JP4771892B2 - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ、及び電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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以上のようなことから、これら従来技術における電荷輸送性構造を化学結合させた架橋感光層を有する感光体においても、現状では充分な総合特性を有しているとは言えない。
(1)「導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、少なくともラジカル重合性化合物を含む塗工液を塗工し、形成した塗膜を光硬化して感光体の表面層を形成するものであり、前記塗工液は、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物および電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを含み、かつ酸価が0.2(mgKOH/g)以下であり、前記ラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法」、
(2)「前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が1つであることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造方法」、
(3)「前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が3つ以上であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真感光体の製造方法」、
(4)「前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の積層構成であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法」、
(5)「前記塗工液の酸価を低減する塗工液の酸価低減工程を含み、該塗工液の酸価低減工程が吸着処理であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法」、
(6)「前記吸着処理が、前記塗工液中に存在する酸性化合物を吸着処理により除去するものであることを特徴とする前記第(5)項に記載の電子写真感光体の製造方法」、
(7)「前記吸着処理に用いる吸着剤の有効成分としてシリカゲル、酸性アルミナ、中性アルミナ、塩基性アルミナ、活性白土、ゼオライト、ケイ酸塩、酸化ケイ素、金属酸化物、活性炭の中から選ばれる少なくとも1種類以上を用いることを特徴とする前記第(6)項に記載の電子写真感光体の製造方法」、
(8)「前記吸着処理が、前記塗工液に用いられているものと同じ有機溶剤、もしくは該有機溶剤よりも沸点の低い有機溶剤で希釈された塗工液を吸着処理するものであり、さらにその後、溶媒留去により該塗工液を濃縮して、希釈前の有効成分組成比と同じになるように調整しなおす濃度調製工程を含むことを特徴とする前記第(6)項又は第(7)項に記載の電子写真感光体の製造方法」、
(9)「導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、少なくともラジカル重合性化合物を含む塗工液を塗工し、形成した塗膜を光硬化した表面層を有するものであり、前記塗工液は、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物および電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを含み、かつ酸価が0.2(mgKOH/g)以下であり、前記ラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする電子写真感光体」、
(10)「前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が1つであることを特徴とする前記第(9)項に記載の電子写真感光体」、
(11)「前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が3つ以上であることを特徴とする前記第(9)項又は第(10)項に記載の電子写真感光体」、
(12)「前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の積層構成であることを特徴とする前記第(9)項乃至第(11)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
(13)「前記塗工液の0.2(mgKOH/g)以下の酸価が、塗工液の酸価低減により行なわれ、該塗工液の酸価低減のための方法が吸着処理であることを特徴とする前記第(9)項乃至第(12)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
(14)「前記吸着処理が、該塗工液中に存在する酸性化合物を吸着処理により除去したものであることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体」、
(15)「前記吸着処理に用いる吸着剤の有効成分としてシリカゲル、酸性アルミナ、中性アルミナ、塩基性アルミナ、活性白土、ゼオライト、ケイ酸塩、酸化ケイ素、金属酸化物、活性炭の中から選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする前記第(13)項又は第(14)項に記載の電子写真感光体」、
(16)「前記塗工液に用いられているものと同じ有機溶剤、もしくは該有機溶剤よりも沸点の低い有機溶剤で希釈されて吸着処理された後に溶媒留去により濃縮され、希釈前の有効成分組成比と同じになるように調整しなおされて使用されることを特徴とする前記第(13)項乃至第(15)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
(17)「前記第(9)項乃至第(16)項のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を行なうことを特徴とする画像形成方法」、
(18)「前記第(9)項乃至第(16)項のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置」、
(19)「前記第(9)項乃至第(16)項のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」。
本発明は以下の基本的思想に基づくものである。本発明の感光体は電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物および電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを含むことで安定した電気特性と高い耐摩耗性を有する信頼性の高い電子写真感光体を実現でき、さらに架橋表面層を形成する塗工液の酸価を0.2(mgKOH/g)以下とすることで架橋表面層の膜中における酸性化合物の含有量を低減することができる。これにより酸性化合物による重合阻害が十分に抑制され、またそれ自体が電荷トラップになる可能性がある酸性化合物の量についても低減することができ、実使用環境における長期間の繰り返し使用における帯電工程において発生するオゾンや窒素酸化物といった酸化性ガスの影響や長期間に渡る電気疲労の繰り返しにより、架橋表面層中に電荷がトラップされ難くなることで、残像といった異常画像の発生を抑制し、さらなる高信頼性を達成することが可能なった。
本発明に用いられるラジカル重合性化合物において電荷輸送性構造を有するものが良好に使用可能である。本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送性構造を有しており、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX1、X2、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
前記一般式(1)、一般式(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as(asym)−インダセニル基、s(sym)−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基;
好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2);
R2は前記(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基;
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基;
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)以下の式で表わされる置換基
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
置換もしくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ベンジル基、ハロゲン原子が挙げられる。また、上記アルキル基、アルコキシ基は、さらにハロゲン原子、フェニル基を置換基として有していても良い。
Ar6は、少なくとも1個の3級アミノ基を有する芳香族炭化水素骨格からなる一価基または二価基もしくは少なくとも1個の3級アミノ基を有する複素環式化合物骨格からなる一価基または二価基を表わすが、ここで、3級アミノ基を有する芳香族炭化水素骨格とは下記一般式(A)で表わされる。
R13、R14の置換もしくは無置換のアルキル基はAr5の置換基で述べたアルキル基と同様である。
R13、R14の置換もしくは無置換のアリール基は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基に加えて下記一般式(B)で表わされる基を挙げることができる。
R21のハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R21のアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
Ar7のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基を挙げることができる。
Ar7、R13、R14は、Ar5で定義されたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していても良い。
アリール基は、R13、R14で定義されたアリール基と同様である。アリレン基は、そのアリール基から誘導される二価基である。
B1〜B4は、一般式(4)におけるB1、B2と同様であり、B1〜B4の内、どれか一つだけが存在し、二つ以上の存在は除外される。uは0〜5の整数、vは0〜4の整数を表わす。
3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
A=B×f×5.611/S
A:酸価
B:敵定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f:0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクター(本発明においては1である)
S:試料の質量
本発明の架橋表面層の膜厚は、架橋表面層が用いられる感光体の層構造によって異なるため、以下の層構造の説明に従い記載する。
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体(41)上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層(43)が設けられた単層構造の感光体である。架橋表面層が感光層全体の場合を示したのが図1−Aであり、架橋表面層が感光層の表面部分である場合を示したのが図1−Bである。
図2は、導電性支持体(41)上に、電荷発生機能を有する電荷発生層(45)と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層(47)とが積層された積層構造の感光体である。架橋表面層が電荷輸送層全体の場合を示すのが図2−Aであり、架橋表面層が電荷輸送層の表面部分である場合を示すのが図2−Bである。
導電性支持体(41)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(41)として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(41)として良好に用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
(電荷発生層)
電荷発生層(45)は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
また、後者の具体例としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
電荷発生層(45)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層(47)は電荷輸送機能を有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷輸送層として有用に用いられる。架橋表面層が電荷輸送層(47)の全体である場合、前述の架橋表面層作製方法に記載したように電荷発生層(45)上に本発明のラジカル重合性組成物(電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性官能基を有する電荷輸送性化合物;以下同じ)を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
また、架橋表面層が電荷輸送層(47)の表面部分に形成され、電荷輸送層(47)が積層構造である場合、電荷輸送層の下層部分は電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(45)上に塗布、乾燥することにより形成し、この上に上記本発明のラジカル重合性組成物を含有する塗工液を塗布し、外部エネルギーにより架橋硬化させる。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(45)で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。前述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、表面層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層の下層部分に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。上記の電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生物質をラジカル重合性組成物を含有する塗工液と共に分散し、電荷発生層(45)上に塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。なお、電荷発生物質はあらかじめ溶媒と共に分散した液を本架橋表面層用塗工液に加えてもよい。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により導電性基体または下引き層との剥離が生じやすくなる。
単層構造の感光層中に含有される電荷発生物質は感光層全量に対し1〜30重量%が好ましく、感光層の下層部分に含有される結着樹脂は全量の20〜80重量%、電荷輸送物質は10〜70重量部が良好に用いられる。
本発明の感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層への下層成分混入を抑える又は下層との接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する最表面層中に下部感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下層の感光層と表面架橋層の接着性を向上させることも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明の感光体においては、導電性支持体(41)と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、表面架橋層、感光層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
次に、図面を用いて本発明の画像形成装置を詳しく説明する。
図3は、本発明の画像形成プロセスおよび画像形成装置を説明するための概略図であり、下記に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図3において、感光体(21)は導電性支持体上に少なくとも感光層と特定の保護層が設けられてなり、感光層には前記一般式(1)で表わされる電荷輸送材料を含有してなる。感光体はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電ローラ(23)、転写前チャージャ(27)、転写チャージャ(30)、分離チャージャ(31)、クリーニング前チャージャ(33)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラ、転写ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
除電ランプ(22)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800nmの長波長光を有するため、前述の電荷発生材料であるフタロシアニン顔料が高感度を示すことから良好に使用される。かかる光源等は、図3に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られ、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図5において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
図7において、符号(1C),(1M),(1Y),(1K)はドラム状の感光体であり、感光体は導電性支持体上に少なくとも感光層と特定の保護層が設けられてなり、感光層には前記一般式(1)で表わされる電荷輸送材料を含有してなる。
この感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)、現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)、クリーニング部材(5C),(5M),(5Y),(5K)が配置されている。帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)と現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)の間の感光体表面側より、図示しない露光部材からのレーザー光(3C),(3M),(3Y),(3K)が照射され、感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)に静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)を中心とした4つの画像形成要素(6C),(6M),(6Y),(6K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(10)に沿って並置されている。転写搬送ベルト(10)は各画像形成ユニット(6C),(6M),(6Y),(6K)の現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)とクリーニング部材(5C),(5M),(5Y),(5K)の間で感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)に当接しており、転写搬送ベルト(10)の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ(11C),(11M),(11Y),(11K)が配置されている。各画像形成要素(6C),(6M),(6Y),(6K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。
融点は64.0〜66.0℃、元素分析値(%)は以下の表に示す。
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして例示化合物No.1の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。
融点は117.5〜119.0℃、元素分析値(%)は以下の表に示す。
(2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルの調製)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシベンジルアルコール(東京化成品製)38.4g、o−キシレン80mlを入れ、窒素気流下、亜リン酸トリエチル(東京化成品製)62.8gを80℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で1時間反応を行なった。その後、減圧蒸留により、生成したエタノール、溶媒のo−キシレン、未反応の亜リン酸トリエチルを除去し、66gの2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルを得た。(収率90%、沸点120.0℃/1.5mmHg)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、カリウム−tert−ブトキサイド14.8g、テトラヒドロフラン50mlを入れ、窒素気流下、2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル9.90gと4−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)ベンズアルデヒド5.44gとをテトラヒドロフランに溶解させた溶液を室温でゆっくり滴下し、その後、同温度で2時間反応させた。その後、水冷下、水を加え、次いで2規定の塩酸水溶液を加えて酸性化したのち、テトラヒドロフランをエバポレーターにより除き、粗生成物をトルエンで抽出した。トルエン相を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて脱水した。ろ過後、トルエンを除いてオイル状の粗収物を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行なった後、ヘキサン中で晶析させ、5.09gの2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベンを得た。(収率72%、融点136.0〜138.0℃)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン14.9g、テトラヒドロフラン100ml、12%濃度の水酸化ナトリウム水溶液21.5gを入れ、窒素気流下、5℃でアクリル酸クロリド5.17gを30分かけて滴下した。その後、同温度で3時間反応させた。反応液を水にあけ、トルエンで抽出した後、濃縮してシリカゲルによるカラム精製を行なった。得られた粗収物をエタノールで再結晶し、黄色針状晶の4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン−2−イルアクリレート(例示化合物No.34)13.5gを得た。(収率79.8%、融点104.1〜105.2℃)
元素分析値(%)を以下に示す。
<概要>
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工し、Fusion製UVランプシステム(ランプシステムの構成図を図9に示す)を用いて、照射時間:150秒の条件で光照射を行ない、更に130℃で20分乾燥を加え7μmの表面架橋層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
[下引き層用塗工液]
アルキッド樹脂:6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂:4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン:40部
メチルエチルケトン:50部
下記構造式(I)のビスアゾ顔料:2.5部
ビスフェノールZポリカーボネート:10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
下記構造式(II)の低分子電荷輸送物質:7部
下記記載材料を混合したのち下記吸着処理を行なうことで塗工液を調製した。
(1)材料
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:10部
[例示化合物No54.(分子量:419、官能基数:1官能)]
電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー:10部
[KAYARAD TMPTA(日本化薬製、官能基数:3官能)]
光重合開始剤:1部
(イルガキュア184、日本化薬製)
溶媒:120部
a.テトラヒドロフラン:90部
b.酢酸ブチル:30部
上記塗工液をジクロロメタン141部で希釈し、吸着剤としてシリカゲル(和光純薬工業製、ワコーゲルC−300)を固形分の50%にあたる10.5部加え、1時間スターラーで撹拌した。その後、0.1μmメンブレンフィルターを使用して加圧濾過し、エバポレーターにより溶媒を留去し、濃縮してもとの塗工液141部に戻した。
Fusion製UVランプシステム(照射光照度:3300W/cm2)
照射室雰囲気:大気下
熱媒体:水(流量:3.5L/min、循環方向:感光体上部から下部方向)
弾性部材:無し
実施例1の架橋表面層用塗工液を以下のように変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(1)材料
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:10部
[例示化合物No.50(分子量:586、官能基数:1官能)]
電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー:10部
a.KAYARAD TMPTA(日本化薬製、官能基数:3官能):5部
b.KAYARAD DPHA(日本化薬製、官能基数:5.5官能):5部
光重合開始剤:1部
(イルガキュア184、日本化薬製)
溶媒:120部
a.テトラヒドロフラン:90部
b.酢酸ブチル:30部
(2)吸着処理
吸着剤に酸性アルミナ(メルク社製1078活性度I)を使用した以外は実施例1と同様に吸着処理を行なった。
実施例1の架橋表面層用塗工液を以下のように変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(1)材料
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:10部
[例示化合物No.109(分子量:445、官能基数:1官能)]
電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー:10部
a.SR−350(日本化薬製、官能基数:3官能):5部
b.KAYARAD DPCA−120(日本化薬製、官能基数:6官能):5部
光重合開始剤:1部
(カヤキュアCTX、日本化薬製)
溶媒:120部
a.テトラヒドロフラン:90部
b.酢酸ブチル:30部
(2)吸着処理
吸着剤に塩基性アルミナ(メルク社製1076活性度I)を使用した以外は実施例1と同様に吸着処理を行なった。
実施例1の架橋表面層用塗工液を以下のように変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(1)材料
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:10部
[例示化合物No.160(分子量:385、官能基数:2官能)]
電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー:10部
[KAYARAD DPCA−120(日本化薬製、官能基数:6官能)]
光重合開始剤:1部
(イルガキュア819、日本化薬製)
溶媒:120部
a.テトラヒドロフラン:90部
b.酢酸ブチル:30部
(2)吸着処理
吸着剤に塩基性アルミナ(メルク社製1076活性度I)を使用した以外は実施例1と同様に吸着処理を行なった。
実施例1の架橋表面層用塗工液を以下のように変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(1)材料
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:10部
[例示化合物No.165(分子量:455、官能基数:3官能)]
電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー:10部
a.KAYARAD DPCA−120(日本化薬製、官能基数:6官能):5部
b.M−225(東亜合成製、官能基数:2官能):5部
光重合開始剤:1部
(イルガキュア819、日本化薬製)
溶媒:120部
a.テトラヒドロフラン:90部
b.酢酸ブチル:30部
(2)吸着処理
吸着剤に活性白土(和光純薬工業社製粉末試薬)を使用した以外は実施例1と同様に吸着処理を行なった。
実施例1の架橋表面層用塗工液を以下のように変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(1)材料
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:10部
[例示化合物No.54(分子量:419、官能基数:1官能)]
電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー:10部
a.KAYARAD DPCA−120(日本化薬製、官能基数:6官能):5部
b.SR−295(化薬サートマー製、官能基数:4官能):5部
光重合開始剤:1部
(イルガキュア819、日本化薬製)
溶媒:120部
(テトラヒドロフラン)
(2)吸着処理
吸着剤にフロリジル(和光純薬工業社製細粒状試薬)を使用した以外は実施例1と同様に吸着処理を行なった。
実施例5における活性白土の量を固形部の1%にあたる0.21部に変更した以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例5における活性白土の量を固形部の5%にあたる1.05部に変更した以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例5における活性白土の量を固形部の10%にあたる2.1部に変更した以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例5における活性白土の量を固形部の20%にあたる4.2部に変更した以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1において架橋表面層用塗工液にアクリル酸(東亜合成製)を加え、塗工液の酸価を0.20(mgKOH/g)に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例5において架橋表面層用塗工液の吸着処理を行わない以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1において架橋表面層用塗工液にアクリル酸(東亜合成製)を加え、塗工液の酸価を0.3(mgKOH/g)に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1において架橋表面層用塗工液にアクリル酸(東亜合成製)を加え、塗工液の酸価を0.5(mgKOH/g)に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1において架橋表面層用塗工液にアクリル酸(東亜合成製)を加え、塗工液の酸価を5(mgKOH/g)に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1において架橋表面層用塗工液にアクリル酸(東亜合成製)を加え、塗工液の酸価を20(mgKOH/g)に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1において架橋表面層を設けず、電荷輸送層の膜厚を27μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1において架橋表面層用塗工液の構成材料を下記のように変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(1)材料
電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー:20部
[KAYARAD TMPTA(日本化薬製、官能基数:3官能)]
光重合開始剤:1部
(イルガキュア184、日本化薬製)
溶媒:120部
a.テトラヒドロフラン:90部
b.酢酸ブチル:30部
実施例1において架橋表面層用塗工液の構成材料を下記のように変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(1)材料
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:20部
[例示化合物No.54(分子量:419、官能基数:1官能)]
光重合開始剤:1部
(イルガキュア184、日本化薬製)
溶媒:120部
a.テトラヒドロフラン:90部
b.酢酸ブチル:30部
実施例1において架橋表面層用塗工液にアクリル酸(東亜合成製)を加え、塗工液の酸価を0.21(mgKOH/g)に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
以上のように作製した実施例1〜11および比較例1〜9の架橋表面層用塗工液について酸価の測定を行なった。方法としては塗工液20gを300ml三角フラスコに量り取り、JIS─K8103に規定するジエチルエーテルとJIS─K8101に規定するエタノールを体積比で1:1に混合したものを100mlおよびJIS─K8001に規定するフェノールフタレイン溶液を数滴加え、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液(JIS─K8001、JIS─K8574およびJIS─K8102準じて標定を行ないファクターは1に調製)で滴定し、指示薬のうすい紅色が30秒間続いたときを終点とした。滴定はいずれも温度23℃、湿度55%の環境下において行なった。また酸価は次の式によって算出した。
A=B×f×5.611/S
A:酸価
B:敵定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f:0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクター(本発明においては1である)
S:試料の質量
以上のように作製した実施例1〜11および比較例1〜9の感光体について図6に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図3に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として655nmLEDを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように帯電部材への印加バイアス、半導体レーザーの光量を設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続7万枚印刷を行なった。
(試験前プロセス条件)
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V
現像部位における露光部表面電位:−100V
また、全ての試験前後における感光体膜厚の差(つまり感光体の摩耗量)を評価した。なお、膜厚の測定は、感光体長手方向の両端5cmを除き、1cm間隔に測定し、その平均値を膜厚とした。以上の結果を表5に示す。
先に作製した実施例1〜11および比較例1〜5,9の感光体を図6に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図7に示すようなタンデム型フルカラー画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として655nmLEDを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定した。
(試験前プロセス条件)
感光体帯電電位(未露光部電位):−700V
現像バイアス:−500V
現像部位における露光部表面電位:−100V
(ガス暴露条件)
ダイレック製NOx暴露試験装置を用いて、一酸化窒素濃度:50ppm、二酸化窒素濃度:25ppm、温度40℃、相対湿度55%の環境で7日間NOx暴露を行なった。
したがって、導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層が少なくともラジカル重合性化合物を光硬化することにより形成され、該表面層の塗膜を形成する際に用いられる塗工液の酸価が0.2(mgKOH/g)以下とすることにより高い耐久性を維持し、安定した電気特性を有し、さらに信頼性の高い電子写真感光体が実現され、長期間にわたって高画質画像出力を実現できる電子写真感光体を提供できることが明らかとなった。また、本発明の感光体を用いた画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが高性能、高信頼性を有していることが判明した。
41 導電性支持体
43 感光層
45 電荷発生層
47 電荷輸送層
(図3について)
21 感光体
22 除電ランプ
23 帯電部材
25 画像露光部
26 現像ユニット
27 転写前チャージャ
28 レジストローラ
29 転写紙
30 転写チャージャ
31 分離チャージャ
32 分離爪
33 クリーニング前チャージャ
34 ファーブラシ
35 ブレード
(図4について)
50 感光体
51 帯電ローラー
52 ギャップ形成部材
53 金属シャフト
54 画像形成領域
55 非画像形成領域
(図5について)
61 感光体
62a 駆動ローラ
62b 駆動ローラ
63 帯電チャージャ
64 像露光源
65 転写チャージャ
66 クリーニング前露光
67 クリーニングブラシ
68 除電光源
(図6について)
76 感光体
77 帯電チャージャ
78 クリーニングブラシ
79 画像露光部
80 現像ローラ
(図7について)
1C、1M、1Y、1K ドラム状感光体
2C、2M、2Y、2K 帯電部材
3C、3M、3Y、3K レーザー光
4C、4M、4Y、4K 現像部材
5C、5M、5Y、5K クリーニング部材
6C、6M、6Y、6K 画像形成要素
7 転写紙
8 給紙コロ
9 レジストローラ
10 転写搬送ベルト
11C、11M、11Y、11K 転写ブラシ
12 定着装置
Claims (19)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、少なくともラジカル重合性化合物を含む塗工液を塗工し、形成した塗膜を光硬化して感光体の表面層を形成するものであり、前記塗工液は、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物および電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを含み、かつ酸価が0.2(mgKOH/g)以下であり、前記ラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が1つであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が3つ以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の積層構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記塗工液の酸価を低減する塗工液の酸価低減工程を含み、該塗工液の酸価低減工程が吸着処理であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記吸着処理が、前記塗工液中に存在する酸性化合物を吸着処理により除去するものであることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記吸着処理に用いる吸着剤の有効成分としてシリカゲル、酸性アルミナ、中性アルミナ、塩基性アルミナ、活性白土、ゼオライト、ケイ酸塩、酸化ケイ素、金属酸化物、活性炭の中から選ばれる少なくとも1種類以上を用いることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記吸着処理が、前記塗工液に用いられているものと同じ有機溶剤、もしくは該有機溶剤よりも沸点の低い有機溶剤で希釈された塗工液を吸着処理するものであり、さらにその後、溶媒留去により該塗工液を濃縮して、希釈前の有効成分組成比と同じになるように調整しなおす濃度調製工程を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、少なくともラジカル重合性化合物を含む塗工液を塗工し、形成した塗膜を光硬化した表面層を有するものであり、前記塗工液は、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物および電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを含み、かつ酸価が0.2(mgKOH/g)以下であり、前記ラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が1つであることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が3つ以上であることを特徴とする請求項9又は10に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の積層構成であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記塗工液の0.2(mgKOH/g)以下の酸価が、塗工液の酸価低減により行なわれ、該塗工液の酸価低減のための方法が吸着処理であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記吸着処理が、該塗工液中に存在する酸性化合物を吸着処理により除去したものであることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体。
- 前記吸着処理に用いる吸着剤の有効成分としてシリカゲル、酸性アルミナ、中性アルミナ、塩基性アルミナ、活性白土、ゼオライト、ケイ酸塩、酸化ケイ素、金属酸化物、活性炭の中から選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項13又は14に記載の電子写真感光体。
- 前記塗工液に用いられているものと同じ有機溶剤、もしくは該有機溶剤よりも沸点の低い有機溶剤で希釈されて吸着処理された後に溶媒留去により濃縮され、希釈前の有効成分組成比と同じになるように調整しなおされて使用されることを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項9乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を行なうことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項9乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項9乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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