JP5564855B2 - 液体噴出装置及び液体噴出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴出装置及び液体噴出方法に関する。
圧電素子に電圧を印加して駆動することにより液体を噴出させ、記録を行う液体噴出装置が知られている。液体噴出装置としては、例えば、インクジェットプリンターや染色装置等が一般的であるが、このような液体噴出装置においては、複数の圧電素子を動作させるために十分な量の電流を供給する必要がある。そのため、NPNトランジスタとPNPトランジスタを相補的に接続した増幅回路によりアナログ信号の電流を増幅することで駆動信号を生成する方法が用いられている(例えば特許文献1)。
特開2001−63040号公報
このような増幅回路で電流増幅を行う場合、圧電素子への充放電の際に電流増幅回路で消費される電力は、電源電位と駆動信号との電位差に電流を乗じた量であり、消費電力が非常に大きくなる。そして、該増幅回路で消費される電力による発熱量も大きくなるため、大型の放熱装置が必要となり、プリンター自体が大型化するといった問題が生じる。
本発明は、トランジスタを有する電流増幅回路を流れる電流を極力減少させることで、トランジスタで消費される分の電力を抑え、発熱を低減することを課題としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、充電、または、放電することにより動作して、液体を噴出する圧電素子と、エネルギーを蓄えることにより、前記圧電素子に充電、または、放電を行うインダクタと、前記インダクタの入力端と第1の電源との間に設けられた第1スイッチと、前記インダクタの出力端と前記第1の電源よりも低い電位を有する第2の電源との間に設けられた第2スイッチと、前記インダクタの入力端と前記圧電素子との間に設けられた第3のスイッチと、前記インダクタの出力端と前記圧電素子との間に設けられた第4のスイッチと、前記各スイッチのON/OFFを制御する制御部と、を備える液体噴出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
印刷システムの全体構成を示すブロック図である。 図2Aは、本実施形態のプリンターの構成を説明する図である。図2Bは、本実施形態のプリンターの構成を説明する側面図である。 ヘッドの構造を説明するための断面図である。 図4Aは、駆動信号生成回路(アナログ式)80の構成を示すブロック図である。図4Bは、図4Aの変形例を示す図である。 駆動信号生成回路(デジタル式)70の構成を示すブロック図である。 図6Aは、印刷動作1サイクルにおいて、ピエゾ素子PZTに印加される電圧V及び電流Iの波形を示す図である。図6Bは、印刷動作1サイクルにおいて、インダクタ71に流れる電流Iの波形を示す図である。 STATE1(充電)における電流の流れを表した図である。 STATE2(放電)における電流の流れを表した図である。 STATE3(正充電印加)における電流の流れを表した図である。 STATE4(正放電印加)における電流の流れを表した図である。 STATE5(逆充電印加)における電流の流れを表した図である。 STATE6(逆放電印加)における電流の流れを表した図である。 STATE7(正電流保持)における電流の流れを表した図である。 STATE8(逆電流保持)における電流の流れを表した図である。 STATE9(完全放電)における電流の流れを表した図である。 制御フローを説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
充電、または、放電することにより動作して、液体を噴出する圧電素子と、エネルギーを蓄えることにより、前記圧電素子に充電、または、放電を行うインダクタと、前記インダクタの入力端と第1の電源との間に設けられた第1スイッチと、前記インダクタの出力端と前記第1の電源よりも低い電位を有する第2の電源との間に設けられた第2スイッチと、前記インダクタの入力端と前記圧電素子との間に設けられた第3のスイッチと、前記インダクタの出力端と前記圧電素子との間に設けられた第4のスイッチと、前記各スイッチのON/OFFを制御する制御部と、を備える液体噴出装置。
このような液体噴出装置によれば、各スイッチのON/OFFを制御することで、インダクタ部を流れる電流を独立してコントロールすることができる。したがって、電流増幅回路のトランジスタにおいて消費される電力を抑えることが可能となり、従来のようにアナログ式の駆動信号生成回路のみを用いてピエゾ素子に充放電を行う場合と比較して、発熱を低減することができる。
かかる液体噴出装置であって、前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチを共にOFFにして、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを共にONにして、前記第1の電源からインダクタを介して前記第2の電源に電流を流し、前記インダクタにエネルギーを蓄えることが望ましい。
このような液体噴出装置によれば、トランジスタを介すことなくインダクタにエネルギーを蓄えることができ、トランジスタにおける電力の消費や発熱を低減することができる。
かかる液体噴出装置であって、前記第3のスイッチをOFFにして、前記第4のスイッチをONにすることで、前記エネルギーを蓄えたインダクタから前記圧電素子に充電を行うことが望ましい。
このような液体噴出装置によれば、トランジスタを介すことなく、インダクタからピエゾ素子に充電をすることができ、トランジスタにおける電力の消費や発熱を低減することができる。
かかる液体噴出装置であって、前記第3のスイッチをONにして、前記第4のスイッチをOFFにすることで、前記圧電素子から前記エネルギーを蓄えたインダクタに放電を行うことが望ましい。
このような液体噴出装置によれば、トランジスタを介すことなく、ピエゾ素子からインダクタに充電をすることができ、トランジスタにおける電力の消費や発熱を低減することができる。
かかる液体噴出装置であって、前記圧電素子に電流を供給する充電用トランジスタと、前記圧電素子から電流を放出させる放電用トランジスタとが相補的に接続された電流増幅部を有し、前記インダクタから前記圧電素子に充電を行う際に、前記インダクタから供給する電流が所要の電流値より小さい場合は、前記充電用トランジスタから差分の電流を供給し、前記インダクタから供給する電流が所要の電流値より大きい場合は、前記放電用トランジスタから差分の電流を放出することが望ましい。
このような液体噴出装置によれば、トランジスタを流れる電流が、インダクタからピエゾ素子に供給する電流の過不足分のみとなるため、トランジスタ部での発熱を低減しつつ、ピエゾ素子PZTを安定的に動作させることができる。
かかる液体噴出装置であって、前記電流増幅部を有し、前記圧電素子から前記インダクタに放電を行う際に、前記インダクタに放出する電流が所要の電流値より小さい場合は、前記放電用トランジスタから差分の電流を放出し、前記インダクタに放出する電流が所要の電流値より大きい場合は、前記充電用トランジスタから差分の電流を供給することが望ましい。
このような液体噴出装置によれば、トランジスタを流れる電流が、ピエゾ素子からインダクタに放出する電流の過不足分のみとなるため、トランジスタ部での発熱を低減しつつ、ピエゾ素子PZTを安定的に動作させることができる。
かかる液体噴出装置であって、前記圧電素子の充放電を行う際に、前記充放電用トランジスタに流れる電流の大きさを、電流値、または、電圧値として検出する検出部と、検出した前記電流の大きさを判定して、前記インダクタに流れる電流の大きさを調節する制御部と、を備えることが望ましい。
このような液体噴出装置によれば、インダクタに流れる電流の波形を精度よく制御することができ、ピエゾ素子PZTをより正確に動作させることができる。
また、エネルギーを蓄えたインダクタにより圧電素子に充放電を行うことと、前記インダクタの入力端と第1の電源との間に設けられた第1スイッチと、前記インダクタの出力端と前記第1の電源よりも低い電位を有する第2の電源との間に設けられた第2スイッチと、前記インダクタの入力端と前記圧電素子との間に設けられた第3のスイッチと、前記インダクタの出力端と前記圧電素子との間に設けられた第4のスイッチと、のそれぞれについてON/OFFを制御することと、充放電された前記圧電素子が駆動することで、液体を噴出する液体噴出方法が明らかとなる。
===液体噴出装置の基本的構成===
発明を実施するための液体噴出装置の形態として、インクジェットプリンター(プリンター1)を例に挙げて説明する。
<プリンターの構成>
図1は、プリンター1の全体構成を示すブロック図である。
プリンター1は、紙・布・フィルム等の媒体に文字や画像を記録(印刷)する液体噴出装置であり、外部装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。
コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、表示装置(不図示)にユーザーインターフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーはインターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
コンピューター110はプリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。
プリンター1は、搬送ユニット20と、キャリッジユニット30と、ヘッドユニット40と、検出器群50と、コントローラー60と、駆動信号生成回路(デジタル式)70と、駆動信号生成回路(アナログ式)80とを有する。コントローラー60は、外部装置であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいて各ユニットを制御し、媒体に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出器群50から出力された検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
<搬送ユニット20>
図2は、本実施形態のプリンター1の構成を表した図である。
搬送ユニット20は、媒体(例えば紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。ここで、搬送方向はキャリッジの移動方向と交差する方向である。搬送ユニット20は、給紙ローラー21と、搬送モーター22と、搬送ローラー23と、プラテン24と、排紙ローラー25とを有する(図2A及び図2B)。
給紙ローラー21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンター内に給紙するためのローラーである。搬送ローラー23は、給紙ローラー21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラーであり、搬送モーター22によって駆動される。搬送モーター22の動作はプリンター側のコントローラー60により制御される。プラテン24は、印刷中の紙Sを、紙Sの裏側から支持する部材である。排紙ローラー25は、紙Sをプリンターの外部に排出するローラーであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
<キャリッジユニット30>
キャリッジユニット30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジ31を所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモーター32(CRモータとも言う)とを有する(図2A及び図2B)。
キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモーター32によって駆動される。キャリッジモーター32の動作はプリンター側のコントローラー60により制御される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
<ヘッドユニット40>
ヘッドユニット40は、紙Sにインクを噴出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられ、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に噴出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
図3は、ヘッド41の構造を示した断面図である。ヘッド41は、ケース411と、流路ユニット412と、ピエゾ素子群PZTとを有する。ケース411はピエゾ素子群PZTを収納し、ケース411の下面に流路ユニット412が接合されている。流路ユニット412は、流路形成板412aと、弾性板412bと、ノズルプレート412cとを有する。流路形成板412aには、圧力室412dとなる溝部、ノズル連通口412eとなる貫通口、共通インク室412fとなる貫通口、インク供給路412gとなる溝部が形成されている。弾性板412bはピエゾ素子PZTの先端が接合されるアイランド部412hを有する。そして、アイランド部412hの周囲には弾性膜412iによる弾性領域が形成されている。インクカートリッジに貯留されたインクが、共通インク室412fを介して、各ノズルNzに対応した圧力室412dに供給される。ノズルプレート412cはノズルNzが形成されたプレートである。ノズル面では、イエローインクを吐出するイエローノズル列Yと、マゼンタインクを吐出するマゼンタノズル列Mと、シアンインクを吐出するシアンノズル列Cと、ブラックインクを吐出するブラックノズル列Kと、が形成されている。各ノズル列では、ノズルNzが搬送方向に所定間隔Dにて並ぶことによって構成されている。
ピエゾ素子群PZTは、櫛歯状の複数のピエゾ素子(駆動素子)を有し、ノズルNzに対応する数分だけ設けられている。ヘッド制御部HCなどが実装された配線基板(不図示)によって、ピエゾ素子に駆動信号COMが印加され、駆動信号COMの電位に応じてピエゾ素子は上下方向に伸縮する。ピエゾ素子PZTが伸縮すると、アイランド部412hは圧力室412d側に押されたり、反対方向に引かれたりする。このとき、アイランド部412h周辺の弾性膜412iが変形し、圧力室412d内の圧力が上昇・下降することにより、ノズルからインク滴が吐出される。
<検出器群50>
検出器群50は、プリンター1の状況を監視するためのものである。検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、及び光学センサ54等が含まれる(図2A及び図2B)。
リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラー23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙Sの先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、対向する位置の紙Sの有無を検出し、例えば、移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙Sの先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
<コントローラー60>
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェース部61と、負荷カウンター62と、CPU63と、メモリ64と、ユニット制御回路65と、プリドライバ66とを有する。
インターフェース部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。負荷カウンター62は、コンピューター110で作成された画素データから、ある印刷サイクル(ピエゾ素子PZTがインクを1回噴出するために行われる動作サイクル)において、インクを噴出するノズルの数を集計し、CPU63に負荷データとして送信する。ここで、画素データとは、画像を構成する単位要素の印刷データであり、例えば、紙S上に形成されるドットの階調値などである。送信された負荷データは、CPU63で負荷容量として算出され、後述するインダクタへの電流印加時間決定のために用いられる。CPU63は、プリンター1の全体の制御を行うための演算処理装置である。なお、より高速な演算を行う為にCPUの代わりにDSP(Digital Signal Processor)を用いてもよい。メモリ64は、CPU63のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU63は、メモリ64に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路65を介して搬送ユニット20等の各ユニットを制御したり、プリドライバ66を介して、後述する駆動信号生成回路(デジタル式)70の各スイッチ(MOSFET)のON/OFFを制御したりする。
また、CPU63は、駆動信号COMを生成するためのデジタル制御信号を駆動信号生成回路(アナログ式)80に出力する。なお、この制御信号はDAC値と呼ばれ、駆動信号COMの波形を定めるための波形情報に相当する。
<駆動信号生成回路(アナログ式)80について>
図4Aは、本実施形態における駆動信号生成回路(アナログ式)80の構成を示すブロック図である。駆動信号生成回路(アナログ式)80は、ピエゾ素子PZTを伸縮させてインクを噴出するための駆動信号COMを生成する。従来はこのような回路により生成された駆動信号のみにより印刷を行うことが一般的であった。図4Aに示すように、駆動信号生成回路(アナログ式)80は、波形生成回路81と、電流増幅回路82と、コンパレーター83と、抵抗84と、差動前段増幅回路86と、を有する。以下、駆動信号生成回路(アナログ式)80のことを単純にアナログ回路80ともいう。
波形生成回路81は、CPU63から送られてくるDAC値から駆動信号COMの基となる電圧変化パターンであるアナログ波形信号COM´を生成する。波形生成回路81は、DAC回路811とプリアンプ812とから構成される。DAC回路811は、デジタルデータであるDAC値(波形情報)に対応するアナログ波形信号を出力し、プリアンプ812は、DAC回路811から出力されたアナログ波形信号を調整し、COM´として電流増幅回路82へ入力する。すなわち、波形生成回路81は、ピエゾ素子PZTの動作を定めるアナログ信号を生成するアナログ信号生成部に相当する。
電流増幅回路82は、波形生成回路81で生成された電圧波形信号であるCOM´の入力を受けて、その電流を増幅し、駆動信号COMとして出力する。電流増幅回路82は、相補的に接続されたNPN型トランジスタ821と、PNP型トランジスタ822とによって構成される。
NPN型トランジスタ821は、電圧波形信号COM´の電圧上昇時に作用し、COM´の電流を増幅して主電源たる第1の電源からピエゾ素子PZTへ充電する。すなわち、NPN型トランジスタ821は、ピエゾ素子PZTの充電時に動作する充電用トランジスタである。NPN型トランジスタ821のエミッタは駆動信号COMの供給線に接続され、ベースは電圧波形信号COM´の供給線に接続され、コレクタは第1の電源に接続される。以下、第1の電源は、便宜上、主電源Vddとする。
一方、PNP型トランジスタ822は、電圧波形信号COM´の電圧下降時に作用し、COM´の電流を増幅してピエゾ素子PZTに充電されていた電荷を、第1の電源よりも低い電位を有する第2の電源へと放出する。すなわち、PNP型トランジスタ822は、ピエゾ素子PZTの放電時に動作する放電用トランジスタである。PNP型トランジスタ822のエミッタは駆動信号COMの供給線に接続され、ベースは電圧波形信号COM´の供給線に接続され、コレクタは第2の電源に接続される。以下、第2の電源は、便宜上、グランドとする。
なお、本実施形態では、電流増幅回路82と、波形生成回路81との間に、該電流増幅回路82の出力電圧をフィードバックして、波形生成回路81の出力に対して一定の電圧増幅率で追従させるために、差動前段増幅回路86が設けられている。
コンパレーター83A、抵抗84A、及び、コンパレーター83B、抵抗84Bは、ピエゾ素子PZTの充放電時に、トランジスタ821、822を流れる電流の大きさを検出し、判定するために設けられる。具体的には、所定のレファレンス電圧をコンパレーターのマイナス側入力に設定しておき、一方、トランジスタに流れる電流が抵抗84A、84Bを通過する際に発生する電位差を、コンパレーターのプラス側端子に入力し、両者を比較することで、トランジスタに流れる電流の大きさが所定の範囲内に入っているか否かを判定する。コンパレーターが作動した場合は、想定していた値よりも大きな電流がトランジスタに流れているということなので、インダクタに電流を流す時間(印加時間)の補正を行うことで、インダクタ電流Iの波形(図6B参照)を調節する。これにより、Iの波形の精度を保ち、正確な駆動波形を生成することによって、ピエゾ素子PZTを正確に動作させることが可能となる。詳細は後で説明する。
充電時の電流を検出するために、NPN型トランジスタ821のコレクタ端子にコンパレーター83A、及び、抵抗84Aが接続され、放電時の電流を検出するために、PNP型トランジスタ822のコレクタ端子にコンパレーター83B、及び、抵抗84Bが接続される。なお、該部分における電流を検出する必要がない場合には、必ずしもコンパレーター83、及び、抵抗84を設けなくてもよい。
コンパレーター83A、83Bの代わりに、A/Dコンバーターを設けることにより、該部分にかかる電圧をデジタル値として検出する方法も考えられる。しかし、この方法の場合、A/Dコンバーター自体のコストが高いことや、検出された電圧の大きさに対して、別途の判定手段を設ける必要が生じるため、上述のようにコンパレーターを用いた方が、より簡便であり、コスト面でも有利である。
一方、図4Bに示すように、コンパレーター83、及び、抵抗84に替えて、抵抗84が設けられていた位置に、電流計85を設けてもよい。この方法によれば、トランジスタに流れる電流の変動を直接検出することが可能になるため、インダクタ電流Iの補正をより詳細に行うことができる。
<プリンターの印刷動作>
プリンター1の印刷動作について簡単に説明する。コントローラー60は、コンピューター110からインターフェース部61を介して印刷命令を受信し、各ユニットを制御することにより、給紙処理・ドット形成処理・搬送処理等を行う。
給紙処理は、印刷すべき紙をプリンター内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする処理である。コントローラー60は、給紙ローラー21を回転させ、印刷すべき紙を搬送ローラー23まで送る。続いて、搬送ローラー23を回転させ、給紙ローラー21から送られてきた紙を印刷開始位置に位置決めする。
ドット形成処理は、移動方向(走査方向)に沿って移動するヘッドからインクを断続的に噴出させ、紙上にドットを形成する処理である。コントローラー60は、キャリッジ31を移動方向に移動させ、キャリッジ31が移動している間に、印刷データに基づいてヘッド41からインクを噴出させる。噴出されたインク滴が紙上に着弾すると、紙上にドットが形成され、紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドットラインが形成される。
搬送処理は、紙をヘッドに対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラー60は、搬送ローラー23を回転させて紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。
コントローラー60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットラインにより構成される画像を徐々に紙に印刷する。そして、印刷すべきデータがなくなると、排紙ローラーを回転させてその紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
次の紙に印刷を行う場合は同処理を繰り返し、行わない場合は、印刷動作を終了する。
===駆動信号生成回路(デジタル式)70について===
図5に、本実施形態における駆動信号生成回路(デジタル式)70の構成を示す。
本実施形態における駆動信号生成回路(デジタル式)70は、ピエゾ素子PZTを駆動するための充放電を、前述のアナログ回路80とは別に、インダクタを用いることによって行う。駆動信号生成回路(デジタル式)70は、インダクタ71と、入力側回路72と、出力側回路73とから構成される。以下、駆動信号生成回路(デジタル式)70のことを単純にデジタル回路70ともいう。
<インダクタ71>
インダクタ71は、あらかじめ電流を流すことにより電磁エネルギーとしてエネルギーを蓄え、ピエゾ素子PTZへの充電時には電流源として、また、ピエゾ素子PTZの放電時には放電先として機能する。
インダクタ71の両端はそれぞれ入力側回路72及び出力側回路73に接続される。インダクタ71にエネルギーを蓄える際には入力側回路72を介して主電源Vddからインダクタ71へと電流が流れ、蓄えたエネルギーは出力側回路73を介してピエゾ素子PZTに電流として供給されることで、ピエゾ素子PZTの充電を行う。そして、ピエゾ素子PZTの放電時には、入力側回路72を介してインダクタ71へと電流が流れ、出力側回路73を介してグランドに放電、または主電源Vddに電流が回生される。回路全体の動作の詳細については後で説明する。
<入力側回路72>
入力側回路72は、インダクタ71の入力側に、主電源Vddの電圧またはグランド電圧を選択的に印加したり、ピエゾ素子PZTから放電された電流をインダクタ71に印加したりするために用いられる。入力側回路72は、MOSFET(P型)721と、MOSFET(N型)722と、MOSFET(N型)723と、ダイオード724とから構成される。
MOSFET(P型)721は、主電源Vddとインダクタ71との間のスイッチ素子であり、ソースは主電源Vddに、ドレインはインダクタ71とMOSFET723との間に接続される。一方、MOSFET(N型)722は、グランドとインダクタ71との間のスイッチ素子であり、ソースはグランドに、ドレインはインダクタ71とMOSFET723との間に接続される。MOSFET(P型)721及びMOSFET(N型)722は、対となって機能するスイッチであり、プリドライバ66を介してCPU63から伝達される信号によりON/OFF制御されることで、インダクタ71の入力側に、主電源Vddの電圧またはグランド電圧を選択的に印加する。したがって、本実施形態においてMOSFET(P型)721及びMOSFET(N型)722が同時にON状態になる場合はない(同時にOFF状態になる場合はある)。これにより、インダクタ71への電流印加や、ピエゾ素子PZTの充放電等をコントロールすることができる。ON/OFF制御の詳細については後で説明する。
MOSFET(N型)723は、ピエゾ素子PZTからインダクタ71に放電する際に使用されるスイッチ素子であり、ソースはインダクタ71の入力側に、ドレインはダイオード724を介してピエゾ素子PZTに接続される。スイッチとして使用する際のON/OFF制御はCPU63によって行う。
ダイオード724は、入力側回路72に流れる電流をピエゾ素子PZT及びアナログ回路80側からインダクタ71の方向へと制限し、逆方向の電流が流れないようにするために設けられる。
<出力側回路73>
出力側回路73は、インダクタ71の出力側に、主電源Vddの電圧またはグランド電圧を選択的に印加したり、ピエゾ素子PZTを充電するための電流をインダクタ71から印加したりするために用いられる。出力側回路73は、MOSFET(P型)731と、MOSFET(N型)732と、MOSFET(P型)733と、ダイオード734と、ダイオード735とから構成される。
MOSFET(P型)731は、主電源Vddとインダクタ71との間のスイッチ素子であり、ソースは主電源Vddに、ドレインはインダクタ71とMOSFET733との間に接続される。一方、MOSFET(N型)732は、グランドとインダクタ71との間のスイッチ素子であり、ソースはグランドに、ドレインはインダクタ71とMOSFET733との間に接続される。MOSFET(P型)731及びMOSFET(N型)732は、前述のMOSFET(P型)721及びMOSFET(N型)722と同様に、対となって機能するスイッチであり、プリドライバ66を介してCPU63から伝達される信号によりON/OFF制御されることで、インダクタ71の出力側に、主電源Vddの電圧またはグランド電圧を選択的に印加する。
MOSFET(P型)733は、インダクタ71からピエゾ素子PZTに充電する際に使用されるスイッチ素子であり、ソースはインダクタ71の出力側に、ドレインはダイオード734を介してピエゾ素子PZTに接続される。スイッチとして使用する際のON/OFF制御はCPU63によって行う。
ダイオード734は、出力側回路73の電流をインダクタ71からピエゾ素子PZT及びアナログ回路80の方向へと制限し、逆方向の電流が流れないようにするために設けられる。
ダイオード735は、インダクタ71に蓄えられたエネルギーを完全放電する際(後述のSTATE9)に、主電源Vddへと回生させる方向に電流を流すために設けられる。
<駆動信号生成回路(デジタル式)70の動作説明>
まず、印刷動作1サイクル(ピエゾ素子PZTがインクを1回噴出するために行われる動作サイクル)において、インダクタ71に流れる電流の波形について説明する。
図6Aに、印刷動作1サイクルにおいて、ピエゾ素子PZTに印加される電圧V及び電流Iの波形の例を示す。Vの波形は駆動波形COMに相当し、セグメント1〜3の3つの部分から構成される。セグメント1は1サイクルのうちある一定の期間における波形部分であり、同様に、セグメント2及びセグメント3も、印刷動作1サイクル中の一定期間における波形部分である。プリンター1は、各セグメントにおける波形(パルス波形)の形状を変化させて組み合わせることで、ピエゾ素子PZTの伸縮の大きさを段階的に変えて、噴出されるインク液滴の大きさを調整することができる。
本実施形態では、ピエゾ素子PZTを駆動させる駆動信号COMを、デジタル回路70を用いて生成することを特徴としている。図6Bに、印刷動作1サイクルにおいて、インダクタ71に流れる電流Iの波形を示す。前述のように、本実施形態では、インダクタ71にあらかじめ電流を流すことによってエネルギーを蓄えておき、ピエゾ素子PZTを充電するための電流源としていることから、Iの波形を制御することで、Iの波形も制御することができる。しかし、Iの波形をIに示すような一定の電流値からなる波形(矩形波)にすることは難しく、各セグメントにおけるIの波形は図6Bに示されるような“のこぎり波”となる。これは、短期間に各スイッチのON/OFFを切り替えながらピエゾ素子PZTへの電流印加を繰り返すためであるが、狙いの電流値に対する過不足分の電流をアナログ回路80から補償することにより、“のこぎりの刃”の部分を平滑化することができる。詳細は後述する。
の波形は、前述のスイッチ素子であるMOSFET721〜723、731〜733の各個についてON/OFFを随時切り替えることで、デジタル回路70内に9通りの電流の流れを形成する(以後、この各状態をSTATEと呼ぶ)。図6Bの破線で区切られた領域がそれぞれSTATE1〜9を表し、各STATEを組み合わせることで電流波形Iが生成される。表1は、各STATEにおいてONとなるスイッチを○印で表したものである。以下、各STATEについて説明する。
Figure 0005564855
STATE1(充電)では、インダクタの入力端と主電源Vddとの間のスイッチ素子であるMOSFET721、及び、インダクタの出力端とグランドとの間のスイッチ素子であるMOSFET732は共にONになる。一方、インダクタ71の入力端とピエゾ素子PZTとの間のスイッチ素子であるMOSFET723、及び、インダクタ71の出力端とピエゾ素子PZTとの間のスイッチ素子であるMOSFET733は共にOFFになる(表1)。
この場合、OFFとなったMOSFET723及びMOSFET733により、インダクタ71には、ピエゾ素子PZTやアナログ回路とは独立して電流が流れる。すなわち、アナログ回路80のトランジスタ821及び822を介さずに、インダクタ71に電流を流すことができる。したがって、トランジスタで電力を消費することなく、インダクタにエネルギーを蓄えることが可能になる。
電流は、図7Aに示されるように、主電源VddからMOSFET721を介してインダクタ71の入力側へ、そして、インダクタ71の出力側からMOSFET732を介してグランドへと流れる。これにより、電流がインダクタ71を流れ、インダクタ71には電磁エネルギーが蓄えられる。
STATE2(放電)では、インダクタの入力端とグランドとの間のスイッチ素子であるMOSFET722、及び、インダクタの出力端と主電源Vddとの間のスイッチ素子であるMOSFET731は共にONになる。一方、MOSFET723、及び、インMOSFET733は共にOFFになる(表1)。つまり、STATE1と同様、インダクタ71には、ピエゾ素子PZTやアナログ回路とは独立して電流が流れることになる。
電流は、図7Bに示されるように、グランドから入力側のスイッチ素子であるMOSFET722を介してインダクタ71へ、そして、出力側のスイッチ素子であるMOSFET731を介して主電源Vddへと流れる。この場合、電流はインダクタ71の入力側から出力側へと流れるが、これは、電位が低い側(グランド)から電位が高い側(主電源Vdd)へと向かう方向となるため、インダクタ71のエネルギーは徐々に減少(放電)していき、図6Bに示されるように電流Iは弱くなっていく。
STATE3(正充電印加)では、インダクタ71の出力側とピエゾ素子PZTとの間のスイッチ素子であるMOSFET733がONとなる。したがって、インダクタ71に蓄えられたエネルギーが、トランジスタを介すことなく、ピエゾ素子PZTに充電され、トランジスタで電力が消費されることはない。
電流は、図7Cに示されるように、主電源Vddから入力側のスイッチ素子であるMOSFET721を介してインダクタ71へ、そして、出力側のスイッチ素子であるMOSFET733及びダイオード734を介してピエゾ素子PZTへと流れる。これにより、インダクタ71に蓄えられていた電磁エネルギーが電流としてピエゾ素子PZTに印加される。同時にインダクタ71にもさらにエネルギーが蓄えられ、図6Bに示されるように電流Iは強くなっていく。
STATE4(正放電印加)では、グランドから入力側のスイッチ素子であるMOSFET722を介してインダクタ71へ、そして、出力側のスイッチ素子であるMOSFET733及びダイオード734を介してピエゾ素子PZTへと電流が流れる(図7D)。これにより、インダクタ71に蓄えられていた電磁エネルギーが電流としてピエゾ素子PZTに印加される。一方、電位が低い側(グランド)から高い側(インダクタ71)へ電流を流そうとするため、インダクタ71のエネルギーは徐々に減少していき、電流Iは弱くなっていく。
STATE5(逆充電印加)では、インダクタ71の入力側とピエゾ素子PZTとの間のスイッチ素子であるMOSFET723がONとなる。したがって、ピエゾ素子PZTから放電された電流が、トランジスタを介すことなく、インダクタ71に流れ、トランジスタで電力が消費されることはない。
電流は、図7Eに示されるように、ピエゾ素子PZTから入力側のダイオード724及びMOSFET723を介してインダクタ71へ、そして、出力側のスイッチ素子であるMOSFET732を介してグランドへと流れる。これにより、ピエゾ素子PZTに蓄えられた電荷は、インダクタ71を通りグランドへ放電される。この際、インダクタ71にも一部エネルギーが蓄えられ、図6Bに示されるように電流Iは強くなっていく。
STATE6(逆放電印加)では、ピエゾ素子PZTから入力側のダイオード724及びMOSFET723を介してインダクタ71へ、そして、出力側のスイッチ素子であるMOSFET731を介して主電源Vddへと電流が流れる(図7F)。これにより、ピエゾ素子PZTに蓄えられた電荷は、インダクタ71を通り主電源へと回生される。この際、電位が低い側(ピエゾ素子PZT)から高い側(主電源Vdd)へ電流を流そうとするため、インダクタ71のエネルギーは徐々に減少していき、電流Iは弱くなっていく。
STATE7(正電流保持)では、インダクタ71の両端に、それぞれ、入力側のスイッチ素子であるMOSFET721と、出力側のスイッチ素子であるMOSFET731を介して主電源Vddの電位が等しく印加されるため(図7G)、電流Iはこの間で保持される。
STATE8(逆電流保持)では、インダクタ71の両端に、それぞれ、入力側のスイッチ素子であるMOSFET722と、出力側のスイッチ素子であるMOSFET732を介してグランドの電位が等しく印加されるため(図7H)、電流Iはこの間で保持される。
STATE9(完全放電)では、インダクタ71の入力側にスイッチ素子であるMOSFET722を介してグランドの電位が印加され、出力側のダイオード735を介して主電源Vddの電位が印加される。電流Iは電位の低い方から高い方へと流れようとするため(図7I)インダクタ71のエネルギーは減少していき、最終的には完全に放電される。
<制御方法について>
次に、駆動波形生成のための制御方法について説明する。図8は印刷動作1サイクルにおける波形I生成のためにコントローラー60が行う制御フローである。
負荷容量計算(S101)は、次に説明する予備充電期間を算出するために、印刷開始直後に行われる処理である。ここで、負荷容量とは、印刷動作1サイクルにおける使用ノズル数にノズルあたりの容量を乗じた数で表される。具体的には、まず、各印刷サイクルの開始時に、負荷カウンター62がコンピューター110で作成された画素データから、その印刷サイクルにおいて使用されるノズル数(インクを噴出するノズル数)を集計して負荷データを作成する。そして、CPU63によって、該負荷データとノズルあたり容量を乗じることで算出される。
なお、本実施形態では、負荷カウンター62を、コントローラー60内にハードウェアとして備えているが、印刷時のノズル負荷を集計できる機能を有するものであれば、別途装置を設けずにソフトウェアーとしてメモリ64に記憶させておき、CPU63で全て処理する方法でも良い。
予備充電期間計算(S102)は、図6Bの各セグメント開始の際に、STATE1の充電(またはSTATE2の放電)を開始するタイミング及び充電(放電)期間を決定するための処理である。
予備充電期間は、遷移時間tとスイッチング時間tswとの和から算出される。遷移時間tとは、各STATEの持続時間であり、図6Bにおいては破線で区切られた各STATEの幅で表される。スイッチング時間tswはMOSFETをON/OFF制御する際の損失時間である。例えば、セグメント1の予備充電時間(STATE1の幅)は、遷移時間が約100ns、スイッチング時間が約50nsで、合計150ns(ナノ秒)程度となる。
また、予備充電期間計算(S102)では、駆動波形COMを生成するために、アナログ回路80とデジタル回路70を組み合わせて使用するか、それともアナログ回路80のみを使用してデジタル回路70を使用しないかの判断も行う。つまり、ピエゾ素子PZTを駆動するためにインダクタ71を使用するか否かの判断を行う。詳細は後述する。
印加極性判定(S104A〜C)は、 ピエゾ素子PZTに充放電する際に、正充電印加(STATE3)をするか、若しくは正放電印加(STATE4)をするかを判定する処理である。また、逆充電印加(STATE5)か、逆放電印加(STATE6)かの判定も行う。
具体的な判定方法を説明する。まず、各セグメントにおける電圧Vの勾配(図6A)の正負を判定し、正ならSTATE3またはSTATE4、負ならSTATE5またはSTATE6を選択する。例えば、セグメント1では、Vの電圧勾配が正であるため(図6A)、ピエゾ素子PZTへの充放電はSTATE3またはSTATE4を選択し(図6B)、セグメント2では、Vの電圧勾配が負であるため(図6A)、ピエゾ素子PZTへの充放電はSTATE5またはSTATE6を選択する(図6B)。
次に、ピエゾ電圧Vが主電源Vdd(第1の電源)とグランド(第2の電源)のいずれかの電圧に近いかを判定し、次の状態がSTATE3(STATE5)になるか、またはSTATE4(STATE6)になるかを決定する。すなわち、本実施形態においては、主電源電圧であるVdd(V)とグランド電圧である0(V)との中間電圧であるVdd/2(V)と、ピエゾ電圧Vとの大きさを比較することで、電流の印加方法を決定している。
ピエゾ電圧Vの大きさを判断基準としているのは、図6Bの各セグメントにおいて“のこぎり波”となる部分を平滑にするためにアナログ回路80から過不足分の電流を補償する際に(この電流補償についての詳細は後述する)、電流増幅回路82の充電用トランジスタ821または放電用トランジスタ822を流れる電流を極力少なくするためである。トランジスタにおける消費エネルギーは、トランジスタを流れる電流及び電圧を乗じた値であることから、同じ大きさの電流を流す場合、電位差が小さいほうが、消費エネルギーも小さくなる。つまり、ピエゾ素子PZTに流れる電流の過不足分を、充電用トランジスタ821を介して不足分電流として主電源Vddから充電する場合と、同じ量の電流を放電用トランジスタ822を介して余剰分電流としてグランドに放出する場合とで、どちらの消費エネルギーが少なくなるかを判断するのである。
各セグメント開始時における判定方法について、具体例を用いて説明する。
本実施形態において、主電源Vdd=42Vであるとき、セグメント1(充電)の開始時の電圧VCO1は12Vであり(図6A)、VCO1(=12V)<Vdd/2(=21V)となる。狙いの電流値ILT1に対して、アナログ回路80の充放電用トランジスタを介して過不足分の電流を補償しようとする場合、電流値をZとすると、充電用トランジスタ821を介して主電源Vddから不足分電流として充電するならば、(Vdd−VCO1)Z=(42−12)Z=30Zのエネルギーを消費する。一方、放電用トランジスタ822を介してグランドへ余剰分電流として放電するならば、(VCO1−0)Z=(12−0)Z=12Zのエネルギーを消費する。
つまり、充電時においてV<Vdd/2の場合は、所定の電流値ILTよりも大きめのインダクタ電流Iを流しておき、放電用トランジスタ822からグランドに放電したほうが、トランジスタで消費されるエネルギーが少なくなり、発熱を低減することができる。したがって、セグメント1の開始時(充電時)においては、所要の電流値ILT1より大きめの電流ILO1を最初に流しておき、STATE4の正放電印加を行ってインダクタ電流Iを減少させつつ、余剰分の電流をトランジスタ822から放出している(図6B)。
次に、セグメント2(放電)の開始時について考えると、ピエゾ電圧VCO2=40Vであるから、Vdd/2(=21V)<VCO2(=40V)となる。上述と同様に、補償電流値をZとすると、充電用トランジスタ821を介して不足分電流として主電源Vddから供給するならば、(Vdd−VCO2)Z=(42−40)Z=2Zのエネルギー消費となる。一方、放電用トランジスタ822を介してグランドへ余剰分電流として放電するならば、(VCO1−0)Z=(40−0)Z=40Zのエネルギーを消費する。
つまり、放電時においてVdd/2<Vの場合は、所定の電流値ILTよりも大きめのインダクタ電流Iを流しておき、充電用トランジスタ821から不足分の電流を供給したほうが、トランジスタで消費されるエネルギーが少なくなり、発熱を低減することができる。したがって、この場合(放電時)は、所要の電流値ILT2より大きめの電流ILO2を最初に流しておき、STATE6の逆放電印加を行ってインダクタ電流Iを減少させつつ、トランジスタ821からピエゾ素子に充電している(図6B)。
印加時間計算(S105)は、各STATEにおける電流印加時間を算出する処理である。ここで、印加時間は各STATEの遷移時間に等しい。本実施形態において、印加時間は、充放電により電流Iが増減していく間に、Iと狙いの電流値ILTとの差が、最小誤差として設定した値に達するまでの時間を予測計算した値である。
例えば、図6Bにおいて、セグメント1で狙いの電流値ILT1に対して、最小誤差1Aとすると、Iの値がILT1±1Aとなる範囲でSTATE3とSTATE4を切り替える時間が印加時間となる。つまり、狙いの電流値ILTを基準として電流値Iの増減によってフィードバック制御をするのではなく、あらかじめ予測計算した時間を基準として制御を行う(予測制御)。これにより、各STATEの切り替えごとにフィードバック制御をする場合よりもCPU(DSP)63にかかる負荷が軽くなり、高速の印刷にも対応可能となる。
一方、このような予測制御だけでは、Iが想定の値から大きくずれていった場合に、ずれを修正することができない。上述の予測計算により算出された印加時間が、実際に電流を印加すべき時間よりもずれていた場合には、最小誤差である1A以上の電流が印加されることになり、インダクタ電流Iは狙いの電流値ILTから徐々にずれていってしまうことになる。これに対して、電流値I自体にはフィードバックをかけることができないからである。なお、この印加時間の計算のずれは、各機器の印刷開始時における温度(熱)の影響や、プリンターごとの個体差により生じることが考えられる。
しかし、Iに想定よりも大きなずれが生じた場合には、ずれた分の電流をアナログ回路80側から補償するために、充放電用トランジスタ821、822にも、より大きな電流が流れることになる。したがって、トランジスタ821、822の電流検出機構として設けられたコンパレーター83により、トランジスタを流れる電流の大きさを監視することで、Iのずれを検出することができる。トランジスタに流れる電流値が想定値を超えると、コンパレーター83の出力電圧が最大値に切り替わるので、この出力値が切り替わるタイミングを計測しておき、適正な印加時間を算出しなおして、次回以降の電流印加を正常な状態に修正する。コントローラー60により、このようなキャリブレーションを行うことで、本実施形態においては、Iを適正な波形に保つことができる。
その後、決定された印加時間にしたがって電流が印加され(S106)、印加極性判定(S104)と印加時間計算(S105)及び電流印加(S106)を繰り返すことで、1セグメントが構成される。1セグメントが終了すると、次のセグメント開始のための予備充電期間計算(S102)に移行する。本実施形態では、この動作を3セグメント繰り返すことで、1サイクルの印刷動作を完了する。
<本実施形態の効果>
本実施形態による効果を説明するために、まず、比較例としてアナログ回路80のみにより、駆動信号COMを生成する場合について考える。前述の通り、アナログ回路80では、駆動波形生成回路81により生成されたアナログ信号を充放電用のトランジスタで増幅することによって駆動信号COMを生成する。この場合、電流増幅時にトランジスタを流れる電流は、エネルギーとして消費され、発熱の原因となっていた。
これに対して、本実施形態では、まず、デジタル回路70のインダクタ71において、大まかな電流波形Iを生成する。しかし、インダクタ電流Iは、前述の通り、所定の電流値ILTに対してILT±n(nは最小誤差)の範囲で増減するように制御されるため、Iの波形は図6AのIのような“矩形波”にはならず、図6Bに表されるような“のこぎり”波となる。そのため、インダクタ電流Iだけでは図6AのVで表されるような台形波である駆動信号COMを生成することが難しく、ピエゾ素子PZTを正確に駆動させることができないという問題がある。
そこで、本実施形態では要求される電流値ILTに対する過不足分をアナログ回路80を用いて補うという方法をとっている。例えば、図6Bの斜線部分αに示されるように、インダクタ電流Iが所要の電流値ILTよりも大きい場合には、その余剰分をアナログ回路80の放電用トランジスタ822を介してグランドに放出することで、所要の電流値ILTを得ている。逆に、図6Bの縦線部分βに示されるように、インダクタ電流IがILTよりも小さい場合には、その不足分をアナログ回路80の充電用トランジスタ821を介して主電源Vddから補充することで、所要の電流値ILTを得る。
すなわち、インダクタ電流Iの波形の“のこぎりの刃”に該当する部分と、電流の狙い値ILTとの差分を、アナログ回路80を用いて補償することで、平滑化している。
その結果、Iはピエゾ素子PZTに印加される時点では矩形波となり、所望の駆動波形Vを生成することができ、良好な印刷が可能となる。そして、充放電用トランジスタ821及び822を流れる電流は、上述の差分だけとなることから、比較例のようにアナログ回路80のみによって駆動信号を生成する場合よりも大幅にエネルギー消費量が少なくなる。したがって、トランジスタでの電力消費や発熱を抑えることが可能になり、大規模な冷却装置によるプリンターの大型化といった問題も解消される。
また、一つのインダクタ71で、ピエゾ素子PZTの充放電を行うのではなく、複数のインダクタによってピエゾ素子の充放電を行ってもよい。
例えば、ピエゾ素子PZTに対して、デジタル回路70を並列に並べる構成とすれば、一方のデジタル回路のインダクタからピエゾ素子PZTに充電している間に、他方のデジタル回路のインダクタに主電源Vddからエネルギーを蓄えるといった制御も可能となる。これにより、より詳細で複雑な駆動信号が生成可能になるため、ノズルから液体を噴出する量などを細かく設定することで、さらに高精度の印刷を実現し得る。
===まとめ===
本実施形態では、ピエゾ素子PZTに充放電を行い、動作させることで液体を噴出させる。ピエゾ素子への充放電は、エネルギーを蓄えたインダクタ71を用いる。インダクタの入力側端と主電源Vddとの間にはスイッチ721が、インダクタの入力側端とピエゾ素子との間にはスイッチ723がそれぞれ設けられており、インダクタの出力側端とピエゾ素子との間にはスイッチ732が、インダクタの出力側端とグランドとの間にはスイッチ733がそれぞれ設けられている。各スイッチのON/OFFはCPU63により制御される。印刷時には、各スイッチのON/OFFを適宜切り替えることで、独立してインダクタに電流を流すことができる。
例えば、インダクタにエネルギーを蓄える際には、スイッチ723とスイッチ733は両方OFFとし、スイッチ721とスイッチ732を両方ONにする。これにより、トランジスタによる電流増幅を行わなくても、インダクタにエネルギーを蓄えることが可能になり、トランジスタで消費される分の電力を低減することができる。
また、インダクタからピエゾ素子に充電を行う際には、スイッチ721、及び、スイッチ733をONにする。一方、ピエゾ素子からインダクタに放電を行う際には、スイッチ723、及び、スイッチ732をONにする。
インダクタからトランジスタを介さずにピエゾ素子への充放電を行うことで、従来のようにトランジスタを用いて電流を増幅しながらピエゾ素子を動作させる場合よりも、消費電力や発熱を低減することができる。
また、インダクタからピエゾ素子に充電を行う際に、インダクタ電流Iが所要の電流値ILTよりも小さい場合には、充電用トランジスタ821を介して主電源Vddから不足分を充電し、Iが所要の電流値ILTよりも大きい場合には、放電用トランジスタ822を介してグランドに余剰分を放出する。
一方、ピエゾ素子PZTからインダクタ71へ放電を行う際には、インダクタ電流Iが所要の電流値ILTよりも小さい場合には、放電用トランジスタ822を介してグランドに余剰分を放出し、Iが所要の電流値ILTよりも大きい場合には、充電用トランジスタ821を介して主電源Vddから不足分を充電する。
これにより、トランジスタを流れる電流は、インダクタ電流Iの過不足を補償した分だけとなるため、発熱を低減しつつ、所要の電流値ILTを正確に流すことで、ピエゾ素子PZTを正確に動作させることが可能になる。
また、トランジスタを介して過不足の電流を補償する際に、トランジスタに流れる電流の大きさを検出し、該電流の大きさが所要の値よりも大きい場合には、インダクタに電流を流す時間を補正することで、Iを適正な値に調節する。
これにより、インダクタ電流Iの波形を精度よく制御することができ、ピエゾ素子PZTをより正確に動作させることができる。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<液体噴出装置について>
前述の各実施形態では、発熱を低減した液体噴出装置の一例としてプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造型機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体噴出装置に、本実施形態と同様の技術を適用してもよい。
<電流増幅用トランジスタについて>
前述の各実施形態では、電流増幅回路82が有する充電用トランジスタとしてNPN型トランジスタ821を例示し、放電用トランジスタとしてPNP型トランジスタ822を例示した。しかし、電圧波形信号COM´(アナログ信号)について電流の増幅を行えるものであれば、他の種類のトランジスタを用いてもよい。
<MOSFETについて>
前述の各実施形態では、スイッチ素子としてMOSFETを例示して説明したが、これに限られるものではない。コントローラー60により、ON/OFFの制御が自在であり、応答性に問題がなければリレー等他のスイッチ素子を用いてもよい。
<ピエゾ素子について>
前述の各実施形態では、液体を噴出させるための動作を行う素子としてピエゾ素子PZTを例示したが、他の素子であってもよい。例えば、発熱素子や静電アクチュエーターを用いてもよい。
<他の装置について>
前述の各実施形態では、ヘッド41をキャリッジとともに移動させるタイプのプリンター1を例に挙げて説明したが、プリンターはヘッドが固定された、いわゆるラインプリンターでもよい。
1 プリンター、20 搬送ユニット、21 給紙ローラー、
22 搬送モータ、23 搬送ローラー、24 プラテン、
25 排紙ローラー、30 キャリッジユニット、
31 キャリッジ、32 キャリッジモーター、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、411 ケース、
412 流路ユニット、412a 流路形成板、
412b 弾性板、412c ノズルプレート、
412d 圧力室、412e ノズル連通口、
412f 共通インク室、412g インク供給路、
412h アイランド部、412i 弾性膜、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、53 紙検出センサ、
54 光学センサ、60 コントローラー、
61 インターフェース部、62 負荷カウンター、
63 CPU、64 メモリ、65 ユニット制御回路、
66 プリドライバ、70 駆動信号生成回路(デジタル式)、
71 インダクタ、72 入力側回路、721 MOSFET(P型)、
722 MOSFET(N型)、723 MOSFET(N型)、
724 ダイオード、73 出力側回路、731 MOSFET(P型)、
732 MOSFET(N型)、733 MOSFET(P型)、
734 ダイオード、735 ダイオード、
80 駆動信号生成回路(アナログ式)、81 波形生成回路、
811 DAC回路、812 プリアンプ、82 電流増幅回路、
821 NPN型トランジスタ、822 PNP型トランジスタ、
83A コンパレーター、83B コンパレーター、84A 抵抗、
84B 抵抗、85A 電流計、85B 電流計、
86 差動前段増幅回路、110 コンピューター

Claims (8)

  1. 充電、または、放電することにより動作して、液体を噴出する圧電素子と、
    エネルギーを蓄えることにより、前記圧電素子に充電、または、放電を行うインダクタと、
    前記インダクタの入力端と第1の電源との間に設けられた第1スイッチと、
    前記インダクタの出力端と前記第1の電源よりも低い電位を有する第2の電源との間に設けられた第2スイッチと、
    前記インダクタの入力端と前記圧電素子との間に設けられた第3のスイッチと、
    前記インダクタの出力端と前記圧電素子との間に設けられた第4のスイッチと、
    前記各スイッチのON/OFFを制御する制御部と、
    を備える液体噴出装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴出装置であって、
    前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチを共にOFFにして、
    前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを共にONにして、
    前記第1の電源からインダクタを介して前記第2の電源に電流を流し、前記インダクタにエネルギーを蓄えることを特徴とする液体噴出装置。
  3. 請求項2に記載の液体噴出装置であって、
    前記第3のスイッチをOFFにして、
    前記第4のスイッチをONにすることで、
    前記エネルギーを蓄えたインダクタから前記圧電素子に充電を行うことを特徴とする液体噴出装置。
  4. 請求項2または3に記載の液体噴出装置であって、
    前記第3のスイッチをONにして、
    前記第4のスイッチをOFFにすることで、
    前記圧電素子から前記エネルギーを蓄えたインダクタに放電を行うことを特徴とする液体噴出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液体噴出装置であって、
    前記圧電素子に電流を供給する充電用トランジスタと、前記圧電素子から電流を放出させる放電用トランジスタとが相補的に接続された電流増幅部を有し、
    前記インダクタから前記圧電素子に充電を行う際に、
    前記インダクタから供給する電流が所要の電流値より小さい場合は、前記充電用トランジスタから差分の電流を供給し、
    前記インダクタから供給する電流が所要の電流値より大きい場合は、前記放電用トランジスタから差分の電流を放出することを特徴とする液体噴出装置。
  6. 請求項に記載の液体噴出装置であって、
    前記電流増幅部を有し、
    前記圧電素子から前記インダクタに放電を行う際に、
    前記インダクタに放出する電流が所要の電流値より小さい場合は、前記放電用トランジスタから差分の電流を放出し、
    前記インダクタに放出する電流が所要の電流値より大きい場合は、前記充電用トランジスタから差分の電流を供給することを特徴とする液体噴出装置。
  7. 請求項5または6に記載の液体噴出装置であって、
    前記圧電素子の充放電を行う際に、前記放電用トランジスタおよび前記充電用トランジスタに流れる電流の大きさを、電流値、または、電圧値として検出する検出部と、
    検出した前記電流の大きさを判定して、前記インダクタに流れる電流の大きさを調節する制御部と、
    を備える液体噴出装置。
  8. エネルギーを蓄えたインダクタにより圧電素子に充放電を行うことと、
    前記インダクタの入力端と第1の電源との間に設けられた第1スイッチと、前記インダクタの出力端と前記第1の電源よりも低い電位を有する第2の電源との間に設けられた第2スイッチと、前記インダクタの入力端と前記圧電素子との間に設けられた第3のスイッチと、前記インダクタの出力端と前記圧電素子との間に設けられた第4のスイッチと、のそれぞれについてON/OFFを制御することと、
    充放電された前記圧電素子が駆動することで、液体を噴出する液体噴出方法。
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