JPH10296515A - スローアウェイ式切削工具 - Google Patents

スローアウェイ式切削工具

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JPH10296515A
JPH10296515A JP11323797A JP11323797A JPH10296515A JP H10296515 A JPH10296515 A JP H10296515A JP 11323797 A JP11323797 A JP 11323797A JP 11323797 A JP11323797 A JP 11323797A JP H10296515 A JPH10296515 A JP H10296515A
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JP
Japan
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tip
throw
tool
mounting seat
wall surface
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Withdrawn
Application number
JP11323797A
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English (en)
Inventor
Yuzo Koesashi
祐三 小枝指
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スローアウェイチップ5の取付剛性を確保し
つつも比較的簡単な構造によってその移動を可能とす
る。 【解決手段】 工具本体1に形成されたチップ取付座4
に、切刃6が形成された平板状のスローアウェイチップ
5が着脱自在に装着されて成るスローアウェイ式切削工
具において、チップ取付座4に、スローアウェイチップ
5が載置される平坦な底面7と、この底面7から屹立し
てスローアウェイチップ5の側面部分19が当接する壁
面8とを具備せしめ、この壁面8とスローアウェイチッ
プ5の側面部分19とを互いに密着可能な円弧面状に形
成して、この円弧面に沿ってスローアウェイチップ5を
摺動させることにより、工具本体1に対する切刃6の位
置を調整可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具本体に着脱自
在に装着されるスローアウェイチップ(以下、チップと
称する。)に切刃が形成されたドリルやリーマ、あるい
はエンドミル等のスローアウェイ式切削工具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種のスローアウェイ式切削工具とし
ては、例えば軸線回りに回転される円柱状の工具本体の
先端部に一ないし複数のチップ取付座が形成され、これ
らのチップ取付座に切刃を備えたチップがそれぞれ装着
されて成るスローアウェイ式のドリルやリーマ、あるい
はボールエンドミルのようなスローアウェイ式エンドミ
ルなどが知られている。そして、スローアウェイ式のド
リルやリーマにあっては、工具本体がその軸線回りに回
転されつつ該軸線方向に送り出されることにより、上記
チップに形成された切刃によって被削材に穴明けした
り、予め明けられた下穴の内周加工したりする穴加工を
施し、またスローアウェイ式のエンドミルにあっては、
工具本体が軸線回りに回転されつつこの軸線に交差する
方向に送り出されることにより、上記切刃によって被削
材に溝加工を施してゆく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
スローアウェイ式切削工具において、穴加工の際の加工
穴径や溝加工の際の加工溝幅を微調整したり変化させた
りする場合、一般的には切削工具自体を、切刃の軸線回
りの回転径(切刃の外径)の異なるものに交換しなけれ
ばならず、従って複数種の切削工具を用意しければなら
ないので、非効率的かつ非経済的であった。また、この
ような問題を解消するために、例えばチップを工具本体
の径方向に移動させるチップ移動手段を設けて切刃の外
径を調整可能としたスローアウェイ式切削工具も従来種
々提案されてはいたが、このような切削工具は専らチッ
プを径方向に平行移動させる構造のものであったので、
チップの移動を可能としつつも十分な取付剛性を確保す
るには構造が複雑となることが避けられない。
【0004】しかも、チップの工具本体外周側に位置す
る部分しか切削に使用されないスローアウェイ式リーマ
等はまだしも、内周側の部分も切削に供されるスローア
ウェイ式ドリルやエンドミル等にあっては、切刃の外径
を拡大するためにチップを工具本体の外周側に平行移動
させると、この移動量分だけ切刃の内周側の端部も外周
側に移動してしまうため、工具本体の内周側に切刃が存
在しない部分が生じてしまう。従って、そのような切削
工具では、例えばスローアウェイ式ドリルの場合には被
削材に形成される加工穴の中心部に削り残しのコアが生
じてしまうため、かかるコアを除去する機構を備えたド
リルにしか適用できず、またスローアウェイ式エンドミ
ルのうち特にボールエンドミルの場合には、被削材に形
成される溝の底面中央部にやはり削り残しによる平坦面
が形成されてしまう。このため、上述のような構造のチ
ップ移動手段は、適用可能な工具の種類が制限されざる
を得なかった。
【0005】本発明は、このような背景の下になされた
もので、チップの取付剛性を確保しつつも比較的簡単な
構造によってその移動を可能とし、また特に切刃の外径
を拡径させた場合でも工具本体の内周側においては切刃
の径方向への移動を抑えることが可能なスローアウェイ
式切削工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、工具本体に
形成されたチップ取付座に、切刃が形成された平板状の
チップが着脱自在に装着されて成るスローアウェイ式切
削工具において、上記チップ取付座に、上記チップが載
置される平坦な底面と、この底面から屹立して上記チッ
プの側面部分が当接する壁面とを具備せしめ、この壁面
と上記チップの側面部分とを互いに密着可能な円弧面状
に形成して、この円弧面に沿って上記チップを摺動させ
ることにより、上記工具本体に対する上記切刃の位置を
調整可能としたことを特徴とするものである。従って、
チップは、その円弧面状をなす側面部分が同じく円弧面
状をなすチップ取付座の壁面に密着して摺動することに
より、この壁面によって案内されて任意の位置に簡単に
移動可能であり、しかも如何なる取付位置においても、
上記側面部分とチップ取付座の壁面との両円弧面同士が
密着していることにより、確実にチップ取付座に保持さ
れる。
【0007】ここで、上記チップに、このチップの上記
側面部分がなす円弧面と同心の円弧面状をなす内壁部を
備えた取付穴を形成し、該チップを、この取付穴に挿入
されて上記チップ取付座の底面にねじ込まれるクランプ
ネジにより、上記チップ取付座の壁面側に押圧して固定
するようにすれば、上記円弧面に沿ったチップの摺動位
置に拘わらず、チップは、その上記側面部分と取付穴と
の間の部分がチップ取付座の上記壁面とクランプネジと
によって挟み込まれ、しかも上記円弧面の径方向に押圧
されて固定されるので、一層確実にチップの取付剛性を
確保することが可能となる。また、上記工具本体に、上
記チップ取付座の壁面から該壁面がなす円弧面に斜交す
る方向に出没自在に調整ネジを埋設するとともに、上記
チップの側面部分には、この調整ネジの先端が係合可能
な係合部を形成することにより、この調整ネジの出没量
のうち上記円弧面の接線方向の成分に応じて上記係合部
の位置が決定され、これに伴いチップの取付位置および
切刃の外径も設定されるので、切刃の外径調整をより精
密かつ正確に行うことが可能となる。
【0008】さらに、上記工具本体を軸線回りに回転さ
れる略円柱状とするとともに、上記チップ取付座を、こ
の工具本体の先端部に、上記底面を工具回転方向に向け
て形成し、上記壁面を工具本体の先端内周側から後端外
周側に延びるように形成すれば、例えば切刃の外径を拡
径させるためにチップを上記壁面に沿って移動させた際
に、チップの工具本体外周側に位置する部分は主として
そのまま外周側に移動するのに対し、チップの工具本体
内周側に位置する部分は主として工具本体の後端側に後
退するように移動することとなるので、切刃の外周端の
移動量に対する内周端の移動量を小さく抑えることがで
きる。従って、当該スローアウェイ式切削工具をドリル
やボールエンドミル等の工具本体の内周側に位置する切
刃部分まで切削に供される切削工具に適用した場合、こ
のような構成を採ることにより、切刃の外径を拡径して
も工具本体の内周側に切刃の存在しない部分が生じるの
を抑えることができ、削り残しによるコアや平坦面の形
成を防止することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は、本発明をスロ
ーアウェイ式のドリルに適用した場合の一実施形態を示
すものである。本実施形態において工具本体1は軸線O
を中心とする概略円柱状をなし、その外周部にはこの工
具本体1の先端から後端側に向けて延びる一対の切屑排
出溝2,2が上記軸線Oについて対称に形成されてい
る。そして、これらの切屑排出溝2,2の工具回転方向
T側を向く壁面3の先端部にはそれぞれチップ取付座4
が形成されており、このチップ取付座4にチップ5が取
り付けられて当該スローアウェイ式ドリルの切刃6が提
供されている。
【0010】ここで、上記チップ取付座4は、上記切屑
排出溝2の壁面3から工具回転方向Tの後方側に一段凹
んだ平坦な底面7と、この底面7の後端側側から垂直に
屹立して上記壁面3に連なる先端側を向いた壁面8とか
ら画成され、工具本体1の先端面および外周面と上記切
屑排出溝2とに開放されている。そして、このチップ取
付座4の上記壁面8は、工具本体1の外部にあって上記
底面7の先端外周側の延長面に直交する軸線Xを中心と
した凹円筒面状に形成されており、すなわち上記底面7
に対向する方向から見て、工具本体1の後端内周側に凹
曲しつつ該工具本体1の先端部を先端内周側から後端外
周側に向けて延びる凹円弧面状に形成されている。
【0011】また、工具本体1には、上記切屑排出溝2
の工具回転方向Tの後方側を向く壁面9からチップ取付
座4の上記壁面8に開口するように調整ネジ穴10が形
成されている。この調整ネジ穴10は、図1に示すよう
にチップ取付座4の底面7に垂直な方向から見て、壁面
8側に向かうに従い工具本体1の外周側に向かうように
壁面8がなす上記凹円弧に斜交する方向に形成されてお
り、この調整ネジ穴10には調整ネジ11がねじ込まれ
て上記壁面9から出没自在とされている。さらに、チッ
プ取付座4の上記底面7には、チップ5をクランプする
ためのクランプネジ12がねじ込まれるクランプネジ穴
13が、この底面7の略中央部に垂直に形成されてい
る。なお、このクランプネジ12の頭部の外周面は、図
5に示すように該クランプネジ12先端のネジ部から離
れるに従い拡径するテーパ面状に形成されている。
【0012】一方、このチップ取付座4に装着される上
記チップ5は、本実施形態では超硬合金等の硬質材料か
ら形成されて図3および図4に示すように菱形平板状を
なすポジティブチップであり、その菱形をなす一面がす
くい面14とされて、その辺稜部に上記切刃6が形成さ
れるとともに、このすくい面14とは反対側の面がチッ
プ取付座4の上記底面7に着座する着座面15とされて
いる。なお、すくい面14とされる上記菱形面の一対の
鋭角端部は、これらの鋭角端部に交差する上記切刃6に
滑らかに接する円弧状に形成されており、切刃6のノー
ズアール部16とされている。
【0013】また、これらすくい面14と着座面15と
の間のチップ5の側面17は、そのすくい面14側の部
分が切刃6の逃げ面18とされて、着座面15側に向か
うに従い当該チップ5の内方に向かうように傾斜して形
成される一方、着座面15側の側面部分19は、図4に
示すようにすくい面14および着座面15に垂直とされ
るとともに、図3に示すようにすくい面14側からの透
視図において、すくい面14の一対の上記ノーズアール
部16,16間を結ぶ直線を長軸Lとして扁平する円形
をなしている。そして、この扁平円のうち上記長軸L方
向に延びる部分は、チップ取付座4の上記壁面8がなす
円筒面の半径Rと等しい半径Rの凸円弧をなすように形
成されており、すなわち、この着座面10側の側面部分
19は、上記壁面8に密着可能な一対の円筒面状に形成
されている。
【0014】さらに、このチップ5の着座面15側の上
記側面部分19には、上記長軸L方向に延びる半径Rの
円筒面部分の中ほどに、すくい面14側からの透視図に
おいて断面V字状をなす凹部20が形成されている。こ
の凹部20は、上記側面部分19を上記壁面8に密着さ
せて当該チップ5をチップ取付座4に装着した際に、壁
面8から突出する上記調整ネジ11の先端が当接可能な
位置に形成されており、本実施形態における係合部とさ
れている。なお、この側面部分19がなす上記一対の円
筒面同士の交差する上記長軸L方向の両端部は、半径の
小さな円筒面に滑らかに接するように形成されており、
またこの側面部分19の着座面15からの幅は、図5に
示すようにチップ取付座4の底面7からの壁面8の高さ
よりも僅かに大きくされている。
【0015】さらにまた、このチップ5には、そのすく
い面14の中央部から垂直に着座面15にかけて当該チ
ップ5を貫通するように取付穴21が形成されている。
この取付穴21は、すくい面14側から見て図3に示す
ように、上記側面部分19がなす扁平円と相似の上記長
軸L方向に延びる扁平した円形をなしており、この扁平
円の長軸L方向に延びる部分の内壁部22は、上記側面
部分19がなす円筒面と同軸で、この側面部分19がな
す円筒面の半径Rよりも小さい半径rの円筒面状に形成
されている。また、この取付穴21のすくい面14側の
部分は、該すくい面14側に向かうに従い漸次拡径する
断面テーパ状に形成されている。
【0016】このように構成されたチップ5は、上記す
くい面14を工具回転方向T側に向けるとともに、互い
に鈍角に交差する一対の切刃6,6を工具本体1の先端
に突出させ、上記着座面15およびこの着座面15側の
上記側面部分19を上記底面7および壁面8に密着させ
てチップ取付座4に着座させられる。そして、図5に示
すようにチップ5の上記取付穴21に挿通されたクラン
プネジ12を上記クランプネジ穴13にねじ込むことに
より、このクランプネジ12の頭部のテーパ面状の外周
面が、取付穴21のテーパ面状に形成されたすくい面1
4側の部分を押圧し、これによってチップ5は、チップ
取付座4の底面7側および壁面8側に押し付けられてチ
ップ取付座4に装着され、工具本体1に固定される。
【0017】さらに、このチップ取付座4に装着された
チップ5を移動させてその切刃6の外径を調整する場
合、例えば外径を拡大させるには、上記クランプネジ1
2を僅かに緩めてチップ5をチップ取付座4の壁面8に
沿って摺動可能とした上で、上記調整ネジ11をねじ込
んで壁面8から突出させればよい。これにより、チップ
5は、その側面17に形成された凹部20が調整ネジ1
1の先端に押し付けられて、凸円弧面状の上記側面部分
19が凹円弧面状の上記壁面8に密着したまま、この壁
面8に沿って工具本体1の外周側に移動させられ、これ
に伴い工具本体1の外周側に位置する切刃6のノーズア
ール部16も図6に示すように外周側に移動して切刃6
の外径がD1からD2へと拡大させられる。また、切刃6
の外径を縮径させるには、クランプネジ12を緩めると
ともに調整ネジ11を後退させ、調整ネジ11の先端に
凹部20が当接するように、チップ5を上記壁面8に沿
って内周側に摺動させればよい。
【0018】このように、本実施形態のスローアウェイ
式ドリルによれば、調整ネジ11およびクランプネジ1
2を操作することにより、チップ5を工具本体1の径方
向に移動させて切刃6の外径を調整することが可能であ
る。そして、このとき本実施形態では、チップ5は、側
面17のうち着座面15側の凸円弧面状の側面部分19
がチップ取付座4の凹円弧面状の壁面8に密着した状態
で、この壁面8に案内されるように移動されるので、容
易かつ正確に切刃6の外径を調整することができるとと
もに、こうして移動されたチップ5の取付位置に関わら
ず、円弧面状の上記壁面8と側面部分19との密着状態
が維持されるので、比較的簡単な構造ながらも、チップ
5を移動可能とした上でチップ取付座4との接触面積を
十分に確保し、チップ5の取付剛性の向上を図ることが
可能となる。
【0019】なお、ここで、上述のようにチップ5の上
記側面部分19がなす円弧に沿って該チップ5を摺動さ
せた際に、切刃6の外径が拡縮径するように工具本体1
に対する切刃6の位置を調整可能とするには、上記側面
部分19がなす円弧の半径Rを、図3に示すようにチッ
プ5のすくい面14に内接する円Cの半径よりも大きく
設定すればよい。すなわち、上記側面部分19がなす円
弧の半径Rがすくい面14の上記内接円Cの半径よりも
小さいと、この円弧に沿ってチップ5を移動させたとし
ても、チップ5がそのすくい面14の中心回りに回転移
動するだけとなり、上述のように切刃6の内径を維持し
つつ外径のみを拡大させることができなくなるおそれが
生じる。
【0020】また、本実施形態では、チップ5の取付穴
21に挿通されたクランプネジ12を、チップ取付座4
の底面7に形成されたクランプネジ穴13にねじ込むこ
とにより、このクランプネジ12の頭部によって取付穴
21のすくい面14側のテーパ面状の部分が押し付けら
れ、チップ5がチップ取付座4の底面7および壁面8側
に押圧されて固定される。そして、この取付穴21の内
壁部22は、チップ取付座4の上記壁面8に密着するチ
ップ5の凸円弧状の側面部分19と同心の凹円弧状に形
成されており、これによりチップ5の上記側面部分19
とこの内壁部22との間の部分は肉厚の均一な円弧壁状
に形成されることとなる。このため、チップ5は、その
位置に関わらず、常に一定の状態でクランプネジ12に
より壁面8側に押圧されて固定されることになるので、
本実施形態によれば、チップ5の取付剛性を一層確実に
確保することができて、チップ5の位置によってその取
付強度が変化してチップ5が不安定となったりするよう
な事態を防止することが可能となる。
【0021】さらに、本実施形態では、工具本体1に形
成された調整ネジ穴10に調整ネジ11がねじ込まれて
いて、この調整ネジ11が、上記チップ4の壁面8がな
す凹円弧面に斜交する方向に出没自在とされるととも
に、チップ5の上記側面部分19には凹部20が係合部
として形成され、この凹部20に上記調整ネジ11の先
端が当接して係合可能とされている。そして、例えば切
刃6の外径Dを拡大させる場合には、上述のようにクラ
ンプネジ12を緩めてこの調整ネジ11を突出させるこ
とにより、調整ネジ11の先端が凹部20に係合してチ
ップ5が壁面8に沿って移動させられ、このときの移動
量は、上記調整ネジ11のねじ込みによる突出量のう
ち、さらにその上記円弧面に対する接線方向の成分に対
応する。従って、本実施形態によれば、調整ネジ11の
ねじ込みによって容易にチップ5を移動させることがで
きるのは勿論、そのねじ込み量に応じてチップ5の位置
決めおよび切刃6の外径調整を高精度で行うことが可能
であり、これにより加工精度の向上を図ることができ
る。
【0022】一方、本実施形態のスローアウェイ式ドリ
ルにおいては、チップ取付座4の上記壁面8が上述のよ
うに凹円弧面状とされて、工具本体1の先端内周側から
後端外周側に延びるように形成されており、この壁面8
に沿ってチップ5が工具本体1の外周側に移動する際に
は、図6に示すように工具本体1の外周側に位置するチ
ップ5のノーズアール部16は主として外周側に移動す
ることとなるのに対し、内周側に位置するノーズアール
部16は主として工具本体1の後端側に移動することと
なる。そして、これに伴い、切刃6の外径DはD1から
2へと大きく拡大するのに比べ、軸線Oに対する径方
向における工具本体1内周側の切刃6のノーズアール部
16の位置は殆ど変化することがなく、すなわち切刃6
の軸線O回りの内径は図6に示すようにd1からd2へと
小さくしか拡大しない。
【0023】従って、このような構成のスローアウェイ
式ドリルによれば、切刃6の外径を比較的大きな範囲で
調整可能であるにも拘わらず、このような切刃6の外径
の拡大によって工具本体1の内周側に切刃が存在しない
部分が形成されるのを防いで、穴明け加工時に加工穴の
中心にコアが残されるような事態を防止することがで
き、かかるコアを除去するような構造、例えば工具本体
1の先端面中心部に上記コアを収容して排出するような
凹所を設けたりするような構造を採る必要がなくなる。
ただし、そのような構造を採るスローアウェイ式ドリル
に上記構成を適用することも、勿論可能である。また、
このように切刃6の外径を拡大させたときでも、切刃6
の内径の変化が少ないことから、特に工具本体1の内周
側における切刃6の切削形態が変化するのも抑えること
ができ、切刃6の外径を拡大、縮小させた際に、内周側
において切刃6に作用する切削抵抗や摩耗量等が著しく
変動して安定した加工に支障を来すような事態も未然に
防止することができる。
【0024】なお、本実施形態では、本発明をスローア
ウェイ式のドリルに適用した場合について説明したが、
例えばこれをスローアウェイ式のリーマ等の他の種の穴
加工工具に適用することも勿論可能である。また、本発
明は、このようなスローアウェイ式の穴加工工具に限ら
ず、例えばスローアウェイ式のエンドミルのような溝加
工工具に適用することも可能である。ここで、上記実施
形態においては、チップ5の側面17を、図4に示した
ようにすくい面14側の切刃6の逃げ面18とチップ取
付座4の壁面8に密着する着座面15側の側面部分19
とから2段に形成しているが、例えば上記スローアウェ
イ式エンドミルのうち、特に被削材に断面円弧状の底面
を有する溝を形成するスローアウェイ式ボールエンドミ
ルに本発明を適用した場合には、かかるスローアウェイ
式ボールエンドミルでは切刃が円弧状をなすようにチッ
プの側面全体を凸円弧面に形成する多いので、切刃の逃
げ面とチップ取付座壁面に密着する円弧面状の側面部分
とを同一の凸円弧面として形成することができ、チップ
の製造を容易にすることができるとともに、その強度の
向上を図ることが可能であるという利点も得られる。
【0025】さらに、上記実施形態においては、チップ
取付座4の壁面8を、工具本体1の外部にあってチップ
取付座4の底面7の先端外周側の延長面に直交する軸線
Xを中心とした半径Rの凹円筒面状に形成するととも
に、チップ5の上記側面部分19を、この壁面8と等し
い半径Rの凸円筒面状に形成しているが、例えば上記壁
面8を、上記軸線Xを中心としてチップ取付座4の底面
7側に向かうに従い該軸線X側に傾斜する凹円錐面状に
形成するとともに、チップ5の上記側面部分19をこの
壁面8に密着可能な凸円錐面状に形成するようにしても
よい。また、上記実施形態では、チップ5の側面17に
形成される係合部が、調整ネジ11の先端が当接可能と
された凹部20であって、調整ネジ11を突出させる場
合のみ該調整ネジ11に係合し、切刃6の外径を拡大さ
せるようにチップ5を工具本体1の外周側に移動させる
ものであったが、例えば調整ネジ11の先端外周面に環
状に凸部を形成するとともに、チップ5の凹部20内に
もこの凸部に係合可能な凸部を形成するなどして、調整
ネジ11を後退させる場合にもチップ5の係合部を調整
ネジ11に係合させて、調整ネジ11の操作により切刃
6の外径を縮径させる際にもチップ5を工具本体1の内
周側に移動可能とするようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チップ取付座の円弧面状の壁面にチップの円弧面状の側
面部分が密着した状態で、この壁面に案内されるように
してチップが移動させられるため、比較的簡単な構造で
容易かつ正確に工具本体に対する切刃の位置を調整する
ことができるとともに、こうして移動されたチップの取
付位置に関わらず、上記壁面とチップの側面部分との密
着状態が維持されるので、チップを移動可能としながら
も、その取付剛性を十分に確保することが可能となる。
また、特に、チップ取付座の上記壁面を工具本体の先端
内周側から後端外周側に延びるように形成した場合に
は、切刃の外周端の移動量に対する内周端の移動量を小
さく抑えることができるので、例えばスローアウェイ式
ドリルやボールエンドミル等において、切刃の外径を拡
径しても工具本体の内周側に切刃の存在しない部分が生
じるのを防ぐことができ、削り残しによるコアや平坦面
の形成を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をスローアウェイ式ドリルに適用した
場合の一実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の正面図である。
【図3】 図1に示す実施形態に装着されるスローアウ
ェイチップ5の平面図である。
【図4】 図3に示すスローアウェイチップ5の側面図
である。
【図5】 図1におけるZZ断面図である。
【図6】 図1に示す実施形態において、スローアウェ
イチップ5を移動させて切刃6の外径を調整した状態を
示す図である。
【符号の説明】
1 工具本体 4 チップ取付座 5 スローアウェイチップ 6 切刃 7 チップ取付座4の底面 8 チップ取付座4の壁面 11 調整ネジ 12 クランプネジ 16 切刃6のノーズアール部 17 スローアウェイチップ5の側面 19 側面17の円弧面状をなす側面部分 20 凹部(係合部) 21 取付穴 22 取付穴21の内壁部 O 工具本体1の軸線 X 壁面8がなす円弧面の中心 R 壁面8および側面部分19がなす円弧面の半径 r 取付穴21の内壁部22がなす円弧面の半径 D1,D2 切刃6の外径 d1,d2 切刃6の内径 T 工具回転方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体に形成されたチップ取付座に、
    切刃が形成された平板状のスローアウェイチップが着脱
    自在に装着されて成るスローアウェイ式切削工具におい
    て、上記チップ取付座は、上記スローアウェイチップが
    載置される平坦な底面と、この底面から屹立して上記ス
    ローアウェイチップの側面部分が当接する壁面とを備
    え、この壁面と上記スローアウェイチップの側面部分と
    が互いに密着可能な円弧面状に形成されており、この円
    弧面に沿って上記スローアウェイチップが摺動すること
    により、上記工具本体に対する上記切刃の位置が調整可
    能とされていることを特徴とするスローアウェイ式切削
    工具。
  2. 【請求項2】 上記スローアウェイチップには、このス
    ローアウェイチップの上記側面部分がなす円弧面と同心
    の円弧面状をなす内壁部を備えた取付穴が形成されてお
    り、該スローアウェイチップは、この取付穴に挿入され
    て上記チップ取付座の底面にねじ込まれるクランプネジ
    により、上記チップ取付座の壁面側に押圧されて固定さ
    れることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイ
    式切削工具。
  3. 【請求項3】 上記工具本体には、上記チップ取付座の
    壁面から該壁面がなす円弧面に斜交する方向に出没自在
    に調整ネジが埋設されるとともに、上記スローアウェイ
    チップの側面部分には、この調整ネジの先端が係合可能
    な係合部が形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のスローアウェイ式切削工具。
  4. 【請求項4】 上記工具本体は軸線回りに回転される略
    円柱状をなし、上記チップ取付座は、この工具本体の先
    端部に、上記底面を工具回転方向に向けて形成されてお
    り、上記壁面はこの工具本体の先端内周側から後端外周
    側に延びるように形成されていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載のスローアウェイ
    式切削工具。
JP11323797A 1997-04-30 1997-04-30 スローアウェイ式切削工具 Withdrawn JPH10296515A (ja)

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