JP4758572B2 - 縞画像解析用の位相アンラッピング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体の形状あるいは被検体の厚みムラや屈折率分布など被検体の物性に関する波面情報を、干渉縞あるいはモアレ縞等を用いて解析測定する縞画像解析方法において、所定の座標系上に得られたラップされた位相分布に対するアンラッピング処理方法に関し、特に、該座標系上でのアンラッピング径路を求める手法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空間的あるいは時間的に位相変調された干渉縞やモアレ縞等の縞画像信号を解析して被検体の表面形状などを高精度に計測する種々の手法が知られているが、この種の解析手法においては、縞画像信号からいかに正確な位相情報を得るかということが共通の基本的な問題となっている。
【0003】
例えば、フーリエ変換を用いたヘテロダイン干渉法などでは、撮像素子上の画素に対応した座標系上で得られる位相値が[-π,π]の主値の範囲に折り畳まれるため(位相ラッピング)、ダイナミックレンジの大きな位相に対しては位相値が不連続となり2πの整数倍の不確定値を有するものとなる。したがって、実際の表面形状に即した位相分布を得るためには、このように[-π,π]の主値の範囲に折り畳まれた位相分布Φ(x,y)から元の連続な位相分布を求める位相アンラッピング処理を施す必要がある。
【0004】
このような位相アンラッピング処理を行なう場合、ノイズの少ない滑らかな位相分布については、処理結果がアンラッピング径路(位相アンラッピング処理を行なう順路)に影響されないため、単純なアルゴリズムを用いても高精度な連続位相分布Φ´(x,y)を求めることが可能である。ところが、ノイズが多く、モジュレーション(干渉縞振幅に依存する量)が低い領域を含む場合には、アンラッピング径路によって処理結果が全く異なってしまうため、高精度な連続位相分布Φ´(x,y)を求めるには、座標系上においてアンラッピング径路を合理的に選択することが必要となる。
【0005】
このような事情の下、近年になって、ノイズが多かったりモジュレーションが低い場合においても、合理的にアンラッピング径路を選択することができ、位相アンラッピング処理を良好に行なうことができる手法が提案されている。
【0006】
この手法は干渉縞のコントラストがより良好な(モジュレーションがより高い)部分に着目し、このような部分から順に、最も合理的と思われるアンラッピング径路を選択し、この選択したアンラッピング径路に沿って位相アンラッピングしていく方法であり、最も合理的なアンラッピング径路の選択には、計算機科学の分野で最小木問題(Minimum Spanning Tree Problem)と称されるグラフ問題を応用している。そのような手法の中でも、特に、振幅最大木法と呼ばれる手法が有効なものとして知られている(第55回(1994年)応用物理学会学術講演会予稿集P803参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この振幅最大木法においては、アンラッピング径路選択の過程において、それまでに選択したアンラッピング径路上の各画素とそれと相隣接する各画素にそれぞれ記録された振幅を各々掛け合わせてそれぞれの積を求め、求めた各積を計算機のメモリ等に記憶させておくと共に、これらの積の中から最大値を持つものを選択し、それに対応した画素間の径路を新たなアンラッピング径路とする処理を順次行なう必要がある。
【0008】
近年、撮像素子の画素数は飛躍的に増大する傾向にあり、より画素数の多い縞画像を用いて、より高精度な解析を行ないたいという要望が高まっているが、そのためには、位相アンラッピングの処理速度を高めることが必要不可欠となる。
【0009】
しかしながら、従来の振幅最大木法等の位相アンラッピング処理方法では、画素数が多くて記憶する計算値の数が多くなると、それに比例するように上記処理時間が増大するアルゴリズムを用いており、このため画素数の増大に略比例して位相アンラッピングの処理時間が増大することとなり、縞画像の位相状態の解析に多大な時間が費やされるという問題があった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、撮像素子の画素数が増えても位相アンラッピング処理を速やかに行なえ、位相状態の解析を高速度で安定して行なうことができる縞画像解析用の位相アンラッピング方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、被検体の波面情報を担持した縞画像データに基づいて所定の座標系上に得られた該被検体に関するラップされた位相分布に対し、該座標系上において選択した所定のアンラッピング径路に沿ってアンラッピング処理を施し、アンラップされた位相分布を求める縞画像解析用の位相アンラッピング方法において、前記アンラッピング径路の選択の尺度として、前記座標系上の相隣接する所定の画素を結ぶ径路の各々に対応させて順次計算された所定数の数値データを、所定の格納リスト内において、径路選択に適した大きさの順序で上位から下位に順位付けして格納する第1の手順と、前記格納リスト内に格納された全数値データのうち最上位の数値データを取り出し、該取り出された数値データに対応した前記径路を前記アンラッピング径路の新たな径路として選択する第2の手順とを含んでなり、前記第1の手順における前記数値データの格納は、前記格納リスト内に格納すべき新規数値データを、先ず該格納リスト内において所定の順位範囲ごとにブロック分けされた各順位ブロックにおける所定代表順位の数値データと大小比較をして格納すべき順位ブロックを選択するブロック選択手順と、次いで前記新規数値データを、該選択された順位ブロック内の各数値データと大小比較をして該順位ブロック内の格納すべき順位位置を判別する順位位置選択手順とを行なうことによりなされ、さらに前記第1の手順における前記数値データの格納とともに、前記ブロック選択手順で選択された順位ブロック内の各数値データの順位位置を変更するとともに、その順位位置の変更によって最下位となる数値データの順位位置を、所定代表順位の数値データが前記ブロック選択手順で選択された順位ブロックの所定代表順位の数値データよりも小さい下位の順位ブロックの最上位に繰り下げることを特徴とする縞画像解析用の位相アンラッピング方法。
【0012】
前記「順位付け」とは、「数値データ」の順番を確定することを意味する。
順位を各数値データに付しても良いが、順番が確定できれば、順位を付す必要はない。
【0013】
前記所定の数値データとして前記相隣接する画素同士のモジュレーション積を用い、前記最上位の数値データは格納された全モジュレーション積のうち最大のものとすることができる。
【0014】
前記第1の手順において前記数値データを計算した際、この計算した数値データが所定の数値よりも径路選択に適した数値である場合のみ、この数値データを前記格納リスト内に格納するようにできる。
【0015】
前記アンラッピング処理は、前記座標系における、前記ラップされた位相分布のノイズの多い領域のみについて、前記第1の手順と前記第2の手順を含むアルゴリズムを適用して行なうことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態について説明する。
【0017】
初めに、本実施形態に係る縞画像解析用の位相アンラッピング方法を適用した縞画像解析方法において、ラッピングされた位相分布を求めるまでの手順について簡単に説明する。
【0018】
この縞画像解析方法は、フィゾー型の反射型レーザ干渉計を用いており、まず、光反射体であるレンズ等の被検体の検査対象面(被検面)に対し、4ステップの縞走査(フリンジスキャン)を行いながら、被検面の表面形状分布等の波面情報を担持した縞画像を撮像する。
【0019】
次に、この縞走査により4つの干渉縞強度I1、I2、I3、I4を求める。この4回のフリンジスキャンにおける干渉縞強度I1、I2、I3,I4は以下の各式(1)、(2)、(3)、(4)により表される。
【0020】
【数1】
【0021】
ここで、x、yは、撮像した縞画像を展開する所定の座標系上の座標、例えば、固体撮像素子の画素配列に対応するように設定された座標系上において各画素の位置を示す離散的な座標を表わし、Φ(x,y)、I0(x,y)、γ(x,y)は、各座標(各画素)における位相、平均光強度、干渉縞のモジュレーションを各々表している。なお、モジュレーションとは、干渉縞振幅と略相関関係を有するものであり、具体的には下記式(5)により表される。
【0022】
【数2】
【0023】
上述した4つの式(1)、(2)、(3)、(4)から、位相Φ(x,y)を求めると下記式(6)となる。
【0024】
【数3】
【0025】
このとき、上記式(6)が逆正接関数となっていることからも明らかなように、位相Φ(x,y)は−πからπの間に畳み込まれている。なお、このような状態のデータを通常位相ラッピングデータと称している。この式で分母が0の場合(すなわちI1(x,y)=I3(x,y)の場合)は、分子が正であればπ/2となり、負であれば−π/2となる。
【0026】
上述した、−πからπの間に畳み込まれた位相分布Φ(x,y)より、連続する位相分布Φ´(x,y)を求めるために、本実施形態に係る縞画像解析用の位相アンラッピング方法を適用するものであり、以下、本実施形態方法について図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る縞画像解析用の位相アンラッピング方法を説明するための模式図であり、固体撮像素子の各画素の配列を示す座標系10と、数値データ等を記憶するメモリ上の格納リスト20とを模式的に表わしている。図2は、図1の座標系10を拡大して示す模式図である。図1および図2の座標系10においては、各画素を黒点で、画素同士を結ぶ径路を破線で、アンラッピング径路として選択された経路を実線でそれぞれ示してある。
【0028】
また、図1に示す格納リスト20では、順位が隣接する親リスト22(22a,b,c等を総称する場合に用いる;以下同じ)同士、および順位が隣接する子リスト24(24a,b,c,n等を総称する場合に用いる;以下同じ)同士が実線で接続されている。
【0029】
図2に示すように、まず、上記式(5)により得られたモジュレーションに基づき、例えば、モジュレーションが最大となる画素C0(m,n)を、座標系上におけるアンラッピング径路の始点として選択する。次に、この画素C0と、これと相隣接する4つの画素C1(m+1,n)、C2(m,n−1)、C3(m−1,n)、C4(m,n+1)とをそれぞれ結ぶ各径路P01、P02、P03、P04にそれぞれ対応した各モジュレーション積M01、M02、M03、M04を計算する。このモジュレーション積は、径路の両端に位置する2つの画素のモジュレーションを互いに掛け合わせたもので、例えば、上記径路P01に対応するモジュレーション積M01は、画素C0のモジュレーションγ(m,n)とC1のモジュレーションγ(m+1,n)とを掛け合わせて計算する(M01=γ(m,n)×γ(m+1,n))。
【0030】
次いで、計算された各モジュレーション積M01、M02、M03、M04の数値データを、メモリ上の格納リスト20内に大きい順に順位付けして格納する。この数値データの格納は、例えば次のような手順により行なう。図3は、数値データの格納手順を説明するための模式図である。
【0031】
なお、図1に示すように格納リスト20内には、親リスト22および子リスト24が、それぞれ複数設けられるが、図3では説明の便宜のため、子リスト24のみを示している。子リスト24は、アドレス部Aと数値データが入れられるデータ部Dとから構成される。この子リスト24において、アドレス部Aには、直近上位および下位の子リスト24のアドレス(a1、a2…で示す)等が入れられ、データ部Dには、モジュレーション積Mや対応する径路P、格納リスト20内での順位(▲1▼、▲2▼…)等が入れられる。
【0032】
図3(a)に示すように、まず、上記モジュレーション積M01およびそれに対応する径路P01をアドレスa1の子リスト24のデータ部Dに格納すると共に、順位▲1▼であるというデータも格納する。次いで、モジュレーション積M02の大きさをモジュレーションM01の大きさと比較し(M01>M02と仮定する)、モジュレーション積M02のデータを対応する径路P02と共にアドレスa2の新しい子リスト24nのデータ部Dに格納する。また、この子リスト24nのデータ部Dには、順位▲2▼であるというデータも格納し、そのアドレス部Aには、直近上位の子リスト24のアドレスa1を格納する。さらに、直近上位の子リスト24のアドレス部には、直近下位の子リスト24nのアドレスa2を格納する。
【0033】
次に、図3(b)に示すように、モジュレーション積M03の大きさをモジュレーションM01、M02の大きさと順次比較し(M01>M02>M03と仮定する)、モジュレーション積M03のデータを対応する径路P03と共にアドレスa3の新しい子リスト24nのデータ部Dに格納する。また、この子リスト24nのデータ部Dには、順位▲3▼であるというデータも格納し、そのアドレス部Aには、直近上位の子リスト24のアドレスa2を格納する。さらに、直近上位の子リスト24のアドレス部には、直近下位の子リスト24のアドレスa3を格納する。
【0034】
さらに、図3(c)に示すように、モジュレーション積M04の大きさをモジュレーションM01、M02、M03の大きさと順次比較し(M01>M04>M02>M03と仮定する)、モジュレーション積M04のデータを対応する径路P04と共にアドレスa4の新しい子リスト24nのデータ部Dに格納する。また、この子リスト24nのデータ部Dには、順位▲2▼であるというデータも格納し、そのアドレス部Aには、直近下位の子リスト24のアドレスa2および直近上位の子リスト24のアドレスa1を格納する。さらに、アドレスa1の子リスト24のアドレス部Aには、直近下位の子リスト24のアドレスをa2からa4に変更して格納する。また、アドレスa2の子リスト24のアドレス部Aには、直近上位の子リスト24のアドレスをa1からa4に変更して格納する。さらに、アドレスa2およびアドレスa3の子リスト24のデータ部Dには、順位データをそれぞれ1つ繰り下げ変更して格納する。
【0035】
上述したように格納リスト20内に数値データの格納を行なった後、格納リスト20内で最高順位となるアドレスa1の子リスト24内のデータ部Dに格納されたモジュレーション積M01と対応する径路P01をアンラッピング径路として選択する。選択後、アドレスa1の子リスト24内に格納された全データは、図1に示すように、格納リスト20内より削除し、また、順位▲2▼以下の各子リスト24内のアドレス部Aに格納された直近上位および下位のアドレスデータ、およびデータ部Dに格納された順位データの更新を行なう。
【0036】
次いで、図2に示すように、径路P01により始点画素C0と結ばれた画素C1と相隣接する3つの画素C5(m+2,n)、C6(m+1,n−1)、C7(m+1,n+1)とをそれぞれ結ぶ各径路P15、P16、P17にそれぞれ対応した各モジュレーション積M15、M16、M17を計算する。そして、計算された各数値データを上述した手順と同様にして、格納リスト20内の各子リスト24内に大きい順に順位付けして格納する。
【0037】
この格納後、順位▲1▼が前述したアドレスa4の子リスト24であれば、そのデータ部D内に格納されたモジュレーション積M04に対応する径路P04を、次のアンラッピング径路として選択する。選択後、アドレスa4の子リスト24内に格納された全データは、格納リスト20内より削除し、また、順位▲2▼以下の各子リスト24内のアドレス部Aに格納された直近上位および下位のアドレスデータ、およびデータ部Dに格納された順位データの更新を行なう。
【0038】
上述した手順の繰り返しにより、基本的に数値データの格納およびアンラッピング径路の選択が行なわれるが、上記では、子リスト24間でのデータ比較の手順のみを説明している。実際には、上記数値データの格納は順位ブロック26(26a,b,c等を総称する場合に用いる;以下同じ)への格納手順と組み合わされて以下のような手順でなされる。
【0039】
すなわち、図1に示すように、格納リスト20内は所定の順位範囲ごと(図1では4位ごと)にブロック分けされ、各順位ブロック26a、26b、26c内には、親リスト22a、22b、22cがそれぞれ設けられている。各親リスト22a、22b、22cのアドレス部A内には、各順位ブロック26a、26b、26c内の最上位の子リスト24a、24b、24cのアドレスと、直近上位および下位の順位ブロック26の親リスト22のアドレスが格納され、また、そのデータ部D内には、各順位ブロック26a、26b、26c内の最上位の子リスト24a、24b、24cのデータ部Dに格納されたモジュレーション積Mと同じ数値データが格納されている。
【0040】
また、前記における説明中および図面上では省略したが、各子リスト24は、直近上位、下位の子リストのアドレスに加え、それぞれが属する順位ブロックの親リストのアドレスについても、それぞれのアドレス部Aに格納されている。
【0041】
新規に計算されたモジュレーション積Mは、先ず各順位ブロック26a、26b、26c内の各親リスト22a、22b、22c内に格納されたモジュレーション積Mと順次大小比較をされて格納すべき順位ブロック26b(図1では、新規に計算されたモジュレーション積Mが、親リスト22a、22bにそれぞれ格納されたモジュレーション積Mよりも小さく、親リスト22c内に格納されたモジュレーション積Mよりも大きい場合を示している)が選択される。次いで、この新規のモジュレーション積Mは、選択された順位ブロック26b内の各子リスト24内に格納されたモジュレーション積Mと、前述した手順に従い大小比較をされ、順位ブロック26b内の格納すべき順位位置を判別される。順位位置が判別された後、この新規のモジュレーション積Mのデータを対応する径路Pのデータと共に新しい子リスト24nのデータ部Dに格納する。また、この新規の子リスト24nの追加に伴なう各子リスト24内のアドレスデータおよび順位データの更新が行なわれ、さらにブロック分けの更新、すなわち、新規の子リスト24nが加入された順位ブロック26b内の最下位の子リスト24が次の順位ブロック26c内の先頭に繰り下げられ、順位ブロック26c内の最下位の子リスト24が次の順位ブロック(図示せず)内の先頭に繰り下げられる。この際、順位ブロック26cの親リスト22cに格納された数値データおよびアドレスデータも順位ブロック26bから繰り下げられた子リスト24に対応したデータにそれぞれ更新される。
【0042】
上述したように格納リスト20内に新規の数値データの格納を行なった後、格納リスト20内で順位▲1▼となる子リスト24a内のデータ部Dに格納されたモジュレーション積Mと対応する径路Pをアンラッピング径路として選択する。選択後、子リスト24a内に格納された全データは、格納リスト20内より削除し、また、順位▲2▼以下の各子リスト24内のアドレス部Aに格納された直近上位および下位のアドレスデータ、およびデータ部Dに格納された順位データの更新を行なう。さらに、上述したようにしてブロック分けも更新される。
【0043】
上記した手順を繰り返し行なうことにより、アンラッピング径路を順次選択し、選択されたアンラッピング径路に沿って所定の位相アンラッピング計算を行なうことにより、連続位相分布Φ´(x,y)が求められる。
【0044】
上述したように、新規に計算されたモジュレーション積Mを格納リスト20内に格納するのに際し、新規のモジュレーション積Mを、先ず、各順位ブロック26の親リスト22内に格納されたモジュレーション積Mと大小比較して、格納すべき順位ブロック26を選択し、次いで、選択した順位ブロック26内の各子リスト24内に格納されたモジュレーション積Mと大小比較して、順位判別を行なっているので、格納するモジュレーション積の数が増えても、格納に要する時間を短縮でき、速やかにアンラッピング径路の選択を行なうことが可能である。
【0045】
なお、上記実施形態では、各順位ブロック26内の子リスト24の数を4個としているが、画素数に応じて好ましい数(例えば256個)を選択すればよい。
【0046】
また、上記実施形態では、各子リストがそれぞれの順位データを持つとしたが、順位は各子リストがどのような順番でつながっているかが決まれば確定するので、すなわち直近上位、下位の子リストのアドレスデータを持っていれば確定するので、順位については特にデータとして持たない態様とすることも可能である。
【0047】
さらに、上記実施形態では、各子リストが各モジュレーション積に対応した経路のデータを持つとしたが、経路そのもののデータではなく経路の両端に位置する2つの画素の座標データを持つようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、各順位ブロック内の代表順位として、その順位ブロックにおけるモジュレーション積の最も大きいものを用いているが、これに代えてモジュレーション積の最も小さいものを用いることも可能である。
【0049】
また、格納リストの構造をより多くの階層リスト(例えば、親リスト、子リスト、孫リスト)に分けることも、画素数に応じて適宜行なうことが可能である。
【0050】
さらに、上記実施形態では、計算した各モジュレーション積の全てのデータを、格納リスト内に格納するようにしているが、アンラッピング径路として適しているモジュレーション積の数値範囲を予め設定しておき、この範囲外のモジュレーション積のデータは、格納リスト内に格納しないようにしてもよい。これにより、数値データの比較数を低減できる。
【0051】
また、上記実施形態では、座標系上の略全領域において、上述した手順を実行するようにしているが、座標系上において、ラップされた位相分布のノイズの多い領域のみに上記手順を用い、その他のノイズの少ない領域では、単に画素配列順にアンラッピング径路を定めるなど、より簡単な手順によりアンラッピング径路を求めるようにしてもよい。
【0052】
さらに、上記実施形態では、アンラッピング径路選択の指標となる数値データとして、モジュレーション積を用いているが、モジュレーション積に変えて各画素間の位相勾配の大きさを用い、この位相勾配の小さい順にアンラッピング径路を選択するようにしてもよい。
【0053】
また、本発明方法においては上述した4ステップ法の代わりに、5ステップ法などの、3ステップ以上の他のステップ法を用いて行なうことも可能である。
【0054】
さらに、上記実施形態のものでは被検体が光反射体である場合に、その表面形状(凹凸形状や段差形状)の測定に適用しているが、本発明方法は被検体が光透過体である場合に、その厚みムラや屈折率分布の測定などにも適用することができる。
【0055】
また、本発明方法は、上述した光反射型フィゾーのレーザ干渉計を用いた縞解析方法に適用する場合に限られず、これ以外の種々の干渉計を用いた縞解析方法に対して適用し得る。
【0056】
さらに、縞情報の種類としては上述した干渉縞情報に限られるものではなく、モアレ縞情報等をも対象とし得る。
【0057】
また、本発明方法としては、縞走査法により得られた複数の縞情報に基いて被検体の位相分布Φ´(x,y)を得る場合に限られず、1回の取込みによって得られた縞情報に基づき上記位相分布Φ´(x,y)を得る場合のものに適用することも可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の縞画像解析用の位相アンラッピング方法によれば、新規に計算された数値データを格納リスト内に格納するのに際し、新規の数値データを、先ず、各順位ブロック内の代表順位の数値データと大小比較して、格納すべき順位ブロックを選択する。次いで、選択した順位ブロック内の各数値データと大小比較して、順位判別を行ない格納リスト内へ格納する。このため、撮像素子の画素数が増えて格納する数値データの数が増えても、格納に要する時間の大幅な増大を抑制でき、これにより、速やかにアンラッピング径路の選択を行なうことが可能となっている。したがって、位相アンラッピング処理を速やかに行なえ、位相状態の解析を高速度で安定して行なうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る縞画像解析用の位相アンラッピング方法を説明するための模式図
【図2】図1の座標系を拡大して示す模式図
【図3】図1に示す格納リスト内への数値データの格納手順を説明するための模式図
【符号の説明】
10 座標系
20 格納リスト
22(a,b,c) 親リスト
24(a,b,c,n) 子リスト
26(a,b,c) 順位ブロック
A アドレス部
D データ部
C 画素
M モジュレーション積
P 径路
a1、a2… アドレス
Claims (4)
- 被検体の波面情報を担持した縞画像データに基づいて所定の座標系上に得られた該被検体に関するラップされた位相分布に対し、該座標系上において選択した所定のアンラッピング径路に沿ってアンラッピング処理を施し、アンラップされた位相分布を求める縞画像解析用の位相アンラッピング方法において、
前記アンラッピング径路の選択の尺度として、前記座標系上の相隣接する所定の画素を結ぶ径路の各々に対応させて順次計算された所定数の数値データを、所定の格納リスト内において、径路選択に適した大きさの順序で上位から下位に順位付けして格納する第1の手順と、
前記格納リスト内に格納された全数値データのうち最上位の数値データを取り出し、該取り出された数値データに対応した前記径路を前記アンラッピング径路の新たな径路として選択する第2の手順とを含んでなり、
前記第1の手順における前記数値データの格納は、前記格納リスト内に格納すべき新規数値データを、先ず該格納リスト内において所定の順位範囲ごとにブロック分けされた各順位ブロックにおける所定代表順位の数値データと大小比較をして格納すべき順位ブロックを選択するブロック選択手順と、次いで前記新規数値データを、該選択された順位ブロック内の各数値データと大小比較をして該順位ブロック内の格納すべき順位位置を判別する順位位置選択手順とを行なうことによりなされ、
さらに前記第1の手順における前記数値データの格納とともに、前記ブロック選択手順で選択された順位ブロック内の各数値データの順位位置を変更するとともに、その順位位置の変更によって最下位となる数値データの順位位置を、所定代表順位の数値データが前記ブロック選択手順で選択された順位ブロックの所定代表順位の数値データよりも小さい下位の順位ブロックの最上位に繰り下げることを特徴とする縞画像解析用の位相アンラッピング方法。 - 前記所定の数値データが前記相隣接する画素同士のモジュレーション積であり、前記最上位の数値データは格納された全モジュレーション積のうち最大のものであることを特徴とする請求項1記載の縞画像解析用の位相アンラッピング方法。
- 前記第1の手順において前記数値データを計算した際、該計算した数値データが所定の数値よりも径路選択に適した数値である場合のみ、該数値データを前記格納リスト内に格納することを特徴とする請求項1または2記載の縞画像解析用の位相アンラッピング方法。
- 前記アンラッピング処理は、前記座標系における、前記ラップされた位相分布のノイズの多い領域のみについて、前記第1の手順と前記第2の手順を含むアルゴリズムを適用して行われることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の縞画像解析用の位相アンラッピング方法。
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