JP6351749B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
また、本発明に係るスクロール圧縮機によれば、第2のラジアル軸受にすべり軸受を採用しているため、コストアップを抑制することができる。
図1は、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100の構成を模式的に示す縦断面図である。図2Aは、本実施の形態に係るスクロール圧縮機100の副軸受11部分を拡大して示す模式図である。図2Bは、副軸受11に供給された潤滑油の流れを説明する図である。図1、図2A及び図2Bに基づいて、スクロール圧縮機100の構成及び動作などについて説明する。また、スラスト荷重を矢印aで、ラジアル荷重を矢印bで、それぞれ表している。
本実施の形態に係るスクロール圧縮機100は、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和機、冷凍装置、給湯器などの冷凍サイクル装置を構成する冷凍機器の1つとして搭載されるものである。
密閉容器13は、圧力容器であり、スクロール圧縮機100の外郭をなすものである。密閉容器13は、筒状の胴部13Aと、この胴部の上側の開口部に圧入された上シェル13Bと、胴部13Aの下側の開口部に圧入された下シェル13Cとを備えている。また、密閉容器13には、冷媒を吸入するための冷媒吸入管15と、冷媒を吐出するための冷媒吐出管16とが接続されている。すなわち、密閉容器13の上シェル13Bには、冷媒吐出管16が接続され、密閉容器13の胴部13Aには冷媒吸入管15が接続されている。この密閉容器13の底部は、潤滑油(冷凍)を貯留する油溜め14となっている。
圧縮機構部Aは、固定スクロール1、揺動スクロール2及びオルダム継手12などで構成されているものであり、冷媒を圧縮するものである。固定スクロール1と揺動スクロール2との間には、冷媒を圧縮する圧縮室5が形成されている。電動機部Bにより回転駆動されるシャフト6によって、圧縮室5の容積が縮小していく。圧縮室5の容積が縮小していくと、冷媒が圧縮される。圧縮機構部Aは、冷媒吸入管15から吸入した冷媒を圧縮して、吐出口4及び冷媒吐出管16を介して密閉容器13外部に冷媒を吐出する機能を有している。
電動機部Bは、圧縮機構部Aで冷媒を圧縮させるために、揺動スクロール2を駆動する機能を有する。すなわち、電動機部Bは、揺動スクロール2を動作させる回転子10a及び固定子10bを備え、密閉容器13内に設けられているものである。ここで、回転子10a及び固定子10bなどによって電動機10が構成されている。回転子10aには、シャフト6が接続されており、固定子10bへの通電が開始することにより回転駆動する。固定子10bは、焼きばめなどによって密閉容器13の内周面に固定されている。固定子10bは、回転子10aとの間に予め設定された間隔をあけて、回転子10aを囲むように密閉容器13内に設けられている。
シャフト6は、一端側が揺動スクロール2に接続され、中間部が回転子10aに接続され、回転子10aの回転を揺動スクロール2に伝達するものである。シャフト6は、電動機部Bの駆動力を圧縮機構部Aに伝達する。このシャフト6の上端には、シャフト6の中心に対して偏心して設けられた偏心軸6Aが設けられている。偏心軸6Aは、揺動スクロール2に設けられた偏心穴内に圧入されている揺動軸受17と摺動自在に連結されている。また、シャフト6の上部であって偏心軸6Aよりも下部の位置には、バランサ6Bが設けられているさらに、シャフト6には、軸方向に伸びるように形成された給油穴7aが形成されている。
縮径部6bには、給油穴7aに連通するように形成された給油穴7cが形成されている。給油穴7cは、スラスト軸受11cの内周面側につながっており、給油穴7cの潤滑油がスラストブッシュ20とスラスト軸受11cとの間に供給されるようになっている。
密閉容器13内には、メインフレーム8aとサブフレーム8bで構成されるハウジング8が設けられている。なお、メインフレーム8aとサブフレーム8bとの間に、電動機部Bの電動機10が設置される。サブフレーム8b内には、シャフト6の自重による荷重を受けるのに利用されるスラストブッシュ20が収容されている。
メインフレーム8aは、その上端面に固定スクロール1が固定され、内側に揺動スクロール2が設置されている。また、メインフレーム8aには、シャフト6を貫通させる貫通穴が形成されている。そして、メインフレーム8aの貫通穴には、主軸受19が設けられている。すなわち、メインフレーム8aは、主軸受19を介してシャフト6を回転自在に支持する機能も有しているのである。この主軸受19は、シャフト6を回転自在に支持する。主軸受19は、電動機部Bに付設され、シャフト6を回転自在に支持するすべり軸受で構成された筒状の第1のラジアル軸受を有するものである。
スクロール圧縮機100の動作について説明する。
電動機10の固定子10bに通電がなされると、回転子10aとともにシャフト6が回転する。シャフト6が回転すると、偏心軸6Aに連結されている揺動スクロール2がオルダム継手12により自転を阻止されながら公転運動を行なう。これにより、揺動スクロール2と固定スクロール1のそれぞれの渦巻突起の間に形成された圧縮室5が次第に容積が小さくなっていく。このため、吸入口3から圧縮室5に吸入された冷媒は、次第にその圧力を高め、吐出口4及び冷媒吐出管16を通じて機外に吐出され、冷媒吐出管16に接続されている冷媒配管へ圧送される。
図3は、筒状部8b11の弾性変形について模式的に説明する図である。図3(a)は、筒状部8b11の厚みが厚くて弾性変形をほとんどしていない状態を模式的に示している。図3(b)は、筒状部8b11を薄肉にすることでシャフト6の傾斜に追従して弾性変形している状態を模式的に示している。なお、図3(a)及び図3(b)では、説明の便宜のため、シャフト6の傾斜を極端に表している。また、図3(b)でも、説明の便宜のため、筒状部8b11の弾性変形を極端に表している。
図4は、スラストブッシュ20にシャフト6(縮径部6b)を挿入した状態で、スラストブッシュ20及びシャフト6を水平断面視した図である。図5は、スラストブッシュ20に挿入したシャフト6が傾斜している様子を模式的に示した図である。
図4にスラストブッシュ20とシャフト6の組み付け方法を示す。シャフト6の縮径部6bには、たとえば図4に示すようにDカット部6b1が形成されている。すなわち、縮径部6bの水平断面形状は、円形状ではなく、一部の円弧とその円弧の弦とによって囲まれる部分を除去したような形成をしている。また、スラストブッシュ20の開口部の水平断面形状は、円形状ではなく、縮径部6bの水平断面形状に対応する形状を有している。すなわち、スラストブッシュ20には、Dカット部6b1に対向する部分に厚肉部23が形成されている。これにより、シャフト6が回転すると、Dカット部6b1が厚肉部23を押すことになり、スラストブッシュ20も回転する。すなわち、スラストブッシュ20は、シャフト6が回転したときに、空回りせずに、シャフト6と一緒に回転する。
先述した図1、図2A及び図2Bを参照して、副軸受11などへのどのように潤滑油が供給されるかについて説明する。シャフト6の下端部に設置されたポンプ7bによって油溜め14の潤滑油がシャフト6内の給油穴7aに供給される。給油穴7aのスラストブッシュ20の下面と同等の高さの位置には、シャフト6の外周につながる給油穴7cと給油穴7dが設けられている。給油穴7cを介してスラストブッシュ20の内周側に供給された潤滑油は、遠心力によって、スラスト軸受11cを通過して、スラストブッシュ20の外周に送られる。
図6は、スラストブッシュ20のスラスト軸受11c側の面に形成された給油溝22の説明図である。図6を参照して、次にスラストブッシュ20に給油溝22を設ける場合を説明する。なお、図6では、スラストブッシュ20の下面に、直線状の給油溝22を放射状に形成した態様を一例として示している。図6では、給油溝22を4つ形成した態様を一例として示している。
スラストブッシュ20の外周側に排出された潤滑油は、油排出穴21から油溜め14に還流される。図6では、給油溝22は、放射状に形成する態様に限定されるものではない。スラストブッシュ20の内周側と外周側とを繋ぐような溝であれば、特に、限定されるものではない。スラストブッシュ20に形成される溝の形状は、たとえば、スパイラルグルーブ、へリングボーンなど他の形状であってもよい。すなわち、スラストブッシュ20は、給油溝22がスパイラルグルーブ状に形成されているものであってもよいし、スラストブッシュ20は、給油溝22がヘリングボーン状に形成されているものであってもよい。また、図6の例では、給油溝22を4つ形成した例を示したが、その数に限定されるものではなく、たとえば単数でもよいし、2つ、3つ、又は5つ以上であってもよい。
本実施の形態に係るスクロール圧縮機100は、サブフレーム8bの筒状部8b11は、シャフト6が回転して傾斜したときにシャフト6の傾斜方向に追従するように薄肉形成されているので、回転するシャフト6が傾斜しても筒状部8b11がシャフト6の傾斜方向に追従するように弾性変形する。このため、サブフレーム8bに収容されているラジアル軸受11aは、回転しているシャフト6によって生じるラジアル荷重を、より広い面積で受けることができる。すなわち、本実施の形態に係るスクロール圧縮機100は、シャフト6のラジアル荷重を、ラジアル軸受11aのより広い面積で受けることができる分、ラジアル軸受11aとシャフト6との摩耗を抑制でき、信頼性を向上させることができる。
なお、副軸受11として球面軸受を採用した場合には、玉軸受と同様に一つの軸受でラジアル荷重とスラスト荷重のいずれも支持することができ、シャフトが傾斜しても球面で吸収できるメリットがある。しかし、玉軸受と同様またはそれを上回る組立精度が要求される。また、副軸受11としてコニカル軸受を採用した場合には、シャフトと軸受が剛体であるとすれば、シャフトが傾斜することで片あたりが発生し、焼付きが発生することが懸念される。また、シャフトの停止時には、シャフトが軸受に沈み込み、起動時にこじりが発生して、焼付きに至る可能性がある。
また、スラストブッシュ20は、両面が平行かつ平滑であり、シャフト6に対して回転が拘束されるように厚肉部23が形成されている。そして、スラストブッシュ20は、中央にシャフト6の段付き形状部(段部6a1)がすき間を持って勘合され、電動機部側の平面がシャフト6の段付き形状部からシャフト6の自重を受ける。
さらに、副軸受11は、スラストブッシュ20の他方の平滑面と、サブフレーム8bに設けられた平滑面との間に設けられ、スラスト荷重を支持するすべり軸受で構成されたスラスト軸受11cを有する。
このような構成を備えることで、シャフト6に対して回転が拘束されたスラストブッシュ20は、シャフト6に対してすき間を確保しながら配置されることになる。したがって、シャフト6が傾斜してもサブフレーム8bとの間で平行度を確保しながら、動圧効果を発生させるため、シャフト6のスラスト荷重を支持することができる。
図7Aは、凹部Cを形成した筒状部8b11についての説明図である。図7Aに示すように、筒状部8b11は、薄肉形成することに限定されるものではない。たとえば、筒状部8b11は、その根元側(胴体部8b12側)に環状の凹部Cを形成してもよい。つまり、筒状部8b11は、その根元側の部分が薄肉形成されている。なお、凹部Cは、筒状部8b11の中心軸側に凹むように形成されている。これにより、筒状部8b11は、シャフト6の傾斜に追従するように傾きやすくなり、本実施の形態に係るスクロール圧縮機100と同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態に係るスクロール圧縮機100のように筒状部8b11を薄肉形成するとともに、さらに、凹部Cを設けてもよい。また、凹部Cは、環状に限定されるものではなく、たとえば筒状部8b11の周方向に複数形成されたものでもよい。
Claims (14)
- 密閉容器と、
前記密閉容器内に設けられた固定スクロール及び揺動スクロールを備え、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
前記揺動スクロールを動作させる回転子及び固定子を備え、前記密閉容器内に設けられた電動機部と、
一端側が前記揺動スクロールに接続され、中間部が前記回転子に接続され、前記回転子の回転を前記揺動スクロールに伝達するシャフトと、
前記シャフトの一端側を回転自在に支持する主軸受と、
前記シャフトの他端側に設けられ、前記シャフトを回転自在に支持するすべり軸受で構成された筒状の第2のラジアル軸受と、
内周面に前記第2のラジアル軸受が配置された筒状部を備え、前記密閉容器内に設けられたサブフレームと、
前記サブフレーム内に収容され、前記シャフトが挿入され、前記シャフトの下向きの荷重を受ける環状のスラストブッシュと、
を備え、
前記筒状部は、
前記シャフトが回転して傾斜したときに前記シャフトの傾斜方向に追従する弾性を有した形状に形成されている
スクロール圧縮機。 - 前記筒状部は、
前記シャフトの他端側から一端側に向かう方向に先細るように形成されている
請求項1に記載のスクロール圧縮機。 - 前記筒状部には、
中心軸側に凹む環状の凹部が形成されている
請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。 - 前記シャフトは、
一方側よりも他方側の方が径が小さくなるように形成された段部を備え、
前記サブフレーム内に前記密閉容器内の潤滑油が供給されるように給油通路が形成され、
前記スラストブッシュは、
前記シャフトの前記段部と前記サブフレームとの間に介在するように設けられ、
前記サブフレームは、
前記スラストブッシュが設置され、前記シャフトの軸方向に直交する平坦面が形成された平坦面部を備えた
請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記サブフレームは、
前記平坦面部上に設けられ、前記スラストブッシュを介して前記シャフトを回転自在に支持するすべり軸受で構成されたスラスト軸受を有する
請求項4に記載のスクロール圧縮機。 - 前記スラストブッシュは、
その外径が、前記第2のラジアル軸受の内径よりも大きい
請求項4又は5に記載のスクロール圧縮機。 - 前記シャフトの前記段部は、
前記スラストブッシュ側に突出するように、曲面状に形成されている
請求項4〜6のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記スラストブッシュは、
前記シャフトが挿入された状態において前記シャフトの外周面との間に予め設定された間隔の隙間が形成されている
請求項4〜7のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記スラストブッシュは、
前記サブフレーム側の面に、前記シャフトの前記給油通路を流れてきた前記潤滑油が流れる給油溝が形成され、
前記給油溝は、
内周側から外周側に連通するように形成されている
請求項4〜8のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記スラストブッシュには、
前記給油溝がスパイラルグルーブ状に形成されている
請求項9に記載のスクロール圧縮機。 - 前記スラストブッシュには、
前記給油溝がヘリングボーン状に形成されている
請求項9に記載のスクロール圧縮機。 - 前記スラストブッシュには、
前記給油溝が直線状に複数形成されている
請求項9に記載のスクロール圧縮機。 - 前記主軸受は、
すべり軸受で構成された筒状の第1のラジアル軸受を有する
請求項1〜12のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記シャフトは、
前記シャフトの下方先端部に形成され、上部よりも下部の方が細くなっている段付き形状部を有し、
前記スラストブッシュは、
両面が平行かつ平滑であり、
前記シャフトに対して回転が拘束されるように構成され、
中央に前記シャフトの前記段付き形状部の前記下部がすき間を持って勘合され、
前記電動機部側の平面が前記シャフトの前記段付き形状部から前記シャフトの自重を受け、
前記サブフレームは、
前記スラストブッシュの他方の平滑面と、前記サブフレームに設けられた平滑面との間に設けられ、スラスト荷重を支持するすべり軸受で構成されたスラスト軸受を有する
請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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