア243、244が当接するカム面が相互に異なる形状を有している。
【0025】
前記ラベル拡開手段25は、図2、図5及び図6に示すように、支持アーム11に上下方向にスライド自在に支持されたベース板26と、このベース板26に支持された開閉可能な一対の開閉爪27と、ベース板26、即ち、ベース板26に支持された一対の開閉爪27を昇降させる昇降駆動手段28と、一対の開閉爪27を開閉させる開閉駆動手段29とから構成されている。
【0026】
昇降駆動手段28は、図5に示すように、ベース板26の下端部に支持されたカムフォロア281と、このカムフォロア281が嵌り込む、ラベル装着ヘッド10の回転軌道に沿って配設された環状の板材32の外周面に形成されたカム溝321とからなるカム機構によって構成されており、カムフォロア281がカム溝321に沿って昇降しながら移動することで、ベース板26及びこのベース板26に支持された開閉爪27が昇降するようになっている。
【0027】
開閉駆動手段29は、図5及び図6に示すように、ベース板26に水平移動可能に支持された一対のスライドベース291、292と、一対の開閉爪27をそれぞれのスライドベース291、292に支持するアーム293、294と、一対の開閉爪27を常時閉成方向に付勢するために両アーム293、294に取り付けられたバネ295と、スライドベース291、292にそれぞれ取り付けられたカムフォロア296、297と、このカムフォロア296、297にそれぞれ当接するカム面を有する、上下方向にスライド自在にベース板26に支持されたカム板298と、このカム板298の下端部に支持されたカムフォロア299及びこのカムフォロア299が嵌り込む、板材32の外周面に形成されたカム溝322からなるカム機構によって構成されており、カムフォロア299がカム溝322に沿って昇降しながら移動することでカム板298が昇降し、これに伴って、カム板298のカム面がスライドベース291、292に支持されたカムフォロア296、297を、バネ295の付勢力に抗して外側に押し広げることにより、スライドベース291、292に支持された開閉爪27が開閉するようになっている(図6(a)、(b)参照)。
【0028】
前記ボトル昇降機構40は、図2に示すように、支持アーム12に上下動自在に支持された操作杆41と、この操作杆41の下端部に取付アーム42を介して取り付けられた、ボトルBを載置するための昇降台43と、操作杆41に取付アーム44を介して取り付けられた、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア45とを備えており、カム溝及びカムフォロア45からなるカム機構によって操作杆41を上下動させることで、昇降台43を昇降させるようになっている。
【0029】
また、ボトル昇降機構40は、ボトルBが載置された状態で昇降台43を降下させる際に、昇降台43の降下動作と連動して降下しながら、ボトルBを昇降台43上に保持する保持手段を備えており、この保持手段は、支持アーム12に上下動自在に支持された操作杆46と、この操作杆46の下端部に取り付けられた、ボトルBの頭部に嵌り込む頭部ホルダ47と、操作杆46の上端部に取付アーム48を介して取り付けられた、図示しないカム溝に嵌り込むカムフォロア49とから構成され、カム溝及びカムフォロア49からなるカム機構によって操作杆46を上下動させることで、頭部ホルダ47を昇降させるようになっている。
【0030】
以上のように構成されたラベル装着装置5は、まず、図1に示すように、ラベル受渡装置4によってラベル受渡位置βに搬送されてきたシート状に折り畳まれた筒状のラベルLの上端開口部側及び下端開口部側を、揺動アーム22、23がそれぞれ把持することにより受け取ることになるが、第2のラベル受渡位置βでは、図7(a)に示すように、ラベル装着ヘッド10は、ラベル装着レベルに固定設置されている揺動アーム22、23の上方に頭部ホルダ47が、下方側に開閉爪27がそれぞれ位置しており、ラベル装着ヘッド10がラベル受渡位置βに接近しながら、揺動アーム22、23が徐々に閉成すると共に開閉爪27も閉成し、同図(a)に示すように、ラベル受渡位置βにおいて揺動アーム22、23がラベルLを把持することで、ラベル受渡装置4からラベルLを受け取ってボトル送出位置δまでラベルLが搬送される(同図(b)参照)。なお、このとき、同図(a)に示すように、昇降台43には、前工程でラベルLが装着されたボトルBが載置されており、同図(b)に示すように、ボトル送出位置δにおいて、ラベルLが装着されたボトルBがボトル搬送装置6に引き渡される。
【0031】
揺動アーム22、23は、ラベルLを吸引把持した後、直ちに開成することなく、まず、ラベルLを吸引把持している把持部22a、23aを、ラベルLの周方向に相互に位置ずれ(相対移動)させることでラベルLに捻りを加えて、ラベルLの両端開口部に生じている融着(擬似接着)状態を解除する(図9参照)。なお、このとき、上下二対の揺動アーム22、23は、それぞれの把持部22a、23aが同方向に位置ずれするようになっており、ラベルLは、その上下で同方向に捻りが加えられることになる。
【0032】
このようにして、ラベルLの両端開口部の融着(擬似接着)状態が解除されると、図7(c)〜(d)に示すように、ラベルLを把持している揺動アーム22、23が徐々に開成することで、ラベルLが徐々に開口されていく。これに伴って、閉成状態の開閉爪27が上昇していき、揺動アーム22、23によって筒状に開口されたラベルLに挿入されると共に、ボトル供給位置γにおいて、ボトル供給装置2から引き渡された新たなボトルBが昇降台43に載置される。
【0033】
次に、同図(e)に示すように、ラベルLに挿入された閉成状態の開閉爪27が開成することで、ラベルLがラベル装着レベルにおいて拡開されると共に、ボトルBを載置した昇降台43が上昇し始める。このとき、図10(a)〜(e)に示すように、ラベルLを予備的に開口している揺動アーム22、23は、開閉爪27がラベルLに挿入された後もラベルLに対する吸引動作を継続し、下位の揺動アーム23と開閉爪27との間にラベルLが挟み込まれた時点で、その吸引動作を解除する。
【0034】
このようにして、開閉爪27によって拡開されたラベルLは、同図(f)に示すように、下位の揺動アーム23によってクランプされることでその下端開口部が開閉爪27に保持されると共に、吸引動作を解除した上位の揺動アーム22がさらに開成してラベルLの外周面から離反した状態で、昇降台43によって上昇してくるボトルBが下端開口部から拡開されたラベルLに挿入される。このとき、上述したように、ラベルLは下位の揺動アーム23によって開閉爪27に保持されているので、ボトルBをラベルLに挿入する際に、ラベルLがボトルBと共に持ち上げられることはない。
【0035】
このようにして、拡開されたラベルLに挿入されたボトルBが所定位置まで上昇すると、図7(g)(図8(a))に示すように、予め揺動アーム22の上方位置に待機していた頭部ホルダ47にボトルBの頭部が嵌り込む。ここで、図8(b)に示すように、ボトルBに密着しているラベルLの上部を上位の揺動アーム22がクランプすることによって、ラベルLの上部をボトルBに保持すると共に、ラベルLの下端開口部を開閉爪27に保持していた下位の揺動アーム23が開成してラベルLの外周面から離反した後、同図(c)に示すように、開閉爪27を降下させることによってラベルLから開閉爪27を抜き取ると、ラベルLがボトルBの所定位置に完全に装着された状態となる。
【0036】
ここで、同図(d)に示すように、上位の揺動アーム22が開成することによってボトルBに対するラベルLの保持を解除すると共に開閉爪27が開成した状態で、同図(e)〜(f)に示すように、昇降台43及び頭部ホルダ47が共に降下することで、ラベルLが装着されたボトルBをラベル装着レベルから退避させた後、頭部ホルダ47が上昇して元の位置に復帰し、上述したように、ボトル送出位置δにおいて、ラベルLが装着されたボトルBがボトル搬送装置6に引き渡される。その後、熱風ヒータやスチームヒータ等の加熱手段によってラベルLを加熱すると、ラベルLがボトルBの外周面に沿うように収縮し、ボトルBに密着する。
【0037】
以上のように、このラベル装着装置5では、開閉爪27がラベルLに挿入された後も、ラベルLを予備的に開口している揺動アーム22、23がラベルLに対する吸引動作を継続し、下位の揺動アーム23と開閉爪27との間にラベルLが挟み込まれた時点で、その吸引動作を解除するようにしたため、シート状に折り畳まれた状態から開閉爪27によって拡開されるまでの間、ラベルLが全くフリーな状態になることがなく、常時、揺動アーム22、23または開閉爪27によって保持されることになる。
【0038】
このため、揺動アーム22、23の吸引動作を解除しても、ラベルLがボトルBに対して位置ずれを起こすことがなく、ボトルBの所定位置にラベルLを確実に装着することが可能となる。従って、ラベルLを装着しようとするボトルBが角筒状の胴部を有する角形のボトルのように、ボトルに対するラベルの装着位置がある程度定められている場合に特に効果的である。
【0039】
また、このラベル装着装置5では、シート状に折り畳まれた状態で供給される筒状のラベルLを、その下端開口部及び上端開口部付近の2箇所でそれぞれ開口する2組の揺動アーム22、23を有するラベル開口手段21が各ラベル装着ヘッド10にそれぞれ設けられているので、ラベルLがある程度の長さを有するロングラベルの場合であっても、その開口力が、融着(擬似接着)状態にある両端開口部に確実に伝搬され、ラベルLを十分かつ確実に開口することができる。従って、ラベルL自体が付着力の強いポリエチレン系フィルムによって形成されている場合や、ラベルLを瞬時に開口しなければならない高速運転の場合であっても、ラベルLに開口不良が発生することがなく、ボトルBに対するラベルLの装着作業を確実に行うことができる。
【0040】
また、このラベル装着装置5では、上述したように、ラベルLを開口する前に捻りを加えることにより、ラベルLの両端開口部の融着(擬似接着)状態を予め解除するようにしているので、ラベルLをより確実に開口させることができるという効果がある。
【0041】
また、このラベル装着装置5では、ラベル開口手段21を構成している下位の揺動アーム23が、開閉爪27によって拡開されたラベルLをクランプすることでラベルLを開閉爪27に保持するクランプ機能を備えていると共に、上位の揺動アーム22が、ボトルBが挿入されたラベルLをクランプすることでラベルLをボトルBに保持するクランプ機能を備えているので、開閉爪27によって拡開されたラベルLを開閉爪27に保持するためのクランプ部材やラベルLをボトルBに保持するためのクランプ部材を別途設ける必要がなく、ラベルLの開口機能と保持機能とを揺動アーム22、23によって実現することができるので、ラベル装着ヘッド10、ひいては装置5全体がさらにコンパクトになる。
【0042】
また、このラベル装着装置5では、昇降台43によって持ち上げられたボトルBの頭部に頭部ホルダ47を嵌め込んだ状態で、昇降台43の降下動作と連動するように、昇降台43と共に頭部ホルダ47を降下させることで、ボトルBを昇降台43上に確実に載置した状態で降下させるようにしたため、高速でラベルLの装着を行うために、昇降台43の昇降速度を速くした場合でも、ボトルBが昇降台43の降下動作に追従できずに昇降台43から浮き上がった状態で自然落下したり、ローター搬送による遠心力によってボトルBの姿勢が崩れて周囲に配設されたクランプ部材22や開閉爪27と接触して昇降台43から脱落するといったこともなく、ボトル昇降機構40についても、ラベル装着装置5の高速運転に対応できるようになっている。
【0043】
なお、上述した実施形態では、ラベル開口手段21における下位の揺動アーム23が、開閉爪27との間に挟み込むようにラベルLを把持するようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、図11(a)〜(d)に示すように、ラベルLを予備的に開口する揺動アーム22、23とは別に、開閉爪27によって所定の開口状態に開口されたラベルLを、開閉爪27との間に挟み込むように把持する一対の把持アーム51を備えたラベル把持手段を設けることも可能であり、その場合は、少なくとも、同図(a)、(b)に示すように、ラベル開口手段21がシート状に折り畳まれた状態のラベルLを予備的に開口した後、同図(c)に示すように、開閉爪27との間に挟み込むように把持アーム51がラベルLを把持するまで、ラベル開口手段21によるラベルLに対する吸引動作を継続させるようにしておく必要がある。
【0044】
また、上述した実施形態では、ボトルBに装着しようとするラベルLが、ボトルBの胴部を略全体的に覆うロングラベルの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のラベル装着装置は、容器の胴部を部分的に覆う短いラベルについても適用することができることはいうまでもない。
【0045】
また、上述した実施形態では、ラベルLに捻りを加える際に、上位の揺動アーム22と下位の揺動アーム23とを同方向に相対移動させるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、上位の揺動アーム22と下位の揺動アーム23とを異なる方向に相対移動させることも可能である。このように、ラベルLの上端開口部側と下端開口部側とに異なる方向に捻りが加わると、ラベルLの上端開口部及び下端開口部におけるひずみ量が大きくなるので、ラベルLの上端開口部及び下端開口部における融着(擬似接着)状態がさらに解除され易くなるという効果がある。
【0046】
また、上述した実施形態では、ラベルLをボトルBに保持するために、ラベルLの上端開口部付近を開口する上位の揺動アーム22にクランプ機能を持たせているが、ラベルを装着しようとするボトル等の被装着体の形状によっては、ラベルの上端開口部側を開口させる揺動アームによって、ラベルの上端開口部付近をクランプすることができない場合もあるので、そのような場合には、上位の揺動アームにクランプ機能を持たせることなく、ラベルの中間部分をクランプするクランプ部材を別途設ける構成を採用することも可能である。
【0047】
また、上述した実施形態では、昇降自在の開閉爪27を上昇させることで、所定の高さ位置に固定設置された揺動アーム22、23によって予備的に開口されたラベルLに開閉爪27を挿入するようにしているが、これに限定されるものではなく、昇降自在の揺動アームを降下させることで、その揺動アームによって予備的に開口されたラベルLを、所定の高さ位置に固定設置されている開閉爪27に嵌挿する構成を採用することも可能である。
【0048】
また、上述した実施形態では、ラベル装着レベルにおいて、開閉爪27及び揺動アーム23(把持アーム51)によって拡開した状態に保持されたラベルLに、昇降台43を上昇させることによってボトルBを挿入するようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、開閉爪27及び揺動アーム23(把持アーム51)によって拡開した状態に保持されたラベルLを、開閉爪27及び揺動アーム23(把持アーム51)と共に降下させることで、所定の高さ位置に保持されたボトルBにラベルLを嵌挿することも可能である。
【0049】
また、上述した実施形態では、PETボトルBにシュリンクラベルLを装着する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のラベル装着装置は、瓶、缶等の種々の容器や筒状体にシュリンクラベルやストレッチラベル等の種々の筒状ラベルを装着する場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるラベル装着装置の一実施形態を備えたラベル装着システムを示す概略平面図である。
【図2】同上のラベル装着装置におけるラベル装着ヘッドを示す概略図である。
【図3】同上のラベル装着ヘッドにおけるラベル開口手段を側方から視た概略構成図である。
【図4】同上のラベル開口手段を上方から視た概略構成図である。
【図5】同上のラベル装着ヘッドにおけるラベル拡開手段を側方から視た概略構成図である。
【図6】(a)は同上のラベル拡開手段における開閉爪が開成した状態を示す概略正面図、(b)は同上のラベル拡開手段における開閉爪が閉成した状態を示す概略正面図である。
【図7】(a)〜(g)は同上のラベル装着装置におけるラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図8】(a)〜(f)は同上のラベル装着装置におけるラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図9】(a)〜(d)は同上のラベル開口手段におけるラベルの捻り動作を示す動作説明図である。
【図10】(a)〜(e)は同上のラベル拡開手段によるラベルの拡開動作の際における揺動アームの吸引状態を説明するための説明図である。
【図11】(a)〜(d)は他の実施形態であるラベル装着装置におけるラベル拡開手段によるラベルの拡開動作の際における揺動アームの吸引状態を説明するための説明図である。
【図12】従来のラベル装着装置におけるラベル装着動作を示す動作説明図である。
【図13】(a)〜(d)は従来のラベル装着装置に搭載されたラベル開口手段によるラベルの開口動作を示す動作説明図である。
【符号の説明】
1 ラベル装着システム
5 ラベル装着装置
20 ラベル拡開機構
21 ラベル開口手段
22、23 揺動アーム
24 開閉駆動手段
25 ラベル拡開手段
27 開閉爪
28 昇降駆動手段
29 開閉駆動手段
40 ボトル昇降機構
51 把持アーム
B ボトル
L シュリンクラベル
Claims (2)
- 複数の装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置であって、シート状に折り畳まれた状態で前記装着ヘッドに供給される筒状のラベルをラベル開口手段によって予備的に開口した後、その内側に導入された閉成状態の開閉爪を開成することによって、筒状のラベルを所定の開口状態に保持しながらラベルに被装着体を挿入し、前記開閉爪をラベルから抜き取ることによって、被装着体にラベルを装着するようにしたラベル装着装置において、
前記ラベル開口手段は、シート状に折り畳まれた筒状のラベルを把持すると共にそのラベルの把持面をそれぞれ吸引した後、ラベルの把持を解除して相互に離間することでラベルを予備的に開口すると共に、前記開閉爪によって所定の開口状態に開口された前記ラベルを、前記開閉爪との間に挟み込むように把持する、先端に吸引部を有する一対の揺動アームを備え、
一対の前記揺動アームは、シート状に折り畳まれた状態のラベルを予備的に開口した後、そのラベルに導入された前記開閉爪が開成することによって、その開閉爪との間にラベルを挟み込んで保持するまでの間、ラベルに対する吸引動作を継続し、前記開閉爪との間にラベルを挟み込んだ状態で吸引を解除するようにしたことを特徴とするラベル装着装置。 - 複数の装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置であって、シート状に折り畳まれた状態で前記装着ヘッドに供給される筒状のラベルを予備的に開口した後、その内側に導入された閉成状態の開閉爪を開成することによって、筒状の前記ラベルを所定の開口状態に保持しながら前記ラベルに被装着体を挿入し、前記開閉爪を前記ラベルから抜き取ることによって、前記被装着体に前記ラベルを装着するようにしたラベル装着装置において、
シート状に折り畳まれた筒状の前記ラベルを把持すると共にそのラベルの把持面をそれぞれ吸引した後、前記ラベルの把持を解除して相互に離間することで前記ラベルを予備的に開口させる、先端に吸引部を有する一対の揺動アームを備えたラベル開口手段と、
前記開閉爪によって所定の開口状態に開口された前記ラベルを、前記開閉爪との間に挟み込むように把持するラベル把持手段とを有し、
前記ラベル開口手段は、前記揺動アームがシート状に折り畳まれた状態の前記ラベルを予備的に開口した後、そのラベルに導入された前記開閉爪が開成し、前記ラベル把持手段が前記開閉爪との間に挟み込むように前記ラベルを把持するまでの間、前記ラベルに対する吸引動作を継続し、前記開閉爪との間にラベルを挟み込んだ状態で吸引を解除するようにしたことを特徴とするラベル装着装置。
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