JP4774708B2 - 未架橋ポリエチレン発泡成形体 - Google Patents

未架橋ポリエチレン発泡成形体 Download PDF

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Description

本発明は、未架橋ポリエチレン発泡成形体に関するものであり、さらに詳しくは特定の性状を満足するポリエチレン系樹脂からなる発泡成形性が良好で、かつ発泡体とした際の厚みむらがなく、表面特性に優れると共に高発泡倍率となる未架橋ポリエチレン発泡成形体に関するものである。
従来、密度の高い直鎖状のポリエチレンは、(1)剛性などの機械的強度が高く、かつ物性バランスに優れる、(2)化学的に安定で、耐候性に優れ、化学薬品などに侵されにくい、(3)融点が高く、耐熱性に優れる、(4)軽量で安価である、などの特徴を有すると共に、溶融成形性に優れ、押出し成形,ブロー成形,射出成形,インフレーション成形などの溶融成形法を適用し得ることから、多くの分野において広範に用いられている。ところで、熱可塑性樹脂の発泡体には、これまで発泡成形を比較的容易に行い得ることからポリスチレンのような非晶性樹脂が多く用いられてきた。しかし、最近、発泡体の品質の向上、例えば耐熱性や耐衝撃特性に優れるものに対する要求が高まっていることから、密度の高い直鎖状のポリエチレンを使用した発泡体が求められるようになってきた。
しかしながら、密度の高い直鎖状のポリエチレンは比較的結晶化度が高く、僅かな温度変化により粘弾性が大きく変化するため、発泡成形のための加工適正温度範囲が極めて狭いという課題を有している。また、結晶融点以上での溶融粘度が極めて低く、発泡した際の気泡が保持できず、破泡しやすく、そのため、独立気泡を有する良好な機械的特性および耐熱性に優れた発泡体や、発泡倍率の高い発泡体を得ることは困難であった。従って、密度の高い直鎖状のポリエチレンを用い、独立気泡を有する品質の良好な発泡体や、発泡倍率の高い発泡体を得るためには、このような密度の高い直鎖状のポリエチレンの溶融張力を高めることが必要であった。
このため、密度の高い直鎖状のポリエチレンの溶融張力を高める方法としては、(1)溶融張力の高い高分子量のポリエチレンを混合する方法(例えば、特許文献1参照)、(2)クロム系触媒によって製造される溶融張力の高いポリエチレンを混合する方法(例えば、特許文献2参照)、(3)高圧ラジカル重合法により製造される低密度ポリエチレンを混合する方法(例えば、特許文献3参照)、(4)ポリエチレンに架橋剤や過酸化物を添加して改質することにより溶融張力を高める方法(例えば、特許文献4参照)、(5)ポリエチレンを不飽和カルボン酸などで変成する方法(例えば、特許文献5参照)等が提案されている。
特開平10−7726号公報 特開平2−132109号公報 特開平7−134359号公報 特開2003−327757公報 特開平11−246713号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3で提案されている方法において、溶融張力を発泡成形に必要なレベルまで高めるためには、ブレンドする樹脂を大量に使用することが必要であり、このことがコストアップにつながるばかりでなく、発泡成形体を構成する密度の高い直鎖状のポリエチレンの均一性が不足するために、該ポリエチレンが本来有している特徴を損なうものとなる。また、上記特許文献4で提案されている方法においては、架橋剤や過酸化物により副反応として起こる架橋反応を制御することが困難であり、ゲルの発生により発泡成形体の外観不良や機械特性に悪影響が生じる上、成形加工性を任意に制御することに限界があり、制御範囲が狭いという問題がある。さらに、上記特許文献5で提案されている方法においては、密度の高い直鎖状のポリエチレンの化学的安定性が損なわれ、しかもスチレン系のグラフト体とすることにより樹脂リサイクル性にも課題が生じる。
そこで、本発明は、密度の高い直鎖状のポリエチレンが本来有している優れた特性を保持したままで、発泡状態が良好(不均一セルや粗大セルが少なく、均一なセルが多い)であり、かつ発泡成形体の厚みむらがなく、表面特性に優れると共に、発泡倍率も高いポリエチレン系樹脂からなる未架橋ポリエチレン発泡成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の性状を有するポリエチレン系樹脂からなる未架橋ポリエチレン発泡成形体が、発泡状態が良好で、かつ発泡成形体の厚みむらがなく、表面特性に優れると共に、機械的特性および耐熱性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記(a)〜(d)の要件を満たすポリエチレン系樹脂を発泡してなる未架橋ポリエチレン発泡成形体に関するものである。
(a)密度が890kg/m以上980kg/m以下、
(b)炭素数6以上の長鎖分岐数が1,000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下、
(c)190℃で測定した溶融張力(MS190)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(1)
MS190>22×MFR−0.88 (1)
を満たすと共に、160℃で測定した溶融張力(MS160)(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が、下記式(2)を満たし、
MS160>110−110×log(MFR) (2)
(d)示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つである
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の未架橋ポリエチレン発泡成形体を構成するポリエチレン系樹脂の密度は、JIS K6922−1(1998)に準拠して密度勾配管法で測定した値として、890kg/m以上980kg/m以下、好ましくは940kg/m以上980kg/m以下、さらに好ましくは951kg/m以上980kg/m以下である。密度が890kg/m未満の場合、発泡成形後の収縮が大きすぎて均一な発泡体が得られない。また、980kg/mを超えると発泡成形時の成形可能な温度範囲が非常に狭いために発泡体が得られない。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(M)は、30,000以上10,000,000以下であり、好ましくは40,000以上8,000,000以下であり、さらに好ましくは50,000以上5,000,000以下である。Mが30,000未満の場合は、得られる発泡体の強度が著しく低くなり好ましくない。また、10,000,000を超える場合は、樹脂の粘度が高すぎるため発泡成形が著しく困難になる恐れがある。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるMFRは、0.1〜50g/10分、好ましくは1〜10g/10分、さらに好ましくは2〜5g/10分である。0.1g/10分未満または50g/10分を超えると発泡成形を行うことが著しく困難になるため、均一な発泡体が得られない恐れがある。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の長鎖分岐数は、1,000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下である。0.01個未満では気泡を保持することができず、良好な発泡体が得られない恐れがある。また、3個を超えると発泡体の力学的性質が劣る恐れがある。なお、長鎖分岐数とは、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上(炭素数6以上)の分岐の数である。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の190℃で測定した溶融張力MS190(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)は、下記式(1)
MS190>22×MFR−0.88 (1)
で示される関係にあり、好ましくは下記式(1)’
MS190>30×MFR−0.88 (1)’
で示される関係にあり、さらに好ましくは下記式(1)”
MS190>5+30×MFR−0.88 (1)”
で示される関係にある。(1)式を満たさない場合、気泡の保持力が乏しく、良好な発泡体が得られない恐れがある。
また、本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の160℃で測定した溶融張力MS160(mN)と2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)は、下記式(2)
MS160>110−110×log(MFR) (2)
で示される関係にあり、好ましくは下記式(2)’
MS160>130−110×log(MFR) (2)’
で示される関係にあり、さらに好ましくは下記式(2)”
MS160>150−110×log(MFR) (2)”
で示される関係にある。(2)式を満たさない場合、気泡の保持力が劣り、高発泡倍率、均一気泡を有する発泡体が得られない恐れがある。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂は、示差走査型熱量計(DSC)による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つであることを特徴とし、これによって得られる発泡体は弾性率の温度依存性が小さく、かつ、耐熱性に優れるものとなる。吸熱曲線は、アルミニウム製のパンに5〜10mgのサンプルを挿填し、DSCにて昇温することによって得られる。なお、昇温測定は、予め230℃で3分間放置した後、10℃/分で−10℃まで降温し、その後、10℃/分の昇温速度で150℃まで昇温することにより行われる。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)/固有粘度計によって評価した収縮因子(g’値)が0.1以上0.9未満、さらには0.1以上0.7以下であることが好ましく、これによってポリエチレン系樹脂を発泡成形する際の気泡の破壊が抑制されるため、得られる発泡体の発泡倍率が高くなり、気泡の均一性も向上する。本発明における収縮因子(g’値)とは、長鎖分岐の程度を表すパラメータであり、重量平均分子量(M)の3倍の絶対分子量における本ポリエチレン系樹脂の固有粘度と、分岐が全くない高密度ポリエチレン(HDPE)の同じ分子量における固有粘度との比である。また、このg’値とGPC/光散乱計によって評価した収縮因子(g値)との間には、好ましくは式(3)、さらに好ましくは式(3)’で示される関係があり、これによって発泡性はさらに向上する。なお、g値はMの3倍の絶対分子量における本ポリエチレン系樹脂の慣性半径の二乗平均と、分岐が全くないHDPEの同じ分子量における慣性半径の二乗平均との比である。
0.2<log(g’)/log(g)<1.3 (3)
0.5<log(g’)/log(g)<1.0 (3)’
さらに、Mの3倍の絶対分子量におけるg値(g3M)とMの1倍の絶対分子量におけるg値(g)の間には、式(4)、好ましくは式(4)’、さらに好ましくは式(4)”で示される関係があることが、発泡性向上のために望ましい。
0<g3M/g≦1 (4)
0<g3M/g≦0.9 (4)’
0<g3M/g≦0.8 (4)”
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂は、エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、
(e)Mが2,000以上であり、
(f)M/Mが2以上5以下である
マクロモノマーの存在下に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することによって得られたものであることが望ましい。マクロモノマーとは、末端にビニル基を有するオレフィン重合体であり、好ましくはエチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、さらに好ましくは任意に用いられる炭素数3以上のオレフィンに由来する分岐以外の分岐のうち、長鎖分岐(すなわち、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上の分岐)が、主鎖メチレン炭素1,000個当たり0.01個未満である、末端にビニル基を有する直鎖状エチレン重合体または直鎖状エチレン共重合体である。
炭素数3以上のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等のα−オレフィン、ノルボルネンもしくはノルボルナジエン等の環状オレフィン、ブタジエンもしくは1,4−ヘキサジエン等のジエンまたはスチレンを例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
マクロモノマーとして、末端にビニル基を有するエチレン重合体または末端にビニル基を有するエチレン共重合体を用いる場合、その直鎖状ポリエチレン換算の数平均分子量(M)は、5,000以上であり、好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは15,000以上である。直鎖状ポリエチレン換算の重量平均分子量(M)は、10,000以上であり、好ましくは15,000以上であり、さらに好ましくは20,000より大きい。また、重量平均分子量(M)とMの比(M/M)は、2以上5以下であり、好ましくは2以上4以下であり、さらに好ましくは2以上3.5以下である。下記一般式(5)
Z=[X/(X+Y)]×2 (5)
(ここで、Xはマクロモノマーの主鎖メチレン炭素1,000個当たりのビニル末端数であり、Yはマクロモノマーの主鎖メチレン炭素1,000個当たりの飽和末端数である。)
で表されるビニル末端数と飽和末端数の比(Z)は0.25以上1以下であり、好ましくは0.50以上1以下である。XおよびYは、H−NMR、13C−NMRまたはFT−IR等で求められる。例えば、13C−NMRにおいて、ビニル末端は114ppm、139ppm、飽和末端は32.3ppm、22.9ppm、14.1ppmのピークにより、その存在および量が確認できる。
本発明におけるマクロモノマーの製造方法に関して特に限定はないが、マクロモノマーとして末端にビニル基を有するエチレン重合体または末端にビニル基を有するエチレン共重合体を製造する場合は、例えば周期表第3族、第4族、第5族および第6族から選ばれる遷移金属を含有するメタロセン化合物を主成分として含む触媒を用いてエチレンを重合する方法を用いることができる。助触媒としては、有機アルミニウム化合物、プロトン酸塩、ルイス酸塩、金属塩、ルイス酸および粘土鉱物等が挙げられる。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂は、例えば周期表第3族、第4族、第5族および第6族から選ばれる遷移金属を含有するメタロセン化合物を主成分として含む触媒を用いて、マクロモノマーの存在下に、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することによって得られる。また、マクロモノマーの製造と同様に、助触媒を用いることができる。重合温度は、−70〜300℃、好ましくは0〜250℃、さらに好ましくは20〜150℃の範囲である。エチレン分圧は、0.001〜300MPa、好ましくは0.005〜50MPa、さらに好ましくは0.01〜10MPaの範囲である。また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。
本発明において、マクロモノマーの存在下に、エチレンと炭素数3以上のオレフィンを重合する場合、エチレン/炭素数3以上のオレフィン(モル比)は、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂には、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、核剤、顔料、カーボンブラック、タルク、ガラス粉、ガラス繊維等の無機充填剤または補強剤、有機充填剤または補強剤、難燃剤、中性子遮蔽剤等の公知の添加剤を配合することができる。
本発明の未架橋ポリエチレン発泡成形体の製造方法としては、未架橋ポリエチレン系発泡成形体が得られる限りいかなる方法を用いてもよく、例えば上記ポリエチレン系樹脂および必要に応じて発泡剤、充填剤、安定剤、難燃剤、着色剤、他の樹脂成分等の添加剤をヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー等に代表される混合機で混合した組成物を、例えば押出機、好ましくはベント付押出機を用いて混練し、該押出機に取付けたT−ダイ、円環状ダイ等のダイを通して押出成形と同時に発泡を行い、未架橋発泡成形体を得る方法;一旦未発泡の状態でシート化した後、加熱発泡して未架橋発泡成形体を得る方法;発泡剤を含有したビーズ状に成形した後、加熱発泡して未架橋発泡成形体を得る方法等を挙げることができる。
この際の発泡剤としては、例えば二酸化炭素、窒素、アルゴン、空気等の無機ガス発泡剤;プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン等の揮発性発泡剤;常温で液体または固体であって、加熱により気体を発生するアゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、ビウレア、炭酸亜鉛等の化学発泡剤等を挙げることができ、該発泡剤の添加量としては、本発明の未架橋ポリエチレン発泡成形体を構成するポリエチレン系樹脂100重量部に対し1〜20重量部であることが好ましく、特に2〜5重量部の範囲であることが好ましい。
また、本発明の未架橋ポリエチレン発泡成形体は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて上記ポリエチレン系樹脂に他の樹脂を添加してなるものであってもよく、その際の他の樹脂としてはオレフィン系重合体であることが好ましく、そのようなオレフィン系重合体としては従来より知られている炭素数2〜20のα−オレフィンの単独重合体または共重合体を挙げることができ、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ1−ペンテン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/エチレン共重合体、エチレン/プロピレン/ポリエン共重合体、種々のプロピレン系ブロック共重合体やプロピレン系ランダム共重合体などが挙げられる。これら他の樹脂の配合割合としては特に制限はなく、各種状況に応じて適宜選定することができ、その中でも50重量%以下が好ましく、特に5〜30重量%であることが好ましい。
さらに、各種添加成分としては、例えば酸化劣化、熱劣化などを防止する安定剤として、例えばフェノール系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等;例えば球状フィラー、板状フィラー、繊維状フィラーなどの充填剤;例えばステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土金属塩、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、さらにはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などのアルカリ金属塩などの高級脂肪酸金属塩;難燃剤;帯電防止剤;着色剤;滑剤;天然油;合成油;ワックスなどが挙げられる。
本発明によれば、発泡状態が良好(不均一セルや粗大セルが少なく、均一なセルが多い)であり、かつ発泡成形体の厚みむらがなく、表面特性に優れると共に、発泡倍率も高いポリエチレン系樹脂からなる未架橋ポリエチレン発泡成形体が得られる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
変性ヘクトライトの調製、マクロモノマー製造用触媒の調製、マクロモノマーの製造、ポリエチレンの製造および溶媒精製は、全て不活性ガス雰囲気下で行った。変性ヘクトライトの調製、マクロモノマー製造用触媒の調製、マクロモノマーの製造、ポリエチレンの製造に用いた溶媒等は、全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドは公知の方法により合成、同定したものを用いた。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)、メチルアルモキサンのトルエン溶液(商品名:PMAO;Al:2.4mol/L)およびトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.848M)は東ソー・ファインケム(株)製を用いた。
さらに、実施例および比較例におけるポリエチレン系樹脂の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
〜分子量および分子量分布〜
重量平均分子量(M)および数平均分子量(M)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mLの濃度で調製し、0.3mL注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MおよびMは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
〜収縮因子(g’値)〜
収縮因子(g’値)は、GPCによって分別したポリエチレン系樹脂の[η]を測定する手法で求めたMの3倍の絶対分子量における[η]を、分岐が全くないHDPEの同一分子量における[η]で除した値である。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を145℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は2.0mg/mLの濃度で調製し、0.3mL注入して測定した。粘度計は、Viscotek社製 キャピラリー差圧粘度計210R+を用いた。
〜収縮因子(g値)〜
収縮因子(g値)は、GPCによって分別したポリエチレン系樹脂を、光散乱によって慣性半径を測定する手法で求めた。本発明に用いるポリエチレン系樹脂のMの3倍の絶対分子量における慣性半径の二乗平均を、分岐が全くないHDPEの同一分子量における慣性半径の二乗平均で除した値である。光散乱検出器としては、Wyatt Technology社製 多角度光散乱検出器DAWV EOSを用い、690nmの波長で、29.5°、33.3°、39.0°、44.8°、50.7°、57.5°、64.4°、72.3°、81.1°、90.0°、98.9°、107.7°、116.6°、125.4°、133.2°、140.0°、145.8°の検出角度で測定した。
〜Z値〜
ビニル末端、飽和末端などのマクロモノマーの末端構造は、日本電子(株)製 JNM−ECA400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによって測定した。溶媒はテトラクロロエタン−dである。ビニル末端数は、主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として114ppm、139ppmのピークの平均値から求めた。また、飽和末端数は、同様に32.3ppm、22.9ppm、14.1ppmのピークの平均値から求めた。このビニル末端数(X)と飽和末端数(Y)から、Z=[X/(X+Y)]×2を求めた。
〜密度〜
密度は、JIS K6922−1(1998)に準拠して密度勾配管法で測定した。
〜MFR〜
MFRは、JIS K6922−1(1998)に準拠して190℃、2.16kg荷重で測定した。
〜長鎖分岐数〜
ポリエチレン系樹脂の長鎖分岐数は、日本電子(株)製 JNM−GSX270型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによって測定した。
〜溶融張力〜
溶融張力(MS)は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さ(L)が8mm、直径(D)が2.095mm、流入角が90°のダイを装着し測定した。MSは、温度を160℃または190℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)をMSとした。
〜吸熱ピークの数〜
DSC(パーキンエルマー社製、商品名:DSC−7)を用いて測定を行なった。5〜10mgのポリエチレン系樹脂をアルミニウムパンに挿填し、DSCに設置した後、80℃/分の昇温速度で230℃まで昇温し、230℃で3分間放置する。その後、10℃/分の降温速度で−10℃まで冷却し、再度10℃/分の昇温速度で−10℃から150℃まで昇温する手順で昇温/降温操作を行い、2回目の昇温時に観測される吸熱曲線のピーク数を評価した。
〜発泡倍率〜
発泡体から10cm×10cmを切り出し、厚みt(cm)と重量W2(g)を測定し、次式で見掛密度を算出する。
見掛密度(g/cm)=W2/(10×10×t)
発泡倍率は、この見掛密度より、次式で求められる。
発泡倍率=1/見掛密度
〜加熱収縮率〜
発泡体から15cm×15cmの正方形サンプルを切り出し、その中心に各辺に平行となる各々長さ10cmの直交した標線を書き、このサンプルを120℃の熱風循環オ−ブンに入れ、1時間加熱後、取出し、室温になるまで自然冷却する。この加熱処理サンプルの各標線長さを測定し、平均値をLa(cm)とし、下記の式に従って加熱収縮率を算出した。耐熱性については、厚さ方向の加熱収縮率5%未満のものを合格とした。
実施例1
[変性ヘクトライトの調製]
水60mLにエタノール60mLと37%濃塩酸2.0mLを加えた後、得られた溶液にN−メチルジオレイルアミン 11.7g(0.022mol)を添加し、60℃に加熱することによって、N−メチルジオレイルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト20gを加えた。この懸濁液を60℃で3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。元素分析の結果、変性ヘクトライト1g当たりのイオン量は0.85mmolであった。
[マクロモノマー製造用触媒の調製]
上記変性ヘクトライト8.0gをヘキサン29mLに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)46mLを添加し、室温で1時間攪拌することにより、変性ヘクトライトとトリイソブチルアルミニウムの接触生成物を得た。一方、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド14.0mg(40μmol)をトルエンに溶解させたものを添加し、室温で一晩攪拌することにより、触媒スラリー(100g/L)を得た。
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)12mLを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー3mLを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始53分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返した。このオートクレーブから抜き出したマクロモノマーのMは10,950、M/Mは2.61であり、13C−NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、ビニル末端数と飽和末端数の比(Z)はZ=0.57であった。また、13C−NMRにおいてメチル分岐が1,000炭素原子当たり0.52個、エチル分岐が1,000炭素原子当たり1.22個検出された。さらに、13C−NMRにおいて長鎖分岐は検出されなかった。
[ポリエチレンの製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)12mLとジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を60℃に昇温した。エチレン/水素混合ガス(水素28,500ppm)を分圧が0.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.3MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始173分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、865gのポリマーが得られた。得られたポリエチレンのMFRは4.3g/10分、密度は960kg/m、Mは9.6×10、M/Mは6.6、長鎖分岐数は0.03個/1,000炭素、示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークは一つであった。その他の物性を表1〜3に示す。
[未架橋ポリエチレン発泡成形体の製造]
該ポリエチレン100重量部に対し、発泡核剤としてタルク(平均粒径8μm)を0.7重量部の割合で含有する発泡成形用エチレン系重合体組成物をメルトブレンドにより調製した。そして、バレルの途中に揮発性液体注入用のバレル孔を有する単軸押出機(スクリュー径50mmφ、L/D=36、共伸機械製)の発泡成形用押出設備を用い、発泡成形用エチレン系共重合体を10kg/時で供給し、溶融混練を行った後、揮発性液体であるブタンを700g/時でバレル孔から圧入して、該ブタンを分散させ、発泡成形体表面に凹凸が発生しない最低の樹脂温度である135℃に調整した丸棒用ダイ(径13mmφ)により棒状の発泡成形体を押出した。該棒状発泡成形体の外側に空気を吹き付け5.0m/分で引き取り、発泡倍率22倍の棒状発泡成形体を得た。
未架橋ポリエチレン発泡成形体は、発泡状態の断面における気泡の状態を目視にて評価したところ、均一で微細なセルを有していることが確認された。また、棒状発泡成形体の外観も平滑で、むらがなく良好であった。
実施例2
[変性ヘクトライトの調製]
水60mLにエタノール60mLと37%濃塩酸2.0mLを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチルベヘニルアミン 7.78g(0.022mol)を添加し、60℃に加熱することにより、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト20gを加えた。この懸濁液を60℃で3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することにより、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。元素分析の結果、変性ヘクトライト1g当たりのイオン量は0.85mmolであった。
[マクロモノマー製造用触媒の調製]
上記変性ヘクトライト8.0gをヘキサン29mLに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)46mLを添加し、室温で1時間攪拌することにより、変性ヘクトライトとトリイソブチルアルミニウムの接触生成物を得た。一方、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド18.9mg(40μmol)をトルエンに溶解させたものを添加し、室温で一晩攪拌することによって、触媒スラリー(100g/L)を得た。
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)5.0mLを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー0.88mLを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返した。このオートクレーブから抜き出したマクロモノマーのMは14,400、M/Mは3.02であり、13C−NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、ビニル末端数と飽和末端数の比(Z)はZ=0.65であった。また、13C−NMRにおいてメチル分岐が1,000炭素原子当たり0.41個、エチル分岐が1,000炭素原子当たり0.96個検出された。さらに、13C−NMRにおいて長鎖分岐は検出されなかった。
[ポリエチレンの製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)1.4mLとジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を90℃に昇温した。エチレン/水素混合ガス(水素3,600ppm)を分圧が0.3MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.3MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始194分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、870gのポリマーが得られた。得られたポリエチレンのMFRは6.1g/10分、密度は958kg/m、Mは9.7×10、M/Mは7.2、長鎖分岐数は0.03個/1,000炭素、示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークは一つであった。その他の物性を表1〜3に示す。
[未架橋ポリエチレン発泡成形体の製造]
実施例1と同様の方法により発泡成形用エチレン系重合体組成物を調製し、それより未架橋ポリエチレン発泡成形体を得た。
未架橋ポリエチレン発泡成形体は、発泡体の断面における気泡の状態を目視にて評価したところ、発泡倍率が22倍であり、均一なセルを有していることが確認された。また、棒状発泡成形体の外観も平滑であった。
実施例3
[マクロモノマーの製造]
10Lオートクレーブに、ヘキサン6,000mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)5mLを導入し、オートクレーブの内温を90℃に昇温した。このオートクレーブに、実施例1で得られたマクロモノマー製造用触媒スラリー25mLを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始16分後に、内温を50℃まで降温してオートクレーブの内圧を0.1MPaまで脱圧した後、オートクレーブに窒素を0.6MPaになるまで導入して脱圧した。この操作を5回繰り返した。このオートクレーブから抜き出したマクロモノマーのMは9,600、M/Mは2.30であり、13C−NMRによりマクロモノマーの末端構造を解析したところ、ビニル末端数と飽和末端数の比(Z)はZ=0.57であった。また、13C−NMRにおいてメチル分岐が1,000炭素原子当たり0.52個、エチル分岐が1,000炭素原子当たり1.22個検出された。さらに、13C−NMRにおいて長鎖分岐は検出されなかった。
[ポリエチレンの製造]
上記で製造したマクロモノマーが含まれる10Lオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714mol/L)5mLとジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド 7μmolを導入し、オートクレーブの内温を90℃に昇温した。エチレンを分圧が0.1MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が0.1MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始180分後に、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、665gのポリマーが得られた。得られたポリエチレンのMFRは8.0g/10分、密度は972kg/m、Mは8.6×10、M/Mは6.4、長鎖分岐数は0.03個/1,000炭素、示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークは一つであった。その他の物性を表1〜3に示す。
[未架橋ポリエチレン発泡成形体の製造]
実施例1と同様の方法により発泡成形用エチレン系重合体組成物を調製し、それより未架橋ポリエチレン発泡成形体を得た。
未架橋ポリエチレン発泡成形体は、発泡体の断面における気泡の状態を目視にて評価したところ、発泡倍率が22倍であり、均一なセルを有していることが確認された。また、棒状発泡成形体の外観も平滑であった。
比較例1
示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つである市販の高密度ポリエチレン(ニポロンハード#4000、東ソー(株)製、MFR=5.0g/10分、密度965kg/m)を用い、実施例1と同様の方法で発泡成形用エチレン系重合体組成物を調製し、未架橋ポリエチレン発泡成形体の成形を試みた。
発泡成形時における気泡の状態を観察したところ、気泡の成長時にセルが破壊してしまい、発泡倍率が低く、不均一なセルを有していることが確認された。また、棒状発泡成形体の外観も荒れており、使用できない物であった。
比較例2
市販の高密度ポリエチレン(ニポロンハード#2500、東ソー(株)製、MFR=8.0g/10分、密度961kg/m)50重量%と低密度ポリエチレン(ペトロセン203、東ソー(株)製、MFR=8.0g/10分、密度919kg/m)50重量%を混合した樹脂を用い、実施例1と同様の方法で発泡成形用エチレン系重合体組成物を調製し、未架橋ポリエチレン発泡成形体の成形を試みた。用いた高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの混合物は、示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが二つであることに加え、発泡成形時における気泡の状態を観察したところ、気泡の成長時にセルが破壊してしまい、発泡倍率が低く、不均一なセルを有していることが確認された。また、棒状発泡成形体の外観も荒れており、使用できない物であった。
Figure 0004774708
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Claims (1)

  1. エチレンを重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン重合体、またはエチレンと炭素数3以上のオレフィンを共重合することによって得られる末端にビニル基を有するエチレン共重合体であり、
    (e)Mが9600以上14400以下であり、
    (f)M/Mが2.30以上3.02以下である
    マクロモノマーの存在下に、(A)ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド又はジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(B)変性ヘクトライト及び(C)トリイソブチルアルミニウムからなる触媒を用いて、エチレンおよび任意に炭素数3以上のオレフィンを重合することにより得られた、下記(a)〜(d)の要件を満たすポリエチレン系樹脂を発泡してなる未架橋ポリエチレン発泡成形体。
    (a)密度が958kg/m以上972kg/m以下、
    (b)炭素数6以上の長鎖分岐数が1,000個の炭素原子当たり0.03個、
    (c)190℃で測定した溶融張力(MS190)(mN)が41〜65、
    2.16kg荷重のMFR(g/10分、190℃)が4.3〜8.0、
    160℃で測定した溶融張力(MS160)(mN)が85〜130、
    (d)示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線のピークが一つである
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