JP4762723B2 - 電源装置及びこれを備えた電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、入力電圧から所望の出力電圧を生成する電源装置、及び、これを備えた電子機器に関するものである。
従来より、熱損失が少なく、かつ、入出力較差が大きい場合に比較的効率が良い安定化電源手段の一つとして、出力トランジスタのオン/オフ制御(デューティ制御)によってエネルギ貯蔵素子(コンデンサやインダクタなど)を駆動することで、入力電圧から所望の出力電圧を生成するスイッチングレギュレータが広く用いられている。
従来の一般的なスイッチングレギュレータは、出力電圧Voutに応じて変動する帰還電圧Vfbと所定の参照電圧Vrefとの差電圧を増幅する誤差増幅器を有して成り、当該誤差増幅器の出力信号(誤差電圧Verr)を用いて出力トランジスタのオン/オフ制御を行う構成とされていた。より具体的に述べると、このようなスイッチングレギュレータは、上記の誤差電圧Verrと所定のスロープ電圧Vslp(三角波或いはランプ波)との比較結果に応じたデューティのPWM[Pulse Width Modulation]信号を生成し、当該PWM信号を用いて出力トランジスタのオン/オフを制御する構成とされていた(例えば、本願出願人による特許文献1を参照)。
また、上記従来のスイッチングレギュレータは、装置の起動時(出力電圧Voutの過小時)における負荷への過大電流を防止する手段として、ソフトスタート回路を備えた構成とされていた。より具体的に述べると、上記ソフトスタート回路は、装置の起動後、イネーブル信号EN(動作許可信号)のイネーブル遷移に応じて緩やかに上昇を開始するソフトスタート電圧Vss(ソフトスタート用比較電圧)を生成する構成とされており、PWMコンパレータは、誤差電圧Verr及びソフトスタート電圧Vssのいずれか低い方と、スロープ電圧Vslpとを比較することで、その比較結果に応じたデューティのPWM信号を生成する構成とされていた(図6を参照)。
なお、本願発明に関連するその他の従来技術として、特許文献2には、スイッチング電源制御用ICの端子の1つを過負荷保護用のCL端子とし、従来のソフトスタート用のCS端子に接続されていた過負荷保護回路の接続をCL端子側へ移して、内部バイアス源のオフ(つまりOUT端子出力停止)によるラッチモードの過負荷保護を行うようにするほか、CL端子に間欠発振モード生成用のコンパレータ等を付加し、PWMコンパレータに接続されているソフトスタート用のCS端子と過負荷保護用のCL端子のピン間を短絡したとき、CL端子の前記付加回路によりCL端子とCS端子の電位が周期的に昇降して主スイッチング素子がスイッチング後に停止する動作を繰り返す間欠発振動作を行うようにしたスイッチング電源制御回路が開示・提案されている。
また、特許文献3には、入力電源と、該入力電源と出力端子との間に接続されたオンオフ可能な主スイッチと、抵抗分割回路と、一方の入力端子に基準電圧が入力され、他方の入力端子に前記抵抗分割回路によって分割された電圧が入力される差動アンプ兼コンパレータと、前記出力端子からの出力電圧または前記入力電源からの入力電圧のいずれか一方を前記抵抗分割回路に接続する切替回路と、一方の入力端子に前記差動アンプ兼コンパレータの出力が接続され、他方の入力端子に三角波発生回路の出力がそれぞれ接続されたPWMコンパレータと、該PWMコンパレータの出力に接続され、前記主スイッチにオンオフを制御する信号を出力する制御回路と、前記入力電源の電圧が所定の電圧以下の場合に前記切替回路を前記入力電源からの入力電圧を前記抵抗分割回路に接続させ、前記入力電源の電圧が所定の電圧を超えた場合に前記切替回路を前記出力端子からの出力電圧を前記抵抗分割回路に接続させる手段とを有することを特徴とする保護機能付きDC−DCコンバータが開示・提案されている。
なお、上記以外のソフトスタート技術を用いた電源装置の従来技術としては、特許文献4〜5などを挙げることができる。
また、従来より、高い変換効率が要求されるスイッチングレギュレータについては、整流素子のオン抵抗を極力低減すべく、整流素子として同期整流トランジスタを用い、これを出力トランジスタに対して相補的にオン/オフ制御する同期整流方式が採用されていたが、このような同期整流方式のスイッチングレギュレータに関する従来技術としては、特許文献4〜5などを挙げることができる。
特開平7−336999号公報 特開平9−9616号公報 特開2004−15881号公報 特開2003−299348号公報 特開2003−70238号公報
確かに、上記従来のスイッチングレギュレータであれば、ソフトスタート回路を設けたことで、装置起動時における負荷への過大電流を防止することができる(図6を参照)。
しかしながら、上記従来のスイッチングレギュレータでは、装置起動後から出力トランジスタのオンデューティを徐々に増すことでスイッチ電流Iswを抑制していたため、負荷への過大電流を抑制し得る反面、出力電圧Voutの立上がり時間が遅くなっていた。
また、上記従来のスイッチングレギュレータでは、起動時の最大電流(出力電圧Voutが安定する直前の最大電流)と安定電流(出力電圧Voutが安定した後の定常電流)との差が大きく、装置の起動時に不要な電力が浪費されていた。
さらに、上記したイネーブル信号ENのイネーブル/ディセーブルを高頻度に切り替えるアプリケーション(例えば、液晶パネルを構成するバックライトのPWM輝度調整ユニット)に同期整流方式のスイッチングレギュレータを用いた場合には、先述したソフトスタート回路の動作に起因して、出力電圧Voutの応答速度(上記の例では、LEDバックライトのオン/オフ周波数)が低減されるおそれもあった。
上記課題について、図7を参照しながら詳細に説明する。図7は、従来のソフトスタート動作に起因する出力電圧Voutの応答速度低減を説明するための図である。なお、図7の縦軸には、それぞれ、イネーブル信号EN、出力電圧Vout、スイッチ電圧Vsw(出力トランジスタと同期整流トランジスタとの接続ノードに現れる電圧)、並びに、スイッチ電流Isw(上記接続ノードに流れる電流)の挙動(電圧波形或いは電流波形)を模式的に示しており、横軸には、時間tの経過を示している。
先述してきたように、ソフトスタート動作とは、出力トランジスタのオン時間を短く、オフ時間を長くすることで、装置の起動時における過大電流を抑制する機能である。逆に言えば、ソフトスタート期間中、出力トランジスタに対して相補的に駆動される同期整流トランジスタのオフ時間は短くなり、オン時間は長くなる。
ここで、出力電圧Voutがスイッチ電圧Vswよりも低い初回起動時には、負荷からの逆流電流が問題となることはない。しかし、出力電圧Voutがスイッチ電圧Vswよりも高くなっているときの起動時については、負荷からの逆流電流が生じて、出力電圧Voutが一旦スイッチ電圧Vsw付近までドロップするおそれがある。その結果、出力電圧Voutが所望値に復帰するまでの立上がり時間が長くなり、延いては、イネーブル信号ENに対する出力電圧Voutの応答速度低下が招かれていた。
本発明は、上記の問題点に鑑み、出力電圧の立上がり時間を短縮するとともに、起動時の最大電流を低減することが可能な電源装置、及び、これを備えた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電源装置は、オン/オフ制御に応じて入力電圧から出力電圧を生成する出力トランジスタと、前記出力電圧に応じた帰還電圧と所定の参照電圧との差分を増幅して誤差電圧を生成する誤差増幅器と、イネーブル信号の遷移に応じて上昇を開始するソフトスタート用比較電圧を生成するソフトスタート回路と、前記誤差電圧と前記ソフトスタート用比較電圧に基づいて、前記出力トランジスタのオン/オフ制御を行うオン/オフ制御手段と、前記イネーブル信号の遷移毎に、前記参照電圧が立ち上がっているか否かを検出する参照電圧検出回路と、前記参照電圧検出回路にて前記参照電圧が立ち上がっている旨の検出結果が得られる毎に、前記出力電圧が所定の閾値に達しているか否かを検出する出力電圧検出回路と、前記出力電圧検出回路にて前記出力電圧が所定の閾値に達している旨の検出結果が得られたときには、前記ソフトスタート回路から前記オン/オフ制御手段に対する前記ソフトスタート用比較電圧の伝達経路を遮断するソフトスタート遮断回路と、を有して成る構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成る電源装置において、前記オン/オフ制御手段は、前記誤差電圧及び前記ソフトスタート用比較電圧のいずれか低い方と、所定のスロープ電圧とを比較することで、その比較結果に応じたデューティのPWM信号を生成するPWMコンパレータを有して成る構成(第2の構成)にするとよい。
また、上記第1または第2の構成から成る電源装置は、前記誤差電圧の上限値を設定する手段であって、前記イネーブル信号が遷移されて以後に、前記誤差電圧の上限値を段階的に高めていくクランプ回路を有して成る構成(第3の構成)にするとよい。
また、上記第3の構成から成る電源装置において、前記クランプ回路は、前記ソフトスタート用比較電圧を監視し、その電圧値が上昇するにつれて、前記誤差電圧の上限値を段階的に高めていく構成(第4の構成)にするとよい。
或いは、上記第3の構成から成る電源装置において、前記クランプ回路は、ソフトスタート開始からの経過時間を監視し、所定の時間に達すると、前記誤差電圧の上限値を段階的に高めていく構成(第5の構成)にするとよい。
また、上記第1の構成から成る電源装置は、前記出力トランジスタに接続され、その接続ノードから前記出力電圧を出力する同期整流トランジスタをさらに有して成る構成(第6の構成)にするとよい。
また、上記第1の構成から成る電源装置は、一端が前記入力電圧の印加端に接続され、他端が前記出力トランジスタの一端に接続されるインダクタと;アノードが前記出力トランジスタの一端に接続され、カソードが前記出力電圧の引出端に接続されるダイオードと;一端が前記出力電圧の引出端に接続され、他端が基準電圧の印加端に接続される容量と;を有して成り、前記入力電圧を昇圧して前記出力電圧を生成する構成(第7の構成)にするとよい。
また、上記第6の構成から成る電源装置は、一端が前記入力電圧の印加端に接続され、他端が前記出力トランジスタと前記同期整流トランジスタとの接続ノードに接続されるインダクタと;一端が前記出力電圧の引出端に接続され、他端が基準電圧の印加端に接続される容量と;を有して成り、前記入力電圧を昇圧して前記出力電圧を生成する構成(第8の構成)にするとよい。
また、本発明に係る電子機器は、機器の電源であるバッテリと、前記バッテリの出力変換手段である電源装置と、前記電源装置により駆動される負荷回路と、を有して成る電子機器であって、前記電源装置として、上記第1〜第8いずれかの構成から成る電源装置を備えて成る構成(第9の構成)とされている。
本発明によれば、出力電圧の立上がり時間を短縮するとともに、起動時の最大電流を低減することが可能となる。
以下では、携帯電話端末に搭載され、バッテリの出力電圧を変換して端末各部(例えばTFT[Thin Film Transistor]液晶パネル)の駆動電圧を生成するDC/DCコンバータに本発明を適用した場合を例に挙げて説明を行う。
図1は、本発明に係る携帯電話端末の一実施形態を示すブロック図(特に、TFT液晶パネルへの電源系部分)である。本図に示すように、本実施形態の携帯電話端末は、装置電源であるバッテリ10と、バッテリ10の出力変換手段であるDC/DCコンバータ20と、携帯電話端末の表示手段であるTFT液晶パネル30と、を有して成る。なお、本図には明示されていないが、本実施形態の携帯電話端末は、上記構成要素のほか、その本質機能(通信機能など)を実現する手段として、送受信回路部、スピーカ部、マイク部、表示部、操作部、メモリ部など、を当然に有して成る。
DC/DCコンバータ20は、バッテリ10から印加される入力電圧Vinから一定の出力電圧Voutを生成し、該出力電圧VoutをTFT液晶パネル30(特に、そのバックライト)に供給する。
図2は、DC/DCコンバータ20の一構成例を示す回路図(一部にブロックを含む)である。本図に示すように、本実施形態のDC/DCコンバータ20は、スイッチング電源IC21のほか、外付けのインダクタLex、容量Cex、及び、抵抗Rexを有して成る昇圧型スイッチングレギュレータ(チョッパ型レギュレータ)であり、TFT液晶パネル30のバックライトを構成する発光ダイオード列(以下、LED[Light Emitting Diode]列と呼ぶ)の駆動電圧として、出力電圧Voutを供給する手段である。
スイッチング電源IC21は、回路ブロック的に見ると、スイッチ駆動回路211と、出力帰還回路212と、位相補償回路213と、クランプ回路214と、ソフトスタート回路215と、参照電圧検出回路216と、出力電圧検出回路217と、ソフトスタート遮断回路218と、を有するほか、外部との電気的な接続手段として、外部端子T1〜T3を有して成る。なお、スイッチング電源IC21には、上記した回路ブロックのほか、その他の保護回路ブロック(低入力誤動作防止回路や熱保護回路など)を適宜組み込んでも構わない。
スイッチ駆動回路211は、Pチャネル型電界効果トランジスタP1と、Nチャネル型電界効果トランジスタN1と、抵抗R1と、増幅器AMPと、発振器OSCと、加算器ADDと、PWMコンパレータPCMPと、リセット優先型のRSフリップフロップFF1と、インバータINV1と、バッファBUF1と、を有して成る。
出力帰還回路212は、誤差増幅器ERRと、直流電圧源E1(周囲温度の変化に依らないバンドギャップ電源回路など)と、を有して成る。
位相補償回路213は、容量C1と、抵抗R2と、を有して成る。
クランプ回路214は、Nチャネル型電界効果トランジスタN2〜N3と、抵抗R3〜R6と、バッファBUF2と、を有して成る。
ソフトスタート回路215は、Nチャネル型電界効果トランジスタN4と、定電流源I1と、容量C2と、インバータINV2と、を有して成る。
参照電圧検出回路216は、Nチャネル型電界効果トランジスタN5と、pnp型バイポーラトランジスタQ1と、抵抗R7〜R8と、容量C3と、インバータINV3と、を有して成る。
出力電圧検出回路217は、Nチャネル型電界効果トランジスタN6と、抵抗R9〜R11と、DフリップフロップFF2と、インバータINV4と、を有して成る。
ソフトスタート遮断回路218は、ソフトスタート電圧Vssの遮断手段として、スイッチSWを有して成る。
次に、上記した各回路要素間の接続関係について説明する。
スイッチ駆動回路211において、トランジスタP1のドレインは、外部端子T1に接続されている。トランジスタP1のソースは、外部端子T2に接続されている。トランジスタN1のドレインは、外部端子T1に接続されている。トランジスタN1のソースは、抵抗R1(数十[mΩ])を介して接地される一方、増幅器AMPの入力端にも接続されている。加算器ADDの一入力端は、増幅器AMPの出力端に接続されており、他入力端は、発振器OSCの第1出力端(三角波電圧出力端)に接続されている。PWMコンパレータPCMPの非反転入力端(+)は、加算器ADDの出力端に接続されている。RSフリップフロップFF1のセット入力端(S)は、発振器OSCの第2出力端(クロック出力端)に接続されている。RSフリップフロップFF1のリセット入力端(R)は、PWMコンパレータPCMPの出力端に接続されている。RSフリップフロップFF1の反転出力端(QB)は、インバータINV1を介してトランジスタP1のゲートに接続されている。RSフリップフロップFF1の出力端(Q)は、バッファBUF1を介してトランジスタN1のゲートに接続されている。
出力帰還回路212において、誤差増幅器ERRの反転入力端(−)は、外部端子T3に接続されている。誤差増幅器ERRの非反転入力端(+)は、直流電圧源E1の正極端に接続されている。直流電圧源E1の負極端は接地されている。誤差増幅器ERRの出力端は、PWMコンパレータPCMPの第1反転入力端(−)に接続されている。
位相補償回路213において、容量C1の一端は、誤差増幅器ERRの出力端に接続されている。容量C1の他端は、抵抗R2を介して接地されている。
クランプ回路214において、抵抗R3の一端は、電源ラインに接続されている。抵抗R3の他端は、バッファBUF2を介して誤差増幅器ERRの出力端に接続される一方、抵抗R4、R5の各一端にも接続されている。抵抗R4の他端は接地されている。抵抗R5の他端は、トランジスタN2のドレインに接続されている。トランジスタN2のソースは接地されている。トランジスタN2のゲートは、抵抗R6を介して電源ラインに接続される一方、トランジスタN3のドレインにも接続されている。トランジスタN3のソースは接地されている。
ソフトスタート回路215において、定電流源I1の一端は、電源ラインに接続されている。定電流源I1の他端は、ソフトスタート遮断回路218を構成するスイッチSWを介して、PWMコンパレータPCMPの第2反転入力端(−)に接続される一方、容量C2の一端、トランジスタN3のゲート、及び、トランジスタN4のドレインにも各々接続されている。容量C2の他端とトランジスタN4のソースはいずれも接地されている。トランジスタN4のゲートは、インバータINV2を介して、イネーブル信号ENの印加端に接続されている。なお、イネーブル信号とは、パワーオン時等にDC/DCコンバータ20の動作を開始させるための信号である。
参照電圧検出回路216において、抵抗R7の一端は、電源ラインに接続されている。抵抗R7の他端は、トランジスタQ1のエミッタに接続されている。トランジスタQ1のコレクタは接地されている。トランジスタQ1のベースは、トランジスタN5のドレインと、容量C3の一端と、抵抗R8の一端と、に各々接続されている。トランジスタN5のソースと容量C3の他端はいずれも接地されている。トランジスタN5のゲートは、インバータINV3を介して、イネーブル信号ENの印加端に接続されている。接地されている。抵抗R8の他端は、参照電圧Vrefの印加端に接続されている。
出力電圧検出回路217において、抵抗R9の一端は外部端子T2に接続されている。抵抗R9の他端は、抵抗R10を介して接地される一方、トランジスタN6のゲートにも接続されている。トランジスタN6のソースは接地されている。トランジスタN6のドレインは、抵抗R11を介して電源ラインに接続される一方、インバータINV4を介してDフリップフロップFF2のデータ入力端(D)にも接続されている。DフリップフロップFF2のクロック入力端は、参照電圧検出回路216を構成するトランジスタQ1のエミッタに接続されている。DフリップフロップFF2のリセット入力端は、イネーブル信号ENの印加端に接続されている。DフリップフロップFF2の出力端(Q)は、ソフトスタート遮断回路218を構成するスイッチSWの制御端に接続されている。
外部端子T1は、スイッチング電源IC21の外部において、インダクタLex(数十[μH])を介してバッテリ10の出力端(入力電圧Vin)に接続されている。外部端子T2は、容量Cex(数[μF])を介して接地される一方、出力電圧Voutの引出端として、TFT液晶パネル30のバックライトを構成するLED列のアノードにも接続されている。LED列のカソードは、抵抗Rexを介して接地される一方、スイッチング電源IC21の外部端子T3にも接続されている。
上記構成から成るDC/DCコンバータ20の基本動作(直流/直流変換動作)について、詳細な説明を行う。
スイッチ駆動回路211において、トランジスタN1は、バッファBUF1の出力信号(出力信号Q)に応じてオン/オフ制御される出力トランジスタであり、トランジスタP1は、インバータINV1の出力信号(反転出力信号QBの反転信号)に応じてオン/オフ制御される同期整流トランジスタである。RSフリップフロップFF1は、入力電圧Vinを昇圧して出力電圧Voutを得るに際し、トランジスタN1、P1を相補的にスイッチング制御する手段である。
なお、本明細書中で用いている「相補的」という文言は、トランジスタN1、P1のオン/オフが完全に逆転している場合のほか、貫通電流防止の観点からトランジスタN1、P1のオン/オフ遷移タイミングに所定の遅延を与えている場合をも含むものとする。
トランジスタN1がオン状態にされると、インダクタLexにはトランジスタN1を介して接地端に向けたスイッチ電流Iswが流れ、その電気エネルギが蓄えられる。なお、トランジスタN1のオン期間において、すでに容量Cexに電荷が蓄積されていた場合、LED列には、容量Cexからの電流が流れることになる。また、このとき、同期整流素子であるトランジスタP1は、トランジスタN1のオン状態に対して相補的にオフ状態とされるため、容量CexからトランジスタN1に向けて電流が流れ込むことはない。
一方、トランジスタN1がオフ状態にされると、インダクタLexに生じた逆起電圧によって、そこに蓄積されていた電気エネルギが放出される。このとき、トランジスタP1は、トランジスタN1のオフ状態に対して相補的にオン状態とされるため、外部端子T1からトランジスタP1を介して流れる電流は、負荷であるLED列に流れ込むとともに、容量Cexを介して接地端にも流れ込み、該容量Cexを充電することになる。上記の動作が繰り返されることで、負荷であるLED列には、容量Cexにより平滑された直流出力が供給される。
このように、本実施形態のスイッチング電源IC21は、トランジスタN1、P1のオン/オフ制御によってエネルギ貯蔵素子であるインダクタLexを駆動することで、入力電圧Vinを昇圧して出力電圧Voutを生成するチョッパ型昇圧回路の一構成要素として機能するものである。
なお、本実施形態のスイッチング電源IC21は、LED列のPWM輝度調整を実現すべく、イネーブル信号EN(昇圧動作許可信号)のイネーブル/ディセーブルに応じて、昇圧動作の可否が制御される構成とされている。
次に、上記構成から成るDC/DCコンバータ20の出力帰還制御について、詳細な説明を行う。
出力帰還回路212において、誤差増幅器ERRは、抵抗Rexの一端から引き出される帰還電圧Vfb(出力電圧Voutの実際値に相当)と、直流電圧源E1で生成される参照電圧Vref(出力電圧Voutの目標設定値に相当)との差分を増幅して誤差電圧Verrを生成する。すなわち、誤差電圧Verrの電圧レベルは、出力電圧Voutがその目標設定値よりも低いほど高レベルとなる。
一方、スイッチ駆動回路211において、PWMコンパレータPCMPは、第1反転入力端(−)に印加される誤差電圧Verr及び第2反転入力端(−)に印加されるソフトスタート電圧Vssのいずれか低い方と、非反転入力端子(+)に印加されるスロープ電圧Vslp(発振器OSCの基準三角波電圧(三角波或いはランプ波)と増幅器AMPの出力電圧とを足し合わせた加算器ADDの出力電圧)と、を比較することで、その比較結果に応じたデューティのPWM信号を生成する。すなわち、PWM信号の論理は、誤差電圧Verr及びソフトスタート電圧Vssのいずれか低い方がスロープ電圧Vslpよりも高ければローレベルとなり、低ければハイレベルとなる。
なお、PWM信号のオンデューティ(単位期間に占めるトランジスタN1のオン期間の比)は、誤差電圧Verr及びソフトスタート電圧Vssのいずれか低い方とスロープ電圧Vslpとの相対的な高低に応じて逐次変動する。
上記のPWM信号(RSフリップフロップFF1のリセット信号)がローレベルとされている間、トランジスタN1、P1のゲート信号は、RSフリップフロップFF1のセット端子(S)に印加されるクロック信号CLK(数百[kHz]〜数[MHz])の立ち上がりで、いずれもハイレベルに保持される。従って、トランジスタN1はオン状態とされ、トランジスタP1はオフ状態とされる。一方、PWM信号がハイレベルとされている間は、クロック信号CLKに関係なく、トランジスタN1、P1のゲート信号がいずれもローレベルに保持される。従って、トランジスタN1はオフ状態とされ、トランジスタP1はオン状態とされる。すなわち、トランジスタN1、P1は、入力電圧Vinを昇圧して出力電圧Voutを得る際、PWM信号に応じて相補的にオン/オフ制御される。
このように、ピークカレントモード制御方式のDC/DCコンバータ20では、出力電圧Voutのモニタ結果だけでなく、トランジスタN1に流れるスイッチ電流Iswのモニタ結果に基づいて、トランジスタN1、P1のオン/オフ制御が行われる。従って、本実施形態のDC/DCコンバータ20であれば、急峻な負荷変動に誤差電圧Verrが追従できなくても、トランジスタN1に流れるスイッチ電流Iswのモニタ結果に応じてトランジスタN1、P1を直接オン/オフ制御することができるので、出力電圧Voutの変動を効果的に抑えることが可能となる。すなわち、本実施形態のDC/DCコンバータ20であれば、容量Cexを大容量化する必要がないので、不要なコストアップや容量Cexの大型化を回避することもできる。
次に、上記構成から成るDC/DCコンバータ20のソフトスタート制御について、詳細な説明を行う。
DC/DCコンバータ20の起動直後には、出力電圧Voutがゼロであるため、誤差電圧Verrが極めて大きくなる。従って、当該誤差電圧Verrとスロープ電圧Vslpとの比較結果に応じてPWM信号を生成すると、そのデューティが過大となって、負荷やインダクタLexに過大な電流が流れてしまうことになる。
そこで、本実施形態のDC/DCコンバータ20は、先述したように、誤差電圧Verrとは別に、ソフトスタート電圧VssをPWMコンパレータPCMPに入力しておき、ソフトスタート電圧Vssが誤差電圧Verrよりも低いときには、誤差電圧Verrに依ることなく、より低いソフトスタート電圧Vssとスロープ電圧Vslpとの比較結果に応じてPWM信号のデューティを決定する構成とされている。
なお、本実施形態のソフトスタート回路215は、イネーブル信号ENのイネーブル遷移(ハイレベル遷移)に応じて容量C2の放電手段であるトランジスタN4をオフとし、定電流源I1から容量C2に所定の定電流を流し込むことで、装置の起動後から緩やかに上昇を開始するソフトスタート電圧Vssを生成する構成とされている。
このように、ソフトスタート回路215を備えた構成であれば、装置の起動時における負荷やインダクタLexへの過大電流を防止することが可能となる。
次に、本発明の特徴的動作の1つであるソフトスタート期間中の起動電流抑制制御(誤差電圧Verrの多段クランプ制御)について、先出の図2に加えて、図3を参照しながら、詳細な説明を行う。
図3は、起動電流抑制制御を説明するための図である。なお、図3の縦軸には、それぞれ、イネーブル信号EN、誤差電圧Verr、スロープ電圧Vslp、ソフトスタート電圧Vss、トランジスタN1、P1の各ゲート信号、出力電圧Vout、並びに、スイッチ電流Isw(出力トランジスタN1と同期整流トランジスタP1との接続ノードに流れる電流)の挙動(電圧波形或いは電流波形)を模式的に示しており、横軸には、時間tの経過を示している。また、図3において、実線は本発明適用時の挙動を示しており、一点鎖線は従来の挙動(すなわち、先出の図6と同様に、多段クランプ制御を行わない場合の挙動)を参考までに示している。
時刻t1において、イネーブル信号ENがイネーブル(ハイレベル)に遷移されると、ソフトスタート回路215では、トランジスタN4がオフとされ、ソフトスタート電圧Vssの上昇が開始される。一方、クランプ回路214では、ソフトスタート電圧VssがトランジスタN3のオン電圧(トランジスタN3をオフ状態からオン状態へ遷移するために必要な閾値電圧)に達するまで、トランジスタN3がオフ状態に維持され、延いては、トランジスタN2がオン状態に維持される。
従って、誤差電圧Verrの上限値Vlmtは、抵抗R3と抵抗R4、R5から成る抵抗分割回路によって、通常時の第1上限値Vlmt1よりも低い第2上限値Vlmt2に設定され、誤差電圧Verrは、ソフトスタート電圧VssがトランジスタN3のオン電圧に達するまでの間、第2上限値Vlmt2に維持されることになる。
なお、時刻t1にてイネーブル信号ENがイネーブルに遷移されて以後、時刻t2にてソフトスタート電圧Vssが第2上限値Vlmt2に維持された誤差電圧Verrに達するまでの間、PWMコンパレータPCMPは、誤差電圧Verrに依ることなく、より低いソフトスタート電圧Vssとスロープ電圧Vslpとの比較結果に応じてPWM信号のデューティを決定する。
また、時刻t2において、ソフトスタート電圧Vssが第2上限値Vlmt2に維持された誤差電圧Verrに達すると、それ以後、時刻t3にて再び誤差電圧Verrがソフトスタート電圧Vssを上回るまでの間、PWMコンパレータPCMPは、ソフトスタート電圧Vssに依ることなく、より低い第2上限値Vlmt2に維持された誤差電圧Verrとスロープ電圧Vslpとの比較結果に応じてPWM信号のデューティを決定する。
従って、時刻t2〜t3の期間中におけるPWM信号のデューティは、多段クランプ制御を行わない構成に比べて小さくなり、延いては、スイッチ電流Iswも低減される。
一方、時刻t1にて、ソフトスタート電圧Vssの上昇が開始されて以後、ソフトスタート電圧VssがトランジスタN3のオン電圧に達すると、クランプ回路214では、トランジスタN3がオン状態に遷移され、延いては、トランジスタN2がオフ状態に遷移される。従って、その時点で第2上限値Vlmt2によるクランプは解除され、誤差電圧Verrの上限値Vlmtは、抵抗R3、R4のみから成る抵抗分割回路によって、第1上限値Vlmt1に設定される。これにより、誤差電圧Verrは、帰還電圧Vfbに応じた電圧値まで、再び上昇を開始することになる。
そして、時刻t3にて、誤差電圧Verrがソフトスタート電圧Vssに達すると、PWMコンパレータPCMPは、誤差電圧Verrに依ることなく、より低いソフトスタート電圧Vssとスロープ電圧Vslpとの比較結果に応じてPWM信号のデューティを決定することになる。
その後、出力電圧Voutがその目標設定値に近付いて、誤差電圧Verrが下降に転じ、時刻t4においてソフトスタート電圧Vssを下回ると、PWMコンパレータPCMPは、ソフトスタート電圧Vssに依ることなく、より低い誤差電圧Verrとスロープ電圧Vslpとの比較結果に応じてPWM信号のデューティを決定することになる。すなわち、この時点において、ソフトスタート期間が終了される。
上記したように、本実施形態のクランプ回路214は、装置が起動されて以後、誤差電圧Verrの上限値Vlmtを段階的に高めていく構成とされている。
このような構成とすることにより、誤差電圧Verrの上限値Vlmtに応じてスイッチ電流Iswの過電流リミット値を適宜制御することができるので、図3に示すように、起動時の最大電流(出力電圧Voutが安定する直前の最大電流)と安定電流(出力電圧Voutが安定した後の定常電流)との差を縮小することが可能となる。
従って、本実施形態のDC/DCコンバータ20であれば、装置起動時の不要な電力の浪費を低減することが可能となる。また、本実施形態のDC/DCコンバータ20であれば、ソフトスタート電圧Vssの立上がりを早めて、出力電圧Voutの立上がり時間を短縮することも可能となる。
また、本実施形態のクランプ回路214は、ソフトスタート電圧Vssを監視し、その電圧値が上昇するにつれて、誤差電圧Verrの上限値Vlmtを段階的に高めていく構成とされている。このような構成とすることにより、回路規模の増大を最小限に抑えながら、上記した多段クランプ制御を実現することが可能となる。
次に、本発明のもう1つの特徴的動作であるソフトスタート遮断制御について、先出の図2に加えて、図4を参照しながら、詳細な説明を行う。
図4は、ソフトスタート遮断制御を説明するための図である。なお、図4の縦軸には、それぞれ、イネーブル信号EN、出力電圧Vout、スイッチ電圧Vsw(出力トランジスタN1と同期整流トランジスタP1との接続ノードに現れる電圧)、第1モニタ信号M1、第2モニタ信号M2、スイッチSWの制御信号、トランジスタN1、P1の各ゲート信号、並びに、スイッチ電流Iswの挙動(電圧波形或いは電流波形)を模式的に示しており、横軸には、時間tの経過を示している。なお、図4において、横軸に示した時刻t1〜t4は、図3の横軸に示した時刻t1〜t4と同一である。また、図4において、実線は本発明適用時の挙動を示しており、一点鎖線は従来の挙動(すなわち、先出の図7と同様に、ソフトスタート遮断制御を行わない場合の挙動)を参考までに示している。
装置の初回起動時、時刻t1前において、イネーブル信号ENがイネーブルに遷移されると、参照電圧検出回路216では、トランジスタN5がオン状態からオフ状態へと遷移される。従って、参照電圧Vrefが十分に立ち上がった後には、容量C3の充電が開始され、その充電電圧がトランジスタQ1のオフ電圧に達した時点で、トランジスタQ1がオン状態からオフ状態に遷移されることになる。このとき、第1モニタ信号M1(トランジスタQ1のエミッタ電圧)は、ローレベルからハイレベルに立ち上がる。
一方、出力電圧検出回路217において、トランジスタN6は、そのゲート電圧(出力電圧Voutの分圧電圧)がトランジスタN6のオン電圧に達するまでオフ状態に維持され、これに達した時点でオン状態に遷移される。すなわち、トランジスタN6のドレインから引き出される電圧信号を論理反転することによって得られる第2モニタ信号M2は、出力電圧Voutが所定の閾値電圧Vthに達するまでローレベルに維持され、これに達した時点でハイレベルに遷移される2値論理信号となる。
また、出力電圧検出回路217において、DフリップフロップFF2は、第1モニタ信号M1をクロック信号とし、その立上がりエッジをトリガとして、データ信号である第2モニタ信号M2のラッチ出力を行う構成とされている。
ここで、時刻t1にて、イネーブル信号ENがイネーブルに遷移され、第1モニタ信号M1がハイレベルに立ち上がった時点では、出力電圧Voutが閾値電圧Vthに達していないため、第2モニタ信号M2はローレベルに維持されている。
従って、ソフトスタート遮断回路218を構成するスイッチSWの制御端には、ローレベルの制御信号が印加されることになり、スイッチSWは、当該制御信号に基づいて、ソフトスタート回路215からPWMコンパレータPCMPに対するソフトスタート電圧Vssの伝達経路を導通させた状態(オン状態)となる。これにより、装置の初回起動時には、先述したソフトスタート動作が行われることになる。なお、装置の初回起動時には、出力電圧Voutがスイッチ電圧Vswよりも低いため、先述したソフトスタート動作を行っても、LED列からの逆流電流が問題となることはない。
その後、時刻t2、t3、t4を経て、時刻t5に至り、イネーブル信号ENがディセーブルに遷移されると、参照電圧検出回路216では、トランジスタN5がオフ状態からオン状態へと遷移される。従って、容量C3の充電電圧が放電され、トランジスタQ1がオフ状態からオン状態に遷移されることになる。このとき、第1モニタ信号M1は、ハイレベルからローレベルに立ち下がる。
また、イネーブル信号ENがディセーブルに遷移されると、ソフトスタート回路215では、トランジスタN4がオフ状態からオン状態へと遷移される。従って、容量C2の充電電圧が放電され、ソフトスタート電圧Vssがゼロレベルにまで引き下げられる。その結果、トランジスタN1、P1の駆動が停止され、出力電圧Voutが徐々に低下し始める。ただし、出力電圧Voutが先述の閾値電圧Vthを下回らない限り、出力電圧検出回路217のトランジスタN6はオン状態に維持されるため、第2モニタ信号M2はハイレベルに維持される。
その後、時刻t6にて、再びイネーブル信号ENがイネーブルに遷移されると、参照電圧検出回路216では、トランジスタN5がオン状態からオフ状態に遷移され、先述と同様、第1モニタ信号M1がローレベルからハイレベルに立ち上がる。
この時点で、図4に示すように出力電圧Voutが閾値電圧Vthを下回っていない場合、出力電圧検出回路217では、ハイレベルに維持された第2モニタ信号M2がラッチ出力されることになる。従って、スイッチSWの制御端には、ハイレベルの制御信号が印加されることになり、スイッチSWは、当該制御信号に基づいて、ソフトスタート回路215からPWMコンパレータPCMPに対するソフトスタート電圧Vssの伝達経路を遮断した状態(オフ状態)となる。
これにより、2回目以降の起動時など、出力電圧Voutが充分に低下していないときの起動時には、先述のソフトスタート動作が遮断され、スイッチ駆動回路211のPWMコンパレータPCMPでは、ソフトスタート電圧Vssに依ることなく、誤差電圧Verrとスロープ電圧Vslpとの比較結果に応じてPWM信号のデューティが決定されることになる。
上記したように、本実施形態のDC/DCコンバータ20は、イネーブル信号ENのイネーブル遷移毎に、参照電圧Vrefが立ち上がっているか否かを検出する参照電圧検出回路216と;参照電圧検出回路216にて参照電圧Vrefが立ち上がっている旨の検出結果が得られる毎に、出力電圧Voutが所定の閾値電圧Vthに達しているか否かを検出する出力電圧検出回路217と;出力電圧検出回路217にて出力電圧Voutが所定の閾値電圧Vthに達している旨の検出結果が得られたときには、ソフトスタート回路215からPWMコンパレータPCMPに対するソフトスタート電圧Vssの伝達経路を遮断するソフトスタート遮断回路218と;を有して成る構成とされている。
このような構成とすることにより、出力電圧Voutがスイッチ電圧Vswよりも高くなっている2回目以降の起動時などについては、そのソフトスタート動作を遮断して、同期整流トランジスタP1のオン時間を短縮することができる。すなわち、当該構成によれば、スイッチ電流Iswの逆流量を低減し、出力電圧Voutのドロップを抑制することが可能となるので、出力電圧Voutが所望値に復帰するまでの立上がり時間を短縮し、延いては、イネーブル信号ENに対する出力電圧Voutの応答速度向上(本実施形態では、LED列のオン/オフ周波数向上)を実現することが可能となる。
なお、ソフトスタート動作の遮断により、2回目以降の起動時などについては、起動電流が増大する危険を伴うが、これについては、先に述べた起動電流抑制制御(多段クランプ制御)により、その危険を未然に回避することが可能である。
また、上記実施形態のように、参照電圧検出信号である第1モニタ信号M1をトリガとしたタイミングでソフトスタート動作の可否を決定する構成であれば、イネーブル信号ENを直接トリガとする構成に比べて、初回起動時における動作の安定性を高めることが可能となる。
なお、上記の実施形態では、携帯電話端末に搭載され、バッテリの出力電圧を変換して端末各部の駆動電圧を生成するDC/DCコンバータに本発明を適用した場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、入力電圧から所望の出力電圧を生成する電源装置、及び、これを備えた電子機器全般に広く適用することが可能である。
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、誤差電圧Verrの上限値Vlmtを2段階に可変制御する構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、3段以上の多段クランプ制御を行う構成としてもよい。
図5は、クランプ回路214の一変形例及び動作を説明するための図である。
図5(a)に示すように、本変形例のクランプ回路214は、抵抗R4に複数の抵抗R5a、R5bを並列接続しておき、各々に直列接続されるトランジスタN2a、N2bのオン/オフ状態に応じて、図5(b)に示すように、多段クランプ制御(本図では、3段クランプ制御)を行う構成とされている。
このような構成とすることにより、各段クランプ動作の解除時に流れるスイッチ電流Iswを抑えて、装置起動時の不要な電力浪費をより一層低減することが可能となる。
なお、トランジスタN2a、N2bのオン/オフ制御については、各々のゲート電位を決定するためのトランジスタN3a、N3bの素子定数(W/L)を適宜調整することでそのオン電圧に差を設ければよい。また、素子定数を調整する代わりに、トランジスタN3a、N3bのソースと接地ラインとの間にダイオード等を挿入することで、各ソース電位に差を設けても構わない。
或いは、トランジスタN3a、N3bに代えて、ソフトスタート電圧Vssと所定の閾値との高低に応じて出力論理が変遷するコンパレータを設け、その比較出力に応じてトランジスタN2a、N2bのオン/オフ制御を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、ソフトスタート電圧Vssを監視し、その電圧値が上昇するにつれて、誤差電圧Verrの上限値Vlmtを段階的に高めていく構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、タイマ回路等の計時手段を別途設け、そのカウント値に応じて誤差電圧Verrの上限値Vlmtを段階的に高めていく構成としても構わない。特に、図5に示したように、クランプ回路214にて、多段クランプ制御を行う場合には、タイマ回路等の計時手段を用いて高精度の制御を行う方が望ましい。
また、上記実施形態では、同期整流型の電源装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、同期整流トランジスタに代えてダイオードを用いた電源装置にも適用することが可能である。その際には、ダイオードのアノードを出力トランジスタN1のドレインに接続し、カソードを出力電圧Voutの引出端に接続すればよい。
本発明は、電源装置を搭載する電子機器の応答性向上や消費電力低減を実現する上で有用な技術であり、バッテリ仕様の電子機器など、電源装置を搭載するあらゆる電子機器に好適な技術である。
は、本発明に係る携帯電話端末の一実施形態を示すブロック図である。 は、DC/DCコンバータ20の一構成例を示す回路図である。 は、起動電流抑制制御を説明するための図である。 は、ソフトスタート遮断制御を説明するための図である。 は、クランプ回路214の一変形例及び動作を説明するための図である。 は、従来のソフトスタート動作を説明するための図である。 は、出力電圧Voutの応答速度低減を説明するための図である。
符号の説明
10 バッテリ
20 DC/DCコンバータ(スイッチングレギュレータ)
21 スイッチング電源IC
211 スイッチ駆動回路
212 出力帰還回路
213 位相補償回路
214 クランプ回路
215 ソフトスタート回路
216 参照電圧検出回路
217 出力電圧検出回路
218 ソフトスタート遮断回路
30 TFT液晶パネル
P1 Pチャネル型電界効果トランジスタ
N1〜N6 Nチャネル型電界効果トランジスタ
Q1 pnp型バイポーラトランジスタ
R1〜R11 抵抗
C1〜C3 容量
AMP 増幅器
OSC 発振器
ADD 加算器
PCMP PWMコンパレータ
FF1 RSフリップフロップ
FF2 Dフリップフロップ
ERR 誤差増幅器
E1 直流電圧源
I1 定電流源
BUF1〜BUF2 バッファ
INV1〜INV4 インバータ
SW スイッチ
T1〜T3 外部端子
Lex インダクタ(外付け)
Cex コンデンサ(外付け)
Rex 抵抗(外付け)

Claims (9)

  1. オン/オフ制御に応じて入力電圧から出力電圧を生成する出力トランジスタと、
    前記出力電圧に応じた帰還電圧と所定の参照電圧との差分を増幅して誤差電圧を生成する誤差増幅器と、
    イネーブル信号の遷移に応じて上昇を開始するソフトスタート用比較電圧を生成するソフトスタート回路と、
    前記誤差電圧と前記ソフトスタート用比較電圧に基づいて、前記出力トランジスタのオン/オフ制御を行うオン/オフ制御手段と、
    前記イネーブル信号の遷移毎に、前記参照電圧が立ち上がっているか否かを検出する参照電圧検出回路と、
    前記参照電圧検出回路にて前記参照電圧が立ち上がっている旨の検出結果が得られる毎に、前記出力電圧が所定の閾値に達しているか否かを検出する出力電圧検出回路と、
    前記出力電圧検出回路にて前記出力電圧が所定の閾値に達している旨の検出結果が得られたときには、前記ソフトスタート回路から前記オン/オフ制御手段に対する前記ソフトスタート用比較電圧の伝達経路を遮断するソフトスタート遮断回路と、
    を有して成ることを特徴とする電源装置。
  2. 前記オン/オフ制御手段は、
    前記誤差電圧及び前記ソフトスタート用比較電圧のいずれか低い方と、所定のスロープ電圧とを比較することで、その比較結果に応じたデューティのPWM信号を生成するPWMコンパレータを有して成ることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記誤差電圧の上限値を設定する手段であって、前記イネーブル信号が遷移されて以後に、前記誤差電圧の上限値を段階的に高めていくクランプ回路を有して成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記クランプ回路は、前記ソフトスタート用比較電圧を監視し、その電圧値が上昇するにつれて、前記誤差電圧の上限値を段階的に高めていくことを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
  5. 前記クランプ回路は、ソフトスタート開始からの経過時間を監視し、所定の時間に達すると、前記誤差電圧の上限値を段階的に高めていくことを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
  6. 前記出力トランジスタに接続され、その接続ノードから前記出力電圧を出力する同期整流トランジスタをさらに有して成ることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  7. 一端が前記入力電圧の印加端に接続され、他端が前記出力トランジスタの一端に接続されるインダクタと;アノードが前記出力トランジスタの一端に接続され、カソードが前記出力電圧の引出端に接続されるダイオードと;一端が前記出力電圧の引出端に接続され、他端が基準電圧の印加端に接続される容量と;を有して成り、前記入力電圧を昇圧して前記出力電圧を生成することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  8. 一端が前記入力電圧の印加端に接続され、他端が前記出力トランジスタと前記同期整流トランジスタとの接続ノードに接続されるインダクタと;一端が前記出力電圧の引出端に接続され、他端が基準電圧の印加端に接続される容量と;を有して成り、前記入力電圧を昇圧して前記出力電圧を生成することを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
  9. 機器の電源であるバッテリと、前記バッテリの出力変換手段である電源装置と、前記電源装置により駆動される負荷回路と、を有して成る電子機器であって、前記電源装置として、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の電源装置を備えて成ることを特徴とする電子機器。
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