JP4760704B2 - 注液キャップ - Google Patents

Description

本発明の主題は、ボトルのネック部に固定された下部の装着部、注液部分を含んでいる上部のカバー部、キャップとボトルとの間の気密シールのためのシール要素、液体を注ぐための流出口、チューブを保持するためのチューブ支持部、注液を阻止する、不可逆に取り外しできる固定用部材、および必要なら公知の完成用要素からなるボトルの注液キャップである。

品質低下を防止するために、飲み残した炭酸飲料の二酸化炭素含有量の低下を可及的に減少させる努力がなされている。このために、昔のソーダ水のボトルに似たプラスチック製の注液ヘッドが使用されるようになっている。

ハンガリー特許明細書HU 214,254は、ボトルを閉じ、流体内容物を注液し、単純なねじ込みキャップより背が高くならないプラスチック製注液ヘッドに関する。この解決手段は１回用の安価な使い捨て製品を提供するが、反復使用に対しては防護されていない。最初に開栓した時にキャップから引きちぎられるボトルネック部に装着された安全リング閉じ具を使って、当初のボトルを既に開けてしまったことを示すようになっている。これは注液ヘッドまたはキャップには適用できない。なぜなら、それらはボトルから取り外さずに液体を注ぐものであるからである。これは液体の部分的な注液を防止しないが、ボトルと注液ヘッドとの間の連結の不正な開栓を表示する。

米国特許第6,036,170号では、バルブを作動させるためにストラップを設けた折り曲げ可能なアームが使用されている。炭酸液体を注ぐには、まずこのストラップをはずす必要がある。しかし、このストラップはカップの背を高くし、折り曲げ可能なアームは破断するのに扱いにくい。流出口の口を閉じ、米国特許第5,894,962号にしたがって最初に使用する前にそれを破断しなければならない。この方法は、バルブアセンブリの作動に対しては直接的には抑制するものではなく、開口部の閉鎖により間接的に抑制するだけである。
欧州特許公開第0 420 561号は、アクチュエータ要素がヘッドの残りの部分にヒンジ連結されている注液ヘッドの解決手段を教えている。最初に使用する際に、ユーザーはアクチュエータ要素を押し下げることができるようにブリッジを破断するのに十分な圧力をアクチュエータ要素に加える必要がある。この解決手段は、消費者に対して事前の開栓を十分に明瞭には示さない。

本発明の解決手段は、使い捨てできるほど十分に安価で、ボトルの不正な開栓と同時に液体の部分的な注液に対しても防護する、ソフトドリンクボトル用のフラットまたは背の低い注液キャップを開発することを目指したものである。

本発明の解決手段は、使い捨てできるよう十分に安価にするには、補完要素を利用せずにキャップをワンピースから構成すべきであるという着想に基づいている。それは単一の型（モールド）で型成形またはダイキャストしたものでよい。モールドは、複雑になって、そのコストは高くなるが、組立てコストは低減する。

本発明の解決手段を確立する別の着想は、注液ユニットの押し下げを防止して不正使用を解消可能にすることである。防止部が取り除かれると、パッケージ製品はまだ触れられたことのないものであることが明瞭となる。

別の着想は、ボトルのネック部に装着する下部固定部分、その上のカバー部分、および注液を防止する固定用部材をワンピース（一体品）として連結して製作すると、構想した課題が全て満たされた、従来技術には追従しない新たな結果に到達することである。

上記着想に基づく本発明の解決手段は、ボトルのネック部に固定される下部装着部、バルブおよび開放部材のような注液要素を含んだ上部カバー部、キャップとボトルとの間の気密シールを与えるシール要素、液体を注ぐための流出口、サイフォン構造のチューブを保持するチューブ支持部、注液を阻止する不可逆に取り外しできる固定用部材、および必要なら公知の完成用要素からなるボトルの注液キャップである。

本発明に係る注液キャップは、その流出口が、装着部に属する流出口下部部材とカバー部に属する流出口上部部材とからなり、さらに開放部材が、装着部に属するバルブケースとカバー部に属するバルブとからなり、カバー部は、バルブケースを包囲するがバルブケースの上部高さには達していない保持チューブを備え、固定用部材は、流出口内にあって、流出口上部部分の外周上端への１回破断可能な連結部を有していて、かつ保持チューブの下側を通ってバルブケースにより支持されており、この固定用部材の好ましくはフォーク状に分岐した端部がバルブを包囲していることを特徴とする。

本発明の注液キャップは、装着部とカバー部と固定用部材とが、注液キャップの下部部分と上部部分とを恒久的に連結するために、装着部に複数のドエル穴が形成され、このドエル穴に入るドエルピンがカバー部に形成されているといった、任意の公知の接合構造によって一体に結合されて、注液キャップに組立てられているという有利な特徴を有する。

本発明の注液キャップは、装着部が、その下端に内向きの固定用フランジを有している、ボトルのネック部にぴったり嵌まる円筒形シェルを含んでおり、このフランジが、ボトルへの装着後にボトルのネック部の外部フランジの下側に恒久的につながった状態になるという有利な特徴を有する。

本発明の注液キャップは、装着部が、ボトルのネック部に外側から弾性的に嵌まる内向きのフランジと、ボトルの口部に入り込んでそれに内側から弾性的に嵌まる密封用スタブ(突出足部)とを備えるという有利な特徴を有する。

本発明の注液キャップは、装着部が、その縁部に上向きのカラーを備えており、このカラーが、カバー部壁面とこれに平行なカバー部の下向き内部壁面とにより形成されたグルーブ（溝）内に嵌まり込むという、有利な特徴を有する。

本発明に係る注液キャップは、ダイアフラム（隔膜）が、バルブの周囲でカバー部の上面の肉厚を減ずることによって造形されており、このダイアフラムが、これを全体的または部分的に包囲する突起によって補完されているという、有利な特徴を有する。

本発明に係る注液キャップは、装着部とカバー部と固定用部材が、ワンピース（一体部品）を構成する、すなわち、これらは製造過程で連結されている、という有利な特徴を有する。

以下に添付図面を用いて本発明を説明するが、本発明による解決手段および保護は図示の態様に何ら制限されるものではない。
本発明の注液キャップ10は、装着部１と、内部に固定用部材27を有するカバー部２、とから構成される（図１および２を参照）。装着部１は実質的に中空の円筒体であって、液体を注ぐための流出口下部部材11を備え、中心に穴を持つ円板101により閉鎖されている。流出口上部部材21を含んでいるカバー部２は、装着部１を上から閉じて完成させる部分である（図３を参照）。

図示のように、注液キャップ10は、２つの連結された正確に嵌まり会う部分からなる。図４は注液キャップ10の２部分が一体に連結されてワンピース（一体構成品）として製造されることを示している。図４では左から右に向かって装着部１、カバー部２および固定用部材27が示されている。注液キャップ10は、固定用部材27をカバー部２の中に折り込み、次いでカバー部２を装着部１の上に折り曲げて固定するようにして形成される。

詳しい説明は次の通りである。注液キャップ10の装着部１は、ボトルのネック部を包囲し、それに円筒壁面14の内部で外側からぴったり嵌まる（嵌合する）フランジ15を有する。円筒壁面14を閉鎖する円板（ディスク）101から突き出ている密封用スタブ（突出）16が、ボトルのネック部に内側から嵌合する。円板101は、その中心に上向きに突き出た円形開口を有し、これが、バルブケース12と下側では弁座（バルブシート）とを形成している。バルブケース12と同軸のリング形状のチューブ支持部13は、バルブケース12より大径で、円板101から下側に突き出ている。

固定用フランジ17が装着部１の下部にあり、この固定用フランジ17をボトルのネック部に設けた円形突出部の下側にスナップ嵌めすることにより注液キャップ10をボトルに恒久的に固定することができる。装着部１は、固定用フランジ17、フランジ15および密封用スタブ16によってボトルのネック部にしっかり固定されて配置される。ただし、この「しっかり」という意味はプラスチックの弾性によるものであることは言うまでもない。

カバー部２は、連結片19により装着部１に連結されている。連結片19は、折り曲げ用に設計されたプ細長いラスチック片であるか、または任意の他の公知の折り曲げ可能な部分（例、折り畳み構造物）である。肉厚を減ずることにより造形された薄い比較的弾性のダイアフラム（隔膜）23がカバー部の上部を、その周辺の円形リング部分を除いて閉鎖している。

バルブケース12と同軸でこれに正確に嵌合する中空のわずかにフレア状に開いたバルブ22がダイアフラム23の中心から下向きに突き出ている。このバルブ22のフレア状に開いた下部フランジは、円板101の下部に造形された弁座にはまり込んで着座する。バルブ22は、ダイアフラム23とボトルに炭酸系ソフトドリンクを入れた時のガス圧とにより保持されて上昇位置にあり、その下部フランジはバルブケース12をぴったり閉じている。

ダイアフラム23を押し下げると、バルブ22が下降してバルブケース12を開き、液体を流出させる。カバー部２の上では、剛性の突起部29がダイアフラム23の周囲円周の３／４あるいは少なくともダイアフラム23の両側に突き出ていて、ダイアフラムを意図しない押し下げから保護している。

カバー部２の主要部分はカバー壁面24であり、これはほぼ完全な円の形状を有するが、流出口上部部材21だけで途切れており、従ってカバー壁面24は全円よりは短くなっている。カバー部２は、ダイアフラム23の周囲のリング部分ではカバー壁面24と同じ厚みを有する。このリング部分から、内部壁面26が、流出口上部部材21の部分を除いて、カバー部２内でカバー壁面24と平行に下向きに突き出ている。カバー壁面24と内部壁面26はカラー18を受け入れるグルーブ（溝）28を形成する。この構造は装着部１とカバー部２を迷路連結により連結し、しっかり結合する。

短いスタブを形成する保持チューブ25がダイアフラムから下向きに突き出ていて、カバー部２内に固定用部材27により支持されている。固定用部材27は流出口上部部材21の外周端部からカバー部２の中心まで入り込んでいて、そのフォーク状に分岐した末端はバルブケース12の上で３辺からバルブ22を包囲している。固定用部材27はヒンジ構造により流出口上部部材21の外周上端に連結されている。

フラット・ヒンジ連結部211が流出口上部部材21の外周上端に一線に沿って連結されている。これは、流出口上部部材21に対して折り曲げるか、これから引きちぎることができる。このヒンジ連結部211（図５を参照）は片側に２つのヒンジ212を備えた矩形形状を有する。矩形の長さは流出口上部部材21の幅より大きく、矩形の幅は流出口上部部材の高さ（模擬高さ）に等しい。従って、ヒンジ連結部211は流出口の開口部を閉じる。ヒンジ212の穴が共通の直線上に位置する。固定用部材27の一端の両側にはヒンジボルト213があり、これらのボルトがヒンジ212の穴の中に入って、ヒンジ構造が構成される。固定用部材の他端は幅広になっていて、上記フォーク（分岐）形状を形成している。

ダイアフラム23を押し下げると、保持チューブ25は固定用部材27により停止され、固定用部材27はバルブケース12の上に保持されているので、ダイアフラム23はこうしてそれ以上の押し下げが妨げられる。固定用部材27がその所定位置にある間は、ボトルの開放はバルブ22と流出口の両方で防止される。ヒンジ連結部211は流出口より幅広であるので、これは２本の指で両側から容易につかむことができる。ヒンジ連結部211は流出口上部部材21に薄肉または有孔の連結部によって一線に沿って結合しているので、流出口を損傷せずに引きちぎることができる。ヒンジ連結部211を流出口上部部材21の端部から引きちぎると、固定用部材27を引き出して、捨てることができるようになる。

この注液キャップ10は、ボトルを閉めるのに使用できるだけでなく、液体をそれから注ぐのにも使用できる。ヒンジ連結部211の色をカバー部２と異なる色にすると、結果として、ボトルが当初の状態ではないこと、すなわち、それが既に開けられて使用されてしまっていること、が一目瞭然になるので、有利である。但し、ヒンジ連結部211は流出口より幅広であるため、同じ色であってもこの目的を完全に満たすことは明らかである。

装着部１の４点に設けたドエル穴41と、それに入り込むドエルピン42は、ドエルピン42をドエル穴41の中にスナップ嵌めすることにより、手で行う恒久的連結によって装着部の安全な連結に役立っている。ドエル穴41とドエルピン42の数は、必要に応じて妥当な制限内で増やしてもよい。装着部１とカバー部２は本発明で追求する保護の程度に影響を及ぼさない限り、他の任意の公知の方法によって恒久的に連結することもできる。

注液キャップ10の３つの部分、すなわち、装着部１、カバー部２および固定用部材27の全てが、単一のモールドを用いた単一の作業（プロセス）で製造されることが有利である。この製造法には、注液キャップの各部分が確実に同じ材料から作製され、全ての製造パラメータ、すなわち、温度、圧力、それらの経時変化および他の全てパラメータも同一であるという利点がある。

別の利点は、全ての部分が一体に受け入れられることである。各部分を別個に製作し、後でそれらを組立てることも可能であるが、注液キャップが時に異なるセットから選ばれた各部分から構成されていないことは、組立て作業の速度と確実性を高め、かつ製品品質も高める。連結されている部分を単純な動作で折り曲げてスナップ嵌めするだけでよいと、製造の一部である組立て作業もより容易、迅速、かつ確実になる。

単一のモールドを使った製造により本発明の注液キャップは、注ぐことができない単純なキャップのコストと同程度まで安価になる。こうして、再使用、すなわち、必要になるキャップの貯蔵や、要求され、かつ費用のかかるキャップの洗浄と消毒は不要になる。

以上の説明を要約すると、本発明は、一つのモールドで一緒に製作される注液キャップの上部部分と下部部分の安全確実な挿入および組立てといった新たな特徴を有する注液キャップに関する。

ここに説明した注液キャップは、この分野でこれまで完全に未解決であった問題点に対する解決手段を与える。なぜなら、平たい注液キャップはもとより、あらゆる種類の注液キャップについて、当初のボトルから１回でも、あるいは少量でも注ぐのを防止または表示するための安全用具がこれまでは存在しなかったからである。

本発明に係る解決手段は、サイズが小さく、価格は１回使用（使い捨て）に十分で、かつ衛生面の要求も十分に満たす注液キャップを与えることができる。

本発明に係る注液キャップの有利な構成の横断面図。 図１に示した注液キャップのII−II線に沿った断面図。 図１に示した注液キャップの流出口の側からの単純化した図面。 閉める前の広げた状態での本発明に係る注液キャップの有利な態様の概要図。 カバー部と固定用部材との間の連結部の概要図。

Claims (7)

1. 下記を備えるボトル用の注液キャップであって：
   ・ボトルのネック部に固定される下部装着部(1)、この下部装着部(1)は、バルブケース(12)と、前記キャップと前記ボトルとの間の気密シールのためのシール要素と、サイフォン構造のチューブを保持するためのチューブ支持部、とを備え;
   ・バルブ(22)と、注液を阻止する、不可逆に取り外しできる固定用部材(27)、とを備えた上部カバー部(2);ならびに
   ・液体を注ぐための流出口、
   下記の点を特徴とする注液キャップ：
   前記流出口は、下部装着部(1)に設けられた流出口下部部材(11)と上部カバー部(2)に設けられた流出口上部部材(21)とからなり、
   上部カバー部(2)は、バルブケース(12)の上部より高い位置に装着された、バルブ(22)を包囲している保持チューブ(25)を備え、
   固定用部材(27)の一部は前記流出口の内部に配置され、かつ流出口上部部分(21)の外周上端への１回破断可能な連結部を有しており、この固定用部材(27)はまた、保持チューブ(25)の下側を通ってバルブケース(12)により支持されており、かつバルブ(22)を部分的に包囲するフォーク状に分岐した端部を有し、
   下部装着部(1)は、その縁部に上向きのカラー(18)を備えており、このカラーが、上部カバー部(2)のカバー部壁面(24)と、このカバー部壁面(24)に平行な、上部カバー部(2)の下向きの内部壁面(26)とにより形成されたグルーブ(28)内に嵌まり込んでいる。
2. 下部装着部(1)と、上部カバー部(2)と、固定用部材(27)とが、注液キャップの下部装着部(1)と上部カバー部(2)とを恒久的に連結するように構成された連結手段により一体に連結されて注液キャップに組立てられている、請求項１に記載の注液キャップ。
3. 前記下部装着部(1)が、ボトルのネック部にぴったり嵌まる円筒形シェルを含んでいて、この円筒形シェルがその下端に内向きの固定用フランジ(17)を有しており、この固定用フランジ(17)がボトルへの装着後にボトルのネック部の外部フランジの下側に恒久的に嵌まりこんだ状態になる、請求項１または２に記載の注液キャップ。
4. 前記シール要素が下記を備える請求項１〜３のいずれかに記載の注液キャップ：
   ・ボトルのネック部に外側から弾性的に嵌まる内向きのフランジ(15)と、
   ・ボトルの口部に入り込んで、ボトルのネック部に内側から弾性的に嵌まる密封用スタブ(16)。
5. バルブ(22)の上で上部カバー部(2)の上面の肉厚を減ずることによって上部カバー部(2)内にダイアフラム(23)が造形されており、このダイアフラム(23)が上部カバー部(2)の突起部(29)によって部分的または全体的に包囲されている、請求項１〜４のいずれかに記載の注液キャップ。
6. 下部装着部(1)と上部カバー部(2)と固定用部材(27)とがワンピースとして製作されている、請求項１〜５のいずれかに記載の注液キャップ。
7. 前記連結手段が、下部装着部(1)に形成された複数のドエル穴(41)と、上部カバー部(2)に形成された該ドエル穴(41)に入る複数のドエルピン(42)とから構成される、請求項２〜６のいずれかに記載の注液キャップ。

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