JP4741820B2 - 硬貨送出装置及び硬貨処理装置 - Google Patents

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本発明は、硬貨送出装置及び硬貨処理装置に関し、省スペースの硬貨送出装置及び硬貨処理装置に関する。
従来から、例えば、販売機、取引装置、ATM等に内蔵され、投入、収納された硬貨を整列し、一枚ずつ送出する硬貨送出装置がある。硬貨送出装置には、例えば、回転円板(キャリングディスク)の上方のホッパケースに硬貨を収納するキャリングディスク型の硬貨送出装置がある。キャリングディスク型の硬貨送出装置は、収納容量が多く、硬貨補給は複数枚を一括補給できる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−195155号公報 (第3−5頁、第1図)
しかしながら、以上のような従来の硬貨送出装置では、例えば、キャリングディスク型の硬貨送出装置は、構造上、外形が比較的大きくなってしまうことがあった。
そこで、本発明は、省スペースの硬貨送出装置及び硬貨処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による硬貨送出装置は、例えば図1に示すように、硬貨を収納する収納部30と;略螺旋状に形成され、回転軸線40aまわりに回転可能な螺旋状部材40であって、内径が硬貨の直径よりも大きく、硬貨を内側に取り込むことができる螺旋の間隔D4(例えば図2参照)が形成され、内側に取り込んだ硬貨を自重で移動させるように回転軸線40aを水平方向に対して傾斜させ収納部30内に配置される螺旋状部材40と;硬貨を内側に積み重なった状態で整列させて収納可能な筒状に形成され、螺旋状部材40の下方に配置されて螺旋状部材40の内側を移動した硬貨を導入する筒状部材50と;を備えるように構成される。
このように構成すると、収納部と、収納部内に傾斜して配置される螺旋状部材を備えるので自重で下方向に移動する硬貨を撹拌することができる。さらに、螺旋状部材の下方に配置される筒状部材を備えるので確実に硬貨を整列させることができ、省スペースの硬貨送出装置を提供することができる。
また請求項2に記載のように、請求項1に記載の硬貨送出装置では、螺旋状部材40を、螺旋とかみ合った物が上方向に移動する方向の回転となるように回転駆動させる駆動手段60を備えるように構成してもよい。
このように構成すると、螺旋状部材は、略螺旋が上方向の回転となるように回転駆動するので、傾斜して配設される螺旋状部材に沿って自重で下方向に移動しようとする硬貨を上方向に押し上げるようにして、確実に、効率的に硬貨を螺旋状部材の内側に取り込み送出することができる。なお、略螺旋が上方向となるような回転とは、例えば、収納部に収納された硬貨を押し上げるような回転である。
また請求項に記載の硬貨送出装置では、収納部30は、螺旋状部材40に沿うように略曲面状に形成された曲面部30cであって回転軸線40aの傾斜と同様に傾斜した曲面部30cを含む底部を有する。
このように構成すると、収納部は、螺旋状部材に沿うように略曲面状に形成された曲面部を有するので、硬貨を確実に整列して送出することができる。
また請求項4に記載のように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の硬貨送出装置では、螺旋状部材の螺旋の間隔が硬貨の直径の2分の1より大きく、かつ直径より小さいことを特徴とするように構成してもよい。
このように構成すると、略螺旋状の間隙に硬貨が詰まったりすることがなく、また硬貨の取り込み量が多量となり過ぎず、確実に、効率的に硬貨を螺旋状部材の内側に取り込み送出することができる。
また請求項3に記載のように、請求項2に記載の硬貨送出装置では、例えば図3に示すように、筒状部材50の下方に配設され、硬貨を送出する繰出部70であって、硬貨を通過させる半円形にくり貫かれた凹部72aが半円形の中心が筒状部材50の端面の中心からずれて形成された送出ガイド板72と、筒状部材50の端面と送出ガイド板72との間に配設され、往復運動により送出ガイド板72に載置された1枚の硬貨を凹部72aへ押し出す送出板71とを有する繰出部70を備え;駆動手段60は、送出板71を駆動するように構成してもよい。
このように構成すると、螺旋状部材を回転駆動させる駆動手段と、硬貨を送出する繰出部を駆動させる駆動手段とを共通なものとすることで硬貨送出装置の小型化を図ることができる。
上記目的を達成するために、請求項6に係る発明による硬貨処理装置は、例えば図5に示すように、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の硬貨送出装置1と;硬貨を搬送する搬送部110とを備えるように構成される。
このように構成すると、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の硬貨送出装置1を備えるので、省スペースの硬貨処理装置を提供することができる。
上記目的を達成するために、請求項7に係る発明による硬貨送出装置は、例えば図1に示すように、硬貨を収納する収納部30と;略螺旋状に形成され、回転軸線40aまわりに回転可能な螺旋状部材40であって、内径が硬貨の直径よりも大きく、硬貨を内側に取り込むことができる螺旋の間隔D4(例えば図2参照)が形成され、内側に取り込んだ硬貨を自重で移動させるように回転軸線40aを水平方向に対して傾斜させ収納部30内に配置される螺旋状部材40と;螺旋状部材40の下方に螺旋状部材40と一体に形成されたリング状部材とを備え;収納部30は、螺旋状部材40に沿うように略樋状に形成された曲面部30cであって回転軸線40aの傾斜と同様に傾斜した曲面部30cを含む底部を有するように構成される。
このように構成すると、螺旋状部材に沿うように略樋状に形成された曲面部を有する収納部と、収納部内に傾斜して配置される螺旋状部材を備えるので、曲面部が硬貨を案内し、螺旋状部材が自重で下方向に移動する硬貨を撹拌することができるので、省スペースの硬貨送出装置を提供することができる。
以上のように本発明によれば、硬貨を収納する収納部と、 略螺旋状に形成され、収納部内に回転可能に回転軸線が傾斜して配置される螺旋状部材と、略筒状に形成され、螺旋状部材の下方に配置される筒状部材とを備えるように構成されるので、省スペースの硬貨送出装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図5を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置1の構成例を説明する図であり、(a)は正面図、(b)はモータ60側から見た側面図、(c)は鉛直方向に対して45度傾いた方向から、図中後述のモータ60の回転軸線を見下ろした図である。硬貨送出装置1は、硬貨送出装置1の各構成が取り付けられ、硬貨送出装置1の上位装置(図1には不図示)への取り付けを可能とするホッパベース20と、硬貨を収納する収納部としてのホッパケース30と、略螺旋状に形成され、ホッパケース30内に回転可能に回転軸線40aが傾斜して配置される螺旋状部材40と、略筒状に形成され、螺旋状部材40の下方、典型的には、中心線が螺旋状部材40の回転軸線40aと一致するように、斜め下方に配置される筒状部材50とを備える。さらに、硬貨送出装置1は、螺旋状部材40を略螺旋が上方向の回転となるように回転駆動させる駆動手段としてのモータ60と、筒状部材50の下方に配設され、硬貨を送出する繰出部としての繰出機構70を備える。
なおここで、硬貨とは、貨幣(1円、5円、10円、50円、100円、500円)、メダル、トークン等を広く含む概念である。なおここでいうトークンとは、いわゆる代用硬貨であり、例えば樹脂製の外壁で内部にICチップが埋め込まれているものも含む。本実施の形態では、硬貨は貨幣(1円、5円、10円、100円、500円)の場合で説明する。
なお、本実施の形態では、硬貨送出装置1は、例えば販売機、取引装置、ATM等に内蔵され、利用者より投入された硬貨の処理、あるいは収納した硬貨の払出を行う上位装置、典型的には、図5で後述する硬貨処理装置100(図5参照)に備えられるものであり、投入、収納された硬貨を整列し、一枚ずつ送出する装置である。また、本実施の形態では、硬貨送出装置1は、例えば、モータ60等の各部を制御部150により制御されるように構成されている。制御部150は、硬貨送出装置1の外部に設けられるものである。例えば、制御部150は、図5で後述する硬貨処理装置100(図5参照)に備えられ、硬貨処理装置100(図5参照)も制御するものでもある。なお、ここでは硬貨送出装置1が外部の制御部150により制御される場合で説明するが、硬貨送出装置1が制御部150を備えるように構成してもよい。言い換えれば、硬貨送出装置1が制御部150を内蔵するようにしてもよい。ここでは、硬貨送出装置1は不図示のコネクタを介して制御部150に電気的に接続されている。
ホッパベース20は、板金等を略L字型に曲げ加工して形成されており、略L字型の長辺を水平とし、短辺が垂直方向に上側となるように設置される。硬貨送出装置1は、上位装置への取り付けの際には、当該長辺側の面が接地するように取り付けられる。短辺側の面には、板金等を略くの字型に曲げ加工して形成された取付板21が、ビス等を介して取り付けられている。取付板21は、水平方向に対して所定の角度で傾斜して取り付けられる。所定の角度は、好ましくは30から60度程度である。なお、図1では45度程度の場合を示している。このようにすることで、硬貨送出装置1は、例えばホッパケース30内に収納された硬貨の荷重が適切に作用し、収納した硬貨を安定して放出することができる。
取付板21には、ホッパケース30、モータ60、取付ガイド22等が、ビス等を介して取り付けられている。言い換えれば、ホッパベース20には、取付板21を介してホッパケース30、取付ガイド22、モータ60等が取り付けられる。ホッパケース30、モータ60は、取付板21のホッパベース20に対向する面の反対側の面、すなわち、鉛直方向上側(以下では、特に断りのない限り単に「上側」という。)の面に取り付けられている。取付ガイド22は、取付板21を挟んでホッパケース30とは反対側の面、すなわち、鉛直方向下側(以下では、特に断りのない限り単に「下側」という。)の面に取り付けられている。取付ガイド22は、板金等を略コの字型の凸部を形成するに曲げ加工され、凸部が下向き(取付板21の下面側とは反対側の向き)となるように取り付けられている。取付板21、取付ガイド22の下側の面には、後述する螺旋状部材40、筒状部材50を回転可能に支持するガイドローラ23が6つ(本図では4つを図示し、図中奥行き側の残りの2つは不図示とする)取り付けられている。ガイドローラ23には、転がりベアリング、さらに具体的には、ボールベアリング等が用いられている。さらに、取付ガイド22には、ビス等を介して繰出機構70が取り付けられている。繰出機構70は、ホッパケース30に収納された硬貨を一枚ずつ送出すように構成されており、本実施の形態では図3で詳細に説明するように、送出板71、送出ガイド板72を含んで構成されている。また、取付ガイド22の凸部の下側の面には、筒状突起65が下側の面に対して略垂直に形成されている。
モータ60は、取付板21の上側の面の取付板21がホッパベース20に固定されている端部の近傍に、回転軸61が取付板21の下側の面に突出するように取り付けられている。モータ60には、トルクに優れるもの例えば直流モータ(DCモータ)を用いるとよい。モータ60は、例えばコネクタ(不図示)を介して回転を制御する制御部150に電気的に接続されている。モータ60は、コネクタ(不図示)を介して制御部150より電源供給を受け、制御部150より出力される駆動信号により制御される。さらに、モータ60には、モータ60の回転を螺旋状部材40、筒状部材50に伝達して、回転駆動させるベルト63、プーリ62が取り付けられている。また、モータ60は、本実施の形態では、後述する送出板71を駆動する駆動手段でもある。螺旋状部材40、筒状部材50の駆動手段と繰出機構70の駆動手段とを同一の駆動手段とすることで、装置の小型化を図ることができる。詳細については図3で説明する。
ホッパケース30は、硬貨を収納するものであり、硬貨送出装置1の上部に配置される。ホッパケース30は、透明な樹脂により形成されている。これにより収納された硬貨の状態を外部から目視することで確認できる。ホッパケース30は、取付板21の上側の面を、取付板21がホッパベース20に固定されている端部とは反対側の端部から2分の1から3分の2程度を覆うように取り付けられている。また、ホッパケース30は、上部に上部開口部30aを有しており、この上部開口部30aから、硬貨を一括して投入、供給できるように構成される。
ホッパケース30の上部開口部30aに対向する底部近傍は下側にいくにつれて、すぼまる形状となっており、ホッパケース30内の底部近傍に、螺旋状部材40が回転可能に回転軸線40aが水平方向に対して傾斜して配置されている。また、螺旋状部材40の下方には筒状部材50が同様に回転可能に配設されている。螺旋状部材40は、図2で詳細に説明するように、間隙を有する螺旋状に形成され、ホッパケース30内に収納される硬貨の繰り出し動作時に、間隙から螺旋の内側に硬貨を取り込み、筒状部材50への硬貨の整列、導入を補助するものである。筒状部材50は、図2で詳細に説明するように、略円筒形に形成され、ホッパケース30内に収納される硬貨の繰り出し動作時に、硬貨を内側に整列して収納し、確実に繰出部70に導入するものである。また、本実施の形態では、図2で詳細に説明するように、螺旋状部材40と筒状部材50とは回転軸線が一致するように一体に形成されている。
ホッパケース30の底部は、取付板21に沿うように、水平方向に対して所定の角度で傾斜している傾斜部30bと、略曲面状に形成された曲面部30cを含んで形成される。曲面部30cも、傾斜部30bと線対称になるように、水平方向に対して所定の角度で傾斜している。所定の角度は、上述したように好ましくは30から60度程度であり、図1では45度程度の場合を示している。このように、ホッパケース30の底部が傾斜していることで、硬貨が徐々に自重により螺旋状部材40に向かって確実に案内される。
曲面部30cは、螺旋状部材40に沿うように、略曲面状、典型的には、略樋状に形成されている。ここでは、略樋状は、例えば、図1(c)に示すように、断面形状が半円形のハーフパイプ状である。断面形状は、略円弧状、4分の1円弧形状、略楕円形状でもよい。なお、曲面部30cは、筒状部材50に沿うように形成してもよい。
また、螺旋状部材40は、曲面部30cに沿うように、典型的には、外周面が曲面部30cに接するように、回転軸線40aが水平方向に対して曲面部30cの傾斜とほぼ同様に傾斜して配置されている。本実施の形態では、螺旋状部材40は、回転軸線40aが水平方向に対して好ましくは30から60度程度傾斜して配置されている。図1では45度程度の場合を示している。30度以下であると螺旋状部材40、筒状部材50内に硬貨が整列し難く、60度以上あると螺旋部材上のホッパケース30に収納された硬貨を螺旋状部材40間隙から螺旋の内側に取り込み難い。
このようにホッパケース30が、螺旋状部材40に沿うように略樋状に形成された曲面部30cを備えると、ホッパケース30内に収納された硬貨がホッパケース30の曲面部30cにガイドされ、後述する螺旋状部材40の回転とあいまって、ランダムな方向を向いて収納されている硬貨を、曲面部30cに対して径方向がほぼ一致するように略垂直に立たせながら整列させるように作用し、筒状部材50内への硬貨の整列をより確実なものにすることができる。
なお、本実施の形態では、回転軸線40aの傾斜は、傾斜部30bに対して直角となる傾斜であり、言い換えれば、回転軸線40aは、傾斜部30bと略垂直に交差する。また、螺旋状部材40は、典型的には、外周面が曲面部30cに接するように配設されるものとして説明したが、必ず完全に接している必要はなく、例えば、処理する硬貨の厚み(例えば、最小硬貨1円玉であれば1.5mm程度)よりも小さい空隙であれば空いていてもよい。処理する硬貨の厚みよりも小さいければ、螺旋状部材40と曲面部30cとの間に硬貨が挟まってしまうことがないからである。
さらに、ホッパケース30の傾斜部30b、曲面部30cを挟んでいる側面30d、30e(図1(a)の奥行き方向の側面)には、略三角柱状に形成されたリブ31、32がそれぞれ取り付けられている。リブ31、32は、ホッパケース30の側面30d、30eの内壁に、回転軸線40aと略平行になるように取り付けられている。リブ31、32は、回転軸線40aを側面30d、30eに水平投影した位置とほぼ等しい位置、あるいは、当該位置よりも曲面部30cとは反対方向にやや離れた位置に設置されている。これにより、硬貨の送出時に螺旋状部材40が回転した際に、螺旋状部材40とホッパケース30との隙間に、硬貨がはさみ込まれることを防止することができる。リブ31、32は、少なくとも、螺旋状部材40の回転方向に応じて、回転の挟み込み方向にあればよいが、本実施の形態のように両側(側面30d、30e)にある方がより好ましい。
ホッパケース30は、本実施の形態では、硬貨を、例えば最大で100枚程度収納できる大きさを有している。また、ホッパケース30の図1(a)の奥行き方向の幅D1(図1(b)参照)、すなわち傾斜部30bの幅、曲面部30cの径方向の幅は、少なくとも螺旋状部材40を収納できる幅があればよく、言い換えれば、螺旋状部材40の外径よりもやや大きければよい。螺旋状部材40の内径は、後述するように、処理する硬貨の直径より大きく、典型的には1mmから2mm程度大きく形成されている。螺旋状部材40の内径は、処理する硬貨が、例えば、最大硬貨500円玉であれば27mm程度、100円玉、10円玉、5円玉であれば共通に24mm程度に形成するとよい。したがって、例えば、処理する硬貨の直径が25mm程度であれば、奥行き方向の幅D1は、40mm程度(硬貨の1.5倍程度)でよく、硬貨送出装置1の小型化に資することができ、少なくとも、例えば、キャリングディスクを用いた硬貨送出装置よりも省スペース化を図ることができる。なお、硬貨送出装置1は、ホッパケース30内に収納される硬貨が最小で1枚の場合でも処理が可能である。
また、ホッパケース30の傾斜部30b、取付板21には、一体に形成されている螺旋状部材40、筒状部材50が貫通するための孔33、24(図1(c)参照)がそれぞれ形成されている。典型的には、螺旋状部材40、筒状部材50は、螺旋状部材40が取付板21の上側(すなわちホッパケース30側)、筒状部材50が下側となるように設置される。筒状部材50の螺旋状部材40に接続している端面とは反対側の端面側には、図3で詳細に説明する繰出機構70が配設されている。硬貨送出装置1は、螺旋状部材40の内側に取り込んだ硬貨を、その自重による移動によって、孔33、24、筒状部材50を通過させ、繰出機構70に導入するように構成されている。
なお、螺旋状部材40の取付板21からの垂直方向への突出長さD2は、好ましくは曲面部30cの径方向に垂直の方向の長さD3との差が、硬貨1枚の直径と同程度の長さとなるようにするとよい。このように構成することで、長さD2と長さD3との差によって生じる螺旋状部材40の上側の端部とホッパケース30との間隙により、後述するように硬貨を上方に持ち上げるための空間を確保することができ、また、間隙が大きすぎて硬貨が入りすぎてしまうこともない。
さらに、ホッパケース30の上部開口部30aの近傍には、フルセンサ34が配設されている。フルセンサ34は、硬貨の満杯状態を検出するセンサであり、光を投光する投光部34aと、投光部34aより投光された光を受光する受光部34bとで構成されており、投光部34a、受光部34bはホッパケース30の硬貨収納スペースを挟んで取り付けられている。フルセンサ34は、投光部34aで投光された光が物体(硬貨)で遮光されることにより、受光部34bで受光できなくなることでその物体の(硬貨)存在を検知する光学センサ、例えばフォトセンサである。以下、フルセンサ34、フォトセンサを用いる場合で説明する。
さらに、ホッパケース30と後述する繰出機構70の送出ガイド板72にまたがるように残留センサ35が設置されている。残留センサ35は、残留硬貨の有無を検出するセンサであり、例えばフルセンサ34と同様に投光部35a、受光部35bを含んで構成されるフォトセンサである。以下、残留センサ35は、フォトセンサを用いる場合で説明する。残留センサ35の投光部35aは、送出ガイド板72の下側の面に、残留センサ35の受光部35bはホッパケース30の壁面に配設される。さらに具体的には、投光部35a、受光部35bは、投光部35aから投光された光が、筒状部材50、螺旋状部材40の内側を通り受光部35bに受光されるように、典型的には光軸が螺旋状部材40の回転軸線40aとほぼ一致するように、それぞれ取り付けられる。フルセンサ34、残留センサ35は、それぞれ硬貨の検知結果を例えばモータ60の駆動等を制御する制御部150へ出力するように構成されている。フォトセンサは、比較的安価なセンサであるため、フルセンサ34、残留センサ35に用いることで、硬貨送出装置1のコストダウンを図ることができる。なお、フルセンサ34、残留センサ35は、金属探知器等を用いてもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置1の螺旋状部材40と筒状部材50を説明する正面図であり、(a)は螺旋状部材40と筒状部材50とが一体に形成される実施例(本実施の形態は、この場合に相当)、(b)は螺旋状部材40と筒状部材50とが別体に形成される変形例を示す。なお、図2(b)は、図中向かって左側が分解図、右側が合体図である。
螺旋状部材40は、間隙を有する略螺旋状に形成される。螺旋状部材40は、上述したように、ホッパケース30内に収納される硬貨の繰り出し動作時に、間隙から螺旋の内側に硬貨を取り込み、次に説明する筒状部材50への硬貨の整列、導入を補助し、さらに、ホッパケース30内の硬貨の攪拌も行うものである。
ここで、ホッパケース30内の硬貨の攪拌を行うことの有利な点は、例えば硬貨の繰り出しに不具合となるような硬貨の積層状態、例えば、ブリッジ状態を防止することができる点にある。ブリッジ状態は、例えば、間隔をあけて並んでいる2枚の硬貨の上に別の硬貨が載置されることで各硬貨の間に空隙が空いてしまう積層状態のことである。この空隙が、例えば、残留センサ35(図1参照)の部分にできてしまうと、ホッパケース30内に硬貨が残留しているにもかかわらず、全ての硬貨を送出してしまったと誤検出してしまい、硬貨送出装置1の動作に不具合が生じてしまう。また、不具合となるような硬貨の積層状態は、他にも例えば、ホッパケース30内の一方の側に硬貨が積み重なって片寄って貯まっている状態が挙げられる。この場合は、例えば、ホッパケース30内に硬貨がいっぱいに貯留された状態(満杯状態)でないにもかかわらず、フルセンサ34(図1参照)によって満杯状態であると誤って検知され、ホッパケース30から硬貨を強制的に排出して、典型的には、上位の装置の金庫部、例えば、図5で後述する硬貨処理装置100の回収金庫部170(図5参照)へ収納してしまうといった不都合が生じることがある。いずれにしても、螺旋状部材40が、ホッパケース30内の硬貨の攪拌も行い、硬貨の積層状態を平滑化することで、不具合となるような硬貨の積層状態を防止することができる。
螺旋状部材40の螺旋の方向は、螺旋状部材40の回転の方向に対応して形成される。典型的には、螺旋状部材40の螺旋は、螺旋状部材40がモータ60(図1参照)により回転駆動される際に、略螺旋状が上方向の回転となるように形成される。すなわち、本実施の形態では、螺旋状部材40は、図3で後述するように、上方から見て左回転(反時計回り)するように構成されており、これに対応して螺旋状部材40の螺旋の方向は左ネジ状の螺旋である。上方から見て螺旋状部材40が右回転(時計回り)するように構成する場合には、螺旋の方向は右ネジ状の螺旋とすればよい。言い換えれば、螺旋の方向は、螺旋状部材40の回転の方向と同じ方向である。このように、螺旋状部材40の螺旋を、螺旋状部材40がモータ60(図1参照)により回転駆動される際に、略螺旋状が上方向の回転となるように形成すると、螺旋状部材40の間隙や上部(上部開口部30a側)の開口から、螺旋の内側に硬貨を取り込み易くなる。
螺旋状部材40は、螺旋の間隔D4(螺旋の接線方向に対して垂直な方向の間隔)が硬貨送出装置1で処理する硬貨の直径の2分の1程度より大きく、かつ直径程度より小さくなるように形成されている。螺旋の間隔D4が直径より大きいと硬貨の取りこみ量が多くなり整列する前に次ぎの硬貨が取込まれるなどの原因でブリッジを発生することがあり、2分の1以下に形成すると、螺旋の間隙上に硬貨が乗り上げたまま取り込みの阻害となることがあるからである。また、螺旋の間隔D4は、各箇所でほぼ等間隔となるように形成するとよく、これにより筒状部材50への硬貨の整列をより効果的に行うことができるようになる。
螺旋状部材40の螺旋の断面形状は、本実施の形態では、略矩形(帯状)であるが、円形あるいは、楕円形でも良い。螺旋状部材40の螺旋の断面形状を略矩形(帯状)とすると、断面積が増すため強度が充分となり、壊れ難く、耐久性の高い硬貨送出装置1とすることができる。螺旋状部材40の螺旋の断面形状を円形とすると、針金などの線材を用いて弦巻バネのように形成できるので、加工が容易で安価な硬貨送出装置1とすることができる。
螺旋状部材40は、回転軸線40aを中心として、回転するように構成される。回転軸線40aは、螺旋状部材40の螺旋の回転軸線40aとは、螺旋状部材40の外側に接する面が形成する円筒形状の中心軸をいう。螺旋状部材40の内径は、処理する硬貨の直径よりも、やや大きく形成されている。また、螺旋状部材40の下方には、筒状部材50が配設されている。
筒状部材50は、略筒状、典型的には、円筒形状に形成される。筒状部材50は、上述したように、ホッパケース30内に収納される硬貨の繰り出し動作時に、硬貨を内側に整列して収納し、繰出機構70(図3参照)に導入するように構成されている。螺旋状部材40と同様に、回転するように構成されており、典型的には、筒状部材50の回転軸線は螺旋状部材40の回転軸線40aと一致するように構成される。言い換えれば、螺旋状部材40の回転の中心と筒状部材50の回転の中心とは、ともに回転軸線40aである。筒状部材50の内径は、処理する硬貨の直径よりも、やや大きく形成されている。なお、筒状部材50は、典型的には、内面が円筒形になっていれば良く、外面はこれに限らず、例えば四角筒状の形状としても良い。
ここで、螺旋状部材40の下方とは、典型的には、螺旋状部材40のホッパケース30(図1参照)の上部開口部30a(図1参照)側とは反対の端部側の領域のことをいい、螺旋状部材40の下部も含む広い概念である。
すなわち、螺旋状部材40と筒状部材50とは、図2(a)に示すように、螺旋状部材40の下方の端部に筒状部材50を連続的に構成してもよいし、図2(b)に示すように、螺旋状部材40の下部、例えば最下部までを、筒状部材50の内側に挿入するように構成してもよい。螺旋状部材40の下方の端部に筒状部材50を連続的に構成する場合には、螺旋状部材40と筒状部材50とを一体に形成することができるため、製造効率が向上し、硬貨送出装置1への取付も容易となる。螺旋状部材40の下部を、筒状部材50の内側に挿入するように構成する場合には、硬貨を筒状部材50の内側に収納した際に、螺旋状部材40が当該硬貨を撹拌することで、筒状部材50内で硬貨が立ってしまう(硬貨が筒状部材50の軸方向に対して略平行となってしまう)ことを防止することができる。これにより、筒状部材50内に硬貨が詰まってしまうことがない。以下、本実施の形態では、図2(a)に示すように、筒状部材50は、螺旋状部材40の下方の端部に連続的に一体に形成されるものとして説明する。なお、螺旋状部材40と筒状部材50の内径は、図2(a)の場合は、ほぼ同一であり、図2(b)の場合は、螺旋状部材40が挿入される分、筒状部材50の内径が若干大きくなっている。
さらに、図2(a)に示すように、筒状部材50の外周面には、螺旋状部材40側から順に3本の溝51、溝52、溝53が形成されている。溝51、溝53には、上述したガイドローラ23(図1参照)が当接して筒状部材50を回転可能に、回転軸線40aを傾斜させて支持する。溝52には、ベルト63(図1参照)が張架される。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置1の螺旋状部材40、筒状部材50、繰出機構70の部分分解斜視図である。なお、本図では説明を容易にするため、回転軸線40aを水平方向に対して垂直にして図示している。また、硬貨を二点鎖線で図示し、繰出機構70の送出板71が硬貨を送出するため駆動した後の位置も二点鎖線で図示している。
ベルト63は、筒状部材50と、モータ60(図1参照)の回転軸61の端部に取り付けられているプーリ62との間に張架される。プーリ62は、外周面に溝が形成された略円柱状に形成されている。ベルト63(図1参照)は当該溝に張架される。プーリ62は、略円柱状の軸線(不図示)が回転軸61とが一致するように取り付けられる。また、プーリ62の回転軸61側とは反対側の端面には、筒状突起64が端面に対して略垂直に形成されている。筒状突起64は、プーリ62の周縁部(プーリ62の軸線からずれた位置)に形成されている。
モータ60(図1参照)が駆動すると、回転軸61、プーリ62が上方から、すなわち、モータ本体側から見て左回り(図中M1方向)に回転し、ベルト63が駆動力を筒状部材50に伝達して、筒状部材50も上方から見て左回り(図中M2方向)に回転駆動する。上述したように、螺旋状部材40は、筒状部材50と一体に形成されているため、筒状部材50とともに、同様に図中M2方向に回転駆動する。すなわち、言い換えれば、モータ60(図1参照)は、左ネジ状の螺旋である螺旋状部材40を略螺旋が上方向の回転となるように回転駆動させるように構成される。なお、略螺旋が上方向となるような回転とは、例えば、螺旋が軸方向に移動せずに回転したとき、螺旋とかみ合った物が上方向に移動する方向の回転ということもできる。
繰出機構70は、上述したように、筒状部材50の下方(自重によって移動する硬貨の下流)に配設され、筒状部材50内に整列される硬貨を1枚ずつ送出するように構成される。繰出機構70は、送出板71、送出ガイド板72を含んで構成される。
送出ガイド板72は、板状に形成され、筒状部材50から自重によって移動してくる硬貨を一旦載置するように構成されている。さらに、送出ガイド板72は、処理する硬貨よりもやや大きい曲率、典型的には、筒状部材50の内径とほぼ等しい曲率の半円形にくり貫かれ、半円形の直線となる側がさらに略長方形状にくり貫かれた凹部72aと、略半円形にくり貫かれた凹部72bとを有するように形成される。
送出ガイド板72は、取付板21(図1参照)と、ほぼ平行となるように、ビス等を介して取付ガイド22(図1参照)に固定的に取り付けられている。送出ガイド板72は、凹部72aの半円形の中心が筒状部材50の端面の中心(すなわち、回転軸線40a)から、例えば、硬貨の直径の3分の2から4分の3程度の長さ分だけ、プーリ62とは反対側にずれるように取り付けられる。凹部72bは、プーリ62に形成された筒状突起64が、プーリ62がM1方向に回転する際に描く円状の軌跡よりも大きい曲率の半円形として形成される。凹部72bは、送出ガイド板72を取り付けた状態で、凹部72bの縁部が筒状突起64に当接して、筒状突起64の動きを規制してしまうことのない位置に形成される。送出ガイド板72上に一旦載置された硬貨は、次に説明する送出板71によって押し出され送出される際には、凹部72aを介して落下して硬貨送出装置1外に送出される。
送出板71は、筒状部材50内の硬貨の送出を規制するとともに、モータ60(図1参照)によって、螺旋状部材40、筒状部材50の回転軸線40a(図2参照)に対して略直交する方向で、かつベルト63が張架される方向と略平行な方向(図中M3方向)に駆動して一枚ずつ硬貨を送出するように構成されている。送出板71は、処理する硬貨とほぼ同じ程度の厚さの板金等により形成されており、筒状部材50の端面と送出ガイド板72との間に、筒状部材50の端面と送出ガイド板72に接して摺動可能なように配設される。
送出板71は、処理する硬貨よりもやや大きい曲率、典型的には、筒状部材50の内径とほぼ等しい曲率の部分円状にくり貫かれた凹部71aと、凹部71aの部分円の一方の端部側から図中M3方向に突出するように形成される凸部71bと、凸部71bが突出する方向とは反対方向に突出するように形成される凸部71cとを有するように構成される。
凸部71cには、孔71dが形成されている。送出板71は、ネジがワッシャー等を介して当該孔71dに挿入され、筒状突起64と螺合することで、筒状突起64を中心として回転可能に、プーリ62に支持される。凸部71bには、両端部が略半円形であるスリット71eが形成されている。スリット71eは、長手方向が図中M3方向と略平行となるように形成される。送出板71は、ネジがワッシャー等を介して当該スリット71eに挿入され、図1で前述した筒状突起65と螺合することで、取付ガイド22(図1参照)に支持される。送出板71は、筒状突起65がスリット71eの縁部と当接し、動きを規制する範囲でM3方向に移動可能なように支持される。
したがって、モータ60(図1参照)が駆動してプーリ62がM1方向に回転すると、筒状突起64は円状の軌跡を描いて移動し、送出板71は筒状突起65をガイドとしてM3方向に移動する。言い換えれば、プーリ62、筒状突起64、送出板71は、プーリ62、筒状突起64の回転運動を送出板71の往復運動にかえるクランク機構のように動作する。
また、送出板71の凹部71aは、送出板71がプーリ62側の位置(図中実線で示す位置)にある際に、部分円の中心が筒状部材50の端面の中心(すなわち、回転軸線40a)とほぼ一致する位置に形成されている。送出板71は、送出板71がプーリ62とは反対側の位置(図中二点鎖線で示す位置)にある際には、筒状部材50内から自重によって移動してくる硬貨を一旦規制し、プーリ62側の位置(図中実線で示す位置)にある際には、当該移動の規制を解除する。これにより、筒状部材50内に収納されている硬貨は、自重によって移動し、一枚だけ送出ガイド板72上に載置される。さらに、硬貨が送出ガイド板72上に載置された後に、送出板71がプーリ62とは反対側の位置(図中二点鎖線で示す位置)に移動することによって、載置されている硬貨は、凹部71aの縁部と当接して押し出され、上述したように、凹部72aを介して落下して硬貨送出装置1外に送出される。
なお、送出板71、送出ガイド板72の近傍には、硬貨送出装置1から送出される硬貨の枚数等を検出する不図示の送出検知器が配設されている。送出検知器(不図示)は、例えば、上述したフルセンサ34と同様なフォトセンサを用いるとよい。送出検知器(不図示)は、硬貨の検出結果、送出枚数等を制御部150(図1参照)へ出力するように構成される。送出検知器(不図示)は、硬貨送出装置1の上位装置への設置場所等に応じて、例えば、現物確認をしながら適切な位置に設置すればよい。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置1の動作を説明する正面図である。ホッパケース30に上部開口部30aを介して硬貨が一括して投入、供給され、収納される。このとき一部の硬貨は、螺旋状部材40上に乗り上げた状態でホッパケース30内に収納される。また、一部の硬貨は、螺旋状部材40の間隙や螺旋の上部の開口部から螺旋状部材40の内側に取り込まれる。
制御部150(図1参照)の信号により、モータ60が駆動し、螺旋状部材40、筒状部材50の回転が開始されると、螺旋状部材40の内側に取り込まれた硬貨は、螺旋状部材40の回転により硬貨の整列がなされ、筒状部材50に整列しながら導入される。
螺旋状部材40上に乗り上げた状態で収納されている硬貨は、螺旋状部材40の回転により撹拌され、さらに、螺旋状部材40の間隙や螺旋の上部の開口部から螺旋状部材40の内側に取り込まれる。例えば、図4(a)に示すように、複数枚の硬貨が螺旋状部材40上に直立(鉛直方向に立ったような状態)して乗り上げたような状態で収納されている場合、当該硬貨は、螺旋状部材40の回転により螺旋状部材40の螺旋が上方向へ向かう作用によって、螺旋状部材40の外周面上を上昇して上部の開口まで搬送され、結果的に螺旋状部材40の内部に取り込まれる。また、例えば、図4(b)に示すように、複数枚の硬貨が螺旋状部材40上に倒れて乗り上げたような状態で収納されている場合、当該硬貨は、螺旋状部材40の回転により螺旋状部材40の螺旋が上方向へ向かう作用によって、途中の間隙や上部の開口まで搬送され、結果的に螺旋状部材40の内部に取り込まれる。図示した場合の他にも、ホッパケース30内での硬貨の収納状態は様々な状態となり得るが、いずれにしても、螺旋状部材40による撹拌、螺旋状部材40の回転により螺旋状部材40の螺旋が上方向へ向かう作用によって、硬貨は結果的に螺旋状部材40の内部に取り込まれる。
なお、硬貨が螺旋状部材40上にホッパケース30の側面30d、30eに沿うように直立(鉛直方向に立ったような状態)した状態で収納された場合、リブ31、32によって、螺旋状部材40への硬貨のかみ込みを防止されるとともに、螺旋状部材40上に硬貨が載りやすくなる。
筒状部材50に導入された硬貨であって筒状部材50の内壁に沿うように倒れている硬貨は、筒状部材50を回転させたり振動させることで、その周縁に回転モーメントが付与され、自立する(筒状部材50の内壁に対して径方向がほぼ一致するように略垂直になる)方向に挙動する。硬貨を自立させるには、筒状部材50の内面の接触摩擦が小さすぎたり、硬貨取り込みに勢いがあり過ぎ接触摩擦が断続的であると、硬貨が自立し難く、内周面をそのまま滑り落ち易い。一方、接触摩擦が大きすぎると、筒状部材50内の上流側で内周面に倒れたまま、上側にへばりついた状態で回転停留して自立しないことがあるが、筒状部材50の前段として螺旋状部材40を用いることで、螺旋状部材40の内面と硬貨との接触摩擦を、螺旋の形状や回転速度で調整することができ、硬貨の姿勢を強制的に前向きの自立姿勢へ変更させることが可能となる。また、硬貨の縁部と螺旋状部材40の螺旋部位との接触摩擦の作用で、一旦自立させた硬貨をそのままの姿勢で横滑りさせることができる。
螺旋状部材40の内部に取り込まれ、自立状態で横滑りした硬貨は、筒状部材50に積み重なった状態で収納される。筒状部材50に導入、整列されて一時的に収納された硬貨は、モータ60が駆動することで略往復運動を開始している送出板71の当該移動に伴って、一枚ずつ送出ガイド板72上に載置され、送出板71に押し出され、硬貨送出装置1外に送出される。
以上のように本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置1では、ホッパケース30に収納される硬貨は螺旋状部材40、筒状部材50を介して繰出機構70に導入され、送出される。よって、硬貨送出装置1は、ホッパケース30内に比較的多量の硬貨を収納することができながら、ホッパケース30の奥行き方向の幅D1(図1(b)参照)は、少なくとも螺旋状部材40を収納できる幅があればよく、奥行きの少ない硬貨送出装置1とすることができる。すなわち、硬貨送出装置1は、少なくとも、例えば、従来からある硬貨を収納筒内に積層させて収納する筒型の硬貨送出装置と比較してホッパケース30内に比較的多量の硬貨を収納することができ、キャリングディスクを用いた硬貨送出装置と比較してコンパクトで省スペースな硬貨送出装置1とすることができる。
また、以上のように本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置1は、ホッパケース30内での硬貨の積層状態がいかなる状態であっても、螺旋状部材40による撹拌、あるいは、螺旋状部材40の回転により螺旋状部材40の螺旋が上方向へ向かう作用によって、硬貨を結果的に螺旋状部材40の内部に取り込み整列させながら筒状部材50に導入し、確実に繰出機構70に案内して、装置外に送出することができる。さらに、螺旋状部材40内、筒状部材50内で硬貨が立つことを抑止することができる。よって、運転効率がよい硬貨送出装置1とすることができる。また、硬貨送出装置1は、収納されている硬貨を螺旋状部材40、筒状部材50によって確実に繰出機構70に導入することができるため、従来の既製の繰出機構を用いても安定して効果を送出することができる。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る硬貨処理装置100の構成を示す概略ブロック図である。本図を参照して本発明の第2の実施の形態に係る硬貨処理装置100について説明する。なお、図中太線は硬貨の流れを示すものである。
硬貨処理装置100は、上述した本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置1と、硬貨送出装置1の各部に硬貨を搬送する搬送部110とを備える。搬送部110は、本実施の形態では、入金搬送部110aと、出金搬送部110bとを含んで構成されている。硬貨送出装置1は、後述の硬貨分離部105、あるいは、循環釣銭部160を構成するものとして、硬貨処理装置100に複数備えられる。硬貨処理装置100は、例えば自動販売機等に内蔵されるようなものである。なお、硬貨処理装置100は、自動販売機に内蔵される際には、例えば利用者が、自動販売機の正面に形成された接客面から、後述の投入部103に硬貨を投入できる位置に内蔵される。
硬貨処理装置100は、例えば日本円硬貨である1円、5円、10円、50円、100円、500円を、詰まりを起こさずに正常に扱えるものである。さらに、硬貨処理装置100は、上記の硬貨のうち10円、50円、100円、500円の4金種を入金処理できるもので説明する。即ち、10円、50円、100円、500円の4金種は正硬貨として処理され、1円、5円硬貨は、後述のリジェクト硬貨として処理される。
硬貨処理装置100は、利用者から硬貨が一括投入される投入部103と、投入部103で受け付けた硬貨を収容し、前記収容した硬貨を1枚ずつ分離して繰り出す硬貨分離部105と、繰り出された硬貨を搬送する入金搬送部110aと、入金搬送部110により搬送される硬貨を識別する識別部120と、入金搬送部110aにより搬送される硬貨を振り分ける振分部130と、振分部130により振り分けられた硬貨を種類毎に収納し、収納した硬貨を放出可能な循環釣銭部160と、循環釣銭部160から放出された硬貨を搬送する出金搬送部110bと、出金搬送部110bで搬送された硬貨を放出する放出部109と、循環釣銭部160が満杯になった際に、循環釣銭部160に収納した硬貨を回収する回収金庫部170を含んで構成される。なお、本実施の形態では、硬貨分離部105は1つの硬貨送出装置1を、循環釣銭部160は4つの硬貨送出装置1を含んで構成される。
さらに、硬貨処理装置100は、各々の硬貨送出装置1から硬貨を送出させるように制御する制御部150を備えている。制御部150は、さらに、硬貨処理装置100の各構成を制御するように構成されている。
以下、上記各構成、各処理について詳細に説明する。
まず、入金処理について構成を含めて説明する。投入部103は、利用者から投入された1枚又は複数枚の硬貨を受け付け、硬貨分離部105へ供給するものである。投入部103は受け付けた硬貨を放出することで、硬貨分離部105へ硬貨を供給できる。また放出部109は、入金処理時のリジェクト硬貨を返却するものであり、さらに出金処理時には出金搬送部110bで搬送された硬貨を利用者に受け渡す(返却する)ものである。
硬貨分離部105は、硬貨送出装置1を含んで構成されており、投入部103で受け付けた硬貨をホッパケース30(図1参照)に一旦収容し、前記収容した硬貨を、繰出機構70(図1参照)を介して1枚ずつ分離して繰り出すものである。硬貨分離部105は、投入部103の硬貨の流れる方向下流に配置されている。すなわち、ここでは、硬貨分離部105は、投入部103から放出された硬貨が重力により硬貨分離部105に供給される位置に配置されている。
入金搬送部110aは、硬貨分離部105により1枚ずつ繰り出された硬貨を振分部130に搬送するものである。本実施の形態では、入金搬送部110aは、硬貨の搬送にベルトを使用するものを用いる。また、入金搬送部110aの硬貨分離部105と振分部130との間には、識別部120が配置されている。識別部120は、入金搬送部110aで搬送される硬貨を識別するものである。識別部120は、硬貨の、正硬貨の種類の識別、正硬貨であるか否かの識別、すなわち、正硬貨かリジェクト硬貨かの識別を行うものである。また識別部120は、この識別結果を制御部150へ出力する。なおここでは、正硬貨は、10円、50円、100円、500円の4金種の硬貨である。またここでは、上記正硬貨以外の硬貨をリジェクト硬貨という。即ち1円、5円はここではリジェクト硬貨である。
振分部130は、前述のように、入金搬送部110aにより搬送される硬貨を振り分けるものである。さらに、振分部130は、入金搬送部110aにより搬送される硬貨のうち正硬貨以外のもの即ちリジェクト硬貨を振り分けるリジェクト機構131と、入金搬送部110aにより搬送される硬貨で、識別部120で正硬貨と識別された硬貨を種類毎に振り分ける振分板133とを有している。
振分板133は、上述のように、正硬貨と識別された硬貨を種類毎に振り分けるものである。振分板133は、上面に正硬貨が通過可能な通路が形成されている。なお、前記通路は、振分部130全体に延設されている。さらに言えば、入金搬送部110aによりその上面に、硬貨を押し付けて摺動搬送可能である。また、振分板133は、前記通路に、振り分ける各硬貨の外径より僅かに大きい孔が、振り分ける硬貨の種類毎に形成されている。硬貨の外径より僅かに大きいとは、種類毎に各々形成された孔が、振分板133上を摺動搬送される硬貨を、対応する孔から落下させることで振り分けが可能な大きさである。これらの孔は、入金搬送部110による搬送方向上流側から、言い換えれば識別部120側から、対応する硬貨の外径の小さい順に形成されている。即ちここでは、識別部1
20側(図中左側)から50円用、100円用、10円用、500円用の各孔が順に形成されている。このような順に各硬貨に対応する孔が形成されていることにより、確実に正硬貨を種類毎に振り分けることができる。
なお、ここでは振分部130は、孔が形成された振分板133を備える場合で説明したが、後述するリジェクト機構131の備える振分爪132と同様な振分爪を複数備える構成でもよい。本実施の形態のように、振分板133を用いた場合、構成が簡単となるが確実に硬貨を落下させるため、孔を大きくする必要があり全体的に装置は大きくなる傾向がある。これに対し、図示しない振分爪を用いる場合には、構成が複雑になるが装置を小型化することができる。
また振分板133の下部には、各孔毎に対応して不図示のシュートが接続されている。シュートは、循環釣銭部160まで接続されており、振り分けられた硬貨を種類毎に循環釣銭部160へ供給する。さらにシュート(不図示)は各々、硬貨を計数するための不図示のセンサを有している。各センサは、例えば振り分けられた硬貨の通過を種類毎に検知するものであり、各センサの検知結果が随時的に制御部150へ出力されるように構成されている。制御部150では各センサからの出力に基づいて、振り分けられた種類毎の硬貨の計数がなされる。
なお、硬貨処理装置100は、振分部130と循環釣銭部160との間に不図示の一時保留部を備えてもよい。一時保留部(不図示)は、振分部130によって各金種毎に振り分けられた入金硬貨を一時保留して、例えば1つの取引の終了後に、一時保留された硬貨を一時保留部の下方の構成されている循環釣銭部160へ放出し、また利用者の返却動作時には一時保留された硬貨を放出部109へ返却するものである。
リジェクト機構131は、前述したように、入金搬送部110aにより搬送される硬貨のうち、リジェクト硬貨を振り分けるものである。リジェクト機構131は、振分部130の硬貨の搬送方向の最も上流側、すなわち、振分部130の最も識別部120側(図中左側)に配置されている。また、リジェクト機構131は、硬貨の振り分けを行うための振分爪132を有している。振分爪132は、不図示の駆動手段により、揺動可能に構成されている。リジェクト機構131は、振分爪132を揺動させ、搬送路を落下方向に切り替えることにより、振分部130上を摺動搬送された硬貨を落下させることで振り分けることができる。
また、このようなリジェクト機構131の駆動即ち振分爪132の揺動は、制御部150により制御されている。言い換えれば、制御部150により、リジェクト機構131が駆動される即ち振分爪132を揺動させることで、硬貨を落下させることができる。
またリジェクト機構131の下部には、不図示のシュートが接続されている。このシュートは、出金搬送部110bの上部近傍まで延設されており、リジェクト機構131で振り分けられたリジェクト硬貨を出金搬送部110bへ放出することができる。
循環釣銭部160は、振分部130の下部に設けられている。循環釣銭部160は、各硬貨の種類毎に前述の硬貨送出装置1が備えられている。硬貨送出装置1は、振分板133に対応するように、図中左側から50円用硬貨送出装置1a、100円用硬貨送出装置1b、10円用硬貨送出装置1c、500円用硬貨送出装置1dが配置されている(以下、これらを特に区別しないときには単に硬貨送出装置1という)。各硬貨送出装置1は、それぞれ制御部150に接続されている。
次に、出金処理について構成を含めて説明する。循環釣銭部160の各硬貨送出装置1は、振分部130から送られる各金種の硬貨をホッパケース30(図1参照)に一旦収容し、前記収容した硬貨を、繰出機構70(図1参照)を介して1枚ずつ分離して繰り出すものである。各硬貨送出装置1は、利用者への釣銭としての硬貨を出金搬送部110bへ放出したり、循環釣銭部160が満杯にならないように、収納した硬貨を回収金庫部170へ放出することができる。典型的には、制御部150は、フルセンサ34(図1参照)によってホッパケース30(図1参照)が満杯状態であると検知された際に、ホッパケース30(図1参照)から硬貨を強制的に排出して、回収金庫部170に収納するように各硬貨送出装置1を制御する。循環釣銭部160は、各硬貨送出装置1を備えることで、利用者により投入された硬貨を釣銭として放出できる。すなわち、硬貨を循環させることができる。
出金搬送部110bは、循環釣銭部160のおよそ下部から放出部109まで延設されている。出金搬送部110bは、例えば硬貨を水平方向に搬送する水平部と、およそ鉛直方向に搬送する鉛直部とで構成されている。出金搬送部110bは、硬貨を水平部では上に載せて、鉛直部では挟持して搬送するベルトで構成されている。
また出金搬送部110bは、循環釣銭部160から放出された硬貨を放出部109まで搬送する。また、出金搬送部110bは、振分部130のリジェクト機構131より振り分けられたリジェクト硬貨を放出部109まで搬送するものでもある。
回収金庫部170は、不図示の回収カセットを装着できるように構成されており、満杯時に循環釣銭部160より放出された硬貨を回収カセットに収納できるように構成されている。また、回収金庫部170は、回収カセットを装着した状態で、回収カセットに収納された硬貨に直接接触できないように構成されている。
なお、制御部150は、上位の装置との信号の入出力や硬貨処理装置100内での各種信号の入出力を行い硬貨処理装置100の各部の動作を制御するように構成されており、ここでは、電源装置と一体に構成されている。制御部150は、例えばパソコンやマイコンなどのコンピュータである。本実施の形態では、制御部150はマイコンである。硬貨処理装置100は、例えば、利用者による物品購入等の操作を受け付ける。利用者による物品購入等の操作がなされると、制御部150は、入金された硬貨の金額と利用者の操作により入力されたサービスに必要な金額とを比較して、釣銭金額即ち釣銭に必要な硬貨の金種と各々の金種の枚数を算出する。この際釣銭がある場合には、制御部150はこの算出結果に基づいて、必要な硬貨の金種と枚数の放出する信号を循環釣銭部160へ出力し、出金処理を実行する。また釣銭が必要ない場合には、制御部は物品や伝票を送出する。
さらに、ここでは、硬貨送出装置1は外部の共通の制御部150により制御される場合で説明したが、上述したように、各硬貨送出装置1が個別に制御部を備えるように構成してもよい。言い換えれば、各硬貨送出装置1がそれぞれ制御部を内蔵するようにしてもよく、硬貨送出装置1の各制御部と、硬貨処理装置100の制御部と別体に構成してもよい。
以上のように本実施の形態に係る硬貨処理装置100は、硬貨分離部105、循環釣銭部160の硬貨を収納し一枚ずつ分離して繰り出す装置として、上述した硬貨送出装置1を備えるので、省スペースで比較的多量の硬貨を収納できる硬貨処理装置100とすることができる。すなわち、硬貨処理装置100は、収納量が多く小型な硬貨送出装置1を用いることで、当該硬貨送出装置1を内蔵する硬貨処理装置を小型化することが可能となり、設計もし易くなる。なお、硬貨処理装置100が処理する硬貨の金種が多いほど小型化の効果は顕著となる。
また、硬貨処理装置100は、循環釣銭部160に硬貨を搬送する、あるいは循環釣銭部160から硬貨を搬送する搬送部110の搬送距離も短くすることができ、言い換えれば、小型化することができる。これにより、硬貨処理装置100は、例えば、釣銭の放出時間を短縮することができ、利用者に煩わしさを感じさせない硬貨処理装置100とすることができる。
また、以上のように本実施の形態に係る硬貨処理装置100は、ホッパケース30(図1参照)内での硬貨の積層状態がいかなる状態であっても、螺旋状部材40による撹拌、あるいは、螺旋状部材40の回転により螺旋状部材40の螺旋が上方向へ向かう作用によって、硬貨を結果的に螺旋状部材40の内部に取り込み整列させながら筒状部材50に導入し、確実に繰出機構70に案内して、装置外に送出することができる硬貨送出装置1を備えるので、運用効率の高い硬貨処理装置100とすることができる。
なお、以上で説明した本発明の実施の形態に係る硬貨送出装置1、硬貨処理装置100は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、ホッパケース30(図1参照)は、取付板21(図1参照)に沿うように、水平方向に対して所定の角度で傾斜している傾斜部30b(図1参照)を有するように構成されるものとして説明したが、傾斜部30bを有さず、取付板21と協働して硬貨を収納するように構成してもよい。この場合、硬貨を収納する収納部は、ホッパケース30と取付板21の一部を含んで構成されることになる。
以上の説明では、螺旋状部材40(図1参照)、筒状部材50(図1参照)を回転駆動する駆動源と、繰出機構70の送出板71を駆動する駆動源とは同一のモータ60としているが、これに限らず別々の駆動源を用いてもよい。
以上の説明では、硬貨処理装置100は、硬貨分離部105と、循環釣銭部160との両方に上述した硬貨送出装置1を備えるものとして説明したが、どちらか一方のみに備えるものとしてもよく、この場合でも、硬貨処理装置100の小型化に資することは言うまでもない。
以上の説明では、螺旋状部材40(図1参照)と筒状部材50(図1参照)とは一体に形成されるものとして説明し、螺旋状部材40、筒状部材50ともに回転駆動するものとして説明したが、筒状部材50を固定的に設置して、螺旋状部材40のみを回転駆動するように構成してもよい。
次に、図1を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る硬貨送出装置301について説明する。第3の実施の形態に係る硬貨送出装置301は、基本的に第1の実施の形態で説明した硬貨送出装置1と略同様な構成であるが、本図には図示しているが、筒状部材50を備えていない点で異なる。硬貨送出装置301は、硬貨を収納する収納部としてのホッパケース30と、略螺旋状に形成され、前記収納部内に回転可能に回転軸線が傾斜して配置される螺旋状部材40とを備え、ホッパケース30は、螺旋状部材40に沿うように略樋状に形成された曲面部30cを有する。さらに、螺旋状部材40を略螺旋が上方向の回転となるように回転駆動させる駆動手段としてのモータ60と、螺旋状部材40の下方に配設され、硬貨を送出する繰出部としての繰出機構70を備える。なお、以下の説明では、ホッパケース30、螺旋状部材40、モータ60、繰出機構70等、第1の実施の形態と共通する構成については、重複した説明はできるだけ省略する。
本実施の形態では、硬貨送出装置301は、筒状部材50の代わりに略円状に形成されたリング状部材(不図示)を備える。リング状部材(不図示)は、螺旋状部材40の下方に螺旋状部材40と一体に形成されている。リング状部材(不図示)は、繰出機構70側の3つのガイドローラ23(1つは不図示)と当接して、ガイドローラ23によって螺旋状部材40の回転軸線40aを傾斜させるようにして支持される。リング状部材(不図示)には、ベルト63が張架され、モータ60の駆動力が伝達されるように構成されている。また、取付板21側の3つのガイドローラ23(1つは不図示)は、螺旋状部材40を回転可能に支持する。螺旋状部材40は、ホッパケース30の傾斜部30b、取付板21を貫通するように配設される。繰出機構70の送出板71は、リング状部材(不図示)と送出ガイド板72との間に摺動可能に、接するように配設される。ホッパケース30内に収納される硬貨は、螺旋状部材40とホッパケース30の曲面部30cとによって、整列されながら繰出機構70に導入される。なお、螺旋状部材40の螺旋は、下方に行くにしたがって間隔が狭くなるように形成するとよい。典型的には、螺旋状部材40の螺旋は、設置された際に、取付板21よりも下方となる位置では、間隔が狭くなるように形成される。これにより、螺旋状部材40の内側に取り込まれた硬貨が螺旋の間隙から抜け出てしまうことがない。
以上のように本発明の第3の実施の形態に係る硬貨送出装置301では、ホッパケース30に収納される硬貨は螺旋状部材40を介して繰出機構70に導入され、送出される。よって、硬貨送出装置1は、ホッパケース30内に比較的多量の硬貨を収納することができながら、ホッパケース30の奥行き方向の幅D1(図1(b)参照)は、少なくとも螺旋状部材40を収納できる幅があればよく、奥行きの少ない硬貨送出装置1とすることができる。すなわち、硬貨送出装置1は、例えば、筒型の硬貨送出装置と比較してホッパケース30内に比較的多量の硬貨を収納することができ、キャリングディスクを用いた硬貨送出装置と比較してコンパクトで省スペースな硬貨送出装置1とすることができる。なお、本発明の第3の実施の形態に係る硬貨送出装置301は、本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置1と比較しても、筒状部材50を備えないためコンパクトで省スペースな硬貨送出装置301とすることができる。また、ここで説明した本発明の第3の実施の形態に係る硬貨送出装置301を第2の実施の形態に係る硬貨処理装置100に用いてもよいことは言うまでもない。
本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置の構成例を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置の螺旋状部材と筒状部材を説明する正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置の螺旋状部材、筒状部材、繰出機構の部分分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る硬貨送出装置の動作を説明する正面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る硬貨処理装置の概略構成について説明するブロック図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c、1d、301 硬貨送出装置
20 ホッパベース
21 取付板
22 取付ガイド
23 ガイドローラ
30 ホッパケース
30a 上部開口部
30b 傾斜部
30c 曲面部
30d、30e 側面
31、32 リブ
34 フルセンサ
35 残留センサ
40a 回転軸線
40 螺旋状部材
50 筒状部材
60 モータ
61 回転軸
62 ベルト
63 プーリ
70 繰出機構
71 送出板
72 送出ガイド板
100 硬貨処理装置
103 投入部
105 硬貨分離部
109 放出部
110 搬送部
110a 入金搬送部
110b 出金搬送部
120 識別部
130 振分部
150 制御部
160 循環釣銭部
170 回収金庫部

Claims (7)

  1. 硬貨を収納する収納部と;
    略螺旋状に形成され、回転軸線まわりに回転可能な螺旋状部材であって、内径が前記硬貨の直径よりも大きく、前記硬貨を内側に取り込むことができる螺旋の間隔が形成され、内側に取り込んだ前記硬貨を自重で移動させるように前記回転軸線を水平方向に対して傾斜させ前記収納部内に配置される螺旋状部材と;
    前記硬貨を内側に積み重なった状態で整列させて収納可能な筒状に形成され、前記螺旋状部材の下方に配置されて前記螺旋状部材の内側を移動した前記硬貨を導入する筒状部材とを備え;
    前記収納部は、前記螺旋状部材に沿うように略曲面状に形成された曲面部であって前記回転軸線の傾斜と同様に傾斜した曲面部を含む底部を有する
    硬貨送出装置。
  2. 前記螺旋状部材を、螺旋とかみ合った物が上方向に移動する方向の回転となるように回転駆動させる駆動手段を備える;
    請求項1に記載の硬貨送出装置。
  3. 前記筒状部材の下方に配設され、前記硬貨を送出する繰出部であって、前記硬貨を通過させる半円形にくり貫かれた凹部が前記半円形の中心が前記筒状部材の端面の中心からずれて形成された送出ガイド板と、前記筒状部材の端面と前記送出ガイド板との間に配設され、往復運動により前記送出ガイド板に載置された1枚の前記硬貨を前記凹部へ押し出す送出板とを有する繰出部を備え;
    前記駆動手段は、前記送出板を駆動する、
    請求項2に記載の硬貨送出装置。
  4. 前記螺旋状部材の螺旋の間隔が前記硬貨の直径の2分の1より大きく、かつ直径より小さいことを特徴とする、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の硬貨送出装置。
  5. 前記筒状部材は、前記螺旋状部材の回転軸線と一致する回転軸線まわりに回転可能に構成された;
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の硬貨送出装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の硬貨送出装置と;
    前記硬貨を搬送する搬送部とを備える;
    硬貨処理装置。
  7. 硬貨を収納する収納部と;
    略螺旋状に形成され、回転軸線まわりに回転可能な螺旋状部材であって、内径が前記硬貨の直径よりも大きく、前記硬貨を内側に取り込むことができる螺旋の間隔が形成され、内側に取り込んだ前記硬貨を自重で移動させるように前記回転軸線を水平方向に対して傾斜させ前記収納部内に配置される螺旋状部材と
    前記螺旋状部材の下方に前記螺旋状部材と一体に形成されたリング状部材とを備え;
    前記収納部は、前記螺旋状部材に沿うように略樋状に形成された曲面部であって前記回転軸線の傾斜と同様に傾斜した曲面部を含む底部を有する
    硬貨送出装置。
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