JP2014191804A - 硬貨繰出装置及び硬貨処理装置 - Google Patents

硬貨繰出装置及び硬貨処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】適用可能な最大径の硬貨と適用可能な最小径の硬貨との大きさの差を広く設定した場合でも、最小径の硬貨を確実に所定間隔で分離して繰り出すことができるようにする。
【解決手段】中心線X0を中心として矢印A方向へ回転する回転盤3と、回転盤3の盤面上に設けられておりコイン35の外周面の一部分を押すことによりコイン35を搬送する爪14,16と、爪14,16によって搬送されるコイン35を回転盤3の外部へ送り出す送出レール9とを有する硬貨繰出装置1である。回転盤3の回転方向Aに沿って送出レール9の上流側に設けられたコイン押圧部材7は、連なっているコイン35A,35Bの外側のもの35Aの外周面に当接し、内側コイン35Bを矢印V1の方向へ押し遣るように外側コイン35Aを押圧する。押し遣られた内側コイン35Bが送出レール9に取り込まれることを阻止する凸部13、15が設けられている。
【選択図】図7

Description

本発明は、複数枚のコインを所定の時間間隔又は所定の距離間隔で1枚ずつ繰り出す硬貨繰出装置に関する。また、本発明は、その硬貨繰出装置から繰り出されたコインに対して所望の処理を行う硬貨処理装置に関する。
自動取引装置、自動販売機、硬貨計数装置等のような自動機器は、硬貨等といったコインの投入に基づいて所定の機能を提供する。上記の硬貨繰出装置は、例えばこの自動機器において出金ユニットや入金繰出装置として適用される。出金ユニットはコインを釣銭等として自動機器の外部へ出金するための装置である。また、入金繰出装置は、自動機器へ一括投入された複数枚のコインを自動機器の内部において1枚ずつ繰り出す装置である。
硬貨処理装置は硬貨繰出装置を内蔵して成る装置である。上記の自動機器はそれ自体が硬貨処理装置の1つである。また、特定の機能を奏する何等かの硬貨処理装置がその自動機器の内部に含まれる場合もある。
従来、硬貨繰出装置として特許文献1に開示されたものが知られている。ここに開示された硬貨繰出装置は、投入されたコイン、例えば硬貨を収納する収納部と、その内部に傾斜して配置された回転円盤とを有している。この回転円盤の表面には硬貨1枚の厚さと略同じ高さの爪が設けられている。また、回転円盤の表面には爪以外に突起が設けられている。回転円盤の上部領域にはその回転円盤に対向して規制部が設けられている。回転円盤の盤面とその規制部との間には硬貨1枚分程度の隙間が形成されている。規制部の下流位置には送出レールが設けられている。
この硬貨繰出装置は次のように動作する。
(1)収納部へ複数枚の硬貨が投入される。
(2)収納部に収納された硬貨は、回転円盤が回転したときに、その回転円盤に設けられた爪と突起とによって掻き揚げられる。回転円盤の盤面上における爪及び突起の設置位置は、最大径の硬貨を確実に掻き揚げることができるような位置に設定されている。
(3)掻き揚げられた硬貨は、爪と突起に引っ掛けられて1枚ずつさらに上方へ搬送され、規制部と回転円盤との間の隙間を通過する。
(4)硬貨が2枚重なった状態で搬送される場合は、上側の硬貨が規制部にぶつかって爪及び突起から外れて収納部へ落下する。また、変形した硬貨が搬送される場合は、その変形硬貨が規制部にぶつかって爪及び突起から外れて収納部へ落下する。
(5)規制部を通過した硬貨は送出レールに到達してその送出レールに受け取られ、さらに送出レールに沿って移動して装置の外部へ繰り出される。
特開2010−262479号公報
上記の従来の硬貨繰出装置において、回転円盤の盤面上での爪及び突起の設置位置は、最大径の硬貨を確実に繰り出すことができる位置に設定されていた。繰出しの対象が直径20mm〜直径26.5mmである日本硬貨の場合、爪及び突起の従来の設置位置の態様により、特に問題なくコインの繰出しが可能であった。
しかしながら、近年では、硬貨繰出装置の汎用性を高めるために、適用可能な最大径の硬貨と最小径の硬貨との大きさの差を広く設定したいという要望が強くなって来た。具体的には、直径16mm〜直径27mmの範囲内の硬貨を1枚ずつ繰り出すことができる仕様を満たすことが要望されるようになってきた。
この状況下では、爪と突起とを直径27mmの硬貨を掻き揚げることができる位置に設置すると、そのように設置された爪と突起とによって直径16mmの2枚の硬貨が平面的に連なって掻き揚げられる状態が発生することが分かった。このように2枚の硬貨が平面的に連なって掻き揚げられてそれらが連なった状態で外部へ繰り出されると、硬貨繰出装置の硬貨繰出口に設けた出口センサによる投光時間と遮光時間との間隔が小さくなって2枚の硬貨を1枚の硬貨と誤認してしまうという問題が発生した。
本発明は、従来装置における上記の問題点に鑑みて成されたものであって、適用可能な最大径の硬貨と適用可能な最小径の硬貨との大きさの差を広く設定した場合でも、最小径の硬貨を確実に所定間隔で分離して繰り出すことができる硬貨繰出装置及び硬貨処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る硬貨繰出装置は、複数枚のコインを収納できる収納部と、当該収納部内に収納された前記複数枚のコインが接触する盤面を有すると共に自身を貫通する回転中心線を中心として回転可能である回転盤と、前記回転盤の盤面上に設けられておりコインの外周面の一部分を押すことにより当該コインを搬送するコイン押用突部と、当該コイン押用突部によって搬送されるコインを前記回転盤の外部へ送り出す送出手段とを有する硬貨繰出装置である。この装置においては、前記回転盤の回転方向に沿って前記送出手段の上流側にコイン押圧手段が設けられている。当該コイン押圧手段は、前記回転盤の盤面上で連なった状態で搬送される複数のコインの最も外側のものの外周面に当接し、当該最も外側のコイン又はそのコインに連なっている内側のコインの一方をそれらの搬送方向の下流側へ押し遣るように前記最も外側のコインを押圧し、さらに前記最も外側のコイン又は前記内側のコインの一方が前記送出手段に取り込まれることを阻止する送出阻止手段が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る硬貨繰出装置においては、外側コイン又は内側コインをコイン押圧手段によって強制的に搬送方向の下流側へ押し遣ることにし、さらに押し遣られたコインが送出手段に取り込まれることを送出阻止手段によって阻止することにしたので、適用可能な2枚の最小径の硬貨が回転盤によって誤って連続して連なった状態で搬送された場合でも、最小径の硬貨を確実に所定間隔で分離して繰り出すことができる。
本発明に係る硬貨繰出装置において、前記回転盤は、前記盤面を上にした状態で水平方向と鉛直方向との間の角度範囲内で傾斜して設けることができる。これにより、コインに作用する重力を有効に活用して当該コインを回転盤によって安定して搬送できる。また、回転盤を傾斜状態とすることにより、コイン押圧手段によって押し遣られたコインを自重によって落下させることができ、これによりコインの一方が前記送出手段に取り込まれることを阻止できる。
本発明に係る硬貨繰出装置において、前記回転盤の盤面は円形状とすることができ、当該盤面の最下位の位置を角度0°の位置としたとき、前記コイン押圧手段のコイン押圧部は前記回転盤の回転方向に沿って角度90°から角度180°の角度範囲の領域内に設けることができ、前記送出手段のコイン受取り部は角度180°から角度270°の角度範囲の領域内に設けることができる。
この構成により、回転盤上で連続して連なった状態で搬送される2枚の小型のコインを分離することに関して、コイン押圧部材と送出手段とを互いに好適な相対的な位置に配置することができる。
本発明に係る硬貨繰出装置において、前記コイン押圧手段は圧縮バネ等といった弾性付勢部材によって前記回転盤の中心方向へ付勢される構成とすることができる。この構成により、コイン押圧手段からコインに付与される力を所望の大きさに正確に設定することができる。
本発明に係る硬貨繰出装置において、前記送出阻止手段は、(1)前記コイン押圧手段によって押し遣られた外側のコイン又は内側のコインの一方が乗り上がる乗上げ用突部を回転盤上に設けること、(2)回転盤を傾斜状態で配置すること、(3)送出手段の上端辺の幅をコインの厚さよりも小さくすること、及び(4)コイン押圧手段の下流位置であって送出手段の上流位置に規制部材を設けること、のいずれか1つ又はそれらの2つ以上の組み合せによって構成することができる。しかしながら、前記送出阻止手段は、上記の乗上げ用突部によって構成されることが望ましい。これにより、回転盤上で連続して連なって搬送される2枚のコインのうちの一方を確実に収納部へ回収し、1枚のコインだけを送出手段へ送り込むことができる。
本発明に係る硬貨繰出装置において、前記コイン押用突部は複数個が前記回転盤の盤面上の1つの円軌跡上に設けることができる。そして、前記乗上げ用突部は前記コイン押用突部についての円軌跡と同じ円軌跡上に設けることができる。
この構成によれば、送出手段を回転盤に近接する送出レールによって構成することにした場合に、送出レールがコイン押用突部とぶつかることを回避するための溝と、送出レールが乗上げ用凸部とぶつかることを回避するための溝とを共通にすることが可能となる。
本発明に係る硬貨繰出装置において、前記コイン押用突部は搬送可能な最大直径のコインを搬送できる位置に設けることができる。そしてこの場合、当該コイン押用突部は前記最大直径のコインよりも径が小さい2つのコインを前記回転盤の盤面上で連なった状態で搬送できることが望ましい。
これにより、小型のコインから大型のコインまで多種類のコインを本硬貨繰出装置によって取り扱うことが可能になる。そして、このようにして小さい2つのコインが回転盤の盤面上で連なって搬送される事態が生じた場合でも、本発明に係る硬貨繰出装置ではコイン押圧手段と送出阻止手段との協働により、それら2つのコインのうちの1つだけを安定して外部へ繰出すことができる。
次に、本発明に係る硬貨処理装置は、複数のコインを1枚ずつ繰り出す硬貨繰出装置と、当該硬貨繰出装置から繰り出されたコインに対して処理を行う硬貨処理手段とを有する硬貨処理装置において、前記硬貨繰出装置が以上に説明した各構成の硬貨繰出装置によって構成されることを特徴とする。
既述の通り、本発明に係る硬貨繰出装置によればコイン出口から所定の時間間隔すなわち所定の距離間隔で硬貨を1枚ずつ正確に繰り出すことができるので、硬貨処理装置において搬送される複数の硬貨の間隔不良による硬貨識別装置での誤認識や、誤認識の結果として無用のリジェクト(すなわち返却)が行われること、等を防止できる。
本発明に係る硬貨繰出装置においては、外側コイン又は内側コインをコイン押圧手段によって強制的に搬送方向の下流側へ押し遣ることにし、さらに押し遣られたコインが送出手段に取り込まれることを送出阻止手段によって阻止することにしたので、適用可能な2枚の最小径の硬貨が回転盤によって誤って連続して連なった状態で搬送された場合でも、最小径の硬貨を確実に所定間隔で分離して繰り出すことができる。
本発明に係る硬貨繰出装置の一実施形態を示す斜視図である。 図1のB−B線に従った回転盤の断面図である。 図1の硬貨繰出装置の正面図であり、特に回転盤を分かり易く示す図である。 図3のa−a断面、b−b断面、c−c断面、d−d断面の構造を示す断面図である。 図3と同じ部分を示す正面図であるが、図3とは異なった構成部品を詳しく説明する図である。 図1の硬貨繰出装置の動作を説明するための図であり、最大径の硬貨の処理動作を示す図である。 図1の硬貨繰出装置の他の動作を示す図であり、最小径の硬貨の処理動作を示す図である。 図7の動作に引き続く動作を示す図である。 図1の硬貨繰出装置のさらに他の動作を示す図であり、図7の動作とは異なった最小径の硬貨の処理動作を示す図である。 図9の動作に引き続く動作を示す図である。 本発明に係る硬貨処理装置の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る硬貨処理装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る硬貨繰出装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、本明細書に添付した図面では特徴的な部分を分かり易く示すために実際のものとは異なった比率で構成要素を示す場合がある。
(全体的な構成)
図1は、本発明に係る硬貨繰出装置の一実施形態を示している。本実施形態の硬貨繰出装置1ではコインとして硬貨が取り扱われるものとする。また、本実施形態では、直径16mmの最小硬貨から直径27mmの最大硬貨までの複数種類の大きさの硬貨を扱うことが可能である。
自動販売機等といった自動機器はそれ自体が硬貨処理装置である。また、その自動機器の内部には必要に応じて各種の硬貨処理装置が設置される。例えば、硬貨を搬送する処理や、硬貨の種類を識別する処理や、硬貨を金種別に振分ける処理や、その他硬貨に対して必要となる各種の処理を行う硬貨処理装置が自動機器の内部に設置される。
図1の硬貨繰出装置1は上記の硬貨処理装置を構成する1つの構成機器として用いられる。例えば、この硬貨繰出装置1は、利用者が自動機器へ一括で入金した複数枚の硬貨を収納すると共に、それらの硬貨を1枚ずつ硬貨処理装置内の後段の機器、例えば硬貨搬送処理部へ繰出す機能を奏する。
図1において、硬貨繰出装置1は、複数の硬貨を収納するための容器である収納部2と、その収納部2の内部に設けられた回転盤3とを有している。収納部2は本体ケーシング4に取り付けられている。回転盤3は中心線X0を中心として回転可能に本体ケーシング4に取り付けられている。本体ケーシング4の適所にはモータ(図示せず)が設けられており、回転盤3はこのモータによって駆動されて矢印Aで示すように回転する。モータと回転盤3との間には必要に応じて減速機が設けられる。本実施形態ではモータの出力軸が時計回転する状態が正転であり、反時計回転する状態が逆転である。
収納部2はホッパと呼ばれることがある。収納部2は複数の硬貨を収納できる金属製又はプラスチック製の容器によって形成されている。収納部2の下部にはセンサ(図示せず)が設けられており、このセンサにより収納部2内に硬貨が有るか無いかを判別する。図2は図1の矢印B−Bに従って回転盤3の縦断面構造を示している。図2に示すように、収納部2に収納された硬貨5は回転盤3の盤面3dに接触する。盤面3dは水平方向Xh及び鉛直方向(重力が作用する方向)Xvの両方に対して傾斜している。具体的には、鉛直方向Xvに対して角度θ0で傾斜している。角度θ0は硬貨5の掻き揚げ処理を円滑且つ安定に行うことができる適宜の角度に設定される。
図1において、回転盤3の周囲には、回転盤3の回転方向Aに沿った上流側から順に、コイン押圧手段としてのコイン押圧部材7と、2枚以上の硬貨が重なって搬送されることを規制する規制部材8と、送出手段としての送出レール9とが設けられている。規制部材8の裏面と回転盤3の盤面3dとの間には、適用される硬貨の中で最大の厚さを有する硬貨5の1枚の厚さよりもわずかに大きい隙間が形成されている。規制部材8は硬貨を1枚だけ通過させるように硬貨の通過を規制する。
送出レール9はコイン出口10から斜め上方へ延在している。送出レール9は回転盤3に対して微小間隔を形成するように本体ケーシング4の機枠によって位置不動に固定配置されている。回転盤3によって搬送された硬貨は送出レール9の上辺に乗って1枚ずつ回転盤3の外部へ送出される。
(回転盤3に関連する構成)
図3は回転盤3を正面から見た場合の硬貨繰出装置1の構成を示している。図3では、構造を分かり易くするために、収納部2を仮想線で簡単に示し、さらに規制部材8の図示を省略している。図3において回転盤3は、硬貨5と接触する盤面3dを形成している表材3aと、表材3aの裏側に設けられた第1の裏材3bと、同じく表材3aの裏側に設けられた第2の裏材3cとによって構成されている。表材3aは例えばプラスチックによって円板状に形成されている。第1の裏材3bは金属、例えば鉄を主成分とする金属によって環状、すなわちリング状に形成されている。第2の裏材3cは金属、例えば鉄を主成分とする金属によって概ね角板状に形成されている。
回転盤3の盤面3d上には複数種類の突部が設けられている。具体的には、コイン載せ用突部としての複数(本実施形態では4個)の突起12と、乗上げ用突部としての複数(本実施形態では4個)の内側凸部13と、コイン押用突部としての複数(本実施形態では4個)の内側爪14と、乗上げ用突部としての複数(本実施形態では4個)の外側凸部15と、コイン押用突部としての複数(本実施形態では4個)の外側爪16と、複数(本実施形態では4個)の掻揚げ用突部17とが設けられている。
突起12、内側凸部13、内側爪14、外側凸部15、外側爪16、そして掻揚げ用突部17の各突部の盤面3dからの高さは約2mmである。2mmという寸法は、取り扱われるコインの最大の厚さよりも少し小さい寸法である。
4個の突起12は回転盤3の回転中心線X0を中心とする1つの円軌跡C1上に等角度間隔で設けられている。4個の内側凸部13は他の1つの円軌跡C2上に等角度間隔で設けられている。4個の内側爪14は内側凸部13と同じ円軌跡C2上に等角度間隔で設けられている。4個の外側凸部15は他の1つの円軌跡C3上に等角度間隔で設けられている。4個の外側爪16は外側凸部15と同じ円軌跡C3上に等角度間隔で設けられている。そして、4個の掻揚げ用突部17は他の1つの円軌跡C4上に等角度間隔で設けられている。
回転盤3の表材3aの円軌跡C1の部分には4つの貫通孔K1が形成されている。そして、d−d断面である図4(d)に示すように、第2の裏材3cから延びている起立片が貫通孔K1を貫通することによって突起12が形成されている。また、図3の回転盤3の表材3aをプラスチックによって成形する際に円軌跡C2の部分に図4(c)(図3のc−c断面に相当)に示すように内側凸部13が形成され、さらに円軌跡C3の部分に図4(b)(図3のb−b断面に相当)に示すように外側凸部15が形成される。回転盤3の回転方向Aに沿って内側凸部13及び外側凸部15の上流側の端部はテーパ面(すなわち傾斜面)Tとなっている。一方、内側凸部13及び外側凸部15の下流側の端部は直角な面となっている。
図3の回転盤3の表材3aの円軌跡C2の部分には4つの貫通孔K2が等角度間隔で形成されている。そして、図4(c)(図3のc−c断面に相当)に示すように、第1の裏材3bから延びている起立片が貫通孔K2を貫通することによって内側爪14が形成されている。また、図3の回転盤3の表材3aの円軌跡C3の部分には4つの貫通孔K3が等角度間隔で形成されている。そして、図4(b)に示すように、第1の裏材3bから延びている起立片が貫通孔K3を貫通することによって外側爪16が形成されている。
さらに、図3の回転盤3の表材3aをプラスチックによって成形する際に円軌跡C4の部分に図4(a)に示すように掻揚げ用突部17が形成される。回転盤3の回転方向Aに沿って掻揚げ用突部17の上流側の端部はテーパ面(すなわち傾斜面)Tとなっている。一方、掻揚げ用突部17の下流側の端部は直角な面となっている。
なお、本実施形態では図3の回転盤3を表材3a、第1の裏材3b及び第2の裏材3cといった複数の部材によって形成しているが、回転盤3を1つの部材によって形成しても良いことはもちろんである。このように回転盤3を1つの部材で形成する場合には、突起12、内側凸部13、内側爪14、外側凸部15、外側爪16、そして掻揚げ用突部17といった各種の突部はその1つの部材の一部分として形成されることになる。
本実施形態において、図3の突起12は内側爪14及び外側爪16と協働して、収容部2内に貯留された複数枚の硬貨5から1枚の硬貨を掻き揚げる。この場合、突起12は硬貨を載せる作用を奏し、内側爪14及び外側爪16は硬貨の搬送方向に見た後方側の一部を押す作用を奏する。また、内側凸部13及び外側凸部15は、コイン押圧部材7によって押し遣られた又は弾き飛ばされた小径硬貨を乗り上げさせることで、硬貨が送出レール9に取り込まれることを阻止する働きをする。この働きにより、小径硬貨が2枚連続して連なって送出レール9へ向けて搬送されることを防止できる。
(コイン押圧部材7に関連する構成)
図5において硬貨繰出装置1の構成は図3に示した硬貨繰出装置1の構成と全く同じである。図3は主に回転盤3の構成を分かり易く示している。一方、図5はコイン押圧部材7に関連する構成を分かり易く示している。
図2に示すように回転盤3の盤面3dは傾斜した状態で上下方向へ延在している。図5において、回転盤3の最下位の位置を角度0°の位置とし、回転盤3の回転方向Aに沿って角度90°、180°、270°、360°の各位置を考える。すると、本実施形態においてコイン押圧部材7のコイン押圧部7aの全体又は一部分は角度90°から角度180°の角度範囲内の領域に配置される。また、送出レール9の先端部(すなわちコイン受取り部)9aは角度180°から角度270°の角度範囲内の領域に配置される。
コイン押圧部材7の周辺には、硬貨5を案内するための壁部材20が回転盤3の外周面に沿って設けられている。コイン押圧部材7のコイン押圧部7aは壁部材20の一部に設けた開口から回転盤3の前方領域へ臨み出ている。コイン押圧部7aは本実施形態では円弧形状に形成されている。この円弧形状の曲率は回転盤3の外周面の曲率と同じか、あるいは回転盤3の外周面の曲率よりも小さく(すなわち回転盤3の外周面よりも緩やかな曲面として)形成されている。コイン押圧部7aは平面であっても良い。
壁部材20の盤面3dからの高さ(図5の紙面を貫通する方向の長さ)は5mm〜15mmである。コイン押圧部材7は壁部材20と略同じ高さを有している。コイン押圧部材7は軸21を中心として回動可能である。コイン押圧部材7の背面と本体ケーシング4の壁4aとの間に弾性付勢部材としての圧縮バネ22が設けられている。コイン押圧部材7のコイン押圧部7aは圧縮バネ22に付勢された状態で壁部材20のわずか前方へ臨出している。
コイン押圧部材7が圧縮バネ22で付勢されている自然状態において、コイン押圧部7aの中心点と回転盤3の中心線X0とを結ぶ直線が水平線Xhと成す角度θ1は約55°である。また、回転盤3の中心線X0からコイン押圧部7aのそれぞれの片側の端部を見込む角度θ2は約10°である。
圧縮バネ22はコイン押圧部材7に付勢力を加えるものである。この圧縮バネ22のバネ力は、コイン押圧部材7が硬貨を押し遣るとき又は弾くときの力の強さを測定し、その測定によって最良値を設定することが望ましい。本発明者の実験によれば、約0.7N(ニュートン)が好適であった。バネ力が強過ぎると硬貨が凸部13,15にてジャンプして(すなわち飛び上って)しまい、送出レール9に乗ってしまうことや、正常に突起12に載っている硬貨に衝突してその硬貨を収納部2へ落下させてしまったりするおそれがあるので、注意が必要である。
(送出レール)
送出レール9の裏面は回転盤3の盤面3dに近接している。具体的には、送出レール9の裏面と回転盤3の盤面3dとの間の隙間は硬貨5の厚さよりも小さい値に設定されている。これにより、送出レール9の先端部9aの所まで硬貨5が搬送されると、その硬貨5は送出レール9の上端に載る。その後、硬貨5は送出レール9の上端辺を転がって矢印Dで示す方向へ送り出される。送出レール9の上端辺の幅(図5の紙面を貫通する方向の長さ)は約1mmである。送出レール9によって外部(コイン出口10)へ繰出された硬貨5は送出検知器によって検知される。送出検知器は、例えば発光素子25と受光センサ26とから成る光センサによって構成できる。
送出レール9の先端部9aの位置は、円軌跡C1上を回転する突起12がぶつからない位置である。送出レール9の裏面には3つの溝27a,27b,27cが形成されている。これらの溝27a,27b,27cは、それぞれ、円軌跡C2,C3,C4のそれぞれに一致した位置に形成されている。凸部13,15、爪14,16及び突部17はこれらの溝27a,27b,27cの中を通過することにより、送出レール9にぶつかることなく回動することができる。
(検知系及び制御系)
本実施形態の硬貨繰出装置1には、硬貨の残留検知器、回転盤の回転検知器、硬貨の送出検知器等といった各種の検知器が設けられる。硬貨の残留検知器は、図1の収納部2内に硬貨が有るか無いかを検知する検知器である。回転検知器は回転盤3の回転速度を検知したり、回転盤3が停止したかどうかを検知するための検知器である。硬貨の送出検知器はコイン出口から繰出された硬貨を検知するための検知器である。
硬貨繰出装置1の制御を司る制御系は硬貨繰出装置1のための専用の制御装置であっても良いし、硬貨繰出装置1を1つの構成要素とする硬貨処理装置の制御を司る制御装置であっても良いし、あるいは、自動販売機等といった自動機器の制御を司る制御装置であってもよい。また、制御装置はコンピュータを含んだ制御装置であっても良いし、コンピュータを含まないシーケンス・コントローラによって構成された制御装置であっても良い。
(硬貨繰出装置の動作)
以下、上記構成より成る硬貨繰出装置1の動作を説明する。硬貨繰出装置1は当初、待機状態に置かれている。例えば自動販売機等といった自動機器に硬貨が投入されると、図1の収納部2内に硬貨が収納され、次いで、投入された硬貨の繰出し処理が開始される。
処理が開始されると、図1の本体ケーシング4の適所に設けられたモータ(図示せず)が作動して回転盤3が矢印A方向へ回転(正回転)を開始する。回転盤3が正回転すると、収納部2内に溜まった硬貨5は図3において回転盤3の盤面3d上の掻揚げ用突起17、内側爪14及び外側爪16によって上方へ掻き揚げられる。
掻き揚げられた硬貨5は、図6(a)に示すようにコイン載せ用突部としての突起12に載った状態でコイン押用突部としての2つの爪、すなわち内側爪14及び外側爪16によって外周面の一部を押されながら回転盤3の回転に応じて搬送される。この硬貨5は図1の規制部材8の裏側を通過する。このとき、不正に変形した硬貨や、2枚重なって搬送されてきた硬貨のうちの上側の硬貨は、規制部材8によって通過を阻止されて、規制部材8から落下する。
規制部材8を通過した正常な硬貨は、図6(b)に示すように、送出レール9の先端部9aに当接し、さらに送出レール9の上端辺に乗って移動する。この硬貨は、さらに内側爪14及び外側爪16によって押されて送出レール9上で搬送されて、回転盤3の外部へ送り出される。送り出された硬貨は、後段の各種の処理装置へ搬送されて、所定の処理を受ける。図6(a)及び図6(b)では硬貨5が搬送可能な最大径の硬貨である場合を示している。硬貨がより小径の硬貨である場合は、硬貨の上端が回転盤3の外周面に届かない状態となり、場合によっては内側爪14だけによって硬貨が押されることがある。
(付加的な処理)
本実施形態の硬貨繰出装置1においては、上記の正常な硬貨繰出し処理の他に、残留硬貨の監視処理、噛み込み発生の判断処理、噛み込み解除処理、繰出し不良の判断処理等といった各種の処理を行う。
(1)残留硬貨の監視処理は、図1の収納部2の適所に設けたセンサ(図示せず)の出力信号を監視することによって行われる。具体的には、センサが硬貨を検知しなくなったときに、硬貨の残留がなくなったものと判断する。
(2)噛み込み発生の判断処理は、図1の本体ケーシング4の適所に設けたモータの出力軸の回転速度の変化又は停止の検知や、モータへの過電流の検知によって判断する。回転速度及び過電流の両方から総合的に判断することもできる。例えば、回転盤3が停止していない場合でも、過電流が継続的に検出されたときには、規制部材8による硬貨の噛み込みが発生したと判断できる。
(3)噛み込み解除処理は、規制部材8への硬貨5の噛み込みが発生したと判断された場合に行われる。この噛み込み解除処理は、回転盤3を逆回転させて硬貨を戻し移動させることによって行われる。この逆転は予め定められた時間をかけて行う。回転盤3を逆転させても噛み込みが解消しない場合には、回転盤3を再度、正回転させる。また、噛み込みが繰り返して発生する場合には、回転盤3を再度、逆回転させる。この再度の逆転処理を所定回数繰り返して行っても噛み込みが解消しない場合は、異常が発生していると判断して、硬貨の繰出し処理を終了する。
(4)繰出し不良の判断処理は次のようにして行われる。すなわち、図1の収納部2の適所に設けたコイン残留検知センサ(図示せず)によって残留硬貨が有ると判断されている状態で、回転盤3が正回転しているにも関わらず、所定時間経っても硬貨の繰出しが成されない場合に、繰出し不良と判断する。繰出し不良と判断した場合には、モータの逆回転及び回転速度の変速の両方又はいずれか一方を行う。
(小硬貨が連なって搬送される第1のケース)
本実施形態では図6(a)に示すように、最大直径である直径27mmの大硬貨5を搬送できるように突起12、内側爪14及び外側爪16の回転盤3上における設置位置が決められている。突起12、内側爪14及び外側爪16の設置位置をこのように大硬貨用に設定すると、図7(c)に示すように、最小直径である直径16mmの2枚の小硬貨35が互いに平面的に連なった状態で突起12、内側爪14、外側爪16及び掻揚げ用突部17の上に掻き揚げられてしまうことがある。
具体的には、図7(c)に示す場合は、外側の硬貨35Aが外側爪16に載り、内側の硬貨35Bが外側の硬貨35Aと突起12に載っている。このような2枚の硬貨35A及び35Bがコイン押圧部材7に到達すると、図7(d)に示すように外側の硬貨35Aがコイン押圧部材7を圧縮バネ22のバネ力に抗してコイン押圧部材7を持ち上げる。圧縮バネ22のバネ力はコイン押圧部材7を通して外側硬貨35A及び内側硬貨35Bのそれぞれへ伝わる。
互いに連なっている外側硬貨35A及び内側硬貨35Bがコイン押圧部材7に当接すると、外側硬貨35Aには外側爪16と内側硬貨35Bとの位置関係のために現状の位置に留まる方向の力が加わる。一方、内側硬貨35Bは、外側硬貨35Aと突起12との位置関係のために、送出レール9側へ向かうベクトルV1方向へ押し遣られる。押し遣られた内側硬貨35Bは図8(e)に示すように回転盤3の回転方向Aに沿って下流側に位置する外側凸部15又は内側凸部13の上に乗り上げ、そして送出レール9の上辺に乗ること無くそのレール9上を通過して、収納部2へ落下する。
一方、外側硬貨35Aは、内側硬貨35Bの落下によって発生したスペースへ自重によって移動して内側爪14及び突起12の上に載る。さらに外側硬貨35Aは図8(f)に示すように自重で移動して送出レール9の上に載る。その後、外側硬貨35Aは送出レール9上を移動した後にコイン出口10から外部へ繰り出される。
(小硬貨が連なって搬送される第2のケース)
図9(g)に示すように、外側硬貨35Aが内側硬貨35Bの上に載り、内側硬貨35Bが内側爪14及び突起12の上に載ることがある。このような連なり状態にある2つの硬貨35A及び35Bのうちの外側の硬貨35Aが図9(h)に示すようにコイン押圧部材7に到達すると、まず、外側硬貨35Aがコイン押圧部材7を持ち上げる。そして、圧縮バネ22による付勢力がコイン押圧部材7を通して各硬貨35A,35Bへ加わる。
このとき、内側硬貨35Bは突起12と内側爪14の上に乗っており、外側硬貨35Aは単に内側硬貨35Bの上に乗っている状態である。このため、外側硬貨35Aは付勢されたコイン押圧部7aに対する接触の初期段階では動きが不安定になり、その結果、収納部2へ落下することが多い。また、外側硬貨35Aと内側硬貨35Bとの接触状態が比較的安定していてそれらの硬貨がコイン押圧部7aの中心点付近まで搬送された場合であっても、外側硬貨35Aはコイン押圧部材7によって送出レール9側へ向かうベクトルV2方向へ押し遣られて弾かれる。そして、内側硬貨35Bは突起12と内側爪14との上に乗った状態に留まる。なお、外側硬貨35Aには比較的大きな遠心力が加わるので、外側硬貨35Aはバネ22による付勢力と遠心力との相乗効果によってベクトルV2方向へ押し遣られる。
コイン押圧部材7によって押し遣られて弾かれた外側硬貨35Aは、図10(i)に示すように回転盤3の回転方向Aの下流側に設けられている内側凸部13及び外側凸部15に乗上げる。これにより、外側硬貨35Aは送出レール9の上を通過して収納部2へ落下する。一方、内側硬貨35Bは弾かれること無く内側爪14と突起12の上に乗ったままの状態で搬送され、回転盤3の頂点領域を越えた後に自重によって移動して、図10(j)に示すように送出レール9へ移動する。その後、内側硬貨35Bは送出レール9の上辺を転がって移動した後、コイン出口10へ繰出される。
(送出阻止手段)
本実施形態では、図7(c)及び図9(g)に示すように複数枚のコイン35が連なった状態で搬送されたときに、最も外側のコイン35A又は内側のコイン35Bの一方が送出レール9に取り込まれることを阻止する送出阻止手段が設けられている。
具体的には、
(1)乗上げ用突部である内側凸部13及び外側凸部15の少なくとも1つを設けること、
(2)回転盤3を図2に示すように傾斜状態で配置すること、
(3)送出レール9の上端辺の幅(すなわち回転盤3の盤面3dからの高さ方向の幅)を硬貨35の厚さよりも小さくしていること、及び
(4)図1に示すようにコイン押圧部材7の下流位置であって送出レール9の上流位置に規制部材8を設けること、
のいずれか1つ又はそれらの2つ以上の組み合せによって送出阻止手段を構成することができる。
より具体的には、
(1)コイン押圧部材7によって押し遣られた硬貨35を内側凸部13及び/又は外側凸部15に乗り上がらせることにより、その硬貨35を収納部2へ落下させることができる。また、
(2)回転盤3を傾斜状態とすることにより、コイン押圧部材7によって押し遣られた硬貨35を自重によって落下させることができる。また、
(3)送出レール9の上端辺の幅を硬貨35の厚さよりも小さくすることにより、コイン押圧部材7によって押し遣られた硬貨35が送出レール9の上端辺に載ることができずに収納部2へ落下するように構成できる。さらに、
(4)規制部材8を設けることにより、コイン押圧部材7に押し遣られることで動いた状態の硬貨35を収納部2へ落下させることができる。
(実施形態に係る硬貨繰出装置1によってもたらされる作用及び効果)
以上の説明から理解されるように、本実施形態の硬貨繰出装置1によれば、収納部2に収納された多種類で複数枚の硬貨をコイン出口10から1枚ずつ分離して繰出すという作用を安定して確実に繰り返して実行できる。
特に、コイン押圧部材7を設けたので、適用可能な最大径の硬貨5と適用可能な最小径の硬貨35との大きさの差を広く設定した場合でも、最小径の硬貨35を確実に所定間隔で分離して繰り出すことができる。
コイン出口10から2枚の硬貨が連続して連なって繰出されてしまうとセンサ26(図5参照)がそれらの2枚の硬貨を1枚の硬貨であると誤認識してしまうおそれがあるが、本実施形態の硬貨繰出装置1によればそのような誤認識が生じる心配はない。そして、このようにしてコイン出口10から2枚の硬貨が連続して連なって繰出されてしまうことを防止できることにより、繰出し先の硬貨識別装置で硬貨の誤判定が発生することを防止できる。
本実施形態の硬貨繰出装置1では、図6(a)に示すように、最大硬貨(直径27mm)を好適に掻き揚げることができるように、爪14,16と突起12とによって形成される硬貨の収容領域を最大硬貨より少し広い領域としている。そのため、処理可能な最小硬貨(直径16mm)は図7(c)に示すように爪14,16と突起12とによって形成される領域に2枚が入り込んでしまうという不都合が発生する可能性がある。
このような不都合に対処するため、本実施形態では、コイン押圧部材7の付勢力により硬貨を回転盤3の回転方向(すなわち硬貨の搬送方向)の下流側へ押し遣る又は弾き飛ばすようにしている。図5においてコイン押圧部材7の水平からの角度θ1を適正に設定し、さらにコイン押圧部材7の端部の見込み角度θ2を適正に設定しているのは、コイン押圧部材7による上記の硬貨押し遣り効果を十分に発揮させるためである。
(硬貨繰出装置に関するその他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、上記実施形態ではコインとして硬貨を適用したが、コインはその他の円板形状の物体、例えばメダル等を適用することができる。
上記実施形態では図3において回転盤3の表材3aをプラスチックによって形成し、金属製の第1の裏材3bの一部である起立部によって表材3aを貫通させることにより内側爪14及び外側爪16を形成し、さらに、金属製の第2の裏材3cの一部である起立部によって表材3aを貫通させることにより突起12を形成した。
しかしながら、回転盤3を金属によって形成し、内側爪14、外側爪16及び突起12をエンボス加工によって形成することもできる。また、***部位を設けた加工板金を回転盤3の回転軸部材に取り付けるという構成を採用することもできる。
(硬貨処理装置の第1の実施形態)
次に、本発明に係る硬貨処理装置を実施形態に基づいて説明する。
図11は、本発明に係る硬貨処理装置の一実施形態をブロック図によって示している。この硬貨処理装置51は、硬貨の投入を受ける入金口52と、入金口52から一括して投入された複数枚の硬貨(すなわちコイン)を受け入れてそれらを1枚ずつ後段機器へ繰出す入金繰出部53とを有している。この入金繰出部53は、例えば、以上に説明した図1に示した硬貨繰出装置1によって構成される。
硬貨処理装置51は、さらに、入金繰出部53から繰出された硬貨をベルトにより振分部56へ搬送する入金搬送部54と、入金搬送部54による搬送路の途中に設けられていて硬貨を識別する識別部55と、入金された硬貨を金種別に所定の収納部へ振分ける振分部56と、利用者が投入した入金硬貨や係員が投入した補充硬貨を保留するための一時保留部57とを有している。振分部56は、識別部55からの情報に基づいて、処理対象でない硬貨、例えば偽硬貨、その他の異物等、をリジェクト硬貨として、他の正規の硬貨と別に振分ける。
硬貨処理装置51は、さらに、スタッカ部58を有している。このスタッカ部58は、硬貨を金種毎に大量に収納する収納部と、収納した硬貨を1枚ずつ繰出す(すなわち、放出する)放出機構とを備えている。この放出機構は、取引に応じて出金が必要な場合や、硬貨の回収時に作動する。この放出機構は、出金硬貨を出金搬送部へ放出し、また、回収硬貨を回収庫へ放出する。このスタッカ部58において硬貨を1枚ずつ他の処理部へ向けて繰出す際には、以上に説明した図1に示した硬貨繰出装置1を適用できる。
硬貨処理装置51は、さらに、スタッカ部58から放出された出金硬貨を搬送する出金搬送部59を有している。この出金搬送部59は、上記のリジェクト硬貨や、入金繰出部53の残留物(例えば、残留硬貨、異物等)や、利用者による返却硬貨等も搬送する。硬貨処理装置51の接客部には出金口61が設けられており、この出金口61は出金搬送部59によって搬送された硬貨を保留し、さらに出金、すなわち返却する。
硬貨処理装置51の適所には補充部62が設けられている。この補充部62は、係員によって補充された硬貨を収納する部分であり、収納した硬貨をスタッカ部58へ補充するために放出する放出機構をさらに有している。この放出機構として、以上に説明した図1に示した硬貨繰出装置1を適用することができる。硬貨処理装置51は、さらに、金庫部63を有している。係員はスタッカ部58に収納された硬貨を回収でき、その回収した硬貨をこの金庫部へ収納できる。
以上に述べた各機能部は、制御部64からの指令に従って所定の動作を行う。この制御部64は、本発明に係る硬貨繰出装置によって構成された入金繰出部53の制御部としても機能する。
以上の構成からなる本実施形態の硬貨処理装置51は、入金繰出部53として図1に示した硬貨繰出装置1を用いている。既述の通り、本発明に係る硬貨繰出装置1によれば、コイン出口10(図1)から所定の時間間隔すなわち所定の距離間隔で硬貨を1枚ずつ正確に繰り出すことができるので、搬送される複数の硬貨の間隔不良による硬貨識別装置での誤認識や、誤認識の結果として無用のリジェクト(すなわち返却)が行われること、を防止できる。
(硬貨処理装置の第2の実施形態)
次に、本発明に係る硬貨処理装置を他の実施形態に基づいて説明する。
図12は、本発明に係る硬貨処理装置の他の実施形態を示している。ここに示した硬貨処理装置100においては、コイン投入部101から投入された複数の硬貨が硬貨繰出装置102へ送り込まれる。この硬貨繰出装置102は、例えば図1に示した本発明に係る硬貨繰出装置1によって構成される。
送り込まれた硬貨は、硬貨繰出装置102内において収納部2内に収納され、さらに回転盤3の盤面上に設けられた突起12、内側凸部13,15、爪14,16等が回転盤3の回転に従って回転することにより1枚ずつ硬貨繰出装置102の外部へ繰出される。繰出された硬貨は搬送部106により硬貨識別装置107、硬貨振分装置108等へ搬送される。硬貨識別装置107は、搬送されてきた硬貨の種類を判別して信号を出力する。硬貨振分装置108は、搬送されてきた硬貨を硬貨識別装置107の出力信号に基づいて種類別に各格納部へ振分ける。
本実施形態の硬貨処理装置100は、入金繰出部として図1の硬貨繰出装置1を用いている。既述の通り、本発明に係る硬貨繰出装置1によれば、コイン出口10(図1)から所定の時間間隔すなわち所定の距離間隔で硬貨を1枚ずつ正確に繰り出すことができるので、搬送される複数の硬貨の間隔不良による硬貨識別装置107での誤認識や、誤認識の結果として無用のリジェクト(すなわち返却)が行われること、を防止できる。
1.硬貨繰出装置、2.収納部、3.回転盤(送出阻止手段)、3a.表材、3b.第1の裏材、3c.第2の裏材、3d.盤面、4.本体ケーシング、5.硬貨(大硬貨)、7.コイン押圧部材(コイン押圧手段)、7a.コイン押圧部、8.規制部材(送出阻止手段)、9.送出レール(送出手段、送出阻止手段)、9a.先端部(コイン受取り部)、10.コイン出口、12.突起(コイン載せ用突部)、13.内側凸部(乗上げ用突部/送出阻止手段)、14.内側爪(コイン押用突部)、15.外側凸部(乗上げ用突部/送出阻止手段)、16.外側爪(コイン押用突部)、17.掻揚げ用突部、20.壁部材、21.軸、22.圧縮バネ(弾性付勢部材)、25.発光素子、26.受光センサ、27a,27b,27c.溝、35.小硬貨、35A.外側の硬貨、35B.内側の硬貨、51.硬貨処理装置、52.入金口、53.入金繰出部、54.入金搬送部、55.識別部、56.振分部、57.一時保留部、58.スタッカ部、59.出金搬送部、61.出金口、補充部62、金庫部63、制御部64、100.硬貨処理装置、101.コイン投入部、102.硬貨繰出装置、106.搬送部、107.硬貨識別装置、108.硬貨振分装置、A.円盤回転方向、C1,C2,C3,C4.円軌跡、K1,K2,K3,K4.貫通孔、T.テーパ面(傾斜面)、X0.中心線、Xh.水平方向、Xv.鉛直方向、θ0.回転盤の傾斜角度、θ1.コイン押圧部材の水平からの角度、θ2.コイン押圧部の見込み角度、

Claims (8)

  1. 複数枚のコインを収納できる収納部と、
    当該収納部内に収納された前記複数枚のコインが接触する盤面を有すると共に自身を貫通する回転中心線を中心として回転可能である回転盤と、
    前記回転盤の盤面上に設けられておりコインの外周面の一部分を押すことにより当該コインを搬送するコイン押用突部と、
    当該コイン押用突部によって搬送されるコインを前記回転盤の外部へ送り出す送出手段と、を有する硬貨繰出装置において、
    前記回転盤の回転方向に沿って前記送出手段の上流側にコイン押圧手段が設けられており、
    当該コイン押圧手段は、前記回転盤の盤面上で連なった状態で搬送される複数のコインの最も外側のものの外周面に当接し、当該最も外側のコイン又はそのコインに連なっている内側のコインの一方をそれらの搬送方向の下流側へ押し遣るように前記最も外側のコインを押圧し、さらに
    前記最も外側のコイン又は前記内側のコインの一方が前記送出手段に取り込まれることを阻止する送出阻止手段が設けられている
    ことを特徴とする硬貨繰出装置。
  2. 前記回転盤は、前記盤面を上にした状態で水平方向と鉛直方向との間の角度範囲内で傾斜していることを特徴とする請求項1記載の硬貨繰出装置。
  3. 前記回転盤の盤面は円形状であり、
    当該盤面の最下位の位置を角度0°の位置としたとき、前記コイン押圧手段のコイン押圧部は前記回転盤の回転方向に沿って角度90°から角度180°の角度範囲の領域内に設けられており、前記送出手段のコイン受取り部は角度180°から角度270°の角度範囲の領域内に設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の硬貨繰出装置。
  4. 前記コイン押圧手段は、弾性付勢部材によって前記回転盤の中心方向へ付勢されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の硬貨繰出装置。
  5. 前記送出阻止手段は、前記押し遣られた外側のコイン又は内側のコインの一方が乗り上がる乗上げ用突部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の硬貨繰出装置。
  6. 前記コイン押用突部は複数個が前記回転盤の盤面上の1つの円軌跡上に設けられており、前記乗上げ用突部は前記コイン押用突部についての円軌跡と同じ円軌跡上に設けられることを特徴とする請求項5記載の硬貨繰出装置。
  7. 前記コイン押用突部は搬送可能な最大直径のコインを搬送できる位置に設けられており、当該コイン押用突部は前記最大直径のコインよりも径が小さい2つのコインを前記回転盤の盤面上で連なった状態で搬送できる領域を形成していることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の硬貨繰出装置。
  8. 複数のコインを1枚ずつ繰り出す硬貨繰出装置と、当該硬貨繰出装置から繰り出されたコインに対して処理を行う硬貨処理手段とを有する硬貨処理装置において、前記硬貨繰出装置は請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の硬貨繰出装置であることを特徴とする硬貨処理装置。
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