JP4753268B2 - 車輌のレンジ切替え装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌等に搭載されるレンジ切替え装置に係り、詳しくは、シフトバイワイヤシステムによるレンジ切替え装置において、通常の操作時には関与せず、特に断線、ショートなどが発生した場合のフェール時に、手動によるシフトレンジの切替えを可能にするレンジ切替え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車輌の走行レンジを切替えるレンジ切替え装置は、最近の自動車における車室内のデザインの自由度の拡大の要請、同一プラットフォームからの派生車種の拡大要請などから、シフトレバー設置場所の自由度拡大が求められる傾向にある。そこで、例えば実開平7−16067号公報などに開示されているように、電動モータ(及び電磁クラッチ)を用いてレンジ切替えを行なう、いわゆるシフトバイワイヤシステムによるレンジ切替え装置の提案がなされている。
【0003】
上記公報に開示されたレンジ切替え装置は、シフトレバーからのレンジ選択を電気的な信号により伝達し、電気モータ(及び電磁クラッチ)などから構成されるレンジ切替え装置を駆動して、例えば自動変速機の油圧制御装置及びパーキング機構のレンジを切替えている。このような構成により、上述のようなシフトレバー設置場所の自由度拡大に応じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような電気的な信号により走行レンジを切替えるレンジ切替え装置では、例えば断線、ショートなどの故障が発生した場合(フェール時)に、走行レンジを切替えることができず、特にシフトレバーがパーキング位置に選択された状態であると、パーキングギヤとパーキングポールとが噛合った状態を解除することができない。そのため、その故障した車輌を移動することができないなどの問題があった。
【0005】
そこで本発明は、シフトレンジ操作部に融通機構を介して機械的に連動する手動操作手段を備え、もって上記課題を解決した車輌のレンジ切替え装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図7参照)、シフトレンジ選択手段(25)と、前記シフトレンジ選択手段(25)からの信号に基づいて駆動する電気モータ(12)と、前記電気モータ(12)により駆動され、シフトレンジ(例えばP、R、N、D、Dsレンジ)を切替えし得る切替えバルブ(2)を操作し得るシフトレンジ操作部(5、7、9、10)と、を備える車輌のレンジ切替え装置(1)において、
前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)は、前記電気モータ(12)の駆動を、ギヤ列と、該ギヤ列(13、17、35、36a、36b)に連結された制御軸(7)と、該制御軸(7)と前記切替えバルブ(2)とを連結する連結機構(5)と、を介して前記切替えバルブ(2)に伝達し、
前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)に、融通機構を介して機械的に連動する手動操作手段(40、50、60)を備え、
前記融通機構は、前記ギヤ列(13、17、35、36a、36b)のうちの少なくとも1つのギヤ(17)に設けられた突起部(17b)と、前記手動操作手段(40、50、60)に連動して設けられ、前記突起部(17b)に接離可能にされた当接部(37a、51b)と、を有し、前記電気モータ(12)の駆動による前記シフトレンジ(例えばP、R、N、D、Dsレンジ)の操作時には前記手動操作手段(40、50、60)に前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)の動きを伝えず、かつ該手動操作手段(40、50、60)の操作に基づき前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)を操作可能に構成し、
前記手動操作手段(40、50、60)は、前記電気モータ(12)が機能しない場合に操作される
ことを特徴とする車輌のレンジ切替え装置(1)にある。
【0007】
請求項2に係る本発明は(例えば図1ないし図7参照)、前記レンジ切替え装置(1)は、前記電気モータ(12)と前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)との間に動力伝達状態を断続する電磁クラッチ(30)を備え、
前記手動操作手段(40、50、60)は、前記電磁クラッチ(30)と前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)との間に設けられ、前記電磁クラッチ(30)が解放状態にある場合に操作される
ことを特徴とする請求項1記載の車輌のレンジ切替え装置(1)にある。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記レンジ切替え装置(1)は、前記電気モータ(12)と前記電磁クラッチ(30)との間にウォームギヤ(12b)、又はウォームホイール(13)を備えてなる、
請求項2記載の車輌のレンジ切替え装置(1)にある。
【0009】
請求項4に係る本発明は(例えば図1ないし図7参照)、前記切替えバルブ(2)は、前記シフトレンジ(例えばP、R、N、D、Dsレンジ)を各シフトポジション間で切替えし、
前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)は、前記切替えバルブ()の操作部を前記各シフトポジションに保持させるディテント機構(9)を備えてなる、
請求項2または3記載の車輌のレンジ切替え装置(1)にある。
【0010】
請求項5に係る本発明は(例えば図1ないし図7参照)、前記手動操作手段(40、50、60)は、パーキング(例えばPレンジ)レンジよりニュートラル(例えばNレンジ)レンジに切替えるために前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)を操作してなる、
請求項1ないし4のいずれか記載の車輌のレンジ切替え装置(1)にある。
【0012】
請求項に係る本発明は(例えば図1ないし図4参照)、前記融通機構は、溝部(51a)及び該溝部(51a)の一方端の段差部からなる当接部(51b)を有するロッド(51)を、備え、
前記溝部(51a)が前記電気モータ(12)の駆動による前記切替えバルブ(3)の操作時には前記突起部(17b)とは接触せずに前記ギヤ(17)を移動自在にし、かつ前記当接部(51b)が前記ロッド(51)の操作に基づき前記突起部(17b)に一方より当接して前記ギヤ(17)を連動してなる、
請求項1ないし5のいずれか記載の車輌のレンジ切替え装置(1)にある。
【0013】
請求項に係る本発明は(例えば図1、図5ないし図7参照)、前記融通機構は、前記突起部(17b)に対向して配置されたピン(37)と、一端に支点(42、62)を有して回動することで該ピン(37)を一方に押圧操作するレバー(43、63)と、を備え、
前記ピン(37)が前記電気モータ(12)の駆動による前記切替えバルブ(3)の操作時には前記突起部(17b)とは接触せずに前記ギヤ(17)を移動自在にし、かつ前記ピン(37)の一端からなる前記当接部(37a)が前記レバー(43、63)の操作に基づき前記突起部(17b)に一方より当接して前記ギヤ(17)を駆動してなる、
請求項1ないし5のいずれか記載の車輌のレンジ切替え装置(1)にある。
【0017】
請求項に係る本発明は(例えば図1及び図10参照)、シフトレンジ選択手段(25)と、前記シフトレンジ選択手段(25)からの信号に基づいて駆動する電気モータ(12)と、前記電気モータ(12)により駆動され、シフトレンジ(例えばP、R、N、D、Dsレンジ)を切替えし得る切替えバルブ(2)を操作し得るシフトレンジ操作部(5、7、9、10)と、を備える車輌のレンジ切替え装置(1)において、
前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)は、前記電気モータ(12)の駆動を、ギヤ列と、該ギヤ列(13、17、35、36a、36b)に連結された制御軸(7)と、該制御軸(7)と前記切替えバルブ(2)とを連結する連結機構(5)と、を介して前記切替えバルブ(2)に伝達し、
前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)に、融通機構を介して機械的に連動する手動操作手段(90)を備え、
前記融通機構は、前記制御軸(7)上に配置されると共に、前記制御軸(7)に巻かれたベルト(91)と、一端を該ベルト(91)に連結し、かつ他端を前記手動操作手段(90)に連結した締付けレバー(92)と、を備え、前記締付けレバー(92)の第1の位置にあっては、前記制御軸(7)と前記締付けレバー(92)とは非連動状態にあり、前記締付けレバー(92)の第1の位置から第2の位置への移動を前記制御軸(7)に伝達してなることで、前記電気モータ(12)の駆動による前記シフトレンジ(例えばP、R、N、D、Dsレンジ)の操作時には前記手動操作手段(90)に前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)の動きを伝えず、かつ該手動操作手段(90)の操作に基づき前記シフトレンジ操作部(5、7、9、10)を操作可能に構成し、
前記手動操作手段(90)は、前記電気モータ(12)が機能しない場合に操作される、
ことを特徴とする車輌のレンジ切替え装置(1)にある。
【0018】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、融通機構を、電気モータの駆動による切替えバルブの操作時には手動操作手段に操作部の動きを伝えず、かつ該手動操作手段の操作に基づきシフトレンジ操作部を操作可能に構成し、手動操作手段を、該融通機構を介して機械的にシフトレンジ操作部に連動させ、電気モータが機能しない場合に操作するので、電気モータの駆動によるシフトレンジ操作時には、該電気モータに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、例えば断線、ショートなどのフェールにより電気モータが機能しない場合、シフトレンジ操作部の操作を可能にして、シフトレンジを手動により操作することができる。また、シフトレンジ操作部は、電気モータの駆動を、ギヤ列と、該ギヤ列に連結された制御軸と、該制御軸と切替えバルブとを連結する連結機構と、を介して切替えバルブに伝達し、融通機構は、ギヤ列のうちの少なくとも1つのギヤに設けられた突起部と、手動操作手段に連動して設けられ、突起部に接離可能にされた当接部と、からなるので、融通機構を、例えば電気モータ、電磁クラッチ、ギヤ列などと一体的に配置して、レンジ切替え装置の配置に対する影響を少なくすることができるものでありながら、切替えバルブの操作部の操作を可能にして、切替えバルブを手動により操作することができる。
【0020】
請求項2に係る本発明によると、電気モータとシフトレンジ操作部との間に動力伝達状態を断続する電磁クラッチを有しており、手動操作手段は、電磁クラッチとシフトレンジ操作部との間に設けられて、電磁クラッチが解放状態にある場合に操作するので、動力伝達を切断した状態でシフトレンジ操作部の操作を可能にして、シフトレンジを手動により操作することができる。
【0021】
請求項3に係る本発明によると、レンジ切替え装置は、電気モータと電磁クラッチとの間にウォームギヤ、又はウォームホイールを備えているが、逆駆動が困難であるウォームギヤ、又はウォームホイールとの動力伝達を、電磁クラッチにより切断し、シフトレンジ操作部の操作を可能にすることで、シフトレンジを手動により操作することができる。
【0022】
請求項4に係る本発明によると、シフトレンジ操作部に、切替えバルブの操作部を各シフトポジションに保持させるディテント機構を備えた例えば自動変速機において、電気モータが切換えバルブを駆動するので、電気モータの駆動による切替えバルブの操作時には、該電気モータに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、例えば断線、ショートなどのフェールにより電気モータが機能しない場合、切替えバルブの操作部の操作を可能にして、切替えバルブを手動により操作することができる。
【0023】
請求項5に係る本発明によると、手動操作手段を、パーキングレンジよりニュートラルレンジに切替えるために前記シフトレンジ操作部を操作するので、電気モータが機能しない場合は、シフトレンジをパーキングレンジよりニュートラルレンジに手動により切替えることができる。それにより、例えば断線、ショートなどの故障がレンジ切替え装置に発生した車輌の移動を可能にすることができる。
【0025】
請求項に係る本発明によると、融通機構は、ロッドの溝部が電気モータの駆動による切替えバルブの操作時には突起部とは接触せずにギヤを移動自在にし、かつ該溝部の一方の段差部からなる当接部がロッドの操作に基づき突起部に一方より当接してギヤを連動するので、電気モータの駆動による切替えバルブの操作時には、該電気モータに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、電気モータが機能しない場合は、切替えバルブの操作部の操作を可能にして、切替えバルブを手動により操作することができる。また、ロッドにより上記構成を可能にするので、特に大きなスペースを不用にすることができ、レンジ切替え装置の配置に対する影響を少なくすることができる。
【0026】
請求項に係る本発明によると、融通機構は、ピンが電気モータの駆動による切替えバルブの操作時には突起部とは接触せずにギヤを移動自在にし、かつピンの一端からなる当接部がレバーの操作に基づき突起部に一方より当接してギヤを駆動するので、電気モータの駆動による切替えバルブの操作時には、該電気モータに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、電気モータが機能しない場合は、切替えバルブの操作部の操作を可能にして、切替えバルブを手動により操作することができる。また、ピンを押圧操作するための操作レバーが支点を介して操作されるので、比較的軽い力で出力ギヤを操作することができる。
【0030】
請求項に係る本発明によると、融通機構は、制御軸に巻かれたベルトと、一端を該ベルトに連結し、かつ他端を手動操作手段に連結した締付けレバーと、を備え、締付けレバーの第1の位置にあっては、制御軸と締付けレバーとは非連動状態にあり、締付けレバーの第1の位置から第2の位置への移動を制御軸に伝達するので、電気モータの駆動による切替えバルブの操作時には、該電気モータに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、電気モータが機能しない場合は、切替えバルブの操作部の操作を可能にして、切替えバルブを手動により操作することができる。また、融通機構を、制御軸上の何れの位置にも配置することを可能とし、更に、加工や組付けなどを簡単にすると共に、比較的安価にすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、図面に沿って、本発明に係る実施の形態について説明する。図1は、車輌のレンジ切り替え装置1の一例を示すものであり、レンジ切り替え装置1は、例えば図示しない多段式自動変速機及び無段変速機(CVT)などの自動変速機において、それらの一部を構成するマニュアルバルブ(操作部)2を有しており、マニュアルバルブ2は、自動変速機の油圧制御装置(切替えバルブ)3に連結されて収納されている。マニュアルバルブ2は油圧制御装置3内をバルブのスプール2aの軸心方向である矢印A、B方向に移動自在に設けられており、マニュアルバルブ2を矢印A、B方向に移動させて、所定位置に位置決めすることにより、自動変速機は図中矢印A側から矢印B側に向けて、順次例えばP、R、N、D、Dsレンジなどに切り替えられる。
【0032】
マニュアルバルブ2の矢印A側先端には、2枚の円板2b、2bからなる係合溝2cが形成されており、係合溝2cにはディテントレバー5が、該ディテントレバー5のアーム部5bに植設されたピン5aを介して係合している。ディテントレバー(連結機構)5は、板状の本体5cを有しており、本体5cの図中上部には、例えば5個のレンジ係合溝5d、5e、5f、5g、5hが所定の間隔で形成されている。各レンジ係合溝5d、5e、5f、5g、5hは、自動変速機のレンジの例えば「P」、「R」、「N」、「D」、「Ds」に対応する形で、図中右方から順に配列されており、また、本体5cの図中左方には、前述のピン5aが植設されたアーム部5bが突出形成されている。本体5cの図中右方には、図示しないPレンジにおけるパーキング機構駆動用のパーキングロッド係合穴5iが貫通穿設されており、また、本体5cの略中央部には、長方形状の係合穴5jが貫通形成されており、レンジ制御軸7が挿着されている。
【0033】
本体5cの例えば5個のレンジ係合溝5d、5e、5f、5g、5hの上部には油圧制御装置3又は自動変速機のケース等に一端を固着された板ばねからなるディテントスプリング9が、先端に回転自在に支持されたローラ9aを、例えば5個のレンジ係合溝5d、5e、5f、5g、5hのうちのいずれかの溝に嵌入係合させた形で、自らの弾性により図中下方に付勢された形で設けられており、更に、本体5cの係合穴5jには、棒状に形成されたレンジ制御軸7が、ディテントレバー5と一体的に係合している。
【0034】
レンジ制御軸7の、図1左方の先端部には、断面が長方形の係合部7aが形成されており、係合部7aには、バルブ駆動装置10が接続している。バルブ駆動装置10は、自動変速機のカバー上などにボルトなどを介して装着されており、箱状に形成されたケーシング11を有している。ケーシング11には、電気モータ12が装着されており、電気モータ12の出力軸12aには、ウォームギヤ12bが装着されている。ウォームギヤ12bには、ケーシング11に装着された電磁クラッチ30の入力軸に装着されたウォームホイール13が噛合している。なお、電磁クラッチ30を含むバルブ駆動装置10は、自動変速機のカバーに対して、間隙を介して配置され、カバーから伝達される自動変速機が発生する熱の影響を排除している。
【0035】
出力軸30bには小ギヤ35が形成されており、小ギヤ35には、ケーシング11に回転自在に支持された中間軸36の大ギヤ36aが噛合している。中間軸36には小ギヤ36bが形成されており、小ギヤ36bには全体が扇形に形成された出力ギヤ17(詳しくは後述する)が噛合している。出力ギヤ17はケーシング11に回転自在に支持されており、更に出力ギヤ17の中心部には、長方形の係合穴17aが穿設され、該係合穴17aには、前述のレンジ制御軸7の係合部7aが嵌入係合している。
【0036】
なお、電気モータ12と、減速ギヤ機構を構成する、電磁クラッチ30の小ギヤ35、中間軸36の大ギヤ36a、小ギヤ36b、出力ギヤ17などのギヤ列は、電磁クラッチ30の入力軸内に出力軸30bが入れ子状でかつ同心状に配置され、これにより、入力軸及び出力軸30bが同方向に取り出されていることから、図中上下方向に整列した形で配置されている。
【0037】
電気モータ12には、図1に示すように、モータ駆動制御部19が接続しており、モータ駆動制御部19には、シフト動作制御部20が接続している。シフト動作制御部20には、ケーシング11に設けられ、レンジ制御軸7、従って、ディテントレバー5の位置を検出する位置センサ21、クラッチ駆動制御部22、シフトレバー位置検出部23が接続している。シフトレバー位置検出部23には、シフトレンジ選択手段としてのシフトレバー25(又は、シフトスイッチなど)が接続している。なお、上記位置センサ21は、ディテントレバー5の現在位置を検出することが出来れば、レンジ制御軸7以外、どこに設けてもよい。
【0038】
なお、以上の油圧制御装置3、ディテントレバー5、レンジ制御軸7、ディテントスプリング9及びバルブ駆動装置10によりシフトレンジを切替え操作し得るシフトレンジ操作部を構成している。
【0039】
レンジ切り替え装置1は、以上のような構成を有するので、車両の運転中において、シフト動作制御部20は、シフトレバー位置検出部23を介して、運転者が操作することによるシフトレバー25の位置に変動が有ったか否かを判定する。シフトレバー25からは、シフト位置に応じてシフト信号S1が電気信号としてシフトレバー位置検出部23に出力され、シフトレバー位置検出部23は当該信号S1より、現在シフトレバー25で選択されているシフト位置を演算し、シフト動作制御部20にシフト位置信号S2として出力している。従って、シフト動作制御部20は、当該シフト位置信号S2を監視することにより、シフトレバー位置に変動が有ったか否かは、容易に判定することが出来る。
【0040】
シフト動作制御部20によりシフトレバー位置に変動があったものと判定された場合には、それまでシフトレバー25により選択されていたシフトポジション(「現在のシフトポジション」と称する)に対して、シフトレバー25の位置変動の結果、選択されたシフトポジション(「目標のシフトポジション」と称する)を比較し、現在のシフトポジションから目標のシフトポジションへシフトポジションを移動させるには、電気モータ12を正回転させるべきか否かを判定する。
【0041】
即ち、マニュアルバルブ2のレンジ位置は、図1に示すように、矢印A、B方向に亙って直線的に設定されているので、現在のシフトポジションと目標のシフトポジションとのレンジ位置関係により、電気モータ12を正転させるか、逆転させるか判定させる必要がある。ここでは、レンジをP→R→N→D方向に切り替える場合、例えばRからNレンジを経由してDレンジに切り替える場合などは、電気モータ12を正転させるものと判定し、逆にレンジをD→N→R→P方向に切り替える場合、例えばDからN、Rレンジを経由してPレンジに切り替える場合などは、電気モータ12を逆転させるものと判定する。
【0042】
こうして、電気モータ12の回転方向がシフト動作制御部20により判定されたところで、シフト動作制御部20はクラッチ駆動制御部22に対して電磁クラッチ30の接続を指令する共に、モータ駆動制御部19に対して電気モータ12を、判定された回転方向に回転させるように指令する。
【0043】
これを受けて、クラッチ駆動制御部22は、電磁クラッチ30の不図示の励磁コイルを励磁して被吸着ディスクと吸着ロータを接続させると共に、モータ駆動制御部19は電気モータ12を、先ほど判定された方向に回転駆動させる。これにより、電気モータ12の回転は、ウォームギヤ12b、ウォームホイール13、電磁クラッチ30の入力軸、吸着ロータ、被吸着ディスク、出力軸30b、小ギヤ35、中間軸36の大ギヤ36a、小ギヤ36bを経て出力ギヤ17へ伝達され、レンジ制御軸7を所定回転角度にわたり、図1矢印C、D方向に回転駆動させる。
【0044】
すると、ディテントレバー5もアーム部5bと共に、矢印C、D方向に所定角度回転し、ピン5aはアーム部5bと共に矢印C、D方向に所定角度回転するが、ピン5aが矢印C、D方向に所定角度回転すると、ピン5aの位置が矢印C、D方向の回転各度量に応じて変動し、それにより、ピン5aと係合溝2cとを介して係合しているマニュアルバルブ2のスプールも、ピン5aの矢印A、B方向における移動量と同じ量だけ、矢印A、B方向に移動駆動され、マニュアルバルブ2のレンジが、図1矢印A側から順次P−R−N−D−Dsレンジへと切り替えられる。
【0045】
なお、電気モータ12が何らかの理由で故障し、回転駆動が不能となった場合でも、シフトポジションが選択されている状態では、電磁クラッチ30は解放状態にあり、電気モータ12とディテントレバー5は接続が解除されている。また、シフトレンジ選択手段としては、運転者のレンジ切り替えの意志を電気信号として出力することが出来る限り、シフトレバー25のほかに、シフトボタン、シフトスイッチ、シフトレバー、音声入力装置など各種の態様を採用することが出来る。
【0046】
ついで、上記バルブ駆動装置10の出力ギヤ17とマニュアルバルブ2との位置関係について図2に沿って説明する。図2は、バルブ駆動装置10の出力ギヤ17を示す一部省略断面図である。上述のように、出力ギヤ17は、図2中上方の中間軸36に配設された大ギヤ36a及び小ギヤ36bに係合されており、電気モータ12により電磁クラッチ30を介して小ギヤ36bが駆動され、該出力ギヤ17が矢印C、D方向に駆動される。また、該出力ギヤ17の係合部17aは、上述したようにマニュアルバルブ2のレンジ位置と矢印C、D回転方向の位置関係にあるレンジ制御軸7に係合されており、出力軸17と制御軸7とは一体的に回転するので、つまり出力ギヤ17の角度によりマニュアルバルブ2のレンジ位置が決められる。
【0047】
出力ギヤ17が、矢印C方向の位置より順に矢印D方向の位置に回転すると、マニュアルバルブ2が矢印B方向より順に矢印A方向に駆動される。即ち、出力ギヤ17が矢印C方向の終端側(図中実線Pに示す角度の位置)にある場合は、ディテントスプリング9のローラ9aはレンジ係合溝5hの位置で係合して、マニュアルバルブ2はパーキングレンジの位置となり、また、出力ギヤ17が矢印D方向に所定角度回転した位置(図中実線Nに示す角度の位置)にある場合は、ディテントスプリング9のローラ9aはレンジ係合溝5fの位置で係合して、マニュアルバルブ2はニュートラルレンジの位置となる。
【0048】
上述ようにディテントレバー5には、不図示のパーキング機構を駆動するためのパーキングロッドが係合穴5iに連結されており、出力ギヤ17がパーキングレンジの位置(図中実線Pに示す角度の位置)にある場合は、レンジ制御軸7及びディテントレバー5を介して該パーキングロッドによりパーキングギヤが固定され、自動変速機の出力軸を介して車輌の車輪が固定される。また、出力ギヤ17がニュートラルレンジの位置(図中実線Nに示す角度の位置)にある場合は、レンジ制御軸7及びディテントレバー5を介して該パーキングロッドによりパーキングギヤの固定が解除され、車輌の車輪は回転自在となる。
【0049】
本発明に係る第1の実施の形態では、例えば断線、ショートなどが発生して、電気モータ(又は電磁クラッチ)が駆動しないような場合に、シフトレンジ操作部である上記バルブ駆動装置10の出力ギヤ17に、手動により矢印C方向の端側より矢印D方向に所定角度回転させる操作をし得る手動操作手段を一体的に備えることで、マニュアルバルブ2をパーキングレンジよりニュートラルレンジにするようなシフトレンジ切替えの操作を可能とし、そのような故障が発生した車輌の移動を可能にするものである。以下、出力ギヤ17を手動により操作するための手動操作手段を実施例1ないし実施例3に沿って説明する。
【0050】
(実施例1)
図3及び図4は本発明に係る実施例1の手動操作装置50を示す図で、図3はその斜方視図、図4はその断面図である。図4に示すように、バルブ駆動装置10において、電気モータ12の回転は、ウォームギヤ12b、ウォームホイール13、電磁クラッチ30の入力軸、不図示の吸着ロータ及び被吸着ディスク、出力軸30b、小ギヤ35、中間軸36の大ギヤ36a、小ギヤ36bを経て出力ギヤ17へ伝達され、係合部17aに係合されるレンジ制御軸7を所定回転角度にわたり、図1矢印C、D方向に回転駆動させる。なお、図4中の符号14は、モータ制御部19及びクラッチ駆動制御部22からの信号を伝達するための配線である。
【0051】
図3及び図4に示すように、出力ギヤ17は、上方視略々扇状からなり、該扇状の一端側面には突起部17bを有している。一方、カバー11の電気モータ12の反対側(図3中上方、図4中下方)には、孔11aを有しており、手動操作装置(手動操作手段)50は、カバー11内の一端側壁の略々全体に沿って、かつ該孔11aを貫通する形でカバー11の外部に突出して、図中矢印E、F方向に沿って配置されている。
【0052】
手動操作装置50は、ロッド51と、その先端に配置された取手53(不図示の手動操作機構などが連結される場合は連結部53)とからなり、ロッド51には溝部51aが形成されて、該溝部51aと出力ギヤ17とが重なり合うように配置されている。該溝部51aは、出力ギヤ17が電気モータ12により駆動される際には、干渉することのないように形成されている(融通機構)。また、該溝部51aの一端側の段差部分が、上記出力ギヤ17の突起部17bとの当接部51bとなっている。
【0053】
ロッド51が取手53などを介して矢印F方向に操作されると、突起部17bと当接部51bとが当接し、機械的に出力ギヤ17が矢印D方向に連動される。この際、出力ギヤ17が連動されると、小ギヤ36b、大ギヤ36a及び小ギヤ35なども連動されるが、上述のようにシフト操作時以外では電磁クラッチ30が切断されているため、手動操作装置50の操作を妨げることはない。なお、図4に示すように、ロッド51にローラ54を配設し、該ロッド51の移動をより滑らかにするようにしてもよい。
【0054】
例えばシフトレバー25がパーキングレンジに位置している場合には、出力ギヤ17は、図2に示すように、矢印C方向の終端側であるパーキングレンジの位置(図2中実線Pで示す角度の位置)にあり、突起部17bは図2中破線で示す位置にある。例えば電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合(例えば断線、ショートなどが発生したようなフェール時)には、ロッド51を矢印F方向に移動すると、突起部17bと当接部51bとが当接し、機械的に出力ギヤ17を矢印D方向に所定量連動して、ニュートラルレンジの位置(図2中実線Nで示す角度の位置)にすることができる。
【0055】
以上のように、実施例1の手動操作装置50は、電気モータ12によるマニュアルバルブ2の操作時、つまり油圧制御装置3の操作時には、出力ギヤ17に干渉しないので電気モータ12などに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合は、バルブ駆動装置10のギヤ列、上記レンジ制御軸7及びディテントレバー5の操作を可能にして、マニュアルバルブ2をパーキングレンジの位置よりニュートラルレンジの位置に手動により操作することができる。それにより、例えば断線、ショートなどの故障が発生した車輌の移動を可能にすることができる。
【0056】
また、手動操作装置50は、バルブ駆動装置10の外部に突出したロッド51の先端部分が、該バルブ駆動装置10に沿って一体的に配置されているため、特に大きなスペースが不用であり、バルブ駆動装置10、並びに車輌のレンジ切替え装置1の配置に対する影響を少なくすることができる。
【0057】
(実施例2)
ついで上記実施例1を一部変更した実施例について図5及び図6に沿って説明する。図5は本発明に係る実施例2の手動操作装置40を示す断面図、図6は本発明に係る実施例2の手動操作装置40’を示す斜視図である。なお、本実施例2においては、上記実施例1と同様である部分について、同符号を使用して、その説明を省略する。
【0058】
図5及び図6に示すように、出力ギヤ17は、実施例1と同様に、上方視略々扇状からなり、該扇状の一端側面には突起部17bを有している。一方、カバー11の電気モータ12の反対側(図5中下方)には、孔11bを有しており、手動操作装置(手動操作手段)40は、カバー11の外部に突出して該孔11bを貫通する形で配置されたピン37と、該カバー11に固定された支持部41と、該支持部41に有する支点42を介して配置された長型レバー43と、該長型レバー43の先端部分に配置された取手44(不図示の手動操作機構が連結される場合は連結部44)と、から構成されている。
【0059】
該ピン37は、矢印E、F方向に移動自在となっており、矢印E方向の位置にある場合は、該ピン37のカバー11内にある先端部37aが出力ギヤ17の突起部17bに干渉することないように配置されている(融通機構)。また、該ピン37のカバー11外にある先端部37bは、長型レバー43の当接部43aに当接するように配置されており、長型レバー43を支点42を介して矢印G方向に回転駆動すると、該ピン37を矢印F方向に押圧移動する。
【0060】
長型レバー43が取手44などを介して矢印G方向に回転操作されると、上記ピン37が矢印F方向に押圧移動されて、該ピン37の先端部37aが突起部17bに当接し、機械的に出力ギヤ17が矢印D方向に連動される。この際、実施例1と同様に、出力ギヤ17が連動されると、小ギヤ36b、大ギヤ36a及び小ギヤ35なども連動されるが、上述のようにシフト操作時以外では電磁クラッチ30が切断されているため、手動操作装置40の操作を妨げることはない。
【0061】
例えばシフトレバー25がパーキングレンジに位置している場合には、出力ギヤ17は、上述のようにパーキングレンジの位置(図2中実線Pで示す角度の位置)にあり、突起部17bは図2中破線で示す位置にある。例えば電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合(例えば断線、ショートなどが発生したようなフェール時)には、手動操作装置40の長型レバー43を矢印G方向に回転操作すると、ピン37の先端部37aと突起部17bとが当接し、機械的に出力ギヤ17を矢印D方向に所定量駆動して、ニュートラルレンジの位置(図2中実線Nで示す角度の位置)にすることができる。
【0062】
以上のように、実施例2の手動操作装置40は、電気モータ12によるマニュアルバルブ2(つまり油圧制御装置3)の操作時には、出力ギヤ17に干渉しないので電気モータ12などに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合は、バルブ駆動装置10のギヤ列、上記レンジ制御軸7及びディテントレバー5の操作を可能にして、マニュアルバルブ2をパーキングレンジの位置よりニュートラルレンジの位置に手動により操作することができる。それにより、例えば断線、ショートなどの故障が発生した車輌の移動を可能にすることができる。
【0063】
また、例えば坂道などに停車された車輌において、パーキングレンジである場合は、不図示のパーキングギヤとパーキングポールとの間に、車輌の自重による負荷が生じてしまう虞がある。このような場合には、上記ディテントレバー5に係合しているパーキング機構から伝達される負荷により、レンジ制御軸7を介して出力ギヤ17にも負荷が生じて、該出力ギヤ17を操作するために大きな力が必要となる。しかし、本実施例2の手動操作装置40は、ピン37を押圧移動するためのレバー43が、支点42を介して操作され、かつ長型である(比較的長い)ので、このような場合でも、比較的軽い力で強く出力ギヤ17を操作することができる。
【0064】
本実施例2の手動操作装置40は、長型レバー43がバルブ駆動装置10に対して(図5に示すように下方に向けて)突出する形で配置されているが、図6に示す手動操作装置40’のように、長型レバー43’がバルブ駆動装置10に対向する形(図5に示す長型レバー43とは反対向き)で配置してもよい。これにより、手動操作装置40又は手動操作装置40’を選択的に、かつ一体的に配置することができ、バルブ駆動装置10、並びに車輌のレンジ切替え装置1の配置に対する影響を少なくすることができる。なお、図6に示す手動操作装置40’には、図5に示す手動操作装置40と同符号を使用して、同様な部分の説明を省略する。また、図6中符号21は、上述した(出力ギヤ17の位置を検出することで)ディテントレバー5の位置を検出する位置センサである。
【0065】
(実施例3)
ついで、上記実施例2を更に一部変更した実施例について図7に沿って説明する。図7は、本発明に係る実施例3の手動操作装置60を示す斜方視図である。なお、本実施例3においては、上記実施例1及び実施例2と同様である部分について、同符号を使用して、その説明を省略する。
【0066】
図7に示すように、バルブ駆動装置10内に配置された出力ギヤ17は、実施例2と同様に、上方視略々扇状からなり、該扇状の一端側面には突起部17bを有している。一方、カバー11の電気モータ12の反対側(図7中下方)には、孔11bを有しており、手動操作装置(手動操作手段)60は、カバー11の外部に突出して該孔11bを貫通する形で配置されたピン37と、該カバー11に固定された支持部61と、該支持部61に有する支点62を介して配置された短型レバー63と、該短型レバー63の先端部分に配置された取手64(不図示の手動操作機構が連結される場合は連結部64)と、から構成されている。
【0067】
該ピン37は、矢印E、F方向に移動自在となっており、矢印E方向の位置にある場合は、該ピン37のカバー11内にある先端部37a(不図示)が出力ギヤ17の突起部17bに干渉することないように配置されている(融通機構)。また、該ピン37のカバー11外にある先端部37bは、短型レバー63の当接部63aに当接するように配置されており、短型レバー63を支点62を介して矢印J方向に回転操作すると、該ピン37を矢印F方向に押圧移動する。
【0068】
短型レバー63が取手64などを介して矢印J方向に回転操作されると、上記ピン37が矢印F方向に押圧移動されて、該ピン37の先端部37aが突起部17bに当接し、機械的に出力ギヤ17が矢印D方向に連動される。この際、実施例1及び実施例2と同様に、出力ギヤ17が連動されると、小ギヤ36b、大ギヤ36a及び小ギヤ35なども連動されるが、上述のようにシフト操作時以外では電磁クラッチ30が切断されているため、手動操作装置60の操作を妨げることはない。
【0069】
例えばシフトレバー25がパーキングレンジに位置している場合には、出力ギヤ17は、上述のようにパーキングレンジの位置(図2中実線Pで示す角度の位置)にあり、突起部17bは図2中破線で示す位置にある。例えば電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合(例えば断線、ショートなどが発生したようなフェール時)には、手動操作装置60の短型レバー63を矢印J方向に回転操作すると、ピン37の先端部37aと突起部17bとが当接し、機械的に出力ギヤ17を矢印D方向に所定量駆動して、ニュートラルレンジの位置(図2中実線Nで示す角度の位置)にすることができる。
【0070】
以上のように、実施例3の手動操作装置60は、電気モータ12によるマニュアルバルブ2(つまり油圧制御装置3)の操作時には、出力ギヤ17に干渉しないので電気モータ12などに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合は、バルブ駆動装置10のギヤ列、上記レンジ制御軸7及びディテントレバー5の操作を可能にして、マニュアルバルブ2をパーキングレンジの位置よりニュートラルレンジの位置に手動により操作することができる。それにより、例えば断線、ショートなどの故障が発生した車輌の移動を可能にすることができる。
【0071】
また、本実施例3の手動操作装置60は、ピン37を押圧移動するためのレバー63が短型である(比較的短い)ので、図7に示すように、例えばバルブ駆動装置10の厚み方向(図7中の上下方向)に向けて短型レバー63を配置しても、該バルブ駆動装置10の厚み方向よりも突出しないように、該バルブ駆動装置10と一体的に配置することができる。これにより、バルブ駆動装置10、並びに車輌のレンジ切替え装置1の配置に対する影響を少なくすることができる。更に、本実施例3の手動操作装置60は、ピン37を押圧移動するためのレバー63が、支点62を介して操作されるので、出力ギヤ17に負荷が生じている場合でも、比較的軽い力で該出力ギヤ17を操作することができる。
【0072】
<第2の実施の形態>
つづいて、本発明に係る第2の実施の形態を参考例1、参考例2、実施例4に沿って説明する。上記第1の実施の形態においては、レンジ制御軸7に係合しているバルブ駆動装置10の出力ギヤ17を操作するものであったが、第2の実施の形態おいては、シフトレンジ操作部であるレンジ制御軸7を直接操作することを可能にして、例えば断線、ショートなどの故障が発生した場合(フェール時)に、マニュアルバルブ2を手動により操作し、シフトレンジの切替えを可能にするものである。なお、第2の実施の形態においては、上記第1の実施の形態と同様である部分に同符号を使用して、その説明を省略する。
【0073】
参考例1
以下、本発明に係る参考例1について図8に沿って説明する。図8は、参考例1の手動操作装置70を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。手動操作装置(手動操作手段)70は、上述したレンジ制御軸7の例えば一端側の先端部7bに配置されている(図1参照)。
【0074】
図8(a)に示すように、手動操作装置70は、略々円環状の回動レバー本体72と、該回動レバー本体72に一体的に形成されているレバー71と、該レバー71の先端部分に配置された取手73(不図示の手動操作機構が連結される場合は連結部73)と、から構成されている。該回動レバー本体72は、内周側に係合孔72bが形成されており、該係合孔72bには、対角線上の位置に対向する形で突起部72a、72aが配置されている。また、係合孔72bには、略々長方形状に形成されているレンジ制御軸7の先端部(当接部)7bが貫通して係合しており、電気モータ12によりバルブ駆動装置10を介してレンジ制御軸7が駆動する際は、突起部72a、72aが該レンジ制御軸7の回転に干渉しないように配置されて、矢印C、D方向に回転自在になっている(融通機構)。そして、回動レバー本体72とレンジ制御軸7とは、図8(b)に示すように、ナット(又はボルト)74などによって係着されている。
【0075】
レバー71が取手73などを介して矢印D方向に回転操作されると、回動レバー本体72も矢印D方向に連動されて、突起部72a、72aが先端部7bに当接し、機械的にレンジ制御軸7も矢印D方向に連動される。この際、実施例1ないし実施例3と同様に、レンジ制御軸7が連動されると、係合している出力ギヤ17、小ギヤ36b、大ギヤ36a及び小ギヤ35なども連動されるが、上述のようにシフト操作時以外では電磁クラッチ30が切断されているため、手動操作装置70の操作を妨げることはない。
【0076】
例えばシフトレバー25がパーキングレンジに位置している場合には、制御軸7の先端部7bは、図8(a)中実線で示すパーキングレンジの位置(図2中実線Pで示す角度の位置)にある。例えば電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合(例えば断線、ショートなどが発生したようなフェール時)には、手動操作装置70のレバー71を矢印D方向に回転操作すると、該先端部7bと突起部72a、72aとが当接し、機械的にレンジ制御軸7を矢印D方向に所定量駆動して、制御軸7の先端部7bを図8(a)中破線で示すニュートラルレンジの位置(図2中実線Nで示す角度の位置)にすることができる。
【0077】
以上のように、実施例4の手動操作装置70は、電気モータ12によるマニュアルバルブ2(つまり油圧制御装置3)の操作時には、レンジ制御軸7に干渉しないので電気モータ12などに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合は、バルブ駆動装置10のギヤ列、レンジ制御軸7及びディテントレバー5の操作を可能にして、マニュアルバルブ2をパーキングレンジの位置よりニュートラルレンジの位置に手動により操作することができる。それにより、例えば断線、ショートなどの故障が発生した車輌の移動を可能にすることができる。
【0078】
また、本参考例1の手動操作装置70は、上述のように、回動レバー本体72にレバー71を配置し、レンジ制御軸7にナット74などにより係着したような、つまり簡単な構成であるので、複雑な構成にすることを防いで部品数を少なくすることができ、加工や組付けなどを簡単にすると共に、比較的安価にすることができる。
【0079】
なお、本参考例1において手動操作装置70は、レンジ制御軸7の先端部7bに配置しているが、バルブ駆動装置10に係合する他端の先端部7aに配置してもよく、更に、例えばレンジ制御軸7を加工するなどして、該レンジ制御軸7上の何れの部分に配置しても、勿論よい。
【0080】
参考例2
ついで、参考例2について図9に沿って説明する。図9は、参考例2の手動操作装置80を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は固定部材84を示す斜方視図、(d)は当接レバー81を示す斜方視図である。手動操作装置(手動操作手段)80は、参考例1と同様に、上述したレンジ制御軸7の例えば一端側の先端部7bに配置されている(図1参照)。
【0081】
図9に示すように、手動操作装置80は、平行板84c、84cと当接板84bとにより側面視略々コの字状に形成されている固定部材84(図9(c)参照)と、略々円形状の孔83を有する当接レバー81(図9(d)参照)と、該当接レバー81の先端部分に配置された取手82(不図示の手動操作機構が連結される場合は連結部82)と、から構成されている。
【0082】
固定部材84の平行板84cには、レンジ制御軸7の先端部7bと略々同形状に穿設された嵌合孔84a、84aを有しており、嵌合孔84a、84aが該先端部7bと嵌合して、固定部材84とレンジ制御軸7とが固定されている。当接レバー81は、孔83に該先端部7bが挿入されると共に、上記平行板84c、84cの間に配置される。また、先端部7bは、電気モータ12によりバルブ駆動装置10を介してレンジ制御軸7が駆動する際に、当接レバー81の孔83が該レンジ制御軸7の回転に干渉しないように配置されて、矢印C、D方向に回転自在になっている(融通機構)。そして、固定部材84とレンジ制御軸7とは、図9(b)に示すように、ナット(又はボルト)85などによって係着されている。
【0083】
図9(a)に示すように、当接レバー81が取手82などを介して矢印D方向に回転操作されると、該当接レバー81の側面部81bと固定部材84の当接板84bとが当接し、該固定部材84を介して機械的にレンジ制御軸7が矢印D方向に連動される。この際、実施例1ないし実施例4と同様に、レンジ制御軸7が連動されると、係合している出力ギヤ17、小ギヤ36b、大ギヤ36a及び小ギヤ35なども連動されるが、上述のようにシフト操作時以外では電磁クラッチ30が切断されているため、手動操作装置80の操作を妨げることはない。
【0084】
例えばシフトレバー25がパーキングレンジに位置している場合には、制御軸7の先端部7b及び固定部材84は、図9(a)中実線で示すパーキングレンジの位置(図2中実線Pで示す角度の位置)にある。例えば電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合(例えば断線、ショートなどが発生したようなフェール時)には、手動操作装置80の当接レバー81を矢印D方向に回転操作すると、該当接レバー81の側面部81bと固定部材84の当接板84bとが当接し、機械的にレンジ制御軸7を矢印D方向に所定量駆動して、制御軸7の先端部7b及び固定部材84を図9(a)中破線で示すニュートラルレンジの位置(図2中実線Nで示す角度の位置)にすることができる。
【0085】
以上のように、参考例2の手動操作装置80は、電気モータ12によるマニュアルバルブ2(つまり油圧制御装置3)の操作時には、レンジ制御軸7に干渉しないので電気モータ12などに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合は、バルブ駆動装置10のギヤ列、レンジ制御軸7及びディテントレバー5の操作を可能にして、マニュアルバルブ2をパーキングレンジの位置よりニュートラルレンジの位置に手動により操作することができる。それにより、例えば断線、ショートなどの故障が発生した車輌の移動を可能にすることができる。
【0086】
また、本参考例2の手動操作装置80は、上述のように、固定部材84の平行板84c、84cの間に当接レバー81を配置し、該固定部材84を介してレンジ制御軸7にナット85などにより係着したような、つまり簡単な構成であり、また、例えば孔83に突起部を設けるような複雑な加工を防いでいるので、加工や組付けなどを簡単にすると共に、比較的安価にすることができる。
【0087】
なお、本参考例2において手動操作装置80は、レンジ制御軸7の先端部7bに配置しているが、バルブ駆動装置10に係合する他端の先端部7aに配置してもよく、更に、例えばレンジ制御軸7を加工するなどして、該レンジ制御軸7上の何れの部分に配置しても、勿論よい。
【0088】
(実施例
つづいて、本発明に係る実施例について図10に沿って説明する。図10は、本発明に係る実施例の手動操作装置90を示す図で、(a)は正面図、(b)は斜方視図である。手動操作装置(手動操作手段)90は、上述したレンジ制御軸7上の何れの部分に配置してもよい(図1参照)。
【0089】
図10に示すように、手動操作装置90は、レンジ制御軸7に略々隙間を有して巻かれたベルト91と、図10中実線で示す第1の位置から図10中破線で示す第2の位置に移動されると該ベルト91を締付けする締付けレバー92と、該締付けレバー92の先端部分に配置された取手93(不図示の手動操作機構が連結される場合は連結部93)と、から構成されている。
【0090】
該締付けレバー92は、取手(又は連結部)93が配置されている先端部分とは反対側の一端に、ベルト91の一部分を外周側に引張るための引張り部92aが形成されており、該引張り部92aより湾曲した形状に形成されている。その湾曲した形状の付根部分は、該締付けレバー92が矢印K方向の第2の位置に移動された際に、ベルト91を介してレンジ制御軸7に当接し、引張り部92aを外周側に引張るための支点92bとなっている。
【0091】
ベルト92とレンジ制御軸7との間は、上述のように略々隙間を有しており、締付けレバー92が矢印L方向の第1の位置(図10(a)中実線で示す位置)にある場合は、該レンジ制御軸7はベルト部材92に非連動状態にあり、矢印C、D方向に回転自在になっている(融通機構)。締付けレバー92が矢印K方向の第2の位置(図10(a)中破線で示す位置)に移動されると、支点92bがベルト91を介してレンジ制御軸7に当接し、該締付けレバー92の先端の引張り部92aがベルト91の一部分を外周側に引張る。すると、ベルト91はレンジ制御軸7に締付けられて、締付けレバー92が矢印K方向に操作されると共に、該ベルト91の摩擦によりレンジ制御軸7に矢印D方向の移動を伝達する。この際、実施例1ないし実施例5と同様に、レンジ制御軸7が連動されると、係合している出力ギヤ17、小ギヤ36b、大ギヤ36a及び小ギヤ35なども連動されるが、上述のようにシフト操作時以外では電磁クラッチ30が切断されているため、手動操作装置90の操作を妨げることはない。
【0092】
例えばシフトレバー25がパーキングレンジに位置している場合には、制御軸7はパーキングレンジの第1の位置(図2中実線Pで示す角度の位置)にある。例えば電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合(例えば断線、ショートなどが発生したようなフェール時)には、手動操作装置90の締付けレバー92を矢印K方向の第2の位置に回転操作すると、該締付けレバー92が上述のようにベルト91をレンジ制御軸7に締付けて、機械的にレンジ制御軸7を矢印D方向の移動を伝達して、制御軸7をニュートラルレンジの位置(図2中実線Nで示す角度の位置)にすることができる。
【0093】
以上のように、実施例の手動操作装置90は、電気モータ12によるマニュアルバルブ2(つまり油圧制御装置3)の操作時には、レンジ制御軸7に干渉しないので電気モータ12などに負担をかけることを防ぐことができるものでありながら、電気モータ12が機能しない状態である(かつ電磁クラッチ30が解放状態である)場合は、バルブ駆動装置10のギヤ列、レンジ制御軸7及びディテントレバー5の操作を可能にして、マニュアルバルブ2をパーキングレンジの位置よりニュートラルレンジの位置に手動により操作することができる。それにより、例えば断線、ショートなどの故障が発生した車輌の移動を可能にすることができる。
【0094】
また、本実施例の手動操作装置90は、上述のように、レンジ制御軸7にベルト91を周設し、締付けレバー92を配置したような、つまり簡単な構成であり、レンジ制御軸7を特別に加工する必要をなくすことができるものでありながら、該レンジ制御軸7上の何れの位置にも配置することを可能とし、更に、加工や組付けなどを簡単にすると共に、比較的安価にすることができる。
【0095】
なお、以上の第1及び第2の実施の形態において、不図示の手動操作機構に連結される連結部の形状は、どのような形状であってもよく、手動操作機構の手動操作を伝達できるようなものであればよい。また、例えば車輌の室内、エンジンルーム内、などから連結部に手動操作機構(その手動操作を伝達するような、例えばワイヤー機構など)を配設することで、例えば車輌の室内、エンジンルームなどから手動操作を可能にすることができる。
【0096】
また、第1及び第2の実施の形態において、バルブ駆動装置10の出力ギヤ17又はレンジ制御軸7を操作し、手動によるレンジ切替え操作を可能としているが、例えばディテントレバー5に係合する不図示のパーキングロッドに、電気モータ12によるマニュアルバルブ2(油圧制御装置3)の操作時には干渉せずに、かつ電気モータ12が機能しない場合には手動によるレンジ切替え操作を可能にするような(融通機構を備えた)ものを配設してもよい。更に、これらに限らず、電気モータによる切替えバルブの駆動時には、マニュアルバルブ2(油圧制御装置3)に動きを伝えず、電気モータが機能しない場合には、手動によるレンジ切替え操作を可能にするものであれば何れのものであってもよい。
【0097】
更に、以上の本発明に係る実施の形態において、車輌のレンジ切替え装置を自動変速機に適用したものを例に説明したが、自動変速機を備えている車輌に限らず、シフトレンジの切替え、特にパーキングレンジを有して他のレンジに切替えを行うような車輌であれば自動変速機を備えてなくともよく、本発明を適用し得る車輌であれば何れのものであってもよい。
【0098】
また、以上の本発明に係る実施の形態において、バルブ駆動装置10は、ウォームギヤ12b、ウォームホイール13及び電磁クラッチ30を備えているが、例えばウォームギヤ12b及びウォームホイール13に代えて平歯車(平歯車に限らず、その他の歯車機構も含む)などにより構成してもよい。ウォームギヤ12b、ウォームホイール13が介在している場合には、逆駆動(電気モータ12による駆動を正駆動とする。)が困難であり、手動操作手段により手動でレンジを切替えることは不可能であるため、電磁クラッチ30をウォームギヤ12b及びウォームホイール13とシフトレンジ操作部との間に備えて解放状態にする必要があるが、例えば平歯車などにより構成した場合には、電磁クラッチ30を備えていなくても、手動操作手段により手動でレンジを切替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車輌のレンジ切り替え装置の一例を示す図。
【図2】 バルブ駆動装置の出力ギヤを示す一部省略断面図。
【図3】 本発明に係る実施例1の手動操作装置を示す斜方視図。
【図4】 本発明に係る実施例1の手動操作装置を示す断面図。
【図5】 本発明に係る実施例2の手動操作装置を示す断面図。
【図6】 本発明に係る実施例2の手動操作装置を示す斜視図。
【図7】 本発明に係る実施例3の手動操作装置を示す斜方視図。
【図8】 参考例1の手動操作装置を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図。
【図9】 参考例2の手動操作装置を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は固定部材を示す斜方視図、(d)は当接レバーを示す斜方視図。
【図10】 本発明に係る実施例の手動操作装置を示す図で、(a)は正面図、(b)は斜方視図。
【符号の説明】
1 車輌のレンジ切替え装置
切替えバルブ(マニュアルバルブ
5 シフトレンジ操作部(連結機構)
7 シフトレンジ操作部(制御軸)
9 シフトレンジ操作部(ディテント機構、ディテントスプリング)
10 シフトレンジ操作部(バルブ駆動装置)
12 電気モータ
12b ウォームギヤ
13 ギヤ列(ウォームホイール)
17 ギヤ列(出力ギヤ)
25 シフトレンジ選択手段(シフトレバー)
30 電磁クラッチ
35 ギヤ列(小ギヤ)
36a ギヤ列(大ギヤ)
36b ギヤ列(小ギヤ)
37 ピン
37a 当接部
40 手動操作手段(手動操作装置)
42 支点
43 レバー(長型レバー)
50 手動操作手段(手動操作装置)
51 ロッド
51a 溝部
51b 当接部
60 手動操作手段(手動操作装置)
62 支点
63 レバー(短型レバー
90 手動操作手段(手動操作装置)
91 ベルト
92 締付けレバー

Claims (8)

  1. シフトレンジ選択手段と、前記シフトレンジ選択手段からの信号に基づいて駆動する電気モータと、前記電気モータにより駆動され、シフトレンジを切替えし得る切替えバルブを操作し得るシフトレンジ操作部と、を備える車輌のレンジ切替え装置において、
    前記シフトレンジ操作部は、前記電気モータの駆動を、ギヤ列と、該ギヤ列に連結された制御軸と、該制御軸と前記切替えバルブとを連結する連結機構と、を介して前記切替えバルブに伝達し、
    前記シフトレンジ操作部に、融通機構を介して機械的に連動する手動操作手段を備え、
    前記融通機構は、前記ギヤ列のうちの少なくとも1つのギヤに設けられた突起部と、前記手動操作手段に連動して設けられ、前記突起部に接離可能にされた当接部と、を有し、前記電気モータの駆動による前記シフトレンジの操作時には前記手動操作手段に前記シフトレンジ操作部の動きを伝えず、かつ該手動操作手段の操作に基づき前記シフトレンジ操作部を操作可能に構成し、
    前記手動操作手段は、前記電気モータが機能しない場合に操作される
    ことを特徴とする車輌のレンジ切替え装置。
  2. 前記レンジ切替え装置は、前記電気モータと前記シフトレンジ操作部との動力伝達状態を断続する電磁クラッチを備え、
    前記手動操作手段は、前記電磁クラッチと前記シフトレンジ操作部との間に設けられ、前記電磁クラッチが解放状態にある場合に操作される
    ことを特徴とする請求項1記載の車輌のレンジ切替え装置。
  3. 前記レンジ切替え装置は、前記電気モータと前記電磁クラッチとの間にウォームギヤ、又はウォームホイールを備えてなる、
    請求項2記載の車輌のレンジ切替え装置。
  4. 前記切替えバルブは、前記シフトレンジを各シフトポジション間で切替えし、
    記シフトレンジ操作部は、前記切替えバルブの操作部を前記各シフトポジションに保持させるディテント機構を備えてなる、
    請求項2または3記載の車輌のレンジ切替え装置。
  5. 前記手動操作手段は、パーキングレンジよりニュートラルレンジに切替えるために前記シフトレンジ操作部を操作してなる、
    請求項1ないし4のいずれか記載の車輌のレンジ切替え装置。
  6. 前記融通機構は、溝部及び該溝部の一方端の段差部からなる当接部を有するロッドを備え、
    前記溝部が前記電気モータの駆動による前記切替えバルブの操作時には前記突起部とは接触せずに前記ギヤを移動自在にし、かつ前記当接部が前記ロッドの操作に基づき前記突起部に一方より当接して前記ギヤを連動してなる、
    請求項1ないし5のいずれか記載の車輌のレンジ切替え装置。
  7. 前記融通機構は、前記突起部に対向して配置されたピンと、一端に支点を有して回動することで該ピンを一方に押圧操作するレバーと、を備え、
    前記ピンが前記電気モータの駆動による前記切替えバルブの操作時には前記突起部とは接触せずに前記ギヤを移動自在にし、かつ前記ピンの一端からなる前記当接部が前記レバーの操作に基づき前記突起部に一方より当接して前記ギヤを駆動してなる、
    請求項1ないし5のいずれか記載の車輌のレンジ切替え装置。
  8. シフトレンジ選択手段と、前記シフトレンジ選択手段からの信号に基づいて駆動する電気モータと、前記電気モータにより駆動され、シフトレンジを切替えし得る切替えバルブを操作し得るシフトレンジ操作部と、を備える車輌のレンジ切替え装置において、
    前記シフトレンジ操作部は、前記電気モータの駆動を、ギヤ列と、該ギヤ列に連結された制御軸と、該制御軸と前記切替えバルブとを連結する連結機構と、を介して前記切替えバルブに伝達し、
    前記シフトレンジ操作部に、融通機構を介して機械的に連動する手動操作手段を備え、
    前記融通機構は、前記制御軸上に配置されると共に、前記制御軸に巻かれたベルトと、一端を該ベルトに連結し、かつ他端を前記手動操作手段に連結した締付けレバーと、を備え、前記締付けレバーの第1の位置にあっては、前記制御軸と前記締付けレバーとは非連動状態にあり、前記締付けレバーの第1の位置から第2の位置への移動を前記制御軸に伝達してなることで、前記電気モータの駆動による前記シフトレンジの操作時には前記手動操作手段に前記シフトレンジ操作部の動きを伝えず、かつ該手動操作手段の操作に基づき前記シフトレンジ操作部を操作可能に構成し、
    前記手動操作手段は、前記電気モータが機能しない場合に操作される、
    ことを特徴とする車輌のレンジ切替え装置。
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