JP4750957B2 - コンテナ荷役用クレーンのコンテナ或いはコンテナ搬送用車両の位置・姿勢検出システム。 - Google Patents
コンテナ荷役用クレーンのコンテナ或いはコンテナ搬送用車両の位置・姿勢検出システム。 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナターミナルにおいて、コンテナと、シャシーや無人台車などのコンテナ搬送機器とを対象物とし、その位置及び姿勢を効率的に検出するコンテナ荷役用クレーンのコンテナ或いはコンテナ搬送用車両の位置・姿勢検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トランスファークレーンに取り付けたカラーカメラで撮影したシャーシ側面のカラーマーカの映像を、前記クレーンに搭載したカラーモニターで確認しながらコンテナを搭載している前記シャーシの位置決めを行なうシャーシ位置表示設備が知られている(特開平10−36070号公報)。
【0003】
また、レーザー光線をコイルに向かって走査させ、その反射光をコイル位置検出部で処理してコイルの位置を検出する信号を求め、その信号と、予め与えられているコイルデータ及び搬入データとからコイルの正しい位置を測定するワーク位置検出装置が知られている(特開平6−298489号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の場合は、コンテナを運搬するシャーシの側面にそれぞれカラーマーカを取り付ける必要があるため、多数のシャーシを扱う場合には不向きである。また、カラーマーカ上で太陽光線などが反射する場合には、カラーマーカの判別が困難になるなどの問題がある。
【0005】
一方、後者の場合は、レーザー光線をコイルに向かって走査させ、その反射光をコイル位置検出部で処理してコイルの位置を検出する信号を求め、その信号と、予め与えられているコイルデータ及び搬入データとからコイルの正しい位置を測定するため、コイル位置検出部におけるデータ処理が煩雑になるなどの問題がある。
【0006】
ところで、3次元レーザセンサとして、ポリゴンミラーを用いることも考えられるが、ポリゴンミラーは、レーザーの走査角度が狭く、例えば4面ポリゴンミラーでは、走査角度が90度となる。また、走査角度を任意に設定することも不可能である。また、限られた範囲のみを走査する場合でも、その範囲外の部分を走査することになるため、走査時間が長くなる。また、ポリゴンミラーは、高価である。
【0007】
従って、コンテナヤードにおけるコンテナ荷役の高効率化を考えた場合、任意の限られた場所を短時間で走査することが必要となる。また、センサ自体の低コスト化も必要である。
【0008】
本発明は、係る従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンテナ或いはコンテナ搬送装置の位置及び姿勢を高効率で検出することができるコンテナ荷役用クレーンのコンテナ或いはコンテナ搬送用車両の位置・姿勢検出システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、コンテナ荷役用クレーンの脚部に設けた3次元レーザセンサとコントローラから成り、前記3次元レーザセンサは、1次元レーザ距離計と平面ミラーを具備し、該平面ミラーを縦軸先端の凹形枠体に回転自在に設けた横軸によって支持し、かつ、前記凹形枠体に平面ミラーを回転させる第2モーターを設けると共に、第2モーターによる平面ミラーの回転を測定する第2エンコーダを設け、更に、前記縦軸を回転させる第1モーターと、該第1モーターによる平面ミラーの回転を測定する第2エンコーダを設けて成り、前記コントローラは、3次元レーザセンサのモーターを制御するセンサコントローラとデータ処理部から成り、該データ処理部は、1次元レーザ距離計から入力する距離データcと、エンコーダから入力する回転角データd,eからコンテナ或いはコンテナ搬送用車両の3次元データを求めると共に、この3次元データからコンテナ或いはコンテナ搬送用車両のエッジ又は重心位置を算出し、算出されたコンテナ或いはコンテナ搬送用車両のエッジ又は重心位置を入力したクレーン制御装置によってガーダ上の横行台車を制御するように構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明するが、図1は本発明に係るコンテナ荷役用クレーンのコンテナ或いはコンテナ搬送用車両の位置・姿勢検出システムの概略図、図2は3次元レーザセンサシステムの概略図である。
【0011】
図1に示すように、3次元レーザセンサシステムAは、3次元レーザセンサ1およびコントローラ2から構成され、コンテナクレーン3の陸側の脚4に設置した3次元レーザセンサ1により対象物、すなわち、コンテナ5あるいはコンテナを搬送するシャーシや無人台車などのコンテナ搬送装置6を上方より走査し、この3次元レーザセンサ1から得られたコンテナ5あるいはコンテナ搬送装置6の3次元データをコントローラ2で処理してコンテナ5あるいはコンテナ搬送装置6の位置および姿勢を検出するようになっている。
【0012】
上記コントローラ2は、3次元レーザセンサ1のモータを制御するセンサコントローラ7と、対象物であるコンテナ5あるいはコンテナ搬送装置6のエッジおよび重心位置を演算するデータ処理部8とから構成されている。
【0013】
図2に示すように、3次元レーザセンサ1は、1次元レーザ距離計9と、レーザ光走査用の平面ミラー10と、該ミラー10を回転させる2台のモータ11,12と、ミラーの回転角度を測定する2台のエンコーダ13,14とにより構成されている。
【0014】
例えばロール・ピッチ方式の3次元レーザセンサ1の場合、平面ミラー10は、凹形の枠体15に回転自在に取り付けた一対のX軸方向の軸16、16によって支持されており、枠体15の一方の側面には、前記ミラー10を2頭矢印aのように回転させる第2モータ12が取り付けられ、他方の側面には、前記ミラー10の回転角を検出する第2エンコーダ14が取り付けられている。
【0015】
更に、枠体15の端面に取り付けたY軸方向の軸17は、第1モータ11によって2頭矢印bのように回転される。すなわち、Y軸方向の軸17に設けたベルト車18と、第1モータ11の回転軸(図示せず)に取り付けたベルト車19との間にベルト20が巻回され、第1モータ11の回転がベルト20を介してY軸方向の軸17に伝達される。その上、Y軸方向の軸17を支持する支持体21の一つに第1エンコーダ13が取り付けられている。
【0016】
更に、コントローラ2のデータ処理部8には、1次元レーザ距離計9からの距離データcと、第1,第2エンコーダ13,14からのミラー角度データd,eがそれぞれ入力され、第1,第2モータ11,12及びクレーン制御装置22には、センサコントローラ7からの指令f,g,hがそれぞれ入力される。
【0017】
上記データ処理部8は、1次元レーザ距離計9から入力される距離データcと、前記エンコーダ13,14から入力される回転角データd,eとから対象物の3次元データを求めるとともに、この3次元データより対象物のエッジ及び重心位置を算出する機能を有している。また、データ処理装置8は、センサコントローラ7に指令を出して第1,第2モータ11,12の回転、換言すれば、ミラー10の回転角度を制御するようになっている。
【0018】
次に、上記構成からなるコンテナの位置・姿勢検出システムの作用について説明する。
【0019】
図3に示すように、3次元レーザセンサ1の下方にコンテナ5を搭載したコンテナ搬送装置6が停止すると、3次元レーザセンサ1を作動させ、平面ミラー10を2頭矢印a及びbで示すように回転させるとともに、1次元レーザ距離計9からレーザ光線iを発してコンテテ5を走査する。
【0020】
1次元レーザ距離計9から発したレーザ光線iは、平面ミラー10で反射してコンテナ5に至る。コンテナ5上で反射した反射光は、再度、平面ミラー10で反射して1次元レーザ距離計9に戻り、コンテナまでの距離が検出されるが、その距離データcは、データ処理部8に入力される(図2参照)。このデータ処理部8には、更に、第1,第2エンコーダ13,14から平面ミラー10の各回転角度d,eが入力されるので、1次元レーザ距離計9から入力する距離データdと、第1,第2エンコーダ13,14から入力するミラー10の各回転角度データd,eとから直交座標系におけるコンテナの3次元位置データを得ることができる。
【0021】
この1次元レーザ距離計9による距離データdの入力と、第1,第2エンコーダ13,14によるミラー10の各回転角度データd,eの入力とは、サンプルタイム毎に行われる。
【0022】
前記データ処理部8は、この3次元位置データを水平面についてマトリクス化し、X軸およびY軸方向にそれぞれ微分を行うことによりコンテナ上面のエッジを求めるとともに、得られたエッジよりコンテナ上面の面積を算出することによりコンテナ上面の重心を求める。
【0023】
得られたコンテナ上面のエッジ及び重心位置は、データ処理部8から信号hとしてクレーン制御装置22に入力されるから(図1参照)、コンテナ上面のエッジ及び重心位置を入力したクレーン制御装置22は、このコンテナ上面のエッジ及び重心位置に基づいてガーダー23上の横行台車24に搭載されている走行モータ、横行モータ、及び巻上げモータなどを制御し、コンテナ搬送装置6上のコンテナ5を搬送する。
【0024】
上記のように、本発明は、レーザ距離計とロール・ピッチ方式の平面ミラーとを用いた3次元レーザセンサシステムを適用したために、これらの機器を採用していない従来方式に比べてコンテナの位置及び姿勢を迅速に、かつ高精度で検出することができる。その結果、サイクルタイムの短縮を計り、コンテナを効率的に搬送することができる。
【0025】
以上の説明では、コンテナの位置及び姿勢を検出する場合について説明したが、コンテナを搭載するコンテナ搬送装置の位置及び姿勢についても同様に検出することが可能である。
【0026】
また、以上の説明では、エッジの計算方法として、3次元データをマトリクス化してエッジを求める方法について説明したが、これに限らず、例えば最小2乗法、すなわち、得られた直交座標系における3次元データからエッジ部分のデータを抽出し、その抽出データより最小2乗法を用いてエッジの直線を算出する方法を用いることも可能である。
【0027】
また、以上の説明では、平面ミラーの駆動方式としてロール・ピッチ方式を適用した場合について説明したが、これに限らず、例えばヨー・ピッチ方式を採用してもよい。また、平面ミラーおよびレーザ距離計の配置例としては、更に、5つの例が考えられるが、同じ部品に同じ符号を付け、詳しい説明については省略する。
【0028】
【発明の効果】
上記のように、本発明は、レーザ距離計と、互いに交差する2つの軸で支持された平面ミラーと、前記軸を各々回転させるモータと、前記軸の回転角を各々検出するエンコーダとから構成された3次元レーザセンサと、
前記モータを各々制御するセンサコントローラと、
前記レーザ距離計から入力される距離データと、前記エンコーダから入力される回転角データとから対象物の3次元データを求めるとともに、該3次元データより対象物のエッジ及び重心位置を算出するデータ処理部とから構成されているので、従来方式に比べてコンテナの位置及び姿勢を迅速に、かつ高精度で検出することができる。
【0029】
また、3次元レーザセンサに平面ミラーを用いているため、従来のポリゴンミラー方式に比べて走査範囲が広い。また、その走査範囲内であれば、ある限られた任意の範囲のみを走査することが可能である。
【0030】
従って、必要な部分のみを走査することにより、コンテナやコンテナ搬送装置の位置及び姿勢の検出を素早く行うことができ、サイクルタイムの短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンテナ荷役用クレーンのコンテナ或いはコンテナ搬送用車両の位置・姿勢検出システムの概略図である。
【図2】3次元レーザセンサシステムの概略図である。
【図3】3次元レーザセンサの作用説明図である。
【図4】ヨー・ピッチ方式の3次元レーザセンサの一部断面を含む斜視図である。
【図5】レーザセンサと回転ミラーの配置図である。
【図6】レーザセンサと回転ミラーの配置図である。
【図7】レーザセンサと回転ミラーの配置図である。
【図8】レーザセンサと回転ミラーの配置図である。
【図9】レーザセンサと回転ミラーの配置図である。
【符号の説明】
1 3次元レーザセンサ
7 センサコントローラ
8 データ処理部
9 1次元レーザ距離計
10 平面ミラー
11,12 モータ
13,14 エンコーダ
c 距離データ
d,e 回転角データ
Claims (1)
- コンテナ荷役用クレーンの脚部に設けた3次元レーザセンサとコントローラから成り、
前記3次元レーザセンサは、1次元レーザ距離計と平面ミラーを具備し、該平面ミラーを縦軸先端の凹形枠体に回転自在に設けた横軸によって支持し、かつ、前記凹形枠体に平面ミラーを回転させる第2モーターを設けると共に、第2モーターによる平面ミラーの回転を測定する第2エンコーダを設け、更に、前記縦軸を回転させる第1モーターと、該第1モーターによる平面ミラーの回転を測定する第2エンコーダを設けて成り、
前記コントローラは、3次元レーザセンサのモーターを制御するセンサコントローラとデータ処理部から成り、該データ処理部は、1次元レーザ距離計から入力する距離データcと、エンコーダから入力する回転角データd,eからコンテナ或いはコンテナ搬送用車両の3次元データを求めると共に、この3次元データからコンテナ或いはコンテナ搬送用車両のエッジ又は重心位置を算出し、
算出されたコンテナ或いはコンテナ搬送用車両のエッジ又は重心位置を入力したクレーン制御装置によってガーダ上の横行台車を制御するコンテナ荷役用クレーンのコンテナ或いはコンテナ搬送用車両の位置・姿勢検出システム。
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