以下、本発明の一実施形態によるタグラベル作成装置を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は本発明を無線タグラベルの生成システムに適用した場合の実施形態である。
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置を備えた無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
図1に示すこの無線タグ生成システムTSにおいて、タグラベル作成装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
図2は、上記タグラベル作成装置1の全体構造を表す斜視図である。
図2において、タグラベル作成装置1は、上記PC118に接続されてPC118からの操作に基づき所望の印字つき無線タグラベル(又は無線タグのない通常の印字ラベル)を作成するものであり、装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能に設けられた開閉蓋3とを有している。
装置本体2は、手前側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成された無線タグラベルT(又は通常の印字ラベルT−0。詳細は後述)を外部に排出するラベル排出口11を備えた側壁10と、この側壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された側蓋12とを備えている。
側蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで側蓋12が前方に開放されるようになっている。また、側壁10のうち上記開閉ボタン4の下方には、タグラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。この電源ボタン14の下方には、装置本体2内に配設された切断手段としての切断機構15(後述の図3参照)を使用者の手動操作で駆動するためのカッター駆動ボタン16が設けられ、このボタン16が押されることで印字済みラベル用テープ109(又は印字済みラベル用テープ109−0。詳細は後述)を所望の長さにカットして上記無線タグラベルT(又は通常の印字ラベルT−0)を作成するようになっている。
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
図3は、タグラベル作成装置1の内部の内部ユニット20の構造(但し後述するループアンテナLCは省略)を表す斜視図である。図3において、内部ユニット20は、概略的には、無線タグラベルT作成用のカートリッジ7(又は通常のラベルT−0作成用のカートリッジ7−0。詳細は後述)を選択的に収納設置するカートリッジホルダ6(ロール着脱手段)と、印字手段としての印字ヘッド(サーマルヘッド)23を備えた印字機構21と、切断機構15(切断手段)と、ハーフカットユニット35(後述の図9参照)と、生成された無線タグラベルT(後述の図20参照)をラベル排出口11(図2参照)より排出するラベル排出機構22とを備えている。
図4は、図3に示した内部ユニット20の構造を表す平面図であり、図5は、上記した無線タグラベルT作成用のカートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図であり、図6は、上記した通常ラベルT−0作成用のカートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
これら図4、図5、及び図6において、上記カートリッジホルダ6は、ラベル排出口11から排出される印字済みラベル用テープ109(又は印字済みラベル用テープ109−0)の幅方向の向きが、垂直方向となるようにカートリッジ7を選択的に収納する。カートリッジ7及びカートリッジ7−0は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101(又は基材テープ101−0)が巻回された第1ロール102(又は第1ロール102−0)と、上記基材テープ101,101−0と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103(被印字媒体層)が巻回された第2ロール104と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106(インクリボン駆動ローラ)と、カートリッジ7,7−0のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されテープに密着して搬送を行うテープ送りローラ27(搬送ローラ)と、搬送位置規制手段として機能するガイドローラ112と、カートリッジの種類に関する情報(無線タグラベルT作成用のカートリッジ7であるか通常ラベルT−0作成用のカートリッジ7−0であるかを表す情報)を備えた被検出部190とを有する。
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101,101−0と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済みラベル用テープ109,109−0としつつ、矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。
図5に示すカートリッジ7の第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中右側)よりその反対側(図5中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a(貼り合わせ用粘着材層)、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b(基材層)、適宜の粘着材からなる粘着層101c(貼り付け用粘着材層)、剥離紙101d(剥離材層)の順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うループアンテナ152(タグ側ループアンテナ)がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。ベースフィルム101bの表側(図5中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。
剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した上記通常ラベルT−0が所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、この剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置(この例では、搬送方向前方側のアンテナ152の先端よりさらに前方側の位置)に、搬送制御用の所定の識別子(この例では黒塗りの識別子。あるいはレーザ加工等により基材テープ101を略貫通する孔を穿孔する等でもよい。後述の図20(c)参照)PMが設けられている。
一方図6に示すカートリッジ7−0の第1ロール102−0は、リール部材102a−0の周りに、無線タグ回路素子Toのない通常の上記基材テープ101−0を巻回している。基材テープ101−0はこの例では無線タグ回路素子Toがない以外は上記基材テープ101と同様の構造であり(図6中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図6中右側)よりその反対側(図6中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a−0、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b−0、適宜の粘着材からなる粘着層101c−0、剥離紙101d−0の順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101b−0の表側(図6中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101a−0が形成され、またベースフィルム101b−0の裏側(図5中左側)には、上記粘着層101c−0によって上記剥離紙101d−0がベースフィルム101b−0に接着されている。剥離紙101d−0は、最終的にラベル状に完成した通常ラベルT−0が所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101c−0により当該商品等に接着できるようにしたものである。
図5及び図6において、第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101,101−0と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7,7−0外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(前述の図3や後述の図16参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介しリボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって連動して回転駆動される。
一方このとき、多数の発熱素子を備えた上記印字ヘッド23が、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられて、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
また、カートリッジホルダ6のうちカートリッジ7,7−0の前方(図4中、下側)には、ローラホルダ25(保持手段)が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構193(後述の図16参照)により圧着位置(印字位置、図4参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されそれらローラ26,28をテープへ向かって進退移動可能に保持しており、ローラホルダ25が上記圧着位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及び上記テープ送りローラ27に対し圧接(圧着)されるようになっている。
被検出部190は複数の識別子(被検出子)を備えており、この例では各識別子それぞれの凹凸形状(又はマークでもよい)がタグラベル作成装置側のカートリッジセンサ(検出手段)191で検出されその検出信号がタグラベル作成装置の制御回路110(後述の図16参照)に入力される。そして、制御回路110は、例えば当該検出結果をもとに、カートリッジホルダ6に装着されているのがカートリッジ7であるかカートリッジ7′であるかの情報(カートリッジ種類情報)を取得できるようになっている。
上記構成のカートリッジ7,7−0において、上記第1ロール102,102−0より繰り出された基材テープ101,101−0は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されリボン供給側ロール111とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
そして、カートリッジ7,7−0が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記圧着位置(印字位置)に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101,101−0及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102,102−0から基材テープ101,101−0が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図16参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toの記憶情報に対応したラベル印字R(又は操作者が入力した所定のラベル印字R−0。後述の図19や図21参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101,101−0と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済みラベル用テープ109,109−0として形成され、テープ排出部30よりカートリッジ7,7−0外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
なお、図4に示すように、カートリッジ7,7−0の上記筐体7Aの上面には、例えば、カートリッジ7,7−0内に内蔵されている上記基材テープ101,101−0のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。カートリッジ7又はカートリッジ7−0をカートリッジホルダ6に装着して開閉蓋3を閉じると、前述の透視窓5とテープ特定表示部8とが相互に対向し、透視窓5の透明カバーを介してテープ特定表示部8を装置本体2の外部から視認できる。これにより、カートリッジホルダ6に装着されているカートリッジ7(又はカートリッジ7−0)の種類等を装置本体2の外部から透視窓5を介して容易に視認できるようになっている。
一方、前述したように、内部ユニット20には、上記切断機構15と、上記ラベル排出機構22とが備えられ、さらに、基材テープ101,101−0(貼り合わせ後は印字済みラベル用テープ109,109−0、以下同様)に備えられた無線タグ回路素子Toに対し無線通信を介し情報読み取り又は書き込みを行うループアンテナLC(送受信手段)が備えられている。そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済みラベル用テープ109,109−0に対しループアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的にあるいは上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済みラベル用テープ109,109−0が切断されて無線タグラベルT(又は通常の印字ラベルT−0)が生成される。このラベルT,T−0は、その後さらにラベル排出機構22によって側壁10(図2参照)に形成されたラベル排出口11から排出されるようになっている。
上記切断機構15は、固定刃40と、この固定刃40とともにカット動作を行う可動刃41と、この可動刃41に連結されるカッターハスバギヤ42と、このカッターハスバギヤ42にギヤ列により連結されるカッターモータ43とを備えている。
上記ラベル排出機構22は、装置本体2の側壁10に設けられたラベル排出口11の近傍に配設され、切断機構15において切断された後の印字済みラベル用テープ109,109−0(言い換えれば無線タグラベルT又は通常ラベルT−0、以下同様)をラベル排出口11から強制的に排出するための排出手段としての機能を有する。すなわち、ラベル排出機構22は、駆動ローラ51と、この駆動ローラ51に対して印字済みラベル用テープ109,109−0を挟んで対向する押圧ローラ52と、この押圧ローラ52を印字済みラベル用テープ109,109−0に対して押圧し、またはその押圧を解除するように作動される押圧作動機構部53と、この押圧作動機構部53の押圧解除動作に連動して、駆動ローラ51により印字済みラベル用テープ109,109−0を排出するように回転させるための排出駆動機構部54とを備えている。
このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みラベル用テープ109,109−0をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている(図4参照)。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みラベル用テープ109,109−0の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
押圧作動機構部53は、ローラ支持ホルダ57と、ローラ支持ホルダ57に取り付けられ、先端部に押圧ローラ52を保持するローラ支持部58と、ローラ支持ホルダ57を回動可能に支持するホルダ支持部59と、切断機構15に連動して押圧作動機構部53を駆動するカム60と、付勢バネ61とから構成されている。
ローラ支持部58は、この押圧ローラ52をその上下方向から挟み込むようにして回転自在に支持されている。そして、ローラ支持ホルダ57がカッターハスバギヤ42の回転により、カム60を通してホルダ支持軸59を中心に反時計回り(図3中、矢印71方向)に回動することで、押圧ローラ52は印字済みラベル用テープ109,109−0に対して押圧される。また再びカッターハスバギヤ42を回転させると、付勢バネ61によりホルダ支持軸59は先ほどと逆方向に回動し、押圧ローラ52は印字済みラベル用テープ109,109−0から離間される。
排出駆動機構部54は、テープ排出モータ65とギヤ列66とからなり、押圧ローラ52によって印字済みラベル用テープ109,109−0が駆動ローラ51に押圧された後に、テープ排出モータ65を駆動させ、駆動ローラ51を印字済みラベル用テープ109,109−0の排出方向へ回転させることによって、印字済みラベル用テープ109,109−0が強制的に排出方向に排出される。
なお、駆動ローラ51よりも搬送方向上流側(言い換えれば後述のハーフカッタ34とループアンテナLCとの間)には、上記カートリッジ7の基材テープ101の剥離紙101dに各無線タグ回路素子の位置に対応して設けた適宜の識別子PM(後述の図7等参照)を検出可能なマークセンサ127が設けられている。このマークセンサ127は、例えば、投光器及び受光器からなる反射型の公知の光電センサである。投光器と受光器との間に上記識別子PMが存在するかどうかに応じて、受光器からの制御出力が反転させられるようになっている。なお、マークセンサ127に対向する第1案内壁56は表面が投光器の光を反射しない色であったり、受光器が反射光を受光しないよう傾斜を設ける等の構成となっている。
図7は、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101に備えられる無線タグ回路素子Toの概念的構成を表す、図5中矢印D方向から見た概念図である。この図7において、無線タグ回路素子Toは、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行う上記ループアンテナ152と、これに接続され情報を記憶するIC回路部151とから構成されている。
図8は、ラベル排出機構22の要部詳細構造を表す部分抽出斜視図である。図8において、上記第1案内壁55,56の上下方向途中部が切り欠かれ、一方の第1案内壁55には、上記駆動ローラ51が、切欠部から印字済みラベル用テープ109,109−0の排出位置に臨むようにして設けられている。なお、駆動ローラ51は、その上面に同心円状の溝により形成されたローラ切り欠き部51Aを有する。一方、他方の第1案内壁56には、押圧ローラ52が、切欠部から印字済みラベル用テープ109,109−0の排出位置に臨むようにして、押圧作動機構部53の上記ローラ支持部58に支持されている。
ループアンテナLC(図8には想像線で概念的に示す)は、上記押圧ローラ52をその径方向中心に位置させるようにしつつ当該押圧ローラ52の近傍に配置されており、カートリッジホルダ6にカートリッジ7が装着された場合に、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他磁界を介して行われる非接触方式を含む)により上記印字済みラベル用テープ109に備えられる無線タグ回路素子Toへのアクセス(情報読み取り又は情報書き込み)を行うようになっている。
図9は、図3に示した構造からラベル排出機構22を取り外した状態における内部ユニット20の外観を表す斜視図である。
図9において、上記カッターハスバギヤ42には、突起状に形成されたボス50が設けられ、このボス50が上記可動刃41の長孔49に挿入されるように構成されている(後述の図12や図10も参照)。また、テープ排出方向に沿って固定刃40及び可動刃41の下流側には、固定刃40及び可動刃41と第1案内壁55,56(図4参照)との間に位置するように、ハーフカットユニット35(半切断手段)が取り付けられている。
ハーフカットユニット35は、固定刃40に合わせて配置される受け台38と、この受け台38と対向し可動刃41側に配置されるハーフカッタ34と、固定刃40と受け台38との間に固定刃40と合わせて配置される第1ガイド部36と、この第1ガイド部36と対向し可動刃41と合わせて配置される第2ガイド部37とから構成される(後述の図12も参照)。第1ガイド部36及び第2ガイド部37は一体に構成され、固定刃40の固定孔40Aに対応する位置に設けられたガイド固定部36Aにより固定刃40とともに側板44(図4参照)に取り付けられている。
このとき、ハーフカッタ34を所定の回動支点(図示せず)を中心として回動させるために、ハーフカッタモータ129(図示省略。後述の図16参照)が設けられている。このハーフカッタモータ129を用いたハーフカッタ34の駆動機構は、詳細な図示を省略するが、例えば以下のように構成することができる。すなわち、例えばハーフカッタモータ129を正逆回転可能な電動モータで構成し、ギヤ列(図示せず)を介してピン(同)を備えたクランク部材(同)に接続し、ランク部材の上記ピンが係合するための長溝をハーフカッタ34に穿設しておく。そして、ハーフカッタモータ129の駆動力によりクランク部材を回動させたとき、クランク部材の上記ピンが長溝に沿って移動することにより、ハーフカッタ34を所定の方向(時計回り又は反時計回り)方向に回動させることができる。
受け台38は、テープ排出部30より排出される印字済みラベル用テープ109,109−0に対向する端部がテープに平行になるように折曲され、受け面38Bを形成している。ここで、印字済みラベル用テープ109,109−0は、前述のように、カバーフィルム103と、粘着層101a(又は101a−0)、ベースフィルム101b(又は101b−0)、粘着層101c(又は101c−0)、剥離紙101d(又は101d−0)からなる4層構造の基材テープ101(又は101−0)が貼り合わされることで5層構造となっている(後述の図20や図22も参照)。そして、上記のようにしてハーフカッタモータ129の駆動力を用いて上記ハーフカッタ34を受け面38Bに押し付けることにより、ハーフカッタ34と受け面38Bとの間にある印字済みラベル用テープ109(又は109−0)は、カバーフィルム103、粘着層101a(又は101a−0)、ベースフィルム101b(又は101b−0)、粘着層101c(又は101c−0)は切断されるが、剥離紙101d(又は101d−0)のみが切り残されてテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(後述の図19等参照)が形成される。なお、ハーフカッタ34が受け面38Bに接当した後は、例えば前述の構成においてはギヤ列に介装された図示しない滑りクラッチにより、ハーフカッタモータ129に過負荷が生じないように構成することが好ましい。この受け面38Bは、第1案内部55、56とともに印字済みラベル用テープ109,109−0をラベル排出口11へ案内する役割も有する。
図10及び図11は、内部ユニット20より上記ハーフカッタ34を除去した、切断機構15の外観を表す斜視図である。
これら図10及び図11において、切断機構15では、カッターモータ43(図3参照)によりカッターハスバギヤ42が回転した際に、可動刃41がボス50と長孔49により軸孔48を支点として揺動し、印字済みラベル用テープ109,109−0がカットされるようになっている。
すなわちまず、カッターハスバギヤ42のボス50が内側(図10中、左側)に位置する場合においては可動刃41は固定刃40から離れて位置する(以下この状態を初期状態とする。図10参照)。そして、この初期状態においてカッターモータ43が駆動し、カッターハスバギヤ42が反時計回り(矢印70方向)に回転すると、ボス50が外側に移動するとともに、可動刃41は軸孔48を中心に反時計回り(矢印73方向)に回動し、内部ユニット20に固定された固定刃40とで印字済みラベル用テープ109,109−0を切断する(以下この状態を切断状態とする。図11参照)。
このようにして印字済みラベル用テープ109,109−0を切断して無線タグラベルT(又は通常の印字ラベルT−0)を生成した後には、次回搬送される印字済みラベル用テープ109,109−0を切断するために可動刃41を初期状態に戻す必要がある。従って、再びカッターモータ43を駆動し、カッターハスバギヤ42を反時計回り(矢印70方向)に回転させることで、再びボス50が内側に移動するとともに、可動刃41は時計回り(矢印74方向)に回動し、可動刃41を固定刃40から離間させる(図10参照)。そして、次回、カートリッジ7,7−0より印字され搬送される印字済みラベル用テープ109,109−0を切断可能な状態となる。
なおこのとき、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上にはカッターハスバギヤ用カム42Aが設けられ、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりカッターハスバギヤ42に隣接して設けられたマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わる。それにより、印字済みラベル用テープ109,109−0の切断状態が検出されるようになっている。
図12は、上記可動刃41及び固定刃40の詳細構造を上記ハーフカットユニット35ともに表す斜視図であり、図13はその部分拡大断面図である。これら図12及び図13において、固定刃40は、印字機構15内のカートリッジホルダ6の左側において起立状に設けられる側板44(図4参照)に固定孔40Aを通してネジ等により固定されている。
可動刃41は、略V字状をなし、切断部分に設けられた刃部45と刃部45の反対に位置する柄部46と屈曲部47とから構成される。屈曲部47には上記軸孔48が設けられ、この屈曲部47を支点として可動刃41が回動できるように軸孔48にて側板44に支持されている。また、可動刃41の切断部分に設けられた刃部45の反対側の柄部46に上記長孔49が形成されている。刃部45は2段刃により形成されており、その刃面は刃部45の厚みを徐々に薄くする第1傾斜面45Aと第2傾斜面45Bの傾斜角度の異なる2つの傾斜面により構成されている。
一方、前述のハーフカットユニット35の上記第1ガイド部36のうち、排出される印字済みラベル用テープ109,109−0に対向する端部36Bは、上記受け台38の端部に形成された受け面38Bに沿って突出され、且つ印字済みラベル用テープ109,109−0の排出方向へ折曲されている。従って、第1ガイド部36の端部36Bは、カートリッジ7より排出される印字済みラベル用テープ109,109−0に対する接面36Cにおいて印字済みラベル用テープ109,109−0排出方向に対して滑らかな曲面を有する。
第1ガイド部36の端部36Bを突出させ接面36Cを曲面としたことにより、一定曲率以上にカールした印字済みラベル用テープ109,109−0の先端部は、先ず第1ガイド部36の接面36Cに当たる。その際に、印字済みラベル用テープ109,109−0の先端部が第1ガイド部の接面36C上の境界点75より印字済みラベル用テープ109,109−0の排出方向の下流側(図13中、下方向)に当たった場合には、印字済みラベル用テープ109,109−0の先端部はその曲面に沿って下流側へ移動することで、固定刃40と第1ガイド部36や受け台38の間に侵入することなく、ラベル排出口11方向へ導くようになっている。
また、第1ガイド部36は、その印字済みラベル用テープ109,109−0の搬送経路にあたるガイド幅L1(図12参照)は装着される印字済みラベル用テープ109,109−0の最大幅(本実施形態では36mm)より大きくなるように形成されるとともに、内部面36Dが接面36Cに連続して形成されている。内部面36Dは、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A,45B(詳細は後述)に対向して形成され、切断時において、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A、45Bの一部が当接される(図13参照)。可動刃41は刃部が2段刃により形成されているので、可動刃41によって印字済みラベル用テープ109,109−0を切断した際に、第1ガイド部36の端部にあたる接面36C及び内部面36Dと可動刃41の第2傾斜面45Bとの間に間隙39が形成される(図13参照)ようになっている。
図14は上記可動刃41の外観を示す正面図であり、図15は図14中A−A断面による横断面図である。
これら図14及び図15において、本実施形態において第1傾斜面45Aは、刃部45の第1傾斜面45Aとは反対側の背面とのなす角度が50度となっている。
図16は、本実施形態のタグラベル作成装置1の制御系を表す機能ブロック図である。図16において、このタグラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。
制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インタフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
CGROM114には、多数のキャラクタの各々に関して、表示のためのドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
ROM(ドットパターンデータメモリ)115には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタ各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。
ROM116には、上記PC118から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギ量に対応するパルス数を決定するパルス数決定プログラム、印字終了した場合に印字済みラベル用テープ109,109−0を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッターモータ43を駆動して印字済みラベル用テープ109,109−0を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みラベル用テープ109,109−0(=無線タグラベルT又は通常の印字ラベルT−0)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、その他タグラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データが記憶される。
入出力インタフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、上記ローラホルダ25を圧着位置(印字位置)とリリース位置とに切り替える切替機構193を駆動する駆動回路192と、上記ループアンテナLCを介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、上記制御回路110から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する上記送信回路306と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナLCを介して受信された応答信号の復調を行い、上記制御回路110に出力する上記受信回路307と、上記カートリッジセンサ191と、テープカットセンサ124と、カットリリース検出センサ125とが各々接続されている。
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、送信回路306が制御回路110からの制御信号に基づき搬送波の変調制御を行うとともに、受信回路307は制御回路110からの制御信号に基づき復調した信号の処理を行う。
また、テープカットセンサ124及びカットリリース検出センサ125は、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上に設けられたカッターハスバギヤ用カム42Aとマイクロスイッチ126とから構成されている(図10、図11参照)。具体的には、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わり、可動刃45による印字済みラベル用テープ109,109−0の切断が完了したことを検出する。このことにより、テープカットセンサ124が構成される。また、更にカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオン状態からオフ状態に切り替わり、可動刃45がリリース位置に戻ったことを検出する。このことにより、カットリリース検出センサ125が構成される。
図17は、上記送信回路306、受信回路307とループアンテナLCとの接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。この図17において、送信回路306は装置側ループアンテナLCに接続され、また受信回路307は装置側ループアンテナLCと直列に接続されたコンデンサ310に接続されている。
図18は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図18において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置1側のループアンテナLCと磁気誘導により非接触で信号の送受信を行う上記ループアンテナ152と、このループアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、ループアンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記ループアンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記ループアンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、ループアンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置1のループアンテナLCからの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、ループアンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図19(a)及び図19(b)は、上述のような構成であるタグラベル作成装置1において無線タグラベルT用のカートリッジ7を用いて無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済みラベル用テープ109の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図19(a)は上面図、図19(b)は下面図である。また図20(a)は、図19中XXA−XXA′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図であり、図20(b)は図19中XXB−XXB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
これら図19(a)、図19(b)、図20(a)、及び図20(b)において、無線タグラベルTは、前述したように図5に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図20中上側)よりその反対側(図20中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたループアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toがベースフィルム101b及び粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
また、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cには、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(半切断部位。但しこの例では前ハーフカット線HC1及び後ハーフカット線HC2の2本。詳細は後述)が形成されている。カバーフィルム103のうち、これらハーフカット線HC1,HC2の間に挟まれた領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなり、印字領域Sよりハーフカット線HC1,HC2を挟んでテープ長手方向両側がそれぞれ前余白領域S1及び後余白領域S2となっている。
なお、印字領域Sのテープ長手方向における寸法(ハーフカット線HC1からハーフカット線HC2までの距離)は、ラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント等)に応じて可変に設定される。また、前余白領域のテープ長手方向における寸法(テープ先端からハーフカット線HC1までの距離)X1、及び、後余白領域のテープ長手方向における寸法(ハーフカット線HC2からテープ後端までの距離)X2は、予め所定の値に(この例では固定的に)設定されている。また、剥離紙101dには前述の識別子PMが残存しており、この識別子PMのテープ搬送方向先端と無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端までの距離は、所定値Lとなっている。なお既に述べたように識別子PMとして図20(a)及び図20(b)に示すような黒塗りのマーキングを設けるのに代え、図20(c)に示すように、識別子PMとして、レーザ加工等により基材テープ101を略貫通する孔を孔設する等でもよい。この場合、マークセンサ127を投光器及び受光器からなる反射型の公知の光電センサで構成した場合、投光器と受光器との間の位置に上記孔からなる識別子PMが来ると、投光器からの光が識別子PMの孔及び透明のカバーフィルム103を透過して反射しなくなって受光器で受光しなくなり、これによって受光器からの制御出力が反転させられる。
図21(a)及び図21(b)は、上述のような構成であるタグラベル作成装置1において通常ラベルT−0用のカートリッジ7−0を用いて印字済みラベル用テープ109−0の切断が完了し形成された通常ラベルT−0の外観の一例を表す図であり、図21(a)は上面図、図21(b)は下面図である。また図22は、図21中XXII−XXII′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
これら図21(a)、図21(b)、図22において、通常ラベルT−0は、前述したように図6に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図22中上側)よりその反対側(図22中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a−0、ベースフィルム101b−0、粘着層101c−0、剥離紙101d−0で5層を構成している。そして、前述のようにカバーフィルム103の裏面にラベル印字R(この例では「ABCD」の文字)が印刷されている。
また、カバーフィルム103、粘着層101a−0、ベースフィルム101b−0、粘着層101c−0には、上記無線タグラベルTと同様、上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC1,HC2が形成されている。カバーフィルム103のうち、これらハーフカット線HC1,HC2の間に挟まれた領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなり、印字領域Sよりハーフカット線HC1,HC2を挟んでテープ長手方向両側がそれぞれ前余白領域S1及び後余白領域S2となっている。上記無線タグラベルTと同様、印字領域Sのテープ長手方向における寸法はラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント等)に応じて可変に設定され、前余白領域のテープ長手方向における寸法X1、及び、後余白領域のテープ長手方向における寸法X2は、予め所定の値に(この例では固定的に)設定されている。
図23は、タグラベル作成装置1にカートリッジ7を装着して無線タグラベルTを作成するときに、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記PC118(端末118a又は汎用コンピュータ118b)に表示される画面の一例を表す図である。
図23において、この例では、タグラベルの種別(アクセス周波数及びテープ寸法)、無線タグ回路素子Toに対応して印刷されたラベル印字R、その無線タグ回路素子Toに固有の識別情報(タグID)であるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバISに記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が上記PC118に表示可能となっている。そして、そのPC118の操作によりタグタグラベル作成装置1が作動されて、カバーフィルム103に上記ラベル印字Rが印刷されると共に、IC回路部151に上記書き込みIDや物品情報等の情報が書き込まれる(又はIC回路部151に予め記憶された読み取りIDや物品情報等の情報が読みとられる)。
なお、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのタグIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバRSに記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
上記のような基本構成のタグラベル作成装置1において、本実施形態の最大の特徴は、カートリッジ7又は7−0を用いて無線タグラベルT又は通常ラベルT−0を作成する際にテープの弛みをとる処理を行う機能を備えることと、上記無線タグラベルTを作成するか通常ラベルT−0を作成するかに応じて、当該弛み取り処理の動作態様を切り替えることにある。以下、その弛み取り挙動を含めたラベル作成時の動作態様を図24〜図29を用いて説明する。
(I)無線タグラベルT作成時
(I−A)印字長が比較的長い場合
図24(ao)〜(k)はそれぞれ、連続的に繰り出される印字済みラベル用テープ109の識別子PM、無線タグ回路素子To、ラベル印字Rの印字領域Sと、ループアンテナLC、マークセンサ127、ハーフカットユニット34、切断機構15、印字ヘッド23との位置関係を表す説明図である。なお、図示のように、本実施形態では、基材テープ101において、識別子PMのテープ搬送方向先端位置から無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端までの距離Lが、マークセンサ127と印字ヘッド23との間のテープ搬送方向距離Loに等しくなるように、予め設定されている。
まず、図24(ao)は、例えば、複数枚の無線タグラベルTを作成する間にカートリッジ7がカートリッジホルダ6から取り外されたり、あるいはその他の理由により、テープ搬送路において基材テープ101、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109(あるいはインクリボン105、但しこの場合は図示していない)の弛みが生じた状態を概念的に表している。本実施形態では、カートリッジ7を装着した場合、この弛みを除去するための機能として、無線タグラベルTの作成処理に入る前に、予め比較的小さな距離(少なくとも識別子PMがマークセンサ127の検出位置までには至らない程度の距離)だけテープ送りローラ27による基材テープ101、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109の搬送を行う(このときローラホルダ25が圧着状態にあり、インクリボン105も同様に搬送されることとなる)。
図24(a)は、上記搬送が行われ、テープ搬送路において基材テープ101、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109(あるいはインクリボン105の弛みがほぼ除去(又は低減)された状態を表している。なお、この状態では識別子PMはマークセンサ127によって検出されていない。
この状態からさらに印字済みラベル用テープ109の搬送(言い換えれば基材テープ101及びカバーフィルム103の搬送。以下同様)が進むと、無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端付近が印字ヘッド23の位置に到達する(図24(b))。ここで、前述のように、L=Loとなっていることから、印字済みラベル用テープ109の移動により識別子PMの先端がマークセンサ127の位置に到達したとき、カバーフィルム103の無線タグ回路素子Toに対応する位置(基材テープ101の無線タグ回路素子To位置と貼りあわされることとなる位置)が、印字ヘッド23の位置に到達する。これに対応し、識別子PMがマークセンサ127で検出されると、カバーフィルム103にラベル印字Rの印刷が開始される(図24(c))。この例では、後述の図24(i)〜図24(k)に示すように、比較的長い文字(アルファベット文字「ABCDEFGHIJKLMN」)を印字する場合を例にとっている。
上記図24(c)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109の搬送が進むと、予め設定された前ハーフカット線HC1の位置(前述したように、テープ先端から距離X1の位置。図19参照)が、ハーフカットユニット34の位置に到達する(図24(d))。この状態では前述のように既にマークセンサ127によって識別子PMを検出した後であるため、この位置に来たことの検出は、前述の図24(b)の状態(識別子PM検出開始状態)から印字済みラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みラベル用テープ109の搬送を停止し、ハーフカットユニット34によって前ハーフカット線HC1を形成する(図24(d))。
その後、印字済みラベル用テープ109の搬送を再開し、上記図24(d)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109の搬送が進む(図24(e))と、無線タグ回路素子ToがループアンテナLCの位置に到達する(図24(f))。このとき、この例ではラベル印字Rとして前述のように比較的長い文字(「ABCDEFGHIJKLMN」)の印刷を行っていることから、この時点ではまだ印字領域Sにおけるすべての印刷が終了していない。このため、印字済みラベル用テープ109の搬送及び印刷を一旦停止(中断)させて、その搬送停止状態でループアンテナLCより無線タグ回路素子Toとの無線通信を行った後、搬送及び印刷を再開し(図24(g))、最終的にすべての(「ABCDEFGHIJKLMN」)の印刷を完了させる(図24(h))。
上記図24(h)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109の搬送が進むと、予め設定された後ハーフカット線HC2の位置(前述したように、テープ後端から距離X2の位置。図19参照)が、ハーフカットユニット34の位置に到達する。この位置に来たことの検出は、上記前ハーフカット線HC2の位置検出と同様、図24(b)の状態から印字済みラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みラベル用テープ109の搬送を停止し、ハーフカットユニット34によって後ハーフカット線HC2を形成する(図24(i))。
上記図24(i)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109の搬送が進む(図24(j)参照)と、ラベル印字Rの長さに対応して可変に設定された各無線タグラベルTの印字領域Sのテープ長手方向寸法Xに対応した切断線CL(切断部位)の位置が、切断機構15の位置に到達する。この位置に来たことの検出も、上記同様、図24(b)の状態から印字済みラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みラベル用テープ109の搬送を停止し、切断機構15によって切断線CLにおいて切断を行い(図24(k))、印字済みラベル用テープの先端側を切り離して無線タグラベルTとする。
図25は、上記のようにして完成した無線タグラベルTの例を表す図であり、前述した図19(a)にほぼ相当する図である。無線タグラベルTには、テープ長手方向中央側に無線タグ回路素子Toが配置されるとともにこれに対応する印字領域Sにラベル印字Rがなされ、前・後ハーフカット線HC1,HC2を挟んで、識別子PMのある前余白領域S1と後余白領域S2とがそれぞれ設けられる。なお、前述のように印字領域Sの長さはラベル印字Rの態様により変化する。
(I−B)印字長が比較的短い場合
上記(I−A)と異なり、比較的短い文字(アルファベット文字「ABCDEFGHIJ」)を印字する場合を例にとって説明する。なおこの場合、弛み取り処理については、上記(I−A)で説明した図24(ao)の手順と同様なので省略し、上記図24(a)〜(k)の過程に相当する図26(a)〜(k)の過程を示して説明を行う。
図26(a)〜(e)は前述の図24(a)〜(e)と同様である。弛み取りが終了して印字済みラベル用テープ109の搬送が開始された後(図26(a))、さらに搬送が進むと、識別子PMの先端がマークセンサ127の位置に到達したとき(図26(b))カバーフィルム103にラベル印字Rの印刷が開始される(図26(c))。さらに搬送が進み前ハーフカット線HC1の位置がハーフカットユニット34の位置に到達するとハーフカットユニット34によって前ハーフカット線HC1を形成した(図26(d))後、印字済みラベル用テープ109の搬送を再開し、さらに印字済みラベル用テープ109の搬送が進む(図26(e))。
すると、この例ではラベル印字Rの文字数が比較的少ないため、無線タグ回路素子ToがループアンテナLCの位置に到達する(後述の図26(g)参照)より前に、ラベル印字Rの印字(「ABCDEFGHIJ」)が先に完了する(図26(f))。
その後、搬送が進んで、無線タグ回路素子ToがループアンテナLCの位置に到達することとなる(図26(g))が、上記(I−A)の場合と異なり、この時点で印字領域Sへのすべての印刷が終了している。このため、印字済みラベル用テープ109の搬送を停止(中断)させて、その搬送停止状態でループアンテナLCより無線タグ回路素子Toとの無線通信を行った後、搬送を再開(図26(h))する。
これ以降の図26(i)〜(k)は上記図24(i)〜(k)と同様であり、すなわち上記図26(h)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109の搬送が進み、ハーフカット線HC2の位置がハーフカットユニット34の位置に到達すると印字済みラベル用テープ109の搬送を停止し、ハーフカットユニット34によって後ハーフカット線HC2を形成する(図26(i))。さらに搬送が進み(図26(j))、切断線CLの位置が切断機構15の位置に到達すると搬送を停止し、切断機構15によって切断線CLにおいて切断を行い(図26(k))、印字済みラベル用テープ109の先端側を切り離して無線タグラベルTとする。
図27は、上記のようにして完成した無線タグラベルTの例を表す図であり、上記(I−A)で前述した図25にほぼ相当する図である。
(II)通常ラベルT−0作成時
図28(ao1)〜(k)はそれぞれ、連続的に繰り出される印字済みラベル用テープ109−0のラベル印字Rの印字領域Sと、ハーフカットユニット34、切断機構15、印字ヘッド23との位置関係を表す説明図である(なおループアンテナLC、マークセンサ127も参考のために図示)。
まず、図28(ao)は、例えば、複数枚の通常ラベルT−0を作成する間にカートリッジ7−0がカートリッジホルダ6から取り外されたり、あるいはその他の理由により、テープ搬送路において基材テープ101−0、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109−0(あるいはインクリボン105、但しこの場合は図示していない)の弛みが生じた状態を概念的に表している。
ここで、本実施形態では、カートリッジ7−0を装着した場合、通常ラベルTの作成処理に入る前に、この弛みを十分に除去するために比較的大きな距離だけ予めテープ送りローラ27による基材テープ101−0、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109−0の搬送を行う(このときローラホルダ25が圧着状態にあり、インクリボン105も同様に搬送されることとなる)。図28(ao2)はこの状態を表しており、この例では、印字済みラベル用テープ109−0の先端がループアンテナLCの位置を越えて大きく送られた状態を示している。
そして、上記のように搬送が行われ、テープ搬送路において基材テープ101−0、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109−0(あるいはインクリボン105の弛みが除去されたら、切断機構15によって切断を行い、その先端側は排出される。図28(a)は、この状態を表している。
この状態からさらに印字済みラベル用テープ109−0の搬送(言い換えれば基材テープ101−0及びカバーフィルム103−0の搬送。以下同様)が進む。このときの搬送距離は、例えば上記切断機構15による切断後、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等によって検出され、その搬送距離が予め定められた所定距離に達する(図28(b))と、カバーフィルム103にラベル印字Rの印刷が開始される(図28(c))。この例では、後述の図28(i)〜図28(k)に示すように、アルファベット文字「ABCDEFGHIJKLMN」を印字する場合を例にとっている。
上記図28(c)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109−0の搬送が進むと、予め設定された前ハーフカット線HC1の位置(前述したように、テープ先端から距離X1の位置。図21参照)が、ハーフカットユニット34の位置に到達する(図28(d))。この位置に来たことの検出は、前述の図24(b)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109−0が所定距離だけ進んだことを検知することによって行えば足りる。この検出に対応して、印字済みラベル用テープ109−0の搬送を停止し、ハーフカットユニット34によって前ハーフカット線HC1を形成する(図28(d))。
その後、印字済みラベル用テープ109−0の搬送を再開し、上記図28(d)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109−0の搬送が進んで行き(図28(e)、図28(f)、図28(g))、最終的にすべての(「ABCDEFGHIJKLMN」)の印刷を完了させる(図28(h))。
上記図28(h)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109−0の搬送が進むと、予め設定された後ハーフカット線HC2の位置(前述したように、テープ後端から距離X2の位置。図21参照)が、ハーフカットユニット34の位置に到達する。この位置に来たことの検出は、上記前ハーフカット線HC2の位置検出と同様、図28(b)の状態から印字済みラベル用テープ109−0が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みラベル用テープ109−0の搬送を停止し、ハーフカットユニット34によって後ハーフカット線HC2を形成する(図28(i))。
上記図28(i)の状態からさらに印字済みラベル用テープ109−0の搬送が進む(図28(j)参照)と、ラベル印字Rの長さに対応して可変に設定された各通常ラベルT−0の印字領域Sのテープ長手方向寸法Xに対応した切断線CL(切断部位)の位置が、切断機構15の位置に到達する。この位置に来たことの検出も、上記同様、図28(b)の状態から印字済みラベル用テープ109−0が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みラベル用テープ109−0の搬送を停止し、切断機構15によって切断線CLにおいて切断を行い(図28(k))、印字済みラベル用テープの先端側を切り離して通常ラベルT−0とする。
図29は、上記のようにして完成した通常ラベルT−0の例を表す図であり、前述した図21(a)にほぼ相当する図である。通常ラベルT−0には、テープ長手方向中央側の印字領域Sにラベル印字Rがなされ、前・後ハーフカット線HC1,HC2を挟んで、前余白領域S1と後余白領域S2とがそれぞれ設けられる。なお、前述のように印字領域Sの長さはラベル印字Rの態様により変化する。
なお、通常ラベルTを作成する場合は、例えばアルファベット文字「ABCDEFGHIJ」のように印字長が比較的短い場合であっても、上記図28と同様の過程となる。
以上のようにして、本実施形態では、カートリッジホルダ6にカートリッジ7を装着して無線タグラベルTを作成するか、カートリッジ7−0を装着して通常ラベルTを作成するかに応じて、異なる態様の弛み防止処理、及びその後のラベル作成を行う。
図30は、このような制御を行うために上記制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
この図30において、上記PC118を介しタグラベル作成装置1による所定の無線タグラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。
まずステップS5で、上記カートリッジセンサ191からの検出信号に基づき、カートリッジホルダ6に装着されているカートリッジが無線タグラベルT作成用のカートリッジ7であるかどうかを判定する。カートリッジ7が装着されていれば判定が満たされてステップS10でカートリッジ種類を表すフラグFc=1とし、通常ラベルT−0作成用のカートリッジ7−0が装着されていれば判定が満たされずステップS12でフラグFc=0とし、次のステップS20に移る。
ステップS15では、上記PC118からの操作信号を通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して入力し(又はタグラベル作成装置1に設けた適宜の操作手段からの操作信号を入力し)、操作者がテープの弛み除去を意図した「FEED」操作をしたかどうかを判定する。操作者によるこのFEED操作がなされない間は判定が満たされず、FEED操作がなされると判定が満たされて、次のステップS20に移る。
ステップS20では、上記フラグFcが0であるか1であるかに応じて(言い換えれば無線タグラベルT作成用のカートリッジ7であるか通常ラベルT−0作成用のカートリッジ7−0であるかに応じて)、それぞれ異なる態様の弛み除去(又は低減)モードによる処理を実行し(詳細は後述)、ステップS25に移る。
ステップS25では、上記フラグFc=1であるか(言い換えれば無線タグラベルT作成用のカートリッジ7であるか)を判定する。カートリッジホルダ6にカートリッジ7が装着されている場合には上記ステップS10でFc=1とされているから判定が満たされ、ステップS100Aに移り、上記操作信号に基づき各種設定等を行うタグラベル用準備処理を実行する(詳細は後述)。カートリッジホルダ6にカートリッジ7−0が装着されている場合には上記ステップS12でFc=0とされているから判定が満たされず、ステップS100Bに移り、上記操作信号に基づき各種設定等を行う通常ラベル用準備処理を実行する(詳細は後述)。
上記ステップS100A又はステップS100Bが終了したら、ステップS30に移り、入出力インターフェース113を介し駆動回路192に制御信号を出力して切替機構193を駆動しローラホルダ25を圧着位置(印字位置)に切り替えた後、さらに搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102,102−0から基材テープ101,101−0が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101,101−0とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済みラベル用テープ109,109−0として形成され、カートリッジ7,7−0外方向からさらにタグラベル作成装置1外方向へと搬送される。
その後、ステップS35において、印字済みラベル用テープ109,109−0が印刷開始位置まで到達したかどうかを判定する。カートリッジ7の場合は、入出力インターフェース113を介し入力されたマーク検出センサ127の検出信号に基づき、印字済みラベル用テープ109の上記識別子PMが検出されたかどうかを判定する。カートリッジ7−0の場合は、前述したように、上記ステップS20におけるFEED処理での切断機構15による切断(詳細は後述)後、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数のカウント値に基づき、対応する距離の搬送が行われたかどうかを判定すればよい。印刷開始位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、検出されたら判定が満たされて次のステップS40に移る。
ステップS40では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域S(カートリッジ7の場合は基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面にほぼ貼り合わせることとなる領域)に、ステップS100A又はステップS100Bで生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する(図24及び図28参照)。
その後、ステップS45において、印字済みラベル用テープ109,109−0が前述した前ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構35のハーフカッタ34がステップS100A又はステップS100Bで設定した前ハーフカット線HC1に正対する位置まで印字済みラベル用テープ109,109−0が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、カートリッジ7の場合は、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を上記搬送用モータ駆動回路121のパルス数カウントによって算出すればよい。カートリッジ7−0の場合は、前述したようにFEED処理での切断後のパルス数カウントによって算出すればよい。前ハーフカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS50に移る。
ステップS50では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7,7−0から繰り出された印字済みラベル用テープ109,109−0が排出方向に移動する過程で、ステップS100A又はステップS100Bで設定した前ハーフカット線HC1にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102,102−0からの基材テープ101,101−0の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みラベル用テープ109,109−0の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する
その後、ステップS55で、入出力インターフェース113を介しハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済みラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cを切断して(又は印字済みラベル用テープ109−0のカバーフィルム103、粘着層101a−0、ベースフィルム101b−0、及び粘着層101c−0を切断して)前ハーフカット線HC1を形成する前ハーフカット処理を行う(図24(d)又は図42(d)参照)。
そして、ステップS60に移り、上記ステップS30と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みラベル用テープ109,109−0の搬送を再開するとともに、ステップS40と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS65に移り、前述のステップS25と同様、上記フラグFc=1であるか(言い換えれば無線タグラベルT作成用のカートリッジ7であるか)を判定する。カートリッジホルダ6にカートリッジ7−0が装着されている場合には判定が満たされず、ステップS700に移って通常ラベル作成処理を実行する(詳細は後述)。カートリッジホルダ6にカートリッジ7が装着されている場合には判定が満たされ、ステップ70に移る。
ステップS70では、ステップS100Aにおいて印字内容(印字文字の数、フォント等)に応じて可変に設定した印刷終了位置(後述のステップS130参照)と、ステップS100Aにおいて操作者より入力された操作信号に含まれるカートリッジ7の種類情報に応じて設定したタグ後端位置(後述のステップS145参照)とに応じて、当該印字済みラベル用テープ109について、印字領域Sへのすべてのラベル印字Rの印刷が終了する前に、無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCと正対する位置)となるか(前述の図24(f)の状態)、あるいは無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCと正対する位置)となる前に印字領域Sへのすべてのラベル印字Rの印刷が終了するか(前述の図26(g)の状態)となるかを判定する。
例えば印刷しようとするラベル印字Rの長さが比較的長く上記図24(f)の状態となるような位置関係であれば、上記ステップS70の判定が満たされ、ステップS200に移り、長印字ラベル作成処理を行う。すなわち、無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCと正対する位置)まで搬送したら搬送及び印字を停止して情報送受信を行い、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させ、さらに搬送して後ハーフカット位置で搬送を停止して後ハーフカット線HC2の形成を行う。
一方、例えば印刷しようとするラベル印字Rの長さが比較的短く上記図26(g)の状態となるような位置関係であれば、上記ステップS70の判定が満たされず、ステップS300に移り、短印字ラベル作成処理を行う。すなわち、そのまま搬送及び印字を継続してまず印字を完了させた後、さらに搬送して無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCと正対する位置)まで到達したら搬送を停止して情報送受信を行い、さらに搬送して後ハーフカット位置で搬送を停止して後ハーフカット線HC2の形成を行う。
以上のようにしてステップS200又はステップS300若しくはステップS700が終了したら、ステップS75に移る(なおこの時点でステップS200又はステップS300若しくはステップS700において印字済みラベル用テープ109の搬送が再開されている)。ステップS75では、印字済みラベル用テープ109,109−0が前述したフルカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば切断機構15の可動刃41がステップS100A又はステップS100Bで設定した切断線CLに正対する位置まで印字済みラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する(このときの判定も前述のステップS45の判定と同様の手法で足りる)。フルカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS80に移る。
ステップS80では、上記ステップS50と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済みラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS100A又はステップS100Bで設定した切断線CLに切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102,102−0からの基材テープ101,101−0の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みラベル用テープ109,109−0の搬送が停止する。
その後、ステップS85でカッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッタモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済みラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101d(又は印字済みラベル用テープ109−0のカバーフィルム103、粘着層101a−0、ベースフィルム101b−0、粘着層101c−0、及び剥離紙101d−0)をすべて切断(分断)して切断線CLを形成するフルカット処理を行う(図24(k)や図28(k)参照)。この切断機構15による分断によって、印字済みラベル用テープ109から切り離され、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される(又は印字済みラベル用テープ109−0から切り離され、所定の印字が行われた通常ラベルT−0が生成される)。
その後、ステップS90に移り、入出力インターフェース31を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS55でラベル状に生成されたラベルT,T−0がラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出し、このフローを終了する。
なお、上記ステップS85の切断処理とステップS90のラベル排出処理とは、連動して行うようにしてもよい。
図31は、上述したステップS20の詳細手順を表すフローチャートである。図31に示すフローにおいて、まずステップS21で、前述のステップS25やステップS65と同様、上記フラグFc=1であるか(言い換えれば無線タグラベルT作成用のカートリッジ7であるか)を判定する。カートリッジホルダ6にカートリッジ7が装着されている場合には判定が満たされ、ステップS600に移ってタグラベルFEED処理を実行する(詳細は後述)。カートリッジホルダ6にカートリッジ7−0が装着されている場合には判定が満たされず、ステップ22に移る。
ステップS22では、入出力インターフェース113を介し駆動回路192に制御信号を出力して切替機構193を駆動し、ローラホルダ25を圧着位置(印字位置)に切り替える。
その後、ステップS23において、弛みを十分に除去するために比較的大きな距離U(第1距離)だけ予めテープ送りローラ27による基材テープ101−0、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109−0の搬送を行う(前述の図28(ao2)参照。なお、このときローラホルダ25が圧着状態にあるため、インクリボン105も同様に搬送されることとなる。
そして、ステップS24に移り、前述のステップS85と同様、カッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッタモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済みラベル用テープ109−0を切断(分断)するフルカット処理を行う。これにより、この切断位置より後方側は、弛みのない印字済みラベル用テープ109−0がその先端を当該切断機構15の位置に位置決めされた状態で残存することとなる(図28(a)参照)。
その後、ステップS26に移り、上記ステップS90と同様、入出力インターフェース31を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS25で切り離された印字済みラベル用テープ(但し実際はこの部分は印字はなされていない場合もある)109−0の先端部がラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出される。
そして、ステップS27に移り、入出力インターフェース113を介し駆動回路192に制御信号を出力して切替機構193を駆動し、ローラホルダ25をもとのリリース位置(離反位置)に切り替え、このルーチンを終了する。
図32は、ステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。図32において、まずステップS605で、上記ステップS22と同様、切替機構193を駆動し、ローラホルダ25を圧着位置(印字位置)に切り替える。
その後、ステップS610において、無線タグ回路素子Toが切断機構15と正対するのを回避しつつ弛みを除去(又は低減)するために、比較的小さい距離U1(第2距離。前述の距離Uよりも小さい)だけ予めテープ送りローラ27による基材テープ101、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109の搬送を行う(前述の図24(a)参照。なお、このときローラホルダ25が圧着状態にあるため、インクリボン105も同様に搬送されることとなる。
そして、ステップS615に移り、上記ステップS27と同様、切替機構193を駆動し、ローラホルダ25をもとのリリース位置(離反位置)に切り替え、このルーチンを終了する。
図33は、上述したステップS100Aの詳細手順を表すフローチャートである。図33に示すフローにおいて、まずステップS110で、上記ステップS15と同様、上記PC118からの操作信号を通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して入力し(又はタグラベル作成装置1に設けた適宜の操作手段からの操作信号を入力し)、この操作信号に基づき、印刷データを作成する。このとき、この操作信号には、例えば操作者が指定したラベル印字R及び既印刷枚数R1の文字・図柄・模様等やそのフォント(字体、大きさ、太さ等)、あるいは文字や数字等のキャラクタのコードデータなどの印刷情報が含まれ、無線タグ回路素子Toへ情報書き込みを行う場合には、当該書き込み情報(少なくとも識別情報としてのタグIDを含む無線タグ情報)も含まれている。ここでは、上記印刷情報に対応した印刷データを作成する。
次に、ステップS115において、上記操作信号に基づき、上記書き込み情報に対応した通信データを作成する。なお上述したように、無線タグ回路素子Toへ情報書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合にはこの手順を実行するが、無線タグ回路素子Toに予め記憶された情報の読み取りを行って無線タグラベルTを作成する場合には、この手順は省略してもよい。
その後、ステップS120に移り、上述した前ハーフカット線HC1の位置を設定する。この設定は、上記カートリッジセンサ191の検出信号又は入力された操作信号に基づき、上記カートリッジ情報に対応した前ハーフカット線HC1のテープ上の位置を設定する。すなわち、カートリッジ7の種類によって前述したように基材テープ101内における無線タグ回路素子の配置間隔(言い換えれば切断線CLと切断線CLとの距離、1つの無線タグラベルTの長さ)が一意的に決まり、またこの無線タグラベルTの長さによって前ハーフカット線HC1の位置は(後ハーフカット線HCとは異なり)ラベル印字Rの内容によらず印字済みラベル用テープ109先端から一定の位置に予め決められている(例えばテーブルの形で制御回路110の適宜の箇所に記憶されている)。この手順では、このような前提のもと、上記前ハーフカット線HC1の位置をカートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
そして、ステップS125において、上述した無線タグ回路素子Toによるテープ上の通信位置を設定する。この設定も、上記ステップS120と同様、上記カートリッジセンサ191の検出信号又は入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によって無線タグ回路素子Toの種類(大きさ)及び配置位置は印字済みラベル用テープ109先端から一定の位置に予め決められている前提のもと、上記無線タグ回路素子Toの印字済みラベル用テープ109における配置位置を、カートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
その後、ステップS130に移り、上記ステップS110で作成された印刷データに基づき、ラベル印字Rの印刷が終了するテープ上の位置を算出する。すなわち、ラベル印字Rの内容によって変化し、印字長さが長くなる場合には印刷終了位置はラベル後端部側に(相対的に)近くなり、印字長さが短い場合には印刷終了位置はラベル前端部側に(相対的に)近くなる。
そして、ステップS135において、上述した後ハーフカット線HC2の位置を設定する。この設定は、上記カートリッジセンサ191の検出信号又は入力された操作信号と、上記ステップS130で算出された印刷終了位置とに基づき、上記カートリッジ情報に対応した後ハーフカット線HC2のテープ上の位置を設定する。すなわち、カートリッジ7の種類によって印刷終了位置から後ハーフカット線HC2までの距離は一定に予め決められている前提のもと、上記ステップS130で算出された印刷終了位置に対し当該定められた距離を加える(間に介在させる)形で、テープ上の後ハーフカット線HC2の位置を算出する。
その後、ステップS140に移り、印字済みラベル用テープ109の切断線CLの位置(フルカット位置)を設定する。この設定も、上記ステップS120と同様、上記カートリッジセンサ191の検出信号又は入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によってラベル大きさは一定に予め決められている前提のもと、印字済みラベル用テープ109の切断位置をカートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
そして、ステップS145において、上述した無線タグ回路素子Toのテープ上の後端位置を設定する。この設定も、上記と同様、上記カートリッジセンサ191の検出信号又は入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によって無線タグ回路素子Toの種類(大きさ)及び配置位置は予め決められている前提のもと、上記無線タグ回路素子Toの印字済みラベル用テープ109における後端位置を、カートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
そして、ステップS170において、後述のループアンテナLCから無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数M、Nを0に初期化設定し、このルーチンを終了する。
図34は、上述したステップS100Bの詳細手順を表すフローチャートである。上記図33と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。図34に示すフローにおいて、まずステップS110で、上記図33と同様、上記PC118からの操作信号を通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して入力し(又はタグラベル作成装置1に設けた適宜の操作手段からの操作信号を入力し)、この操作信号に含まれる印刷情報に対応した印刷データを作成する。
次に、ステップS120に移り、上記図33と同様、上記カートリッジセンサ191の検出信号又は入力された操作信号に基づき、上記カートリッジ情報に対応した前ハーフカット線HC1のテープ上の位置を設定する。すなわち、予め前ハーフカット線HC1の位置は(後ハーフカット線HC2とは異なり)ラベル印字Rの内容によらず印字済みラベル用テープ109−0先端位置(図21(a)参照)から一定の位置に予め決められている(例えばテーブルの形で制御回路110の適宜の箇所に記憶されている)。この手順では、この前提のもと、上記前ハーフカット線HC1の位置をカートリッジ7−0ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
そして、ステップS130に移り、上記ステップS110で作成された印刷データに基づき、ラベル印字Rの印刷が終了するテープ上の位置を算出する。すなわち、ラベル印字Rの内容によって変化し、印字長さが長くなる場合には印刷終了位置はラベル後端部側に(相対的に)近くなり、印字長さが短い場合には印刷終了位置はラベル前端部側に(相対的に)近くなる。
そして、ステップS135において、上述した後ハーフカット線HC2の位置を設定する。この設定は、上記カートリッジセンサ191の検出信号又は入力された操作信号と、上記ステップS130で算出された印刷終了位置とに基づき、上記カートリッジ情報に対応した後ハーフカット線HC2のテープ上の位置を設定する。すなわち、カートリッジ7−0の種類によって印刷終了位置から後ハーフカット線HC2までの距離は一定に予め決められている前提のもと、上記ステップS130で算出された印刷終了位置に対し当該定められた距離を加える(間に介在させる)形で、テープ上の後ハーフカット線HC2の位置を算出する。
その後、ステップS140に移り、印字済みラベル用テープ109−0の切断線CLの位置(フルカット位置)を設定する。この設定も、上記図33と同様、上記カートリッジセンサ191の検出信号又は入力された操作信号に基づき、カートリッジ7−0の種類によってラベル大きさは一定に予め決められている前提のもと、印字済みラベル用テープ109の切断位置をカートリッジ7−0ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定し、このルーチンを終了する。
図35は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。図35に示すフローにおいて、まずステップS210で、印字済みラベル用テープ109が前述したループアンテナLCとの通信位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば上記ステップS125で設定した、ループアンテナLCが無線タグ回路素子To位置と略正対する位置まで印字済みラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述した図30のステップS20と同様、例えば、上記ステップS35において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。通信位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS220に移る。
ステップS220では、上記ステップS50と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ回路素子ToにループアンテナLCが略正対した状態で印字済みラベル用テープ109の搬送が停止する。また、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する(図24(f)参照)。
その後、ステップS400に移り、アンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図33の上記ステップS115で作成した情報を書き込む(又はIC回路部に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う(詳細は後述の図37参照)。
そして、ステップS240では、図30のステップS60と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS250に移り、印字済みラベル用テープ109が前述した印刷終了位置(上記図33のステップS130で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS35において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS260に移る。
ステップS260では、上記図30のステップS50と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する(図24(h)参照)。
その後、ステップS500に移り、所定の後ハーフカット位置まで搬送した後にハーフカットユニット35のハーフカッタ34によって後ハーフカット線HC2の形成を行う後ハーフカット処理を行う(詳細は後述の図39参照)。
以上のステップS500が終了したら、このルーチンを終了する。
図36は、上述したステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。図36に示すフローにおいて、まずステップS310で、図35のステップS250と同様、印字済みラベル用テープ109が前述した印刷終了位置(上記図33のステップS130で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、ステップS250と同様の手法で行えばよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS320に移る。
ステップS320では、上記図35のステップS260と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する(図26(f)参照)。
その後、ステップS330に移り、図35のステップS210と同様にして、印字済みラベル用テープ109が前述したループアンテナLCとの通信位置まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定もステップS210と同様の手法で行えばよい。通信位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS340に移る。
ステップS340では、上記ステップS220と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ回路素子ToにループアンテナLCが略正対した状態で印字済みラベル用テープ109の搬送を停止させる(図26(g)参照)。
その後のステップS400は図35と同一であり、アンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行う情報送受信処理を行う(詳細は後述の図37参照)。
その後ステップS360では、図35のステップS240と同様、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みラベル用テープ109の搬送を再開する(図26(h)参照)。
その後のステップS500については、図35と同様であるので説明を省略する。
図37は、図35及び図36で上述したステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。なおこの例では、前述の情報書き込み及び情報読み取りのうち、情報書込みを例にとって説明する。
図37に示すフローのまずステップS405において、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306(図16等参照)に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157を初期化する。
次に、ステップS410において、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、メモリ部157の内容を確認する「Verify」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
その後、ステップS415において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナLCを介して受信し、受信回路307(図16等参照)及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
次に、ステップS420において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS425に移ってMに1を加え、さらにステップS430においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS405に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS435に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線NWを介し上記PC118へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS440に移り、送信回路306に制御信号を出力し、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
その後、ステップS445において、送信回路306に制御信号を出力し「Verify」信号として所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。その後ステップS450において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナLCを介して受信し、受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
次に、ステップS455において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS460に移ってNに1を加え、さらにステップS465においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS440に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS435に移り、同様にPC118に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS455の判定が満たされた場合、ステップS470に移り、送信回路306に制御信号を出力し、「Lock」コマンドとして所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了する。
その後、ステップS480に移り、上記ステップS440で無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド23により印字領域Sに印字されるラベル印字Rの印字情報との組み合わせを、入出力インターフェイス31及び通信回線NWを介し出力され、情報サーバISやルートサーバRSに記憶される。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。以上により、このルーチンを終了する。
図38は、上述したステップS700の詳細手順を表すフローチャートである。図38に示すフローにおいて、まずステップS710で、図36のステップS310と同様、印字済みラベル用テープ109−0が前述した印刷終了位置(上記図34のステップS130で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定は、前述と同様、例えば上記切断機構15による切断後、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数のカウント値に基づき、対応する距離の搬送が行われたかどうかを判定すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS720に移る。
ステップS720では、上記図36のステップS320と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する(図28(h)参照)。
その後、前述と同様のステップS500に移り、所定の後ハーフカット位置まで搬送した後にハーフカットユニット35のハーフカッタ34によって後ハーフカット線HC2の形成を行う後ハーフカット処理を行う(詳細は後述の図39参照)。
図39は、図35、図36、図38で上述したステップS500の詳細手順を表すフローチャートである。
図39に示すフローのまずステップS520において、ステップS45と同様、印字済みラベル用テープ109,109−0が前述した後ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構35のハーフカッタ34が図33や図34のステップS135で算出した後ハーフカット線HC2に正対する位置まで印字済みラベル用テープ109,109−0が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、前述と同様、カートリッジ7の場合は上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離(カートリッジ7−0の場合は上記切断機構15による切断後の搬送距離)を、搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えばよい。後ハーフカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS530に移る。
ステップS530では、前述のステップS80等と同様、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、上記ステップS135で算出した後ハーフカット線HC2にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102,102−0からの基材テープ101,101−0の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みラベル用テープ109,109−0の搬送が停止する。
その後、ステップS540に移り、上記ステップS55と同様、ハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタ34を回動させて、印字済みラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101c(印字済みラベル用テープ109−0のカバーフィルム103、粘着層101a−0、ベースフィルム101b−0、及び粘着層101c−0)を切断して後ハーフカット線HC2を形成する後ハーフカット処理を行う(図24(i)、図26(i)、図28(i)参照)。
そして、ステップS550に移り、上記ステップS60と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みラベル用テープ109,109−0の搬送を再開し、このルーチンを終了する。
以上において、テープ送りローラ27と、リボン巻取ローラ106と、ローラホルダ25を切り替える切替機構193とが、各請求項記載の、ロール着脱手段に装着されたタグテープロール又は通常テープロールから供給されるテープに対しテープ長手方向への駆動力を与えるための駆動手段を構成する。
また、制御回路110が実行する図31に示したフローにおいて、ステップS600がタグテープモードに相当し、ステップS22、ステップS23、ステップS24、ステップS26、ステップS27が通常テープモードに相当し、これらを選択的に実行する制御回路110が、テープ弛み低減処理に関し、検出手段の検出結果に応じ、モードを切り替えて前記駆動手段を制御する制御手段を構成する。
以上のように構成した本実施形態のラベル作成装置1においては、カートリッジホルダ6に無線タグラベルT作成用のカートリッジ7又は通常ラベルT−0作成用のカートリッジ7−0が装着され、カバーフィルム103の印字領域Sに対し印字ヘッド23で所定のラベル印字Rが行われ、このカバーフィルム103と、基材テープ101又は101−0が貼り合わされて印字済みラベル用テープ109又は109−0とされ、切断機構15でその印字済みラベル用テープ109又は109−0が所定長さに切断されて無線タグラベルT又は通常の印字ラベルT−0が作成される。
このようにして複数枚のラベルT,T−0を作成する間にカートリッジ7,7−0がカートリッジホルダ6から取り外されたり、あるいはその他の理由により、テープ搬送路においてテープ109,101,103又は109−0,101−0,103及びインクリボン105の弛みが生じることがあり、そのままでは例えば印字かすれ等が生じる可能性があるため当該弛みを低減することが好ましい。本実施形態のタグラベル作成装置1においては、制御回路110がテープ弛み低減処理を行うためのモードであるFEED処理を実行可能であり、これによってテープ送りローラ27で印字済みラベル用テープ109,109−0に駆動力を与えて搬送し、上記テープ弛みを低減することができる。
ここで、カートリッジ7から繰り出される基材テープ101においては無線タグ回路素子Toが所定の間隔で複数個配置されており、ラベル形成のための切断機構15によるテープ切断の際に、健全性を保つために当該無線タグ回路素子Toを切断しないようなテープ搬送位置設定を行う必要がある。したがって、カートリッジ7とカートリッジ7−0とを選択的に使用する場合には、上記テープ弛み低減機能に関して、上記基材テープ101の無線タグ回路素子To切断防止のための搬送位置設定について配慮する必要がある。本実施形態ではこれに対応し、上記テープ弛み低減処理を行うためのモードをテープ種類別に分け、図31のステップS22〜ステップS27に示す通常テープモードと別にステップS600のタグテープモードを設けている。そして、カートリッジセンサ190でいずれのカートリッジ7,7−0が設置されたかの検出結果に応じて、上記モードを切り替えるようになっている。そして、カートリッジ7を装着して無線タグラベルTを作成するときにおいてはタグテープモードであるタグラベルFEED処理(ステップS600)を実行して無線タグ回路素子Toの切断防止を最優先とし無線タグ回路素子Toの健全性阻害を防止し、カートリッジ7−0を装着して通常ラベルT−0を作成するときにおいては通常テープモードであるステップS22〜ステップS27のFEED処理を実行してテープ弛み低減のための搬送を最優先とし当該弛みを確実に低減することができる。
また、この実施形態では特に、タグテープモードである上記ステップS600におけるテープ搬送距離U1、を通常テープモードであるステップS22〜ステップS27での搬送距離Uよりも小さな微小距離に設定することにより、テープ搬送による印字済みラベル用テープ109−0のテープ搬送位置設定への影響を最小限として、無線タグ回路素子Toの切断防止を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)タグテープモードでもテープ切断を行う場合
上記実施形態においては、タグテープモードであるステップS600のタグラベルFEED処理では印字済みラベル用テープ109の切断を行わなかった(距離U1の搬送のみ)が、これに限られず、搬送距離を非常に微小な量(搬送後であっても切断機構15が無線タグ回路素子Toに正対せず無線タグ回路素子Toを切断することのない搬送距離。後述の図41参照)とできる場合には、上記通常テープモードと同様、切断機構15によるテープ切断処理を行うようにしてもよい。
図40は、この変形例におけるステップS600の詳細手順を表すフローチャートであり、上記実施形態の図32に相当する図である。図32と同様の手順には同一の符号を付し、説明を省略する。この図40に示すタグラベルFEED処理では、ステップS610に代えてこれに相当するステップS610Aが設けられ、無線タグ回路素子Toが切断機構15と正対するのを確実に回避しつつ弛みを除去(又は低減)するために、微小距離U2(第2距離。上記実施形態の距離U1よりもさらに小さい)だけ予めテープ送りローラ27による基材テープ101、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109の搬送を行う。図41はこのときの挙動を表す上記図24に相当する図であり、図41(a)から距離U2だけ搬送されて弛みがほぼ除去又は低減された状態が図41(b)である。なお、このときローラホルダ25が圧着状態にあるため、インクリボン105も同様に搬送されることとなる。
図40において、ステップS610Aの後は、新たに設けたステップS620に移り、上記ステップS24と同様、カッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッタモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済みラベル用テープ109を切断(分断)するフルカット処理を行う。これにより、この切断位置より後方側は、弛みがほぼ除去された(あるいは低減された印字済みラベル用テープ109がその先端を当該切断機構15の位置に位置決めされた状態で残存することとなる(図41(c)参照)。
その後、ステップS621に移り、上記ステップS26と同様、テープ排出モータ65の駆動を再開して駆動ローラ51による搬送が再開され、上記ステップS620で切り離された印字済みラベル用テープ(但し実際はこの部分は印字はなされていない場合もある)109の先端部がラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出される。
その後のステップS615については図32と同様であるので説明を省略する。図42は、この変形例において上記のようにして完成した無線タグラベルTの例を表す図であり、前述した図25にほぼ相当する図である。図示のように、識別子PMの比較的近くを切断機構15で切断されている点が図25と異なる。
本変形例によっても、上記実施形態と同様、タグテープモードでのテープ弛み低減処理時におけるテープ搬送量を通常テープモードより小さい微小距離U2に設定することで、テープ搬送による基材テープ101のテープ搬送位置設定への影響を最小限として、無線タグ回路素子Toの切断防止を図ることができる。
(2)大きく送った後にテープ切断を行う場合
上記(1)の変形例においては、タグテープモードであるステップS600のタグラベルFEED処理で、無線タグ回路素子Toでの切断を回避するために微小距離U2の搬送を行ったが、これに限られず、逆に搬送距離を比較的大きな値(ほぼ1枚の無線タグラベルT分だけの距離)として、当該切断機構15で切断する可能性のある無線タグ回路素子Toは用いず、その次に後続する無線タグ回路素子Toを用いて無線タグラベルTを作成するようにしてもよい。
図43は、この変形例におけるステップS600の詳細手順を表すフローチャートであり、上記図32や図40に相当する図である。図32と同様の手順には同一の符号を付し、説明を省略する。
図43に示すタグラベルFEED処理では、まず上記ステップS403と同様のステップS605において、切替機構193でローラホルダ25を圧着位置に切り替えた後、ステップS622に移る。
ステップS622では、前述の図30のステップS30と同様、搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力しテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させ、さらにテープ排出モータ駆動回路123を介して駆動ローラ51を回転駆動させ、印字済みラベル用テープ109の搬送を開始する。なお、このときローラホルダ25が圧着状態にあるため、インクリボン105も同様に搬送開始されることとなる。図44はこのときの挙動を表す上記図24に相当する図であり、図44(ao1)に示す弛んだ状態から上記のように搬送が開始される(図44(ao2)参照)。
その後、ステップS623に移り、上記図30のステップS35と同様、入出力インターフェース113を介し入力されたマーク検出センサ127の検出信号に基づき、印字済みラベル用テープ109の上記識別子PMが検出されたかどうかを判定する。判定が満たされない間は同様の手順を繰り返し、上記搬送により識別子PMがマークセンサ127で検出されるようになったら(図44(ao3)参照)判定が満たされ、次のステップS624に移る。
ステップS624では、図30のステップS75と同様、印字済みラベル用テープ109が前述したフルカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば切断機構15の可動刃41がステップS100Aで設定した切断線CLに正対する位置まで印字済みラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS623において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を上記搬送用モータ駆動回路121のパルス数カウントによって算出すればよい。
印字済みラベル用テープ109が前述したフルカット位置まで搬送されたら、上記ステップS624の判定が満たされ、上記ステップS80と同様、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済みラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、図44(ao1)に示す当初の弛み状態から、無線タグ回路素子Toが切断機構15と正対するのを確実に回避しつつ弛みを除去するために、上記通常テープモードの距離Uよりも大きい距離(第3距離)だけ、予めテープ送りローラ27による基材テープ101、カバーフィルム103、印字済みラベル用テープ109の搬送を行う。このようにして大きな距離だけ搬送されて弛みが除去された状態が図44(ao4)である。
その後、ステップS620、ステップS621、ステップS615は上記図40と同様であるので説明を省略する。ステップS620で先端部が切断されステップS621でその先端部が排出された状態が、図44(a)である。
本変形例においては、タグテープモードであるステップS600におけるテープ搬送量を通常テープモードよりも小さくすることで、テープ弛み低減処理時におけるタグテープ搬送量を、基材テープ101における無線タグ回路素子Toの配置ピッチにほぼ匹敵する大きな距離に設定する。これにより、テープ緩み低減処理前において設定対象としていた無線タグ回路素子Toに後続して配置された無線タグ回路素子Toに対し、改めて切断を行わないようなテープ搬送位置設定を行うことができる。
(3)インクリボンのみ搬送する場合
以上においては、タグテープモードであるステップS600のタグラベルFEED処理で弛み除去(又は低減)処理のために印字済みラベル用テープ109とインクリボン105の両方の搬送を行なったが、これに限られず、主としてインクリボン105の弛み除去を行えば足りる場合には、インクリボン105のみの搬送を行うようにしてもよい。
図45は、この変形例におけるステップS600の詳細手順を表すフローチャートであり、上記図32、図40、図43等に相当する図である。この図45に示すタグラベルFEED処理では、まず上記図40や図43と同様のステップS615において、切替機構193を駆動し、ローラホルダ25をもとのリリース位置(離反位置)に切り替えた後、ステップS626に移る。
ステップS626では、上記のようにローラホルダ25をリリースさせた状態で、図30のステップS30と同様、搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。これにより、印字済みラベル用テープ109は搬送されることなくインクリボン105のみの搬送が開始され、所定量U4(例えばインクリボン105の弛みを除去できるだけの十分な量)だけ搬送したら上記回転駆動を停止させ、このルーチンを終了する。
本変形例においては、以下の効果を奏する。すなわち、上述したように、タグラベル作成装置1においては、印字ヘッドとしてのサーマルヘッド23に対しインクリボン105を介して印字対象のカバーフィルム103を密着させインクを熱転写して印字を行うため、テープ送りローラ27の駆動力で印字済みラベル用テープ109やカバーフィルム103のみならず当該インクリボン105の搬送も行う。このとき、このインクリボン105についても各テープ109,101,103と同様に弛みが生じることがあり、印字かすれ等の防止のため当該弛みを低減することが好ましい。本変形例においては、通常テープモードでは、インクリボンン105とともにテープ109−0,101−0,103を搬送することで、テープ109−0,101−0やインクリボン105の弛み低減のための搬送を最優先とし当該弛みを確実に低減することができる。またタグテープモードでは、テープ109,101,103に駆動力を与えずに搬送を行わず、インクリボン105のみに駆動力を与えて搬送することで、無線タグ回路素子Toの切断防止を最優先として基材テープ101のテープ搬送位置設定への影響をなくし、確実に無線タグ回路素子Toの健全性阻害を防止することができる。
(4)タグテープモードでは一切搬送を行わない場合
以上においては、タグテープモードであるステップS600のタグラベルFEED処理で弛み除去(又は低減)処理のために少なくとも印字済みラベル用テープ109若しくはインクリボン105の搬送を行なったが、これに限られず、一切搬送を行わないようにすることも考えられる。
図46は、この変形例におけるステップS600の詳細手順を表すフローチャートであり、上記図32、図40、図43、図45等に相当する図である。この図46に示すタグラベルFEED処理では、図示のように、特に処理は何も行わないようになっている。すなわち言い換えれば、通常テープモードでは、前述のように印字済みラベル用テープ109−0等に対しテープ弛み低減処理のための搬送を行うのに対し、タグテープモードにおいては、テープに対しテープ弛み低減処理のための駆動力を一切与えない。このようにタグテープモードではテープに駆動力を与えずテープ搬送を行わないようにすることで、基材テープ101のテープ搬送位置設定への影響をなくし、確実に無線タグ回路素子Toの切断防止を図ることができる。
(5)テープ貼り合わせを行わない場合
以上においては、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、例えば感熱テープに備えられたカバーフィルム層の印字領域に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。この場合、感熱テープを用いることで特にインクリボン等を用いることなく印字ヘッドの発熱のみによって印字を行ってもよいし、これに限られず、上記実施形態のように通常のインクリボンを用いて印字を行うようにしてもよい。
本変形例においても、詳細な図示は省略するが、上記と同様、無線タグラベルT作成用のカートリッジを用いる場合と、通常ラベルT作成用のカートリッジを用いる場合とで、上記テープ弛み低減処理を行うためのモードをテープ種類別に分け、カートリッジセンサでいずれのカートリッジが設置されたかを検出し、その検出結果に応じて、上記モードを切り替える。すなわち、無線タグラベルTを作成するときにおいては、上記同様、搬送距離が通常テープモードと異なるタグテープモードとしてのタグラベルFEED処理を実行して無線タグ回路素子Toの切断防止を最優先とし無線タグ回路素子Toの健全性阻害を防止し、通常ラベルT−0を作成するときにおいては、上記同様、通常テープモードであるFEED処理を実行してテープ弛み低減のための搬送を最優先とし、当該弛みを確実に低減することができる。
また、このように貼り合せを行わない場合は、上記感熱テープ等を巻回したロールを装着するリール部材を、ローラで逆回転可能に構成しておいてもよい。この場合、上記弛み取りのためにテープを順方向に搬送するのに代え、当該リール部材を逆回転駆動してローラを逆回転させ(=駆動手段)、これによって弛み除去を行うことも考えられる。この場合も、上記同様、カートリッジセンサの検出結果に応じて、無線タグラベルTを作成するときにおいては、上記逆回転方向の搬送距離が通常テープモードと異なるタグテープモード処理を実行して無線タグ回路素子Toの切断防止を最優先とし、通常ラベルT−0を作成するときにおいては、通常テープモード処理を実行してテープ弛み低減のための搬送を最優先とし、当該弛みを確実に低減することができる。
(6)その他
以上においては、装置側のアンテナLPや無線タグ回路素子To側のアンテナ152としてループアンテナを用い、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他磁界を介して行われる非接触方式を含む)により情報送受信を行ったが、これに限られず、たとえば上記2つのアンテナとしてダイポールアンテナやパッチアンテナ等を送受信手段として用い、電波通信により情報送受信を行うようにしてもよい。
また、以上においては切断手段としての切断機構15とは別個に、半切断手段としてのハーフカットユニット35を設けたが、これに限られない。すなわち例えば、切断機構15の固定刃41の回動角度をフルカット時に比べて小さくなるように制御することでハーフカットを行うようにし、切断手段と半切断手段とを兼用するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
また、以上は、無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合を説明したが、これに限られない。すなわち、既に触れたように、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成する場合にも本発明は適用でき、この場合も上記同様の効果を得ることができる。
また、カートリッジ7,7−0を用いず上記第1ロール102,102−0を直接タグラベル作成装置1側の所定箇所(ロール着脱手段)に着脱可能に装着する構成とし、このときに所定の検出手段でロール102,102−0のいずれが装着されたかを検出することも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
なお、以上で用いた「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。