JP4759992B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に不感帯を通過させた逆起電圧で電圧指令値を補正するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
自動車や車両のステアリング装置をモータの回転力で補助力付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助力付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助トルク)を高速運転時又は低速運転時、或いは直線走行、カーブ走行又は駐車時など、いかなる状況でも、ハンドル操作がスムーズに実行できるように電動パワーステアリング装置の制御装置において、色々な制御上の工夫を凝らしている。
具体的な従来の制御方式の紹介の前に、電動パワーステアリング装置の制御に関する一般的な説明をする。電動パワーステアリング装置の主制御対象であるモータの電圧、電流の関係を式で表わすと、下記(1)式のように表現できる。

V=EMF+(R+s・L)・I …(1)
ここで、Vはモータの端子電圧、Iはモータ巻線電流、Rはモータ巻線抵抗値、L はモータの巻線インダクタンス値、sはラプラス演算子でd/dtを表わす。

(1)式における“EMF”は逆起電圧を示しており、下記(2)式で表わされる。

EMF=Ke・ω …(2)
ここで、Keは逆起電圧定数、ωはロータ角速度である。

(1)式の第2項である“(R+s・L)・I”は電気的要素であって線形性がある。しかし、第1項のEMFはモータの逆起電圧であり、モータの角速度ωによって発生し、タイヤからの外力や電動パワーステアリング装置の機械要素の慣性、摩擦などの非線形要素の影響を大きく受ける。そして、一般的に、非線形要素の制御対象は制御し難い。
ここで、制御方式として代表的なフィードバック制御(以下、「FB制御」と記す)について、簡単に説明する。一般的にFB制御とは、ある制御対象である目標値が、ある基準値と一致するように制御しようとするもので、目標値と基準値との誤差を、例えば比例積分回路(以下、「PI回路」と記す)などに入力して制御するのが一般的である。そして、このPI制御の入力は、目標値の変化量、外乱やノイズの影響、パラメータの変動など全ての影響が混在した信号である。その中のどの要素が、どのように制御に影響しているかということはとりあえず関係なく、とにかく出力が目標値に一致しているかどうかを判断し、一致していなければ修正動作を行うという極めて単純な制御である。よって、かかる純粋なFB制御では、誤差があって初めて修正動作が実行されるため、出力が目標値付近でフラフラと変動してしまい、これが電動パワーステアリング装置においてはモータ出力のトルクリップルとして現れ、ハンドル操作に違和感を与えることになる。
ここで、FB制御を利用した制御装置の一例として特開2002−249061号公報(特許文献1)があり、その内容について、図8を参照して説明する。
車速や操舵トルクを入力し、目標電流決定手段120にて電流指令値Irefを算出する。つまり、図示しないトルクセンサに接続された操舵トルク検出器101で操舵トルクを検出し、位相補償器108で位相遅れを補償し、その出力を操舵トルク制御器102に入力する。更に車速検出器114で検出した車速信号を操舵トルク制御器102に入力し、両入力に基づきドライバがハンドルを操作して発生させた操舵トルクを補助するトルク値を決定する。そして、この補助すべきトルク値をモータ電流決定器107へ入力し、目標電流Irefを決定する。
次に、目標電流Irefに対し、モータ駆動器109の出力の実電流Iactをモータ電流検出器111で検出し、その検出電流を減算回路113にフィードバックし、目標電流Irefと実電流Iactとの誤差を算出し、その誤差を第1の電流制御器103に入力する。基本的には、第1の電流制御器103の出力VdFBでモータ駆動器109を駆動してモータ110を制御するが、上述した色々な状況でもハンドル操作がスムーズに実行されるために、以下に説明する補助信号や補助の制御ループを付加している。
先ず補助信号として外乱電圧Vdist1、外乱電圧Vdist2及び逆起電圧Vbを補償し、外乱電圧推定オブザーバ115によって、指令値Vref通りにモータ駆動器109が出力しているかを観察している。トータルの外乱電圧は(Vdist1+Vdist2+Vb)であるが、逆起電圧Vbは操舵速度に比例し、最大でも3Hz程度であるのに対し、ブラシ振動や転流リップルによる外乱電圧は20〜200Hzなので、ハイパスフィルタ116を利用して逆起電圧Vbを取り除き、外乱電圧Vdistのみを取り出している。取り出された外乱電圧Vdistを第2の電流制御器105に入力し、その出力を加算回路112aでVdFBと加算し、モータ駆動指令電圧Vrefを算出している。このモータ駆動指令電圧Vrefは上述した基本制御のVrefと異なり、外乱電圧を含めて修正したモータ駆動指令電圧Vrefなので、基本制御に比較して、上述した色々なハンドル操作状況にも対応してハンドルをスムーズに操作できるようにしている。
よって、このような構成の制御装置で色々なハンドル操作状況に対応しようとすると、ハイパスフィルタ116、第2電流制御器105などの複雑な制御要素を付加する必要があり、複雑な制御回路になってしまう。
特開2002−249061号公報
上述したように、FB制御の制御対象であるモータに含まれる線形要素と非線形要素とを混在させた状態で制御をすることは、制御対象の中のどの要素が、どのように制御に影響しているかということを気にせず、とにかく出力が目標値に一致しているかどうかを判断して、一致していなければ修正動作を行うだけである。そのため、このようなFB制御では、誤差があって初めて修正動作が実行されるため、出力が目標値付近でフラフラと変動してしまい(チャタリング)、これが電動パワーステアリング装置においてはモータ出力のトルクリップルとして現れ、ハンドル操作に違和感を与える。
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装置のモータモデルの非線形要素を予め補償してモータモデルを線形化すると共に、不感帯制御を行うことによりノイズの影響を除去し、制御誤差が少なく制御性も安定し、モータ出力のトルクリップルが小さく、更にハンドル操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、トルクセンサからのトルク信号に基づいて操舵補助指令値を算出する操舵補助指令値算出部と、前記操舵補助指令値に基づいて電圧指令値を算出する電流制御部と、前記電圧指令値に基づいてモータを駆動するモータ駆動部とで成り、前記モータによるアシスト力を操舵系に付与するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものであり、前記モータの逆起電圧を算出し、かつローパスフィルタを有する逆起電圧算出部と、前記逆起電圧に不感帯を設定して前記電圧指令値に加算する不感帯補償部とを備え、前記不感帯補償部が、前記逆起電圧の絶対値が前記不感帯より小さいである場合は0を出力し、前記逆起電圧の絶対値が前記不感帯以上である場合は、前記逆起電圧が正のときに前記逆起電圧と前記不感帯との差を出力し、前記逆起電圧が負のときに前記逆起電圧の絶対値と前記不感帯との差を反転して出力することによって達成される。

また、本発明の上記目的は、前記不感帯の幅を前記トルク信号に対応して可変とすることにより、或いは前記不感帯の幅を前記操舵補助指令値に対応して可変とすることにより、或いは前記不感帯の幅を前記電圧指令値に対応して可変とすることにより、或いは前記不感帯の幅をハンドル保舵状態に対応して可変とすることにより、或いは前記不感帯の幅をモータ回転速度に対応して可変とすることにより、或いは前記逆起電圧算出部が前記モータの端子間電圧及び電流に基づいて推定値を算出することによって、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置の制御装置によれば、電動パワーステアリング装置のモータモデルの非線形要素を予め補償してモータモデルを線形化することにより、制御誤差が少なく制御性も安定して、モータ出力のトルクリップルが少ない、ハンドル操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することができる。
また、逆起電圧に不感帯を設けているため、ノイズの影響を除去できると共に、不感帯の幅を操舵トルク、保舵状態、電圧指令値等で可変しているため、操舵性能を損なうこともない。
先ず、本発明の前提となる逆起電圧補償について説明する。
逆起電圧補償では、制御対象であるモータモデルから非線形要素を分離し、モータモデルを線形化する。モータモデルの非線形要素として、モータの逆起電圧と、その他ノイズなどの非線形要素との大きく2つの要素に分離して考えるが、予め出力に影響を及ぼしそうな状態変数である逆起電圧は算出可能である。もう1つの要素に関しては、予め出力に影響を与える状態変数が分からない場合や、外乱やノイズの影響を取り除く場合には、オブザーバ(状態観測器)を利用することができるので、オブザーバを利用してもう1つの非線形要素を抽出する。
前記(1)式において、逆起電圧EMFが完全に補償されていれば、(1)式は下記(3)式で表わされる。

I/V=1/(Rn+s・Ln)=Pn …(3)
ここで、Rnは定挌モータ抵抗値、Lnは定挌モータインダクタンス値、Pnは定 格モータモデルである。

上記(3)式は線形数式であるという特徴を有しており、下記(4)式のように変形できる。

V=I・(Rn+s・Ln)=I・Pn−1 …(4)

上記(4)式を、制御目標として書き表すと下記(5)式となる。

Vref=Iref・(Rn+s・Ln)=Iref・Pn−1 …(5)

よって、電流指令値Irefを入力することにより、直接電圧指令値Vrefを算出することができる。
入力信号にノイズが乗るなどの現実的問題を考慮すると、1次遅れのローパスフィルタ(以下、「LPF」と記す)を通過させる必要がある。LPFを通過させると、(5)式は下記(6)式になる。

Vref=Iref・(Rn+s・Ln)/(1+s・T)
=Iref・Pn−1/(1+s・T) …(6)
ここで、T=1/2πfcであり、TはLPFの時定数、fcはカットオフ周波数 である。

よって、(6)式がFF(フィードフォワード)制御の基本伝達関数となる。しかし、(6)式はモータの電気的特性であるモータ抵抗値及びインダクタンス値だけをモデル化したものなので、この(6)式が実際のモータ制御で成立する条件は、
(a)逆起電圧が完全に補償されていること
(b)モータモデルが正しいこと
(c)その他、検出エラー或いはアナログデジタル変換ノイズなどのシステムモデルの不 完全要素がないこと
である。
そこで、従来は上記条件(a)、(b)及び(c)に対して、線形要素も非線形要素も混在した状態でFF制御を実行するため、大きな制御誤差が残る結果になっていた。また、従来技術のFB制御の説明で参照した図8の外乱電圧推定オブザーバ115をFF制御に用いて、上記条件(a)、(b)及び(c)の全てを外乱オブザーバで補償しようとしても、逆起電圧の値が外乱電圧推定オブザーバ115で補償できる範囲を超えていために十分に補償できず、やはり相当な量の制御誤差が残る結果になっていた。
そこで、本発明では、条件(a)については外乱オブザーバではなく、直接逆起電圧の補償ループを基本制御ループに付加する。条件(b)はモータの温度変化などで完全に正しいモデル化は困難である。また、条件(c)も検出エラーやアナログディジタル変換など非線形要素が含まれるので、条件(c)も完全に正しいモデル化は困難である。よって、条件(b)及び(c)には外乱オブザーバを適用して補償すれば良い。
次に、逆起電圧を補償したFF制御の実施例について、図1を参照して説明する。
トルク指令値Tref及び車速Vが操舵補助指令値算出部10に入力され、操舵補助指令値算出部10から算出された操舵補助指令値Irefが出力され、フィードフォワード型の電流制御部11に入力される。フィードフォワード型の電流制御部11には、時定数の小さい1次遅れ回路などが使用されている。電流制御部11からの電圧指令値Vrefは、加算部18を経由してモータ14を駆動制御するモータ駆動部に入力される。モータ駆動部は、PWM制御部12及びインバータ13で構成されている。
逆起電圧EMFを算出するために、電流検出器15によってモータ電流Iが検出され、電圧検出器16によってモータ電圧Vが検出され、これら電圧V及び電流Iが逆起電圧算出部17に入力されてモータ14の逆起電圧EMFが算出される。逆起電圧算出部17は、検出されたモータ電流Iを入力とする伝達関数部17−1と、モータ電圧Vをろ過するLPF17−3と、伝達関数部17−1の出力及びLPF17−3の出力を減算する減算部17−2とを具備しており、減算部17−2の出力が逆起電圧EMFとなる。ここで、伝達関数部17−1の具体的関数は(6)式の(R+s・L)/(1+s・T)である。逆起電圧算出部17で算出された逆起電圧EMFは加算部18にフィードバックされ、電流制御部11からの電圧指令値Vrefに逆起電圧EMFを加算し、電圧指令値(Vref+EMF)を形成するようになっている。
このような構成において、その動作を説明する。
トルク指令値Tref及び車速Vにより操舵補助指令値算出部10で操舵補助指令値Irefが算出され、この操舵補助指令値Irefは1次遅れ伝達関数などが適用される電流制御部11に入力される。電流制御部11からは電圧指令値Vrefが出力され、加算部18に逆起電圧EMFと共に入力される。
逆起電圧EMFは(1)式に基づいて、逆起電圧算出部17で算出される。即ち、検出されたモータ電流Iを伝達関数部17−1に入力し、その出力である(R+s・L)・I/(1+s・T)と、検出されたモータ電圧VのLPF出力とを減算部17−2で減算することによって逆起電圧EMFが求められる。逆起電圧算出部17からの逆起電圧EMFは加算部18で電流制御部11からの電圧指令値Vrefと加算され、電圧指令値(Vref+EMF)が算出されてPWM制御部12に入力される。この結果、モータ14は電圧指令値(Vref+EMF)によって、非線形要素である逆起電圧EMFが予め補償された状態で制御される。
このように、電動パワーステアリング装置のモータモデルの非線形要素を予め補償してモータモデルを線形化しているので、制御誤差が少なく制御性も安定して、モータ出力のトルクリップルが少ない、ハンドル操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することができる。
ここにおいて、近年電動パワーステアリング搭載車両の大型化、電動パワーステアリングの高出力化が進み、モータトルク定数の増加や大電流化が加速している。しかしながら、情報の演算処理を実行するCPU(MPUも含む)のA/D分解能は、従前の10ビットのまま変わっていないのが実状であり、大電流化により分解能が粗くなる。例えば図1では、逆起電圧算出部17をソフトウェア若しくはディジタル系で構成する場合、電流検出器15からの電流I及び電圧検出器16からの電圧VをA/D変換する必要があり、逆起電圧算出部17と各検出器15,16との間或いは逆起電圧算出部17内にA/D変換器を設ける必要がある。
また、モータトルク定数の増加により、内部値1ビット当たりのトルクが増加する。その結果、内部値1ビットのずれで発生するトルクリップルが、ハンドルトルクに換算してドライバの手に感じられるレベルまで迫って来ており、従来問題視されなかった1、2ビット(内部値で0〜3)程度の誤差も無視できなくなって来た。特に保舵時は、検出値に含まれるノイズ(1、2ビット(内部値で0〜3)程度)がトルクリップルとなってしまう。そこで、逆起電圧経路に不感帯を設けて補償し、ノイズの影響を除去する必要がある。
図2は本発明の第1実施例を図1に対応させて示しており、逆起電圧算出部17の出力側に、操舵補助指令値Irefに感応して不感帯の幅(不感帯値)を可変する不感帯補償部30を設けている。不感帯補償部30で不感帯を補償された逆起電圧補償値EMFaが算出され、逆起電圧補償値EMFaが加算部18に入力されている。加算部18で加算された(Vref+EMFa)が電圧指令値としてモータ駆動部に入力される。
不感帯補償部30は図3に示す構成となっており、操舵補助指令値Irefを入力して絶対値|Iref|を得る絶対値化部31と、絶対値化部31で求められた絶対値|Iref|に対応して不感帯値DBを算出する不感帯値算出部32と、逆起電圧EMFの絶対値|EMF|を求める絶対値化部34と、絶対値化部34からの絶対値|EMF|と不感帯算出部32からの不感帯値DBとを比較して不感帯付きの逆起電圧補償値EMFaを出力する比較出力部33とを具備している。
このような構成において、絶対値化部31及び34はそれぞれ操舵補助指令値Iref及び逆起電圧EMFの絶対値|Iref|及び|EMF|を求めて出力する。絶対値|Iref|は不感帯値算出部32に入力され、例えば図4に示す特性に従って不感帯値DBを算出する。即ち、不感帯値DBは絶対値|Iref|の1次式で、下記(7)式のように算出される。

DB=a・|Iref|+b …(7)
ここで、a,bは定数である。

なお、本例では不感帯値DBを上記(7)式の1次式で算出しているが、1次式の組み合わせ、2次式以上の高次式或いはデータテーブルで算出することも可能である。また、符号判定のため、逆起電圧EMFも比較出力部33に入力されている。
不感帯値算出部32で算出された不感帯値DBは比較出力部33に入力され、絶対値化部34からの絶対値|EMF|と比較され処理される。比較出力部33は所定の演算処理を実行し、逆起電圧補償値EMFaを出力する。
比較出力部33の動作を、図5のフローチャートを参照して説明する。
先ず不感帯値算出部32からの不感帯値DBを入力し(ステップS1)、逆起電圧算出部からの逆起電圧EMF及び絶対値化部34からの絶対値|EMF|を入力する(ステップS2)。なお、不感帯値DB、逆起電圧EMF及び絶対値|EMF|の入力の順番は任意である。
次に、不感帯値DBと絶対値|EMF|の大小を比較し(ステップS3)、不感帯値DBが絶対値|EMF|よりも大きい場合には不感帯となる“0”を出力する(ステップS7)。また、上記ステップS3で、不感帯値DBが絶対値|EMF|以下の場合には逆起電圧EMFの符号(正負)を判定し(ステップS4)、逆起電圧EMFが正又は0の場合には“|EMF|−DB”を出力し(ステップS5)、逆起電圧EMFが負の場合には“−(|EMF|−DB)”を出力する(ステップS6)。その結果、不感帯補償部30からは、例えば図6に示すような特性の逆起電圧補償値EMFaが出力される。
上述の第1実施例では、操舵補助指令値の絶対値|Iref|に対応して不感帯値DBを変えるようにしているが、保舵状態に対応して不感帯値DBを変えるようにしても良い。図7はその構成例を示している。
保舵状態はハンドルが回転していない状態であり、保舵状態判定部40はモータ14が回転していない状態(停止)を判定し、保舵状態のときに保舵信号HSを出力する。保舵信号HSは不感帯補償部30Aに入力され、保舵信号HSが入力されることによって不感帯値を大きくする。なお、保舵状態はモータ位置情報、車速等から低速操舵時を認識し、保舵状態とすることで可能である。
更に、不感帯値の設定は電圧指令値(電流指令値)やモータ回転速度等によって可変とするようにしても良い。
逆起電圧EMFに不感帯を設定した逆起電圧補償値EMFaを電圧指令値に印加しているので、モータ駆動部のPWMのデューティ出力がチャタリングすることもなく、ノイズも発生することがなくなる。
なお、上述ではモータの逆起電圧を推定によって求めているが、実際の計測値を用いることも可能である。また、本発明の駆動系は2相又は3相のブラシレスモータ系にも適用でき、正弦波若しくは矩形波制御(例えば特開2002−360426、特願2003−153747(PCT/JP2003/015900))であっても良い。
本発明の前提となる逆起電圧補償機能をフィードフォワード制御に適用した電動パワーステアリング装置の一例を示すブロック構成図である。 本発明の第1実施例を示すブロック構成図である。 不感帯補償部の構成例を示すブロック構成図である。 不感帯値算出の特性例を示す図である。 比較出力部の動作例を示すフローチャートである。 比較出力部の特性例を示す図である。 本発明の第2実施例を示すブロック構成図である。 従来のフィードバック制御を適用した電動パワーステアリング装置の制御系を示すブロック構成図である。
符号の説明
10 操舵補助指令値算出部
11 電流制御部
12 PWM制御部
13 インバータ
14 モータ
15 電流検出器
16 電圧検出器
17 逆起電圧算出部
17−1 伝達関数部
17−2 減算部
17−3 LPF(ローパスフィルタ)
18 加算部
30、30A 不感帯補償部
31、34 絶対値化部
32 不感帯値算出部
33 比較出力部
40 保舵状態判定部
101、102 操舵トルク検出器
103、105 電流制御器
107 モータ電流決定器
108 位相補償器
109 モータ駆動器
110 モータ
115 外乱電圧推定オブザーバ
120 目標電流決定手段

Claims (7)

  1. トルクセンサからのトルク信号に基づいて操舵補助指令値を算出する操舵補助指令値算出部と、前記操舵補助指令値に基づいて電圧指令値を算出する電流制御部と、前記電圧指令値に基づいてモータを駆動するモータ駆動部とで成り、前記モータによるアシスト力を操舵系に付与するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記モータの逆起電圧を算出し、かつローパスフィルタを有する逆起電圧算出部と、前記逆起電圧に不感帯を設定して前記電圧指令値に加算する不感帯補償部とを備え、
    前記不感帯補償部が、前記逆起電圧の絶対値が前記不感帯より小さいである場合は0を出力し、前記逆起電圧の絶対値が前記不感帯以上である場合は、前記逆起電圧が正のときに前記逆起電圧と前記不感帯との差を出力し、前記逆起電圧が負のときに前記逆起電圧の絶対値と前記不感帯との差を反転して出力することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記不感帯の幅が前記トルク信号に対応して可変となっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記不感帯の幅が前記操舵補助指令値に対応して可変となっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記不感帯の幅が前記電圧指令値に対応して可変となっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記不感帯の幅がハンドル保舵状態に対応して可変となっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. 前記不感帯の幅がモータ回転速度に対応して可変となっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  7. 前記逆起電圧算出部が前記モータの端子間電圧及び電流に基づいて推定値を算出するようになっている請求項1乃至6のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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