JP4754708B2 - 工作機械の数値制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械の送り軸を加速または減速するとき、工作機械の送り軸が加速度に影響されて変位することを抑制し、かつ工作機械の送り軸の加速または減速における時間的応答を高める工作機械の数値制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を説明するにあたり、従来と本発明に共通する事柄を図19および図20を用いて説明する。図19と図20は工作機械の送り軸であるY軸が移動するとき、Y軸と直交して結合したZ軸は、Y軸に載って一緒に移動する場合を想定している。Y軸が加速または減速して移動する時に、Z軸は振動の影響を受けて変位する。図19は、Z軸の繰り出し量L1が図20に比べて大きい場合を表し、図20は、Z軸の繰り出し量L2が図19に比べて小さい場合を表している。同一加速度の場合、図19と図20を比べた場合、回転中心からの繰り出し量L1がL2より大きい分だけ、変位量d1はd2より大きくなる。この変位は、工作機械の送り軸を移動させるとき、振動となって切削加工面に悪影響を及ぼす。従来は、Z軸の繰り出し量の全域において、振動を抑制するために、Z軸の繰り出し量が最大のときのY軸に対する加減速時間を単一で数値制御装置に設定して対応していた。しかし、Z軸の繰り出し量が小さいときには、変位量d1およびd2は小さいためにY軸の加減速時間をより短く設定すべきであった。ところが、従来においては、前述のとおりZ軸の繰り出し量が最大のときのY軸の加減速時間を用いているので、加速または減速のときの時間的応答が必要以上に低く、従って、ワークを切削して加工する時間が余分にかかるという問題点があった。
【0003】
次に、工作機械の数値制御装置に関する従来の構成について図18を用いて説明する。詳細については後述するが、従来の工作機械の数値制御装置200は、入力部110、記憶部120、解析部130、サーボ出力部150で構成されている。
【0004】
図18の入力部110には、数字、アルファベット文字および「/」などの特殊記号を入力するときに用いる数字キー、アルファベットキーおよび特殊キーをそれぞれ有するキーボードを備えている。工作機械のオペレータ17は入力部110のキーボードのキーを操作することで、工作機械を作動する手順またはワークを加工する手順を指令する加工プログラムを入力部110に入力する。また、加減速時の振動によるZ軸31の変位量を加工精度内にするためにZ軸31の繰り出し位置の全域に対して単一でY軸21の加減速時間を入力部110に入力する。Z軸31に対しては、単一の加減速時間を入力部110に入力する。さらに、入力部110には、前記加減速時間以外に工作機械固有の制御用パラメータなど工作機械の制御に関係する数値情報も入力される。これらの加工プログラム、加減速時間および数値情報は従来のデータ10に用意され、入力部110から記憶部120に記憶される。また、入力部110には、従来のデータ10をテープ18、または、ディスク19にて入力することもできる。また、入力部110では記憶部120に記憶された一連の加工プログラムを指定して保持する。加工プログラムが指定されて実行されると、解析部130は、この加工プログラムを解析して、工作機械の指令値(すなわち、Y軸21とZ軸31の送り速度ならびに移動量、工作機械の主軸の回転速度および切削工具を選択するための工具番号など)を生成する。
【0005】
図18のサーボ出力部150は、前記加減速時間と前記指令値から単位時間毎の移動量を生成し、Y軸21とZ軸31を駆動するための第1および第2サーボモータ22、32に出力する。さらに、Y軸21とZ軸31の移動した位置および速度(または第1および第2サーボモータ22、32の回転部の回転移動した位置および速度)を第2および第4の検出器24、34(または第1および第3の検出器23、33)からフィードバックして制御する。
【0006】
駆動部160は、Y軸21とZ軸31の移動した位置および速度を検出する第2および第4の検出器24、34(または第1および第2サーボモータ22、32の回転部の回転移動した位置および速度を検出する第1および第3の検出器23、33)を有し、Y軸21とZ軸31を駆動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決しようとするものであって、その目的は、工作機械の第1の送り軸と直交して結合した第2の送り軸が、前記第1の送り軸の加減速移動時に加速度の影響で振動し変位するので、この変位量を抑制し、かつ前記第1の送り軸の加速または減速における時間的応答を高める数値制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するため第1の発明においては、 第1の送り軸と直交する第2の送り軸を有する工作機械において、 前記第2の軸の複数の繰り出し位置に対応して前記第1の送り軸に関する複数の許容加速度を第1データとして入力する入力部と、前記入力部に入力された第1データを記憶する記憶部と、 前記記憶部に記憶された第1データを解析し前記工作機械を制御する指令値を生成する解析部と、 前記解析部にて生成された前記指令値から前記第2の送り軸の繰り出し量を算出して算出繰り出し量とし、この算出繰り出し量に対応して予め定められた式により算出された前記第1の送り軸にて許容できる加速度を算出許容加速度とする算出部と、 前記算出部で算出された前記算出許容加速度と前記指令値とから単位時間毎の移動量を算出し、前記第1および前記第2の送り軸をそれぞれ駆動する第1および第2サーボモータに出力すると共に、前記第1第2の各送り軸に関する位置および速度をフィードバックし制御するサーボ出力部と、 を備えたことを特徴とする工作機械の数値制御装置とした。
【0009】
本発明の第2の発明においては、第1の発明おける許容加速度に替えて加減速時間を用い、許容できる加速度を算出し算出許容加速度とすることに替えて許容できる加減速時間を算出し算出加減速時間とすること、を特徴とする工作機械の数値制御装置とした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を示す図面に基づいて説明する。請求項1および請求項2の発明にかかる以下の説明においては、Y軸を請求項1記載の第1の送り軸とし、Z軸を請求項1記載の第2の送り軸として説明する。
【0011】
図1は、本発明における請求項1記載の発明に対する一実施形態としての構成を示すブロック図である。図1の各部についての詳細は後述するが、この工作機械の数値制御装置200Aは、図1のように入力部110A、記憶部120A、解析部130A、算出部140A、サーボ出力部150Aで構成されている。
【0012】
詳細な説明をする前に、先に説明をした図18における従来の工作機械の数値制御装置200と図1における本発明にかかる工作機械の数値制御装置200Aとの異なる点について、両者を比較して説明する。図18の従来のデータ10および図1の第1データ10Aは、工作機械の数値制御装置が指令値を生成するために入力するデータの集まりを指している。まず、図18の従来のデータ10と図1の第1データ10Aの相違点を説明する。従来の工作機械の数値制御装置200は、Y軸の加減速時間が単一で用意されるのに対して、図1では、加減速時の振動によるZ軸の変位量を加工精度内にするために許容加速度が複数で用意されている点である。さらに、加減速時間を単一で使用するために、算出繰り出し量と算出許容加速度を算出する図1の算出部が、図18においては存在しない点である。そのほか、異なる種類のデータ(すなわち従来のデータ10と第1データ10A)をそれぞれ入力、記憶および解析する点において、図1と図18の工作機械の数値制御装置200A、200の入力部110、110A、記憶部120、120A、解析部130、130Aは互いに異なる。
【0013】
次に、図1を用いて本発明の請求項1記載の発明を詳細に説明する。図1の入力部110Aには、数字、アルファベット文字および「/」などの特殊記号を入力するときに用いる数字キー、アルファベットキーおよび特殊キーをそれぞれ有するキーボードを備えている。工作機械のオペレータ17は入力部110Aのキーボードのキーを操作することで、工作機械を作動する手順またはワークを加工する手順を指令する加工プログラムを入力部110Aに入力する。また、加減速時の振動によるZ軸31の変位量を加工精度内にするためにZ軸31の複数の繰り出し位置において予め測定して得たY軸21の複数の許容加速度を入力部110Aに入力する。さらに、入力部110Aには、前記許容加速度以外に工作機械固有の制御用パラメータなど工作機械の制御に関係する数値情報も入力される。これらの加工プログラム、許容加速度、繰り出し量および数値情報は第1データ10Aとして用意され、入力部110Aから記憶部120Aに記憶される。また、入力部110Aには、前記第1データ10Aをテープ18、または、ディスク19にて入力することもできる。また、入力部110Aでは記憶部120Aに記憶された一連の加工プログラムを指定して保持する。加工プログラムが指定され、指定された加工プログラムが実行されると、解析部130Aは、指定された加工プログラムを解析して、工作機械の指令値(すなわち、Y軸21とZ軸31の送り速度ならびに移動量、工作機械の主軸の回転速度および切削工具を選択するための工具番号など)を生成する。算出部140Aは、解析部130Aで解析して得られたZ軸31の移動量を計算して、Z軸31の実際の繰り出し量を算出する。さらに、算出部140Aでは、記憶部120Aに記憶された図12の例に示すようなZ軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の表から、該当する値(すなわち、Z軸31の実際の繰り出し量の前後にある記憶されたZ軸31の繰り出し量とY軸21の許容加速度の値)を読込んで、のちほど説明する(式2)に従って計算し、Z軸31の実際の繰り出し量に対するY軸21の算出許容加速度を算出する。(図12については、後出の(0018)の項で詳述する。)
【0014】
下の(0017)項に示す(式2)を導く過程を図3、図5、図6、図7および図8を用いて説明する。図5は、Z軸の基準座標の位置Pz、加工プログラムが解析されて得られたZ軸の基準座標に対する位置P、Z軸の繰り出しの位置(繰り出し量)Dの関係を示した図である。図5のようにZ軸の繰り出し量を算出するための工作機械のZ軸31の基準座標に対する位置をPzとする。解析部130Aで加工プログラムを解析して得られた前記基準座標に対する位置をPとすると、繰り出し量Dは、D=P−Pzとなる。
【0015】
このZ軸31の繰り出し量Dに対するY軸21の許容加速度Aとの関係を、図6を用いて説明する。図6は、Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係を表した図であるが、図6のようにZ軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係が、直線と仮定するとZ軸の繰り出し量D1とD2との間のZ軸の繰り出し量Dに対するY軸の算出許容加速度は、下の(式1)に示されるように比例式が成り立つ。下の(式1)をAについて展開すると、下の(式2)で表される。図7は、Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係において誤差を表した図であるが、実際の場合においては、Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係は図7のように曲線である。このように曲線の場合、下の(式2)を用いるとZ軸の繰り出し量D1とD2の距離が長い場合、Z軸の繰り出し量Dに対するY軸の算出許容加速度Aは、ポイントPの近くのポイントP'におけるY軸の算出許容加速度A'として求まる。すなわち、(A'−A)の分だけY軸の算出許容加速度は誤差が生じる。そこで、実際には、記憶部に設定するZ軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の数を増やして、Z軸の繰り出し量が、Z軸のどの繰り出し量の間にあるかを求めて算出しY軸の算出許容加速度A''に対しては、近似線分から下の(式2)を用いて近似値を求め、その近似値を用いる。図8を用いてY軸の算出許容加速度Aに対する近似値A''を求める様子を説明する。図8は、Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係において線分に分割して誤差を減じたことを表した図であるが、図8のポイントPとポイントP''、すなわちAとA''の関係のように、Y軸の実際の許容加速度Aの近似値A''として十分使用が可能となる。
【0016】
さらに、Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の設定の数を増やした場合を図3に示す。図3は、Z軸の複数の繰り出し位置(繰り出し量)D1、D2、・・・、Dnに対するY軸の複数の許容加速度A1、A2、・・・、Anとの関係をグラフに表した図であるが、例えば、図3のように、Z軸の繰り出し量D1に対するY軸の許容加速度をA1とし、Z軸の繰り出し量D2に対するY軸の許容加速度をA2とし、・・・、Z軸の繰り出し量Dnに対するY軸の許容加速度をAn(ここで、Z軸の繰り出し量D1、D2、・・・、Dnの大きさの関係には、D1<D2<・・・<Dnを持たせている。)とすると、Z軸の繰り出し位置の全域に対して、下の(式3)に数値を当てはめてY軸の許容加速度Aを求めることができる。
【0017】
(A−A1)/(A2−A1)=(D−D1)/(D2−D1)・・・(式1)
A={(D−D1)/(D2−D1)}×(A2−A1)+A1・・・(式2)
A={(D−Di)/(Di+1−Di)}×(Ai+1−Ai)+Ai・・・(式3)
ここで、上の(式1)、(式2)および(式3)における各項は、
A:求めるY軸の算出許容加速度
A1:Z軸の繰り出し量D1のときのY軸の許容加速度
A2:Z軸の繰り出し量D2のときのY軸の許容加速度
Ai:Z軸の繰り出し量DiのときのY軸の許容加速度
Ai+1:Z軸の繰り出し量Di+1のときのY軸の許容加速度
D:Z軸の実際の繰り出し量
D1:Z軸の繰り出し量
D2:Z軸の繰り出し量
Di:Z軸の繰り出し量
Di+1:Z軸の繰り出し量
i:1、2、・・・、nのいずれかの整数
n:2以上の整数
を意味する。
【0018】
次に、Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度との関係を示した具体的数値の例を、図12の表と図13のグラフに示す。図12は、Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の一例を表に表した図である。図13は、図12の表をグラフに表した図である。Z軸の繰り出し量が0mmから100mm未満のとき、Y軸の許容加速度は300mm/sec 、Z軸の繰り出し量が100mmのときY軸の許容加速度は300mm/sec、・・・、Z軸の繰り出し量が500mmのときY軸の許容加速度は60mm/secというように図12の表が示すように、Z軸の複数の繰り出し位置に対応したY軸の許容加速度が記憶部120Aに設定されている。Z軸の繰り出し量が100mmから500mmまでの任意の点については上の(式2)を用いてY軸の算出許容加速度Aを求めることができる。例えば、250mmの点についてY軸の算出許容加速度Aを算出すると
A={(250−200)/(300−200)}×(180−240)+240=210 (mm/sec
となる。
【0019】
引き続き、図1のサーボ出力部150Aから説明する。サーボ出力部150Aは、前記算出許容加速度と前記指令値から各軸の移動量を生成し、Y軸21とZ軸31を駆動するための第1および第2サーボモータ22、32に出力する。さらに、Y軸21とZ軸31の移動した位置および速度(または第1および第2サーボモータ22、32の回転部の回転移動した位置および速度)を第2および第4の検出器24、34(または第1および第3の検出器23、33)からフィードバックして制御する。
【0020】
駆動部160は、Y軸21とZ軸31の移動した位置および速度を検出する第2および第4の検出器24、34(または第1および第2サーボモータ22、32の回転部の回転移動した位置および速度を検出する第1および第3の検出器23、33)を有し、Y軸21とZ軸31を駆動する。(ここでは4台の検出器を有すると記述したが、第1から第4の検出器は、1つの送り軸に対してサーボモータか送り軸のどちらか一方に1台あれば位置および速度のフィードバックは可能である。)
【0021】
図2は、本発明における請求項2記載の発明に対する一実施形態としての構成を示すブロック図であるが、次項の説明のように図1の構成において一部の項目を置き換えると図2の構成になる。従って、図2の説明は図1と相違する事柄を中心に説明し、図1と共通する部分については一部説明を省略する。
【0022】
図2において、工作機械の数値制御装置200Aは、図1と同じ構成である。この数値制御装置200Aの外部には、図1の「第1データ10A」における許容加速度に対して、図2においては、加減速時間が用意されている。入力部110A、記憶部120Aおよび解析部130Aの各部においては、「第1データ」を入力し、記憶し、解析する点においては同じだが加減速時間を許容加速度として入力、記憶および解析する点で相違がある。また、図2の算出部140AがZ軸の繰り出し量とY軸の「加減速時間」とZ軸の算出繰り出し量からY軸の「算出加減速時間」を算出するのに対して、図1の算出部140AはZ軸の繰り出し量とY軸の「許容加速度」とZ軸の算出繰り出し量からY軸の「算出許容加速度」を算出する点において相違がある。さらに、図2のサーボ出力部150Aが「算出加減速時間」と「指令値」から加減速時における単位時間毎の移動量を生成するのに対して、図1では「算出許容加速度」と「指令値」から加減速時における単位時間毎の移動量を生成する点において相違がある。これらの相違により、具体的には、請求項1に関連して説明した「図3、図6、図7、図8、図12、図13」に対して、のちほど説明する請求項2に関連した「図4、図9、図10、図11、図14、図15」の相違が生じる。
【0023】
下の(0026)項に示す(式5)を導く過程を図4、図9、図10および図11を用いて説明する。
【0024】
上記(0015)の項でZ軸の繰り出し量Dに対するY軸の許容加速度との関係を、図6を用いて説明したが、同様に、Z軸の繰り出し量Dに対するY軸の加減速時間Taとの関係を、図9を用いて説明する。図9は、Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の関係を表した図であるが、図9のようにZ軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の関係が、直線と仮定するとZ軸の繰り出し量D1とD2との間のZ軸の繰り出し量Dに対するY軸の算出加減速時間は、下の(式4)に示されるように比例式が成り立つ。下の(式4)をTaについて展開すると、下の(式5)で表される。図10は、Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の関係において誤差を表した図であるが、実際の場合においては、Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の関係は図10のように曲線である。このように曲線の場合、下の(式5)を用いるとZ軸の繰り出し量D1とD2の距離が長い場合、Z軸の繰り出し量Dに対するY軸の算出加減速時間Taは、ポイントPの近くのポイントP'におけるY軸の算出加減速時間Ta'として求まる。すなわち、(Ta'−Ta)分だけY軸の算出加減速時間は誤差が生じる。そこで、実際には、記憶部に設定するZ軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の数を増やして、Z軸の繰り出し量が、Z軸のどの繰り出し量の間にあるかを求めて算出し、Y軸の算出加減速時間Ta''に対しては、近似線分から下の(式5)を用いて近似値を求め、その近似値を用いる。図11を用いてY軸の算出加減速時間Taに対する近似値Ta''を求める様子を説明する。図11は、Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の関係において線分に分割して誤差を減じたことを表した図であるが、図11のポイントPとポイントP''、すなわちTaとTa''の関係のように、Y軸の実際の加減速時間Taの近似値Ta''として十分使用が可能となる。
【0025】
さらに、Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の設定の数を増やした場合を図4に示す。図4は、Z軸の複数の繰り出し位置(繰り出し量)D1、D2、・・・、Dnに対するY軸の複数の加減速時間Ta1、Ta2、・・・、Tanとの関係をグラフに表した図であるが、例えば、図4のように、Z軸の繰り出し量D1に対するY軸の加減速時間をTa1とし、Z軸の繰り出し量D2に対するY軸の加減速時間をTa2とし、・・・、Z軸の繰り出し量Dnに対するY軸の加減速時間をTan(ここで、Z軸の繰り出し量D1、D2、・・・、Dnの大きさの関係には、D1<D2<・・・<Dnを持たせている。)とすると、Z軸の繰り出し位置の全域に対して、下の(式6)に数値を当てはめてY軸の加減速時間Taを求めることができる。
【0026】
(Ta−Ta1)/(Ta2−Ta1)=(D−D1)/(D2−D1)・・・(式4)
Ta={(D−D1)/(D2−D1)}×(Ta2−Ta1)+Ta1・・・(式5)
Ta={(D−Di)/(Di+1−Di)}×(Ta(i+1)−Tai)+Tai・・・(式6)
ここで、上の(式4)、(式5)および(式6)における各項は、
Ta:求めるY軸の算出加減速時間
Ta1:Z軸の繰り出し量D1のときのY軸の加減速時間
Ta2:Z軸の繰り出し量D2のときのY軸の加減速時間
Tai :Z軸の繰り出し量DiのときのY軸の加減速時間
Ta(i+1):Z軸の繰り出し量Di+1のときのY軸の加減速時間
D:Z軸の実際の繰り出し量
D1:Z軸の繰り出し量
D2:Z軸の繰り出し量
Di:Z軸の繰り出し量
Di+1:Z軸の繰り出し量
i:1、2、・・・、nのいずれかの整数
n:2以上の整数
を意味する。
【0027】
次に、Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間との関係を示した具体的数値の例を、図14の表と図15のグラフに示す。図14は、Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の一例を表に表した図である。図15は、図14の表をグラフに表した図である。Z軸の繰り出し量が0mmから100mm未満のとき、Y軸の加減速時間は56msec、Z軸の繰り出し量が100mmのときY軸の加減速時間は56msec、・・・、Z軸の繰り出し量が500mmのときY軸の加減速時間は278msecと図14の表が示すように、Z軸の複数の繰り出し位置に対応したY軸の加減速時間が記憶部120Bに設定されている。Z軸の繰り出し量が100mmから500mmまでの任意の点については上の(式5)を用いてY軸の算出加減速時間Taを求めることができる。例えば、250mmの点についてY軸の算出加減速時間Taを算出すると
Ta={(250−200)/(300−200)}×(70−93)+93≒82 (msec)
となる。
【0028】
図16および図17を用いて上記の時間的応答の向上と切削加工時間の短縮について説明する。図16および図17は、工作機械の送り軸の切削加工における送り速度が変化(すなわち、加速または減速)したとき、算出許容加速度または算出加減速時間の違いによる時間的応答の違いを示した図である。今、図16および図17において算出許容加速度A1およびA2または算出加減速時間Ta1およびTa2とし、切削加工における送り速度をF1からF2さらにF1へと加速して減速させたときの所要時間をT1およびT2とすると、所要時間T1とT2の差が所要時間差T3となる。図16および図17においては、所要時間差T3の分だけ、時間的応答は向上している。切削加工を長期間繰り返すうちに、所要時間差T3の短縮分は合計されて何時間も切削加工時間が短縮される。
【0029】
本実施例の説明においては、Y軸を工作機械の第1の送り軸、Z軸を工作機械の第2の送り軸として説明したが、別の実施の例としては、Z軸を第1の送り軸、Y軸を第2の送り軸としてもよく、また、X軸を用いてX軸とY軸で実施してもよいし、さらに送り軸の数を増加して本発明が実施されてもよい。
【0030】
【発明の効果】
工作機械の第1の送り軸を加速または減速するとき、前記第1の送り軸に直交して結合した第2の送り軸は加速度に影響されて振動し変位する。その変位量を抑制しながらも、前記第2の送り軸の複数の繰り出し位置に対応して前記第1の送り軸に対して複数の算出許容加速度または算出加減速時間を算出して用いることで前記第1の送り軸の加速または減速における時間的応答を高め切削加工時間を短縮することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における請求項1記載の発明に対する一実施形態としての構成を示すブロック図である。
【図2】本発明における請求項2記載の発明に対する一実施形態としての構成を示すブロック図である。
【図3】Z軸の複数の繰り出し位置(繰り出し量)D1、D2、…、Dnに対するY軸の複数の許容加速度A1、A2、・・・、Anとの関係をグラフに表した図である。
【図4】Z軸の複数の繰り出し位置(繰り出し量)D1、D2、・・・、Dnに対するY軸の複数の加減速時間Ta1、Ta2、・・・、Tanとの関係をグラフに表した図である。
【図5】Z軸の基準座標の位置Pz、加工プログラムが解析されて得られたZ軸の基準座標に対する位置P、Z軸の繰り出しの位置(繰り出し量)Dの関係を示した図である。
【図6】Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係を表した図である。
【図7】Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係において誤差を表した図である。
【図8】Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係において線分に分割して誤差を減じたことを表した図である。
【図9】Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の関係を表した図である。
【図10】Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の関係において誤差を表した図である。
【図11】Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の関係において線分に分割して誤差を減じたことを表した図である。
【図12】Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の一例を表に表した図である。
【図13】図12の表をグラフに表した図である。
【図14】Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の一例を表に表した図である。
【図15】図14の表をグラフに表した図である。
【図16】工作機械の送り軸の切削加工における送り速度が変化(すなわち、加速または減速)したとき、算出許容加速度の違いによる時間的応答の違いを示した図である。
【図17】工作機械の送り軸の切削加工における送り速度が変化(すなわち、加速または減速)したとき、算出加減速時間の違いによる時間的応答の違いを示した図である。
【図18】従来の工作機械の数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図19】工作機械においてY軸が移動するとき、Z軸がY軸の加速度の影響を受けて変位する様子を示した図である。(図20に比べて、Z軸の繰り出し量が大きい場合を表した図である。)
【図20】工作機械においてY軸が移動するとき、Z軸がY軸の加速度の影響を受けて変位する様子を示した図である。(図19に比べて、Z軸の繰り出し量が小さい場合を表した図である。)
【符号の説明】
10 従来のデータ
10A 第1データ
17 オペレータ
18 テープ
19 ディスク
21 Y軸
22 第1サーボモータ
23 第1検出器
24 第2検出器
31 Z軸
32 第2サーボモータ
33 第3検出器
34 第4検出器
110、110A 入力部
120、120A 記憶部
130、130A 解析部
140A 算出部
150、150A サーボ出力部
160 駆動部
200、200A 工作機械の数値制御装置

Claims (2)

  1. 第1の送り軸と直交する第2の送り軸を有する工作機械において、前記第2の軸の複数の繰り出し位置に対応して前記第1の送り軸に関する複数の許容加速度を第1データとして入力する入力部と、
    前記入力部に入力された第1データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された第1データを解析し前記工作機械を制御する指令値を生成する解析部と、
    前記解析部にて生成された前記指令値から前記第2の送り軸の繰り出し量を算出して算出繰り出し量とし、この算出繰り出し量に対応して予め定められた式により算出された前記第1の送り軸にて許容できる加速度を算出許容加速度とする算出部と、
    前記算出部で算出された前記算出許容加速度と前記指令値とから単位時間毎の移動量を算出し、前記第1および前記第2の送り軸をそれぞれ駆動する第1および第2サーボモータに出力すると共に、前記第1第2の各送り軸に関する位置および速度をフィードバックし制御するサーボ出力部と、
    を備えたことを特徴とする工作機械の数値制御装置。
  2. 請求項1において、許容加速度に替えて加減速時間を用い、許容できる加速度を算出し算出許容加速度とすることに替えて、許容できる加減速時間を算出し算出加減速時間とすること、を特徴とする工作機械の数値制御装置。
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