JP4757666B2 - 銅張り積層板 - Google Patents

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Description

本発明は、銅箔上にポリイミド系樹脂からなる絶縁層を備えた銅張り積層板に関する。
近年、高機能化する携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオ、PDA、カーナビゲータ、その他の各種電子機器の小型化、軽量化の進展に伴って、これらの電気配線用基板材料としてフレキシブルプリント基板が使用され、配線部材の小型高密度化、多層化、ファイン化、低誘電化、高耐熱化等の要求が高まっている。
このようなフレキシブルプリント基板に用いられる積層板は、これまで、ポリイミドやポリエステル等のフィルムからなる絶縁体と銅箔(導体)とをエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの接着剤を介して貼り合わせて製造されている。しかしながら、上記のような方法で製造された銅張り積層板は、接着剤層の存在によって耐熱性や難燃性が低下するという問題がある。また、導体をエッチングした際や何らかの熱処理を施した際の寸法変化が大きく、その後の工程で支障をきたすという問題がある。
このような問題を解決すべく、導体上に直接ポリイミド系樹脂層を塗工形成して、絶縁体を互いに熱膨張係数の異なる複数のポリイミド系樹脂層で多層化することにより、温度変化に対しての寸法安定性、接着力、更にはエッチング後の平面性等において信頼性に優れたフレキシブルプリント基板を提供する方法が特公平6−93537号公報(特許文献1)などに開示されている。
ところで、フレキシブルプリント基板に用いられる銅張り積層板には、屈曲性、柔軟性、高密度実装等が要求される上、上述したように、特に近時では機器のメモリ容量の増加によって、配線の狭ピッチ化、高密度実装化が望まれている。フレキシブルプリント基板を高密度化するためには、回路配線の幅と間隔を小さくする、すなわち、ファインピッチ化する必要がある。そこで、接着剤層を有さない銅張り積層板においては、例えば特開2001−214298号公報(特許文献2)等のように、樹脂層との接着力を高めるために粗度が高く若しくは粗化処理された銅箔が用いられている。しかしながら、ファインピッチが要求される用途で粗度が高い銅箔を用いて積層板を形成すると、エッチングで回路を形成する際に樹脂に銅箔が残る根残りが生じたり、エッチング直線性が低下して回路幅が不均一になりやすい等の問題が生じる。
このため、配線の狭ピッチ化や高密度化するためには、表面粗さの小さい銅箔を使用する必要があるが、表面粗さの小さい銅箔は、アンカー効果、すなわち樹脂の銅箔の表面凹凸への食い込みが小さいため、機械的な接着強度が得られず、樹脂に対する接着力が低くなってしまう。そこで、実質的に粗面化処理が施されていない金属箔の表面を防錆処理、クロメート処理、及びシランカップリング処理のいずれか、もしくはこれらの組み合わせによって表面処理することで、金属箔と絶縁層との界面の密着性及び平坦性が両立される金属張積層板が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この積層板は絶縁層を特定の樹脂組成物からなるワニスを基材に塗布したプリグレグを用いるものである。
特公平6−93537号公報 特開2001−214298号公報 特開2004−25835号公報
以上のように、耐熱性、難燃性及び寸法安定性等に優れるとされる、接着剤を用いずに銅箔上に直接絶縁層を形成する銅張り積層板において、高密度実装化と、銅箔と絶縁層との機械的な接着強度における信頼性とを同時に満足できるものについては未だ見出されていない。本発明は、耐熱性、難燃性及び寸法安定性等において優れると共に、高密度実装が可能であり、かつ、優れた接着性及び接着力保持性を備えた銅張り積層板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明者らが検討を行ったところ、絶縁層と接する低粗度(表面粗さが小さい)の銅箔の表面に、所定の金属を析出させると共にカップリング剤による処理を行い、この銅箔の表面に特定のポリイミド系樹脂を設けることで、接着性とファインピッチ化の要請とを同時に満足させることができる銅張り積層板を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、銅箔上に絶縁層を備えた銅張り積層板であって、上記銅箔の絶縁層と接する面の表面がRz=0.3〜1.0μmであり、当該銅箔表面の高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析によって測定される金属元素が、ニッケル1〜15μg/cm2、亜鉛0.1〜10μg/cm2、及びコバルト1.5〜30μg/cm2であると共に、コバルトの含有割合を表すコバルト/(ニッケル+亜鉛+コバルト)が0.4以上となるように金属を析出させる金属析出処理と、カップリング剤による処理とが施されており、上記絶縁層が厚さ8〜45μmの単層の芳香族系ポリイミド系樹脂からなり、当該ポリイミド系樹脂は2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルを必須とするジアミンと無水ピロメリット酸を必須とする酸無水物の原料モノマーを重合して得られメチル基当量が205〜390の範囲であることを特徴とする銅張り積層板である。
本発明において、銅箔は、例えば圧延銅箔、電解銅箔等の公知の製造方法によって得られたものを用いることができる。この銅箔の厚さについては8〜35μmの範囲であるのがよく、好ましくは12〜18μmの範囲であるのがよい。銅箔の厚みが8μmに満たないと、銅張り積層板を大量生産する場合のようなライン製造の工程において、テンションの調整等が困難となるおそれがあり、反対に35μmを超えるとフレキシブル銅張り積層板の屈曲性が劣る。
また、本発明においては、絶縁層と接する面の銅箔の表面がRz=0.3〜1.0μm、好ましくは0.5〜1.0μmである必要がある。本発明においては、特に銅箔の表面を粗面化する処理は必要とせず、銅箔の表面の表面粗さRzが上記範囲であるものを使用することで、微細な回路パターンが成形可能な銅張り積層板を得ることができる。尚、Rzは、表面粗さにおける十点平均粗さ(JIS B 0601-1994)を示す。
また、本発明においては、絶縁層と接する銅箔の表面に金属析出処理が施され、当該銅箔表面を高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析によって測定した際、少なくともニッケル、亜鉛及びコバルトが検出される。具体的には、上記ICP発光分析にて、当該銅箔表面にニッケル1〜15μg/cm2、亜鉛0.1〜10μg/cm2及びコバルト1.5〜30μg/cm2が検出されると共に、該検出元素のコバルト/(ニッケル+亜鉛+コバルト)を0.4以上となるような金属析出処理を施す。金属析出処理後の銅箔の表面におけるニッケル、亜鉛及びコバルトの各検出量が上記範囲のそれぞれの下限値より少ないと、銅張り積層板を形成した際の銅箔と絶縁層との初期接着力が十分に得られないおそれがあると共に、耐熱試験を行った際の接着力の保持率が十分な値を得られないおそれがある。反対にニッケル、亜鉛及びコバルトの各検出量が上記範囲のそれぞれの上限値より多くなると、銅張り積層板を形成し、微細回路加工を行った場合にエッチング残り等の問題が生じるおそれがある。また、コバルト/(ニッケル+亜鉛+コバルト)の値が0.4より小さいと初期接着力の低下や耐熱試験後の保持率の低下等の問題が生じるおそれがある。
また、本発明においては、上記ICP発光分析によって測定されるニッケル、亜鉛及びコバルトの総含有量について、銅箔の表面に存在する、銅を除いた全ての金属の総量に対して70%以上であるのが好ましい。より具体的には、測定結果による金属組成比で表した場合、Ni(ニッケル)10〜40重量%、Zn(亜鉛)5〜20重量%、Co(コバルト)40〜70重量%を有するのがよく、その他の金属として、例えばMo(モリブデン)0〜5重量%、Cr(クロム)0〜5重量%等を有していてもよい。
本発明における金属析出処理については、銅箔の表面に上述した金属を所定量で析出させることができる手段であれば特に制限されず、例えば上記金属を用いた防錆処理等を挙げることができ、具体的には上記金属を所定量含んだ浴を用いてめっき処理を行い、銅箔の表面に各金属を所定量析出させる方法等を挙げることができる。
また、本発明においては、金属析出処理した銅箔の表面がカップリング剤により処理されている必要がある。カップリング剤によって処理することにより、銅張り積層板を形成した際の銅箔と絶縁層との初期の接着力が優れたものを得ることができると共に、耐熱試験を行った場合の接着力の保持率も優れたものを得ることができる。
上記カップリング剤については、銅箔の表面を有機処理できるものであればよく、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング剤、トリアジンチオール類、ベンゾトリアゾール類、アセチレンアルコール類、アセチルアセトン類、カテコール類、o-ベンゾキノン類、タンニン類、キノリノール類、アゾール類等を例示することができる。特に銅箔と絶縁層との間に優れた接着性を発揮させることができる観点から、具体的にはγ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-3-(4-(3-アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、2-アミノ-1,3,4-トリアゾール、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール、1-アミノ-1,3,4-トリアゾール、p-スチリルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカトプロピルトリエトキシシラン等のカップリング剤であるのがよく、より一層優れた接着性を発揮できる観点からγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。これらのカップリング剤は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明におけるカップリング剤による処理の具体的な方法については、例えば上記のようなカップリング剤を用いる場合には、先ず、溶媒としての水に所定量のカップリング剤を溶解させ、本発明における金属析出処理した後の銅箔の表面に塗布し、乾燥させる。この際、必要により加熱処理を行ってもよい。また、銅箔の表面に対して水に溶解させたカップリング剤を塗布する方法としては、例えば浸漬法、シャワーリング法、噴霧法等の公知の方法を用いることができる。
また、本発明においては、金属析出処理及びカップリング剤により処理された銅箔の表面を、更に防錆効果を付与せしめる等の目的でクロメート処理してもよい。
また、本発明において、ポリイミド系樹脂からなる絶縁層は、ポリイミド原料モノマーであるジアミン又は酸無水物の少なくとも一方がメチル基を有し、これらのジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合して得られる芳香族系ポリイミド系樹脂からなる。用いるジアミンとしては、例えば4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-メトキシ-4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジヒドロキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノベンズアニリド等を挙げることができる。また、酸無水物としては、例えば無水ピロメリット酸、3,4,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸無水物等を挙げることができる。これらのジアミン又は酸無水物の少なくとも一方がメチル基を有する組み合わせを用いて重合させる。この際、ジアミン及び酸無水物について、それぞれ1種のみを使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。
また、上記芳香族系ポリイミド系樹脂については、好ましくはメチル基当量が205〜390、更に好ましくは230〜390であるのがよい。メチル基当量の値が上記範囲であるポリイミド系樹脂を用いて絶縁層を形成することにより、上述の金属析出処理及びカップリング剤による処理を施した銅箔と高い接着力を示すと共に、耐熱試験後の高い接着保持率を実現することができる。ここで、メチル基当量とは構造式の分子量を構造式中のメチル基で割った値を意味し、酸、ジアミンの各モノマーの分子量の和から縮合水の分子量を引いたものを構造式の総分子量とし、総分子量をメチル基で割ることによって算出することができる。
ジアミンと酸無水物とを重合する際に用いる溶媒については、例えばジメチルアセトアミド、n-メチルピロリジノン、2-ブタノン、ジグライム、キシレン等を挙げることができ、これらについては1種若しくは2種以上を併用して使用することもできる。また、重合して得られた前駆体(ポリアミック酸)の樹脂粘度については、500cps〜35000cpsの範囲とするのが好ましい。
本発明において、銅箔上にポリイミド系樹脂からなる樹脂層を形成する方法としては、所定の表面粗さを有する銅箔の表面に上述した金属析出処理及びカップリング剤による処理を施した後、この銅箔の表面にポリイミドの前駆体溶液を塗布し、温度範囲100〜450℃、好ましくは300〜450℃の温度範囲で5〜20分間程度の熱処理を行い、溶媒の乾燥及びイミド化を行うのが好ましい。この際の熱処理の温度が100℃より低いとポリイミドが十分にイミド化せず本来の特性を発現することができないおそれがあり、反対に450℃を超えると、ポリイミド系樹脂からなる樹脂層及び銅箔が酸化等により劣化するおそれがある。また、熱処理の温度が300℃以上であれば樹脂のイミド化を十分に進行させることができる。また、上記絶縁層については、二層以上の複数層のポリイミド系樹脂から形成してもよい。
銅箔の表面に設ける絶縁層の厚みについては、好ましくは8〜45μmであるのがよく、更に好ましくは10〜40μmの範囲であるのがよい。絶縁層の厚みが8μmに満たないと、銅張り積層板を製造した後における実装時の搬送性等で不具合が生じるおそれがあり、反対に45μmを超えると、銅張り積層板の製造時の寸法安定性や屈曲性等において問題が生じるおそれがある。
また、本発明における銅張り積層板については、好ましくは初期接着力が0.8kN/m以上(銅箔厚み18μm、回路幅100μm時)であり、150℃で168時間経過後の接着力が0.8kN/m以上であるのがよい。これらの値を備えればフレキシブルプリント基板用の製品として優れた信頼性を有する。
本発明における銅張り積層板については、絶縁層の片面側のみに銅箔を備えた片面銅張り積層板であってもよいことは勿論のこと、銅箔を2枚用意し、それぞれの接着面に本発明における金属析出処理及びカップリング剤による処理を施し、これらの銅箔の間に絶縁層が挟み込まれるようにして形成した両面銅張り積層板としてもよい。尚、両面銅張り積層板を得るためには、片面銅張り積層板を形成した後、互いに絶縁層を向き合わせて熱プレスによって圧着し形成してもよく、また、2枚の銅箔の間に絶縁層を挟み込み、熱プレスによって圧着し形成してもよい。
本発明における銅張り積層板は、接着剤を用いずに銅箔上に直接絶縁層を形成するため耐熱性、難燃性及び寸法安定性等に優れ、更には、高密度実装が可能であって微細回路加工性に優れると共に接着性及び接着力保持性に優れることから、フレキシブルプリント基板として電気、電子部品に使用した際に信頼性に優れ、微細加工用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。尚、以下の実施例において、特に断りのない限り各種評価については下記によるものである。
[表面粗さ(Rz)の測定]
KLA テンコール株式会社製の高感度表面プロファイラ(P-15)を用いて、銅箔の樹脂塗工側の表面粗さを測定した。
[接着力の測定]
銅箔と絶縁層との間の接着力は、銅箔上にポリイミド系樹脂からなる絶縁層を形成した後、線幅0.1mmに回路加工を行い、東洋精機株式会社製引張試験機(ストログラフ−M1)を用いて、銅箔を90°方向に引き剥がし測定した。尚、初期接着力とは銅張り積層板を製造して直後に上記方法で測定した接着力を表す。
[耐熱試験後の接着力の測定]
銅箔上にポリイミド系樹脂からなる絶縁層を形成した後、線幅0.1mmに回路加工を行い、その後150℃の大気雰囲気下で168時間熱処理し、東洋精機株式会社製引張試験機(ストログラフ−M1)を用いて、銅箔を90°方向に引き剥がし測定した。
(合成例1)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下BAPP)と4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(以下DAPE)をモノマー比8:2になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次に無水ピロメリット酸(以下PMDA)と3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下BPDA)をモノマー比9:1になるように加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は5,000cpsであった。得られたポリアミック酸を熱硬化させて得られた樹脂Aのメチル基当量は349となる。
(合成例2)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(以下m-TB)と1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下TPE-Q)をモノマー比8:2になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は20,000cpsであった。得られたポリアミック酸を熱硬化させて得られた樹脂Bのメチル基当量は256となる。
(合成例3)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器にm-TBとDAPEをモノマー比6:4になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAとBPDAをモノマー比7:3になるように加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は25,000cpsであった。得られたポリアミック酸を熱硬化させて得られた樹脂Cのメチル基当量は378となる。
(合成例4)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器にm-TBとDAPEをモノマー比6:4になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAとBPDAをモノマー比8:2になるように加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は20,000cpsであった。得られたポリアミック酸を熱硬化させて得られた樹脂Dのメチル基当量は337となる。
(合成例5)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器にm−TBとTPR−Qをモノマー比95:5になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は20,000cpsであった。得られたポリアミック酸を熱硬化させて得られた樹脂Eのメチル基当量は209となる。
(合成例6)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器にDAPEを容器中で撹拌しながら溶解させた。次にベンゾフェノン-3,4,3',4'-テトラカルボン酸二無水物(BTDA)を加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は5,000cpsであった。得られたポリアミック酸を熱硬化させて得られた樹脂Fのメチル基当量は0となる。
(合成例7)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2´-メトキシ-4,4´-ジアミノベンズアニリド(MABA)とDAPEをモノマー比4:6になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は20,000cpsであった。得られたポリアミック酸を熱硬化させて得られた樹脂Gのメチル基当量は0となる。
(合成例8)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器にBAPPとTPE−Qをモノマー比8:2になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAとBPDAをモノマー比5:5になるように加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は5,000cpsであった。得られたポリアミック酸を熱硬化させて得られた樹脂Hのメチル基当量は394となる。
(合成例9)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器にm−TBを容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸の溶液粘度は20,000cpsであった。得られたポリアミック酸を熱硬化させて得られた樹脂Iのメチル基当量は197となる。
上記合成例1〜9においてメチル基当量を算出する際、各モノマーの分子量として以下の数値を用い、各合成例におけるモノマーの混合比より平均分子量を計算して縮合水の分子量36(分子量2つ分)を引いて総分子量とし、この総分子量をその構造式に含まれるメチル基の数で割ることでメチル基当量を算出した。各モノマーの分子量は次の通りである。PMDA:218、BPDA:294、BTDA:322、m-TB:212、TPE-R:292、DAPE:200、MABA:257、BAPP:410として計算した。
[参考例1]
厚さ18μm、表面粗さRz=0.7μmの電解銅箔を用意した。この銅箔の表面をめっき処理(金属析出処理)し銅箔1を得た。銅箔1のポリイミド樹脂を形成する面をICP発光分析によって測定した結果を表1に示す。
Figure 0004757666
次いで、γ-アミノプロピルトリエトキシシランを5g/lの濃度になるように調整した水溶液を用意し、上記銅箔1の金属析出処理した面にシャワーリングにより吹きつけを行い、その後140℃で約5秒間乾燥させた(カップリング剤による処理)。この銅箔1のカップリング処理した面に上記合成例1で調製したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂A)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.1kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過した後の接着力が1.0kN/mであった。結果を表2に示す。
Figure 0004757666
[実施例2]
参考例1と同じ銅箔1を用いて参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。次いで、金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔1の表面に、上記合成例2で調製したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂B)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.1kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は1.0kN/mであった。結果を表2に示す。
[実施例3]
参考例1と同じ銅箔1を用いて参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔1の表面に、上記合成例3で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂C)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.9kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.8kN/mであった。結果を表2に示す。
[実施例4]
参考例1と同じ銅箔1を用いて参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔1の表面に、上記合成例4で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂D)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.0kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.8kN/mであった。結果を表2に示す。
[実施例5]
参考例1と同じ銅箔1を用いて参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔1の表面に、上記合成例5で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂E)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.0kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.8kN/mであった。結果を表2に示す。
[参考例2]
厚さ18μmの電解銅箔を用意した。この銅箔の表面をめっき処理(金属析出処理)し、銅箔2を得た。銅箔2のポリイミド樹脂を形成する面をICP発光分析によって測定した結果を表1に示す。この銅箔2を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔2の表面に、上記合成例1で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗りし、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂A)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.2kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は1.1kN/mであった。結果を表2に示す。
[実施例7]
参考例2と同じ銅箔2を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔2の表面に、上記合成例2で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂B)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.0kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.9kN/mであった。結果を表2に示す。
[実施例8]
参考例2と同じ銅箔2を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔2の表面に、上記合成例3で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂C)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.0kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.9kN/mであった。結果を表2に示す。
[実施例9]
参考例2と同じ銅箔2を用いて参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔2の表面に、上記合成例4で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂D)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.0kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.8kN/mであった。結果を表2に示す。
[実施例10]
参考例2と同じ銅箔2を用いて参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔2の表面に、上記合成例5で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂E)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.0kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.8kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例1]
参考例1と同じ銅箔1を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔1の表面に、上記合成例6で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂F)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.7kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.4kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例2]
参考例1と同じ銅箔1を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔1の表面に、上記合成例7で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂G)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.5kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例3]
参考例1と同じ銅箔1を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔1の表面に、上記合成例8で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂H)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.6kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.4kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例4]
参考例1と同じ銅箔1を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔1の表面に、上記合成例9で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂I)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.3kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例5]
実施例4と同じ銅箔2を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔2の表面に、上記合成例6で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂F)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.2kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例6]
実施例4と同じ銅箔2を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔2の表面に、上記合成例7で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂G)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.5kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例7]
実施例4と同じ銅箔2を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔2の表面に、上記合成例8で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂H)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.2kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例8]
実施例4と同じ銅箔2を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤による処理を行った銅箔2の表面に、上記合成例9で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂I)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.3kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例9]
厚さ18μmの電解銅箔を用意した。この銅箔の表面をめっき処理(金属析出処理)し銅箔3を得た。銅箔3のポリイミド樹脂を形成する面をICP発光分析によって測定した結果を表1に示す。この銅箔3を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔3の表面に、上記合成例1で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗りし、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂A)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.6kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.6kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例10]
比較例9と同じ銅箔3を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔3の表面に、上記合成例2で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂B)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.0kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.7kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例11]
比較例9と同じ銅箔3を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔3の表面に、上記合成例3で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂C)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が1.0kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.7kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例12]
比較例9と同じ銅箔3を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔3の表面に、上記合成例4で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂D)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.8kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.6kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例13]
比較例9と同じ銅箔3を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔3の表面に、上記合成例5で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂E)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.8kN/mであり、150℃(大気雰囲気下)で168時間経過後の接着力は0.5kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例14]
厚さ18μmの電解銅箔を用意した。この銅箔の表面をめっき処理(金属析出処理)し銅箔4を得た。銅箔4のポリイミド樹脂を形成する面をICP発光分光分析によって測定した結果を表1に示す。この銅箔4を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔4の表面に、上記合成例1で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗りし、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂A)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.4kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例15]
比較例14と同じ銅箔4を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔4の表面に、上記合成例2で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂B)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.3kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例16]
比較例14と同じ銅箔4を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔4の表面に、上記合成例3で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂C)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.3kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例17]
比較例14と同じ銅箔4を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔4の表面に、上記合成例4で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂D)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.3kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例18]
比較例14と同じ銅箔4を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔4の表面に、上記合成例5で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂E)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.3kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例19]
厚さ18μmの圧延銅箔を用意した。この銅箔の表面をめっき処理(金属析出処理)し銅箔5を得た。銅箔5のポリイミド樹脂を形成する面をICP発光分析によって測定した結果を表1に示す。この銅箔5を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔5の表面に、上記合成例2で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗りし、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂B)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.3kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例20]
比較例19と同じ銅箔5を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔5の表面に、上記合成例3で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂C)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.2kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例21]
厚さ18μmの圧延銅箔を用意した。この銅箔の表面をめっき処理(金属析出処理)し銅箔6を得た。銅箔6のポリイミド樹脂を形成する面をICP発光分析によって測定した結果を表1に示す。この銅箔6を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔6の表面に、上記合成例2で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗りし、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂B)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.3kN/mであった。結果を表2に示す。
[比較例22]
比較例21と同じ銅箔6を用いて、参考例1と同様の方法でカップリング剤による処理を行った。金属析出処理及びカップリング剤処理を行った銅箔6の表面に、上記合成例3で調整したポリイミド前駆体溶液を手塗り塗布し、乾燥後、最終的に300℃以上約4分で熱処理を行ってポリイミド樹脂(樹脂C)を形成し、絶縁層の厚みが40μmの銅張り積層板を得た。この銅張り積層板の0.1mmピールは初期接着力が0.2kN/mであった。結果を表2に示す。

Claims (3)

  1. 銅箔上に絶縁層を備えた銅張り積層板であって、上記銅箔の絶縁層と接する面の表面がRz=0.3〜1.0μmであり、当該銅箔表面の高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析によって測定される金属元素が、ニッケル1〜15μg/cm2、亜鉛0.1〜10μg/cm2、及びコバルト1.5〜30μg/cm2であると共に、コバルトの含有割合を表すコバルト/(ニッケル+亜鉛+コバルト)が0.4以上となるように金属を析出させる金属析出処理と、カップリング剤による処理とが施されており、上記絶縁層が厚さ8〜45μmの単層の芳香族系ポリイミド系樹脂からなり、当該ポリイミド系樹脂は2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニルを必須とするジアミンと無水ピロメリット酸を必須とする酸無水物の原料モノマーを重合して得られメチル基当量が205〜390の範囲であることを特徴とする銅張り積層板。
  2. 絶縁層が、銅箔の表面にポリイミドの前駆体溶液を塗布して乾燥及び硬化させて得られたものである請求項1に記載の銅張り積層板。
  3. 初期接着力が0.8kN/m以上(銅箔厚み18μm、回路幅100μm時)であり、150℃雰囲気下168時間経過後の接着力が0.8kN/m以上である請求項1又は2に記載の銅張り積層板。
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