JP4740043B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ピックアップ装置に関する。
近年、光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、HD DVD(High Definition DVD)、Blu-ray Disc(登録商標)等)の情報記録層に形成されたトラックにレーザー光を集光するためのサーボ制御として、例えば3ビームを用いた差動プッシュプル法等によるトラッキング制御が知られている。
この差動プッシュプル法等においては、先ず、半導体レーザーが出射するレーザー光から回折格子等により、例えば0次光と±1次回折光(3ビーム)を発生させる。尚、一般的に、0次光と±1次回折光との光量比を、10〜20:1とする回折効率を有する回折格子等が用いられる。この0次光及び±1次回折光は、各光学系(偏光ビームスプリッタ、コリメータレンズ、1/4波長板、対物レンズ等)を介して、光ディスクの情報記録層に形成されたトラックに集光される。そして、0次光の反射光(以下、0次反射光という)及び±1次回折光の反射光(以下、±1次反射光という)は、偏光ビームスプリッタにおいて例えば反射されることにより、光検出器の各受光面で受光される。図9を参照しつつ詳述すると、0次反射光は、4分割された0次反射光用の受光面A´乃至D´にて受光され、+1次反射光は、4分割(2分割でも良い)された+1次反射光用の受光面I´乃至L´にて受光され、−1次反射光は、4分割(2分割でも良い)された−1次反射光用の受光面E´乃至H´にて受光される。そして、各受光面A´乃至L´における反射光の光量に応じた光電変換信号に基づいて、{(受光面A´の光電変換信号+受光面B´の光電変換信号)−(受光面C´の光電変換信号+受光面D´の光電変換信号)}−k[{(受光面I’の光電変換信号+受光面J’の光電変換信号)−(受光面K’の光電変換信号+受光面L’の光電変換信号)}+{(受光面E’の光電変換信号+受光面F’の光電変換信号)−(受光面G’の光電変換信号+受光面H’の光電変換信号)}]を演算処理することにより、トラッキングエラー信号が検出される(尚、kは0次光の光量/±1次回折光の光量)。そして、このトラッキングエラー信号に基づいて、光ディスクの径方向に対物レンズが移動することにより、光ディスクの情報記録層に形成されたトラックにレーザー光を追従させることが可能となる。
また、近年の光ディスクにおいては、1つの情報記録層のみを有する光ディスクに比べてより多くの情報量を記録可能とするべく、複数の情報記録層を有する光ディスクが実現されている。そして、複数の情報記録層に形成されたトラックに対しても同様に、レーザー光を追従させるためのトラッキング制御が必要となる。
特開2005−203090号
しかしながら、光ディスクの各情報記録層に対して、差動プッシュプル法等に基づくトラッキング制御を行う場合、情報の記録又は再生の対象となる一の情報記録層とは異なる他の情報記録層からの0次反射光が発生し、正確なトラッキングエラー信号を検出することが出来なくなる可能性があり、この結果、安定したトラッキング制御を行うことが困難となる可能性があった。
以下、図8、図9を参照しつつ詳述する。例えば2つの情報記録層L0、L1を有する光ディスク100の情報記録層L1は、情報記録層L0、L1の何れに対しても情報の記録又は再生を可能とするべく、半透明反射膜から構成されている。このため、情報記録層L0に対して情報の記録又は再生を行うべく0次光を集光する場合(図8(a))、当該情報記録層L0からの0次反射光(実線)のみならず、情報記録層L1にて0次光が反射されることによる0次反射光(破線、以下、迷光という)が発生する。また、情報記録層L1に対して情報の記録又は再生を行うべく0次光を集光する場合(図8(b))、当該情報記録層L1からの0次反射光(実線)のみならず、当該情報記録層L1を0次光が透過して情報記録層L0にて反射されることにより迷光(破線)が発生する。この迷光の光量は、光ディスク100の製造誤差等に起因する情報記録層L0と情報記録層L1との間の層間厚み誤差に応じて変動したものとなっている。そして、迷光が、図9・斜線にて示すように、光検出器101の各受光面A´乃至L´にて受光されることにより、各光電変換信号が生成される。この各光電変換信号は、情報記録層L0と情報記録層L1との層間厚み誤差等に応じて変動する信号となるため、当該変動成分を含んだトラッキングエラー信号が検出される可能性があった。特に、受光面E´乃至L´における光電変換信号は、0次光と±1次回折光との光量比に基づいて増幅(k倍)されるため、トラッキングエラー信号に与える変動成分の影響が大きくなる可能性があった。この結果、安定したトラッキング制御が出来なくなる可能性があり、光ディスク100の各情報記録層に対する情報の記録又は再生を良好に行うことが困難となる可能性があった。
そこで従来においては、光検出器による迷光の受光を回避するべく、例えば迷光の光路に偏光ホログラムを設ける方法が特開2005−203090号に開示されている。この偏光ホログラムは、光検出器に迷光が入射しないように、例えば、迷光の全てを+1次回折光として回折するものである。しかしながら、偏光ホログラムを用いる場合、迷光を完全に回折させる(0次光を発生させない)ことが可能な回折格子形状としなければならず、高精度な偏光ホログラムの製造を要求されることとなり、工程数増加、コストアップ等を招く可能性があった。また、偏光ホログラムは波長依存性を有するため、温度変化によるレーザー光の波長変化や、半導体レーザーの製造誤差等に起因する波長誤差等により、迷光を完全に回折させることが困難となる可能性があった。この結果、従来の解決方法では、正確なトラッキングエラー信号を検出することが出来なくなる可能性があり、安定したトラッキング制御を行うことが困難となる可能性があった。
そこで、本発明は、複数の情報記録層を有する光ディスクの一の情報記録層にレーザー光を集光したときの、他の情報記録層からのレーザー光の反射光を、光検出器の受光面が受光することを禁止することが可能な光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための発明は、レーザー光を出射する半導体レーザーと、複数の情報記録層を有する光ディスクと、の間の光路上に、回折格子と、偏光ビームスプリッタと、1/4波長板と、対物レンズと、光検出器と、を備え、前記半導体レーザーから前記光ディスクまでの往光路において、前記回折格子は、前記レーザー光に基づいて、直線偏光する第1の0次光及び回折光を発生し、前記1/4波長板は、前記第1の0次光及び回折光が前記偏光ビームスプリッタを介して入射し、前記第1の0次光及び回折光を円偏光する第2の0次光及び回折光に変換して発生し、前記対物レンズは、前記第2の0次光及び回折光が入射し、前記第2の0次光及び回折光を前記光ディスクの一の情報記録層に集光するべく発生し、前記光ディスクから前記光検出器までの復光路において、前記対物レンズは、前記光ディスクの情報記録層から反射される前記第2の0次光及び回折光とは逆方向に円偏光する第3の0次光及び回折光を発生し、前記1/4波長板は、前記第3の0次光及び回折光が入射し、前記第3の0次光及び回折光を前記第1の0次光及び回折光とは直交する方向に直線偏光する第4の0次光及び回折光に変換して発生し、前記光検出器は、前記第2の0次光が前記光ディスクの一の情報記録層に集光する場合の前記第4の0次光を前記偏光ビームスプリッタを介して受光する0次光受光面と、前記第2の回折光が前記光ディスクの一の情報記録層に集光する場合の前記第4の回折光を前記偏光ビームスプリッタを介して受光する回折光受光面と、を有し、前記0次光受光面及び前記回折光受光面の受光結果に応じて、前記光ディスクに対する情報の記録又は再生を行うためのサーボ制御にかかる信号を発生する、光ピックアップ装置であって、前記1/4波長板は、前記往光路において、前記第1の0次光及び回折光を前記第2の0次光及び回折光に変換するとともに、前記復光路において、前記第3の0次光及び回折光を前記第4の0次光及び回折光に変換する領域と、前記往光路及び前記復光路において、前記偏光ビームスプリッタによって前記光検出器に出射されない前記第1の0次光及び回折光の直線偏光方向を変換せずに、当該第1の0次光及び回折光を透過する禁止領域と、を有し、前記領域に対して、前記禁止領域は、前記第2の0次光及び回折光が前記光ディスクの一の情報記録層に集光したときの前記光ディスクの他の情報記録層から反射され、前記領域及び前記偏光ビームスプリッタを介して得られた前記第4の0次光を、前記回折光受光面が受光しないための前記回折光受光面以上の大きさを有する領域を、当該第4の0次光に形成させる形状で設けられる、ことを特徴とする。
本発明によれば、光ディスクの一の情報記録層に対する情報の記録又は再生を行うためのサーボ制御にかかる信号への、他の情報記録層から反射されるレーザー光による影響を防止又は軽減することができる。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
===本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板6を具備する光ピックアップ装置1の全体構成===
図2、図3を参照しつつ、本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板6を具備する光ピックアップ装置1の全体構成の一例について説明する。図2(a)は、本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板6を具備する光ピックアップ装置1の全体構成と、半導体レーザー2から光ディスク50までの光路(往光路)を示す図である。図2(b)は、本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板6を具備する光ピックアップ装置1の全体構成と、光ディスク50から光検出器9までの光路(復光路)を示す図である。図3は、図2に示す光検出器9に対するレーザー光の照射の様子を示す図である。尚、図2に示す光ディスク50は、複数の情報記録層を有する光ディスクの一例として、半透明反射膜からなる情報記録層L1と情報記録層L0との2つの情報記録層を有するBlu-ray Discを示すものである。
光ピックアップ装置1は、半導体レーザー2、回折格子3、偏光ビームスプリッタ4、コリメータレンズ5、1/4波長板6、対物レンズ7、検出レンズ8、光検出器9を有する。尚、図2に示す光ピックアップ装置1は、一般的な光ピックアップ装置が有するトラッキング制御、フォーカス制御等のためのアクチュエータ、フロントモニタダイオード等は省略している。
半導体レーザー2は、例えばp型半導体とn型半導体とをpn接合したダイオードから構成されている。半導体レーザー2は、不図示のレーザー駆動回路からの制御電圧が印加されることにより、光ディスク50の保護層の厚み(0.1mm〜0.075mm)に対応する波長(400nm〜410nm)であって、図2紙面の上下矢印方向の偏光方向に直線偏光した(以下、上下矢印方向の直線偏光を、例えばp偏光という)レーザー光を出射する。尚、本実施形態においては、図2紙面上下矢印方向の偏光方向の直線偏光を、例えばp偏光として、以下説明する。また、本実施形態において、半導体レーザー2は、p偏光であるレーザー光を出射するものとして説明しているが、これに限るものではない。例えば、光ディスク50の各情報記録層のトラックに照射されるレーザー光の光強度を再生又は記録に適した光強度とするべく、レーザー光の偏光方向がp偏光とは所定角度(例えば30°)傾くように半導体レーザー2が設置される場合ある。この場合、半導体レーザー2と回折格子3との間に1/2波長板(不図示)を設け、1/2波長板から回折格子3に出射されるレーザー光をp偏光とするようにしても良い。
回折格子3は、半導体レーザー2からのp偏光であるレーザー光から、p偏光である例えば0次光と±1次回折光(第1の0次光及び回折光)を発生する。尚、本実施形態における回折格子3は、0次光と±1次回折光との光量比を、10〜20:1とする回折効率を有するものとして説明する。
偏光ビームスプリッタ4は、例えばp偏光を透過するとともに、p偏光の偏光方向と直交する偏光方向(図2紙面手前から奥方向及び奥から手前方向)のs偏光を検出レンズ8に反射可能な偏光膜を有し、この偏光膜は、半導体レーザー2を実使用可能な波長範囲(例えば405nm±10nm)において、透過率及び反射率が略一定のものである。そして、偏光ビームスプリッタ4は、回折格子3からのp偏光である0次光、±1次回折光を透過する。また、偏光ビームスプリッタ4は、0次光、±1次回折光が光ディスク50の一の情報記録層に集光される場合において、後述する1/4波長板6の第1領域10を介したs偏光である0次反射光、±1次反射光(図2(b)破線、第4の0次光及び回折光)を反射する。更に、偏光ビームスプリッタ4は、0次光、±1次回折光が光ディスク50の一の情報記録層に集光される場合において、1/4波長板6の第2領域11を介したp偏光である0次反射光、±1次反射光(図2(b)斜線)を透過する。尚、0次光、±1次回折光が光ディスク50の一の情報記録層に集光される場合、情報記録層L1が半透明反射膜にて構成されているため、他の情報記録層にて反射される0次反射光、±1次反射光(迷光)が発生することとなる。しかしながら、光検出器9にて受光された場合の±1次反射光(迷光)の光量は、回折格子3の回折効率による±1次回折光の光量(0次光の光量の1/10〜20)及び光検出器9に対する±1次反射光の非集光等に起因して、一般的にトラッキングエラー信号の検出には影響を及ぼさない程度の光量となるため、本実施形態において迷光とは、他の情報記録層からの0次反射光を指すものとする。
コリメータレンズ5は、偏光ビームスプリッタ4からのp偏光である0次光、±1次回折光を平行光に変換し、1/4波長板6に出射する。また、コリメータレンズ5は、1/4波長板6からのs偏光である0次反射光、±1次反射光を収束光に変換する。また、コリメータレンズ5は、1/4波長板6からのp偏光である0次反射光、±1次反射光を収束光に変換する。
1/4波長板6は、p偏光である0次光、±1次回折光を、A(右回り)方向に回転する円偏光(以下、A方向の円偏光という)に変換する(図2(a))ためであるとともに、A方向の円偏光である0次光、±1次回折光(第2の0次光及び回折光)が光ディスク50の各情報記録層にて反射されることにより発生するA方向とは逆のB(左回り)方向に回転する円偏光(以下、B方向の円偏光という)である0次反射光、±1次反射光(第3の0次光及び回折光)を、s偏光に変換する(図2(b)、第4の0次光及び回折光)ための第1領域10を有する。また、1/4波長板6は、p偏光である0次光、±1次回折光の偏光方向を変換せずに透過し、p偏光である0次反射光、±1次反射光の偏光方向を変換せずに透過するための第2領域11(禁止領域)を有する。この結果、1/4波長板6から対物レンズ7に対し、A方向の円偏光である0次光、±1次回折光、及びp偏光である0次光、±1次回折光が出射されることとなる。また、1/4波長板6からコリメータレンズ5に対し、s偏光である0次反射光、±1次反射光、及びp偏光である0次反射光、±1次反射光が出射されることとなる。尚、1/4波長板6の構成については、後述において詳細に説明する。
対物レンズ7は、光ディスク50の規格に対応した開口数(0.85)を有し、1/4波長板6からのA方向の円偏光である0次光、±1次回折光と、p偏光である0次光、±1次回折光とを、光ディスク100の一の情報記録層に集光する。この結果、A方向の円偏光及びp偏光である0次光は、光ディスク100の一の情報記録層に形成された情報の記録又は再生対象であるトラックに集光されるとともに、他の情報記録層を照射することとなる。尚、A方向の円偏光及びp偏光である0次光が、他の情報記録層を照射することにより、迷光が発生することとなる(以下、A方向の円偏光である0次光が他の情報記録層を照射することにより発生する迷光を迷光A、p偏光である0次光が他の情報記録層を照射することにより発生する迷光を迷光Bという)。また、A方向の円偏光及びp偏光である+1次回折光は、光ディスク50の径方向において当該トラックから例えば内周側へ1/2トラックピッチ分離れ、当該トラックの接線方向において所定距離離れた位置に集光されるとともに、他の情報記録層を照射することとなる。また、A方向の円偏光及びp偏光である−1次回折光とは、0次光の集光位置に対し+1次回折光の集光位置と点対称
となる位置に集光されるとともに、他の情報記録層を照射することとなる。また、対物レンズ7は、光ディスク50からのB方向の円偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Aと、p偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Bとを平行光に変換して、1/4波長板6に出射する。
検出レンズ8は、シリンドリカルレンズ等で構成され、偏光ビームスプリッタ4からのs偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Aに非点収差を付与する。
光検出器9は、図3に示すように、例えば正方形の形状を有した、検出レンズ8からのs偏光である0次反射光を受光するための受光面12(0次光受光面)と、s偏光である+1次反射光を受光するための受光面13(回折光受光面)と、s偏光である−1次反射光を受光するための受光面14(回折光受光面)とを有する。受光面12乃至14は、s偏光である0次反射光、±1次反射光が最小錯乱円となる位置に設けられ、受光面12乃至14の光検出器9における配置は、光ディスク50の一の情報記録層に対する、A方向の円偏光及びp偏光である0次光の集光位置と、A方向の円偏光及びp偏光である+1次回折光の集光位置と、A方向の円偏光及びp偏光である−1次回折光と集光位置との配列に対応している。また、受光面12を受光面A、Bと受光面C、Dとに分割する分割方向と、受光面13を受光面I、Jと受光面K、Lとに分割する分割方向と、受光面14を受光面E、Fと受光面G、Hとに分割する分割方向とは、光ディスク50の情報記録層L0及びL1に形成されたトラックの接線方向に対応している。また、受光面12の対角線は、0次反射光の非点収差の発生方向と略一致している。受光面13の対角線は、+1次反射光の非点収差の発生方向と略一致している。受光面14の対角線は、−1次反射光の非点収差の発生方向と略一致している。尚、受光面12乃至受光面14のトラックの接線方向に対応する分割方向(以下、C方向という)における各長さをX3とし、受光面12乃至受光面14の配列方向(以下、D方向という)における受光面13から受光面14までの長さをY3として、後記する1/4波長板6の構成の詳細において説明する。
この光検出器9は、受光面Aにおける0次反射光の光量に応じた光電変換信号A、受光面Bにおける0次反射光の光量に応じた光電変換信号B、受光面Cにおける光電変換信号C、受光面Dにおける光電変換信号D、受光面Iにおける+1次反射光の光量に応じた光電変換信号I、受光面Jにおける+1次反射光の光量に応じた光電変換信号J、受光面Kにおける+1次反射光の光量に応じた光電変換信号K、受光面Lにおける+1次反射光の光量に応じた光電変換信号L、受光面Eにおける−1次反射光の光量に応じた光電変換信号E、受光面Fにおける−1次反射光の光量に応じた光電変換信号F、受光面Gにおける−1次反射光の光量に応じた光電変換信号G、受光面Hにおける−1次反射光の光量に応じた光電変換信号Hを生成して、光ディスク50の情報記録層に記録された情報の再生信号、トラッキング制御のためのトラッキングエラー信号、フォーカス制御のためのフォーカスエラー信号等を検出する不図示の処理回路に出力する。そして、当該処理回路における、光電変換信号A+光電変換信号B+光電変換信号C+光電変換信号Dの演算処理の結果に基づいて、再生信号が検出されることとなる。また、当該処理回路において、{(光電変換信号A+光電変換信号B)−(光電変換信号C+光電変換信号D)}−k[{(光電変換信号I+光電変換信号J)−(光電変換信号K+光電変換信号L)}+{(光電変換信号E+光電変換信号F)−(光電変換信号G+光電変換信号H)}]を演算処理することにより、トラッキングエラー信号が検出されることとなる(k=0次光の光量/±1次回折光の光量=10〜20/2)。また、当該処理回路において、{(光電変換信号A+光電変換信号C)−(光電変換信号B+光電変換信号D)}+k[{(光電変換信号I+光電変換信号K)−(光電変換信号J+光電変換信号L)}+{(光電変換信号E+光電変換信号G)−(光電変換信号F+光電変換信号H)}]を演算処理することにより、フォーカスエラー信号が検出されることとなる。尚、光ディスク50の規格等に応じて、{(光電変換信号A+光電変換信号C)−(光電変換信号B+光電変換信号D)}からフォーカスエラー信号を検出することとしても良い。
===本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板6の構成===
以下、図2、図3を適宜参照しつつ、図1を用いて本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板6の詳細について説明する。図1(a)は、図2に示す第1領域10及び第2領域11の左側面図である。図1(b)は、トラックの接線方向から1/4波長板6を見た時の断面図である。
1/4波長板6は、第1領域10、第2領域11、ガラス基板15a、15bを有する。ガラス基板15a、15bは、第1領域10、第2領域11を封止する。
第1領域10は、複屈折シート、ポリマー材等の高分子材料や水晶等から構成されており、複屈折シート等の光学軸(図1(a)の第1領域10中の矢印方向)に対して+45度の角度をなす偏光方向であるp偏光をA方向の円偏光に変換し、複屈折シート等の光学軸に対して−45度の角度をなす偏光方向であるs偏光をB方向の円偏光に変換する。また、第1領域10は、A方向の円偏光をp偏光に変換し、また、B方向の円偏光をs偏光に変換する。この結果、第1領域10は、コリメータレンズ5からのp偏光である0次光、±1次回折光をA方向の円偏光に変換し、対物レンズ7からのB方向の円偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Aをs偏光に変換することとなる。
第2領域11は、p偏光である0次光、±1次回折光の偏光方向を変換せずに透過し、p偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Bの偏光方向を変換せずに透過するべく例えば空気又はガラス、屈折率分布が等方的な樹脂等で構成された、長方形の形状を有する領域である。以下、図3を参照しつつ、第2領域11の径方向における長さX1、接線方向における長さY1と、長方形の形状を有する、迷光A(斜線)中の非斜線部16のC方向における長さX2、D方向における長さY2との関係について説明する。第2領域11の径方向における長さX1は、光検出器9に対して迷光A(斜線)が照射される場合、当該迷光A中の非斜線部16のC方向における長さをX2(>X3)とする値で設定される。また、第2領域11の接線方向における長さY1は、光検出器9に対して迷光Aが照射される場合、当該迷光A(斜線)中の非斜線部16のD方向における長さをY2(>Y3)とする値で設定される。つまり、第2領域11は、光検出器9の受光面12乃至14が迷光Aを受光しないための領域(非斜線部16)を当該迷光Aに形成させる形状で設けられる。言い換えれば、第2領域11は、迷光Bが仮に光検出器9に照射される場合に、非斜線部16の形状で照射されることを回避するための形状で設けられる。尚、この第2領域11の長さX1、Y1は、1/4波長板6からコリメータレンズ5に出射した迷光A(又は/及び迷光B)が、当該1/4波長板6から光検出器9までの復路光学系(コリメータレンズ5、偏光ビームスプリッタ4、検出レンズ8)を介したときの、迷光A(又は/及び迷光B)の例えば径の変化倍率等に基づいてもとめることが可能であるし、又は実験、シュミレーション等を繰り返すことにより算出することも可能である。この結果、光ディスク50の他の情報記録層にて反射された0次反射光は、1/4波長板6からコリメータレンズ5に出射したとき、光検出器9に対して非斜線部16を有して照射されるs偏光である迷光Aと、図2(b)の斜線にて示す偏光ビームスプリッタ4を透過可能なp偏光である迷光Bとなる。
===迷光に対する1/4波長板6の効果===
以下、図1乃至図3を参照しつつ、本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板6の効果について説明する。尚、本実施形態においては、例えば光ディスク50の情報記録層L1に0次光、±1次回折光を集光する場合について説明する。
コリメータレンズ5からのp偏光である0次光、±1次回折光のうち、径方向における長さX1、接線方向における長さY1を有する第2領域11に入射した0次光、±1次反射光は、当該第2領域11を透過する。また、残りのp偏光である0次光、±1次回折光は、第1領域10によりA方向の円偏光に変換される。
1/4波長板6からのA方向の円偏光及びp偏光である0次光は、対物レンズ7によって、光ディスク50の情報記録層L1に形成されたトラックに集光されるとともに、情報記録層L0を照射する。この結果、A方向の円偏光である0次光が情報記録層L1にて反射されることによりB方向の円偏光である0次反射光が発生し、p偏光である0次光が情報記録層L1にて反射されることによりp偏光である0次反射光が発生する。また、A方向の円偏光である0次光が情報記録層L0にて反射されることによりB方向の円偏光である0次反射光(迷光A)が発生し、p偏光である0次光が情報記録層L0にて反射されることによりp偏光である0次反射光(迷光B)が発生することとなる。
また、1/4波長板6からのA方向の円偏光及びp偏光の+1次回折光は、対物レンズ7によって、当該トラックから内周側へ1/2トラックピッチ分離れ、当該トラックに接線方向において所定距離離れた位置に集光されるとともに、情報記録層L0を照射する。この結果、A方向の円偏光である+1次回折光が情報記録層L1にて反射されることによりB方向の円偏光である+1次反射光が発生し、p偏光である+1次回折光が情報記録層L1にて反射されることによりp偏光である+1次反射光が発生する。また、A方向の円偏光である+1次回折光が情報記録層L0にて反射されることによりB方向の円偏光である+1次反射光が発生し、p偏光である+1次反射光が情報記録層L0にて反射されることによりp偏光である+1次反射光が発生することとなる。尚、上述したように、情報記録層L0からの+1次反射光は、トラッキングエラー信号の検出には影響を及ぼさない程度の光量となるため、説明を省略する。
また、1/4波長板6からのA方向の円偏光及びp偏光の−1次回折光は、対物レンズ7によって、0次光の集光位置に対し+1次回折光の集光位置と点対象となる位置に集光されるとともに、情報記録層L0を照射する。この結果、A方向の円偏光である−1次回折光が情報記録層L1にて反射されることによりB方向の円偏光である−1次反射光が発生し、p偏光である−1次回折光が情報記録層L1にて反射されることによりp偏光である−1次反射光が発生する。また、A方向の円偏光である−1次回折光が情報記録層L0にて反射されることによりB方向の円偏光である−1次反射光が発生し、p偏光である−1次反射光が情報記録層L0にて反射されることによりp偏光である−1次反射光が発生することとなる。尚、上述したように、情報記録層L0からの−1次反射光は、トラッキングエラー信号の検出には影響を及ぼさない程度の光量となるため、説明を省略する。
情報記録層L1からのB方向の円偏光である0次反射光、±1次反射光(図2(b)破線)、p偏光である0次反射光、±1次反射光(図2(b)斜線)は、対物レンズ7によって、平行光に変換される。また、情報記録層L0からのB方向の円偏光である迷光A(図2(b)破線)、p偏光である迷光B(図2(b)斜線)は、対物レンズ7によって、略平行光に変換される。
そして、径方向における長さX1、接線方向における長さY1を有する第2領域11に入射した、p偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Bは、当該第2領域11を透過する。また、B方向の円偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Aは、第1領域10によりs偏光に変換される。
1/4波長板6からのp偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光B、及びs偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Aは、コリメータレンズ5により収束光に変換される。
そして、コリメータレンズ5からのs偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Aは、偏光ビームスプリッタ4によって反射されることにより、検出レンズ8に出射される。また、p偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Bは、偏光ビームスプリッタ4を透過することにより、回折格子3に出射される。この結果、情報の記録又は再生の対象ではない情報記録層L0を0次光が照射することにより発生する迷光A、Bのうち、迷光Bは光検出器9側へ出射されないこととなり、迷光Aのみが光検出器9側へ出射されることとなる。
s偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Aは、検出レンズ8により非点収差が付与されて、光検出器9に出射される。
s偏光である0次反射光は、光検出器9の受光面12にて受光される。また、s偏光である+1次反射光は、光検出器9の受光面13にて受光される。また、s偏光である−1次反射光は、光検出器9の受光面14にて受光される。そして、s偏光である迷光Aは、図3に示すように、C方向における長さX2、D方向における長さY2の非斜線部16を除いて光検出器9に照射されることとなる。つまり、受光面12乃至14にて迷光が受光されなくなる。この結果、受光面A乃至Dにて受光された0次反射光、受光面I乃至Lにて受光された+1次反射光、受光面E乃至Hにて受光された−1次反射光に基づいて、良好なトラッキングエラー信号が検出されることとなる。
上述した実施形態によれば、迷光Bの受光を禁止された受光面12乃至14からの光電変換信号A乃至Lに基づいて、良好なトラッキングエラー信号を検出することが可能となり、光ディスク50に対する情報の記録又は再生を正確に行うことが可能となる。また、光ディスク50に対する情報の記録又は再生を行うために光ピックアップ装置1が有するべき1/4波長板6を用いている為、従来のように、迷光の受光を禁止するために偏光ホログラム等を設ける必要がないため、工程数増加、コストアップ等を軽減又は防止することが可能となる。また、半導体レーザー2が出射するレーザー光の波長の変動に対しても、偏光ビームスプリッタ4が透過及び反射可能であるため、受光面12乃至14が迷光Bを受光することを禁止することが可能となる。
更に、第2領域11が、往光路において、p偏光である0次光、±1次回折光を透過し、復光路において、p偏光である0次反射光、±1反射光、迷光Bを透過することから、偏光ビームスプリッタ4は、当該p偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Bを確実に透過することが可能となる。この結果、受光面12乃至14が迷光Bを受光することをより確実に禁止することが可能となる。
更に、受光面12が、迷光Bを受光することを禁止することが可能となり、より正確なトラッキングエラー信号を検出することが可能となる。この結果、光ディスク50に対する情報の記録又は再生をより良好に行うことが可能となる。更に、再生信号(光電変換信号A+光電変換信号B+光電変換信号C+光電変換信号D)に対する迷光Bの影響を軽減又は防止することが可能となり、光ディスク50に対するより良好な情報の再生又は記録を行うことが可能となる。
===本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板6のその他の形態===
<<第2領域の形状>>
上述の実施形態においては、第2領域11の形状を、図3に示す長方形としたがこれに限るものではない。
例えば、図4に示す形状しても良い。図4(a)は、光検出器9の受光面12乃至14の形状(正方形)と略同一形状を有する第2領域17A乃至17Cを備えた、1/4波長板19を示す図である。図4(b)は、光検出器9に対するレーザー光の照射の様子を示す図である。尚、図4において、図1及び図3と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
1/4波長板19は、第1領域18、第2領域17A乃至17C、不図示のガラス基板15a、15bを有する。第2領域17Aの径方向における長さX1は、光検出器9に対して迷光A(斜線)が照射される場合、当該迷光A中の非斜線部20AのC方向における長さをX2(>X3)とする値で設定され、接線方向における長さY4(=X1)は、D方向における長さをY5(=X2)(>Y6(=X3))とする値で設定される。また、第2領域17Bの径方向における長さX1は、光検出器9に対して迷光A(斜線)が照射される場合、当該迷光A中の非斜線部20BのC方向における長さをX2(>X3)とする値で設定され、接線方向における長さY4は、D方向における長さをY5(>Y6)とする値で設定される。また、第2領域17Cの径方向における長さX1は、光検出器9に対して迷光A(斜線)が照射される場合、当該迷光A中の非斜線部20CのC方向における長さをX2(>X3)とする値で設定され、接線方向における長さY4は、D方向における長さをY5(>Y6)とする値で設定される。つまり、第2領域17Aは、受光面12が迷光Aを受光しないための領域であり、第2領域17Bは、受光面13が迷光Aを受光しないための領域であり、第2領域17Cは、受光面14が迷光Aを受光しないための領域である。この結果、s偏光である迷光Aは、図4(b)に示すように、C方向における長さX2、D方向における長さY5の非斜線部20A乃至20Cを除いて光検出器9に照射されることとなる。つまり、受光面12乃至14が迷光Bを受光することを禁止することが可能となり、良好なトラッキングエラー信号が検出されることとなる。
更に、第2領域17A乃至17Cを、受光面12乃至14の形状と略同一形状とすることにより、受光面12乃至14が受光するべきs偏光の0次反射光、±1次反射光に対する、偏光ビームスプリッタ4を透過するp偏光である0次反射光、±1次反射光の影響をより軽減することが可能となる。詳述すると、例えば、非斜線部20A乃至20CのC方向における長さX2及びD方向における長さY5を、図4(b)に示す長さよりも長い長さとするべく、第2領域17A乃至17Cの径方向における長さX1及び接線方向における長さY4を設定したものとする。この場合、情報の記録又は再生の対象となる一の情報記録層にて反射されたp偏光である0次反射光、±1次反射光は、図4に示す第2領域17A乃至17Cを設けたことによるp偏光である0次反射光、±1次反射光に比べ光量、光径等がより大きくなる。逆に、情報の記録又は再生の対象となる一の情報記録層にて反射されたs偏光である0次反射光、±1次反射光は、図4に示す第2領域17A乃至17Cを設けたことによるs偏光である0次反射光、±1次反射光に比べ光量、光径等がより小さくなる。このため、受光面12乃至14が受光するべきs偏光の0次反射光、±1次反射光が小さくなり、良好なトラッキングエラー信号等が検出されなくなる可能性がある。しかしながら、上述したように、第2領域17A乃至17Cを、受光面12乃至14の形状と略同一形状とすることにより、受光面12乃至14が受光するべきs偏光の0次反射光、±1次反射光の光量等を大きくすることが可能となり、トラッキングエラー信号等の検出をより確実に行うことが可能となる。
また、例えば、図5に示す形状としても良い。図5(a)は、図4(a)に示す1/4波長板19の第2領域17Aを第1領域18とした、1/4波長板21を示す図である。図5(b)は、光検出器9に対するレーザー光の様子を示す図である。尚、図5において、図4と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
図5(b)に示すように、図4(a)に示す1/4波長板19の第2領域17Aを第1領域18とすることにより、受光面12において迷光Aが受光されることとなる。そして、トラッキングエラー信号は、前述したように、{(光電変換信号A+光電変換信号B)−(光電変換信号C+光電変換信号D)}−k[{(光電変換信号I+光電変換信号J)−(光電変換信号K+光電変換信号L)}+{(光電変換信号E+光電変換信号F)−(光電変換信号G+光電変換信号H)}]を演算処理することにより検出されることとなる。ここで、トラッキングエラー信号の検出に係る受光面12からの光電変換信号A乃至Dと、受光面13、14からの光電変換信号E乃至Lとを比べると、受光面13、14からの光電変換信号E乃至Lに基づく演算結果[{(光電変換信号I+光電変換信号J)−(光電変換信号K+光電変換信号L)}+{(光電変換信号E+光電変換信号F)−(光電変換信号G+光電変換信号H)}]は、回折格子3の回折効率に基づいてk倍されることとなる。このため、仮に、受光面13、14にて迷光Aが受光された場合、その迷光Aの受光に起因したトラッキングエラー信号に対する影響は、受光面12にて迷光Aが受光された場合の影響よりも大きく増幅されることとなる。つまり、受光面12による迷光Aの受光は、トラッキングエラー信号の検出にあたって相対的に小さいものであることが分かる。このため、図5(a)に示すように第2領域17B、17Cのみを1/4波長板21に設けることによっても、良好なトラッキングエラー信号を検出することが可能となる。
<<第2領域のその他の形態>>
上述の実施形態によれば、第2領域11(17)を、p偏光である0次光、±1次回折光の偏光方向を変換せずに透過し、p偏光である0次反射光(迷光Bを含む)、±1次反射光の偏光方向を変換せずに透過するべく、空気又はガラス、屈折率分布が等方的な樹脂等で構成しているがこれに限るものではない。
例えば、図6に示すように、光学軸をp偏光の偏光方向と同一方向に設定した複屈折シート等で第2領域24を構成しても良い。図6(a)は、1/4波長板25を構成する第1領域10、第2領域24を示す図である。図6(b)は、トラックの接線方向から1/4波長板25を見た時の断面図である。図6(c)は、光検出器9に照射されるレーザー光の様子を示す図である。尚、図6において、図1及び図3と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
第2領域24は、第1領域10を構成する複屈折シート等の光学軸(図6(a)の第1領域10中の矢印方向)に対して、+45度の角度をなす光学軸で設定された複屈折シート等(素子)から構成されている。この結果、第2領域24を構成する複屈折シートの光学軸と、p偏光の偏光方向とは同一方向となる。つまり、第2領域24は、1/4波長板として機能を有しない領域となる。このため、第2領域24は、p偏光である0次光、±1次回折光の偏光方向を変換せずに透過し、p偏光である0次反射光(迷光Bを含む)、±1次反射光の偏光方向を変換せずに透過することとなる。この結果、s偏光である迷光Aは、図6(c)に示すように、C方向における長さX2、D方向における長さY2の非斜線部26を除いて光検出器9に照射されることとなる。つまり、受光面12乃至14が迷光Bを受光することを禁止することが可能となり、良好なトラッキングエラー信号が検出されることとなる。
更に、図6に示す第2領域24を複屈折シート等から構成することにより、1/4波長板25に入射された0次光、±1次回折光が、当該1/4波長板25からの出射されたときの、第1領域10からのA方向の円偏光である0次光、±1次回折光と、第2領域24からのp偏光である0次光、±1次回折光との位相段差の発生を防止することが可能となる。この結果、光ディスク50の一の情報記録層に形成されたトラックに対し、対物レンズ7の集光動作によって、A方向の円偏光である0次光、±1次回折光と、p偏光である0次光、±1次回折光とによる良好なスポット光を形成することが可能となる。このため、光ディスク50の一の情報記録層に対する、情報の記録及び/再生を良好に行うことが可能となる。
また、例えば、図7に示す1/2波長板としての機能を有する第2領域27を設けても良い。図7(a)は、1/4波長板25を構成する第1領域10、第2領域27を示す図である。図7(b)は、トラックの接線方向から1/4波長板28を見た時の断面図である。図7(c)は、光検出器9に照射されるレーザー光の様子を示す図である。尚、図7において、図6と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
第2領域27は、p偏光の偏光方向に対して角度θをなす光学軸で設定された複屈折シート等から構成されている。この結果、第2領域27は、1/2波長板としての機能を有する領域となる。このため、第2領域27に入射するp偏光である0次光、±1次回折光は、もとの偏光方向(図7、上下矢印方向)に対し角度2θ回転した偏光方向の直線偏光となる(以下、角度2θ回転した偏光方向の直線偏光という)。この角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次光、±1次回折光、及び第1領域10からのA方向の円偏光である0次光、±1次回折光は、対物レンズ7の集光動作によって、光ディスク50の一の情報記録層に形成されたトラックに集光されるとともに、他の情報記録層に照射される。以下、角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次光、±1次回折光について説明する。光ディスク50の一の情報記録層に集光された、角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次光、±1次回折光は、角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次反射光、±1次反射光となり、他の情報記録層に集光された、角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次光、±1次回折光は、角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次反射光(迷光B)、±1次反射光となる。そして、角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次反射光、±1次反射光は対物レンズ7により平行光に変換されるとともに、迷光Bは対物レンズ7により略平行光に変換されて、1/4波長板28の第2領域27に入射する。角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Bは、第2領域27により、角度2θに対し角度−2θ回転した偏光方向の直線偏光となる。つまり、0次反射光、±1次反射光、迷光Bは、再びp偏光となる。この結果、p偏光である0次反射光、±1次反射光、迷光Bは、コリメータレンズ5にて収束光に変換された後、偏光ビームスプリッタ4を透過することとなる。このため、s偏光である迷光Aは、図7(c)に示すように、C方向における長さX2、D方向における長さY2の非斜線部29を除いて光検出器9に照射されることとなる。つまり、受光面12乃至14が迷光Bを受光することを禁止することが可能となり、良好なトラッキングエラー信号が検出されることとなる。
更に、図7に示す第2領域27を複屈折シート等から構成することにより、1/4波長板28に入射された0次光、±1次回折光が、当該1/4波長板25からの出射されたときの、第1領域10からのA方向の円偏光である0次光、±1次回折光と、第2領域27からの角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次光、±1次回折光との位相段差の発生を防止することが可能となる。この結果、光ディスク50の一の情報記録層に形成されたトラックに対し、対物レンズ7の集光動作によって、A方向の円偏光である0次光、±1次回折光と、角度2θ回転した偏光方向の直線偏光である0次光、±1次回折光とによる良好なスポット光を形成することが可能となる。このため、光ディスク50の一の情報記録層に対する、情報の記録及び/再生を良好に行うことが可能となる。尚、図6に示す第2領域24、図7に示す第2領域27の形状を、前述した図4に示す第2領域17A乃至17C、図5に示す第2領域17B、17Cとすることも可能である。
以上、本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板について説明したが、上記の説明は、本発明の理解を容易とするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。
本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板の詳細を示す図である。 本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板を具備する光ピックアップ装置の全体構成を示す図である。 光検出器に照射されるレーザー光の様子を示す図である。 本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板のその他の形態を示す図である。 本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板のその他の形態を示す図である。 本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板のその他の形態を示す図である。 本発明に係る光ピックアップ装置のための1/4波長板のその他の形態を示す図である。 光ディスクの各情報記録層からの0次反射光を示す図である。 光検出器に照射されるレーザー光の様子を示す図である。
符号の説明
1 光ピックアップ装置
2 半導体レーザー
3 回折格子
4 偏光ビームスプリッタ
5 コリメータレンズ
6、19、21、25、28 1/4波長板
7 対物レンズ
8 検出レンズ
9 光検出器
10、18 第1領域
11、17、24、27 第2領域
12、13、14 受光面
15 ガラス基板
16、20、26、29 非斜線部
50 光ディスク
100 光ディスク
101 光検出器

Claims (5)

  1. レーザー光を出射する半導体レーザーと、複数の情報記録層を有する光ディスクと、の間の光路上に、
    回折格子と、偏光ビームスプリッタと、1/4波長板と、対物レンズと、光検出器と、を備え、
    前記半導体レーザーから前記光ディスクまでの往光路において、
    前記回折格子は、前記レーザー光に基づいて、直線偏光する第1の0次光及び回折光を発生し、
    前記1/4波長板は、前記第1の0次光及び回折光が前記偏光ビームスプリッタを介して入射し、前記第1の0次光及び回折光を円偏光する第2の0次光及び回折光に変換して発生し、
    前記対物レンズは、前記第2の0次光及び回折光が入射し、前記第2の0次光及び回折光を前記光ディスクの一の情報記録層に集光するべく発生し、
    前記光ディスクから前記光検出器までの復光路において、
    前記対物レンズは、前記光ディスクの情報記録層から反射される前記第2の0次光及び回折光とは逆方向に円偏光する第3の0次光及び回折光を発生し、
    前記1/4波長板は、前記第3の0次光及び回折光が入射し、前記第3の0次光及び回折光を前記第1の0次光及び回折光とは直交する方向に直線偏光する第4の0次光及び回折光に変換して発生し、
    前記光検出器は、前記第2の0次光が前記光ディスクの一の情報記録層に集光する場合の前記第4の0次光を前記偏光ビームスプリッタを介して受光する0次光受光面と、前記第2の回折光が前記光ディスクの一の情報記録層に集光する場合の前記第4の回折光を前記偏光ビームスプリッタを介して受光する回折光受光面と、を有し、前記0次光受光面及び前記回折光受光面の受光結果に応じて、前記光ディスクに対する情報の記録又は再生を行うためのサーボ制御にかかる信号を発生する光ピックアップ装置であって、
    前記1/4波長板は、
    前記往光路において、前記第1の0次光及び回折光を前記第2の0次光及び回折光に変換するとともに、前記復光路において、前記第3の0次光及び回折光を前記第4の0次光及び回折光に変換する領域と、
    前記往光路及び前記復光路において、前記偏光ビームスプリッタによって前記光検出器に出射されない前記第1の0次光及び回折光の直線偏光方向を変換せずに、当該第1の0次光及び回折光を透過する禁止領域と、を有し、
    前記領域に対して、前記禁止領域は、
    前記第2の0次光及び回折光が前記光ディスクの一の情報記録層に集光したときの前記光ディスクの他の情報記録層から反射され、前記領域及び前記偏光ビームスプリッタを介して得られた前記第4の0次光を、前記回折光受光面が受光しないための前記回折光受光面以上の大きさを有する領域を、当該第4の0次光に形成させる形状で設けられる、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記禁止領域は、
    前記第1の0次光及び回折光の直線偏光方向と同一方向の光学軸を有する素子からなる、
    ことを特徴とする請求項に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記禁止領域は、
    前記回折光受光面と略同一形状である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記禁止領域は、
    前記0次光受光面が、前記第2の0次光及び回折光が前記光ディスクの一の情報記録層に集光したときの、前記光ディスクの他の情報記録層から反射されて得られる前記第4の0次光を受光することを禁止する、
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記禁止領域は、
    前記0次光受光面及び前記回折光受光面と略同一形状である、
    ことを特徴とする請求項に記載の光ピックアップ装置。
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