JP4762489B2 - 口紅用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、口紅用組成物、特にその保湿性、使用感、安定性等の改善に関する。
口紅には、より美しく見せる「美的役割」の他に、化粧もち、保湿効果といった「機能性」や、心地よさを与える「感覚的役割」を担っている。口紅は、通常ワックスと油分を基剤とする油性化粧料であり、各成分を加熱溶解して型に流し込み、固化したものが主流であるが、近年は保湿効果を向上させるために、水やグリセリン等の保湿剤を配合して、乳化口紅とすることが知られている(特許文献1等)。
特開平2001−199841号公報
しかしながら、保湿効果をより向上させるために保湿剤の量を増加させていくに従い、塗布時にのびが重くなるといった「感覚的役割」の低下を招いたり、また、光沢の低下といった本来の「美的役割」さえも損なうことがあった。
更に、通常油性口紅基剤中に水や保湿剤のような水溶性成分を大量に配合すると、色剤の凝集や、混合中における結晶の析出、折れ強度の低下、変臭など製品上の問題を生じることがあった。
このように、口紅基剤に関しては、水やグリセリン等の保湿剤の配合による保湿効果の向上には限界があり、保湿効果や、使用感、安定性、製品強度を十分に兼ね備えるものを得ることは非常に困難であった。
本発明は上記従来技術の課題に鑑み為されたものであり、その目的は、保湿効果が高く、使用感や安定性等にも優れる口紅用組成物を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明者等が鋭意検討を行った結果、特定のアルキレンオキシド誘導体を口紅基剤に配合することにより、保湿効果が非常に向上し、また、使用感や安定性、製品強度も良好な口紅基剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる口紅用組成物は、下記一般式(1)で示され、分子量が3,000〜5,000のアルキレンオキシド誘導体を1〜50質量%配合することを特徴とする。
(化2)
1O−[(AO)m(EO)n]−R2 …(1)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ炭素数3〜4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70であり、オキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、20〜80質量%である。オキシアルキレン基とオキシエチレン基はランダム状に付加している。R及びRは同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子である。)
本発明のアルキレンオキシド誘導体において、一般式(1)中、オキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、30〜50質量%であることが好適である。また、R 及びR は同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基であることが好適である。
本発明の口紅用組成物において、さらに水及び/又は保湿剤を0.01〜20質量%配合した油中水型乳化口紅組成物であることが好適である。
また、本発明の組成物において、粉体を配合する場合には、炭素数16〜40の高級脂肪酸をともに配合することが好適である。
また、前記粉体が二酸化チタン被覆雲母を含む場合に、高級脂肪酸の添加効果がより顕著に発揮される。
本発明によれば、特定のアルキレンオキシド誘導体を配合することにより、保湿効果の非常に高い口紅用組成物を得ることができる。また、本発明の口紅用組成物は、使用感、安定性、製品強度にも優れるものである。
また、本発明において、粉体とともに高級脂肪酸を配合することにより、粉体の凝集を効率的に低減することができる。
前記式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、例として、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。
m及びnはそれぞれ炭素数3〜4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70であり、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%、好ましくは30〜50質量%である。オキシエチレン基の割合が低すぎると高温での安定性が低下し、オキシエチレン基の割合が高すぎると口紅基剤への溶解性が悪くなり、塗布時に口紅の折れを生じてしまうことがある。
また、アルキレンオキシド誘導体の分子量は、1,000〜5,000、好ましくは3,000〜5,000である。分子量が小さくなるとアルキレンオキシド誘導体自体に味があるため、口紅が好ましくない味となってしまうことがある。口紅においては、その味も商品価値に影響を及ぼす重要な要素の一つである。一方、分子量が大きくなると粘度が高くなっていくため、分子量5000程度までは適度なフィット感として感じられるが、それ以上に大きくなるとのびの重さやべたつきに感じられてしまうことがある。
なお、本発明においては、エチレンオキシド及び炭素数3〜4のアルキレンオキシドは、安定性等の点でランダム状に付加していることが好適である。
及びRは炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。炭素数5以上の炭化水素基では親水性が低下し、しっとり感が低下する。R,Rは、同一であっても異なっていても良い。
およびRはそれぞれ同種のものを用いても、炭素数1〜4の炭化水素基と水素原子とが混在しても、異種の炭素数1〜4の炭化水素基が混在してもよいが、水素原子が少ない方がべたつき等の使用性や安定性の点で好ましい。
本発明のアルキレンオキシド誘導体は公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。
本発明の口紅用組成物へのアルキレンオキシド誘導体の配合量は、組成物中1〜50質量%、さらには2〜30質量%が好適である。配合量が少なすぎると保湿効果が十分でなく、配合量が多すぎる場合には、安定に配合することが困難となる場合がある。
本発明にかかる口紅用組成物は、アルキレンオキシド誘導体を配合することにより、唇に優れた保湿効果を発揮することができる。このようなアルキレンオキシド誘導体の効果は、通常の油性口紅に配合した場合でも発揮されるが、さらに水やグリセリン等の他の保湿剤を配合して乳化口紅とすれば、より効果的である。
保湿剤としては、通常化粧料に配合される保湿剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ヘキサメチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キチン、キトサン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられるが、液状の保湿剤は結晶析出の懸念がない点で好ましく、保湿性、水溶性、味等の点から特に好ましくはグリセリンである。
アルキレンオキシド誘導体とともに水及び/又は保湿剤を配合した油中水型乳化口紅組成物は、本発明の好適な例の一つである。
水及び/又は保湿剤の配合量は、総量として組成物中0.001〜30質量%、さらには0.1〜20質量%であることが好適である。水及び/又は保湿剤の配合量が少なすぎると配合の効果が十分発揮されず、多すぎる場合には、処方中での色剤の分散安定性を保持することが難しくなる場合がある。
また、本発明にかかる油中水型乳化口紅用組成物において、さらにコレステロールエステル及び/又はフィトステロールエステルを配合することにより、乳化口紅の経時安定性を高めることができる。
本発明で用いられるコレステロールエステルとしては、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、ラノリンが挙げられる。フィトステロールエステルとしては、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)などが挙げられる。
本発明の油中水型乳化口紅用組成物におけるコレステロールエステル及び/またはフィトステロールエステルの配合量は、総量として、水と水溶性成分の合計量(水相量)に対し、質量比で0.5倍以上であることが好適である。配合量が少ないと、配合効果が十分に発揮されない。上限は特に限定されないが、組成物中30質量%以下であることが好適である。配合量が多すぎるとコレステロールエステル又はフィトステロールエステルの酸化劣化による変臭が問題となる場合がある。
また、前記コレステロールエステルやフィトステロールの代わりに水膨潤性粘土鉱物を配合しても、乳化口紅の安定化を図ることができる。水膨潤性粘土鉱物としては、モンモリロナイト、ザコウナイト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、合成ヘクトライト等の天然及び合成水膨潤性粘土鉱物が使用できる。
本発明の油中水型乳化口紅用組成物における水膨潤性粘土鉱物の配合量は、水と水溶性成分の合計量(水相)に対し、質量比で0.1倍以上であることが好適である。配合量が少なすぎると配合効果が十分に発揮されない。上限は特に限定されないが、組成物中20質量%以下であることが好ましい。配合量が多すぎても、乳化性、安定性に特に問題はないが、使用感が重くなる傾向がある。
さらに、本発明の油中水型乳化口紅用組成物においては、前記コレステロールエステル、フィトステロールエステル、又は水膨潤性粘土鉱物とともに、非イオン系の乳化剤を配合すると製造時の乳化性が向上し、製品安定性も向上する。
非イオン系の乳化剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体等のジメチコンコポリオール、ジグリセリルモノオレート、デカグリセリンジイソステアレートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油などが挙げられるが、中でもジメチコンコポリオール又はHLBが10以下の乳化剤が特に好ましい。
非イオン性乳化剤の配合量としては、水と水溶性成分の合計量(水相)に対し、質量比で0.01倍以上であることが好適である。配合量が少ないと、配合効果が十分に発揮されないことがある。上限は特に限定されないが、配合量が多くなると使用感が重くなる傾向があるので、組成物中の配合量が10質量%以下であることが好ましい。
また、本発明において、組成物に顔料、パール剤等の粉体を配合する場合、アルキレンオキシド誘導体の共存により凝集を発生する場合がある。これに対し、炭素数16〜40の高級脂肪酸、特に好ましくは炭素数18〜40の直鎖高級脂肪酸を配合することにより凝集を効果的に防止することができる。炭素数16〜40の脂肪酸は直鎖でも分岐でもよいが、直鎖のほうが凝集防止効果に優れる傾向にある。また、特に安定性の観点から飽和脂肪酸が好ましい。具体的には、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、トリアコンタン酸などが使用可能である。これらは混合物であってもよく、またこれらの高級脂肪酸を含むワックスなどの形態で配合してもよい。
高級脂肪酸の配合量は、組成物中0.3質量%程度から効果が確認されるが、特に好ましくは0.6質量%以上であり、上限については製剤上、使用感などの観点から5質量%程度までが好ましい。アルキレンオキシド誘導体に対しては、6〜100質量%で効果が確認される。
口紅用組成物に配合される顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、群青、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、ホトクロミック顔料、合成フッ素金雲母、鉄含有合成フッ素金雲母、微粒子複合粉体、マイカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、硫酸バリウムなどが挙げられ、パール剤としては雲母チタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等が挙げられる。
口紅用組成物には通常、ワックスの他に油分等を含有しているが、本発明の口紅用組成物においても本発明の効果を損なわない限りこれら成分を含有していてよく、通常化粧料に配合されるものであれば、特に限定されない。
ワックスとしては、例えば、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ビースワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィン、モクロウ等が挙げられる。
油分としては、例えばスクワラン、流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素油、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドキシステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、バチルアルコール等の高級アルコール、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルミリステート、ネオペンチルグリコール−2−エチルヘキサノエート、トリオクタン酸グリセリル、テトラオクタン酸ペンタエリスリトール、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、トリオレイン酸グリセリル等のエステル類、オリーブ油、アボカド油、ホホバ油、ヒマワリ油、サフラワー油、椿油、シア脂、マカデミアナッツ油、ミンク油、ラノリン、液状ラノリン、酢酸ラノリン、ヒマシ油等の油脂、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、高重合度のガム状アミノ変性シリコーン等のシリコーン系油分、パーフロロポリエーテル、パーフロロカーボン等のフッ素油分等が挙げられる。
なお、本発明において、ワックス及び油分の配合量は、総量として、組成物全量中50質量%以上、特に70質量%以上であることが好ましい。
本発明の口紅用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料に配合されるその他の成分を配合してもよい。例えば、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、紫外線吸収剤、増粘剤、皮膜形成剤、高分子化合物、香料、顔料、粉末、その他の各種薬剤が挙げられる。
なお、口紅基剤には通常酸化鉄のような無機色材が使用されるが、この影響でアルキレンオキシド誘導体が劣化し、匂いが悪くなることがある。本発明の口紅用組成物に、酸化防止剤、キレート剤、紫外線吸収剤を単独、あるいは組み合わせて配合することにより、アルキレンオキシド誘導体の劣化を抑制することができる。
酸化防止剤としては、トコフェロール、レシチン、ブチルヒドロキシトルエンなどが使用できるが、特にトコフェロールが好ましい。配合量としては、0.01〜1.0質量%が好ましい。
キレート剤としては、エデト酸三ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウムなどが挙げられ、中でもエデト酸三ナトリウムが好ましい。配合量としては、0.01〜0.5質量%が好ましい。
紫外線吸収剤としては、メトキシケイヒ酸オクチル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンまたはその硫酸塩などが挙げられ、中でもメトキシケイヒ酸オクチルが好ましい。配合量としては、0.1〜2質量%が好ましい。
また、安定性等を損なわない範囲で、美白剤を配合することもできる。たとえば、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸パルミテート、α−グルコシル−L−アスコルビン酸、コウジ酸、4−メトキシサリチル酸、アルブチン、4−シクロヘキシルレゾルシノールなどのレゾルシノール誘導体等が挙げられる。
本発明において「口紅用組成物」とは、メーキャップ化粧料に用いられる組成物のことであり、スティック状、ペンシル状、軟膏状等、口紅の具体的形態を問わず用いることができる。本発明の口紅用組成物は、成分を加熱融解してスティックや中皿内に流し込んで冷却固化して得られるスティックや中皿型の口紅用組成物が好適であり、メーキャップ化粧料である口紅の他、色剤を配合しないリップクリーム等にも応用することができる。
以下、具体例を挙げて、本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は特に指定のない限り、質量%で示す。
まず、本発明で用いた試験方法について説明する。
保湿効果1(角質水分量測定)
25℃、相対湿度50%以下で、パネル10名の唇を水でゆすいで水を拭き取った後、サンプルを塗布し、2時間後に塗布したサンプルを拭き取った。各パネルに対し、角質水分測定装置(IBS社)を用いて、塗布前及びサンプル拭き取り後の唇水分量を測定した。塗布後(拭き取り後)の水分量から塗布前の水分量を差し引いたものの平均値により、保湿効果を評価した。この平均値が大きいほど水分量が多く、保湿効果が高いことを示す。
保湿効果2(官能試験)
サンプルを唇に実際に使用し、使用後の保湿効果感の有無を専門パネラー10名により、評価した。評価基準は以下の通り。
◎:8〜10名が保湿効果があると回答した。
○:6〜7名が保湿効果があると回答した。
△:4〜5名が保湿効果があると回答した。
×:0〜3名が保湿効果があると回答した。
安定性1(50℃×1ヶ月保存)
サンプルを50℃で1ヶ月保存後、口紅表面の油染みや発汗、基剤中の結晶や粒状物質の発生など、状態の変化を目視にて観察し、以下の基準で評価を行った。
◎:状態変化全くなし(安定性極めて良好)。
○:状態変化ほとんどなし(安定性が良好)。
△:やや状態変化あり。
×:状態変化あり。
安定性2(5〜45℃×1ヶ月保存)
サンプルを1日につき2回、5〜45℃の間で変化させる環境下にて1ヶ月保存後、口紅表面の油染みや発汗、基剤中の結晶や粒状物質の発生など、状態の変化を目視にて観察し、以下の基準で評価を行った。
◎:安定性が極めて良好。
○:安定性が良好。
△:やや状態変化あり。
×:状態変化あり。
フィット感
10名の専門パネルにより、サンプルを実際に使用したときのフィット感について、官能試験を行った。評価基準は以下の通り。
◎:8〜10名が良好と回答した。
○:6〜7名が良好と回答した。
△:4〜5名が良好と回答した。
×:0〜3名が良好と回答した。
なめらかさ
10名の専門パネルにより、サンプルを実際に使用したときのなめらかさについて、官能試験を行った。評価基準は以下の通り。
◎:8〜10名が良好と回答した。
○:6〜7名が良好と回答した。
△:4〜5名が良好と回答した。
×:0〜3名が良好と回答した。
べたつき感のなさ
10名の専門パネルにより、サンプルを実際に使用したときの使用中及び使用後のべたつき感のなさについて、官能試験を行った。評価基準は以下の通り。
◎:8〜10名がべたつかないと回答した。
○:6〜7名がべたつかないと回答した。
△:4〜5名がべたつかないと回答した。
×:0〜3名がべたつかないと回答した。
相溶性
サンプルを90℃に加熱し、溶解状態でのサンプルの透明性を目視にて評価した。評価基準は以下の通り。
○:透明であった。
△:やや濁っていた。
×:濁っていたか、あるいは分離していた。
折れ
サンプルを100g荷重にて、30cm巾で50回連続塗布し、折れを評価した。評価基準は以下の通り。
○:10本中、折れの生じたものがなかった。
×:10本中、1本以上折れが生じた。

パネル10名にサンプルを実際に舐めてもらい、味の評価を行った。評価基準は以下の通り。
○:8〜10名が良好と回答した。
△:6〜7名が良好と回答した。
×:0〜5名が良好と回答した。
[アルキレンオキシド誘導体の保湿効果]
まず、アルキレンオキシド誘導体を口紅基剤に配合した際の保湿効果について、検討を行った。結果を表1〜2に示す。なお、用いたアルキレンオキシド誘導体は、CH3O[(PO)m(EO)n]CH3、分子量約4000、EO約40%のものである。
(表1)
(油性口紅)
―――――――――――――――――――――――――――――
試料1 試料2
―――――――――――――――――――――――――――――
油相:
アルキレンオキシド誘導体 5 −
マイクロクリスタリンワックス 1 1
セレシン 15 15
ジイソステアリン酸グリセリル 10 10
マカダミアナッツ油 10 10
流動パラフィン 10 10
トコフェロール 0.1 0.1
イソオクタン酸グリセリル 残余 残余
顔料:
ベンガラ 5 5
―――――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100
―――――――――――――――――――――――――――――
保湿効果1 6.71 -1.24
安定性1 ◎ ○
安定性2 ◎ ○
フィット感 ○ △
―――――――――――――――――――――――――――――
(製法)
加熱溶解した油相に顔料を分散したものを金型に流し込んで放冷し、スティック状口紅を得た。
(表2)
(乳化口紅)
―――――――――――――――――――――――――――――――
試料3 試料4
―――――――――――――――――――――――――――――――
乳化ベース:
(1)グリセリン 0.2 0.2
(2)精製水 3 3
(3)ヒドロキシステアリン酸コレステリル 5 5
(4)ジメチコンコポリオール 0.5 0.5
(5)メチルフェニルポリシロキサン 5 5
油相:
(6)アルキレンオキシド誘導体 5 −
(7)マイクロクリスタリンワックス 1 1
(8)セレシン 15 15
(9)ジイソステアリン酸グリセリル 10 10
(10)マカダミアナッツ油 10 10
(11)流動パラフィン 10 10
(12)トコフェロール 0.1 0.1
(13)イソオクタン酸グリセリル 残余 残余
顔料:
(14)ベンガラ 5 5
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100
―――――――――――――――――――――――――――――――
保湿効果1 9.31 1.53
安定性1 ◎ ◎
安定性2 ◎ ○
フィット感 ◎ △
―――――――――――――――――――――――――――――――
(製法)
まず、(3)〜(5)を加熱混合し(油相部)、別に(1)を(2)に溶解した(水相部)後、水相部を前記油相部に添加分散してW/O型乳化ベースを得た。次に、(6)〜(13)を加熱溶解した油相に、(14)を分散した後、前記乳化ベースを添加して十分攪拌混合し、金型に流し込んで放冷し、スティック状W/O型乳化口紅を得た。
表1のように、アルキレンオキシド誘導体を油性口紅基剤に配合すると、非常に高い保湿効果が発揮された。また、表2のように、水や保湿剤を配合した乳化口紅においては、アルキレンオキシド誘導体の配合によって、より優れた保湿効果が発揮された。また、何れの系においても安定性、フィット感も良好であった。
そこで、本発明者等はアルキレンオキシド誘導体について検討を進めた。なお、各試験で用いた各アルキレンオキシド誘導体は、下記合成例1に準じて製造されたランダムポリマーであり、POはオキシプロピレン基を表す。
合成例1 ランダムポリマーの合成例
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)ジメチルエーテル
プロピレングリコール76gと触媒として水酸化カリウム3.1gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド440gとプロピレンオキシド522gの混合物を滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム224gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル188gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、化3のアルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が107、得られた化3の化合物の水酸基価が0.4、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.004であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
上記合成例1に準じて調製した各種アルキレンオキシド誘導体を用い、下記試験用基本組成でW/O型乳化口紅を調製し、評価を行った。製法は前記表2に準じた。
試験用基本組成
乳化ベース:
グリセリン 0.2
精製水 3.0
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 5.0
ジメチコンコポリオール 0.5
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
油相:
アルキレンオキシド誘導体 5.0
マイクロクリスタリンワックス 1.0
セレシン 15.0
ジイソステアリン酸グリセリル 10.0
マカダミアナッツ油 10.0
流動パラフィン 10.0
トコフェロール 0.1
イソオクタン酸グリセリル 残 余
顔料:
ベンガラ 5.0
合計 100.0
[R,Rの決定]
まず、本発明者等はR,Rと口紅用組成物としての適性との相関について検討した。結果を次の表3に示す。なお、いずれの化合物もRO[(PO)m(EO)n]R、分子量約4000、EO比約40%のものを用いている。
(表3)
化合物 R べたつき 保湿効果2
――――――――――――――――――――――――――――――――
1 H △ △
2 CH CH ◎ ◎
3 C CH ◎ ◎
4 C ○ ○
5 C13 CH ○ ○
6 C1225 CH △ △
――――――――――――――――――――――――――――――――
表3より明らかなように、R,Rの両者の炭素数が1〜4の場合(化合物2,3,4)には、いずれも優れた保湿効果、使用感が得られた。
これに対し、R,Rが水素であった場合(化合物1)には、べたつき感が強く、またRがC12であった場合(化合物6)には、保湿性、使用感ともに好ましくないものとなった。一方、R,Rの炭素数の和が7であり、化合物4よりも少ない場合にも、RがC6となる(化合物5)とやはり保湿感が落ちる傾向にあった。
以上のことから、本発明にかかる基剤には、R,Rともに炭素数が1〜4の炭化水素基であることが必要である。
なお、実際の製造にあたってはR,Rのすべてが炭化水素基により置換されるとは限らないため、その未置換(H)の化合物が存在することがある。本発明においては、本発明の効果を損なわない程度の少量であれば未置換の化合物が存在していてもよい。
[オキシアルキレン基、オキシエチレン基の比率]
次に本発明者等はオキシアルキレン基、オキシエチレン基の存在比率と口紅用組成物としての適性について検討を行った。
結果を次の表4に示す。なお、化合物7〜12については、CHO[(PO)m(EO)n]CH、分子量約4000のものを用いている。
(表4)
化合物 EO比(%) 保湿2 安定性1 安定性2 相溶性 折れ
――――――――――――――――――――――――――――――――
7 20 ◎ △ △ ○ ○
8 30 ◎ ◎ ○ ○ ○
2 40 ◎ ◎ ◎ ○ ○
9 50 ◎ ◎ ◎ ○ ○
10 60 ◎ ◎ ◎ △ ○
11 80 ◎ ○ △ △ ○
12 90 ◎ △ △ × ×
13 化5 △ ○ △ ○ ○
――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 0004762489
表4より明らかなように、オキシエチレン基の割合が低すぎると高温での安定性が低下し、高すぎると口紅基剤への溶解性が悪くなり、塗布時に口紅の折れを生じることがある。よって、オキシアルキレン基及びオキシエチレン基の両者の存在が保湿性や安定性、製品強度等に不可欠である。本発明者の検討によれば、オキシアルキレン基及びオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の好適な割合は20〜80重量%、さらに好ましくは30〜50質量%である。なお、化5に示す化合物12は保湿効果が低いことから、本発明にかかるアルキレンオキシド誘導体の効果は、単に親水性、疎水性の調整効果ではないものと考えられる。
[分子量]
さらに、アルキレンオキシド誘導体の分子量と口紅用組成物としての適性について検討を行った。
結果を次の表5に示す。なお、表5では、CHO[(PO)m(EO)n]CH、EO約60%のものを用いている。
(表5)
分子量 保湿性 味
――――――――――――――――――――――――――
1000 ◎ △
2000 ◎ ○
3000 ◎ ◎
4000 ◎ ◎
5000 ◎ ◎
――――――――――――――――――――――――――
表5のように、分子量が小さいアルキレンオキシド誘導体には味があり、口紅として好ましくない味を感じさせる場合がある。また、分子量が大きくなると粘度が高くなるため、分子量5000程度まではフィット感の向上が感じられるが、それ以上に大きくなるとのびの重さやべたつきに感じられてしまう。
よって、アルキレンオキシド誘導体の分子量としては、1000〜5000、特に3000〜5000であることが好ましい。
[口紅用組成物への配合量]
次に本発明者等は、アルキレンオキシド誘導体の口紅用組成物への配合量についてさらに検討を行った。配合量の増減は、イソオクタン酸グリセリルで調整した。アルキレンオキシド誘導体としては、CHO[(PO)m(EO)n]CH、分子量約4000,EO約40%を用いた。
(表6)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アルキレンオキシド誘導体配合量(%)
0 0.5 1 3 5 10 50 60
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
保湿効果1 1.53 1.93 2.96 6.02 9.31 13.32 15.66 15.81
安定性2 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ △
なめらかさ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ×
フィット感 △ △ ○ ◎ ◎ ◎ △ △
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
表6のように、本発明にかかるアルキレンオキシド誘導体の添加効果は、0.01重量%程度から認められるが、十分な効果が発揮するためには1質量%以上であることが望ましい。但し、過剰に配合しても見合った効果の増大が得られず、かえって安定性や使用感を損なうことがある。従って、アルキレンオキシド誘導体の配合量としては、1〜50質量%、さらには2〜30質量%が好適である。
[乳化口紅の安定性]
さらに、本発明者らは、乳化ベースの組成についても検討を行った。結果を表7に示す。
(表7)
試料3 試料5 試料6 試料7
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
乳化ベース:
グリセリン 0.2 0.2 0.2 0.2
精製水 3 3 3 3
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 5 5 - -
ジメチコンコポリオール 0.5 - 0.5 -
メチルフェニルポリシロキサン 5 5 5 5
油相:
アルキレンオキシド誘導体* 5 5 5 5
マイクロクリスタリンワックス 1 1 1 1
セレシン 15 15 15 15
ジイソステアリン酸グリセリル 10 10 10 10
マカダミアナッツ油 10 10 10 10
流動パラフィン 10 10 10 10
トコフェロール 0.1 0.1 0.1 0.1
イソオクタン酸グリセリル 残余 残余 残余 残余
顔料:
ベンガラ 5 5 5 5
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100 100 100
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
保湿効果1 9.31 9.16 6.90 6.83
安定性1 ◎ ○ △ △
安定性2 ◎ ○ △ △〜×
フィット感 ◎ ◎ ○ ○
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
*CH3O[POmEOn]CH3(分子量約4000、EO約40%)
試料3及び5のように、アルキレンオキシド誘導体を水及び/又は保湿剤と併用した乳化口紅において、コレステロールエステルが存在する場合には、安定性が非常に良好であり、特に非イオン性界面活性剤を併用した場合(試料3)で安定性が良好であった。
これに対して、コレステロールエステルが存在しない場合(試料7)には、強力な乳化機等を使用してW/O乳化ベースを調製し、これを直ちに油相に添加して冷却・固化させれば製造可能であるが、特殊な設備を要したり、製造過程における制約を受ける。また、得られた製品には経時的に油分の染み出しが認められることがある。非イオン性界面活性剤のみを使用した場合(試料6)でも、これらはあまり改善されない。
試料5のように、コレステロールエステルを使用すれば、通常の乳化機で製造可能であり、製品安定性も良くなる。さらに、ジメチコンコポリオール等の非イオン性界面活性剤を併用した場合(試料3)には、乳化ベース自体の乳化安定性が向上して製造がさらに容易となり、また製品安定性も向上する。
また、表8に示すように、コレステロールエステルの代わりにフィトステロールエステルや、水膨潤性粘土鉱物を使用した場合にも同様の効果が得られることが判明した。
(表8)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
フィトステロール 合成ヘクトライト*
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
保湿効果1 9.18 7.95
安定性1 ◎ ◎
安定性2 ◎ ○
フィット感 ◎ ◎
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
*ラポナイトXLG(ラポルテ社製)
[粉体凝集の改善]
本発明者らはアルキレンオキシド誘導体を口紅用組成物に配合した場合、顔料、パール剤(二酸化チタン被覆雲母)などが製造過程で凝集しやすくなる傾向を見出し、その改善策を検討した。
顔料・パール剤の凝集の確認試験
サンプルを95℃で溶解・攪拌後、顔料・パール剤の凝集(分散安定性)を目視にて観察し、以下の基準で評価を行った。
◎:顔料・パール剤の凝集が全くなし(顔料の分散安定性極めて良好)。
○:顔料・パール剤の凝集ほとんどなし(顔料の分散安定性が良好)。
△:顔料・パール剤のやや凝集あり。
×:顔料・パール剤の凝集あり。
(表9)
(油性口紅)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例 1 2 3 4 5 6
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
油相:
アルキレンオキシド誘導体 − 5 5 5 5 5
マイクロクリスタリンワックス 1 1 1 1 1 1
セレシン 15 15 15 15 15 15
ジイソステアリン酸グリセリル 10 10 10 10 10 10
マカダミアナッツ油 10 10 10 10 10 10
流動パラフィン 10 10 10 10 10 10
キャンデリラロウ − − 3 − − −
トリアコンタン酸 − − − 0.6 − −
トリアコンタノール − − − − 0.6 −
n−トリアコンタン − − − − − 0.6
トコフェロール 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
イソオクタン酸グリセリル 残余 残余 残余 残余 残余 残余
顔料:ベンガラ 5 5 5 5 5 5
パール剤:雲母チタン 3 3 3 3 3 3
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100 100 100 100 100
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
安定性1 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
安定性2 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
顔料・パール剤の凝集 ◎ × ◎ ◎ △ ×
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(製法)
加熱溶解した油相に顔料を分散したものを金型に流し込んで放冷し、スティック状口紅を得た。
表9試験例1,2より明らかなように、本発明において特徴的なアルキレンオキシド誘導体の配合により顔料(粉体)の凝集を生じる場合があり、この傾向は顔料とともにパール剤(二酸化チタン被覆雲母)を配合した場合に特に顕著に観察された。この原因については、いまだ検討の余地があるが、油相の極性がアルキレンオキシド誘導体の配合により変化するためと考えられる。
一方、これらの粉体を配合した場合にも、キャンデリラロウを配合した試験例3では、凝集はさほど観察されなかった。
そこで本発明者らは、キャンデリラロウの主成分である炭素数30程度の遊離脂肪酸、遊離アルコール、炭化水素による改善効果を検討した。
その結果、試験例4〜6より遊離脂肪酸に優れた凝集防止効果が認められた。
次に、本発明者らは、遊離脂肪酸の炭素数と粉体凝集防止効果の相関について検討を行った。
(表10)
(油性口紅)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例 7 8 9 10 11 12
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
油相:
アルキレンオキシド誘導体 − 5 5 5 5 5
マイクロクリスタリンワックス 1 1 1 1 1 1
セレシン 15 15 15 15 15 15
ジイソステアリン酸グリセリル 10 10 10 10 10 10
マカダミアナッツ油 10 10 10 10 10 10
流動パラフィン 10 10 10 10 10 10
ミリスチン酸(C14) 0.6 − − − − −
パルミチン酸(C16) − 0.6 − − − −
イソステアリン酸(C18) − − 0.6 − − −
ステアリン酸(C18) − − − 0.6 − −
ベヘニン酸(C22) − − − − 0.6 −
トリアコンタン酸(C30) − − − − − 0.6
トコフェロール 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
イソオクタン酸グリセリル 残余 残余 残余 残余 残余 残余
顔料:ベンガラ 5 5 5 5 5 5
パール剤:雲母チタン 3 3 3 3 3 3
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100 100 100 100 100
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
安定性1 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
安定性2 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
顔料・パール剤の凝集 △ ○ ○ ◎ ◎ ◎
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
表10に示す結果より、炭素数16程度の脂肪酸(試験例7)で凝集改善効果は認められたが、特に炭素数18以上で顕著な効果が認められ(試験例10〜12)、また直鎖(試験例10)と分岐(試験例9)を比較した場合には、直鎖の方が効果が高い傾向にあった。
なお、本発明者らが別途行った検討に寄れば、炭素数40程度までの脂肪酸は製造上も特に問題なく使用可能であった。
さらに本発明者らは乳化口紅用組成物についても同様の検討を行った。結果を表11に示す。
(表11)
(乳化口紅)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例 13 14 15 16 17 18 19 20
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
乳化ベース:
(1)グリセリン 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
(2)精製水 3 3 3 3 3 3 3 3
(3)ヒドロキシステアリン酸
コレステリル 5 5 5 5 5 5 5 5
(4)ジメチコンコポリオール 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
(5)メチルフェニルポリシロキサン 5 5 5 5 5 5 5 5
油相:
(6)アルキレンオキシド誘導体 − 5 5 5 5 5 5 5
(7)マイクロクリスタリンワックス 1 1 1 1 1 1 1 1
(8)セレシン 15 15 15 15 15 15 15 15
(9)ジイソステアリン酸グリセリル 10 10 10 10 10 10 10 10
(10)マカダミアナッツ油 10 10 10 10 10 10 10 10
(11)流動パラフィン 10 10 10 10 10 10 10 10
(12)ミリスチン酸 − − 0.6 − − − − −
(13)パルミチン酸 − − − 0.6 − − − −
(14)イソステアリン酸 − − − − 0.6 − − −
(15)ステアリン酸 − − − − − 0.6 − −
(16)ベヘニン酸 − − − − − − 0.6 −
(17)トリアコンタン酸 − − − − − − − 0.6
(18)トコフェロール 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
(19)イソオクタン酸グリセリル 残余 残余 残余 残余 残余 残余 残余 残余
(20)顔料:ベンガラ 5 5 5 5 5 5 5 5
(21)パール:雲母チタン 3 3 3 3 3 3 3 3
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100 100 100 100 100 100 100
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
安定性1 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
安定性2 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
顔料・パール剤の凝集 ○ × × △ △ ○ ○ ◎
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(製法)
まず、(3)〜(5)を加熱混合し(油相部)、別に(1)を(2)に溶解した(水相部)後、水相部を前記油相部に添加分散してW/O型乳化ベースを得た。次に、(6)〜(19)を加熱溶解した油相に、(20),(21)を分散した後、前記乳化ベースを添加して十分攪拌混合し、金型に流し込んで放冷し、スティック状W/O型乳化口紅を得た。
乳化口紅用組成物においても、前記油性口紅組成物と同様、炭素数16以上の脂肪酸で効果が見られ、特に炭素数18以上で効果が高かった。
さらに本発明者らは、高級脂肪酸の配合量について検討を行った。結果を次の表12に示す。
(表12)
(乳化口紅)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例 21 22 23 24 25 26
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
乳化ベース:
(1)グリセリン 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
(2)精製水 3 3 3 3 3 3
(3)ヒドロキシステアリン酸
コレステリル 5 5 5 5 5 5
(4)ジメチコンコポリオール 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
(5)メチルフェニルポリシロキサン 5 5 5 5 5 5
油相:
(6)アルキレンオキシド誘導体 − 5 5 5 5 5
(7)マイクロクリスタリンワックス 1 1 1 1 1 1
(8)セレシン 15 15 15 15 15 15
(9)ジイソステアリン酸グリセリル 10 10 10 10 10 10
(10)マカダミアナッツ油 10 10 10 10 10 10
(11)流動パラフィン 10 10 10 10 10 10
(12)トリアコンタン酸 − 0.1 0.3 0.6 0.8 1.0
(18)トコフェロール 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
(19)イソオクタン酸グリセリル 残余 残余 残余 残余 残余 残余
(20)顔料:ベンガラ 5 5 5 5 5 5
(21)パール:雲母チタン 3 3 3 3 3 3
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100 100 100 100 100
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
安定性1 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
安定性2 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
顔料・パール剤の凝集 × × ○ ◎ ◎ ◎
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
効果が高かったトリアコンタン酸について濃度を検討したところ、0.3%程度から効果が確認され、0.6%以上配合しても粉体の凝集を抑制する効果の大きな向上は認められない。このことから高級脂肪酸の配合量は0.3%以上、特に好ましくは0.6%(アルキレンオキシド誘導体配合量に対して6〜100%)以上であると考えられた。配合量については凝集防止の観点からは特に上限はないが、製剤上の観点からは5質量%程度までが好適であり、これを超えて配合してもむしろ塗布時に伸びが悪くなったり、滑らかさが低下することがある。
以下、本発明の口紅用組成物の配合例を示す。
配合例1 油性口紅
油相:
(1)アルキレンオキシド誘導体 5.0質量%
(Mw 4000, EO40%, R1=R2=CH3
(2)マイクロクリスタリンワックス 1.0
(3)セレシン 14.0
(4)トリイソオクタン酸グリセリル 35.0
(5)水添ポリブテン 10.0
(6)メトキシケイヒ酸オクチル 5.0
(7)ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
(8)酢酸トコフェロール 0.1
(9)トリオクタン酸トリメチロールプロパン 残 余
顔料:
(10)ベンガラ 2.0
(11)二酸化チタン 4.0
(製法)
表1と同様にして、油性口紅を得た。
配合例2 乳化口紅
乳化ベース;
(1)精製水 1.5質量%
(2)エデト酸三ナトリウム 0.01
(3)グリセリン 0.2
(4)αグルコシルヘスペリジン 0.3
(5)マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 3.0
(6)ジメチコンコポリオール 0.5
(7)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
油相;
(8)アルキレンオキシド誘導体 5.0
(Mw 3000, EO30%, R1=R2=CH3
(9)マイクロクリスタリンワックス 1.0
(10)セレシン 14.0
(11)トリイソオクタン酸グリセリル 35.0
(12)水添ポリブテン 10.0
(13)メトキシケイヒ酸オクチル 5.0
(14)ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
(15)酢酸トコフェロール 0.1
(16)トリオクタン酸トリメチロールプロパン 残 余
顔料;
(17)ベンガラ 2.0
(18)二酸化チタン 4.0
(製法)
表2と同様にして、乳化口紅を得た。
配合例3 乳化口紅
乳化ベース:
(1)精製水 1.5質量%
(2)L−アルギニン塩酸塩 0.1
(3)αグルコシルヘスペリジン 0.1
(4)モンモリロナイト 1.0
(5)ジイソステアリン酸ジグリセリル 0.5
(6)スクワラン 10.0
油相;
(7)アルキレンオキシド誘導体 5.0
(Mw 4000, EO50%, R1=R2=CH3
(8)ポリエチレン 1.0
(9)セレシン 12.0
(10)カルナバロウ 2.0
(11)ヒマシ油 10.0
(12)トリイソステアリン酸グリセリル 10.0
(13)ビタミンAパルミテート 0.1
(14)トコフェロール 0.2
(15)香料 適 量
(16)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 残 余
顔料;
(17)赤色201号 1.0
(18)赤色202号 2.0
(製法)
表2と同様にして、乳化口紅を得た。
配合例4 乳化口紅
乳化ベース;
(1)ミネラルウォーター 3.0質量%
(2)グリセリン 0.2
(3)αグルコシルヘスペリジン 1.5
(4)モンモリロナイト(Vanderbuilt社製ビーガムHV) 3.0
(5)モノオレイン酸グリセリル 0.5
(6)合成イソパラフィン 10.0
油相;
(7)アルキレンオキシド誘導体 5.0
(Mw 3000, EO50%, R1=R2=CH3
(8)カルナバロウ 1.0
(9)キャンデリラロウ 3.0
(10)合成ワックス 10.0
(11)トリイソオクタン酸グリセリル 30.0
(12)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(13)オリーブ油 5.0
(14)レシチン 0.1
(15)トコフェロール 0.1
(16)香料 適 量
(17)ジイソステアリン酸グリセリル 残 部
顔料;
(18)黄酸化鉄 1.0
(19)二酸化チタン 2.0
(20)雲母チタン 1.0
(製法)
表1と同様にして、乳化口紅を得た。
配合例5 乳化口紅
乳化ベース;
(1)精製水 1.5質量%
(2)グリセリン 1.0
(3)αグルコシルヘスペリジン 0.1
(4)合成ヘクトライト(ラポナイトXLG) 2.0
(5)ソルビタンセスキオレート 0.5
(6)流動パラフィン 10.0
油相;
(7)アルキレンオキシド誘導体 5.0
(Mw 4000, EO40%, R1=R2=CH3
(8)ポリエチレンワックス 11.0
(9)セレシン 2.0
(10)マカデミアナッツ油 35.0
(11)スクワラン 10.0
(12)トコフェロール 0.1
(13)ジイソステアリン酸グリセリル 残 部
顔料;
(14)ベンガラ 2.0
(15)黒酸化鉄 0.1
(16)二酸化チタン 4.0
(17)青色1号 1.0
(製法)
表2と同様にして、乳化口紅を得た。
配合例6 リップクリーム
乳化ベース;
(1)精製水 1.0質量%
(2)クエン酸ナトリウム 0.01
(3)グリセリン 0.3
(4)αグルコシルヘスペリジン 0.5
(5)ヒドロキシステアリン酸コレステリル 3.0
(6)ジメチコンコポリオール 0.5
(7)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
油相;
(8)アルキレンオキシド誘導体 5.0
(Mw 4500, EO30%, R1=R2=CH3
(9)マイクロクリスタリンワックス 1.0
(10)セレシン 10.0
(11)キャンデリラロウ 2.0
(12)トリイソステアリン酸グリセリル 30.0
(13)リンゴ酸ジイソステアリル 10.0
(14)トコフェロール 0.1
(15)酢酸トコフェロール 0.2
(16)L−メントール 0.05
(17)トリイソオクタン酸グリセリル 残 余
(製法)
(5)〜(7)を加熱溶解(油相部)し、(1)〜(4)を混合溶解(水相部)した後、これを前記油相部に添加分散して乳化ベースを得た。これを(8)〜(17)を加熱溶解したものに添加して十分攪拌混合した。これを金型に流し込んで放冷し、リップクリームを得た。
配合例7 軟膏状リップクリーム
乳化ベース;
(1)精製水 1.0質量%
(2)1,3−ブチレングリコール 1.0
(3)パントテニルエチルエーテル 0.5
(4)αグルコシルヘスペリジン 0.8
(5)ラノリン 10.0
(6)ポリオキシエチレンラノリンアルコール 1.0
(7)オリーブ油 10.0
油相;
(8)アルキレンオキシド誘導体 5.0
(Mw 4000, EO40%, R1=R2=CH3
(9)ワセリン 20.0
(10)パルミチン酸デキストリン 8.0
(11)マカデミアナッツ油 3.0
(12)トコフェロール 0.1
(13)流動パラフィン 残 余
(製法)
(5)〜(7)を加熱溶解(油相部)し、(1)〜(4)を混合溶解(水相部)した後、これを前記油相部に添加分散して乳化ベースを得た。これを(8)〜(13)を加熱溶解したものに添加して十分攪拌混合した。これを室温まで冷却して軟膏状リップクリームを得た。
配合例8 乳化口紅
乳化ベース;
(1)ミネラルウォーター 3.0質量%
(2)グリセリン 0.2
(3)αグルコシルヘスペリジン 1.5
(4)アスコルビン酸パルミテート 0.5
(5)モンモリロナイト(Vanderbuilt社製ビーガムHV) 3.0
(6)モノオレイン酸グリセリル 0.5
(7)合成イソパラフィン 10.0
油相;
(8)アルキレンオキシド誘導体 3.0
(Mw 3000, EO30%, R1=R2=CH3
(9)カルナバロウ 1.0
(10)キャンデリラロウ 3.0
(11)合成ワックス 10.0
(12)トリイソオクタン酸グリセリル 30.0
(13)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(14)オリーブ油 5.0
(15)レシチン 0.1
(16)トコフェロール 0.1
(17)香料 適 量
(18)ジイソステアリン酸グリセリル 残 部
顔料;
(19)黄酸化鉄 1.0
(20)二酸化チタン 2.0
(21)雲母チタン 1.0
(製法)
表2と同様にして、乳化口紅を得た。
配合例9 リップクリーム
乳化ベース;
(1)精製水 1.0質量%
(2)クエン酸ナトリウム 0.01
(3)グリセリン 0.3
(4)αグルコシルヘスペリジン 0.5
(5)αグリコシル−L−アスコルビン酸 0.3
(6)ヒドロキシステアリン酸コレステリル 3.0
(7)ジメチコンコポリオール 0.5
(8)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
油相;
(9)マイクロクリスタリンワックス 1.0
(10)セレシン 10.0
(11)キャンデリラロウ 2.0
(12)トリイソステアリン酸グリセリル 30.0
(13)リンゴ酸ジイソステアリル 10.0
(14)トコフェロール 0.1
(15)酢酸トコフェロール 0.2
(16)L−メントール 0.05
(17)トリイソオクタン酸グリセリル 残 余
(18)アルキレンオキシド誘導体 3.0
(Mw 4000, EO40%, R1=R2=CH3
(製法)
(6)〜(8)を加熱溶解(油相部)し、(1)〜(5)を混合溶解(水相部)した後、これを前記油相部に添加分散して乳化ベースを得た。これを(9)〜(18)を加熱溶解したものに添加して十分攪拌混合した。これを金型に流し込んで放冷し、リップクリームを得た。
配合例10 リップグロス
油相:
アルキレンオキシド誘導体 5.0質量%
(Mw 3000, EO30%, R1=R2=CH3
流動パラフィン 10.0
ポリイソブテン 10.0
リンゴ酸ジイソステアリル 10.0
パルミチン酸デキストリン 10.0
トコフェロール 0.1
香料 適 量
ジイソステアリン酸グリセリル 残 余
顔料:
黒酸化鉄 1.0
黄酸化鉄 0.5
二酸化チタン 1.0
赤色201号 1.0
(製法)
表1と同様にして、リップグロスを得た。
配合例11 乳化リップグロス
乳化ベース;
(1)グリセリン 0.5質量%
(2)精製水 3.0
(3)合成ヘクトライト(ラポナイトXLG) 5.0
(4)ジメチコンコポリオール 0.5
(5)メチルフェニルポリシロキサン 5.0
油相:
(6)アルキレンオキシド誘導体 10.0
(Mw 4000, EO50%, R1=R2=CH3
(7)セレシン 5.0
(8)流動パラフィン 10.0
(9)ポリイソブテン 10.0
(10)リンゴ酸ジイソステアリル 10.0
(11)パルミチン酸デキストリン 10.0
(12)トコフェロール 0.1
(13)メトキシケイヒ酸オクチル 5.0
(14)香料 適 量
(15)ジイソステアリン酸グリセリル 残 余
顔料:
(16)雲母チタン 1.0
(17)二酸化チタン 1.0
(18)ベンガラ 1.0
(製法)
表2と同様にして、リップグロスを得た。
上記配合例1〜11の口紅用組成物は、何れも高い保湿効果を有し、使用感、安定性、製品強度にも優れるものであった。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で示され、分子量が3,000〜5,000のアルキレンオキシド誘導体を1〜50質量%配合し、水及び/又は保湿剤を0.01〜20質量%配合することを特徴とする口紅用組成物。
    (化1)
    1O−[(AO)m(EO)n]−R2 …(1)
    (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ炭素数3〜4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70であり、オキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、20〜80質量%である。オキシアルキレン基とオキシエチレン基はランダム状に付加している。R及びRは同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。)
  2. 請求項1記載のアルキレンオキシド誘導体において、一般式(1)中、オキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、30〜50質量%であることを特徴とする口紅用組成物。
  3. 請求項1または2に記載の組成物において、粉体と、炭素数16〜40の高級脂肪酸と、を含むことを特徴とする口紅用組成物
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