JP2001209196A - 電子写真感光体とその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体とその製造方法

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JP2001209196A
JP2001209196A JP2000018519A JP2000018519A JP2001209196A JP 2001209196 A JP2001209196 A JP 2001209196A JP 2000018519 A JP2000018519 A JP 2000018519A JP 2000018519 A JP2000018519 A JP 2000018519A JP 2001209196 A JP2001209196 A JP 2001209196A
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JP
Japan
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electrophotographic photoreceptor
adsorption treatment
ctl
coating solution
coating liquid
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Pending
Application number
JP2000018519A
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English (en)
Inventor
Chiaki Tanaka
千秋 田中
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Junichiro Hashimoto
準一郎 橋本
Michio Kimura
美智夫 木村
Takahito Kiyohara
貴人 清原
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発生した不良液(劣化液や廃液)を吸着処理
し、新液と同等かそれ以上の特性まで回復させ、再利用
することを特徴とする電子写真感光体とその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 少なくとも電荷輸送層を有する電子写真
感光体において、該電荷輸送層の形成に吸着処理を施し
た電荷輸送層形成用塗工液(以下、CTL塗工液とい
う)を用いたことを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等に使用される電子写真感光体とその
製造方法に関するものである。特に、電荷発生層および
電荷輸送層を有する積層型有機感光体において、吸着処
理を施した電荷輸送層形成用塗工液(以下、CTL塗工
液という)を使用した電子写真感光体とその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、複写機、プリンター、ファクシミ
リ等に使用されている電子写真感光体のほとんどが有機
感光体である。中でもアルミニウム等の導電性基体上に
中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順に形成した積層型
有機感光体が多く使用されている。これら有機感光体の
ほとんどは、各層を浸漬塗工(ディッピング塗工)で形
成、乾燥して作製されている。CTL塗工液は、通常、
バインダー樹脂(結着樹脂)、電荷輸送性物質、酸化防
止剤、およびシリコーンオイル等のレベリング剤を有機
溶媒で溶解させたものが使用されており、これは浸漬塗
工用タンクに入れられ、通常ポンプで液循環させながら
使用されている。
【0003】このような浸漬塗工法では、最低限浸漬さ
せるための空間を塗工液で満たす必要があるため、塗工
液を短期で使い切ることはなく、使用された分だけ新液
を補充していく方法が採られている。したがって、CT
L塗工液には長期の液寿命が要求されるが、現実は下層
の電荷発生層からの滲みだしや、循環による空気との接
触などにより次第に組成変化をきたし、感光体品質を維
持できなくなる劣化を起こす問題があった。このような
場合、塗工槽内の全液もしくは数分の1を新液に交換す
る必要があり、使用できなくなった塗工液は、これまで
廃液として処分されていた。
【0004】また、新液においても感光体不良を引き起
こす場合がある。一般に有機感光体は、極微量な不純物
でも特性に影響することがあり、それゆえ原材料には、
とくに純度の高いものが使用されている。しかし、それ
でも原因不明の特性不良が起こり廃液が発生していた。
これら塗工液として処方を組んだ後に不良が発生した場
合、その原因解析は非常に困難であり、仮に原因が判っ
たとしても発生した不良液を再利用する方法(再生方
法)はなかった。また、不良液とはならないまでも、さ
らに良好な特性への改良も求められていた。
【0005】電子写真感光体には、帯電性が良好なこ
と、光照射によって速やかに電位を低下させる光感度が
良好なこと、光照射後の残留電位が小さいことが求めら
れ、繰り返し使用によってもこれらの特性が変化しない
耐久性や安定性も求められているが、感光体製造時に原
材料系や組成変化によって生じた不純物等によりこれら
の特性が低下してしまう場合がある。特に、積層型感光
体中の電荷輸送層は、その層構成の中で最も膜厚が大き
く、且つその中を電荷が移動するため、不純物の影響を
受けやすい。そのため、CTL塗工液の純度は高く維持
される必要がある。しかし、実際の電子写真感光体の製
造においては、それは難しく、特性が低下した廃液が発
生していた。このような廃液をリサイクルして使用する
ことは、感光体製造における低コスト化、省資源化の面
でたいへん重要なことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな状況に鑑み、廃液となった塗工液を再利用するため
の精製方法、あるいは特性を改良するための精製方法に
ついて鋭意検討を重ねた結果、塗工液を吸着剤で吸着処
理することによって特性劣化を引き起こす不純物を容易
に除去でき、廃液を再利用することができることと、更
に感光体特性を向上させることができることを見いだし
た。したがって本発明の目的は、前記理由により発生し
た不良液(劣化液や廃液)を吸着処理し、新液と同等か
それ以上の特性まで回復させ、再利用することを特徴と
する電子写真感光体とその製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の
(1)「少なくとも電荷輸送層を有する電子写真感光体
において、該電荷輸送層の形成に吸着処理を施した電荷
輸送層形成用塗工液(以下、CTL塗工液という)を用
いたことを特徴とする電子写真感光体、(2)「前記電
荷輸送層が、CTL塗工液に吸着処理が施されながら形
成されたものであることを特徴とする前記第(1)項に
記載の電子写真感光体」、(3)「前記CTL塗工液
が、経時使用などによって劣化したCTL塗工液もしく
はCTL塗工廃液に、吸着処理を施して再生されたもの
であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)
項に記載の電子写真感光体」、(4)「前記CTL塗工
液が、電子写真感光体の製造工程で発生する劣化したC
TL塗工液もしくCTL塗工廃液に、吸着処理を施して
再生されたものであることを特徴とする前記第(1)項
乃至第(3)項の何れか1に記載の電子写真感光体」、
(5)「前記CTL塗工液が、新しく調合した未使用の
CTL塗工液に吸着処理が施されたものであることを特
徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の電子
写真感光体」、(6)「前記CTL塗工液が、少なくと
も電荷輸送性化合物を含有することを特徴とする前記第
(1)項乃至第(5)項の何れか1に記載の電子写真感
光体」、(7)「前記CTL塗工液が、少なくとも電荷
輸送性化合物と結着樹脂を含有することを特徴とする前
記第(1)項乃至第(5)項の何れか1に記載の電子写
真感光体」、(8)「前記CTL塗工液が、少なくとも
電荷輸送性化合物と結着樹脂と酸化防止剤を含有するこ
とを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れか
1に記載の電子写真感光体」、(9)「前記CTL塗工
液が、該塗工液中に発生したイオン性不純物が吸着処理
で除去されたものであることを特徴とする前記第(1)
項乃至第(8)項の何れか1に記載の電子写真感光
体」、(10)「前記CTL塗工液が、該CTL塗工液
中に発生した酸性のイオン性不純物が吸着処理で除去さ
れたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第
(9)項の何れか1に記載の電子写真感光体」、(1
1)「前記CTL塗工液が、該塗工液中の固形分1重量
部に対して9重量部の純水が加えられ、混合攪拌して得
られる分別水の電導度が、0.15μs/cm〜5μs
/cmの範囲になるまで吸着処理が行なわれたものであ
ることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項の
何れか1に記載の電子写真感光体」、(12)「前記C
TL塗工液が、該塗工液中の固形分1重量部に対して9
重量部の純水が加えられ、混合攪拌して得られる分別水
中の塩素イオン濃度が0.01ppm〜0.6ppmの
範囲になるまで吸着処理が行なわれたものであることを
特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項の何れか1
に記載の電子写真感光体」、(13)「前記CTL塗工
液が、該塗工液中の固形分1重量部に対して9重量部の
純水が加えられ、混合攪拌して得られる分別水のPHが
4.8〜6.5の範囲になるまで吸着処理が行なわれた
ものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(1
0)項の何れか1に記載の電子写真感光体」、(14)
「前記CTL塗工液が、少なくとも酸化防止剤が添加さ
れて吸着処理されたものであることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(13)項の何れか1に記載の電子写真
感光体」、(15)「前記CTL塗工液が、吸着処理の
ための吸着剤を濾過してから、もしくは濾過しながら使
用されることを特徴とする前記第(1)項乃至第(1
4)項の何れか1に記載の電子写真感光体」、(16)
「吸着処理に用いる吸着剤の有効成分として、シリカゲ
ル、酸性アルミナ、中性アルミナ、塩基性アルミナ、活
性白土、ゼオライト、ケイ酸塩、酸化ケイ素、金属酸化
物、活性炭のなかから選ばれる少なくとも1種類以上で
あり、単独もしくは混合、または単独のものが複合して
用いられることを特徴とする前記第(1)項乃至第(1
5)項の何れか1に記載の電子写真感光体」、(17)
「吸着処理に用いる吸着剤の有効成分として、少なくと
も活性白土を含むことを特徴とする前記第(16)項に
記載の電子写真感光体」、(18)「吸着処理に用いる
吸着剤の有効成分として、少なくともケイ酸塩を含むこ
とを特徴とする前記第(16)項に記載の電子写真感光
体」、(19)「吸着処理に用いる吸着剤の有効成分と
して、少なくともケイ酸マグネシウムと酸化ケイ素を含
むことを特徴とする前記第(16)項に記載の電子写真
感光体」、(20)「吸着処理に用いる吸着剤量が、処
理するCTL塗工液中の固形分1重量部に対して、1/
10000〜500重量部であることを特徴とする前記
第(1)項乃至第(19)項の何れか1に記載の電子写
真感光体」、(21)「CTL塗工液1重量部に対し
て、該塗工液で用いているのと同じ有機溶剤、もしくは
該有機溶剤よりも沸点の低い有機溶剤で1〜100重量
部に希釈されて吸着処理された後に溶媒留去により濃縮
され、希釈前の有効成分組成比と同じになるように調整
し直されて使用されることを特徴とする前記第(1)項
乃至第(20)項の何れか1に記載の電子写真感光
体」、(22)「CTL塗工液1重量部に対して、該塗
工液で用いているのと同じ有機溶剤で1〜100重量部
に希釈されて吸着処理された後に、これに原材料固形分
が追加されて希釈前の有効成分組成比と同じになるよう
に調整し直され使用されることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(21)項の何れか1に記載の電子写真
感光体」、(23)「CTL塗工液に用いる有機溶剤
が、炭素数1〜4のハロゲン系低級アルキル有機溶剤で
あることを特徴とする前記第(1)項乃至第(22)項
の何れか1に記載の電子写真感光体」、(24)「CT
L塗工液に用いる有機溶剤が、ジクロロメタンであるこ
とを特徴とする前記第(1)項乃至第(22)項の何れ
か1に記載の電子写真感光体」、(25)「吸着処理を
施したCTL塗工液に、少なくとも新しく調合した未使
用のCTL塗工液が加えられて使用されることを特徴と
する前記第(1)項乃至第(24)項の何れか1に記載
の電子写真感光体」により達成される。
【0008】また上記目的は、本発明の(26)「少な
くとも電荷輸送層を有する電子写真感光体の製造方法に
おいて、該電荷輸送層の形成に吸着処理を施した電荷輸
送層形成用塗工液(以下、CTL塗工液という)を用い
ることを特徴とする電子写真感光体の製造方法」、(2
7)「CTL塗工液に吸着処理を施しながら電荷輸送層
を形成することを特徴とする前記第(1)項に記載の電
子写真感光体の製造方法」、(28)「経時使用などに
よって劣化したCTL塗工液もしくは、CTL塗工廃液
に吸着処理を施し、再生使用することを特徴とする前記
第(26)項または第(27)項に記載の電子写真感光
体の製造方法」、(29)「電子写真感光体の製造工程
において発生する劣化したCTL塗工液もしくはCTL
塗工廃液に吸着処理を施し、再生使用することを特徴と
する前記第(26)項乃至第(28)項の何れか1に記
載の電子写真感光体の製造方法」、(30)「新しく調
合した未使用のCTL塗工液に吸着処理を施し、使用す
ることを特徴とする前記第(26)項または第(27)
項に記載の電子写真感光体の製造方法」、(31)「C
TL塗工液が少なくとも電荷輸送性化合物を含有するこ
とを特徴とする前記第(26)項乃至第(30)項の何
れか1に記載の電子写真感光体の製造方法」、(32)
「CTL塗工液が少なくとも電荷輸送性化合物と結着樹
脂を含有することを特徴とする前記第(26)項乃至第
(30)項の何れか1に記載の電子写真感光体の製造方
法」、(33)「CTL塗工液が少なくとも電荷輸送性
化合物と結着樹脂と酸化防止剤を含有することを特徴と
する前記第(26)項乃至第(30)項の何れか1に記
載の電子写真感光体の製造方法」、(34)「CTL塗
工液中に発生したイオン性不純物を、吸着処理で除去す
ることを特徴とする前記第(26)項乃至第(33)項
の何れか1に記載の電子写真感光体の製造方法」、(3
5)「CTL塗工液中に発生した酸性のイオン性不純物
を吸着処理で除去することを特徴とする前記第(26)
項乃至第(34)項の何れか1に記載の電子写真感光体
の製造方法」、(36)「CTL塗工液に該塗工液中の
固形分1重量部に対して9重量部の純水を加え、混合攪
拌して得られる分別水の電導度が、0.15μs/cm
〜5μs/cmの範囲になるまで吸着処理を行なったC
TL塗工液を使用することを特徴とする前記第(26)
項乃至第(35)項の何れか1に記載の電子写真感光体
の製造方法」、(37)「CTL塗工液に該塗工液中の
固形分1重量部に対して9重量部の純水を加え、混合攪
拌して得られる分別水中の塩素イオン濃度が、0.01
ppm〜0.6ppmの範囲になるまで吸着処理を行な
ったCTL塗工液を使用することを特徴とする前記第
(26)項乃至第(35)項の何れか1に記載の電子写
真感光体の製造方法」、(38)「CTL塗工液に該塗
工液中の固形分1重量部に対して9重量部の純水を加
え、混合攪拌して得られる分別水のPHが4.8〜6.
5の範囲になるまで吸着処理を行なったCTL塗工液を
使用することを特徴とする前記第(26)項乃至第(3
5)項の何れか1に記載の電子写真感光体の製造方
法」、(39)「CTL塗工液に少なくとも酸化防止剤
を添加して吸着処理することを特徴とする前記第(2
6)項乃至第(38)項の何れか1に記載の電子写真感
光体の製造方法」、(40)「CTL塗工液の吸着処理
方法において、吸着剤を濾過してから、もしくは濾過し
ながらCTL塗工液を使用することを特徴とする前記第
(26)項乃至第(39)項の何れか1に記載の電子写
真感光体の製造方法」、(41)「吸着処理に用いる吸
着剤の有効成分として、シリカゲル、酸性アルミナ、中
性アルミナ、塩基性アルミナ、活性白土、ゼオライト、
ケイ酸塩、酸化ケイ素、金属酸化物、活性炭のなかから
選ばれる少なくとも1種類以上であり、単独もしくは混
合、または単独のものを複合して用いることを特徴とす
る前記第(26)項乃至第(40)項の何れか1に記載
の電子写真感光体の製造方法」、(42)「吸着処理に
用いる吸着剤の有効成分として、少なくとも活性白土を
含むことを特徴とする前記第(41)項に記載の電子写
真感光体の製造方法」、(43)「吸着処理に用いる吸
着剤の有効成分として、少なくともケイ酸塩を含むこと
を特徴とする前記第(41)項に記載の電子写真感光体
の製造方法」、(44)「吸着処理に用いる吸着剤の有
効成分として、少なくともケイ酸マグネシウムと酸化ケ
イ素を含むことを特徴とする前記第(41)項に記載の
電子写真感光体の製造方法」、(45)「吸着処理に用
いる吸着剤量が、処理するCTL塗工液中の固形分1重
量部に対して、1/10000〜500重量部であるこ
とを特徴とする前記第(26)項乃至第(44)項の何
れか1に記載の電子写真感光体の製造方法」、(46)
「CTL塗工液1重量部に対して、該塗工液で用いてい
るのと同じ有機溶剤、もしくは該有機溶剤よりも沸点の
低い有機溶剤で1〜100重量部に希釈して吸着処理し
たのち、溶媒を留去して濃縮し、希釈前の有効成分組成
比と同じになるように調整し直して使用することを特徴
とする前記第(26)項乃至第(45)項の何れか1に
記載の電子写真感光体の製造方法」、(47)「CTL
塗工液1重量部に対して、該塗工液で用いているのと同
じ有機溶剤で1〜100重量部に希釈して吸着処理した
のち、これに原材料固形分を追加して希釈前の有効成分
組成比と同じになるように調整し直して使用することを
特徴とする前記第(26)項乃至第(46)項の何れか
1に記載の電子写真感光体の製造方法」、(48)「C
TL塗工液に用いる有機溶剤が、炭素数1〜4のハロゲ
ン系低級アルキル有機溶剤であることを特徴とする前記
第(26)項乃至第(47)項の何れか1に記載の電子
写真感光体の製造方法」、(49)「CTL塗工液に用
いる有機溶剤が、ジクロロメタンであることを特徴とす
る前記第(26)項乃至第(47)項の何れか1に記載
の電子写真感光体の製造方法」、(50)「吸着処理を
施したCTL塗工液に、少なくとも新しく調合した未使
用のCTL塗工液を加えて使用することを特徴とする前
記第(26)項乃至第(49)項の何れか1に記載の電
子写真感光体の製造方法」により達成される。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
吸着処理したCTL塗工液とは、少なくとも電荷輸送性
化合物を含有する塗工液のことである。したがって、積
層型感光体の場合は電荷輸送層を形成するための塗工液
が主な対象になる。しかし感光体構成がより複雑で、例
えば導電性基体側から下引き層、電荷発生層、電荷輸送
層、保護層のように4層構成になっている場合におい
て、電荷輸送層ばかりでなく下引き層や保護層にも電荷
輸送性化合物が含有される場合もある。このような電荷
輸送層以外の塗工液についても本発明は適用できる。
【0010】また、単層型感光体のように1層の中に電
荷発生化合物、電荷輸送性化合物、結着樹脂等を含有す
る場合の塗工液についても本発明は適用できる。しか
し、1μm以上の粒径を有する不溶固形物(顔料など)
を含有したままでは、吸着処理後の吸着剤との分離は困
難となるので、このような場合は不溶固形物を添加する
前の塗工液に対して吸着処理を行なうか、吸着処理後の
濾過段階でいくらか不溶固形物も取り除いた後で、有効
成分組成比になるように不溶固形物を添加して使用す
る。
【0011】積層型感光体のCTL塗工液は、一般に不
溶固形物を含まないので、そのまま適用することがで
き、またこれらに含有される各材料、処方についても従
来公知の材料、処方が適用される。ここで、CTL塗工
液について更に詳しく説明する。CTL塗工液には、電
荷輸送性化合物、結着樹脂、有機溶媒以外にも塗工性向
上のためのレベリング剤やまた、電子写真感光体の電気
的、機械的耐久性をあげるために酸化防止剤や可塑剤な
どが添加されている。それぞれについては、以下で説明
する。
【0012】電荷輸送性化合物としては、正孔輸送性化
合物と電子輸送性化合物があり、例えば次のようなもの
が挙げられる。正孔輸送性化合物の例としては、ポリ−
N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−
カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピ
レン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリ
ビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラ
ン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリ
ールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチル
ベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジ
ン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタ
ン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリ
ン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導
体、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、及びそ
の他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送性化合
物は単独、もしくは2種以上混合して用いられる。
【0013】電子輸送性化合物の例としては、クロルア
ニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン
−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電
子受容性物質が挙げられる。
【0014】結着樹脂の例としては、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリアリーレン、ポリウレタン、ポ
リスチレン、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、アクリル
樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリシラ
ン、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ホルマール、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂、ア
ルキッド樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられ
る。さらに、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒ
ドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピ
ラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、ア
クリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高
分子材料等を挙げることができる。
【0015】酸化防止剤の例としては、次のものが使用
される。 モノフェノール系化合物:2,6−ジ−t−ブチル−p
−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6
−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル
−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネートなど。
【0016】ビスフェノール系化合物:2,2’−メチ
レン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチ
リデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)など。
【0017】高分子フェノール系化合物:1,1,3−
トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3
−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビ
ス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブ
チリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノー
ル類など。
【0018】パラフェニレンジアミン類:N−フェニル
−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,
N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、
N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジ
アミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレン
ジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブ
チル−p−フェニレンジアミンなど。
【0019】ハイドロキノン類:2,5−ジ−t−オク
チルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−
クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチル
ハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メ
チルハイドロキノンなど。
【0020】有機硫黄化合物類:ジラウリル−3,3’
−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チ
オジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオ
ジプロピオネートなど。
【0021】有機燐化合物類:トリフェニルホスフィ
ン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニ
ルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、ト
リ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0022】可塑剤の例としては、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤
として使用されているものがそのまま使用でき、その使
用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程
度が適当である。
【0023】レベリング剤の例としては、ジメチルシリ
コーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどの
シリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基
を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用でき、その
使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部が
適当である。
【0024】有機溶媒の例としては、特に制限はなく、
炭化水素類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化物
類、アルコール類、酸アミド類、アルデヒド類、ニトリ
ル類、ケトン類、芳香族ニトロ化合物類、アルキルスル
ホキシド類等いずれでもよい。具体的には、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、トルエン、テトロヒドロフラ
ン、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、
アセトン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が
挙げられる。
【0025】次に本発明の吸着処理したCTL塗工液に
ついて説明する。本発明でいう吸着処理したCTL塗工
液とは、吸着剤とCTL塗工液とを接触させた後、それ
らを濾過などの操作により分離したCTL塗工液のこと
をいう。吸着剤としては、極性物質を吸着するものであ
れば、いずれの吸着剤を使用してもよい。例えば、活性
炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、活性白
土、イオン交換樹脂、合成吸着剤、ケイ酸塩、酸化ケイ
素、金属酸化物、ケイ酸マグネシウム等が使用できる。
これらの吸着剤については、例えば、「吸着技術ハンド
ブック、監修者 清水 博、発行(株)エヌ・ティー・
エス、1993年」等に記載されている吸着剤が使用で
きる。
【0026】活性炭としては、種々のグレードが知られ
ているが、低い電気抵抗を有するので使用に際しては注
意が必要である。電子写真用塗工液を活性炭で吸着処理
した場合、少しでも活性炭が塗工液中に残留すると、得
られた感光体の帯電性が低下し、特性を悪化させてしま
うことが判った。この場合、できるだけ小径の孔径を有
するフィルターを使用して活性炭と塗工液を分離しなけ
ればならない。孔径1μmのフィルターを用いた場合は
帯電性の低下が認められており、少なくともそれ以下の
孔径を有するフィルターの使用が必要になる。従って、
吸着処理時間を含めた生産効率の点で好ましくない。こ
の点に関して、他の吸着剤に比べて不利である。
【0027】ゼオライトの例としては、商品名モレキュ
ラシーブス等の名称がよく知られており、孔径により3
A、4A、5A、10A等のグレードがある。本発明で
はいずれのグレードも使用可能である。合成ゼオライト
は通常数ミリの顆粒状をしており、吸着処理における分
離操作はおおむね容易であるが、一部に微粉の発生が見
られ、この微粉が塗工液中に混入した場合に、感光体の
帯電性が低下したり、残留電位が大きくなったりと副作
用を起こす場合がある。従って、活性炭よりは厳しくな
いが、その分離には注意をする必要がある。
【0028】一方、シリカゲル、活性アルミナ(酸性ア
ルミナ、塩基性アルミナ、中性アルミナ)、活性白土、
ケイ酸塩、酸化ケイ素、金属酸化物などは微量の混入に
よっても感光体への電気特性の影響がほとんど ないこ
とが確認されており、微量混入による特性低下の心配が
なく、本発明の吸着処理に使用する吸着剤として好まし
く使用される。但し、多量の混入は画像欠陥などを引き
起こすので注意が必要である。
【0029】シリカゲルの例としては、従来公知のシリ
カゲルを使用できるが、できるだけ高純度のものが望ま
れる。カラムクロマト用として市販されているものが好
ましく使用できる。例えば、メルク社のシリカゲル60
や和光純薬工業社のワコーゲル等が使用できる。
【0030】アルミナの例としては、従来公知の活性ア
ルミナを使用できるが、できるだけ高純度のものが望ま
れる。シリカゲルと同様にクロマト用として市販されて
いるものが好ましく使用でき、例えばメルク社のアルミ
ニウムオキシド(酸性、中性、塩基性)などが使用でき
る。
【0031】活性白土としては、一般に製造されている
ものを使用できる。例えば、日本活性白土株式会社や水
澤化学工業株式会社等で製造販売されている活性白土を
使用できる。これらは、水分量や粉末度や遊離酸の程度
や見掛け比重等により種々の品種があるが、いずれの品
種も使用することができる。一般に粉状の活性白土とし
ては、水分が12%以下又は5%以上で200メッシュ
通過が80%以上の粉末度で遊離酸が2.5mgKOH
/g以下であり、見掛け比重が0.40〜0.80のも
のが好適に使用される。また、粒状の活性白土としては
水分が12%以下又は5%以上で15〜30メッシュ、
30〜60メッシュ、8〜16メッシュの粉末度であ
り、遊離酸が2.5mgKOH/g以下であり,見掛け
比重が0.50〜0.80のものが好適に使用される。
また、活性白土の原料としても使用されるモンモリロナ
イトやハロイサイト等の粘度鉱物酸性白土を使用するこ
ともできる。
【0032】ケイ酸塩の例としては、ケイ酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。ケイ酸マグネ
シウムを含むものとして、商品名フロリジル(和光純薬
工業社製)やトミタAD600(富田製薬社製)などシ
リカゲルと同様にクロマト用として市販されているもの
が好ましく使用することができる。
【0033】金属酸化物の例としては、前述の活性アル
ミナ(酸化アルミニウム)以外にも酸化ナトリウム、酸
化マグネシウム、酸化カルシウムなどが挙げられる。一
般に吸着剤はこれら前述の活性炭、ゼオライト、シリカ
ゲル、ケイ酸塩、酸化ケイ素、金属酸化物などを有効成
分として、単独もしくは混合物として販売されており、
好適なものを選択することができる。例えばフロリジル
の場合、およそケイ酸マグネシウム15%、酸化ケイ素
85%の混合物である。また、粒径や形状などは目的に
あわせて使用できる。
【0034】吸着処理方法としては、塗工液中に吸着剤
を添加し、攪拌混合した後に、フィルターを通して吸着
剤を分離する方法(接触ろ過方式)と吸着剤を充填した
容器の中に塗工液を通す方法(固定層方式)等が適用で
きる。このような吸着処理方法については公知の文献に
記載されており(例えば、「吸着技術ハンドブック、監
修者 清水 博、発行(株)エヌ・ティー・エス、19
93年」)、それらの方法、設備を適用できる。
【0035】次に吸着処理条件について、さらに詳細に
説明する。一般に電荷輸送層用塗工液は固形分10〜2
5wt%の濃度で使用されることが多い。このような塗
工液をそのままの濃度で吸着処理してもよいし、ろ過操
作を容易にするためや液の通過性をよくするために希釈
して行なってもよい。吸着剤の量は吸着剤の種類、形状
や吸着処理方法によって必要量が異なってくるが、例え
ば、接触ろ過方式の場合、塗工液の固形分に対して0.
01wt%から500wt%の範囲で吸着剤を用いるの
が好ましい。例えば、粉末状活性白土を吸着剤として用
いる場合は、0.1wt%以上で精製効果が見られ、1
0wt%以上で十分な精製効果が得られる。顆粒状活性
白土を使用する場合は、塗工液固形分の1wt%以上、
好ましくは10wt%以上、より好ましくは50wt%
以上が使用される。他の吸着剤についてもほぼ同様であ
る。処理温度は、吸着現象は内部エンタルピーの減少を
伴うので全て発熱反応であり高温は塗工液の劣化をもた
らし易いからこの点では低温が好ましいことになるはず
であるが、しかし実際上の問題としては被吸着物質は微
量であって処理速度が非処理たる塗工液の粘度により律
せられる部分が多いので主に塗工液溶媒の沸点、凝固点
により制限され、したがって凝固点以上沸点以下の温度
範囲で処理が可能である。通常−20℃〜300℃で任
意に選択できるが、好ましくは室温(−5〜40℃)で
実施するのが経済的に有利である。接触時間は吸着剤量
と塗工液量の量比、流過速度や吸着速度を考慮して任意
に選択できるが、一般に、塗工液中の固形分100部当
たり吸着剤1〜30部の割合のときに5分以上、吸着剤
と接触させることが好ましい。さらに、好ましくは10
分以上20時間以下である。接触時間が短すぎると効果
が発現せず、長過ぎると高分子鎖の切断等の副作用が起
こる場合がある。特に、塗工液中の結着樹脂がポリカー
ボネート樹脂で吸着剤にフロリジルを使用した場合は、
処理時間に比例してポリカーボネート樹脂の分子量が低
下していく傾向が見られる。このような場合、分子量低
下の許容範囲内で吸着処理を終了させる必要がある。
【0036】我々は、CTL液の劣化について鋭意研究
した結果、電荷輸送性化合物、結着樹脂、酸化防止剤を
含有する塗工液を長く使用し続けた場合、何らかの原因
によってイオン性の不純物が塗工液中に増加することを
見いだした。この劣化した塗工液に純水を添加してイオ
ン性不純物を抽出し、その分別水の電導度を測定する
と、その電導度は新液に比べて明らかに高く、またpH
測定では酸性度も高くなっていることが判った。一方、
イオンクロマトグラフィー分析では、塩素イオンなどの
量が増加していることも判った。更に、劣化した塗工液
以外でも、電荷輸送性化合物、結着樹脂、酸化防止剤に
は、最初から感光体の電気特性を低下させる不純物を含
んでいることも判った。我々は、これらイオン性不純物
はCTL塗工液の吸着処理によって、副作用を発生させ
ることなく、容易に除去し精製し得ることを見いだし本
発明に至った。
【0037】この吸着処理は、それぞれの組成物につい
て吸着精製を行なうのに比べて効率的であり、処方後の
特性が劣化した塗工液や廃液についても応用できること
から、簡便かつ低コストな処理方法である。また、各組
成物ごとに単離し、精製する再生方法に比べても、はる
かに有利である。また、イオン性不純物の除去方法とし
ては、塗工溶媒が非水溶性の場合、水で洗浄する方法も
考えられるが、分離が容易でないばかりでなく、水分の
塗工液中への混入は感光体の特性へ悪い作用をもたら
し、経済的精製方法になり得ない。上記イオン性不純
物、特に酸性を示すイオン性不純物に関して、上記検討
結果から塗工液精製の目標として好ましいイオン濃度が
規定される。塗工液中の固形分1重量部に対して、9重
量部の純水と混合攪拌して得られる分別水の電導度が5
μs/cm以下0.15μs/cm以上になるまで塗工
液の吸着処理を行なうことが好ましい。より好ましくは
分別水の電導度が2μs/cm以下0.5μs/cm以
上である。2μs/cm、特に5μs/cmを越える場
合はイオン性不純物の除去が十分でなく、電子写真特性
が悪くなる。また、電導度の下限は特性への影響がない
ので設ける必要がないが、低電導度の純水の確保等を考
慮し0.15μs/cmと設定した。通常の蒸留とイオ
ン交換処理により得られる純水の電導度は、0.5μs
/cm程度のものが多く、好ましくは0.5μs/cm
と設定される。イオン濃度を測定するための水抽出条件
として、上記記載のように塗工液中の固形分1重量部に
対して9重量部の純水を使用して混合攪拌するものであ
るが、塗工液層と水層の分離を考慮すると塗工液と水の
容積が0.5:1.0〜1.0:0.5の範囲に入るよ
うな条件で行なうことが好ましい。通常の塗工液では
1.5〜4.0倍に希釈して、水と混合される。
【0038】また、塗工液精製の目標として塩素イオン
濃度が規定される。すなわち、塗工液中の固形分1重量
部に対して、9重量部の純水と混合攪拌して得られる分
別水中の塩素イオン濃度が0.6ppm以下0.01p
pm以上になるまで塗工液の吸着処理を行なうことが好
ましい。0.6ppmを越えると帯電性低下等が発生
し、感光体特性を低下させる。下限は特に特性への問題
はないので設ける必要はないが、抽出前の純水中に検出
される塩素イオン濃度を考慮し、0.01ppmと設定
した。
【0039】また、塗工液精製の目標としてpHが規定
される。すなわち、塗工液中の固形分1重量部に対し
て、9重量部の純水と混合攪拌して得られる分別水中の
pHが、4.8以上6.5以下になるまで塗工液の吸着
処理を行なうことが好ましい。4.8を下回ると帯電性
低下等が発生し、感光体特性を低下させる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 《CTL塗工液の調製》溶媒としてジクロロメタン24
9部、結着樹脂として重量平均分子量75000のポリ
カーボネート樹脂(Aタイプ)30部、電荷輸送性化合
物として下記構造式(I)の化合物21部、酸化防止剤
として2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン
0.0735部を溶解させ、更にシリコンオイル(信越
化学社製KF−50)の1%ジクロロメタン溶液を0.
6部加えて電荷輸送層用塗工液を調製した。調整後の一
度も使用していない塗工液を新液とし、製造にて6ヶ月
使用した液を劣化液とした。
【0041】
【化1】
【0042】 《電子写真感光体の作製》 酸化チタン(CR−EL:石原産業製) 70部 アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S 固形分50%:大日本インキ化学工業製) 15部 メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60 固形分60%:大日本インキ化学工業製) 10部 メチルエチルケトン 100部 からなる混合物をボールミルで72時間分散し、下引き
層用塗工液を作製した。これをアルミニウム板上にドク
ターブレードにて塗布し、135℃で25分間乾燥し
て、膜厚約5μmの下引き層を形成した。次に下記構造
式(II)で示されるアゾ顔料1.8部をシクロヘキサノ
ン18.2部中でボールミルにより72時間分散した。
分散終了後シクロヘキサノン17.5部を加えて3時間
分散を行ない、その後、ポリエステル樹脂(XYHL)
0.72部とシクロヘキサノン50部とメチルエチルケ
トン40部からなる樹脂溶液を加えて攪拌混合し、電荷
発生層用塗工液を作製した。これを前記下引き層上に塗
布し、130℃、20分間乾燥して、膜厚約0.3μm
の電荷発生層を形成した。
【0043】
【化2】 次に、前記CTL塗工液を使用して電荷発生層上に塗布
し、120℃、20分間乾燥して、膜厚約25μmの電
荷輸送層を形成して感光体を作製した。
【0044】《電子写真特性評価》斯くして作られた感
光体について、市販の静電複写紙試験装置[(株)川口
電機製作所製EPA8100型]を用いて測定を行なっ
た。まず、感光体を暗所で−6KVのコロナ放電で20
秒間帯電せしめ、そのときの感光体の表面電位Vm(−
V)と、そこからさらに20秒間暗所に放置したときの表
面電位V0(−V)から暗減衰率V0/Vmを測定した。
次いで、780nmの光を感光体表面での光量が5.0
μW/cm2になるように30秒間照射したときの表面
電位(残留電位)V30(−V)とV0が1/2になると
きの半減露光量E1/2(μJ/cm2)を初期特性とし
て測定した。また疲労特性については、もう一台の静電
複写紙試験装置を用い、タングステン光の照射とコロナ
帯電を同時に行ない、感光体の表面電位が−800V、
帯電電流が5.6μAになるように光量とコロナ放電電
圧を調節しながら2時間チャージ疲労をおこなった。こ
のサンプルについて初期特性と同様にして、暗減衰率V
0/Vm、残留電位V30(−V)、半減露光量E1/2(μ
J/cm2)を測定した。
【0045】(比較例1)CTL塗工液に新液を用いて
感光体を作製した。電子写真特性(初期特性、疲労特
性)は、表1に示す。
【0046】(比較例2)CTL塗工液に劣化液を用い
るほかは、比較例1と同様にした。結果を表1に示す。
この結果、劣化液は新液に比べて暗減衰が大きく、V30
も増加し、電子写真特性を低下させていることが判る。
【0047】(比較例3)劣化液中の酸化防止剤2,5
−ジ−tert−ブチルヒドロキノンの量をガスクロマ
トグラフィーにより分析したところ、新液の約50%に
減少していることがわかった。また、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーにより塗工液中のその他の組成
変化を分析したところ変化が見られなかった。そこで、
劣化液に新液の50%にあたる2,5−ジ−tert−
ブチルヒドロキノンを添加して比較例2と同様に電子写
真特性を評価した。その結果を表1に示す。この結果、
酸化防止剤の減少は電子写真特性を低下させる一因であ
るが、その追加だけでは、新液の特性に回復しないこと
が判る。
【0048】(比較例4)CTL塗工液の新液100g
をジクロロメタン100gで希釈し、電導度0.7μS
/cmの純水を150g加えて、振とう機により15分
間混合させ、塗工液中のイオン成分の抽出を行なった。
その後静置して塗工液層と水層を分離し、得られた分別
水の電導度を電導度計で測定し、pHをpHメーターで
測定し、イオン量をイオンクロマト分析により求めた。
その結果を表2に示す。
【0049】(比較例5)CTL塗工液に劣化液を用い
るほかは、比較例4と同様にして電導度、pH、イオン
量を求めた。その結果を表2に示す。この結果、劣化液
では新液に比べて分別水の電導度が上昇しており、塗工
液中のイオン成分が増加していることがわかる。また、
酸性度も強くなっており、酸性を示すイオン成分が増加
していることがわかる。また、塩素イオン、硝酸イオ
ン、リン酸イオン等のイオンが増加していることもわか
る。
【0050】(実施例1)劣化液100部をジクロロメ
タン100部で希釈し、吸着剤としてシリカゲル(和光
純薬工業社製ワコーゲルC−300)を固形分の50%
にあたる8.5部加え、1時間スーターラーで攪拌し
た。その後、0.1μmメンブランフィルターを使用し
て加圧濾過し、エバポレーターにより溶媒を留去し、濃
縮してもとの塗工液100部に戻した。この塗工液を比
較例3と同様にして感光体を作製し、電子写真特性を評
価した。また、比較例4と同様にしてイオン成分の測定
も行なった。結果を、表1及び表2に示す。また、吸着
処理前後の溶液色を観察したところ、劣化液では緑褐色
を呈していたが処理液は緑黄色に変化した。新液の黄色
に比べると緑色味が完全には除去されていないが、劣化
液に比べ新液の色調へ近づいた。
【0051】(実施例2)吸着剤に酸性アルミナ(メル
ク社製1078活性度I)を使用した他は、実施例1と
同様にして感光体を作製し、電子写真特性とイオン成分
の測定を行なった。結果を表1及び表2に示す。また、
吸着処理前後の溶液色を観察したところ、緑色味が完全
には除去されていないが、劣化液に比べ新液の色調へ近
づいた。
【0052】(実施例3)吸着剤に塩基性アルミナ(メ
ルク社製1076活性度I)を使用した他は、実施例1
と同様にして感光体を作製し、電子写真特性とイオン成
分の測定を行なった。結果を表1及び表2に示す。ま
た、吸着処理前後の溶液色を観察したところ、緑色味が
完全には除去されていないが、劣化液に比べ新液の色調
へ近づいた。
【0053】(実施例4)吸着剤に中性アルミナ(メル
ク社製1077活性度I)を使用した他は、実施例1と
同様にして感光体を作製し、電子写真特性とイオン成分
の測定を行なった。結果を表1及び表2に示す。また、
吸着処理前後の溶液色を観察したところ、緑色味が完全
には除去されていないが、劣化液に比べ新液の色調へ近
づいた。
【0054】(実施例5)吸着剤に活性白土(和光純薬
工業社製粉末試薬)を使用した他は、実施例1と同様に
して感光体を作製し、電子写真特性とイオン成分の測定
を行なった。結果を表1及び表2に示す。また、吸着処
理前後の溶液色を観察したところ、緑色味が完全に除去
され、やや黄色味が濃いものの新液と同様の色調へと変
化した。
【0055】(実施例6)吸着剤にフロリジル(和光純
薬工業社製細粒状試薬)を使用した他は、実施例1と同
様にして感光体を作製し、電子写真特性とイオン成分の
測定を行なった。結果を表1及び表2に示す。また、吸
着処理前後の溶液色を観察したところ、緑色味が完全に
除去され、新液とほぼ同様の色調へ復元した。
【0056】(実施例7)劣化液の代わりに新液を使用
し、吸着剤に活性白土(和光純薬工業社製粉末試薬)を
使用した他は、実施例1と同様にして感光体を作製し、
電子写真特性の測定を行なった。その結果を表1に示
す。また、吸着処理前後の溶液色を観察したところ、変
化はなかった。
【0057】(実施例8)吸着剤にフロリジル(和光純
薬工業社製粒状試薬)を使用した他は、実施例7と同様
にして感光体を作製し、電子写真特性の評価を行なっ
た。その結果を表1に示す。また、吸着処理前後の溶液
色を観察したところ、変化はなかった。
【0058】
【表1】 この結果から劣化液の感光体特性は、新液に比べてチャ
−ジ疲労後の暗減衰が大きく、残留電位も大きい。ま
た、酸化防止剤の添加については、暗減衰特性がやや回
復するものの、新液に比べて特性が低く、残留電位に関
してはほとんど回復しないことが判る。しかし、本発明
の劣化液を吸着処理により精製した電子写真感光体は、
いずれの吸着剤でも新液と同等の特性に回復している。
特に、活性白土、フロリジルを使用した場合は新液以上
に残留電位の発生が抑えられている。また、吸着処理に
よる精製効果は、劣化液の場合だけでなく、新液を活性
白土、フロリジルなどで吸着処理しても、他の特性を保
ったまま残留電位を低減できることが判かった。
【0059】
【表2】 この結果から劣化液は、新液に比べて電導度が上昇して
おり、pHも酸性よりに変化していることが判った。ま
た、含有イオン量は増加しており、特に塩素イオン、不
明陰イオン等が増加している。この劣化液を吸着処理で
精製することによって、これらのイオン性不純物を完全
に、あるいは大幅に除去できることがわかった。
【0060】(比較例6)上記CTL塗工液の調製にお
いて、酸化防止剤を加えない他は、すべて前記の調整法
と同様にしてCTL塗工液を作製した。この塗工液50
部をジクロロメタン50部で希釈し、顆粒状活性白土
(水澤化学工業社製ガレオナイト#251)を4.25
部加えて攪拌し、経時での組成変化を見た。組成変化は
上記溶液をテトラヒドロフランでさらに25倍希釈し、
ゲルパーミエーションクロマトグラフにより分析した。
その結果、結着樹脂に起因するピークと電荷輸送性化合
物に起因するピークの中間に副生物によるピークが経時
で増加する現象が見られた。その時の、ピーク面積の経
時変化を図1に示す。
【0061】(実施例9)酸化防止剤を加えた塗工液を
使用した他は比較例6と同様にして、経時での組成変化
を見た。その結果を図1に示す。以上のように吸着処理
はその種類やグレードによって電荷輸送層塗工液中の組
成変化を引き起こす場合があるが、酸化防止剤を添加し
て吸着処理を行なうことで組成変化を抑制することがで
き、塗工液の精製を種々の吸着剤を使用して 行なうこ
とが可能になる。
【0062】(実施例10)劣化液100部をジクロロ
メタン200部で希釈し、吸着剤として活性白土(和光
純薬工業社製粉末試薬)を固形分の20%にあたる3.
4部加え、1時間スーターラーで攪拌した。その後、
1.0μmメンブランフィルターを使用して加圧濾過
し、エバポレーターにより溶媒を留去し、濃縮してもと
の塗工液100部に戻した。この塗工液に酸化防止剤を
後添加しないこと以外は、比較例3と同様にして感光体
を作製し、電子写真特性を評価した。結果を表3に示
す。また、吸着処理前後の溶液色を観察したところ、緑
色味が完全に除去され、やや黄色味が濃いものの新液と
同様の色調へと変化した。
【0063】(実施例11〜14)実施例10における
活性白土の量を、それぞれ表3のものに変える以外は、
実施例10と同様に操作して感光体を作製し、電子写真
特性を評価した。結果を表3に示す。
【0064】(比較例7)比較例2と同様にして感光体
を作製し、電子写真特性を評価した。結果を表3に示
す。
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明で、CTL塗工液、特に連続使用で特
性の劣化したCTL塗工液を吸着処理することにより、
液中に発生したイオン性不純物を容易に除去することが
でき、新液と同等かそれ以上の特性を有する感光体を製
造するための塗工液原料として使用できるようになる。
特に吸着剤にシリカゲル、アルミナ、ケイ酸マグネシウ
ム、活性白土を使用した場合は、電子写真特性に悪い影
響を及ぼすことなく新液と同等かそれ以上の特性まで復
活させることができ、これまで廃液として捨てられてい
た塗工液を最後まで有効に使用できるようになった。ま
た、さらに吸着剤に活性白土、フロリジルを使用した場
合は、新液調合時に含まれる残留電位の発生源となって
いる不純物質も除去することができ、従来よりも特性に
優れる電子写真感光体の提供が可能となるという優れた
効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における副生物ピークの撹拌時間非依存
性を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 準一郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 木村 美智夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 清原 貴人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA35 BA02 CA01 CA06 CA33 EA14 EA47 4D017 AA03 BA20 CA01 CA03 CA05 CA17 CB01 DA01 DA07 EB05

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電荷輸送層を有する電子写真
    感光体において、該電荷輸送層の形成に吸着処理を施し
    た電荷輸送層形成用塗工液(以下、CTL塗工液とい
    う)を用いたことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記電荷輸送層が、CTL塗工液に吸着
    処理が施されながら形成されたものであることを特徴と
    する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記CTL塗工液が、経時使用などによ
    って劣化したCTL塗工液もしくはCTL塗工廃液に、
    吸着処理を施して再生されたものであることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記CTL塗工液が、電子写真感光体の
    製造工程で発生する劣化したCTL塗工液もしくCTL
    塗工廃液に、吸着処理を施して再生されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の電子
    写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記CTL塗工液が、新しく調合した未
    使用のCTL塗工液に吸着処理が施されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 前記CTL塗工液が、少なくとも電荷輸
    送性化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5
    の何れか1に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記CTL塗工液が、少なくとも電荷輸
    送性化合物と結着樹脂を含有することを特徴とする請求
    項1乃至5の何れか1に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記CTL塗工液が、少なくとも電荷輸
    送性化合物と結着樹脂と酸化防止剤を含有することを特
    徴とする請求項1乃至5の何れか1に記載の電子写真感
    光体。
  9. 【請求項9】 前記CTL塗工液が、該塗工液中に発生
    したイオン性不純物が吸着処理で除去されたものである
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1に記載の電
    子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記CTL塗工液が、該CTL塗工液
    中に発生した酸性のイオン性不純物が吸着処理で除去さ
    れたものであることを特徴とする請求項1乃至9の何れ
    か1に記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 前記CTL塗工液が、該塗工液中の固
    形分1重量部に対して9重量部の純水が加えられ、混合
    攪拌して得られる分別水の電導度が、0.15μs/c
    m〜5μs/cmの範囲になるまで吸着処理が行なわれ
    たものであることを特徴とする請求項1乃至10の何れ
    か1に記載の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 前記CTL塗工液が、該塗工液中の固
    形分1重量部に対して9重量部の純水が加えられ、混合
    攪拌して得られる分別水中の塩素イオン濃度が0.01
    ppm〜0.6ppmの範囲になるまで吸着処理が行な
    われたものであることを特徴とする請求項1乃至10の
    何れか1に記載の電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 前記CTL塗工液が、該塗工液中の固
    形分1重量部に対して9重量部の純水が加えられ、混合
    攪拌して得られる分別水のPHが4.8〜6.5の範囲
    になるまで吸着処理が行なわれたものであることを特徴
    とする請求項1乃至10の何れか1に記載の電子写真感
    光体。
  14. 【請求項14】 前記CTL塗工液が、少なくとも酸化
    防止剤が添加されて吸着処理されたものであることを特
    徴とする請求項1乃至13の何れか1に記載の電子写真
    感光体。
  15. 【請求項15】 前記CTL塗工液が、吸着処理のため
    の吸着剤を濾過してから、もしくは濾過しながら使用さ
    れることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1に記
    載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】 吸着処理に用いる吸着剤の有効成分と
    して、シリカゲル、酸性アルミナ、中性アルミナ、塩基
    性アルミナ、活性白土、ゼオライト、ケイ酸塩、酸化ケ
    イ素、金属酸化物、活性炭のなかから選ばれる少なくと
    も1種類以上であり、単独もしくは混合、または単独の
    ものが複合して用いられることを特徴とする請求項1乃
    至15の何れか1に記載の電子写真感光体。
  17. 【請求項17】 吸着処理に用いる吸着剤の有効成分と
    して、少なくとも活性白土を含むことを特徴とする請求
    項16に記載の電子写真感光体。
  18. 【請求項18】 吸着処理に用いる吸着剤の有効成分と
    して、少なくともケイ酸塩を含むことを特徴とする請求
    項16に記載の電子写真感光体。
  19. 【請求項19】 吸着処理に用いる吸着剤の有効成分と
    して、少なくともケイ酸マグネシウムと酸化ケイ素を含
    むことを特徴とする請求項16に記載の電子写真感光
    体。
  20. 【請求項20】 吸着処理に用いる吸着剤量が、処理す
    るCTL塗工液中の固形分1重量部に対して、1/10
    000〜500重量部であることを特徴とする請求項1
    乃至19の何れか1に記載の電子写真感光体。
  21. 【請求項21】 CTL塗工液1重量部に対して、該塗
    工液で用いているのと同じ有機溶剤、もしくは該有機溶
    剤よりも沸点の低い有機溶剤で1〜100重量部に希釈
    されて吸着処理された後に溶媒留去により濃縮され、希
    釈前の有効成分組成比と同じになるように調整し直され
    て使用されることを特徴とする請求項1乃至20の何れ
    か1に記載の電子写真感光体。
  22. 【請求項22】 CTL塗工液1重量部に対して、該塗
    工液で用いているのと同じ有機溶剤で1〜100重量部
    に希釈されて吸着処理された後に、これに原材料固形分
    が追加されて希釈前の有効成分組成比と同じになるよう
    に調整し直され使用されることを特徴とする請求項1乃
    至21の何れか1に記載の電子写真感光体。
  23. 【請求項23】 CTL塗工液に用いる有機溶剤が、炭
    素数1〜4のハロゲン系低級アルキル有機溶剤であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至22の何れか1に記載の電
    子写真感光体。
  24. 【請求項24】 CTL塗工液に用いる有機溶剤が、ジ
    クロロメタンであることを特徴とする請求項1乃至22
    の何れか1に記載の電子写真感光体。
  25. 【請求項25】 吸着処理を施したCTL塗工液に、少
    なくとも新しく調合した未使用のCTL塗工液が加えら
    れて使用されることを特徴とする請求項1乃至24の何
    れか1に記載の電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008051852A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ、及び電子写真感光体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008051852A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ、及び電子写真感光体の製造方法

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