JP4744129B2 - カテーテルチューブ - Google Patents

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Description

本発明は血管もしくは他の体腔に挿入されて診断や治療に使用される医療用のカテーテルチューブに関するものである。
近年、患者の肉体的・時間的負担を軽減するために診断・治療方法にカテーテルを用いる例が増えている。一般に、カテーテルは、血管、尿管、気管、食道等を通して生体内に挿入し、血管壁や生体器官等を傷つけることなく正確に所定の生体部位に到達させるための医療器具としての高い操作性と安全性についての構造的な要求に加えて、その内層樹脂が形成するチューブ内腔を通じて患者の生体内の所定部位に、外部から薬剤等を注入したり、生体内の体液等を排出したり、他の治療器具を通過させるための内腔直径の維持、拡大と内腔表面(内層樹脂層のチューブ内表面)とその中を通過する薬剤あるいは他の治療器具やガイドワイヤ等に対する潤滑性が必要とされている。
従来のカテーテルは、上記の如き構造的な要求に対応して、例えば、血管、生体器官を傷つけずに挿入するための曲げやすく弾力性に富んだ先端部と、この先端部と連続し、先端部を所定の箇所まで確実に到達させるためのトルク伝達性を保持したトルク伝達部(本体部)を有している。また、トルク伝達部(本体部)は、トルク伝達性を高めるために、金属素線を用いた補強層が内層チューブ上に設けられたり、硬い材料で構成されたりしている。また先端部は、曲げやすく弾力性に富んだものとするため、柔らかい材料で構成されたり、本体部(トルク伝達部)に先端部として金属線を含む補強層がないチューブを接続して構成されたりしている。
そして、従来のカテーテルの製造方法としては、先ず金属線(芯線)上に内層樹脂層を設け、得られる金属線(芯線)上に形成された内層樹脂層チューブの外周上に必要に応じて耐食性の金属線(補強材)によって補強を施し、内層樹脂層チューブあるいはこれと補強を覆うように外層樹脂層を設け、得られる多層チューブ体から金属線(芯線)を引抜く製造方法が知られている。例えば、特許文献1参照。
さらに、カテーテルの内層樹脂層、殊に内腔表面に関する上記の如き要求性能に対応するために、多種多様なカテーテルチューブの開発が試みられているが、内層樹脂層の構成材料として、高密度ポリエチレン(以下HDPEと略記)樹脂やフッ素樹脂特にPTFE樹脂を用いる例が多い。内層樹脂層にHDPE樹脂やPTFE樹脂を用いたカテーテルチューブは、内表面が低摩擦で潤滑性に優れるために、治療あるいは検査に用いる器具や薬品等の内腔通過が使用開始後の短時間において容易になる点で効果がもたらされる。この場合、X線造影剤を配合したり、強度や先端の加工性を維持するために、外層樹脂層の構成材料としては、ポリアミドやポリウレタン樹脂等が用いられ、又、カテーテルの外径を小さくし、且つ内層樹脂層の内腔内径を大きくするためには、HDPE樹脂やPTFE樹脂から成る内層樹脂層を極めて薄く形成することが要求される。HDPE樹脂とPTEF樹脂では耐熱性・耐久性の観点及びガイドワイヤとの摩擦抵抗低減の目的からPTFE樹脂の方が臨床使用上より好まれている。一般的に素材自体の動摩擦抵抗値の比較においてPTFE樹脂が各種素材中最も低い事は周知であり、耐熱性・耐薬品性もPTFEの方が優れている事が知られている。
特開2000−316977号公報
カテーテル等の医療用具は、生体へ使用されるという事情から、使用前に滅菌される必要がある。滅菌方法としては、ガスや蒸気等様々な種類があるが、これらにはガスの毒性や、滅菌に要する処理時間が長いことなどの課題があり、近年、電子線等の放射線による滅菌が注目されつつある。
しかしながら、PTFEは放射線に対する耐性が著しく低く、著しく劣化してしまう点が課題となっていた。PTFE樹脂は1kGy以上の電離放射線の照射により劣化し(崩壊型)、γ線・電子線滅菌等で汎用される滅菌線量の25kGy前後の吸収線量においては機械特性が極端に劣化する。特には破断伸度が大幅に低下する事が知られている。従って、PTFE樹脂を内層に用いたカテーテルチューブに関しては放射線滅菌の適用が出来ないとされている。仮に適応したとしても放射線滅菌後のPTFE樹脂は破断伸度が著しく低下しているので、カテーテルチューブを屈曲した場合に内層の剥離やクラックを生じ易くカテーテルチューブ自体の強度低下や品質劣化を招くので好ましくない。
なお、特許文献1は、カテーテルチューブの耐磨耗性向上を目的とした内層樹脂層及び内層樹脂層上の外層樹脂層を有するカテーテルチューブであるが、上記内層樹脂層が架橋PTFE樹脂を含有するPTFE樹脂によって構成されていることを特徴とするカテーテルチューブを開示している。架橋PTFE樹脂は架橋ポリマーであるため加工性が未架橋PTFE樹脂より更に悪くそのままではチューブへの加工が出来ず未架橋PTFE樹脂とのブレンド体として成形されている。しかしながらその場合、マトリックスとして未架橋PTFE樹脂が主成分とならざるを得ないので、耐放射線滅菌性は未架橋PTFE樹脂と同等以下となるのでカテーテルチューブとしての耐放射線滅菌性は得られない。
本発明はこのような課題を解決するために案出されたものである。本発明の目的は、従来カテーテルチューブ内層に好適に用いられてきたPTFE樹脂の潤滑性特性を維持しつつ耐放射線滅菌性を付与した内層樹脂層を有するカテーテルチューブを提供することにある。
このような目的は、下記(1)から(5)の本発明により達成される。
(1)管腔を有し、架橋PTFE樹脂のみから構成され前記管腔の内表面を規定する樹脂層を有することを特徴とするカテーテルチューブ。
(2)前記内層樹脂層の外表面を覆う外層樹脂層を更に有することを特徴とする上記(1)に記載のカテーテルチューブ。
(3)前記内層樹脂層と前記外層樹脂層の境界部に補強層が更に設けられてなることを特徴とする上記(2)に記載のカテーテルチューブ。
(4)前記補強層が金属線材からなることを特徴とする上記(3)に記載のカテーテルチューブ。
(5)前記内層樹脂層が放射線により架橋されたPTFE樹脂のみからなることを特徴とする上記(1)に記載のカテーテルチューブ。
本発明によるカテーテルチューブは内層樹脂層に架橋PTFE樹脂を用いており、放射線滅菌の適応が可能である。また、架橋PTFE樹脂は摺動性・耐久性・耐薬品性は未架橋PTFE樹脂と同等であり、HDPE樹脂より優れるので優れた操作性を有するカテーテルチューブを提供することができ、術者の負担を軽減すると共に、医療経済性・環境負荷低減に寄与できるものである。
以下、本発明のカテーテルチューブを添付図面に示す好適構成例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のカテーテルチューブの実施形態を示す全体図である。図2は、図1に示すカテーテルチューブの縦断面図である。
カテーテルチューブ1は、先端101と基端102を有する本体部100と、本体部100の基端102に接続されたハブ103とから構成されている。また、ハブ103から先端101までを貫通する管腔104が形成されている。
図2に示すように本発明のカテーテルチューブ1の本体部100は、架橋PTFE樹脂からなる内層樹脂層2と外層樹脂層3により構成される。内層2の架橋PTFE樹脂層の厚みは、0.1〜1000μmが好ましく、更に好ましくは1〜100μmである。内層2の架橋PTFE樹脂層は潤滑・耐薬品性の機能を提供するのが目的であり、より薄い方が好ましい。外層樹脂層3は所望されるカテーテルチューブ特性により厚みや構成が決められる。即ち手元側・中間部・先端部で樹脂材料や硬度が異なっても良く、手元側は硬く先端101側に行くほど柔らかく構成することが血管への屈曲追随性等のカテーテル操作性において好ましい。また、必要に応じて上記内層樹脂層2と上記外層樹脂層3の間に単独あるいは複数の金属線又は非金属線からなる補強層4を設けても良い。補強層4としては、線状体を編組または螺旋状に巻いた形式が好ましい。
本実施形態におけるカテーテルチューブの製造方法としては、架橋PTFE樹脂からなる内層樹脂層2を作成後、その周囲に補強層4を設け、更にその周囲に外層樹脂層3を形成する。
架橋PTFE樹脂からなる内層樹脂層2の作成方法としては、公知の方法でPTFEチューブを作成後に電子線を照射する方法と、PTFE膜に電子線を照射し、架橋PTFE膜を作成、チューブ状に加工する方法があるが、製造が容易なのは前者の方である。
前者におけるPTFEチューブは、一般に金属製の芯線上にPTFEファインパウダーやPTFEコーティング用ディスパージョン等の原料をチューブ押出成形することで成形される。電子線照射時には芯線があってもなくてもよい。
芯線としては、銅、アルミニウム、鉄、銀、白金、金等のいずれでもよく、又、これ等の合金、さらに又、これ等に錫、亜鉛等を加えた合金であってもよい。又、芯線はチューブ内面の平滑性の観点から単線が好ましいが、必要に応じて撚線でもよく、素線ごと、あるいは一括メッキした物でも良い。作業性・コストの観点から最も好ましい例として単線のスズメッキ軟銅線や銀メッキ軟銅線を挙げることが出来る。
本発明に用いる架橋PTFE樹脂は、示差走査熱量計(以下、DSCと略記する)による樹脂の結晶融点の吸熱カーブ観察において、融点270℃〜320℃かつピーク熱量(△H)が−30〜−40[J/g]を示すものが好ましい。未架橋PTFEにおいて融点は330〜350℃、△Hは−20〜−30[J/g]である。架橋が進むにつれて結晶性は低下していく事が知られているが、あまり結晶性が低下してしまっては素材自体の強度及び伸びがなくなるので好ましくなくなる。具体的には融点280℃以下かつ−20[J/g]以下の架橋PTFEはカテーテルチューブとした時、機械特性が弱く要求を満たさなくなるので好ましくない。また、融点が350℃〜320℃かつ前記△Hが−50〜−60[J/g]のものは電子線照射による高分子主鎖切断を起しており、超低分子量PTFE樹脂単独または超低分子量PTFE樹脂と超低分子量架橋PTFE樹脂の混在物となっており、強度及び破断伸度が著しく低く、これもカテーテルチューブとした時、機械特性が要求を満たさなくなるので好ましくない。架橋・未架橋の遷移状態としてピークの混在(マルチピーク)やショルダーピークの認められる場合があるが、この場合は機械強度について放射線滅菌性前後の確認が必要であり必ず使用できるとは限らない。逆に注意すれば使えるものもあるが不安定である事に留意する必要がある。従って、更に好ましくはシングルピークを示し、融点280℃〜320℃かつピーク熱量(△H)−30〜−40[J/g]を示すものが好ましい。
本発明においてPTFE樹脂を架橋する方法は特に限定されるものではないが、電離性放射線を照射する方法が有効である。好ましくは、脱酸素雰囲気や不活性ガス置換下に被覆PTFE樹脂を融点近傍330℃〜350℃に加熱した状態で、加速電圧100keV以上の電子線を照射して行う。加速電圧100keV以上の電子線は、高い時間線量率が得られ易い点で好ましい。より詳細には、PTFE樹脂層の径や被覆の厚みに応じて異なるので適宜製造条件の選択を行う必要があるが、加速電圧300KeV〜10MeV、照射線量としては1kGy〜10MGyの範囲が好ましく、200kGy〜1MGyの範囲がより好ましい。
生成した架橋PTFE樹脂について前記DSC分析を行い使用可否の判断を行う事が出来る。不適切な照射条件では架橋PTFE樹脂チューブにクラックや火ぶくれ発生、ピンホール、収縮変形等の不具合が発生する場合があるが、そのようなサンプルでチューブ寸法や外観に問題を生じたものは前記DSCデータ範囲であっても除外する。形成された架橋PTFE樹脂の内層樹脂層の外表面に表面処理を施すことは外層樹脂層との密着性を向上させることが出来るので好ましく、例えばコロナ処理、プラズマ処理、UV処理、テトラエッチ処理及びそれら各種表面処理と共に行われるグラフト重合やアンカーコート剤塗布、接着剤塗布を適宜行っても良い。
本発明で言う外層樹脂層の材料としては、例えば、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリブタジエン等のポリオレフィン、軟質・硬質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン12・ナイロン11・ナイロン610・ナイロン612・ナイロン66・ナイロン6等のポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリエステルポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、フッ素系樹脂、形状記憶樹脂等の各種樹脂材料やスチレン系・ポリオレフィン系・ポリウレタン系・ポリエステル系・ポリアミド系・ポリブタジエン系・トランスポリイソプレン系・フッ素ゴム系・塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー樹脂、シリコーン・加硫ゴム等の熱硬化性エラストマー樹脂、さらには、これらのうちの2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)が挙げられる。これらは、適用されるカテーテルの種類や使用される血管の種類に応じて適宜使用される。
なお、本実施形態のカテーテルチューブは、その先端に、柔軟なチップチューブを更に接続することができる。チップチューブは通常単層で形成され、潤滑性の高い内層は有さない。これは、チップチューブの軸方向長さがチューブ本体部100と比較して十分に短いため、高い潤滑性の内表面を必ずしも要求されないためである。チップチューブの材質としては、例えばポリウレタンエラストマーのような、柔軟性が非常に高く、かつ耐放射線性を有するものが好ましい。
(架橋PTFE樹脂層の形成)
φ0.65mmの銀メッキ軟銅線に厚さ40μmでPTFE樹脂を押出被覆した連続線を用意した。芯線の導体外径は0.65±0.015mm、PTFE樹脂層の厚みは0.04±0.020mmであった。このPTFE被覆銅線に800keVの加速電圧を有する電子線照射装置を用いて窒素ガス雰囲気下(酸素濃度300ppm以下)にて電子線照射を照射線量370kGyにて連続的かつPTFE被覆銅線の表裏に行った。
(架橋PTFE樹脂チューブの評価)
照射後銅線を抜去して得られたチューブのDSC分析結果及び電子線滅菌(加速電圧10MeV、照射線量33kGy-大気中照射)前後の強度および伸度変化を調べた。結果を表1に示す。
Figure 0004744129

表1の引張試験結果から、未架橋PTFE樹脂チューブの強度維持率は54%、伸度維持率は5%であり、滅菌により強度は半減し伸びは10分の1以下に低下した。一方、架橋PTFEでは滅菌前後の強度維持率は104%(同伸度84%)であり、滅菌による劣化はほとんど認められない。断面積換算での材料強度は架橋PTFE樹脂においては44MPaあり、通常カテーテルチューブに汎用されるHDPE樹脂やナイロン樹脂等の材料強度が一般的に30〜40MPaである事から実使用上の強度としても十分であると言える。即ち、架橋PTFE樹脂製チューブは電子線滅菌前後で物性劣化がほとんど無い事が分かり、耐放射線滅菌性がある事が未照射PTFEとの比較から明確である。
架橋PTFEの生成条件としては温度範囲をPTFE樹脂融点340±10℃前後に制御するのが好ましいが、非常にコントロール範囲が狭いので出来上がったチューブをDSC分析にて都度評価し架橋PTFE樹脂製チューブの生成出来た事を確認する事が好ましい。
(カテーテルチューブの製造とガイドワイヤ摺動性評価)
上記の通り作成した架橋PTFE樹脂層を有する連続芯線上に、肉厚120μm厚さのポリアミドエラストマー(PAE)(Atochem社製ペバックス)を押出被覆し、得られた複層被覆体より上記芯線を引抜いて外径0.97mm(2.9Fr.)の二層のカテーテルチューブを作成し、実施例とした。比較例として未架橋PTFE樹脂とHDPE樹脂を用いた同様の構成のカテーテルチューブを作成した。比較例1は内径0.65mm、外径0.97mmであり、内層は未架橋PTFE樹脂(肉厚40μm)、外層ポリアミドエラストマー樹脂(肉厚120μm)とした。比較例2は内径0.65mm、外径0.97mmで内層に未架橋HDPE樹脂(肉厚40μm)、外層ポリアミドエラストマー樹脂(肉厚120μm)とした。
(内面潤滑性評価試験及びその結果)
実施例及び比較例1・2で得られたカテーテルチューブ(未滅菌品)の内面(内腔表面)のガイドワイヤに対する潤滑性評価試験を行った。図3は潤滑性評価試験の模式説明図である。全長100mmの試験体(カテーテルチューブ)を直径10mmの半円部を持つU字状にしてプラスチック製台紙に透明粘着テープで貼り付け固定し、ガイドワイヤ摺動性を評価した。この時、注射器を用いてカテーテルチューブ1の内腔に生理食塩水を補充する。引張試験用のロードセル5のストロークを50mmに設定し、ストロークの中心でカテーテルチューブ1の先端とガイドワイヤ5の先端の位置が一致するようにセットする。なお、カテーテルチューブ挿入端とガイドワイヤ把持部の距離は50mmとし、ストロークの速度は、500mm/minとした。用いたガイドワイヤ6はレイクリュージョン社製(米国Lake Region社)の外径0.018インチのステンレス製スプリングガイドワイヤ(Cat.No.SSFU80―018)で、PTFEコートのされていないものを用いた。250回ガイトワイヤ6を出し入れして、この際に必要な力(押込荷重と引き込み荷重を足した幅)を測定し、目的とする内面潤滑性評価の指標とした。図4は、押込荷重とガイトワイヤ抜差回数の関係を示すチャートの模式図である。図4に模式的に示される如き、ガイトワイヤ6の出入に要する力の測定における鋸型の波形の振巾を測定値として用いる。即ち、(1)初期の潤滑性値としては、3往復目から5往復目の平均値(以下、初期摺動抵抗値と呼ぶ)、(2)耐久性を見るための潤滑性値としては、100回及び250回往復目の値を用いた。また、試験終了後、赤インクを注入して試験終了時のカテーテルチューブ内面の傷・しわ・キンクの発生有無を観察した。結果を表2に示す。
Figure 0004744129

表2から、比較例1の未架橋PTFE樹脂内層、比較例2のHDPE樹脂内層を有するカテーテルチューブ及び実施例1の架橋PTFE樹脂内層のカテーテルチューブは、いずれも100回摺動抵抗値はおよそ約40〜50gと良好なガイドワイヤ摺動性を有している事が分かった。比較例1も同様の値であったが、比較例2のHDPE樹脂内層を有するカテーテルチューブは初期摺動抵抗値が若干高く、耐久潤滑性値は200回を超えたあたりから再上昇する傾向が見られた。未架橋及び架橋PTFEでは初期摺動抵抗値と耐久潤滑性に差が無かった。内面観察の結果から比較例2のHDPE樹脂内層内面に無数の傷が観察されこれが前記初期摺動抵抗値及び潤滑耐久性に影響しているものと推測された。未架橋及び架橋PTFEでは傷等は見られなかった。
また、実施例および比較例1・2のカテーテルチューブに対し、電子線滅菌を実施したものに対しても同様の実験を行った。結果、比較例1は、未架橋PTFE樹脂内層が激しく劣化し、U字状に湾曲させるとひび割れなどが発生し最終的に破断したため、試験不可能であった。実施例および比較例2については、未滅菌品と略同等の結果が得られた。
本発明のカテーテルチューブの実施例を示す全体側面図である。 図1に示すカテーテルチューブの縦断面図である。 潤滑性評価試験の模式説明図である。 押込荷重とガイトワイヤ抜差回数の関係を示すチャートの模式図である。
符号の説明
1…カテーテルチューブ
2…内層樹脂層(架橋PTFE樹脂層)
3…外層樹脂層
4…補強層

Claims (5)

  1. 管腔を有し、架橋PTFE樹脂のみから構成され前記管腔の内表面を規定する樹脂層を有することを特徴とするカテーテルチューブ。
  2. 前記内層樹脂層の外表面を覆う外層樹脂層を更に有することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルチューブ。
  3. 前記内層樹脂層と前記外層樹脂層の境界部に補強層が更に設けられてなることを特徴とする請求項2に記載のカテーテルチューブ。
  4. 前記補強層が金属線材からなることを特徴とする請求項3に記載のカテーテルチューブ。
  5. 前記内層樹脂層が放射線により架橋されたPTFE樹脂のみからなることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルチューブ。

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