JP4753833B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は使い捨ておむつや失禁パッド等を始めとする各種吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ等の吸収性物品に、使い捨てカイロ等の発熱体を組み込み、着用者に快適感を与える技術が知られている。例えば、パルプからなる吸収体の中央部に薄い中空部を形成し、その中にソーダ灰粉末を充填した使い捨ておむつが提案されている(特許文献1参照)。このおむつにおいては、***された尿がソーダ灰粉末と接触することによって発熱が生じる。このおむつとは別に、紙や不織布などの材料を複数枚重ねて形成した股当て布を十字に交差させ、その交差部分の間に低温発熱体を配置した使い捨ておむつも提案されている(特許文献2参照)。
更に、使い捨ておむつとは異なるが、股間に着用物品として共通するパンツに関し、パンツにポケットを設け、そのポケットに使い捨てカイロを入れて使用することが提案されている(特許文献3参照)。このおむつによれば、膀胱及び肛門部分が温められ、排尿の量と回数が減るとされている。
特開昭63−28903号公報 実用新案登録第3006226号公報 特開平4−176456号公報
本発明の目的は、前述した従来技術よりも各種性能が更に向上した吸収性物品を提供することにある。
本発明は、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収性コアを有する吸収性物品であって、所定温度に加熱された水蒸気を着用者の肌に向けて付与することが可能な水蒸気発生部を取り付ける手段を有する吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、吸収性物品の着用中に該吸収性物品から発生した水蒸気が着用者に付与され、それによって着用者の腰痛、手足の冷え、便秘、頻尿等が改善される。また、本発明の吸収性物品によれば、水蒸気を適用すべき身体の部位に応じて水蒸気発生部を吸収性物品に取り付けることができるので汎用性が高い。これらのことから本発明の吸収性物品は、高齢者や要介護者の***ケアや生理機能の改善に非常に有効である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の第1の実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつが示されている。図2には、図1に示すおむつを、サイドシール部分で開き、表面シート側からみた平面図が示されている。図3及び図4にはそれぞれ、図2におけるIII−III線断面図及びIV−IV線断面図が示されている。
本実施形態のおむつ1は、図1ないし図4に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3及び両シート2,3間に介在配置された液保持性の吸収性コア4を有する実質的に縦長の吸収性本体10と、吸収性本体10の裏面シート3側(非肌当接面側)に接合された外包材11とを備えている
外包材11は、その両側縁が、長手方向中央部において内方に括れた砂時計形の形状を有しており、おむつ1の輪郭を画成している。外包材11は、その長手方向の中央域に股下部Cを有している。股下部Cは、おむつ1を装着したときに、着用者の股下部に対向する部位である。更に外包材11は、股下部Cの前後方向にそれぞれ延びる腹側部Aと背側部Bを有している。腹側部A及び背側部Bはそれぞれ、おむつ1を装着したときに、着用者の腹側及び背側に対向する部位である。外包材11における腹側部Aの両側縁部A1,A2と、背側部Bの両側縁部B1,B2とが互いに接合されることで、おむつ1にはウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6が形成される。この接合によって、おむつ1の左右両側縁には一対のサイドシール部S,Sが形成され、パンツ型となる。これらの接合には、例えばヒートシール、超音波シール等が用いられる。
表面シート2、裏面シート3及び吸収性コア4はそれぞれ矩形状であり、一体化されて縦長の吸収性本体10を形成している。表面シート2、裏面シート3及び吸収性コア4としては、それぞれ、従来この種のおむつに用いられているものと同様のものを用いることができる。例えば、表面シート2としては不織布や多数の開孔を形成したフィルム等を用いることができる。裏面シート3としては熱可塑性フィルムを用いることができる。このフィルムは透湿性を有していていもよい。吸収性コア4としては、高吸収性ポリマーの粒子及びパルプ等の繊維材料から構成され、ティッシュペーパ(図示せず)によって被覆されているものを用いることができる。
吸収性本体10の長手方向の左右両側には、図2及び図3に示すように、液抵抗性ないし撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス8,8が形成されている。各側方カフス8の自由端部の近傍には、側方カフス弾性部材81が伸長状態で配されている。これにより、図1のように組み立てられた使い捨ておむつ1を着用させる際に、側方カフス弾性部材81が収縮することにより側方カフス8が起立する。それによって吸収性本体10の幅方向への液の流出が阻止される。側方カフス8,8の形成用のシート材82は、吸収性本体10の幅方向外側の所定幅の部分が、裏面シート3の肌当接面側に巻き下げられ、吸収性コア4と裏面シート3との間に固定されている。
図4に示すように、外包材11は、吸収性本体10の前後端縁からそれぞれ延出している。外包材11は、外層シート12と内層シート13とが積層された構造を有している。これらのシートは例えば一方が伸縮性を有し、他方が伸縮性を有していないものであるか、又は双方ともに伸縮性を有していないものである。外包材11を構成する2枚のシートのうち、外層シート12は内層シート13よりも長手方向の長さが大きい。外層シート12は、内層シート13の前後端縁からそれぞれ延出している。そして外層シート12における延出した部分が吸収性本体10側にそれぞれ折り返されている。図4に示すように、外層シート12の折り返し位置Fは、後述する複数のウエスト弾性部材51,51のうち、最も外方寄り(端部寄り)の部材の配置位置よりも外方(吸収性本体10の長手方向外方)である。
腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける、ウエスト開口部5には、ウエスト開口端5aに沿って、複数のウエスト部弾性部材51,51が配されている。また、レッグ開口部6,6にも、各開口部6の周縁端に沿って、レッグ部弾性部材61a,61bが配されている。これらのウエスト部弾性部材51,51は、及びレッグ部弾性部材61a,61bは、外層シート12と内層シート13との間に伸長状態で固定されている。
更に、ウエスト開口部5とレッグ開口部6との間には、おむつ1の幅方向に延びる胴回り部弾性部材71,71が複数本配されている。胴回り部弾性部材71,71は、おむつ1の幅方向全域にわたって配されている。胴回り部弾性部材71,71は、外層シート12と内層シート13との間に伸長状態で固定されている。複数の胴回り部弾性部材71,71のうちの一部は、吸収性本体10を横切るように配されている。
ウエスト部弾性部材51、レッグ部弾性部材61a,61b及び胴回り部弾性部材71,71としては、それぞれ天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、発泡ウレタン系樹脂、ホットメルト系伸縮部材等の伸縮性素材を糸状(糸ゴム)又は帯状(平ゴム)に形成したものが好ましく用いられる。
図2及び図4に示すように、腹側部Aにおける表面シート側には、ポケット部形成用シート100が配されている。詳細には、ポケット部形成用シート100は、吸収性コア4の前端縁、即ち吸収性コア4の2つの端縁のうち腹側部側の端縁とウエスト開口端5aとの間に位置する外周域に配されている。ポケット部形成用シート100は矩形状である。矩形状の該ポケット部形成用シート100は、おむつ1の幅方向にわたって折曲線が形成されるように二つ折りされている。二つ折りされたシートの内部には、複数の弾性部材101Aがおむつ1の幅方向に延びるように伸長状態で固定されている。
ポケット部形成用シート100は、その折り返し位置F’(図4参照)が、先に述べた外包材11の折り返し位置Fと概ね一致するように、腹側部Aの表面シート側に取り付けられている。また、二つ折りされた状態のポケット部形成用シート100は、図2に示すように、その幅が外包材11の幅と同じになっている。更に、ポケット部形成用シート100は、図4に示すように、二つ折りにされた部分のうちの内側部分100Aの端縁が、吸収性コア4の2つの端縁のうち腹側部側の端縁の近傍に位置している。一方、二つ折りにされた部分のうちの外側部分100Bの端縁は、吸収性コア4の腹側部側の端縁を越えて吸収性コア4上に位置している。そして、吸収性コア4上に位置している端縁には、該端縁に沿って弾性部材101Bがおむつ1の幅方向に延びるように伸長状態で固定されている。
ポケット部形成用シート100は、二つ折りされた状態で、左右の側縁部が、その長手方向にわたる全域において外包材11と接合固定されている。またポケット部形成用シート100は、同状態で、吸収性コア4の2つの端縁のうち腹側部側の端縁よりもやや外側(つまり、おむつの長手方向外方)の位置において、おむつ1の幅方向の全域にわたって外包材11と接合固定されている。ポケット部形成用シート100がこのように接合固定されている結果、おむつ1の腹側部Aにおける表面シート側には、ウエスト開口端5aの位置において開口したポケット部Pが、ポケット部形成用シート100と外包材11とによって形成される。更に、吸収性コア4の腹側部側の端部には、該端部を覆い且つおむつ1の幅方向に延びるウエストバリアカフ102が形成される。ウエストバリアカフ102は、おむつ1の着用状態において、弾性部材101Bが収縮することで起立可能になっている。なお、ウエストバリアカフ102の左右両側部は、外包材11と接合固定されており、その反り返りが防止されている。
上述のポケット部Pには水蒸気発生部Gが収容される。つまり、ポケット部Pは、おむつ1に水蒸気発生部Gを取り付ける手段として用いられる。水蒸気発生部Gの詳細については後述するが、簡単に説明すると、該水蒸気発生部Gは所定温度に加熱された水蒸気を発生するものである。したがってポケット部Pは、水蒸気発生部Gから発生した水蒸気を着用者の肌に向けて付与することが可能な構造になっている必要がある。この観点から、ポケット部Pを構成する部材の一つであるポケット部形成用シート100は、水蒸気の透過が可能な材料から構成されている必要がある。この目的のために、ポケット部形成用シート100は、例えば不織布を始めとする水蒸気透過性の高いシートから構成されていることが好ましい。
ポケット部形成用シート100が不織布から構成されている場合、該不織布としては、水蒸気透過性の高い材料であるスパンボンド不織布やエアスルー不織布を用いることが好ましい。水蒸気透過性を十分に確保する観点、十分な強度を維持する観点及び適度な柔軟性を維持する観点から、ポケット部形成用シート100を構成する不織布はその坪量が10〜100g/m2、特に15〜35g/m2であることが好ましい。不織布の水蒸気透過性を通気度(JIS P8117)で表すと、1秒/(100ml・6.42cm2)以下が望ましい。
ところで、水蒸気発生部Gは水蒸気を発生するものであるから、おむつ1の構造によっては、発生した水蒸気が吸収性コア4に吸収されてしまい、着用者に十分に付与されない場合がある。また、おむつ1の構造によっては、吸収性コア4に***された体液が表面シート2の表面を伝って流れ出て水蒸気発生部Gに到達してしまい、水蒸気が十分に発生されない場合もある。そこで本実施形態のおむつ1には、吸収性コア4に***された体液が水蒸気発生部Gへ移動すること、及び/又は水蒸気発生部Gから生じる水蒸気が吸収性コア4へ移動することを阻止する手段を備えられている(以下、この手段のことを「水分移動阻止手段」という)。
本実施形態における水分移動阻止手段としては、具体的には上述したウエストバリアカフ102が用いられている。ウエストバリアカフ102は、吸収性コア4と、水蒸気発生部Gの取り付け手段としてのポケット部Pとを隔てるように配置されている。それによって吸収性コア4に***された体液が水蒸気発生部Gへ移動することが阻止される。且つ水蒸気発生部Gから生じる水蒸気が吸収性コア4へ移動することも阻止される。
ところでウエストバリアカフ102は、上述したとおり、ポケット部形成用シート100の一部から構成されているので、それ自体では水蒸気や体液を透過させてしまう。そこで本実施形態においては、ウエストバリアカフ102を非透湿性及び液不透過性(又は撥水性)とするために、非透湿性及び液不透過性(又は撥水性)のフィルム(図示せず)をウエストバリアカフ102にラミネートしている。これによってウエストバリアカフ102は、非透湿性及び液不透過性(又は撥水性)のシートから構成されることになる。その結果、水蒸気発生部Gから発生した水蒸気が吸収性コア4に移動することや、吸収性コア4に***された体液が水蒸気発生部Gに移動することが効果的に防止される。
更に、本実施形態においては、水分移動阻止手段として、吸収性コア4に含まれている高吸収性ポリマーも利用している。具体的には、図4に示すように、吸収性コア4の周縁部のうち、水蒸気発生部Gの取り付け手段としてのポケット部Pに近接する領域に、他の領域よりも高坪量で高吸収性ポリマーを散布している。これによってポケット部Pに近接する領域に、高吸収性ポリマーの高散布域103を形成している。高吸収性ポリマーの高散布域103は、吸収性コア4の他の領域よりも液を吸収する能力が高いので、水蒸気発生部Gから発生した水蒸気や吸収性コア4に***された体液は該高散布域103によって吸収される。その結果、水蒸気発生部Gから発生した水蒸気が吸収性コア4に移動することや、吸収性コア4に***された体液が水蒸気発生部Gに移動することが効果的に防止される。この観点から、高散布域103における高吸収性ポリマーの散布坪量は150〜700g/m2、特に250〜500g/m2であることが好ましい。一方、吸収性コア4における高散布域103以外の領域における高吸収性ポリマーの散布坪量は、高散布域103における散布坪量よりも低いことを条件として20〜500g/m2、特に50〜300〜g/m2であることが好ましい。
本実施形態のおむつ1におけるポケット部Pに水蒸気発生部Gを収容し、該おむつを装着すると、水蒸気発生部Gから生じた水蒸気がポケット部形成用シート100を通過して着用者の身体に付与される。水蒸気は所定温度に加熱されたものであり、この水蒸気を着用者の身体に適用すると、適用部位の表面温度のみならず深部温度を高めることができる。その結果、全身の血流量が増加し、適用部位の温度が上昇するのみならず、指先などの末梢温度も上昇する。また末梢温度の保温効果もある。その結果、着用者の腰痛、手足の冷え、便秘、頻尿等が改善される。更に、温感を伴う心地よいリラックス感を着用者に与えることができる。したがって本実施形態のおむつ1は、高齢者や要介護者の***ケア、例えば排便の正常化による***管理の容易化や生理機能の改善に非常に有効である。
特に本実施形態においては、ポケット部Pの一部であるポケット部形成用シート100に弾性部材101Aが伸長状態で配されているので、該弾性部材101Aの収縮よってポケット部Pに収容された水蒸気発生部Gが確実に保持される。それによって水蒸気発生部Gと着用者の身体との間の距離が、着用者の姿勢によらず安定的に維持され、水蒸気が効率的に付与される。
なお本実施形態においては、ポケット部Pがおむつ1の腹側部Aに設けられており、着用者の主として腹部に水蒸気が付与されているようになっているが、これに代えて、又はこれに加えて、ポケット部Pをおむつ1の背側部Bに設けてもよい。例えば、吸収性コア4の後端縁、即ち吸収性コア4の2つの端縁のうち背側部側の端縁とウエスト開口端5aとの間に位置する外周域に、水蒸気発生部Gの取り付け手段としてのポケット部Pを設けてもよい。こうすることによって、着用者の主として腰部及び/又は臀部に水蒸気が付与されるようになる。特に、腰部の脊椎部位のうち腰椎(L1〜L5)及び仙椎(S1〜S3)に対応する部位に水蒸気が適用されるようにポケット部Pを設けることで、便秘、頻尿及び残尿感の改善効果が大きくなることが、本発明者らの検討の結果判明した。
次に、本実施形態のおむつ1と併用される水蒸気発生部Gについて説明する。図5には水蒸気発生部Gの一例の斜視図が示されている。図6は図5におけるVI−VI線断面図である。図5に示す水蒸気発生部Gは、略扁平な形状をしている。水蒸気発生部Gは、水蒸気発生体110及び該水蒸気発生体110を収容する収容体111を備えている。収容体111は扁平なものであり、複数のシート材を貼り合わせて、水蒸気発生体110が収容される密閉空間が形成されたものである。密閉空間が水蒸気発生体110の収容部になっている。扁平な形状を有する収容体111は、着用者の肌に近い側に位置する第1の面113a及びそれと反対側に位置し且つ着用者の肌から遠い側に位置する第2の面113bを有している。
水蒸気発生体110は被酸化性金属を含んでいる。水蒸気発生体110は被酸化性金属が酸素と接触することによる酸化反応で生じた熱を利用して、所定温度に加熱された水蒸気を発生する部位である。
第1の面113aは空気及び水蒸気の透過が可能な面になっている。つまり第1の面113aは通気面になっている。一方、第2の面113bは、第1の面113aよりも空気及び水蒸気の透過の程度が低い面になっている。即ち、第2の面113bは、難通気面になっている。第2の面113bが難通気面になっていることに代えて、第2の面113bは、空気及び水蒸気を実質的に透過させない面になっていてもよい。即ち第2の面113bは非通気面になっていてもよい。
水蒸気発生部Gは、その第1の面113aの側が着用者の肌面に対向し、第2の面113bの側が外方を向くように使用される。水蒸気発生体110の発熱によって発生した水蒸気は、第1の面113aを通じ、対象物である肌面に付与されるようになっている。
水蒸気発生部Gにおける第1の面113a及び第2の面113bは何れもシート材から構成されている。そして水蒸気発生部Gの収容体111には、その周縁に、第1の面113a及び第2の面113bをそれぞれ構成するシート材の周縁部を互いに接合して形成された閉じた形状の周縁接合部112を有している。周縁接合部112は連続に形成されている。収容体111は、周縁接合部112よりも内側の部分において第1の面113aと第2の面113bとが非接合状態になっている。
本実施形態の水蒸気発生部Gにおいては、第1の面113a及び第2の面113bの通気度を適切に調整することで、第1の面113aを通じて水蒸気が優先的に放出されるようになっている。これに加えて、第1の面113a及び第2の面113bの通気度を適切に調整することで、水蒸気の温度及びその発生の持続時間を適切に調整することが容易となる。具体的には、本実施形態においては、第2の面113bの通気度を、第1の面113aの通気度よりも大きくしている。JIS P8117によって測定される通気度は、一定の圧力のもとで100mlの空気が通過する時間で定義されるものだから、通気度が大きいことは、空気の通過に時間がかかることを意味している。即ち通気性が低いことを意味している。逆に、通気度が小さいことは、通気性が高いことを意味している。このように、通気度の大小と通気性の高低とは逆の関係になっている。通気性に関して第1の面113a及び第2の面113bを比較すると、第1の面113aの方が、第2の面113bよりも通気性が高くなっている。つまり、第2の面113bは非通気性であるか、又は難通気性(即ち、通気性を有するものの、第1の面113aよりも低い通気性を有している)である。
詳細には、収容体111は、通気面である第1の面113aと、それに対向する難通気面である第2の面113bとを有する扁平な形態をしており、通気面である第1の面113aを通じて水蒸気が発生するようになされている。或いは、収容体111は、通気面である第1の面113aと、それに対向する非通気面である第2の面113bとを有する扁平な形態をしており、通気面である第1の面113aを通じて蒸気温熱が発生するようになされている。
第2の面113bが難通気性である場合、該面113bの通気度を好ましくは1万〜12万秒/(100ml・6.42cm2)、更に好ましくは3万〜9万秒/(100ml・6.42cm2)、一層好ましくは5万〜7万秒/(100ml・6.42cm2)とすることで、空気は第2の面113bを通じて優先的に収容体111内に流入すると共に、水蒸気は第1の面113aを通じて優先的に放出されることが本発明者らの検討の結果判明した。その結果、水蒸気発生部11の全体にわたって空気の供給が安定的に行われ、水蒸気発生体110が均一に発熱する。そして発熱によって発生した水蒸気は、第1の面113aを通じて着用者の肌面に均一に付与される。
シート材料の気体の透過させやすさを表す物性値としては、前述の通気度の他に透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH、以下、透湿度というときにはこの方法の測定値をいう)が知られている。そして、使い捨てカイロのような発熱具における通気性シート材料の水蒸気の透過のさせやすさは、専ら透湿度によって表されている。これに対して本実施形態においては、透湿度ではなく、通気度によって気体の透過のさせやすさを評価している。そして、通気度の値を調整することで、第2の面113bが通気性を有する場合であっても、優先的に第1の面113aから水蒸気を放出させることが可能となったものである。この理由は、通気度と透湿度とで、その測定条件が相違することに起因していると本発明者らは考えている。透湿度は静水圧下で測定されるのに対し、通気度は加圧下で測定される。本実施形態の水蒸気発生部Gにおいては、水蒸気発生体110の発熱によって水蒸気が発生し、収容体111内は正圧状態になっている。このような状態下での気体の透過のさせやすさを評価するには、静水圧下で測定される透湿度を用いるよりも、加圧下で測定される通気度を用いた方が、実際の状態に合っていると考えられる。
先に述べた通り、外方を向く面である第2の面113bが難通気性である場合、該面113bは、外部から空気を流入させるものの、外部への水蒸気の放出量は、第1の面113aよりも低いものとなっている。即ち、第2の面113bを通じての空気の流入量が多いからと言って、水蒸気の放出量も多いとは言えないのである。この理由の一つは、収容体111の各面が通気性を有していることにある。つまり、第1の面113aと第2の面113bの通気度のバランスが、第2の面113bにおける空気の流入量及び水蒸気の放出量に影響している。そこで、第2の面113bを通じての空気の流入を確保しつつ、水蒸気の放出を抑制させる観点から、第1の面113aの通気度と第2の面113bの通気度との比(第1の面/第2の面)を0.01〜0.7、特に0.1〜0.5、とりわけ0.2〜0.4とすることが好ましい。これによって、第2の面113bを通じての水蒸気の放出を一層減じさせることができ、且つ第1の面113aを通じての水蒸気の放出を一層増加させることができる。一方、第2の面113bが非通気性である場合、収容体111内への空気の流入、及び水蒸気の発生は、専ら第1の面113aを通じて行われる。
第1の面113aの通気度そのものは、第2の面113bが難通気性であるか又は非通気性であるかを問わず、100〜5万秒/(100ml・6.42cm2)、特に1000〜4万秒/(100ml・6.42cm2)、とりわけ1万〜3万秒/(100ml・6.42cm2)であることが好ましい。
先に述べた通り、水蒸気発生部Gにおける第1の面113a及び第2の面113bは何れもシート材から構成されている。どのようなシート材を用いるかは、シート材の通気度、透湿度、風合い、肌触り、強度、被酸化性金属等の粉体の漏れ出し防止等を考慮して適宜決定すればよい。通気度を支配し且つ粉体の漏れ出しを防止するシート材としては、メルトブローン不織布や透湿性フィルムが好適に用いられる。透湿性フィルムは、熱可塑性樹脂及び該樹脂と相溶性のない有機又は無機のフィラーの溶融混練物をフィルム状に成形し、一軸又は二軸延伸して得られたものであり、微細な多孔質構造になっている。強度を付与する目的で用いられるシート材としては、スパンボンド不織布が好適に用いられる。また風合いを良好にする目的で用いられるシート材としては、サーマルボンド不織布が好適に用いられる。種々の通気度及び透湿度を有するシート材を組み合わせて積層シートを構成することで、各通気面の通気度及び透湿度を所望の値に設定する自由度が増す。
図6に示す収容体111においては、第1の面113aが第2の透湿性シート111bと不織布111cから構成されている。第2の面113bは、透湿性シート111aと不織布111dから構成されている。したがって図6に示す収容体111は第1の通気面113a及びそれに対向する第2の通気面113bを有するものである。透湿性シート111aと不織布111d、透湿性シート111bと不織布111cは、それらの周縁でのみ接合されていても良いし、シート面内で部分的に接合されていても良い。なお、本実施形態においては、第1の面113aは透湿性シート111b及び不織布111cからなり、第2の面113bは透湿性シート111a及び不織布111dからなるが、第1及び2の面113a,113bはそれぞれ透湿性シートのみで構成されていてもよい。
収容体111に収容される水蒸気発生体110は、被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水を含む。そのような水蒸気発生体110は、例えば発熱シート又は発熱粉体からなる。水蒸気発生体110が発熱シートからなる場合には、発熱シートは被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物、電解質及び水を含む繊維シートから構成されていることが好ましい。つまり、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物及び電解質を含む繊維シートが含水状態となっているものであることが好ましい。特に、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させて構成されていることが好ましい。発熱シートとしては、湿式抄造により製造されたシート状物や、発熱粉体を紙等で挟持してなる積層体等が挙げられる。そのような発熱シートは、例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いて製造することができる。一方、水蒸気発生体110が発熱粉体からなる場合には、発熱粉体は被酸化性金属、反応促進剤、保水剤、電解質及び水を含んで構成されていることが好ましい。発熱シート及び発熱粉体のうち、どのような姿勢においても膝へ水蒸気を均一に適用し得る点から、発熱シートを用いることが好ましい。また、発熱シートは、発熱粉体に比較して、発熱の温度分布を均一化する事が容易であり、また、被酸化性金属の担持能力が優れている点からも有利である。
水蒸気発生体110が発熱シートからなる場合、該発熱シートは60〜90重量%の被酸化性金属、5〜25重量%の反応促進剤及び5〜35重量%の繊維状物を含む成形シートに、該成形シート100重量部に対して、1〜15重量%の電解質を含む電解質水溶液が30〜80重量部含有されて構成されていることが好ましい。一方、水蒸気発生体110が発熱粉体からなる場合、該発熱粉体は、30〜80重量%の被酸化性金属、1〜25重量%の反応促進剤、3〜25重量%の保水剤、0.3〜12重量%の電解質、20〜60重量%の水から構成されていることが好ましい。発熱シートや発熱粉体を構成する各種材料としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを用いることができる。また、先に述べた特開2003−102761号公報に記載の材料を用いることもできる。
水蒸気発生部Gは、これをおむつ1に取り付け、該おむつ1を着用者に装着させた場合に、該水蒸気発生部Gによって水蒸気が適用される皮膚の表面温度が34〜42℃となり、この温度が3時間以上持続するような発熱特性を有していることが好ましい。このような発熱特性を有していることによって、着用者の腰痛、手足の冷え、便秘、頻尿等が一層効果的に改善される。水蒸気発生部Gがこのような発熱特性を有するためには、第1の面113a及び第2の面113bの通気度や、水蒸気発生体110の組成を適切に調整すればよい。
更に水蒸気発生部Gは、その剛性値が0.01〜10N/幅8cm、特に0.05〜5N/幅8cmであることが、おむつ1の装着中におけるフィット性が良好になる点から好ましい。剛性値は、水蒸気発生体110の組成や形態(発熱シートであるか、それとも発熱粉体であるか)を調整することで適切な値とすることができる。剛性値は、曲げ強度試験機「RTA−500」(株式会社オリエンテック)にて測定する。測定方法は次のとおりである。水蒸気発生部Gから長さ10cm、幅8cmの矩形の試験体を切り出す。この試験体を、図7に示すようにスパン間距離50mmで両端を支える。この状態下に試験体中央部を、幅50mm、先端半径5mmの押圧部材Pにて、クロスヘッドスピード20mm/minで負荷を与える。そのときの最大荷重によって測定される。
前記の理由と同様の理由により、水蒸気発生部Gは、その厚さが0.1〜5mm、特に0.3〜4.0mmであることも好ましい。更に同様の理由により、水蒸気発生部Gはその重量が1〜30g、特に10〜15gであることも好ましい。
次に本発明の第2及び第3の実施形態を、図8〜図13を参照して説明する。これらの実施形態に関し特に説明しない点については、第1の実施形態に関する説明が適宜適用される。また図8〜図13において、図1〜図7と同じ部材には同じ符号を付してある。
先に説明した第1の実施形態のおむつにおいては、おむつの内側、即ち表面シート側に水蒸気発生部Gが取り付けられていたのに対して、第2の実施形態のおむつ1では、おむつの外側、即ち外包材側に水蒸気発生部が取り付けられている。詳細には図8〜図10に示すように、ポケット部形成用シート100が、腹側部Aにおける外包材側に配されている。
ポケット部形成用シート100は、二つ折りにされた部分のうちの内側部分100Aの端縁が、吸収性コア4の2つの端縁のうち腹側部側の端縁の近傍に位置している。一方、二つ折りにされた部分のうちの外側部分100Bの端縁は、吸収性コア4の腹側部側の端縁を越えて延びている。そして、外側部分100Bの端縁が、おむつ1の幅方向にわたって外包材11と接合固定されている。更にポケット部形成用シート100は、二つ折りされた状態で、左右の両側縁部が、その長手方向にわたる全域において外包材11と接合固定されている。ポケット部形成用シート100がこのように接合固定されている結果、おむつ1の腹側部における表外包材側には、ウエスト開口端5aの位置において開口したポケット部Pが、ポケット部形成用シート100と外包材11とによって形成される。ポケット部P内には水蒸気発生部Gが収容される。
図10に示すように、腹側部Aにおいて、外包材11のうち外層シート12は内層シート13の前端縁から延出し、延出した部分が吸収性本体10側に折り返されている。折り返された外層シート12は、その端縁が吸収性コア4の腹側部側の端縁を越えて吸収性コア4上に位置している。また、折り返された外層シート12は、内層シート13と接合されている。折り返された外層シート12のうち、内層シート13と接合されておらず、フリーの状態になっている部分はウエストバリアカフ102を形成している。ウエストバリアカフ102は、おむつ1の幅方向全域にわたって延びている。ウエストバリアカフ102の自由端には弾性部材101Bが伸長状態で固定されている。その結果、おむつ1の着用状態において、弾性部材101Bが収縮することでウエストバリアカフ102は起立可能になっている。なお、ウエストバリアカフ102の左右両側部は、外包材11と接合固定されており、その反り返りが防止されている。
第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、水分移動阻止手段として2つの手段を採用している。1つ目の手段は、先に説明したウエストバリアカフ102である。ウエストバリアカフ102は、吸収性コア4と、水蒸気発生部Gの取り付け手段としてのポケット部Pとを隔てるように配置されている。なお図示していないが、ウエストバリアカフ102には、非透湿性及び液不透過性(又は撥水性)のフィルムがラミネートされている。もう一つの手段としては、吸収性コアの周縁部のうち、ポケット部Pに近接する領域に形成された高吸収性ポリマーの高散布域103が採用されている。
図11〜図13に示す第3の実施形態のおむつ1は、これまで説明したおむつとは水蒸気発生部Gの取り付け手段が異なっている。詳細には、図13に示すように、腹側部Aにおける外包材11上に、メカニカルファスナのループ部材又はフック部材からなる取り付け手段120が設けられている。取り付け手段120がメカニカルファスナのループ部材である場合には、水蒸気発生部Gにおける第1の面113aの上に、該ループ部材と係合するフック部材が設けられている。逆に、取り付け手段120がメカニカルファスナのフック部材である場合には、水蒸気発生部Gにおける第1の面113aの上に、該フック部材と係合するループ部材が設けられている。水蒸気発生部Gにおける第1の面113aが不織布から構成されている場合には、該不織布をループ部材として用いることができる。その場合には、別途ループ部材を用いる必要がない。つまり、取り付け手段120としてメカニカルファスナのフック部材を用い、且つ水蒸気発生部Gにおける第1の面113aが不織布からなることが、使用する部材が少なくなるので経済的である。
先に述べたとおり、水蒸気発生部Gは、その第1の面113aを通じて水蒸気が着用者の身体に付与されるので、第1の面113aの全域に前記のループ部材又はフック部材を設けるのではなく、第1の面113aの周縁部にこれらの部材を設けることが好ましい。
本実施形態のおむつ1においては、水分移動阻止手段として、吸収性コアの周縁部のうち、前記のメカニカルファスナのループ部材又はフック部材に近接する領域に形成された高吸収性ポリマーの高散布域103のみが採用されている。しかし、この高散布領域103に代えて、又はこれに加えて、先に説明した第1及び第2の実施形態のおむつに備えられていたウエストバリアカフスを本実施形態に採用することは何ら妨げられない。
本実施形態のおむつ1においては、先に説明した第1及び第2の実施形態のおむつと異なり、胴回り弾性部材71は吸収性本体10を横断するように配されていない。このように胴回り弾性部材71を配することで、該胴回り弾性部材71が収縮することに起因する吸収性本体71の変形が起こりづらくなる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば水蒸気発生部を取り付ける手段は、上述したポケット部Pやメカニカルファスナに限られない。例えば接着剤によって水蒸気発生部Gを着脱可能に取り付けてもよい。
また第1及び第2の実施形態においては、胴回り弾性部材71が吸収性本体10を横断するように配されていたが、これに代えて、第3の実施形態のように、吸収性本体を横断しないように胴回り弾性部材71を配してもよい。また、前記の各実施形態において、水蒸気発生部Gを横断しないように、胴回り弾性部材71を配してもよい。
また第1及び第2の実施形態においては、おむつ1にポケット部が1個形成されていたが、これに代えてポケット部を複数形成し、個々のポケット部に水蒸気発生部Gをそれぞれ収容してもよい。
また前記実施形態においては、被酸化性金属の酸化で生じる熱を利用して水蒸気を発生させたが、水蒸気の発生手段はこれに限られない。例えば酸とアルカリの中和熱や、無機塩類(塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ゼオライト等)の水和熱などを利用して水蒸気を発生させてもよい。
また、本発明が適用可能な吸収性物品は、パンツ型の使い捨ておむつに限られない。例えば、ファスニングテープによる締結手段を備えた展開型の使い捨ておむつや、失禁パッド、生理用ナプキンなどの他の吸収性物品にも本発明を適用することができる。
また前記実施形態においては、水分移動阻止手段がおむつそのものに備えられていたが、これに代えて、該手段を水蒸気発生部Gに設けてもよい。例えば、図5及び図6に示す水蒸気発生部Gにおける周縁部の四辺に沿ってバリアカフを設けたり、該四辺に高吸収性ポリマーの高散布域を形成したりすることができる。
また前記の各実施形態は当業者の技術常識の範囲で相互に置換可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図1〜図4に示す構造を有する大人用のパンツ型使い捨ておむつを製造した。おむつにおけるポケット部形成用シートとして、通気度が(JIS P8117)0.1秒/(100ml・6.42cm2)のポリプロプレン繊維のスパンボンド不織布(坪量16g/m2)を用いた。このポケット部形成用シートの一部から構成されるバリアカフの部分には、厚さ20μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせた。表面シートとしては、芯がポリエチレンテレフタレートからなり、鞘がポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維を原料とした坪量25g/m2のエアスルー不織布を用いた。裏面シートとしては、坪量25g/m2のポリエチレンの多孔質フィルムを用いた。外包材を構成する外層シート及び内層シートとしては、ポリプロプレン繊維のスパンボンド不織布を用いた。
水蒸気発生部は次の手順で作製した。
<シート状水蒸気発生体の調製>
原料組成物配合
・繊維状物:パルプ繊維(NBKP、製造者:フレッチャー チャレンジ カナダ、商品名「Mackenzie」、CSF140ml)8重量%
・被酸化性金属:鉄粉(同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」)84重量%
・反応促進剤:活性炭(日本エンバイロケミカル(株)製、商品名「カルボラフィン」)8重量%
前記原料組成物の固形分(繊維状物、被酸化性金属及び反応促進剤の合計)100重量部に対し、カチオン系凝集剤であるポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC(株)製、商品名「WS4020」)0.7重量部及びアニオン系凝集剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、商品名「HE1500F」0.18重量部を添加した。更に、水(工業用水)を、固形分濃度が12重量%となるまで添加し、スラリーを得た。
<抄造条件>
前記スラリーを用い、これを抄紙ヘッドの直前で0.3重量%に水希釈し、傾斜型短網抄紙機によって、ライン速度15m/分にて抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。
<乾燥条件>
成形シートをフェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま140℃の加熱ロール間に通し、含水率が5重量%以下になるまで乾燥した。乾燥後の坪量は450g/m2、厚さは0.45mmであった。このようにして得られた成形シートの組成を熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6200)を用いて測定した結果、鉄84重量%、活性炭8重量%、パルプ8重量%であった。
<水蒸気発生体の作製>
得られた成形シートを100mm×55mmに切り取り、3枚を重ね合わせ、成形シート100重量部に対し電解液量が50重量部となるように、下記電解液を注入した。毛管現象を利用して成形シート全体に電解液を浸透させてシート状の水蒸気発生体を得た。
<電解液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:工業用水
電解液濃度:5重量%
<収容体への収容>
図5及び図6に示す透湿性シート111a,111bとして、ポリエチレン製の多孔質透湿性フィルムを用いた。透湿性シート111aの透湿度は150g/(m2・24hr)であった。透湿性シート111bの透湿度は340g/(m2・24hr)であった。透湿性シート111aの外面には、坪量40g/m2のナイロン系不織布111dをラミネートした。透湿性シート111bの外面にも、坪量40g/m2のナイロン系不織布111cを配した。この収容体の中にシート状の水蒸気発生体を収容した。このようにして水蒸気発熱部を得た。得られた水蒸気発熱部のサイズは20cm×8cmであった。また水蒸気発熱部は、その剛性値が0.2N/幅8cm、厚さ2.0mm、重量24gであった。
〔評価〕
14人の女性モニターに、水蒸気発熱部を取り付けたおむつを装着させ、腰痛、手足の冷え、便秘及び頻尿の改善の評価をさせた。すべてのモニターは、介護予防体操教室に通う者であり、平均年齢は77.6歳であった。14人のモニターのうち、腰痛の症状がある者が9名、手足の冷えを感じる者が12名、便秘の症状がある者が5名、頻尿の症状(夜間)のあるものが13名いた。1日におむつを6時間装着させて水蒸気をモニターの腹部に付与した。8週間連続でおむつを装着させ、おむつ使用前と比較して前記の項目の改善効果を(1)良くなった、(2)やや良くなった、(3)変わらない、(4)悪くなった、の4段階で評価させた。その結果を以下の表1に示す。
Figure 0004753833
表1に示す結果から明らかなように、実施例のおむつ(本発明品に)に水蒸気発生部を取り付けて該おむつを着用し、所定温度に加熱された水蒸気を身体に付与することで、腰痛、手足の冷え、便秘及び頻尿に改善がみられることが判る。なお、表1には示していないが、おむつの着用中、水蒸気発生部Gの直下におけるモニターの皮膚の表面温度は34〜42℃の温度範囲が5時間持続された。表面温度の測定には、テルモ株式会社製のコアテンプCM−210(体表温度プローブはPDK161)を用いた。
第1の実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつを示す斜視図である。 図1に示すおむつを、サイドシール部分で開き、表面シート側からみた平面図である。 図2におけるIII−III線断面図である。 図2におけるIV−IV線断面図である。 図1に示すおむつに収容される水蒸気発生部の斜視図である。 図5におけるVI−VI線断面図である。 水蒸気発生体の剛性値の測定方法を示す模式図である。 第2の実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつを示す斜視図である。 図8に示すおむつを、サイドシール部分で開き、表面シート側からみた平面図である。 図9におけるIX−IX線断面図である。 第3の実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつを示す斜視図である。 図11に示すおむつを、サイドシール部分で開き、表面シート側からみた平面図である。 図12におけるXII−XII線断面図である。
符号の説明
1 パンツ型使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収性コア
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
10 吸収性本体
11 外包材
12 外層シート
13 内層シート
100 ポケット部形成用シート
102 ウエストバリアカフ
103 高吸収性ポリマーの高散布域
G 水蒸気発生部
P ポケット部

Claims (7)

  1. 表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収性コアを有する吸収性本体を備えた吸収性物品であって、
    所定温度に加熱された水蒸気を着用者の肌に向けて付与することが可能な水蒸気発生部を取り付ける手段を有し、
    前記吸収性コアと前記の取り付け手段とを隔てるように、非透湿性のシートから構成されたバリアカフが、該吸収性コアの端部を覆い、かつ該吸収性物品の幅方向に延びて配置されてなり、バリアカフの幅が吸収性本体の幅よりも大きい吸収性物品
  2. 前記吸収性コアの周縁部のうち、前記の取り付け手段に近接する領域に形成された高吸収性ポリマーの高散布域を更に備える請求項1に記載の吸収性物品
  3. 吸収性物品の平面視において、前記バリアカフと前記高散布域とは、両者が重なる位置に配置されている請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 吸収性コアの前端縁又は後端縁とウエスト開口端との間の外周域における表面シート側に前記の取り付け手段が設けられている請求項1ないし3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記の取り付け手段が、前記水蒸気発生部の収容が可能で且つ水蒸気の透過が可能なポケット部からなり、
    前記バリアカフが、前記ポケット部の形成用シートの一部から構成されており、
    前記形成用シートのうち前記バリアカフを構成する部分に、非透湿性及び液不透過性又は撥水性のフィルムがラミネートされている請求項4に記載の吸収性物品。
  6. 前記ポケット部の形成用シートは、おむつの幅方向にわたって折曲線が形成されるように二つ折りされており、
    二つ折りされた該形成用シートの内部には、複数の弾性部材が、おむつの幅方向に延びるように、かつおむつの長手方向に間隔を置いて伸長状態で固定されており、
    二つ折りされた該形成用シートの内側部分の端縁は、吸収性コアの端縁の近傍に位置しており、かつ外側部分の端縁は、吸収性コアの端縁の端縁を越えて吸収性コア上に位置しており、
    前記バリアカフが、吸収性コアの端縁の端縁を越えて吸収性コア上に位置している前記外側部分から構成されている請求項5に記載の吸収性物品。
  7. 前記吸収性本体の裏面シート側に接合された外包材を更に備え、
    前記バリアカフの左右両側部が前記外包材と接合固定されている請求項1ないし6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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