JP4763389B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、砥石ブレードを備えた切削工具、更に詳しくは砥石ブレードに超音波振動を付与しつつ半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物を切削する切削装置に用いる切削工具に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハをストリートに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体チップを製造している。また、サファイヤ基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウエーハもストリートに沿って切断することにより個々の発光ダイオード、レーザーダイオード、CCD等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
上述したウエーハのストリートに沿った切断は、通常、ダイサーと称されている切削装置によって行われている。この切削装置は、ウエーハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる切削送り手段とを具備している。切削手段は、回転スピンドルと該スピンドルに装着された砥石ブレードを備えた切削工具および回転スピンドルを回転駆動する駆動機構を備えたスピンドルユニットを含んでいる。このような切削装置においては、切削工具を20000〜40000rpmの回転速度で回転しつつ、切削工具とチャックテーブルに保持された被加工物を相対的に切削送りする。
しかるに、デバイスが形成されるウエーハは、シリコン、サファイヤ、シリコンナイトライド、ガラス、リチウムタンタレート等の脆性硬質材料が用いられており、砥石ブレードによって切削すると切断面に欠けが生じてデバイスの品質を低下させるという問題がある。また、サファイヤ等のモース硬度の高いウエーハは、砥石ブレードによる切削が不可能ではないにしても非常に困難である。
上述した問題を解消するために、砥石ブレードを備えた切削工具が装着された回転スピンドルに超音波振動子を配設し、この超音波振動子に交流電圧を印加することにより、砥石ブレードに超音波振動を付与しつつ切削するようにした切削方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
特許第3469516号公報
上述した切削方法に用いる切削工具は、回転スピンドルに取付けられる振動伝達部材と、該振動伝達部材にダイヤモンド等の砥粒をニッケルメッキで固定した砥石ブレードとからなっている。このように、振動伝達部材に砥石ブレードをメッキで固定し一体化された切削工具を用いることにより、超音波振動を砥石ブレードに確実に伝達することができる。しかるに、ダイヤモンド等の砥粒をニッケルメッキで固定した砥石ブレードが全ての被加工物の切削に適しているとは限らず、被加工物の材質によっては砥粒をレジンボンドで結合したレジンボンド砥石ブレード、砥粒をメタルボンドで結合したメタルボンド砥石ブレード、砥粒をビトリファイドボンドで結合したビトリファイドボンド砥石ブレードを選択できることが望ましい。
また、砥石ブレードの厚さを所望の厚さに仕上げたい場合には、底盤と上盤との間に砥石ブレードを挟持してラッピング加工を施すことにより、例えば厚さが50μmの砥石ブレードを45μmの厚さに仕上げることができるが、振動伝達部材にメッキで固定された砥石ブレードは振動伝達部材が邪魔になりラッピング加工を施すことができないという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、砥粒を種々のボンド剤によって固定して形成した砥石ブレードを装着することができるとともに、砥石ブレードをラッピング加工して所望の厚さに仕上げることができる切削工具を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、超音波振動手段が配設された回転スピンドルに装着する切削工具であって、
該回転スピンドルに取付けられる振動伝達部材と、該振動伝達部材に装着され中央部に開口を備えた円環状の砥石ブレードとからなり、
該砥石ブレードは外周部の切れ刃部と内周部の固定部とを備え、該固定部が該振動伝達部の装着部の一端面にボンド剤によって固定されている、
ことを特徴とする切削工具が提供される。
上記振動伝達部材の装着部には、該砥石ブレードの開口が嵌合する位置規制部が設けられていることが望ましい。
また、該ボンド剤は、該砥石ブレードに付与する振動振幅が硬度によって異なることを減らすために、硬化した状態での硬度がショアD60以上に設定されていることが望ましい。
本発明による切削工具は、円環状の砥石ブレードの内周部の固定部を振動伝達部の装着部にボンド剤によって固定するように構成したので、砥粒を種々のボンド剤によって固定して形成した砥石ブレードを装着することができる。また、円環状の砥石ブレードは振動伝達部の装着部にボンド剤によって固定する前に、ラッピング加工して所望の厚さに仕上げることができる。
以下、本発明に従って構成された切削工具の好適な実施形態について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成された切削工具が装着された切削装置の斜視図が示されている。図示の実施形態における切削装置は、略直方体状の装置ハウジング2を具備している。この装置ハウジング2内には、被加工物を保持するチャックテーブル3が切削送り方向である矢印Xで示す方向に移動可能に配設されている。チャックテーブル3は、吸着チャック支持台31と、該吸着チャック支持台31上に配設された吸着チャック32を具備しており、該吸着チャック32の上面である保持面上に被加工物を図示しない吸引手段を作動することによって吸引保持するようになっている。また、チャックテーブル3は、図示しない回転機構によって回転可能に構成されている。なお、チャックテーブル31には、被加工物として後述するウエーハを保護テープを介して支持する支持フレームを固定するためのクランプ33が配設されている。このように構成されたチャックテーブル3は、図示しない切削送り手段によって、矢印Xで示す切削送り方向に移動せしめられるようになっている。
図1に示す切削装置は、切削手段としてのスピンドルユニット4を具備している。スピンドルユニット4は、図示しない移動基台に装着され図示しない割り出し送り手段によって上記矢印Xで示す切削送り方向と直交する矢印Yで示す割り出し方向に移動せしめられるとともに、図示しない切り込み送り手段によって切り込み方向である矢印Zで示す方向に移動せしめられるようになっている。このスピンドルユニット4について、図2を参照して説明する。
図2に示すスピンドルユニット4は、スピンドルハウジング41と、該スピンドルハウジング41内に回転自在に配設された回転スピンドル42と、該回転スピンドル42の先端に装着される切削工具43を具備している。スピンドルハウジング41は略円筒状に形成され、軸方向に貫通する軸穴411を備えている。上記スピンドルハウジング41に形成された軸穴411に挿通して配設される回転スピンドル42は、その前端部にネジ穴421が設けられた工具装着部422を備え、その中央部には径方向に突出して形成されたスラスト軸受フランジ423が設けられている。このようにしてスピンドルハウジング41に形成された軸穴411に挿通して配設される回転スピンドル42は、軸穴411の内壁との間に供給される高圧エアーによって回転自在に支持される。
回転スピンドル42の先端部に設けられた工具装着部422に装着された切削工具43は、振動伝達部材44と、該振動伝達部材44に装着され中央部に円形開口451を備えた円環状の砥石ブレード45とからなっている。振動伝達部材44は、央大径部441と、該中央大径部441の一端面441aから同軸状に突出して形成された第1の小径部442と、中央大径部441の他端面441bから同軸状に突出して形成された第2の小径部443とを具備している。中央大径部441の一端面441aは砥石ブレード45の装着面となっており、一端面441aには砥石ブレード45の開口451が嵌合する位置規制部444が1mm程度突出して設けられている。なお、第1の小径部442と第2の小径部443は、同一外径、同一長さに形成されている。このように形成された振動伝達部材44には、軸中心を貫通する貫通孔445が形成されている。
上記円環状の砥石ブレード45は、外周部の切れ刃部452と内周部の固定部453とからなっている。この環状の砥石ブレード45は、円環状のアルミニウム板の片面に砥粒をニッケル等の金属メッキで結合した後に、アルミニウム板をエッチングして除去することによって円環状に形成した電鋳ブレード、砥粒をレジンボンドで結合して円環状に形成したレジンボンドブレード、砥粒をメタルボンドで結合して円環状に形成したメタルボンドブレード、砥粒をビトリファイドボンドで結合して円環状に形成したビトリファイドボンドブレード等を用いることができる。このような円環状の砥石ブレード45は、振動伝達部材44の中央大径部441の装着面である一端面441aに適宜のボンド剤によって内周部の固定部453が固定される。このとき、砥石ブレード45の開口451を位置規制部444に嵌合することにより、砥石ブレード45は振動伝達部材44の中央大径部441の装着部である一端面441aの所定位置に確実に固定される。
ここで、砥石ブレード45を振動伝達部材44の中央大径部441の装着部である一端面441aに固定する方法について、図3乃至図5を参照して説明する。なお、砥石ブレード45を振動伝達部材44に固定する前に、砥石ブレード45はラッピング加工して所望の厚さに仕上げることが望ましい。
砥石ブレード45を振動伝達部材44に固定するには、先ず図3の(a)に示すように振動伝達部材44の中央大径部441の一端面441a上に砥石ブレード45の片面を載置する。このとき、砥石ブレード45の開口451を位置規制部444に嵌合する。そして、図3の(b)および(c) に示すように砥石ブレード45の開口451と振動伝達部材44の位置規制部444との嵌合部および振動伝達部材44の中央大径部441の外周縁部と該外周縁部付近の砥石ブレード45の側面に剥離材456を塗布する(剥離剤塗布工程)。
次に、図4の(a)に示すように振動伝達部材44から砥石ブレード45を外し、振動伝達部材44の中央大径部441の装着部である一端面441aにエポキシ系またはアクリル系のボンド剤455を塗布する(ボンド剤塗布工程)。なお、ボンド剤455は、硬化した状態での硬度がJIS K 6253 ショアD硬度で60以上のものを用いることが望ましい。そして、図4の(b)に示すようにボンド剤455が塗布された中央大径部441の一端面441a上に砥石ブレード45の固定部453を載置し接着する(ブレード接着工程)。このとき、砥石ブレード45の開口451を位置規制部444に嵌合する。
上述したブレード接着工程を実施したら、砥石ブレード45の固定部453を加圧して振動伝達部材44の中央大径部441の装着部である一端面441aに固着する加圧固着工程を実施する。加圧固着工程は、先ず図5の(a)に示すように砥石ブレード45が中央大径部441の一端面441aに接着された振動伝達部材44を加圧下側治具10上にセットする。加圧下側治具10は、円盤状の金属材によって形成されており、その中心部に振動伝達部材44の第2の小径部443が嵌合する嵌合穴101が設けられている。このように構成された加圧下側治具10の嵌合穴101に振動伝達部材44の第2の小径部443を嵌合することにより、加圧下側治具10上に振動伝達部材44の中央大径部441がセットされる。
図5の(a)に示すように加圧下側治具10上に振動伝達部材44の中央大径部441をセットしたならば、図5の(b)に示すように振動伝達部材44および砥石ブレード45上に加圧上側治具11をセットする。加圧上側治具11は、上記加圧下側治具10と同様に円盤状の金属材によって形成されており、その中心部に振動伝達部材44の第1の小径部442が嵌合する嵌合穴111が設けられている。また、加圧上側治具11の図5の(b)において下面には、嵌合穴111の周囲に上記位置規制部444の厚さより深い凹部112が設けられている。この凹部112の周壁の径は、位置規制部444の径より僅かに大きく形成されている。このように構成された加圧上側治具11の嵌合穴111を振動伝達部材44の第1の小径部442に嵌合することにより、加圧上側治具11の下面が振動伝達部材44の中央大径部441に接着されている砥石ブレード45の図5の(b)において上面上にセットされる。
なお、加圧下側治具10の図5の(a)および(b)において下面に上記加圧上側治具11に設けられた凹部112と同寸法の凹部102を設けることにより、加圧下側治具10と加圧上側治具11は同一形状となり、両治具とも下側治具および上側治具のいずれにも用いることができる。また、加圧下側治具10の上面および下面に凹部102を設けるとともに、加圧上側治具11の上面および下面に凹部112を設けることにより、それぞれ上下を反転しても上記作業を実施することができる。
次に、図5の(b)に示すように加圧下側治具10および加圧上側治具11に所定の圧力W(例えば、0.4〜0.5MPa)で12時間程度加圧する。この結果、砥石ブレード45の固定部452は振動伝達部材44の中央大径部441の一端面441aに塗布されたボンド剤455(図4の(a)参照)によって該中央大径部441の一端面441aに固着される(加圧固着工程)。このとき、上記加圧によってボンド剤が砥石ブレード45の開口451と振動伝達部材44の位置規制部444との嵌合部および振動伝達部材44の中央大径部441の外周縁部から符合455aはみ出すことがあり、このはみ出したボンド剤455aは上記砥石ブレード45および振動伝達部材44の中央大径部441の外周縁部に塗布された剥離剤456(図3の(b)および(c)参照)上に付着する。従って、振動伝達部材44の中央大径部441の一端面441aに砥石ブレード45が固着された切削工具45を加圧下側治具10および加圧上側治具11から取り外した後に、上記剥離剤456を剥離することにより、上記のようにはみ出したボンド剤455aも除去することができる。
図2に戻って説明を続けると、以上のように構成された切削工具43は、貫通孔445を挿通して配設された締め付けボルト46を回転スピンドル42の工具装着部422に設けられたネジ穴421に螺合することにより、回転スピンドル42に装着される。なお、切削工具43を回転スピンドル42の工具装着部422に装着する際には、工具装着部422と第1の小径部442との間および第2の小径部443と締め付けボルト46の頭部との間に、合成樹脂からなるスペーサー47、47が介在される。
図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は、回転スピンドル42を回転駆動するための電動モータ5を備えている。図示の電動モータ5は、永久磁石式モータによって構成されている。永久磁石式の電動モータ5は、回転スピンドル42の中間部に形成されたモータ装着部424に装着された永久磁石からなるロータ51と、該ロータ51の外周側においてスピンドルハウジング41に配設されたステータコイル52とからなっている。このように構成された電動モータ5は、ステータコイル52に後述する電力供給手段によって交流電力を印加することによりロータ51が回転し、該ロータ51を装着した回転スピンドル42を回転せしめる。
図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は、回転スピンドル42に配設され砥石ブレード45に超音波振動を付与する超音波振動子6を備えている。超音波振動子6は、回転スピンドル42の軸方向に分極された円環状の圧電体61と、該圧電体61の両側分極面に装着された円環状の2枚の電極板62、63とからなっている。圧電体61は、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、リチウムタンタレート等の圧電セラミックスによって形成されている。このように構成された超音波振動子6は、回転スピンドル42に装着され、電極板62、63に後述する電力供給手段によって所定周波数の交流電力が印加されると、超音波振動を発生せしめる。なお、超音波振動子6は、軸方向に複数個配設してもよい。
図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は、上記超音波振動子6に交流電力を印加するとともに上記電動モータ5に交流電力を印加する電力供給手段7を具備している。
電力供給手段7は、スピンドルユニット4の後端部に配設されたロータリートランス8を具備している。ロータリートランス8は、回転スピンドル42の後端に配設された受電手段81と、該受電手段81と対向して配設されスピンドルハウジング41の後端部に配設された給電手段82とを具備している。受電手段81は、回転スピンドル42に装着されたロータ側コア811と、該ロータ側コア811に巻回された受電コイル812とからなっている。このように構成された受電手段81の受電コイル812の一端は上記超音波振動子6の電極板61に接続され、他端は電極板62に接続される。上記給電手段82は、受電手段81の外周側に配設されたステータ側コア821と、該ステータ側コア821に配設された給電コイル822とからなっている。このように構成された給電手段82の給電コイル822は、電気配線73、74を介して交流電力が供給される。
図示の実施形態における電力供給手段7は、上記ロータリートランス8の給電コイル822に供給する交流電力の交流電源91と、電力調整手段としての電圧調整手段92と、上記給電手段82に供給する交流電力の周波数を調整する周波数調整手段93と、電圧調整手段92および周波数調整手段93を制御する制御手段94と、該制御手段に切削ブレード45に付与する超音波振動の振幅等を入力する入力手段95を具備している。なお、図2に示す電力供給手段7は、制御回路96および電気配線521、522を介して上記電動モータ5のステータコイル52に交流電力を供給する。
図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
切削作業を行う際には、電力供給手段7から電動モータ5のステータコイル52に交流電力が供給される。この結果、電動モータ5が回転して回転スピンドル42が回転し、該回転スピンドル42の先端に取付けられた切削工具43の振動伝達部材44に装着された砥石ブレード45が回転せしめられる。
一方、電力供給手段7は、制御手段94によって電圧調整手段92および周波数変換手段93を制御し、交流電力の電圧を所定の電圧に制御するとともに、交流電力の周波数を所定周波数(例えば、20kHz)に変換して、ロータリートランス8を構成する給電手段82の給電コイル822に供給する。このように所定周波数の交流電力が給電コイル822に印加されると、回転する受電手段81の受電コイル812を介して超音波振動子6の電極板62と電極板63間に所定周波数の交流電力が印加される。この結果、超音波振動子6は径方向に繰り返し変位して超音波振動する。この超音波振動は、回転スピンドル42を介して切削工具43の振動伝達部材44に伝達され、振動伝達部材44が径方向に超音波振動する。従って、振動伝達部材44に装着された砥石ブレード45は、径方向に超音波振動する。なお、砥石ブレード45に付与される超音波振動の振幅は、超音波振動子6に印加される交流電力の電力量に比例するが、本発明者らの実験によると印加電圧が50から60Vにおいて振幅が安定することが判った。また、砥石ブレード45に付与される超音波振動の振幅は、上記ボンド剤の硬化した状態での硬度によって異なることが判った。
ここで、上記ボンド剤の硬度と砥石ブレード45に付与される超音波振動の振幅との関係について、図6を参照して説明する。
図6は、電鋳ブレードからなる砥石ブレード45を振動伝達部材44に硬度が異なるボンド剤によって固着した複数の切削工具43を用意し、それぞれ図2に示すスピンドルユニット4の回転スピンドル42に装着して、超音波振動子6に周波数が20kHzで電圧が55Vの交流電圧を印加し、砥石ブレード45の径方向に振幅を測定した実験結果である。
図6から判るように、ショアD28.5のボンド剤によって固着された砥石ブレード45の振幅は、1.5μm程度である。ショアD60のボンド剤によって砥石ブレード45を固着すると、砥石ブレード45の振幅は4.5μm程度となる。また、ボンド剤の硬度がショアD70以上になると、砥石ブレード45の振幅は5μm以上となる。超音波振動加工において加工に寄与する砥石ブレードの振幅は4μm以上であることが好ましく、従ってショアD60以上のボンド剤を用いることが望ましい。
図1に戻って説明を続けると、図示の実施形態における切削装置は、上記チャックテーブル3上に保持された被加工物の表面を撮像し、上記砥石ブレード45によって切削すべき領域を検出するためのアライメント手段12を具備している。このアライメント手段12は、顕微鏡やCCDカメラ等の光学手段からなる撮像手段を具備している。また、切削装置は、アライメント手段12によって撮像された画像等を表示する表示手段13を具備している。
上記装置ハウジング2におけるカセット載置領域14aには、被加工物を収容するカセットを載置するカセット載置テーブル14が配設されている。このカセット載置テーブル14は、図示しない昇降手段によって上下方向に移動可能に構成されている。カセット載置テーブル14上には、被加工物100を収容するカセット15が載置される。カセット15に収容される被加工物100は、ウエーハの表面に格子状のストリートが形成されており、この格子状のストリートによって区画された複数の矩形領域にコンデンサーやLEDや回路等のデバイスが形成されている。このように形成された被加工物100は、環状の支持フレーム101に装着された保護テープ102の表面に裏面が貼着された状態でカセット15に収容される。
また、図示の実施形態における切削装置は、カセット載置テーブル14上に載置されたカセット15に収容されている被加工物100(環状のフレーム101に保護テープ102を介して支持されている状態)を仮置きテーブル16に搬出する搬出手段17と、仮置きテーブル16に搬出された被加工物100を上記チャックテーブル3上に搬送する搬送手段18と、チャックテーブル3上で切削加工された被加工物100を洗浄する洗浄手段19と、チャックテーブル3上で切削加工された被加工物100を洗浄手段19へ搬送する洗浄搬送手段20を具備している。
以上のように構成された切削装置の作動について、主に図1を参照して簡単に説明する。
カセット載置テーブル14上に載置されたカセット15の所定位置に収容されている被加工物100は、図示しない昇降手段によってカセット載置テーブル14が上下動することにより搬出位置に位置付けられる。次に、搬出手段17が進退作動して搬出位置に位置付けられた被加工物100を仮置きテーブル16上に搬出する。仮置きテーブル16に搬出された被加工物100は、搬送手段18の旋回動作によって上記チャックテーブル3上に搬送される。チャックテーブル3上に被加工物100が載置されたならば、図示しない吸引手段が作動して被加工物100をチャックテーブル3上に吸引保持する。また、被加工物100を保護テープ102を介して支持する支持フレーム101は、上記クランプ33によって固定される。このようにして被加工物100を保持したチャックテーブル3は、アライメント手段11の直下まで移動せしめられる。チャックテーブル3がアライメント手段11の直下に位置付けられると、アライメント手段12によって被加工物100に形成されているストリートが検出され、スピンドルユニット4を割り出し方向である矢印Y方向に移動調節してストリートと切削工具43の砥石ブレード45との精密位置合わせ作業が行われる。
その後、砥石ブレード45を矢印Zで示す方向に所定量切り込み送りし所定の方向に回転させつつ、被加工物100を吸引保持したチャックテーブル3を切削送り方向である矢印Xで示す方向(砥石ブレード45の回転軸と直交する方向)に所定の切削送り速度で移動することにより、チャックテーブル3上に保持された半導体ウエーハ100は砥石ブレード45により所定のストリートに沿って切断される。この切削工程においては、電力供給手段7によって超音波振動子6に例えば周波数が20kHzで電圧が55Vの交流電力が印加される。この結果、上述したように超音波振動子6は径方向に繰り返し変位して超音波振動する。この超音波振動は、回転スピンドル42を介して切削工具43の振動伝達部材44に伝達され、振動伝達部材44が径方向に超音波振動する。従って、振動伝達部材44に装着された砥石ブレード45は、径方向に超音波振動する。従って、砥石ブレード45による切削抵抗が減少するため、ウエーハ100がサファイヤ等の難削材であっても容易に切削することができる。
本発明に従って構成された切削工具が装着された切削装置の斜視図。 図1に示す切削装置に装備されるスピンドルユニットの断面図。 本発明による切削工具を構成する振動伝達部材に砥石ブレードを固定する方法における剥離剤塗布工程を示す説明図。 本発明による切削工具を構成する振動伝達部材に砥石ブレードを固定する方法におけるボンド剤塗布工程およびブレード接着工程を示す説明図。 本発明による切削工具を構成する振動伝達部材に砥石ブレードを固定する方法における加圧固着工程を示す説明図。 振動伝達部材に砥石ブレードを固着するボンド剤の硬度と砥石ブレードに付与される超音波振動の振幅との関係を示すグラフ。
符号の説明
2:装置ハウジング
3:チャックテーブ機構
30:チャックテーブル
4:スピンドルユニット
41:スピンドルハウジング
42:回転スピンドル
43:切削工具
44:振動伝達部材
45:砥石ブレード
5:電動モータ
6:超音波振動子
7:電力供給手段
8:ロータリートランス
81:受電手段
82:給電手段
91:交流電源
92:電圧調整手段
93:周波数調整手段
94:制御手段
95:入力手段
12:アライメント手段
13:表示手段
15:カセット
16:仮置きテーブル
17:搬出手段
18:搬送手段
19:洗浄手段
20:洗浄搬送手段

Claims (3)

  1. 超音波振動手段が配設された回転スピンドルに装着する切削工具であって、
    該回転スピンドルに取付けられる振動伝達部材と、該振動伝達部材に装着され中央部に開口を備えた円環状の砥石ブレードとからなり、
    該砥石ブレードは外周部の切れ刃部と内周部の固定部とを備え、該固定部が該振動伝達部の装着部の一端面にボンド剤によって固定されている、
    ことを特徴とする切削工具。
  2. 該振動伝達部の装着部には、該砥石ブレードの開口が嵌合する位置規制部が設けられている、請求項1記載の切削工具。
  3. 該ボンド剤は、該砥石ブレードに付与する振動振幅が硬度によって異なることを減らすために、硬化した状態での硬度がショアD60以上に設定されている、請求項1又は2記載の切削工具。
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