JP4758562B2 - 気泡入り食品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は気泡入り食品の製造方法に関する。特に本発明は、従来の方法よりも優れた品質を有する気泡入り食品を安価に製造することが可能な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
気泡入り食品の代表的なものとしてはんぺんが古くから親しまれている。はんぺんは、食品の組織中に多くの気泡を抱き込んでおり、柔らかい弾性を有する食品である。はんぺんは、魚肉すり身、食塩、調味料、起泡剤などを含む魚肉混合物を起泡してはんぺん用含気すり身とし、一定形状に成形した後に加熱することにより製造される。そして加熱は、80℃以上の熱水が入った茹槽中に入れて茹でるか、蒸気が供給される蒸気槽の中に入れて蒸すことにより行われている。
【0003】
しかしながら、このような茹で工程や蒸し工程を経る従来の製造方法を実施するためには、大きな茹槽や蒸槽を設置しなければならず、さらに大量のお湯や蒸気も必要とされる。また、熱媒体であるお湯や蒸気を介したエネルギー効率も低いため、製造コストが高くなるという問題もあった。
【0004】
このような問題を解決するために、はんぺん用含気すり身をジュール加熱する方法が開発されている。ジュール加熱は、成形したはんぺん用含気すり身を相対する電極板の間に挟み、通電することにより加熱するものである。通電によって、はんぺん用含気すり身にジュール熱が発生し、はんぺん用含気すり身を内部から効率良く加熱することができる。ジュール加熱によれば、省スペース化を図ることができ、製造時間も短縮することができるため、製造コストも抑えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ジュール加熱ははんぺん用含気すり身を内部から加熱するため、表面の加熱が不十分であるという問題があることが明らかになった。すなわち、ジュール加熱によってはんぺん用含気すり身の内部は目的とする温度に到達しても、表面は目的とする温度に達していないという問題があることが判明した。これは、表面の形状により通電できない部分が生じることや、表面からの放熱を効果的に防ぐことができないことに原因があると考えられる。
【0006】
この問題に対処するために、表面が目的とする温度に到達するまでジュール加熱を続ける方法が考えられるが、この方法では内部温度が高くなり過ぎ、食品原料中に抱き込んでいた空気が加熱により膨張して食品全体が過度に膨らんでしまう。このため、商品価値が低い製品しか製造することができないという別の問題に直面していた。
【0007】
このようなジュール加熱に伴う問題点に鑑みて、本発明は、はんぺん用含気すり身をはじめとする気泡入り食品原料の全体を効率よく加熱することができる方法を提供することを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、気泡入り食品原料表面を80℃以上に加熱する工程をジュール加熱と組み合わせて行うことにより、効果的に気泡入り食品原料の全体を加熱することができることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明は、気泡入り食品原料をジュール加熱する工程を含む気泡入り食品の製造方法において、前記ジュール加熱の前、前記ジュール加熱中、前記ジュール加熱の後のいずれかにおいて、前記気泡入り食品原料の表面を80℃以上に加熱する工程(ただしジュール加熱後に熱水に浸漬する工程は除く)を行うことを特徴とする気泡入り食品の製造方法を提供する。
【0010】
本発明の製造方法では、気泡入り食品原料の表面を80℃以上に加熱する工程を、ジュール加熱中、ジュール加熱後のいずれかに行うことが好ましい。また、気泡入り食品原料の表面を80℃以上に加熱する工程として、熱水を用いる方法、蒸気を用いる方法、熱風を用いる方法、遠赤外線を用いる方法のいずれかを採用することが好ましい。さらに、本発明の製造方法は、比重が0.25〜0.95である気泡入り食品原料に対して適用することが可能である。本発明の製造方法は、特にはんぺんの製造に好ましく利用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の気泡入り食品の製造方法について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を意味する。
【0012】
本発明の気泡入り食品の製造方法は、気泡入り食品原料をジュール加熱する前、ジュール加熱中、ジュール加熱後のいずれかにおいて、気泡入り食品原料の表面を80℃以上に加熱する工程を行うことを特徴とする。なお、以下の説明では便宜的に気泡入り食品としてはんぺんを例にとって説明する。
【0013】
本発明のジュール加熱に用いる気泡入り食品原料(はんぺん用含気すり身)は、従来から用いられている方法と同様の方法により製造することができる。具体的な製造方法を以下に説明するが、本発明で用いることができる方法は以下の方法に限定されるものではない。
【0014】
通常は、まず魚肉のすり身に食塩を添加していわゆる撹拌工程である塩ズリを行う。魚肉のすり身としては、スケソウダラ、サメ、クロカワ、グチ、ヒラメ、ホッケ、イトヨリ等の魚肉のすり身を用いるのが典型的である。これらのすり身は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。すり身に添加する食塩の量は適宜調節することができるが、好ましくは2〜4%にする。塩ズリは、食塩が塩溶性タンパクを溶解する程度に十分に行き渡るように行うことが好ましく、通常は10〜20分程度行う。
【0015】
塩ズリ後のすり身、または塩ズリ前のすり身には、調味料、起泡剤、水などの添加剤が適宜添加され、撹拌される。添加する調味料の種類は特に制限されない。例えば、みりん、砂糖、食塩、澱粉、グルタミン酸ナトリウム等を添加することができる。起泡剤としては、例えば山芋、卵白、増粘多糖類を添加することができる。また、調味料や起泡剤以外の食品添加剤も適宜添加することができる。例えば、着色剤、香料等を添加することもできる。これらの添加剤の組み合わせや添加順序は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されない。例えば、これらの添加剤の一部は、塩ズリ時に添加しておいても構わない。
【0016】
ここでいう撹拌は、例えば添加剤などを混ぜ合わせる時に行う通常の撹拌であり、特に起泡することを目的とした撹拌工程を意味しているわけではない。なお、起泡には、撹拌工程後の含気工程で空気を強制的に注入することによって含気させることもできる。もっとも、起泡剤を混合した後であれば撹拌等によっても含気させることができる。
含気後のはんぺん用含気すり身の比重は0.25〜0.95の範囲内に設定することが好ましく、0.30〜0.55の範囲内に設定することがより好ましい。本発明では、従来よりもはんぺん用含気すり身の比重を小さくし、含気量を多くすることが可能である。すなわち、比重0.25〜0.45、好ましくは0.3〜0.4のはんぺん用含気すり身を用いて製造することが可能である。したがって、本発明の製造方法によれば、従来の方法では製造することができなかった軽い食感を有するはんぺんを製造することができる。
【0017】
はんぺん用含気すり身は所望の形状に成形した後に加熱する。成形後の形状は特に制限されず、プレート状や棒状など様々な形状を採ることができる。ただし、後述するジュール加熱を行うことが可能な形状であることが必要とされる。
【0018】
本発明の製造方法では、成形後のはんぺん用含気すり身を加熱するために、必須工程としてジュール加熱を行う。
ジュール加熱は、はんぺん用含気すり身に通電することにより、はんぺん用含気すり身の内部および表面において電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、それにより発生するジュール熱によってはんぺん用含気すり身を加熱するものである。ジュール加熱の詳細については、食品加工技術14巻(1)12〜18頁(1994年)に記載されている。
【0019】
ジュール加熱装置については、はんぺん用含気すり身に通電してジュール熱を発生させることができる装置であればよい。具体的には、チタン電極などの電極間に成形したはんぺん用含気すり身を挟みこむことができる装置であればよい。例えば、添付の図1に示すように、電極支持体3に支持された一対の電極2の間に、はんぺん用含気すり身1を挟みこんで通電加熱する接触式ジュール加熱機を好ましい例として挙げることができる。
【0020】
ジュール加熱機にかける電圧は特に制限されないが、使用するすり身の種類やはんぺん用含気すり身を挟む電極間距離によって決定することが好ましい。通常は電極間距離1センチあたり5〜25Vに設定するが、はんぺん用含気すり身の比重に応じて7〜19Vに設定することが望ましい。加熱時間は、はんぺん用含気すり身の重量および比重、電極間距離、電極面積を主として考慮したうえで決定することが好ましい。例えば、はんぺん用含気すり身の左右に電極を設置して長手方向に通電する場合は100〜160秒が好ましく、120〜140秒がより好ましい。また、はんぺん用含気すり身の上下に電極を設置して厚み方向に通電する場合は50〜60秒が好ましい。ジュール加熱によれば、はんぺん用含気すり身の内部から発熱するために、含気しているにもかかわらずより短い時間で所望の加熱を行うことができる。このため、本発明によればより少ないエネルギーではんぺんを加熱することができる。ジュール加熱時のはんぺん用含気すり身の中心温度は65〜85℃に設定することが好ましく、70〜82℃に設定することがより好ましく、75〜82℃に設定することがさらに好ましく、75〜80℃に加熱することがさらにより好ましく、78〜80℃に加熱することが特に好ましい。
【0021】
はんぺん用含気すり身をジュール加熱すると内部から発熱するために、表面温度が内部温度よりも低くなり、表面の加熱が不十分になってしまう。表面の加熱を十分に行おうとすると、上述のようにはんぺん用含気すり身全体が過度に膨張してしまい、はんぺんの商品価値を損ねることになるため好ましくない。このため、本発明の製造方法では、ジュール加熱の他に、はんぺん用含気すり身の表面を80℃以上に加熱する工程を行う。
【0022】
このような加熱工程の具体的手段は、はんぺん用含気すり身の表面を80℃以上にすることができるものであれば特に制限されない。好ましいのは、熱水を用いる方法、蒸気を用いる方法、熱風を用いる方法、遠赤外線による方法である。はんぺん用含気すり身の表面温度は80℃以上に1分以上保持することが勧められ、2〜3分に保持することが好ましい場合がある。食品衛生上の観点からは、はんぺん用含気すり身の表面温度を80℃以上に5分以上保持すれば極めて安全な食品を提供することができる。
【0023】
本発明で採用することができる熱水を用いる加熱方法は、熱水の中にはんぺん用含気すり身を浸漬する方法である。通常は、熱水が入った槽の中にはんぺん用含気すり身を送入し、一定時間経過後に送出することにより加熱する。槽中の熱水の温度は一定に維持しておき、浸漬時間を適宜調節することによって加熱の程度を調節することが好ましい。熱水の温度と浸漬時間は、はんぺん用含気すり身の表面温度が本発明の製造工程全体を通して80℃以上に到達する条件であれば特に制限されない。例えば、ジュール加熱したはんぺんを包装した後に包装物全体を熱水中に浸漬して加熱する場合は、例えば82℃の熱水中に2〜3分浸漬することにより加熱することができる。
【0024】
本発明で採用することができる蒸気を用いる加熱方法は、はんぺん用含気すり身を蒸気に接触させ、蒸気が有する熱をはんぺん用含気すり身の表面に伝えることにより加熱する方法である。通常は、蒸気をはんぺん用含気すり身に吹き付けることにより加熱する。蒸気の使用量と蒸気との接触時間は、はんぺん用含気すり身の表面温度が本発明の製造工程全体を通して80℃以上に到達する条件であれば特に制限されない。例えば、未包装のはんぺん用含気すり身であれば、周囲温度82℃で蒸気を3〜5分吹き付けることができる。また、包装後であれば、周囲温度82℃で蒸気を4〜6分吹き付けることができる。
【0025】
本発明で採用することができる熱風を用いる加熱方法は、はんぺん用含気すり身に熱風をあてて、熱風が有する熱をはんぺん用含気すり身の表面に伝えることにより加熱する方法である。熱風によれば、熱水や蒸気を用いる場合と異なり、はんぺん用含気すり身が水分を吸収して潤みを生じるのを回避することができる。また、比較的低温の熱風を用いれば、穏やかに表面を加熱することが可能である。熱風の温度と接触時間は、はんぺん用含気すり身の表面温度が本発明の製造工程全体を通して80℃以上に到達する条件であれば特に制限されない。例えば、未包装のはんぺん用含気すり身であれば、160℃の熱風を2〜3分あてることにより加熱することができる。
【0026】
本発明で採用することができる遠赤外線を用いる加熱方法は、はんぺん用含気すり身の表面に遠赤外線を照射して加熱する方法である。遠赤外線の照射は、通常は遠赤外線ヒーターを用いて行う。遠赤外線ヒーターは、棒状、パネル状、ランプ状の電気式遠赤外線ヒーターであってもよいし、ラジアント方式や表面燃焼方式のガス式遠赤外線ヒーターであってもよい。遠赤外線による加熱を行えば、表面に焦げ目をつけることも可能である。このため、遠赤外線による加熱を採用すれば、表面加熱と同時に所望の外観を形成することもできるという利点がある。また、炎で焼いたときのような焼きムラが生じることもないので、製品の個体差も生じ難いという利点もある。
【0027】
遠赤外線の照射エネルギーと照射時間は、はんぺん用含気すり身の表面温度が本発明の製造工程全体を通して80℃以上に到達する条件であれば特に制限されない。例えば、はんぺん用含気すり身から40〜50cm離れた距離に設置した115℃の熱源を用いて遠赤外線を照射する場合は、2〜3分照射することが好ましい。包装後のはんぺんに対して遠赤外線を照射する場合は、加熱温度が包装材料の融点を超えないように注意する必要がある。
【0028】
上記のジュール加熱以外の加熱方法は、ジュール加熱の前、ジュール加熱中、ジュール加熱後のいずれに行ってもよい。好ましいのは、ジュール加熱中またはジュール加熱後に行う場合である。例えば、ジュール加熱前に熱水や蒸気による加熱を行うと、はんぺん用含気すり身の表面が多少ふやけたり、すり身がダレたりして形が変形するため、その後に行うジュール加熱のときに電極板がはんぺん用含気すり身に均一に接触しにくくなるおそれがある。また、ジュール加熱前に熱風や遠赤外線による加熱を行うと、はんぺん用含気すり身の表面が乾燥するために、その後に行うジュール加熱の際に通電しにくくなるおそれがある。したがって、ジュール加熱前にこれらの加熱を行う場合は、比較的穏やかな条件で行うことが好ましい。なお、ジュール加熱後に熱水に浸漬する工程は本発明の範囲から除外される。
【0029】
上記のジュール加熱以外の加熱方法は、2種以上を組み合わせて行ってもよい。その場合は、2種以上の加熱方法を同時に行ってもよいし、時間を分けて行ってもよい。2種以上の加熱方法を組み合わせて行う場合は、それらの加熱方法を通して表面温度が80℃以上になるように加熱すればよい。なお、表面の殺菌を十分に行うためには、表面が80℃以上の温度に5分以上保たれるような条件を選択することが好ましい。
【0030】
本発明の製造方法によれば、ジュール加熱を単独で行った場合に比べて表面の加熱を十分に行うことができる。このため、過度の膨張を防ぎながら、表面まで十分に殺菌されたはんぺんを製造することが可能になる。
【0031】
また、本発明の製造方法によれば、ジュール加熱以外の加熱方法を単独で用いた場合に比べて以下のような利点がある。
加熱対象となるはんぺん用含気すり身は、気泡を含んでいるために、外側から加熱しても中心部まで迅速に熱が伝わりにくい。このため、例えば茹でたり蒸したりする方法では、はんぺん用含気すり身の中心部まで達温させるために、ある程度の時間(5〜7分)をかけて加熱する必要がある。しかしながら、このような時間をかけた茹で工程や蒸し工程を行うと、はんぺんの表面が水分を吸収して軟化してしまう「潤み」が生じてしまう。このような潤みが生じたはんぺんは、その後の包装工程等で形状が崩れやすく、それに加え、上記の加熱方法では、はんぺんからタンパクが溶出して工程を汚染するため、日持ちも悪いという問題がある。また、過度の潤みを防ぐためには、はんぺん用含気すり身の含水量や含気量を制限せざるを得ず、使用可能な原材料(特にすり身のグレード)の幅が狭まるという問題もある。しかもこのような方法で潤みを改善しても、はんぺん特有の食感を損ねてしまうという問題もある。本発明の製造方法により、ジュール加熱と組み合わせて加熱すれば、このような表面の過度な潤みや食感の低下を防ぎながら、良好なはんぺんを製造することができる。
【0032】
本発明の製造方法により製造されたはんぺんは、従来のはんぺん以上に様々な食し方の訴求ができる。例えば、従来のはんぺんもさわびや醤油などの調味料を付けてそのまま食することが可能であるが、潤みがあるため一般消費者の間には生食への抵抗がかなりあった。しかし潤みをなくすことで上記生食方法はもちろんサラダ等への食の展開が図れる。さらには揚げ物や焼き物にしたときに従来品より容易に揚色、焼色を付けることができるので調理の幅が広がる。また、従来と同様におでん等の鍋物の具として食することも可能である。
【0033】
以上、本発明をはんぺんを例にとって説明したが、本発明ははんぺん以外の気泡入り食品にも同様に適用することができる。例えば、原料として魚肉落し身を使用する場合や、伊達巻きなどにも、本発明は好適に適用しうる。さらには、特開平7−289203号公報に記載されるはんぺん風畜肉練り製品を製造する際に使用する鳥のササミなどの畜肉のすり身を使用して、本発明の製造方法を応用することができる。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0035】
(実施例1)
サメのすり身30kg、スケソウダラのすり身20kg、食塩2kg、卵白5kg、とろろ芋1.25kg、発泡剤としてグアガム0.13kg、その他の調味料微量、および水17.2kgを撹拌機で撹拌混合した。連続発泡機を用いて、得られた混合物に空気を含ませて、比重が0.45の魚肉混合物を調製した。その魚肉混合物を型枠を用いてはんぺんの形状に成形し、直ちに図1のジュール加熱機の電極で両端を挟み加熱した。このとき、電極間距離は約10cmであった。90Vで120秒間通電を行った結果、加熱前15℃の魚肉混合物の中心温度は80℃に到達した。
【0036】
(実施例2)
実施例1と同じ方法により、はんぺんの形状をした魚肉混合物を成形した。この魚肉混合物を板状の電極の上に置き、その上に別の板状の電極を重ねてジュール加熱を行った。このとき、電極間距離は約2cmであった。37Vで50秒間通電を行った結果、加熱前15℃の魚肉混合物の中心温度は80℃に到達した。
【0037】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、気泡入り食品原料の全体を効率よく加熱することができる。したがって、本発明の製造方法は、はんぺんを始めとする多様な気泡入り食品の製造に応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法に用いることができるジュール加熱機の概略断面図である。
【符号の説明】
1 はんぺん用含気すり身
2 電極
3 電極支持体
4 プレート

Claims (7)

  1. 気泡入り食品原料をジュール加熱する工程、
    前記ジュール加熱した気泡入り食品原料を包装して包装物とする工程、および
    前記包装物全体を加熱して前記気泡入り食品原料の表面を80℃以上に加熱する工程
    を行うことを特徴とする気泡入り食品の製造方法。
  2. 前記気泡入り食品原料の表面を80℃以上に加熱する工程を、熱水を用いて行うことを特徴とする請求項1の気泡入り食品の製造方法。
  3. 前記気泡入り食品原料の表面を80℃以上に加熱する工程を、蒸気を用いて行うことを特徴とする請求項の気泡入り食品の製造方法。
  4. 前記気泡入り食品原料の表面を80℃以上に加熱する工程を、熱風を用いて行うことを特徴とする請求項の気泡入り食品の製造方法。
  5. 前記気泡入り食品原料の表面を80℃以上に加熱する工程を、遠赤外線を用いて行うことを特徴とする請求項の気泡入り食品の製造方法。
  6. 前記気泡入り食品原料の比重が0.25〜0.95であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの気泡入り食品の製造方法。
  7. 前記気泡入り食品原料が気泡入り魚肉すり身であり、はんぺんを製造することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの気泡入り食品の製造方法。
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