JP4749136B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1の要部拡大断面図、図3はスクロール圧縮機の圧縮機構部の分解斜視図である。
図1〜3において、固定スクロール101及び揺動スクロール102から構成される圧縮機構がシェル103内の上部に設けられている。揺動スクロール102はその外周近傍背面において、シェル103の内周面に固着されたフレーム104のスラスト軸受部104fによりスラスト方向に摺動自在に支持されている。
図2、図3に示すように、揺動スクロール102と固定スクロール101の台板の歯面側にオルダムリング107の爪一対をそれぞれ収容するためのオルダムリング爪収容部102b、101bが形成されている。
圧縮機構は、固定スクロール101と揺動スクロール102を、中間にオルダムリング107を配置して組み合わせ、揺動スクロール102の背面とフレーム104との間には、スラスト受け112が配置し、固定スクロール101が、フレーム104に固定されている。
オルダムリング107は、固定スクロール101のオルダムリング爪収容部101bの底面に対して所定方向に摺動自在であり、かつ、揺動スクロール102のオルダムリング爪収容部102bの底面に対して、オルダムリング爪収容部101bの所定方向と直交する方向に摺動自在であるように構成されている。
また、フレーム104は、従来のように、オルダムリング収納部がなく、揺動スクロールの背面のボス部102aを除くほぼ全面と、揺動スクロール102のボス部102aを収納する凹部104eを除くほぼ全面を摺接させるスラスト軸受部104fが形成されている。
電動機106により主軸105が回転駆動されると、偏心軸部105aおよび揺動軸受102cにおいて主軸105と係合する揺動スクロール102に伝えられる。このとき、
オルダムリング爪収容部101b、102b内で往復運動するオルダムリング107により揺動スクロール102の自転が防止され、揺動スクロール102は公転運動を行い、固定スクロール101と協動する。そして、冷媒ガスは、吸入管から吸入され、シェル103内の固定スクロール101と揺動スクロール102によって構成された圧縮室へ吸入、圧縮された後、吐出管を介してシェル103外へ吐出される。
なお、冷媒として、例えば、二酸化炭素等を用いるが、二酸化炭素等を冷媒に用いた場合、従来のHFC冷媒等と比べ常用密度が高いが、圧縮機運転時に発生する圧縮ガスの軸方向へのガス圧縮力(スラスト荷重)を受けるスラスト受け112及びフレーム104のスラスト軸受部104fの面積を大きくして面圧を低下させている。
なお、オルダムリング107の潤滑は、冷媒中の油で行われる。
従って、圧縮機外径を大きくすること無く、オルダムリング107を揺動スクロール102と固定スクロール101の間に配置することができる。
それにより、二酸化炭素等従来のHFC冷媒に比べ非常に高圧となるような冷媒を用いた場合でも適正な面圧を確保することが可能となるので、スラスト受け112での摺動による大きな摩耗や凝着を抑制することができ、信頼性の高いスラスト軸受を備えたスクロール圧縮機を得ることができる。
なお、スラスト軸受104とスラスト受け112をまとめてスラスト軸受104fと称している。
実施の形態1では、オルダムリングが揺動スクロールと固定スクロールの間に配置されたスクロール圧縮機について示したが、本実施の形態は、さらに、フレームのスラスト軸受部を揺動スクロールの剛性と同等以下として面圧を低下させたものである。
図4はこの発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機のフレームと揺動スクロールの変形状態の説明図であり、図4(a)は従来のスクロール圧縮機の場合、図4(b)はこの発明の実施の形態2の場合を示す。
本実施の形態では、フレーム104のスラスト軸受部104fを揺動スクロール102の剛性と同等以下の材質としたので、図4(b)に示すように、過大なスラスト荷重下においては、図4(b)に示すように、フレーム4のスラスト軸受部104fが揺動スクロール102に倣って変形する。このため、スラスト荷重をフランジのスラスト軸受部104fの面全体で受け止めることができるためスラスト軸受部104fでの面圧が抑えられ、スラスト軸受部104fでの大きな摩耗や局所的な凝着を防ぐことができる。
実施の形態2では、フレームのスラスト軸受部を揺動スクロールの剛性と同等以下の材質として面圧を低下させたものであるが、本実施の形態は、フレーム104のスラスト軸受部104fの背面に空洞を構成してをスラスト軸受部を揺動スクロールの剛性と同等以下として面圧を低下させたものである。
図5において、フレーム104の凹部104eの内周面から外周に向かって径方向に全周にわたってスラスト軸受部104fの背面に空隙104cを形成している。
スラスト軸受部104fが柔構造となり、図5に示すように、フレーム4のスラスト軸受部104fが揺動スクロール102に倣って変形するので、スラスト荷重をスラスト軸受部104fの面全体で受け止めることができるためスラスト軸受部104fでの大きな摩耗や局所的な凝着を防ぐことができる。
実施の形態3では、フレーム104のスラスト軸受部104fの背面に空洞を構成してをスラスト軸受部を揺動スクロールの剛性と同等以下として面圧を低下させたが、本実施の形態では、フレーム104とは別のパーツをフレーム104に組み合わせて空隙104cを形成したものである。
図6において、フレーム104は、凹部104eの上部の内周面から外周に向かって径方向に内周面を有する凹部104gが形成されている。また、凹部104eと同径の穴を有し、天面をスラスト軸受部115bとする有天円筒状のスラスト軸受部材115が凹部104gに挿着され、 スラスト軸受部115bの背面に空隙104cを形成している。
実施の形態1では、オルダムリングが揺動スクロールと固定スクロールの間に配置されたものであり、実施の形態2〜4は、さらに、柔構造を備えたフレームを用いて構成されたスクロール圧縮機についてのものであるが、本実施の形態は、給排油経路の構成を示すものである。
図7(b)において、スラスト受け112には、背面に円周方向にスラスト受け油溝112aが設けられている。図8において、フレーム104のスラスト面の径方向にフレーム油溝104d、104d´が設けられている。
図7(a)に示すように、主軸105内の軸方向に貫通する主軸油穴105bとフレーム104の主軸受104aと揺動軸受102cを給油した後、フレーム104のフレーム油溝104d、104d´及びスラスト受け油溝112aを通り、フレーム104にある排油穴113から油溜め108へ排油される一連の給排油経路を構成している。
上記の構成以外は、実施の形態1と同様であり、また、その動作については実施の形態1と同様である。
実施の形態5では、給排油経路を設け、摺動部の発熱・焼付きを抑えたが、スラスト受け112とフレーム104の硬度を異なるようにして摩耗を防ぐものである。
図9はこの発明の実施の形態6におけるスクロール圧縮機のフレームの摩耗状態の説明図である。
Claims (7)
- 底部に油溜めを有するシェル内の上部に設けられ、台板上に渦巻歯を有する固定スクロールと、前記固定スクロールとともに圧縮機構を構成し、台板上に渦巻歯、背面に揺動軸受が形成されたボス部を有する揺動スクロールと、前記揺動軸受に回転自在に係合する偏心軸部をその上端面に形成した主軸と、前記シェルの内周面に固着され、前記揺動スクロールの前記ボス部を収納する凹部を有し、前記スクロールの背面を支承するスラスト軸受部及び前記凹部の下部に形成され、前記主軸を支承する主軸受を有するフレームと、前記揺動スクロールの自転を防止するオルダムリングとを備えたスクロール圧縮機において、
前記オルダムリングを前記揺動スクロールと前記固定スクロールの各々の前記渦巻歯の外周側の前記台板間に配設し、前記揺動スクロールの背面の前記ボス部近傍から最外周部までの全面を別部材となるスラスト受けで形成し、前記スラスト受けと、前記フレームの前記スラスト軸受部の前記凹部を除くほぼ全面を摺接させるようにしたことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記フレームのスラスト軸受部の剛性を、前記揺動スクロールの剛性より小さくした
ことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。 - 前記フレームのスラスト軸受部の背面に、前記フレームの前記凹部の内周面から外周に向かって径方向の全周にわたる空隙を形成したことを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記スラスト受け部を、前記フレームと別部材としたことを特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機。
- 前記フレームのスラスト軸受に対し、前記揺動スクロールの前記スラスト受けの硬度を小さくしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
- 前記主軸内に軸方向に貫通する油穴と、
前記フレームの主軸受と、
前記揺動軸受と、
前記スラスト軸受部、または、前記揺動スクロールの背面の一方または両方に設けた油溝と、
前記フレームに設けた排油穴と、
からなる給排油通路を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスクロール圧縮機。 - 冷媒として二酸化炭素を用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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