JP4774924B2 - 圧電素子の駆動回路および液体吐出装置 - Google Patents
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Description
制御端子に入力される基準信号を増幅して、圧電素子を動作させるための主駆動信号を
生成して出力端子から出力するトランジスタと、
インダクタンスとコンデンサとが直列に接続されたLC共振回路を有し、このLC共振回路の共振によって補助駆動信号を生成して、この補助駆動信号を前記基準信号を増幅するために前記トランジスタの電流供給端子に供給する補助駆動信号生成回路と、
を備え、
前記コンデンサの端子間電圧が、前記補助駆動信号として前記トランジスタの電流供給
端子に供給されることを特徴とする圧電素子の駆動回路である。
インダクタンスとコンデンサとが直列に接続されたLC共振回路を有し、このLC共振回路の共振によって補助駆動信号を生成して、この補助駆動信号を前記基準信号を増幅するために前記トランジスタの電流供給端子に供給する補助駆動信号生成回路と、
を備えたことを特徴とする圧電素子の駆動回路。
(B)インダクタンスとコンデンサとが直列に接続されたLC共振回路を有し、このLC共振回路の共振によって補助駆動信号を生成して、この補助駆動信号を前記基準信号を増幅するために前記トランジスタの電流供給端子に供給する補助駆動信号生成回路と、
を備え、
(C)前記補助駆動信号生成回路は、前記補助駆動信号として、前記トランジスタの消費電力を低減するために電位波形が定められ、かつ前記基準信号の電位上昇に先行して電位が上昇し、かつ前記基準信号の電位降下に先行して電位が降下する信号を生成し、
(D)前記補助駆動信号が、前記基準信号の電位波形と近似した電位波形を有し、
(E)前記トランジスタとして、相補的に接続されたトランジスタ対を備え、
(F)前記トランジスタ対が、エミッタ端子が相互に接続されたNPN型トランジスタとPNP型トランジスタとにより構成され、
(G)前記トランジスタがバイポーラトランジスタであり、
(H)前記コンデンサの端子間電圧が、前記補助駆動信号として前記トランジスタの電流供給端子に供給され、
(I)前記インダクタンスを複数備え、
(J)前記インダクタンスには、それぞれ異なるタイミングにて電流が流れ、
(K)前記インダクタンスに電流を流すタイミングを設定するためのスイッチ素子を備え、
(L)前記スイッチ素子として、前記コンデンサを充電するために使用される第1のスイッチ素子と、前記コンデンサを放電するために使用される第2のスイッチ素子とを備え、
(M)前記圧電素子が、ノズルから液体を吐出する動作を行う素子であることを特徴とする圧電素子の駆動回路。
制御端子に入力される基準信号を増幅して、前記圧電素子に前記動作をさせるための主駆動信号を生成して出力端子から出力するトランジスタと、
インダクタンスとコンデンサとが直列に接続されたLC共振回路を有し、このLC共振回路の共振によって補助駆動信号を生成して、この補助駆動信号を前記基準信号を増幅するために前記トランジスタの電流供給端子に供給する補助駆動信号生成回路と、
を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
<全体構成>
まず、印刷装置を印刷システムとともに説明する。ここで、図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、印刷装置としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、この媒体は、液体が吐出される対象となる対象物に相当する。また、以下の説明では、代表的な媒体である用紙を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有している。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
<コンピュータ110の構成>
図2は、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したアプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
<プリンタ1の構成>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。このプリンタ1は、図2に示すように、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、駆動信号生成回路50、検出器群60、及び、プリンタ側コントローラ70を有する。そして、駆動信号生成回路50とプリンタ側コントローラ70は共通のコントローラ基板CTRに実装されている。また、ヘッドユニット40は、ヘッド制御部HCと、ヘッド41とを有している。このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ70によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40(ヘッド制御部HC,ヘッド41)、及び駆動信号生成回路50が制御される。すなわち、プリンタ側コントローラ70は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づいて制御対象部を制御し、用紙Sに画像を印刷させる。このとき、検出器群60の各検出器は、プリンタ1内の各部の状態を検出しており、検出結果をプリンタ側コントローラ70に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ70は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、図3A及び図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。プラテン24は、用紙Sを裏面側から支持するための部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。なお、ヘッドユニット40はヘッド41を有する。このため、キャリッジ移動方向は、ヘッド41が移動するヘッド移動方向(所定方向)に相当する。また、キャリッジ移動機構30は、ヘッド41を所定方向に移動させるヘッド移動部に相当する。このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、従動プーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ31の動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、従動プーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34と従動プーリー35とに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRはこのガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。これに伴い、ヘッド41もヘッド移動方向に移動する。
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。このヘッドユニット40は、ヘッド41とヘッド制御部HCとを有している。ここで、図4A〜図4Cは、ヘッド41について説明したものである。図4Aは、ヘッド41の外面図である。図4Bは、ヘッド41の構造を説明するための断面図である。図4Cは、ヘッド41の一部を拡大して示す断面図である。なお、便宜上、ここではヘッド41について説明し、ヘッド制御部HCについては後で説明することにする。
ヘッド41は、図4Bに示すように、ケース411と、流路ユニット412と、ピエゾ素子ユニット413とを有する。ケース411は、ピエゾ素子ユニット413を収容するための収容室411aが内部に形成されたブロック状の部材である。ピエゾ素子ユニット413は、ノズル列211C、211M、211Y、211K毎に取り付けられる。このため、ケース411には4つの収容室411aが設けられており、4つのピエゾ素子ユニット413が各収容室411aに収容されている。
次に、ヘッド制御部HCについて説明する。ここで、図5は、ヘッド制御部HCの構成を説明するためのブロック図である。ヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、制御ロジック84と、ヘッド側スイッチ85とを有する。そして、制御ロジック84を除いた各部、すなわち、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B、デコーダ83、ヘッド側スイッチ85は、それぞれピエゾ素子PZT毎、即ちノズルNz(ノズル♯1〜♯180)毎に設けられる。
図6は、主駆動信号COMを説明した図である。主駆動信号COMは、図6に示すように、繰り返し周期Tにおける期間T1で生成される第1波形部SS1と、期間T2で生成される第2波形部SS2と、期間T3で生成される第3波形部SS3とを有する。そして、第1波形部SS1は駆動パルスPS1を有している。また、第2波形部SS2は駆動パルスPS2を、第3波形部SS3は駆動パルスPS3を、それぞれ有している。ここで、駆動パルスPS1、駆動パルスPS2及び駆動パルスPS3は、ノズルNz(ノズル♯1〜♯180)からインクを吐出させる際に用いられるものであり、互いに同じ波形をしている。これらの駆動パルスPS1〜PS3はピエゾ素子PZTを動作させるための波形部に相当し、その電位波形はピエゾ素子PZTに行わせる動作に基づいて定められている。従って、含まれる駆動パルスの電位波形や繰り返し周期T内に含まれる個数等は適宜定めることができる。
次に、ヘッド制御部HCによる主駆動信号COMの印加制御について説明する。ここで、図7は、主駆動信号COMの印加制御を説明するためのタイミングチャートである。なお、以下の説明では、図5も参照する。このプリンタ1において、画素データSIは2ビットで構成されており、その内容はノズルNz毎(ピエゾ素子PZT毎)に定められる。この画素データSIは、転送用のクロックCLKに同期してヘッド制御部HCへ送られる。そして、画素データSIの上位ビット群は各第1シフトレジスタ81Aにセットされ、下位ビット群は各第2シフトレジスタ81Bにセットされる。第1シフトレジスタ81Aには第1ラッチ回路82Aが接続され、第2シフトレジスタ81Bには第2ラッチ回路82Bが接続されている。ここで、プリンタ側コントローラ70からのラッチ信号LATがHレベルになると、各第1ラッチ回路82Aは対応する画素データSIの上位ビットをラッチし、各第2ラッチ回路82Bは画素データSIの下位ビットをラッチする。第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bでラッチされた画素データSI(上位ビットと下位ビットの組)はそれぞれ、デコーダ83に入力される。
検出器群60は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A、図3Bに示すように、この検出器群60には、リニア式エンコーダ61、ロータリー式エンコーダ62、紙検出器63、及び紙幅検出器64が含まれている。リニア式エンコーダ61は、キャリッジCRのキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ62は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器63は、印刷される用紙Sを検出するためのものである。紙幅検出器64は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。
プリンタ側コントローラ70は、プリンタ1が有する各部を制御するものである。例えば、プリンタ側コントローラ70は、所定の搬送量で用紙Sを搬送させる動作と、キャリッジCR(ヘッド41)を移動させながら断続的にインクを吐出させる動作とを交互に行わせることで、用紙Sに画像を印刷させている。このため、プリンタ側コントローラ70は、搬送モータ22の回転量を制御することによって用紙Sの搬送を制御する。また、プリンタ側コントローラ70は、キャリッジモータ31の回転を制御することによってキャリッジCRの移動を制御する。さらに、画素データSIをヘッド制御部HCへ出力することで、インクを吐出させるための制御を行う。加えて、プリンタ側コントローラ70は、主駆動信号COM用の生成情報としてのDAC値(電位指定情報、後述する。)を駆動信号生成回路50へ出力する制御も行っている。
主駆動信号COMを生成する駆動信号生成回路50について説明する。図8Aは、駆動信号生成回路50の一例について説明したものである。この駆動信号生成回路50は、同図に示すように、波形生成回路91と、電流増幅回路92とを有している。図8Bは、波形生成回路91に入力されるDAC値と、波形生成回路91から出力される出力電圧との関係を説明する図である。
ところで、このような駆動信号生成回路50にあっては、次のような問題があった。すなわち、トランジスタ対921のトランジスタQ1、Q2における消費電力が大きいという問題があった。これは、トランジスタQ1、Q2をそれぞれ正常に動作させるために、トランジスタQ1のコレクタ端子が主駆動信号COMの最大電位よりも高い電位に設定され、また、トランジスタQ2のコレクタ端子が主駆動信号COMの最小電位よりも低い電位に設定されていたためである。各トランジスタQ1、Q2の消費電力は、主に、コレクタ電流と、コレクタ−エミッタ間の電圧との積によって決まる。主駆動信号COMの電位変化によって、コレクタ端子とエミッタ端子との間の電位差が大きくなると、トランジスタQ1またはトランジスタQ2における消費電力が増大し、トランジスタQ1またはトランジスタQ2の発熱によって高温状態になるなどの不具合が生じることがあった。
本実施形態では、このような問題を解決するために、補助駆動信号を生成する補助駆動信号生成回路を備え、この補助駆動信号生成回路により生成した補助駆動信号を、駆動信号生成回路50のトランジスタQ1、Q2のコレクタ端子に供給し、これにより、トランジスタQ1、Q2の消費電力の低減を図る。ここで補助駆動信号とは、トランジスタQ1、Q2の消費電力を低減するために生成される信号である。ここでは、補助駆動信号として、トランジスタQ1、Q2のベース端子に入力される基準信号SQの信号レベルの変動に先行して電位が変動するような信号を生成する。すなわち、基準信号SQの信号波形に近似した信号波形を有する信号を補助駆動信号として生成する。補助駆動信号生成回路が、このような補助駆動信号を生成してトランジスタQ1、Q2のコレクタ端子に供給することで、トランジスタQ1、Q2のコレクタ端子と、トランジスタQ1、Q2のエミッタ端子との間の電位差を小さくすることができる。これによって、トランジスタQ1、Q2の消費電力の低減を図ることができる。
補助駆動信号生成回路の実施形態について説明する。この補助駆動信号生成回路は、ここでは、インダクタンスとコンデンサとが直列に接続されたLC共振回路を有し、このLC共振回路の共振によって補助駆動信号を生成する。具体的には、この補助駆動信号生成回路では、インダクタンスを通じてコンデンサに電流を供給し、コンデンサを徐々に充電する。そして、この充電によってコンデンサに蓄積された電荷をインダクタンスを通じて放出してコンデンサを放電させる。コンデンサの端子間電圧が補助駆動信号として、駆動信号生成回路のトランジスタのコレクタ端子に供給される。これによって、この補助駆動信号生成回路は、トランジスタQ1、Q2のベース端子に入力される基準信号SQの信号波形の信号レベルの変動に先行して電位が変動するような信号を生成する。
図10は、この補助駆動信号生成回路52の一実施形態について説明したものである。この補助駆動信号生成回路52は、コンデンサC1、C2、C3、C4と、インダクタンスL1、L2、L3と、スイッチ素子M1、M2、M3と、ダイオードD1、D2、D3、D4、D5と、抵抗R1、R2、R3、R4とを備えている。ここで、スイッチ素子M1、M2、M3は、電界効果トランジスタ(FET)により構成されている。詳しくは、スイッチ素子M1、M2は、Pチャネル型電界効果トランジスタにより構成されている。一方、スイッチ素子M3は、Nチャネル型電界効果トランジスタにより構成されている。また、スイッチ素子M1、M2は、第1のスイッチ素子に相当する。また、スイッチ素子M3は、第2のスイッチ素子に相当する。また、ダイオードD1、D2、D3、D4、D5は、ショットキバリアダイオードにより構成されている。
ここで、本実施形態の補助駆動信号生成回路52により生成される補助駆動信号SVについて説明する。図11は、補助駆動信号SVと基準信号SQの各信号波形の一例について示したものである。ここで、基準信号SQは、圧電素子、ここでは各ノズル♯1〜♯180に各々設けられたピエゾ素子を動作させるための信号のことである。本実施形態の基準信号SQは、同図に示すように、最小電位VLから中間電位VMにかけて直線的に徐々に電位が上昇する第1区間P1と、中間電位VMが保持される第2区間P2と、中間電位VMから最大電位VHにかけて直線的に徐々に電位が上昇する第3区間P3と、最大電位VHが保持される第4区間P4と、最大電位VHから最小電位VLにかけて急激に電位が降下する第5区間P5と、最小電位VLが保持される第6区間P6とを有する。ここで、最小電位VL、中間電位VMおよび最大電位VHは、それぞれ所定の電位となっている。基準信号SQは、これら第1区間P1〜第6区間P6を1周期として、当該周期を繰り返して生成される。
次に、この補助駆動信号生成回路52による補助駆動信号SVの生成方法について説明する。図12は、補助駆動信号SVの生成方法について説明したものである。ここでは、図10を参照しながら補助駆動信号SVの生成方法について説明する。
以上本実施形態にあっては、このように基準信号SQの信号波形の信号レベルの変動に先行して電位が変動するような補助駆動信号SVを生成して、トランジスタQ1、Q2のコレクタ端子に供給することで、トランジスタQ1、Q2のコレクタ−エミッタ間の電位差を小さくすることができ、これにより、トランジスタQ1、Q2の消費電力を大幅に抑えることができる。特に、インダクタンスL1、L2、L3とコンデンサC4とが直接されたLC共振回路を備え、このLC共振回路の共振によって、基準信号SQの信号波形の信号レベルの変動に先行して電位が変動するような補助駆動信号SVを簡単に生成することができる。すなわち、トランジスタQ1、Q2の消費電力の低減を簡単に図ることができる。
<回路構成>
図13は、補助駆動信号生成回路54の他の実施形態について説明したものである。この補助駆動信号生成回路54は、スイッチ素子M4、M5と、インダクタンスL5と、抵抗R5と、コンデンサC4、C5と、ダイオードD6、D7とを備えている。ここで、スイッチ素子M4、M5は、電界効果トランジスタにより構成されている。詳しくは、スイッチ素子M4は、Pチャネル型電界効果トランジスタにより構成されている。一方、スイッチ素子M5は、Nチャネル型電界効果トランジスタにより構成されている。また、スイッチ素子M4は、第1のスイッチ素子に相当する。また、スイッチ素子M5は、第2のスイッチ素子に相当する。また、ダイオードD6、D7は、ショットキーバリアダイオードにより構成されている。なお、図中のコンデンサCzは、圧電素子(ピエゾ素子)の静電容量を示す。コンデンサCzの静電容量は、インクを吐出するノズルの数に応じてその都度、変動する。
次にこの補助駆動信号生成回路54による補助駆動信号SVの生成方法について説明する。図14は、補助駆動信号SVの生成方法について説明したものである。ここでは、図13を参照しながら補助駆動信号SVの生成方法について説明する。
以上、一実施形態に基づき、プリンタ等の印刷装置を例にして説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述した実施の形態では、「圧電素子」として、インクジェットプリンタに設けられ、インクを吐出する動作を行う素子(ピエゾ素子PZT)を例にして説明したが、ここでいう「圧電素子」にあっては、このようなインクジェットプリンタに設けられ、インクを吐出する動作を行う素子に限定されない。つまり、インクジェットプリンタ以外の他の種類の各種機器等に設けられた圧電素子についても、ここでいう「圧電素子」に含まれる。
前述した実施の形態では、「主駆動信号」として、図6や図7に示すような波形を有する主駆動信号を例にして説明したが、ここでいう「主駆動信号」にあっては、このような波形を有する信号に限定されない。すなわち、圧電素子を動作させるための信号であれば、どのような波形を有する信号であっても、ここでいう「主駆動信号」に含まれる。
前述した実施の形態では、図10や図13に示すような回路構成を有する補助駆動信号生成回路を例にして説明したが、ここでいう「補助駆動信号生成回路」にあっては、このような構成の回路に限定されることはなく、インダクタンスとコンデンサとが直列に接続されたLC共振回路を備え、このLC共振回路の共振によって補助駆動信号を生成する回路であれば、どのような構成の回路であっても、ここでいう「補助駆動信号生成回路」に含まれる。
前述した実施の形態では、「補助駆動信号」として、図11や図12、図14に示すような波形を有する補助駆動信号を例にして説明したが、ここでいう「補助駆動信号」にあっては、このような波形を有する信号には限定されない。つまり、インダクタンスとコンデンサとが直列に接続されたLC共振回路の共振によって生成され、かつトランジスタにて基準信号を増幅するためにトランジスタのコレクタ端子に供給される信号であれば、どのような波形を有する信号であっても、ここでいう「補助駆動信号」に含まれる。
前述した実施の形態では、「基準信号」として、図11や図12、図14に示すような波形を有する基準信号を例にして説明したが、ここでいう「基準信号」にあっては、このような波形を有する信号に限定されない。すなわち、主駆動信号を生成するための基準となる信号であれば、どのような波形を有する信号であっても、ここでいう「基準信号」に含まれる。
前述した実施の形態では、トランジスタとして、NPN型トランジスタQ1と、PNP型トランジスタQ2とが相補的に接続されたトランジスタ対を備えた場合を例にして説明したが、ここでいう「トランジスタ」にあっては、必ずしもこのようにトランジスタ対として構成されている必要はなく、1個単独で構成されていても良く、また3個以上使用されて構成されていても良い。
前述した実施の形態では、スイッチ素子として、電界効果トランジスタ(FET)が用いられていたが、ここでいう「スイッチ素子」にあっては、必ずしもこのような電界効果トランジスタを用いる必要はなく、普通のトランジスタなど、他のタイプの様々な周知の素子を使用することができる。
前述した実施の形態では、「液体」としてインクを使用した場合を例にして説明していたが、ここでいう「液体」にあっては、このようなインクに限らず、その他の液体、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体をインクの代わりに吐出しても良い。
22 搬送モータ,23 搬送ローラ,24 プラテン,
25 排紙ローラ,30 キャリッジ移動機構,
31 キャリッジモータ,32 ガイド軸,
33 タイミングベルト,34 駆動プーリー,35 従動プーリー,
40 ヘッドユニット,41 ヘッド,411 ケース,
411a 収容室,412 流路ユニット,412a 流路形成板,
412b 弾性板,412c ノズルプレート,412d 圧力室,
412e ノズル連通口,412f 共通インク室,
412g インク供給路,412h 支持枠,412i 弾性膜,
412j アイランド部,413 ピエゾ素子ユニット,
413a ピエゾ素子群,413b 接着用基板,
50 駆動信号生成回路,52 補助駆動信号生成回路,54 補助駆動信号生成回路,
60 検出器群,61 リニア式エンコーダ,
62 ロータリー式エンコーダ,63 紙検出器,64 紙幅検出器,
70 プリンタ側コントローラ,71 インタフェース部,
72 CPU,73 メモリ,74 制御ユニット,
81A 第1シフトレジスタ,81B 第2シフトレジスタ,
82A 第1ラッチ回路,82B 第2ラッチ回路,83 デコーダ,
84 制御ロジック,85 ヘッド側スイッチ,100 印刷システム,
91 波形生成回路,92 電流増幅回路,
911 D/A変換器、912 電圧増幅回路,
921 トランジスタ対,
110 コンピュータ,111 ホスト側コントローラ,
112 インタフェース部,113 CPU,114 メモリ,
120 表示装置,130 入力装置,131 キーボード,
132 マウス,140 記録再生装置,
141 フレキシブルディスクドライブ装置,
142 CD−ROMドライブ装置,
211C シアンノズル列,211M マゼンダノズル列,
211Y イエロノズル列,211K ブラックノズル列,
S 用紙,CLK クロック,
SI 画素データ,LAT ラッチ信号,CH チェンジ信号,
CTR コントローラ基板,HC ヘッド制御部,CR キャリッジ,
PZT ピエゾ素子,Nz ノズル,COM 主駆動信号,SQ 基準信号,
Q1 トランジスタ,Q2 トランジスタ,
SS1 第1波形部,SS2 第2波形部,SS3 第3波形部,
SS4 第4波形部,PS1〜PS4 駆動パルス,q0〜q3 選択データ,
SW スイッチ制御信号,LAT ラッチ信号,CH チェンジ信号,
τ 更新周期
Claims (12)
- 制御端子に入力される基準信号を増幅して、圧電素子を動作させるための主駆動信号を
生成して出力端子から出力するトランジスタと、
インダクタンスとコンデンサとが直列に接続されたLC共振回路を有し、このLC共振回路の共振によって補助駆動信号を生成して、この補助駆動信号を前記基準信号を増幅するために前記トランジスタの電流供給端子に供給する補助駆動信号生成回路と、
を備え、
前記コンデンサの端子間電圧が、前記補助駆動信号として前記トランジスタの電流供給
端子に供給されることを特徴とする圧電素子の駆動回路。 - 前記補助駆動信号生成回路は、前記補助駆動信号として、前記基準信号の電位上昇に先行して電位が上昇し、かつ前記基準信号の電位降下に先行して電位が降下する信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の圧電素子の駆動回路。
- 前記補助駆動信号が、前記基準信号の電位波形と近似した電位波形を有することを特徴とする請求項1または2に記載の圧電素子の駆動回路。
- 前記トランジスタとして、相補的に接続されたトランジスタ対を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電素子の駆動回路。
- 前記トランジスタ対が、エミッタ端子が相互に接続されたNPN型トランジスタとPNP型トランジスタとにより構成されることを特徴とする請求項4に記載の圧電素子の駆動回路。
- 前記トランジスタがバイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電素子の駆動回路。
- 前記インダクタンスを複数備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電素子の駆動回路。
- 前記インダクタンスには、それぞれ異なるタイミングにて電流が流れることを特徴とする請求項7に記載の圧電素子の駆動回路。
- 前記インダクタンスに電流を流すタイミングを設定するためのスイッチ素子を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電素子の駆動回路。
- 前記スイッチ素子として、前記コンデンサを充電するために使用される第1のスイッチ素子と、前記コンデンサを放電するために使用される第2のスイッチ素子とを備えたことを特徴とする請求項9に記載の圧電素子の駆動回路。
- 前記圧電素子が、ノズルから液体を吐出する動作を行う素子であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の圧電素子の駆動回路。
- ノズルから液体を吐出する動作を行う圧電素子と、
制御端子に入力される基準信号を増幅して、前記圧電素子に前記動作をさせるための主駆動信号を生成して出力端子から出力するトランジスタと、
インダクタンスとコンデンサとが直列に接続されたLC共振回路を有し、このLC共振回路の共振によって補助駆動信号を生成して、この補助駆動信号を前記基準信号を増幅するために前記トランジスタの電流供給端子に供給する補助駆動信号生成回路と、
を備え、
前記コンデンサの端子間電圧が、前記補助駆動信号として前記トランジスタの電流供給
端子に供給されることを特徴とする液体吐出装置。
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