JP4001364B2 - 注出容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、目薬等の内容液を収納して、滴下状にも注出することのできる注出容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の注出容器として、スクイズ性を有する容器本体の胴部の上端中央に、注出口を形成する注出筒を立設して構成され、使用時には、倒立状態にした容器本体の胴部を押圧することにより、注出口から内容液を注出させるようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術にあっては、注出口と容器本体内とが常に連通している構造のため、埃等の異物が注出口から容器本体内に侵入するする恐れがある、と云う衛生上の問題があった。
【0004】
また、注出筒内の下部に、注出口と胴部内の間の流路を遮断し、注出時にのみ、この流路を開口するように作用する弁を配設した注出容器が開示されている(特開2000−210368号公報参照)。
【0005】
しかしながら、この公報記載の従来技術にあっては、弁が注出筒内の下部に配設されているため、胴部内への異物の侵入はほぼ防止できるが、注出口から弁までの流路には、依然として異物が侵入、付着する恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、注出筒内の流路も含めて、注出口から容器内に異物が侵入することを確実に防止することを技術的課題とし、もって、注出容器を衛生的に安全に使用できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の手段は、
スクイズ変形可能な胴部の上端中央部に、肩部を介して、円筒状の口部を立設した容器本体を有すること、
容器本体の口部に不動にかつ密に組付く組付き筒の上端に、リング状の頂板を連設し、この頂板に、空気孔を開設すると共に、注出孔を開設した注出筒を中央に立設した中栓体を有すること、
中栓体の注出筒に外嵌する円筒部の上端に、段部を介して、中栓体の注出孔を塞ぐ頂部を連設すると共に、この頂部にスリットを開設して注出弁を形成し、かつ円筒部の下端に、中栓体の空気孔からの内容液の流出は阻止するが、外気の進入は許す吸気弁を連設した弾性材から成る弁体を有すること、
上端の中央に開設した円孔の開口縁部が、弁体の段部に係止すると共に、中栓体との間に空気通路を形成した状態で、この中栓体に不動に組付く弁保持体を有すること、
にある。
【0008】
容器の非使用時においては、弁体の注出弁が中栓体の注出孔を閉じていると共に、弁体の吸気弁も閉弁しているので、容器内は充分に密閉され、異物が侵入する恐れは全く無い。
【0009】
使用に際しては、容器を倒立させて容器本体の胴部を押圧すると、内圧の上昇により、内容液が注出孔から注出弁を押し開きながら流出し、スリットの中央から注出される。
【0010】
この際、吸気弁は、容器本体の内圧の上昇により、密閉状態を確保するので、内容液が中栓体の空気孔から漏出することはない。
【0011】
胴部の押圧を解除すると、注出弁が閉じて内容液の注出が停止すると共に、容器内の減圧により、外気が弁保持体と外筒片との間の空気通路を通り、吸気弁の少なくとも一部分を開き、さらに中栓体の空気孔を通って容器内に入り、容器内を常圧に戻す。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、中栓体を、頂板に複数の空気孔を開設し、注出筒の上端に連設した頂壁に複数の注出孔を開設し、空気孔よりも外側の頂板の上面に外筒片を立設して構成し、弁体の注出弁を構成する頂部を、中栓体の頂壁に被嵌する構造とし、さらに弁体の吸気弁を、下端縁を中栓体の外筒片の内周面に密に弾接させる、下方に拡径した筒状構造とした、ことを加えたものである。
【0013】
この請求項2記載の発明にあっては、中栓体の頂壁が、注出弁の弁座面を提供することになるので、注出弁の構成が簡単となり、同様に、中栓体の外筒片の内周面を吸気弁の弁座面とすることにより、中栓体の空気孔の外側に吸気弁を形成するのが容易となる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に、中栓体の頂壁をドーム状に形成すると共に、弁体の注出弁を構成する頂部を、中栓体の頂壁に被嵌するドーム状に形成した、ことを加えたものである。
【0015】
この請求項3記載の発明にあっては、注出された内容液は、必ずドーム状の頂点部分に集中してから流下することになるので、内容液を滴下状に注出する場合には、きわめて有利となる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成に、内容液を目薬とした、ことを加えたものである。
【0017】
この請求項4記載の発明にあっては、注出した内容液を、適正に滴下させることができるので、目薬の目への滴下供給を好適に達成することができ、また注出孔に外気が侵入しないので、この注出孔が汚れることがなく、衛生上、好ましい状態で使用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
スクイズ性を有する合成樹脂製の容器本体1は、偏平な略四角筒形状に成形されたスクイズ変形可能な胴部2の上端中央部に、肩部を介して、外周面に螺条を刻設した口筒3を立設すると共に、口筒3の上端内縁に、外周面に係合突条を周設した嵌合筒4を起立連設して構成されている。
【0019】
中栓体5は、嵌合筒4にアンダーカット結合により外嵌する組付き筒6の内方に、リング状の頂板7を介して、嵌合筒4の内周面に密接するシール筒8を垂下設すると共に、頂板7の内縁に注出筒9を立設し、この注出筒9の上端に連設したドーム状の頂壁10に、複数の注出孔11が軸対称に開設されている。
【0020】
また、頂板7の内縁には複数の空気孔12が開設されていると共に、頂板7の外側寄りの上面に外筒片13が立設されており、この外筒片13の外周面には、空気通路となる複数の通気溝15を設けた係止突条14が周設されている。
【0021】
ゴム等の弾性材製の弁体16は、注出筒9の上部部分に外嵌する円筒部17の上端に、段部18を介して、頂壁10に被嵌するドーム状の頂部を連設し、この頂部の中央部の注出孔11と重ならない位置に、十字形等の交叉状スリット20を開設して、注出弁19を形成している(図4参照)。なお、スリット20は、十字形等の交叉状に限定されることはなく、単純な直線状であっても良い。
【0022】
また、円筒部17の下端部外周面には、上方から下方へ反転しながら拡径するスカート部を連設し、このスカート部の下端部外周面を外筒片13の内周面に密に弾接させて、吸気弁21を形成している。
【0023】
弁保持体22は、頂部中央に、弁体16の頂部を突出位置させる円孔23を開設したドーム状に形成されていて、この円孔23の開口縁部が、弁体16の段部18上に係止すると共に、周壁の内周面下端部に突周設された係止条24が、中栓体5の係止突条14に下方から係止することにより、弁体16を中栓体5の所定位置に確実に保持する。
【0024】
なお、周壁の内周面の、係止条24の上方には、中栓体5の外筒片13との間に空気通路を形成する凹部25が設けてある(図3参照)。
【0025】
キャップ26は、その周壁の内周面下部に、口筒3の螺条に螺合する螺条27が刻設されていると共に、頂壁の下面に、その先端が弁保持体22の頂部上面に密接するシール筒片28が垂下設されている。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明においては、使用に際して、容器を倒立させて容器本体の胴部を押圧すると、内圧の上昇により、内容液が注出孔から注出弁を押し開きながら流出し、注出弁の中央から注出される。
【0027】
この注出時以外の非使用時においては、弁体の注出弁が中栓体の頂壁に密接して注出孔を閉じていると共に、吸気弁も外筒片に密接して閉弁しているので、容器内は充分に密閉され、異物が侵入する恐れは全く無く、もって注出容器を衛生的に安全に使用することができる。
【0028】
請求項2記載の発明においては、注出弁および吸気弁を、容易にかつ簡単な構成で形成することができる。
【0029】
請求項3記載の発明においては、注出された内容液が、必ず弁体のドーム状頂部の頂点部に集中して流下するので、内容液の注出速度を遅くすることにより、内容液を安定して確実に、滴下させることができる。
【0030】
請求項4記載の発明においては、目薬を好適に滴下注出することができると共に、衛生的に優れた状態を維持して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、要部を半断面にした全体正面図。
【図2】図1に示した実施例の、全体平面図。
【図3】図1に示した実施例の、要部拡大半縦断面図。
【図4】図1に示した実施例の、キャップを取外した上端部分の斜視図。
【符号の説明】
1 ; 容器本体
2 ; 胴部
3 ; 口部
4 ; 嵌合筒
5 ; 中栓体
6 ; 組付き筒
7 ; 頂板
8 ; シール筒
9 ; 注出筒
10; 頂壁
11; 注出孔
12; 空気孔
13; 外筒片
14; 係止突条
15; 通気溝
16; 弁体
17; 円筒部
18; 段部
19; 滴下弁
20; 交叉状スリット
21; 吸気弁
22; 弁保持体
23; 円孔
24; 係止条
25; 凹部
26; キャップ
27; 螺条
28; シール筒片
Claims (4)
- スクイズ変形可能な胴部(2)の上端中央部に、肩部を介して、円筒状の口部(3)を立設した容器本体(1)と、前記口部(3)に不動にかつ密に組付く組付き筒(6)の上端に、リング状の頂板(7)を連設し、該頂板(7)に、空気孔(12)を開設すると共に、注出孔(11)を開設した注出筒(9)を中央に立設した中栓体(5)と、前記注出筒(9)に外嵌する円筒部(17)の上端に、段部(18)を介して、前記注出孔(11)を塞ぐ頂部を連設すると共に、該頂部にスリット(20)を開設して注出弁(19)を形成し、かつ前記円筒部(17)の下端に、前記空気孔(12)からの内容液の流出は阻止するが、外気の進入は許す吸気弁(21)を連設した弾性材から成る弁体(16)と、上端の中央に開設した円孔(23)の開口縁部が、前記弁体(16)の段部(18)に係止すると共に、前記中栓体(5)との間に空気通路を形成した状態で、該中栓体(5)に不動に組付く弁保持体(22)と、から構成した注出容器。
- 中栓体(5)を、頂板(7)に複数の空気孔(12)を開設し、注出筒(9)の上端に連設した頂壁(10)に複数の注出孔(11)を開設し、前記空気孔(12)よりも外側の頂板(7)の上面に外筒片(13)を立設して構成し、弁体(16)の注出弁(19)を構成する頂部を、前記頂壁(10)に被嵌する構造とし、さらに弁体(16)の吸気弁(21)を、下端縁を前記外筒片(13)の内周面に密に弾接させる、下方に拡径した筒状構造とした請求項1記載の注出容器。
- 中栓体(5)の頂壁(10)をドーム状に形成すると共に、弁体(16)の注出弁(19)を構成する頂部を、前記頂壁(10)に被嵌するドーム状に形成した請求項2記載の注出容器。
- 内容液を目薬とした、請求項3記載の注出容器。
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